JP2008142154A - 生体磁場計測装置および生体モデルへの平行投影方法 - Google Patents

生体磁場計測装置および生体モデルへの平行投影方法 Download PDF

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Abstract

【課題】計測した磁場データに基づいて、心筋内の電流分布を適切な電流値として求めることができる生体磁場計測装置および生体モデルへの平行投影方法を提供する。
【解決手段】各磁束計におけるz方向の磁場成分のx方向の変化量およびy方向の変化量に、各磁束計のz座標点から各磁束計の直下に位置する心臓モデルを構成する座標データの各z座標点間の距離に対応した磁場電流換算係数を乗算することで電流分布ベクトルおよび電流分布ベクトルの大きさを導出する演算手段(電流値換算部85)と、電流分布ベクトルおよび電流分布ベクトルの大きさをz方向から心臓モデルを構成する座標データの各座標点に平行投影した合成画像データを求める演算手段(CAM画像生成部86、合成画像生成部87)と、を有する生体磁場計測装置等である。
【選択図】図3

Description

本発明は、生体が発する微弱な磁場を計測するSQUID(Superconducting Quantum Interference Device:超電導量子干渉素子)磁束計を用いた生体磁場計測装置、および、計測した磁場データに基づいて推定される電流分布の生体モデルへの平行投影方法に関する。
近年、心筋内の電気活動を無侵襲に可視化する装置として、心磁計が開発されている(例えば、非特許文献1,2参照)。心磁計とは、心臓から生じる微弱な磁場を無侵襲かつ非接触に多点で計測し、この計測した磁場データに基づいて心筋内の電気活動を推定する装置である。
心磁計による心筋内の電気活動を推定する一つの方法として、計測した磁場データから心筋内の2次元および3次元の電流分布を推定する方法がある。このように、磁場データから電流分布を解析する方法は一般に生体磁場逆問題と呼ばれ、生体内の電流源から生じる磁場を計測する順問題と対比される。
現在、生体磁場逆問題に適用される代表的な解析手法には、Levenberg−Marqurdt法(例えば、非特許文献3参照)、最小二乗法(例えば、非特許文献4,5参照)、ウィナーフィルタ(例えば、非特許文献6参照)等がある。ただし、これらの解析手法は、逆問題の解である電流分布を一意に推定できない、逆問題固有の不適切性を包含している。
そこで、この逆問題の不適切性を克服するために、Tikhonovの正則化法を組み合わせた逆問題解析方法が提案されている。Tikhonovの正則化法とは、逆問題解析に用いられる残差項に安定化項(正則化項)を加えることで、逆問題の不適切性を改善する方法である。
一方、心磁計による心筋内の電気活動を推定する他の方法として、電流アロー図(Current Arrow Map:以下「CAM」という)が開発されている(例えば、非特許文献7参照)。CAMは、心臓磁場の計測面に直交する磁場成分を空間微分することにより得られる2次元平面上のベクトルを近似的に生体内の電流分布とすることにより、心筋内の電気活動を視覚化する方法である。
従って、CAMを用いることで、心筋内の電気活動を視覚化できるので、心磁計の解析結果に対する医師や検査技師の理解度の向上が期待できる。また、CAMを用いることで、患者に対しても検査結果をわかりやすく提供できる。例えば、CAMを心疾患解析に適用することで、心房粗動の異常心房興奮(例えば、非特許文献8参照)やQT延長症候群の異常心室興奮(例えば、非特許文献9参照)が視覚化されている。さらに、心臓の形態を模擬した3次元心臓モデルとCAMとを合成する方法である、Projected CAM(以下「PCAM」という)が提案されており、このPCAMによれば、3次元心臓モデル上に心筋内の電気活動を視覚化できるので、心筋興奮部位を医師や患者が容易に理解することができる(例えば、非特許文献10参照)。
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ここで、CAMを用いて心筋内の電気活動を推定する場合には、CAMによって算出される値が電流に近似される値であった。また、逆問題を解析して心筋内の電気活動を推定するために、Tikhonovの正則化法を適用した場合であっても、最適な正則化パラメータを決定する方法が未だに確立されていないという問題があった。
さらに、PCAMでは、PCAMにおいて心臓モデルに投影される従来のCAMが、計測面から離れた心臓の電流よりも計測面から近い心臓の電流の影響を強く受けてしまうために、心臓磁場の計測面から離れた位置の心臓の電気活動(例えば、心室側壁)を適切に反映して、心臓モデル上に視覚化することが困難であるという問題があった。
そこで、本発明は、計測した磁場データに基づいて、心筋内の電流分布を適切な電流値として求めることを目的とする。
さらに、本発明は、心臓磁場の計測面から離れた位置の心臓の電気活動(例えば、心室側壁)を適切に反映して、心臓モデル上に視覚化することを目的とする。
前記課題を解決するために、本発明は、生体から発生する生体磁場の略体表面に沿ったxy面に垂直なz方向の磁場成分、または、前記生体磁場の略体表面に沿ったxy面に平行なx方向の磁場成分およびy方向の磁場成分を計測し、前記生体の体表面に平行な(x,y)座標の座標位置に2次元に配置される複数の磁束計と、前記複数の磁束計の出力信号の演算を行なう演算装置と、前記演算の結果を表示する表示装置とを備えた生体磁場計測装置であって、前記演算装置は、磁場を計測される前記生体とは同一、または、異なる生体の画像データから、生体の形状を模擬する2次元または3次元の生体モデルを構成する座標データを抽出する座標データ抽出手段と、次の(1)および(2)のうち少なくとも1つを有することを特徴とする生体磁場計測装置である。
(1)任意の時点での各磁束計におけるz方向の磁場成分のx方向の変化量およびy方向の変化量を求める第1の演算手段と、前記各磁束計におけるz方向の磁場成分のx方向の変化量およびy方向の変化量に、前記各磁束計のz座標点から前記各磁束計の直下に位置する前記生体モデルを構成する座標データの各z座標点間の距離に対応した磁場電流換算係数を乗算することで電流分布ベクトルおよび電流分布ベクトルの大きさを導出する第2の演算手段と、前記電流分布ベクトルおよび前記電流分布ベクトルの大きさをz方向から前記生体モデルを構成する座標データの各座標点に平行投影した合成画像データを求める第3の演算手段と、前記表示装置に前記合成画像データを表示させる第4の演算手段
(2)任意の時点での前記各磁束計におけるx方向の磁場成分およびy方向の磁場成分に、前記各磁束計のz座標点から前記各磁束計の直下に位置する前記生体モデルを構成する座標データの各z座標点間の距離に対応した磁場電流換算係数を乗算することで電流分布ベクトルおよび電流分布ベクトルの大きさを導出する第5の演算手段と、前記電流分布ベクトルをz方向から前記生体モデルを表す座標データの前記(x,y)座標に平行投影した合成画像データを求める第6の演算手段と、前記表示装置に前記合成画像データを表示させる第7の演算手段
なお、他の発明については、明細書中で明らかにする。
本発明によれば、計測した磁場データに基づいて、心筋内の電流分布を適切な電流値として求めることができる。
さらに、本発明によれば、心臓磁場の計測面から離れた位置の心臓の電気活動(例えば、心室側壁)を適切に反映して、心臓モデル上に視覚化することができる。
以下、本発明を実施するための最良の形態(以下「実施形態」という)について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。
本実施形態は、計測した磁場データに基づいて、心筋内の電流分布を適切な電流値として、求めることができる生体磁場計測装置を提供するものである。言い換えると、本実施形態は、CAMを用いて電流分布を推定する視点においては、電流に近似される値を物理的な電流値に換算し、Tikhonovの正則化法を用いて生体磁場逆問題を解析する視点においては、最適な正則化パラメータを決定することによって、電流分布を求めることができる生体磁場計測装置を提供するものである。
また、本実施形態は、心臓磁場の計測面から離れた位置(例えば、心室側壁)の心臓の電気活動を適切に反映して、心臓モデル上に視覚化する生体磁場計測装置を提供するものである。
本実施形態において、「心臓モデル」とは、心臓の形状を模擬した2次元または3次元の心臓モデルであって、少なくとも座標データを含んで構成される。
ここで、前記の心臓モデルの説明において、「心臓の形状を模擬した」とは、少なくとも心臓の一部を模擬していればよく、例えば、心臓の表面(外観)を模擬する心臓モデル、心臓の内部構造を模擬する心臓モデル(2次元の断面等も含まれる)、または、心臓の時系列的な収縮を模擬した心臓モデルである。このような心臓モデルは、一般に、核磁気共鳴イメージング装置やX線CT装置等の診断装置による計測結果に基づいて作成することができる。そして、心臓モデルは、心臓磁場を計測した被験者と同一の被験者の心臓の形状を模擬したものであってもよく、異なる被験者の心臓の形状を模擬したものであってもよい。さらには、複数の被験者の心臓モデルを平均化して利用してもよく、典型的には、健常者の心臓モデルや、特定の疾患を有する患者の心臓モデル等が挙げられる。
図1は、本実施形態の生体磁場計測装置の全体構成を示す概略図である。図1に示すように、生体磁場計測装置1の構成要素は、磁気シールドルーム2の内部と外部とに分かれて配設される。
磁気シールドルーム2の内部には、複数のSQUID磁束計を内部に配置して極低温に保持するクライオスタット3と、クライオスタット3を支持するガントリ4と、被験者(図示せず)が横になるベッド5が配置されている。ベッド5は、ベッド5の短軸(A方向,y方向)での移動とベッド5の長軸(C方向,x方向)での移動と、ベッド5の上下方向(B方向,z方向)での移動が可能であって、計測部位の位置合わせを容易に行うことができる。
磁気シールドルーム2の外部には、クライオスタット3内に配置される複数のSQUID磁束計を駆動させる駆動回路6と、駆動回路6からの出力を増幅してフィルタをかけるアンプフィルタユニット7と、アンプフィルタユニット7からの出力信号をデータ収集し、収集されたデータ(以下、「磁場データ」という)を解析処理するとともに生体磁場計測装置1の各部の制御を行なう演算装置8と、演算装置8により解析処理された解析結果を表示する表示装置9が主に配置されている。
なお、本実施形態の生体磁場計測装置1は、生体から発する磁場を計測する装置において、特に、計測した磁場データの解析処理を行う演算装置8に特徴を有している。そのため、その他の計測等に関する装置の構成および動作は、被験者の計測部位に応じて、例えば、心磁計、脳磁計、肺磁計、筋磁計等の従来の生体磁場計測装置の構成および動作を適宜適用することができる。そして、本実施形態においては、特に、心臓磁場を計測する構成の生体磁場計測装置1を説明する。
図2は、複数のSQUID磁束計の配列および被験者に対する配置の一例を説明するための図である。複数のSQUID磁束計は、クライオスタット(図1参照)3の底部の内壁にz方向に沿って垂設し、胸壁10に対して垂直なz方向の磁場成分Bを経時的に計測している。そして、複数のSQUID磁束計は、磁気の距離変化量を的確に捉えられるように、x方向およびy方向には等間隔に配列している。すなわち、複数のSQUID磁束計による計測領域は、図2に示すように、正方格子状に区画され、被験者の胸壁10に対して平行に配置された計測面11として表現することができる。
本実施形態においては、一例として、SQUID磁束計間の距離が0.025mであって、計測面11が0.175m×0.175m、SQUID磁束計の数が8×8のアレー状に配置した64チャンネルの場合を説明する。図2に示す計測面11の座標系においては、例えば、符号12で示す7行3列目に対応するSQUID磁束計が胸部の剣状突起13の真上に位置するように、計測面11の位置合わせを行う。このときには、1行8列目のSQUID磁束計を座標系の原点Oとする。
<演算装置の機能構成>
図3は、演算装置8の機能構成を示すブロック図である。図3に示すように、演算装置8は、CAM解析部81(第1の演算手段)と、磁場電流換算直線生成部82と、位置合わせ部83(座標データ抽出手段、第8、第9、第11、第12、第14の演算手段)と、輪郭座標抽出部84と、電流値換算部85(第2、第5、第15の演算手段)と、CAM画像生成部86(第3、第6の演算手段)と、合成画像生成部87(第3、第4、第6、第7の演算手段)と、生体磁場計測装置1の各部の制御を行なう制御部(図示せず)とを含んで構成される。
なお、演算装置8は、図示しないCPUと記憶装置とを備え、CPUが記憶装置に格納されているプログラムを実行することによって各部の機能を実現することができる。また、制御部には、生体磁場計測装置1の各部の制御に用いられる回路が適宜備えられる。
ここで、本実施形態の演算装置8は、磁場データの解析処理において、心筋興奮にともない発生する電流分布と磁場とが以下に仮定する電流ダイポールモデルを満たすものとして演算処理を行う。
図4は、本実施形態で用いた電流ダイポールモデルを説明するための図である。図4に示すように、z=0mのxy面14(図2における計測面11に相当する)に、8×8の格子状に計測点15を配置する。
そして、心筋興奮の際の電流分布を、半無限平面導体16中のz=zのxy面17(平面A’)上の座標r’に存在する電流ダイポールJ(r’)(J(r’)=[J(r’)J(r’)J(r’)])として仮定する。
そして、半無限平面導体16中の体積電流を考慮しない場合、半無限平面導体16外の計測点15のうち、i(i=1,2,・・・,M)番目の計測点rで計測される磁場B(r)(B(r)=[Bx,i(r)By,i(r)Bz,i(r)])は、Biot−Savartの法則に従って次の(1)式を用いて計算できる。
(r)=∫L(r’)・J(r’)dv’ ・・・(1)
(1)式において、L(r’)は電流ダイポールJ(r’)とi番目の計測点で計測される磁場B(r)に関連するリードフィールド(磁場導出)行列である。そして、(1)式における積分は平面A’の面積分である。(1)式の方程式を全ての計測点(M個)に対して適用し、電流ダイポールが存在する平面A’をN個の領域に離散化すると、次の(2)式に示す行列方程式が得られる。
B=LJ ・・・(2)
(2)式において、Bは3M×1の磁場の列ベクトルを、Lは3M×3Nのリードフィールド行列を、Jは3N×1の電流ダイポールの列ベクトルを表している。なお、本実施形態においては、計測点数MはSQUID磁束計の数である64に相当するが、SQUID磁束計を含む計測装置の構成に応じて変更可能である。
ここで、計測磁場の法線成分Bに注目すると、(2)式は、次の(3)式に変換できる。
=LJ ・・・(3)
(3)式において、BはM×1の列ベクトルを、LはM×3Nのリードフィールド行列を表している。通常、リードフィールド行列Lは、各SQUID磁束計の検出感度によって決定されるものであって、あらかじめ記憶装置に記憶されて演算処理の際には適宜記憶装置から読み出される。すなわち、この(3)式によれば、電流分布に対応して仮定された電流ダイポールJ(r’)と、磁場の法線成分Bとの関係が規定される。
<<CAM解析部>>
図3に示すCAM解析部81は、計測された磁場データに基づいて、特に逆問題を解析することなしに、近似的な電流分布を推定するものである。具体的には、近似的な電流分布は、磁場の法線成分Bの空間微分から得られる2次元平面(計測面11)上のベクトルを、近似的な電流分布ベクトルJCAMとして扱うことによって、表現されるものである。また、JCAMに基づいて生成される電流分布画像をCAM画像という。
なお、JCAMは、x成分JCAM およびy成分JCAM 、ならびに、大きさ|JCAM|により構成される。
ここで、CAM解析部81が、計測された磁場データに基づいて近似的な電流分布ベクトルJCAMを算出する手順について説明する。
本実施形態のCAM解析部81においては、i(i=1,2,・・・,M)番目の計測点rでの磁場の法線成分Bz,i(r)の空間微分から得られる磁場の接線成分BCAM x,i(r),BCAM y,i(r)を、心筋内の近似的な電流分布ベクトルJCAM (r)として扱う。
従って、JCAM (r)を構成するx成分JCAM x,i(r)およびy成分JCAM y,i(r)は、それぞれ、次の(4)式および(5)式から求めることができる。
CAM x,i(r)=BCAM y,i(r)=dBz,i(r)/dy ・・・(4)
CAM y,i(r)=−BCAM x,i(r)=dBz,i(r)/dx ・・・(5)
また、JCAM (r)を構成する近似的な電流分布ベクトルの大きさ|JCAM (r)|は、(4)式および(5)式を用いて次の(6)式により導出される。
|JCAM (r)|=√((JCAM x,i(r))+(JCAM y,i(r))) ・・・(6)
なお、(4)式および(5)式から明らかなように、CAM解析部81により求められる近似的な電流分布ベクトルJCAMの単位はT/mであって、電流値の物理量を示すものではない。
そして、CAM解析部81により算出されたJCAMは、電流値換算部85に出力される。
<<磁場電流換算直線生成部>>
磁場電流換算直線生成部82は、CAM解析部81により算出された近似的な電流分布ベクトルJCAMと、磁場電流換算直線生成部82における生体磁場逆問題解析により推定される電流分布ベクトル(後記するJMNMTRに対応する)とを比較することにより、JCAMを電流値に換算する磁場電流換算直線100(図6参照)を生成するものである。
ここで、図5に示すように、磁場電流換算直線生成部82は、逆問題解析部821と、電流分布比較部822と、JCAM−JMNMTR相関図生成部823と、電流源深さ推定部824(第10、第13の演算手段)と、電流源深さ−磁場電流換算係数相関図生成部825とを含んで構成される。
(逆問題解析部)
逆問題解析部821は、計測された磁場データに基づいて、生体磁場逆問題解析を行うことによって、生体内の電流分布を求めるものである。
具体的には、逆問題解析部821により推定される電流分布は、電流分布ベクトルJMNMTRとして表現される。また、JMNMTRに基づいて生成される電流分布画像をMNMTR画像という。JMNMTRの詳細な説明は後記する。
逆問題解析部821が生体磁場逆問題を解析する手法は特に限定しないが、まず、最小二乗法(Minimum−Norm Method:以下、略して「MNM」という)を適用して解析する場合について説明する。MNMは、逆問題解析の代表的な手法の一つであり、磁場の計測値と計算値との二乗誤差を最小とすることにより、心筋内の電流分布を推定する方法である。
すなわち、MNMにおいて、心筋内の電流分布は次の(7)式に示す評価関数Fを最小とするように決定される。
F=||B−B mes|| ・・・(7)
(7)式において、Bは法線成分磁場の計算値、B mesは法線成分磁場の計測値に対応する。そして、||・||はユークリッドノルムを表している。ここで、(3)式を利用すると、(7)式のFを最小とする2次元の電流分布ベクトルJMNMは、次の(8)式により推定される。
MNM=(L −1 mes ・・・(8)
ところが、(8)式のJMNMの解を一意に求めることは困難である。これは、(8)式に用いられる行列L の条件数が大きいために、その逆行列から得られる電流分布ベクトルJMNMに計測磁場の雑音や数値誤差が大きく混入することに起因する。このように、解を一意に決定できない問題は逆問題固有の性質であり、逆問題の不適切性と呼ばれる。
そこで、本実施形態においては、このような逆問題解析における問題点を改善するために、MNMにTikhonovの正則化法を組み合わせて逆問題を解析する。Tikhonovの正則化法とは、逆問題解析に用いられる残差項に安定化項(正則化項)を加えることで、逆問題の不適切性を改善する方法である。以下において、Tikhonovの正則化法を組み合わせたMNMをMNMTRと記載し、MNMTRにより求められる2次元の電流分布ベクトルをJMNMTRと記載する。
すなわち、MNMTRにおいて、心筋内の電流分布ベクトルJMNMTRは次の(9)式に示す評価関数Fを最小とするように推定される。
F=||B(JMNMTR)−B mes||+α||RJMNMTR|| ・・・(9)
(9)式において、αは正則化パラメータと呼ばれる係数(正の定数)、Rは安定化行列と呼ばれる3N×3Nの行列である。ここで、(3)式を利用すると、(9)式のFを最小とする2次元の電流分布ベクトルJMNMTRは、次の(10)式により推定される。
MNMTR=(L +αRR)−1 mes ・・・(10)
(10)式において、安定化行列Rには、例えば、単位行列Iを用いることができる。また、正則化パラメータαを求める方法としては、Generalid cross validation法やL−curve法等が提案されている。
なお、本実施形態においては、逆問題解析方法としてMNMTRを用いたが、その他の解析方法(例えば、前記したLevenberg−Marqurtdt法やウィナーフィルタ法等)を使用した場合も、MNMTRと同様の結果を得ることができる。
そして、逆問題解析部821により推定された電流分布ベクトルJMNMTRは、電流分布比較部822に出力される。
(電流分布比較部)
前記したように、逆問題解析部821において、生体磁場逆問題を解析することによって、JMNMTRが推定される。しかしながら、このような逆問題解析方法を用いた場合であっても、安定的に正則化パラメータαを求めることができるわけではない。従って、JMNMTRも常に適切な値が推定されるわけではない。
そこで、電流分布比較部822は、JCAMとJMNMTRの分布パターンを比較することによって、適切なJMNMTRを決定する。また、適切なJMNMTRが決定されることによって、おのずと、適切な正則化パラメータαも決定されることとなる。
ここで、JCAMとJMNMTRの分布パターンを比較するため、JMNMTRの離散数Nと、JCAMの座標点数(計測点数)Mは同じとする。
このとき、電流分布比較部822は、次の(11)式に示す評価関数REmcgを小さくするようにJMNMTRを決定する。
REmcg=||JCAM −JMNMTR ||/||JMNMTR ||
+||JCAM −JMNMTR ||/||JMNMTR || ・・・(11)
(11)式において、JCAM およびJCAM は近似的な電流分布ベクトルJCAMのx成分およびy成分の分布を、JMNMTR およびJMNMTR は電流分布ベクトルJMNMTRのx成分およびy成分の分布を表している。JCAM ,JCAM ,JMNMTR およびJMNMTR は,いずれもM×1の列ベクトルである。ここで、JCAM ,JCAM ,JMNMTR およびJMNMTR は、各分布の最大強度で規格化した値である。
なお、電流分布のパターンを比較するためのJCAMとJMNMTRは、必ずしも計測した磁場データに基づいて算出される必要はない。例えば、数値シミュレーションにおいて、仮定した電流ダイポールJ(r’)(図4参照)に数値を設定し、この設定した電流ダイポールJ(r’)から算出されるJCAMとJMNMTRの分布パターンを、それぞれ設定した電流ダイポールJ(r’)の分布パターンと比較することによっても評価することができる。
具体的には、数値シミュレーションにおいて、JCAMとJMNMTRの分布パターンと、設定した電流ダイポールJ(r’)の分布パターンとは、次の(12)式に従って比較される。
REsim=(||JCAL −JTRUE ||/||JTRUE ||
+||JCAL −JTRUE ||/||JTRUE ||) ・・・(12)
(12)式において、JTRUE およびJTRUE は数値シミュレーションで設定した電流ダイポールJ(r’)のx成分およびy成分の分布を、JCAL およびJCAL は電流分布ベクトルJCAMまたはJMNMTRのx成分およびy成分の分布を表している。JTRUE x,TRUE y,CAL およびJCAL は、いずれもM×1の列ベクトルである。ここで、JTRUE ,JTRUE ,JCAL およびJCAL は、各分布の最大強度で規格化した値である。
すなわち、数値シミュレーションにおいては、(12)式を用いて、電流ダイポールJ(r’)とJCAMの分布パターンの比較をREsimとして算出し、同様に、(12)式を用いて、電流ダイポールJ(r’)とJMNMTRの分布パターンの比較をREsimとして算出し、それぞれのREsimの値を比較することによって、間接的にJCAMの分布パターンと、JMNMTRの分布パターンとを比較することができる。この数値シミュレーションを用いた電流分布のパターンの比較は、後記する実施例1でさらに詳細に説明する。
また、電流分布のパターンの比較を、(11)式や(12)式を用いて行う場合を説明したが、生成された電流分布画像(CAM画像、MNMTR画像)における輝度や輪郭の比較によって電流分布のパターンが近似しているかどうかを評価することもできる。この場合にも、JCAMと近似する分布パターンを形成するJMNMTRが、適切なJMNMTRとして採用される。
そして、電流分布比較部822により決定された適切なJMNMTRは、JCAM−JMNMTR相関図生成部823に出力される。
(JCAM−JMNMTR相関図生成部)
CAM−JMNMTR相関図生成部823は、複数の時点tにおける、JCAMの大きさの最大値およびJMNMTRの大きさの最大値を抽出して相関図を生成し、さらに、その回帰直線を生成するものである。
ここで、JCAM−JMNMTR相関図生成部823が、回帰直線を生成する手順を説明する。
まず、JCAM−JMNMTR相関図生成部823は、複数の解析時刻(時点t)を決定する。なお、時点tとしては,p波,QRS波,T波の各10点程度を使用することが好ましい。
次に、JCAM−JMNMTR相関図生成部823は、複数の時点tにおける、JCAMの大きさの最大値およびJMNMTRの大きさの最大値を抽出する。この最大値とは、例えば、CAM画像やMNMTR画像内に描画される64本のベクトルの中で、それぞれ最も長いベクトルの大きさに該当する。
そして、JCAM−JMNMTR相関図生成部823は、複数の時点tでのJCAMの大きさの最大値とJMNMTRの大きさの最大値との相関図を生成する。このとき、JCAMの大きさの最大値とJMNMTRの大きさの最大値とは、正の強い相関を示す。
そこで、JCAM−JMNMTR相関図生成部823は、生成されたJCAM−JMNMTR相関図において、回帰直線を生成する。ここで、この回帰直線の傾きを「磁場電流換算係数(y)」という。回帰直線の傾きの値の単位は、(A・m)/(T/m)である。
このように、同一の被験者(一定の電流源深さ)におけるJCAMの大きさの最大値およびJMNMTRの大きさの最大値に基づいて算出される磁場電流換算係数yは、同一の被験者で計測されたJCAM(T/m)を電流値(A・m)に換算する際に適用することができる。
このように、JCAM−JMNMTR相関図生成部823により算出される磁場電流換算係数yを用いれば、近似的な電流分布を表すJCAMを電流値に換算することができる。しかしながら、同一の被験者の計測データから生成される磁場電流換算係数yは、その被験者のみに適用されるものであって、電流源深さが異なる他の被験者に適用することはできない。
そこで、このような磁場電流換算係数yの適用対象を一般化するために、JCAM−JMNMTR相関図生成部823は、複数の被験者(複数の電流源深さz)からの計測データに基づいて、複数のJCAM−JMNMTR相関図を生成し、それぞれの相関図において複数の磁場電流換算係数y(回帰直線の傾き)を算出する。JCAM−JMNMTR相関図生成部823は、この複数の磁場電流換算係数yを、電流源深さ−磁場電流換算係数相関図生成部825に出力する。
(電流源深さ推定部)
電流源深さ推定部824は、SQUID磁束計の計測面11(図2参照)から電流源までの電流源深さzを推定するものである。電流源深さzを推定する手段の一例として、本実施形態では、ダイポール推定法を適用している。
ダイポール推定法とは、生体内の電気生理学的活動を1つのダイポール(電流源に相当する)で代表させ、そのダイポール座標(x,y,z)、向きθおよびモーメントQを推定する方法であって、次の(13)式を最小とする最適化問題に帰着する。
(x,y,z,θ,Q)=
Σ(Bz,i−QL(x,y,z,θ))/Σ(Bz,i・・・(13)
(13)式において、Bz,i(i=1,2,・・・,M)は生体磁場計測装置1の各SQUID磁束計で計測された所定時刻tでの磁場の法線成分、LはBiot−Savartの法則により導かれる係数を表している。また、分子および分母のΣは、複数のSQUID磁束計に対応するi=1〜Mの加算を表す。特に、ダイポール推定に用いる所定時刻tは、心筋内の電気活動が局所的である、p波またはQ波の初期時刻であることが好ましく、より好ましくはp波の初期時刻である。ダイポール推定にp波の初期時刻を用いるのは、洞結節が心臓のリズムを支配する組織であって、その座標位置は洞結節の興奮に始まる心房興奮時相であるp波の初期時刻のダイポール推定により特定できることが知られているためである。
このように、ダイポール推定法を用いることで、計測した磁場データに基づいて、電流源である洞結節近辺の局所的な心筋興奮部位を比較的に精度よく推定できる。
電流源深さ推定部824は、この電流源深さzを、電流源深さ−磁場電流換算係数相関図生成部825に出力する。
(電流源深さ−磁場電流換算係数相関図生成部)
電流源深さ−磁場電流換算係数相関図生成部825は、複数の電流源深さzと、それぞれの電流源深さzに対応する磁場電流換算係数yとの相関図を生成し、さらに、その回帰直線(磁場電流換算直線)を生成するものである。言い換えると、電流源深さ−磁場電流換算係数相関図生成部825は、被験者が異なれば、ダイポール推定により推定される電流源深さ(洞結節近辺の局所的な心筋興奮部位の深さ)が異なることを利用して、磁場電流換算直線を生成するものである。
ここで、電流源深さ−磁場電流換算係数相関図生成部825が、回帰直線(磁場電流換算直線)を生成する手順を説明する。
まず、電流源深さ−磁場電流換算係数相関図生成部825は、複数の電流源深さzと、それぞれの電流源深さzに対応する磁場電流換算係数yとの相関図を生成する。このとき、電流源深さzと磁場電流換算係数yとは、負の強い相関を示す。
そこで、電流源深さ−磁場電流換算係数相関図生成部825は、生成された電流源深さ−磁場電流換算係数相関図において、回帰直線を生成する。ここで、この回帰直線を「磁場電流換算直線」(図6、符号100参照)という。
このように、複数の被験者(複数の電流源深さz)と、それぞれの電流源深さzに対応する磁場電流換算係数yに基づいて生成される磁場電流換算直線100は、一例として、複数の被験者においてJCAM(T/m)を電流値(A・m)に換算する場合に適用することができる。また、他の例として、同一の被験者においても心臓のように立体的な形状により計測部位毎に計測面11からの距離が異なるような場合に、JCAM(T/m)を計測面11から計測部位までの距離zに応じた電流値(A・m)へと換算する際の重み関数として、磁場電流換算直線100を適用することができる。従って、以下の説明において、磁場電流換算直線100を後者の例として用いる場合には、適宜、「電流源深さz」を「計測面11から計測部位までの距離z」に読み替えて説明するものとする。
そして、電流源深さ−磁場電流換算係数相関図生成部825により生成された磁場電流換算直線100は、演算装置8の図示しない記憶手段に記憶され、適宜、電流値換算部85(図3参照)により読み出される。この図示しない記憶手段は、一般に使用されるメモリやハードディスク装置によって実現することができる。また、この記憶手段には、磁場電流換算直線100を記憶するだけでなく、JCAM−JMNMTR相関図生成部823で生成された相関図や回帰直線を記憶したり、また、特定の被験者(特定の電流源深さz)や特定の計測部位(特定の計測面11から計測部位までの距離z)に対応した磁場電流換算係数y等をあらかじめ抜粋して記憶しておき、適宜読み出して演算処理に利用することもできる。
<<位置合わせ部>>
図3に戻って、位置合わせ部83は、合成画像生成部87でCAM画像と心臓モデルとを合成するにあたり、心臓モデルの位置合わせを行うものである。
ここで、図7、8を参照して、位置合わせ部83が、3次元心臓モデルの位置合わせを行う手順について説明する。参照する図面において、図7は、洞結節の座標が設定された3次元心臓モデルを示す図であって、図8は、磁場データの計測面および磁場データに基づいて推定されたダイポール座標を示す図である。
まず、図7に示すように、位置合わせ部83は、3次元心臓モデル111において、洞結節の座標(x’,y’,z’)112を設定する。このとき、位置合わせ部83は、洞結節の座標を設定するために、例えば、洞結節に特徴的な形状を自動的に検出する所定のプログラムを備えていてもよく、操作者が3次元心臓モデル111の画像を見ながら洞結節の座標を入力するための入力部(図示せず)を備える構成としてもよい。
次に、図8に示すように、位置合わせ部83は、計測面11で計測されたp波の初期時刻の心臓磁場データを用いてダイポール推定を行い、ダイポール座標113(x,y,z)を推定する。なお、ダイポール推定については、電流源深さ推定部824で既に説明しているので重複する説明は省略する。ただし、ダイポール座標113(x,y,z)は、電流源深さ推定部824で推定したダイポール座標(x,y,z)と座標が同じであるとは限らず、ダイポール推定に用いる所定時刻tや磁場データ(被験者)によって相違しうる。
そして、位置合わせ部83は、3次元心臓モデル111上に設定した洞結節の座標(x’,y’,z’)112と、磁場データに基づいて推定されたダイポール座標113(x,y,z)とが重なるように3次元心臓モデル111を移動させることにより、3次元心臓モデル111の位置合わせを行う。
そして、位置合わせされた3次元心臓モデル111は、輪郭座標抽出部84および合成画像生成部87に出力される。
<<輪郭座標抽出部>>
輪郭座標抽出部84は、位置あわせ後の3次元心臓モデル111において、電流値の算出を所望する計測部位として心臓の各輪郭座標(r’,r’,…,r’)(p=1,2,…,P)を抽出し、計測面11から各輪郭座標までの距離zを算出するものである。本実施形態においては、計測面11上の64箇所の計測点15(図4参照)から垂下される線と、位置合わせ後の3次元心臓モデル111の輪郭線との交点である、64座標が、各輪郭座標(r’,r’,…,r’)(p=1,2,…,64)として抽出される。
そして、輪郭座標抽出部84は、計測面11から各輪郭座標までの距離zを、電流値換算部85に出力する。
<<電流値換算部>>
電流値換算部85は、近似的な電流分布ベクトルJCAMに磁場電流換算係数yを掛け合わせることによって、近似的な電流分布ベクトルJCAMを電流値に換算するものである。
特に、本実施形態の電流値換算部85は、心臓のように立体的な形状により計測部位毎に計測面11からの距離が異なるような場合に、JCAMを計測面11から計測部位までの距離zに応じた電流値へと換算するものである。
ここで、図面を参照して、電流値換算部85が、電流値を算出する手順を説明する。図6は、磁場電流換算直線100の一例を示す図である。
まず、電流値換算部85は、記憶手段から磁場電流換算直線100を読み出す。
そして、電流値換算部85は、輪郭座標抽出部83により抽出された計測面11から各輪郭座標までの距離z(図6に示す磁場電流換算直線100においては、横軸の「計測面から生体内の電流源までの深さz」に相当する)を、磁場電流換算直線100に代入し、各輪郭座標における磁場電流換算係数yを導出する。例えば、図6において、計測面11から、ある輪郭座標までの距離zが−0.10mのときには、磁場電流換算係数yはおよそ1200(A・m/T/m)である。
そして、電流値換算部85は、各輪郭座標毎に導出された磁場電流換算係数yを、CAM解析部81により算出された近似的な電流ベクトルJCAMに乗算することによって、電流値を算出する。具体的には、電流値換算部85は、磁場電流換算係数yを、近似的な電流分布ベクトルJCAMを構成するx成分JCAM 、y成分JCAM および大きさ|JCAM|に掛け合わせる。このとき算出された電流値の単位は(A・m)であって、電流値の物理量を示すものである。
そして、電流値算出部85は、近似的な電流ベクトルJCAMから変換された電流値を、CAM画像生成部86に出力する。
<<CAM画像生成部>>
CAM画像生成部86は、換算された電流値に基づいてCAM画像(電流分布画像)を生成するものである。
CAM画像生成部86が生成するCAM画像の様式は、従来のCAMで生成されるCAM画像と同様に、2次元平面上にベクトルで描画されたものであることが好ましい。
また、CAM画像生成部86は、JCAMから変換された電流値に基づいてCAM画像を生成するだけでなく、電流値に変換される前のJCAMから直接にCAM画像(電流分布画像)を生成したり、JMNMTRからMNMTR画像(電流分布画像)を生成したりして、合成画像生成部87に出力してもよい。
<<合成画像生成部>>
合成画像生成部87は、電流値に基づいて生成されたCAM画像と3次元心臓モデルとを合成した合成画像を生成するものである。
本実施形態においては、心臓の輪郭座標を計測部位として説明しているので、3次元心臓モデルの表面上にCAM画像が描画された合成画像が生成されることになる。
また、合成画像生成部87は、JCAMから変換された電流値に基づいて生成されたCAM画像だけでなく、電流値に変換される前のJCAMから直接生成されたCAM画像(電流分布画像)や、JMNMTRから生成されたMNMTR画像(電流分布画像)を、3次元心臓モデルに合成する構成としてもよい。
そして、合成画像生成部87により生成された合成画像は、表示装置9に出力される。
(表示画面例1)
図9は、生体磁場計測装置1の表示装置9に表示される表示画面の一例を示す図であって、JCAMから直接生成されたCAM画像(磁場電流換算直線を用いた換算を行わないCAM画像)を表示する表示画面である。
図9に示すように、表示装置9の表示画面48には、複数のSQUID磁束計により計測された経時的な磁場波形を表示する磁場波形表示欄49と、JCAMから直接生成されたCAM画像68を表示するCAM表示欄50とを含んで表示される。また、表示画面48には、磁場波形表示欄49に表示される磁場波形の表示条件を入力するための磁場波形表示条件入力欄51と、JCAMを算出する演算条件を入力するためのCAM演算条件入力欄52と、CAM画像68の表示条件を入力するためのCAM表示条件入力欄53と、JCAMから電流値に換算する演算条件を入力するための電流値演算条件入力欄54とを含んで表示される。
磁場波形表示欄49には、心臓磁場波形60と、磁場波形表示条件入力欄51における入力に対応して表示されるバー61と、心臓磁場波形60の表示時間幅に対応するスクロールバー62が表示される。
CAM表示欄50には、CAM画像68と、表示されるCAM画像68の近似的な電流強度値(JCAMの大きさ)に対応したカラーバー69と、カラーバー69の最大値表示70と、カラーバー69の最小値表示71が表示される。
磁場波形表示条件入力欄51は、表示される磁場波形の時間幅を設定する入力フィールド55と、時間幅のオフセットを設定する入力フィールド56と、表示される磁場波形の振幅の幅を設定する入力フィールド57と、振幅の幅のオフセットを設定する入力フィールド58と、これらの入力フィールド55〜58の設定を磁場波形表示欄49に反映させる実行ボタン59を有している。
CAM演算条件入力欄52は、計算するCAM画像68の枚数(マップ数)を設定する入力フィールド63と、計算するCAM画像68の開始時間を設定する入力フィールド64と、計算するCAM画像68の時間間隔を設定する入力フィールド65と、これらの入力フィールド63〜65の設定値に従いJCAMを計算し、CAM画像68をCAM表示欄50に表示させる実行ボタン66と、入力フィールド63〜65の設定値をクリアするクリアボタン67を有している。
CAM表示条件入力欄53は、CAM画像68のカラーマップの最大値表示70を設定する入力フィールド72と、CAM画像68のカラーマップの最小値表示71を設定する入力フィールド73と、これらの入力フィールド72,73の設定をCAM表示欄50に反映させる実行ボタン74を有している。
電流値演算条件入力欄54は、計測面からの心臓の深さ、つまり、SQUID磁束計の計測面から心臓までの電流源深さzを設定する入力フィールド75と、JCAMを電流値へ換算する際に利用する換算直線(標準直線、個別直線)を選択するラジオボタン(演算選択ボタン)76,77と、ラジオボタン76,77で選択された換算直線を計算して表示させる表示ボタン78と、入力フィールド75,ラジオボタン76,77の設定に従い、JCAMを電流値へ換算する実行ボタン79と、入力フィールド75,ラジオボタン76,77の設定をキャンセルするキャンセルボタン80を有している。
なお、図中にラジオボタン76で示す標準直線とは、磁場電流換算直線100に相当し、ラジオボタン77で示す個別直線とは、所定の電流源深さzにおいて生成されたJCAM−JMNMTR相関図の回帰直線に相当する。また、図9では選択された換算直線(標準直線、個別直線)は示されていないが、適宜表示されるものとする。
図10は、図9で示すCAM表示欄50に、電流値に換算後のCAM画像68が表示された場合の表示画面である。図10に示すように、電流値演算条件入力欄54の実行ボタン79を押した後、CAM表示欄50に電流値へ換算後のCAM画像68が表示される。また、カラーバー69の最大値表示70と、カラーバーの最小値表示71は、それぞれ、電流値の最大値と最小値の表示に変更される。このとき、カラーバーの単位も、図9のT/mから物理的な電流の単位(A・m)の表示に変更される。
また、CAM表示欄50に電流値へ換算されたCAM画像68が表示されているときに、電流値演算条件入力欄54のキャンセルボタン80を押すと、電流値に換算前のCAM画像68が再度表示される。
なお、図9および図10では、電流値に換算前のCAM画像と換算後のCAM画像とを、入力に応じて順次表示させる構成としているが、両者を同一画面内に表示させる画面構成としてもよい。
(表示画面例2)
図11は、生体磁場計測装置1の表示装置9に表示される表示画面の一例を示す図であって、最適なJMNMTRから直接生成されたMNMTR画像を表示する表示画面である。
図11に示す表示画面例2においては、図9を参照して説明した本実施形態の表示画面例1と比較して、MNMTR画像168を表示するMNMTR表示欄150と、生体内電流分布演算条件入力欄152と、MNMTR表示条件入力欄154とにおいて相違する。従って、重複する部分に関しては説明を省略し、本例において特徴的な部分に関して詳細に説明する。
図11に示すように、MNMTR表示欄150には、MNMTR画像168と、表示されるMNMTR画像168の電流強度値(JMNMTRの大きさ)に対応したカラーバー169と、カラーバー169の最大値表示170と、カラーバー169の最小値表示171が表示される。
生体内電流分布演算条件入力欄152は、計算するCAM画像68およびMNMTR画像168の枚数(マップ数)を設定する入力フィールド163と、計算するCAM画像68およびMNMTR画像168の開始時間を設定する入力フィールド164と、計算するCAM画像68およびMNMTR画像168の時間間隔を設定する入力フィールド165と、MNMTR画像168の計算に使用する計測面からの心臓の深さ、つまり、SQUID磁束計の計測面から心臓までの電流源深さzを設定する入力フィールド175と、入力フィールド163,164,165,175の設定値に従い電流分布ベクトル(JCAMおよびJMNMTR)を計算し、そして、CAM画像68とMNMTR画像168をそれぞれCAM表示欄50とMNMTR表示欄150に表示させる実行ボタン166と、入力フィールド163,164,165,175の設定値をクリアするクリアボタン167を有している。
MNMTR表示条件入力欄154は、MNMTR表示欄150に表示されるMNMTR画像168のカラーマップの最大値表示170を設定する入力フィールド172と、MNMTR表示欄150に表示されるMNMTR画像168のカラーマップの最小値表示171を設定する入力フィールド173と、入力フィールド172,173の設定をMNMTR表示欄150に反映させる実行ボタン179を有している。
(表示画面例3)
図12は、生体磁場計測装置1の表示装置9に表示される表示画面の一例を示す図であって、CAM画像と3次元心臓モデルとの合成画像を表示する表示画面である。
図12に示す表示画面例3においては、図9を参照して説明した本実施形態の表示画面例1と比較して、CAM画像と3次元心臓モデルとの合成画像を表示する合成画像表示欄118と、心臓モデル合成条件入力欄119と、画像表示制御欄141とにおいて相違する。従って、重複する部分に関しては説明を省略し、本例において特徴的な部分に関して詳細に説明する。
図12に示すように、合成画像表示欄118には、CAM画像と3次元心臓モデルとの合成画像120と、表示される合成画像120の電流強度値に対応したカラーバー121と、カラーバー120の最大値表示122と、カラーバー120の最小値表示123が表示される。
心臓モデル合成条件入力欄119は、計算するCAM画像と3次元心臓モデルとの合成画像120の枚数(マップ数)を設定する入力フィールド124と、計算するCAM画像と3次元心臓モデルとの合成画像120の開始時点を設定する入力フィールド125と、計算するCAM画像と3次元心臓モデルとの合成画像120の時間間隔を設定する入力フィールド126と、CAM画像と3次元心臓モデルとの合成画像120の計算に使用する3次元心臓モデルの位置決め方法(位置合わせ方法)を選択するラジオボタン127、128、129、130と、3次元心臓モデルの位置決め方法にマニュアルを選択した際に、3次元心臓モデルのある基準点のx座標を入力する入力フィールド131、y座標を入力する入力フィールド132、z座標を入力する入力フィールド133と、を備えている。
また、心臓モデル合成条件入力欄119は、CAM画像と3次元心臓モデルとの合成画像の計算に使用する換算直線を選択するラジオボタン134、135と、選択された換算直線を表示する表示ボタン136と、CAM画像と3次元心臓モデルとの合成画像の計算に使用する心臓モデルを選択するラジオボタン137と138と、心臓モデル合成条件入力欄のラジオボタンおよび入力フィールドの設定を実行する実行ボタン139と、心臓モデル合成条件入力欄のラジオボタンおよび入力フィールドの設定をクリアするクリアボタン140と、を備えている。
なお、図中にラジオボタン134で示す標準直線とは、磁場電流換算直線100に相当し、ラジオボタン135で示す個別直線とは、所定の電流源深さzにおいて生成されたJCAM−JMNMTR相関図の回帰直線に相当する。また、図12では選択された換算直線(標準直線、個別直線)は示されていないが、適宜表示されるものとする。
画像表示制御部141は、表示欄118に表示されるCAM画像と3次元心臓モデルとの合成画像120のカラーマップの最大値表示122を設定する入力フィールド142と、表示欄118に表示されるCAM画像と3次元心臓モデルとの合成画像120のカラーマップの最小値表示123を設定する入力フィールド143と、を有している。
また、画像表示制御部141は、表示欄118に表示されるCAM画像と3次元心臓モデルとの合成画像120の視点角度を設定する入力フィールド144、145を有している。画像表示制御部141は、入力フィールド142、143の設定を表示欄119に反映させる実行ボタン146を有している。
ここで、入力フィールド144、145(θ,φ)に、0°から±180°の範囲内の値を設定することで、あらゆる方向からの3次元表示が実現できる。なお、図12における3次元表示は、入力フィールド144、145(θ,φ)に(0°,90°)を入力した場合である。
図13は、3次元表示における視点角度の定義を説明するための図である。図13において、座標系205(x’、y’、z’)は視点の座標系を示し、座標系204(x、y、z)は標準心臓モデルの座標系を表している。ここで、標準心臓モデルの座標系のz軸と視点の座標系のz’軸のなす角度をφ、標準心臓モデルの座標系のx軸と視点の座標系のx’軸のなす角度をθとする。角度の正負は、図13で示す視点の座標系である座標系205(x’、y’、z’)のそれぞれの矢印方向を正としている。
図14は、図12に示す表示画面において、合成画像の3次元表示の視点角度を変更した表示画面を示す図である。なお、図14における3次元表示は、入力フィールド144、145(θ,φ)に(40°,30°)を入力した場合である。
<平行投影方法>
次に、図面を参照して、本実施形態の生体磁場計測装置1を用いて、JCAMを3次元心臓モデルに平行投影する方法について説明する。
図15は、JCAMを3次元心臓モデルに平行投影する場合の生体磁場計測装置1の全体動作を示すフローチャートである。
まず、生体磁場計測装置1のSQUID磁束計は、心臓磁場を計測する(ステップS10)。
次に、生体磁場計測装置1の演算装置8は、CAM解析部81によって、近似的な電流分布ベクトルJCAMを計算する(ステップS20)。
そして、生体磁場計測装置1の演算装置8は、位置合わせ部83によって、3次元心臓モデルにおける洞結節の座標に基づいて、3次元心臓モデルの位置合わせを行う(ステップS31)。
そして、生体磁場計測装置1の演算装置8は、電流値換算部85によって、磁場電流換算直線100を用いてJCAMを電流値に換算する(ステップS40)。
そして、生体磁場計測装置1の演算装置8は、CAM画像生成部86によって、JCAMから変換された電流値に基づいて、CAM画像を生成する(ステップS50)。
そして、生体磁場計測装置1の演算装置8は、合成画像生成部87によって、CAM画像と3次元心臓モデルとの合成画像を生成する(ステップS60)。
以下、ステップS40で用いる磁場電流換算直線100の生成処理について詳細に説明する。
図16は、磁場電流換算直線100の生成処理を説明するためのフローチャートである。
まず、磁場電流換算直線生成部82は、逆問題解析部821によって、計測した磁場データに基づいて、逆問題解析処理を行い、電流分布ベクトルJMNMTRを推定する(ステップS41)。
次に、磁場電流換算直線生成部82は、電流分布比較部822によって、JCAMとJMNMTRの分布パターンを比較し、適切なJMNMTRを算出する(ステップS42)。
そして、磁場電流換算直線生成部82は、JCAM−JMNMTR相関図生成部823によって、複数の解析時刻(時点t)を決定する(ステップS43)。なお、複数の時点tとして、p波,QRS波,T波の各10点程度を使用することが好ましい。
そして、磁場電流換算直線生成部82は、JCAM−JMNMTR相関図生成部823によって、複数の時点tにおけるJCAMの大きさの最大値およびJMNMTRの大きさの最大値を抽出する(ステップS44)。
そして、磁場電流換算直線生成部82は、JCAM−JMNMTR相関図生成部823によって、JCAMの大きさの最大値とJMNMTRの大きさの最大値との相関図を生成し、回帰直線を生成する(ステップS45)。なお、前記したように、この回帰直線の傾きを「磁場電流換算係数(y)」という。ここでは、複数の被験者の磁場データに基づいて、複数の磁場電流換算係数yが生成される。
そして、磁場電流換算直線生成部82は、電流源深さ推定部824によって、計測面から電流源までの電流源深さzを推定する(ステップS46)。ここでは、複数の被験者に対応した複数の電流源深さzが生成される。
そして、磁場電流換算直線生成部82は、電流源深さ−磁場電流換算係数相関図生成部825によって、複数の電流源深さzと、それぞれの電流源深さzに対応する磁場電流換算係数yとの相関図を生成し、回帰直線を生成する(ステップS47)。なお、前記したように、この回帰直線を「磁場電流換算直線」という。
そして、磁場電流換算直線生成部82は、電流源深さ−磁場電流換算係数相関図生成部825によって、生成された磁場電流換算直線100を記憶手段に記憶させる(ステップS48)。なお、前記したように、記憶手段に記憶された磁場電流換算直線100は、電流値換算部85がJCAMから電流値を算出する際に適宜読み出されて、演算処理に利用される。
以上によれば、本実施形態において、次のような効果を得ることができる。
近似的な電流分布を表すJCAMに磁場電流換算係数yを乗算することによって、電流値として電流分布を算出することができる。
さらに、磁場電流換算係数yを算出する手段を設けた構成であるため、磁場電流換算係数yがあらかじめ記憶されていなくても、計測データに基づいて新たに磁場電流換算係数yを算出し、JCAMを電流値に換算することができる。
また、磁場電流換算直線100を利用することによって、どのような電流源深さzの計測対象であっても、JCAM(T/m)から電流値(A・m)に換算することができる。
さらに、磁場電流換算係数yと電流源深さzとを対応させた磁場電流換算直線100を生成する手段(磁場電流換算直線生成部813)を設けた構成であるため、磁場電流換算直線100があらかじめ記憶されていなくても、計測データに基づいて新たに磁場電流換算直線100を生成し、電流源深さzに対応した磁場電流換算係数yを抽出することができる。
すなわち、ひとたび磁場電流換算直線100が生成されれば、本実施形態の生体磁場計測装置1を用いて、電流源深さzの異なるJCAMを電流値に換算することができる。
なお、本実施形態は前記実施形態に限定されるものではなく、その技術思想のおよぶ範囲で様々な変更実施を行うことができる。
本実施形態においては、JCAM−JMNMTR相関図生成部813cが、複数の時点tでのJCAMとJMNMTRの大きさの最大値に基づいて相関図を生成したが、例えば、複数の時点tでのJCAMとMNMTRの大きさの平均値に基づいて相関図を生成することもできる。
また、本実施形態においては、JCAMから換算された電流値に基づいて一旦CAM画像を生成し、このCAM画像と3次元心臓モデルとの合成画像を生成する構成として説明したが、必ずしも一旦CAM画像を生成する必要はない。
また、本実施形態においては、演算装置8に、あらかじめ座標データを有する3次元心臓モデルを入力する構成として説明したが、演算装置8(例えば、位置合わせ部83)において3次元心臓モデルの座標データを抽出する構成としてもよい。
<<位置合わせ部に関する変形例1>>
ここで、図17、18を参照して、位置合わせ部83の変形例1が、3次元心臓モデルの位置合わせを行う手順について説明する。位置合わせ部83の変形例1においては、3次元心臓モデルの位置合わせが、左心室領域の座標を用いて実行される。参照する図面において、図17は、3次元心臓モデルの左心室領域の抽出を説明する図であって、図18は、T波区間の等積分図から抽出されたある閾値以上の領域を示す図である。
左心室は大動脈に血液を送り出す部分であり、他の部位と比較して心筋が厚い。この左心室の領域は、心室の再分極過程の時相であるT波の等積分図から求めることができる。ここで、等積分図とは、電流分布ベクトルの大きさを任意の区間で時間積分し、時間積分値が等しい点を結ぶ2次元図であり、電流分布ベクトルとしてJCAMを用いると、次の(14)式から計算される。
SUM、i(r)=∫|JCAM i、t(r)|dt ・・・(14)
(14)式の積分区間はT1からT2であり、|JCAM i、t(r)|はある時刻tでの電流分布ベクトルの大きさを示しており、(6)式から計算できる。
ここで、3次元心臓モデルの位置決め方法(位置合わせ方法)は、以下の(1)から(3)の処理によって実行される。
(1)図17に示すように、3次元心臓モデル111からz=zの2次元領域114を抽出し、さらにDEF点で構成される左心室領域115の座標(x0,k,y0,k)(k=1,2,・・・,K)を抽出する。
(2)図18に示すように、(14)式より生体磁場計測装置の計測面11でのT波区間の等積分図116を計算し、ある閾値以上の積分値をもつ領域117の座標(x’,y’)(m=1,2,・・・,M)を抽出する。ここで、K=Mとする。
(3)左心室領域115と等積分図116から得られる領域117を用いて、両者の領域が最も重なりあう位置に3次元心臓モデルを移動させる。
ここで、図15を参照して、位置合わせ部の変形例1を適用した場合に、JCAMを3次元心臓モデルに平行投影する方法を説明する。
まず、生体磁場計測装置1のSQUID磁束計は、法線成分の心臓磁場Bを計測する(ステップS10)。
次に、生体磁場計測装置1の演算装置8は、CAM解析部81によって、JCAM(電流分布ベクトル)を計算する(ステップS20)。
そして、生体磁場計測装置1の演算装置8は、位置合わせ部83によって、3次元心臓モデルにおける左心室の領域に基づいて、3次元心臓モデルの位置合わせを行う(ステップS32)。
そして、生体磁場計測装置1の演算装置8は、電流値換算部85によって、磁場電流換算直線100を用いてJCAMを電流値に換算する(ステップS40)。
そして、生体磁場計測装置1の演算装置8は、CAM画像生成部86によって、JCAMから変換された電流値に基づいて、CAM画像を生成する(ステップS50)。
そして、生体磁場計測装置1の演算装置8は、合成画像生成部87によって、CAM画像と3次元心臓モデルとの合成画像を生成する(ステップS60)。
<<位置合わせ部に関する変形例2>>
ここで、図19、20を参照して、位置合わせ部83の変形例2が、3次元心臓モデルの位置合わせを行う手順について説明する。位置合わせ部83の変形例2においては、3次元心臓モデルの位置合わせが、洞結節の座標および左心室領域の座標を用いて実行される。
参照する図面において、図19は、3次元心臓モデルの左心室領域の抽出と、3次元心臓モデル上への洞結節の座標設定を説明する図であって、図20は、T波区間の等積分図から抽出されたある閾値以上の領域および推定されたp波初期時相のダイポール座標を示す図である。
ここで、3次元心臓モデルの位置決め方法(位置合わせ方法)は、以下の(1)から(3)の処理によって実行される。
(1)図19に示すように、3次元心臓モデル111(図17参照)からz=zの2次元領域114(図17参照)を抽出し、さらに、DEF点で構成される左心室領域115の座標(x0,k,y0,k)(k=1,2,・・・,K)を抽出する。さらに、3次元心臓モデル上に洞結節112の座標を設定する。
(2)図20に示すように、(14)式からT波の等積分図を計算し、積分値がある閾値以上の領域117の座標(x’,y’)(m=1,2,・・・,M,M=K)を抽出する。さらに、図20に示すように、p波の初期時相の心臓磁場データを用いてダイポール推定を行い、ダイポール推定位置113の座標を導出する。
(3)左心室領域115の座標と等積分図から得られるある閾値以上の領域117の座標との差および洞結節112の座標とダイポール推定位置113の座標との差を最小とする位置に3次元心臓モデルを移動させる。
ここで、位置決めが行われた3次元心臓モデル上へ、磁場電流換算係数yによって補正したCAMを平行投影し、3次元心筋内電流分布画像を得る。磁場電流換算係数yは、位置合わせが行われた3次元心臓モデルから計測領域までの距離を磁場電流換算直線100に代入することで得る。以上の処理によって、計測面から遠い心臓の電気活動も適切に反映した画像を得ることができる。
ここで、図15を参照して、位置合わせ部の変形例2を適用した場合に、JCAMを3次元心臓モデルに平行投影する方法を説明する。
まず、生体磁場計測装置1のSQUID磁束計は、法線成分の心臓磁場Bを計測する(ステップS10)。
次に、生体磁場計測装置1の演算装置8は、CAM解析部81によって、JCAM(電流分布ベクトル)を計算する(ステップS20)。
そして、生体磁場計測装置1の演算装置8は、位置合わせ部83によって、3次元心臓モデルにおける洞結節の座標および左心室の領域に基づいて、3次元心臓モデルの位置合わせを行う(ステップS31、S32)。
そして、生体磁場計測装置1の演算装置8は、電流値換算部85によって、磁場電流換算直線100を用いてJCAMを電流値に換算する(ステップS40)。
そして、生体磁場計測装置1の演算装置8は、CAM画像生成部86によって、JCAMから変換された電流値に基づいて、CAM画像を生成する(ステップS50)。
そして、生体磁場計測装置1の演算装置8は、合成画像生成部87によって、CAM画像と3次元心臓モデルとの合成画像を生成する(ステップS60)。
なお、本実施形態の位置合わせ部83、位置合わせ部83の変形例1、および、位置合わせ部83の変形例2の説明において、洞結節の座標に基づいた位置合わせ方法と、左心室の領域に基づいた3次元心臓モデルの位置合わせ方法について説明したが、3次元心臓モデルの位置合わせ方法はこれらに限定されるものではない。例えば、任意の位置に3次元心臓モデルを配置することによっても、効果的に位置合わせを行うことができる。
<<近似的な電流分布ベクトル算出処理に関する変形例>>
また、本実施形態においては、xy面に垂直なz方向の磁場成分Bを計測し、空間微分することによって、xy方向に並行なx方向の磁場成分Bとy方向の磁場成分Bとを算出する構成としたが、近似的な電流分布ベクトルJCAMとして、x方向の磁場成分Bとy方向の磁場成分Bとを求めることができれば、その方法は特に限定しない。
ここで、生体磁場のxy面に平行なx方向の磁場成分Bおよび方向の磁場成分Bの時間変化を検出するSQUID磁束計を使用する場合のJCAMの算出方法を説明する。i(i=1,2,・・・,M)番目の計測点rでのx方向の磁場線分Bx,i(r)およびy方向の磁場成分By,i(r)を用いると、JCAMは次の(15)式,(16)式から計算できる。
CAM x,i(r)=By,i(r) ・・・(15)
CAM y,i(r)=−Bx,i(r) ・・・(16)
なお、近似的な電流分布ベクトルの大きさ|JCAM (r)|は(6)式と同様の計算から求めることができる。
<<電流源深さ推定部に関する変形例>>
また、本実施形態においては、演算装置8に電流源深さ推定部824を設け、計測した磁場データに基づいてダイポール推定を行うことによって電流源深さzを推定したが、電流源深さzを求めることができれば、生体磁場計測装置1はどのような構成であってもよい。電流源深さ推定部824の代わりに、例えば、従来公知の核磁気共鳴イメージング装置、X線CT装置、または、超音波撮像装置を併設することにより、容易に電流源深さzを推定することができる。
核磁気共鳴イメージング装置、X線CT装置または超音波撮像装置の計測結果から、電流源深さzを求める場合には、まず、核磁気共鳴イメージング装置、X線CT装置または超音波撮像装置の計測結果を用いて、体表面から心臓までの距離を計算する。次に、心磁計測の際に計測した心磁計の計測面から体表面までの距離と、体表面から心臓までの距離とを足し合わせ、心磁計の計側面から心臓までの距離(電流源深さz)を求める。
なお、図示しないが、実際にこの変形例に沿って電流源深さzを計測した場合には、QRS波最大の電流値が、6.85×10−10 A・mであった。一方で、本実施形態のダイポール推定に基づいて電流源深さzを推定した場合には、QRS波最大の電流値が、6.66×10−10 A・mであって、ほぼ同一の値を示した。
本発明の生体磁場計測装置によれば、電流源深さzの推定方法に関わらず、適切な電流値を求めることができる。
<<電流分布算出方法の変形例>>
また、本実施形態においては、近似的な電流分布を表すJCAMを電流値に換算して電流分布を算出したが、必ずしも前記した電流分布算出方法に限定されるものではない。
ここで、図21を参照して、本実施形態の生体磁場計測装置1を用いて、JMNMTRとして電流分布を算出する方法について説明する。
図21は、JMNMTRとして電流分布を算出する場合の生体磁場計測装置1の全体動作を示すフローチャートである。
まず、生体磁場計測装置1のSQUID磁束計は、法線成分の心臓磁場Bを計測する(ステップS110)。
次に、生体磁場計測装置1の演算装置8は、CAM解析部81によって、任意の時点tにおける法線成分の磁場Bから接線方向の変化量(JCAMに相当する)を計算する(ステップS120)。
そして、生体磁場計測装置1の演算装置8は、電流源深さ推定部824によって、所定時刻tにおけるダイポール座標を計算し、SQUID磁束計の計測面から電流源までの電流源深さzを取得する(ステップS130)。なお、前記したように、所定時刻tは、p波またはQ波の初期時刻であることが好ましい。
そして、生体磁場計測装置1の演算装置8は、逆問題解析部821によって、電流源深さzにおける逆問題解析処理を行い、JMNMTRを推定する(ステップS140)。なお、この逆問題解析処理に用いられる正則化パラメータαの初期値αとして、通常10−1程度の値が採用される。
そして、生体磁場計測装置1の演算装置8は、電流分布比較部822によって、JMNMTRとJCAMとを用いて、(11)式を最小とする最適な正則化パラメータαoptを計算する(ステップS150)。なお、(11)式の関数の最小化処理は、滑降シンプレックス法を用いることが好ましい。
そして、生体磁場計測装置1の演算装置8は、逆問題解析部821によって、最適な正則化パラメータαoptを用いて最適なJMNMTRを算出する(ステップS160)。
そして、生体磁場計測装置1の演算装置8は、CAM画像生成部86によって、最適なJMNMTRに基づいて、MNMTR画像を生成し、合成画像生成部87に出力する(ステップS170)。
以上示したように、電流分布算出方法の変形例によれば、Tikhonovの正則化法を組み合わせた生体磁場逆問題解析において、最適な正則化パラメータαoptを、CAMと生体磁場逆問題解析により推定される電流分布の差で定義される評価関数を最小とするように決定することができる。その結果、最適なJMNMTRを算出することができる。
なお、この電流分布算出方法の変形例で算出された、最適な正則化パラメータαoptや、最適なJMNMTRを、本実施形態で説明した磁場電流換算直線100や、JCAM−JMNMTR相関図における回帰直線の生成に利用できることはいうまでもない。
以下、実施例を用いて、前記した実施形態にて説明した本発明の生体磁場計測装置および生体モデルへの平行投影方法を説明する。
<実施例1>
実施例1は、数値シミュレーションにより適切な正則化パラメータαを決定した実施例である。
具体的には、前記した実施形態において仮定した電流ダイポールJ(r’)(図4参照)に数値を設定し、設定した電流ダイポールJ(r’)に基づいて算出されるJCAMとJMNMTRの分布パターンを比較することにより適切な正則化パラメータαを決定した。
実施例1の数値シミュレーションでは、まず、図4に示すように、z=0mのxy面14に、8×8の格子状に計測点15を配置した。計測点15の間隔は0.025mとし、xy面14(計測面11)は、0.175m×0.175mとした。
そして、実施例1の数値シミュレーションでは、3つのシミュレーションモデルについて検討する。3つのシミュレーションモデルでは、共通して、半無限平面導体16中のz=zのxy面17(平面A’)上に電流ダイポールJ(r’)を設定した。
それぞれの3つのシミュレーションモデルにおいて、SQUID磁束計の計測面から電流ダイポールJ(r’)までの電流源深さzは、z=−0.08m,−0.10m,−0.12mに設定した。
図22は、3つのシミュレーションモデルにおいて、設定した電流ダイポールJ(r’)のz=zであるxy面17上での配置図である。図22において、(a)は、正方領域に4個の電流ダイポール18を配置したシミュレーションモデル(モデル1)、(b)はL字形の領域に12個の電流ダイポール19を配置したシミュレーションモデル(モデル2)、(c)は正方領域に連続的に回転する12個の電流ダイポール20を配置したシミュレーションモデル(モデル3)である。いずれのシミュレーションモデルにおいても、電流ダイポールJ(r’)のモーメントを、5.0μT・mとしている。
また、電流ダイポールJ(r’)の角度は、(a)が1つの方向(45°)、(b)は2つの方向(0°と90°)、(c)は4つの方向(0°,90°,180°および270°)を持つ。なお、これらの電流方向の角度は、(d)に示す角度定義21に従っている。
そして、3つのシミュレーションモデルについて、(3)式から法線方向の磁場Bz,i(r)を計算した。さらに、法線成分の磁場Bz,i(r)に基づいて、JCAMとJMNMTRとを計算した。なお、JMNMTRは、正則化パラメータαを10−1から10−16の範囲で変更しながらそれぞれの正則化パラメータαに対応した値を求めた。
そして、設定した電流ダイポールJ(r’)の分布パターンと、算出されたJCAMの分布パターンとの一致度REsimを(12)式に従って算出した。同様に、設定した電流ダイポールJ(r’)の分布パターンと、算出されたJMNMTRの分布パターンとの一致度REsimを(12)式に従って算出した。
図23〜25は、電流ダイポールJ(r’)とJCAMの分布パターンの一致度REsim電流ダイポールJ(r’)とJMNMTRの分布パターンの一致度REsimとを同時にプロットした図であって、図23〜25は、それぞれ、図22(a),(b)および(c)で示したモデル1〜3に対応する。また、図23〜25において、横軸は、設定した電流ダイポールJ(r’)の分布パターンに対して比較した手法(CAMおよびMNMTR)であって、縦軸は電流ダイポールJ(r’)と比較した手法との分布パターンの一致度REsimである。また、図23〜25において、丸(●)22,三角形(▲)23および四角形(■)24は、それぞれ、電流源深さzが、−0.08m,−0.10mおよび−0.12mの時のREsimである。
ここで、図23に示すように、モデル1の各深さ(z=−0.08m,−0.10mおよび−0.12m)における、電流ダイポールJ(r’)とJCAMの分布パターンの一致度REsimは、それぞれ、2.43,3.20および4.07である。
図24に示すように、モデル2の各深さ(z=−0.08m,−0.10mおよび−0.12m)における、電流ダイポールJ(r’)とJCAMの分布パターンの一致度REsimは、それぞれ、0.96,1.22および1.48である。
図25に示すように、モデル3の各深さ(z=−0.08m,−0.10mおよび−0.12m)における、電流ダイポールJ(r’)とJCAMの分布パターンの一致度REsimは、それぞれ、1.86,2.60および3.12である。
そして、図23〜25で示されるように、各シミュレーションモデル、および、各深さにおいて、電流ダイポールJ(r’)とJMNMTRの分布パターンの一致度REsimは、正則化パラメータαが10−1から10−8のときにはほとんど変化せず、大きな値をとる一方で、正則化パラメータαが10−9から10−15のときには、REsimの値は大きく減少する。
そして、電流ダイポールJ(r’)とJCAMの分布パターンの一致度REsimと、電流ダイポールJ(r’)とJMNMTRの分布パターンの一致度REsimとを比較すると、図23〜25で示される各シミュレーションモデル、および、各深さにおいて、電流ダイポールJ(r’)とJCAMの分布パターンの一致度REsimと、電流ダイポールJ(r’)とJMNMTRの分布パターンの一致度REsimとは、正則化パラメータαが10−9から10−10のときに一致した。これは、JCAMとJMNMTRの分布パターンの一致度が高いことを反映するものである。
従って、実施例1の数値シミュレーションの結果、適切な正則化パラメータαを10−10として決定した。
ここで、図26〜28を参照して、実施例1のシミュレーションモデルにおける電流分布のパターンの一致度を、視覚的に評価する。
図26は、モデル1で算出したJCAMとJMNMTRとに基づいて生成した電流分布画像であって、(a)はJCAM、(b)〜(d)はJMNMTRに基づいて生成された電流分布画像である。また、(b)、(c)、(d)はJMNMTRを算出するときの正則化パラメータαの値が異なる。なお、図26において、電流源深さzは、一例として、z’=−0.10mの場合を示している。
図26(a)〜(d)において、矢印25は電流分布ベクトルを表している。また、図16(a)〜(d)において、黒の領域26は電流分布ベクトルの大きさが大である領域を、灰色の領域27は電流分布ベクトルの大きさが中である領域を、白の領域28は電流分布ベクトルの大きさが小である領域を示している。
ここで、図26(a)に示すJCAMに基づく電流分布画像と、図26(c)に示す正則化パラメータαを10−10としたときのJMNMTRに基づく電流分布画像は、よく一致していることが示された。そして、図示しないが、他の電流源深さz(z=−0.08m,−0.12m)においても、JCAMに基づく電流分布画像と、正則化パラメータαを10−10としたときのJMNMTRに基づく電流分布画像が、よく一致していた。一方で、正則化パラメータαを10−1,10−15としたときには、一致がみられなかった。
また、図27および図28は、それぞれ、モデル2およびモデル3で算出したJCAMとJMNMTRとに基づいて生成した電流分布画像を示す図である。図27および図28に示すように、モデル2およびモデル3においても、JCAMに基づく電流分布画像と、正則化パラメータαを10−10としたときのJMNMTRに基づく電流分布画像が、よく一致していた。
実施例1の結果によれば、数値シミュレーションにおいて、JCAMとJMNMTRの分布パターンが、所定の正則化パラメータ(本実施例では10−10)において一致することが示された。このことは、所定の磁場電流換算係数yを用いて、近似的な電流分布を表すJCAMを、JMNMTRの単位である電流値に換算できることを意味する。
<実施例2>
実施例2は、計測した磁場データに基づいて適切な正則化パラメータαを決定した実施例である。
具体的には、実際に計測された磁場データに基づいて算出されるJCAMとJMNMTRの分布パターンを比較することにより適切な正則化パラメータαを決定した。
実施例2における心臓磁場の計測条件は、前記した実施形態において例示したものと同じであって、64個のSQUID磁束計を有し、法線方向の心臓磁場を計測する装置を用いた。このSQUID磁束計は8×8の格子状に配列されており、各センサ間の距離は0.025mである。
図29は、64個のSQUID磁束計により経時的に計測された健常者Aの心磁波形を、1つのトレース上に重畳した図である。図29に示すように、心磁波形29はp波,QRS波,T波の3つの波で構成される。
そして、実施例2においては、p波最大時刻30、QRS波最大時刻31、T波最大時刻32の3点における、JCAMとJMNMTRを計算した。
MNMTRとしては、正則化パラメータαを10−1,10−10,10−16としたときの値をそれぞれ算出して評価した。また、JMNMTRを算出するための電流源深さzは、p波初期のダイポール推定結果から得られるダイポール座標(x,y,z)を利用した。p波初期でのダイポール推定結果によれば、電流源深さzは、−0.112mであった。
ここで、図30〜32を参照して、実施例2の計測データに基づいて算出された電流分布のパターンの一致度を、視覚的に評価する。
図30は、p波最大時刻(図29参照)30において算出したJCAMとJMNMTRとに基づいて生成した電流分布画像であって、(a)はJCAM、(b)〜(d)はJMNMTRに基づいて生成された電流分布画像である。また、(b)、(c)、(d)はJMNMTRを算出するときの正則化パラメータαの値が異なる。
図30(a)〜(d)において、矢印33は電流分布ベクトルを表している。また、図30(a)〜(d)において、黒の領域34は電流分布ベクトルの大きさの大である領域を、灰色の領域35は電流分布ベクトルの大きさの中である領域を、白の領域36は電流分布ベクトルの大きさの小である領域を示している。
ここで、図30(a)に示すJCAMに基づく電流分布画像と、図30(c)に示す正則化パラメータαを10−10としたときのJMNMTRに基づく電流分布画像は、よく一致していることが示された。一方で、正則化パラメータαを10−1,10−15としたときには、一致がみられなかった。
また、図31および図32は、それぞれ、QRS波最大時刻(図29参照)31およびT波最大時刻(図29参照)32で算出したJCAMとJMNMTRとに基づいて生成した電流分布画像である。図31および図32に示ように、QRS波最大時刻(図29参照)31およびT波最大時刻(図29参照)32においても、JCAMに基づく電流分布画像と、正則化パラメータαを10−10としたときのJMNMTRに基づく電流分布画像が、よく一致していた。
実施例2の結果によれば、実際に計測された磁場データを用いた場合において、JCAMとJMNMTRの分布パターンが、所定の正則化パラメータ(本実施例では10−10)において一致することが示された。このことは、所定の磁場電流換算係数yを用いて、近似的な電流分布を表すJCAMを、JMNMTRの単位である電流値に換算できることを意味する。
また、実施例2で決定された適切な正則化パラメータ10―10が、実施例1の数値シミュレーションで決定された正則化パラメータ10―10と一致したことから、数値シミュレーションによっても適切な正則化パラメータαを決定できることを示した。
<実施例3>
実施例3は、1名の健常者Aの心臓の磁場データに基づいて、JCAM−JMNMTR相関図を生成し、さらに、回帰直線を生成した実施例である。
まず、心臓の磁場データの33時点(p波、QRS波、T波の初期時刻から所定時間幅を抽出し、それぞれの時間幅を10等分する時点)において、JCAMとJMNMTR(α=10−10)を計算し、各時点におけるJCAMとJMNMTR(α=10−10)の大きさ最大値を抽出した。
そして、抽出した最大値に基づいて、JCAM−JMNMTR相関図を生成した。なお、JMNMTRを推定するための電流源深さzは、健常者Aのp波初期のダイポール推定結果から得られるダイポール座標(x,y,z)を用いた。
図33は、健常者AのJCAM−JMNMTR相関図(正則化パラメータα=10−10)である。図33において、横軸(x軸)はJCAMの大きさの最大値であって、縦軸(y軸)はJMNMTRの大きさの最大値を示す。そして、丸(●)37は、JCAMとJMNMTRの大きさの最大値を対応させるプロットである。生成されたJCAM−JMNMTR相関図において、JCAMとJMNMTR(α=10−10)の大きさの最大値の相関係数は0.9以上であった。
続いて、このJCAM−JMNMTR相関図において、回帰直線38を生成した。このとき、回帰直線38はy=1101xであった。この回帰直線38の傾きを磁場電流換算係数yとして、CAM値(T/m)に乗算することで、電流値(A・m)に換算できることが分かる。
実施例3の結果によれば、同一の被験者の心臓の磁場データに基づいて算出されたJCAMとJMNMTR(α=10−10)は非常に強い相関を持ち、互いに換算できることが示された。
<実施例4>
実施例4は、10名の成人の心臓の磁場データに基づいて、電流源深さ−磁場電流換算係数相関図を生成し、さらに、回帰直線を生成した実施例である。
まず、10人の成人の被験者に対して、心磁計測データの全時間幅から33時点において、JCAMとJMNMTR(α=10−10)を計算し、各時点におけるJCAMとJMNMTR(α=10−10)の大きさの最大値を抽出した。そして、抽出した最大値に基づいて、JCAM−JMNMTR相関図を生成した。
なお、JMNMTRを推定するための電流源深さzは、被験者毎のp波初期のダイポール推定結果から得られるダイポール座標(x,y,z)を用いた。
図34は、10人の成人の被験者に対するJCAM−JMNMTR相関図(正則化パラメータα=10−10)である。図34において、横軸(x軸)はJCAMの大きさの最大値であって、縦軸(y軸)はJMNMTRの大きさの最大値を示す。そして、符号39は、JCAMとJMNMTRの大きさの最大値を対応させるプロットである。また、符号39において、同一の被験者に由来するプロットは、同一の記号で示している。生成されたJCAM−JMNMTR相関図において、同一の被験者におけるJCAMとJMNMTR(α=10−10)の大きさの最大値の相関係数は0.9以上であった。その一方で、異なる被験者間におけるプロットの相関係数は相対的に弱い相関を示した。
続いて、このJCAM−JMNMTR相関図において、図35に示すように、回帰直線40を生成した。回帰直線40は、同一の被験者(図34における同一の記号の符号39)毎に生成した。
このとき、回帰直線の傾きは、被験者毎にばらついていた。この原因としては、心磁計測面から生体内の電流源までの電流源深さzが、被験者毎に異なるためだと考えられる。
そこで、図36に示すように、心磁計側面から生体内の電流源までの電流源深さzと、被験者毎の磁場電流換算係数yを対応させる、電流源深さ−磁場電流換算係数相関図を生成した。
図36において、横軸(x軸)は計測面から生体内の電流源までの電流源深さzであって、縦軸(y軸)は磁場電流換算係数yを示す。そして、丸(●)41は、電流源深さzと磁場電流換算係数yとを対応させるプロットである。生成された電流源深さ−磁場電流換算係数相関図において、電流源深さzと磁場電流換算係数yとは強い相関を示した。
さらに、この電流源深さ−磁場電流換算係数相関図において、回帰直線42を生成した。このとき、回帰直線42はy=−11773x−158であった。この回帰直線42に、計測面から生体内の電流源までの電流源深さzを代入し、抽出される磁場電流換算係数yをJCAM(T/m)に乗算することで、電流値(A・m)を得ることができることが分かる。
実施例4の結果によれば、計測面から生体内の電流源までの電流源深さzと10名の被験者の磁場電流換算係数yは、強い相関があることが示された。
<実施例5>
実施例5は、心臓の小さい小児の心臓の磁場データに基づいて、磁場電流換算係数yを算出し、電流源深さzとの対応関係を検証した実施例である。
まず、4人の小児(5才から9才)の被験者に対して、心磁計測データの全時間幅から33時点において、JCAMとJMNMTR(α=10−10)を計算し、各時点におけるJCAMとJMNMTR(α=10−10)の大きさの最大値を抽出した。そして、抽出した最大値に基づいて、JCAM−JMNMTR相関図(図示せず)を生成した。
なお、JMNMTRを推定する電流源深さzは、被験者毎のp波初期のダイポール推定結果から得られるダイポール座標(x,y,z)を用いた。
そして、JCAM−JMNMTR相関図において、回帰直線を生成し、回帰直線の傾きを算出することによって、磁場電流換算係数yを取得した。
そして、心磁計側面から生体内の電流源までの電流源深さzと、被験者毎の磁場電流換算係数yを対応させる、電流源深さ−磁場電流換算係数相関図を生成した。
図37は、図36で示した成人の電流源深さ−磁場電流換算係数相関図に、実施例5で生成した小児の電流源深さ−磁場電流換算係数相関図を重畳したものである。従って、図36と重複する部分に関する説明は省略する。
図37において、白丸(○)43は、小児の電流源深さzと磁場電流換算係数yとを対応させるプロットである。図37に示すように、この白丸(○)43は、成人から得られた回帰直直線(磁場電流換算直線)42上に位置していた。すなわち、心臓の小さな小児においても、電流源深さzと磁場電流換算係数yとは強い相関を示した。
実施例5の結果によれば、心臓の小さい小児であっても、成人と同様に、電流源深さzによって磁場電流換算係数yが一意に決定されることが示された。
<実施例6>
実施例6は、電流分布算出方法の変形例を詳細に説明するための実施例である。
具体的には、実際に計測された磁場データに基づいて、最適な正則化パラメータαoptを算出し、算出した最適な正則化パラメータαoptに基づいて、最適なJMNMTRを算出した。そして、JMNMTRに基づいて電流分布画像を生成した。
図38は、健常者AのJMNMTR(正則化パラメータαopt)とJCAMとに基づいて生成した電流分布画像であって、(a)はp波最大時刻、(b)QRS波最大時刻、(c)はT波最大時刻の電流分布である。また、図38(a)〜(c)において、左列の図はJMNMTR(αopt)に基づく電流分布画像であって、右列の図はJCAMに基づく電流分布画像である。
図38(a)〜(c)において、矢印44は電流分布ベクトルを表している。また、図38(a)〜(c)において、黒の領域45は電流分布ベクトルの大きさが大である領域を、灰色の領域46は電流分布ベクトルの大きさが中である領域を、白の領域47は電流分布ベクトルの大きさが小である領域を示している。
ここで、図38(a)〜(c)の各時刻において、JMNMTR(αopt)に基づいて生成された電流分布画像と、JCAMに基づいて生成された電流分布画像が一致していることが示された。
実施例6の結果によれば、最適な正則化パラメータαoptを用いて算出されたJMNMTRの分布パターンは、各計測時刻において、JCAMの分布パターンと等しいことが示された。
<実施例7>
実施例7は、JCAMを3次元心臓モデルに平行投影する際に、JCAMを磁場電流換算直線100を用いて電流値に換算することの有効性を、数値シミュレーションによって検証した実施例である。
具体的には、3次元心臓モデルの表面上に電流ダイポールJ(r’)(図4参照)を仮定し、仮定した電流ダイポールJ(r’)に基づいて算出されるJCAMと、磁場電流換算直線100を用いてJCAMから換算される電流値と、を比較した。
図39は、数値シミュレーションに用いた電流ダイポールを説明するための図であって、電流ダイポールが設定された3次元心臓モデルの上面図である。また、図40は、数値シミュレーションに用いた電流ダイポールを説明するための図であって、電流ダイポールが設定された3次元心臓モデルおよび計測面の斜視図である。
実施例7の数値シミュレーションで使用した3次元心臓モデル102は、複数の被験者のMR(核磁気共鳴)画像の平均から作成した。
まず、図39(a)に示すように、3次元心臓モデル座標102の輪郭上に、D1〜D9からなる9個の電流ダイポールを配置した。電流ダイポールのモーメントおよび角度は、全て50μA・mおよび0°とした。図39(b)に電流角度の定義103を示す。9つの電流ダイポールを配置したz座標の値(深さ)は、D1:−0.057m、D2:−0.045m、D3:−0.033m、D4:−0.021m、D5:−0.019m、D6:−0.021m、D7:−0.033m、D8:−0.045m、D9:−0.057mである。
次に、図40に示すように、z=0.11mに計測面11を配置した。計測面11は0.175×0.175mとし、計測点数は8×8の64点とした。
そして、電流ダイポールに設定した数値を、前記した(3)式に代入し、法線成分の磁場を算出した。さらに、算出した磁場に基づいてJCAMを算出し、磁場電流換算直線100を用いてJCAMから電流値に換算した。
図41に示す符号104は、換算された電流値に基づいて生成されたCAM画像104である。CAM画像104において、白の領域105は電流分布ベクトル(電流値)の大きさが大である領域、灰色の領域106は電流分布ベクトルの大きさが中である領域、黒の領域107は電流分布ベクトルの大きさが小である領域を示している。また、CAM画像104において、矢印108は電流分布ベクトルを表している。
図42は、電流値に換算する前のJCAMの大きさと、換算後の電流値の大きさとを比較するための図である。図42において、白丸(○)109は、電流値に換算する前のJCAMの大きさを示しており、黒丸(●)110は、換算後の電流値の大きさを示している。また、白丸(○)109および黒丸(●)110は、それぞれ、D5における電流分布ベクトルの大きさで規格化したものである。
図42に示すように、白丸(○)109で示す、電流値に換算する前のJCAMの大きさは、電流ダイポールD4〜D6の計測面に近い座標ではほぼ同じであった。しかしながら、電流ダイポールD1〜D3、D7〜D9の計測面から遠い座標では、計測面に近い座標での電流分布ベクトルの大きさと比較して、最大で0.3程度低い値を示した。
一方で、黒丸(●)110で示す換算後の電流値の大きさのばらつきは、0.1〜0.2弱の範囲内に抑えられることが確認できた。
実施例7の結果によれば、JCAMを電流値に換算せずに3次元心臓モデル上に平行投影するだけでは、計測面から遠い心臓の電気活動を適切に表示できないことが示された。また、磁場電流換算直線を用いて電流値に換算することで、計測面から離れた心筋の電気活動も適切に表示できることが示された。
<実施例8>
実施例8は、JCAMを3次元心臓モデルに平行投影する際に、JCAMを磁場電流換算直線100を用いて電流値に換算することの有効性を、実際に測定した磁場データに基づいて生成した合成画像によって検証した実施例である。
図43は、磁場電流換算直線に従って換算された電流分布の投影結果であり、位置合わせ後の標準心臓モデル上へ、健常者のT波最大時刻での換算されたCAMを投影した結果を示す図である。図44は、磁場電流換算直線に基づく換算を行わない電流分布の投影結果であり、位置合わせ後の標準心臓モデル上へ、T波最大でのCAMを投影した結果を示す図である。
図43および図44において、方向と長さを持つ矢印は電流分布ベクトル203を、薄い灰色の領域は電流分布ベクトルの大きさが小である領域202を、灰色の領域は電流分布ベクトルの大きさが中程度である領域201を、濃い灰色の領域は電流分布ベクトルの大きさが大である領域200を、示している。
なお、図43および図44において、電流分布ベクトルの大きさが3段階で表示されているのは、説明を容易にするためであって、実際表示画面上に表示される合成画像においては、カラー表示を用いて64、128又は512段階で電流分布ベクトルの大きさが表示されている。
図43および図44に示すように、T波での心筋興奮は心室興奮の時相であり、右心室に比べ心筋の厚い左心室の興奮が比較的強くなる。
ここで、磁場電流換算直線に従って換算された図43においては、電流分布ベクトルの大きさの大きな領域が左心室にあり、特に、左心室側壁よりに大きな興奮が確認されたのに対し、磁場電流換算直線に基づく換算を行わない図44では、左心室側壁の大きな興奮を反映した結果を得ることができなかった。
すなわち、実施例8の結果によれば、磁場電流換算直線に基づく換算を行わない場合には、電流強度の強い領域は左心室側だけでなく、本来興奮の弱い心臓の真ん中にかけて大きく広がっていることが示された。また、磁場電流換算直線に基づいて換算することで、心臓の電気生理学的現象を適切に反映した心筋内電流分布画像を得ることが示された。
本実施形態の生体磁場計測装置の全体構成を示す概略図である。 複数のSQUID磁束計の配列および被験者に対する配置の一例を説明するための図である。 演算装置の機能構成を示すブロック図である。 本実施形態で用いた電流ダイポールモデルを説明するための図である。 磁場電流換算直線生成部の機能構成を示すブロック図である。 磁場電流換算直線の一例を示す図である。 洞結節の座標が設定された3次元心臓モデルを示す図である。 磁場データの計測面および磁場データに基づいて推定されたダイポール座標を示す図である。 生体磁場計測装置の表示装置に表示される表示画面の一例を示す図であって、JCAMから直接生成されたCAM画像(磁場電流換算直線を用いた換算を行わないCAM画像)を表示する表示画面である。 図9で示すCAM表示欄に、電流値に換算後のCAM画像が表示された場合の表示画面である。 生体磁場計測装置の表示装置に表示される表示画面の一例を示す図であって、最適なJMNMTRから直接生成されたMNMTR画像を表示する表示画面である。 生体磁場計測装置の表示装置に表示される表示画面の一例を示す図であって、CAM画像と3次元心臓モデルとの合成画像を表示する表示画面である。 3次元表示における視点角度の定義を説明するための図である。 図12に示す表示画面において、合成画像の3次元表示の視点角度を変更した表示画面を示す図である。 CAMを3次元心臓モデルに平行投影する場合の生体磁場計測装置の全体動作を示すフローチャートである。 磁場電流換算直線の生成処理を説明するためのフローチャートである。 3次元心臓モデルの左心室領域の抽出を説明する図である。 T波区間の等積分図から抽出されたある閾値以上の領域を示す図である。 3次元心臓モデルの左心室領域の抽出と、3次元心臓モデル上への洞結節の座標設定を説明する図である。 T波区間の等積分図から抽出されたある閾値以上の領域および推定されたp波初期時相のダイポール座標を示す図である。 MNMTRとして電流分布を算出する場合の生体磁場計測装置の全体動作を示すフローチャートである。 3つのシミュレーションモデルにおいて、設定した電流ダイポールJ(r’)のz=zであるxy面上での配置図である。 モデル1で算出した電流ダイポールJ(r’)とJCAMの分布パターンの一致度REsim電流ダイポールJ(r’)とJMNMTRの分布パターンの一致度REsimとを同時にプロットした図である。 モデル2で算出した電流ダイポールJ(r’)とJCAMの分布パターンの一致度REsim電流ダイポールJ(r’)とJMNMTRの分布パターンの一致度REsimとを同時にプロットした図である。 モデル3で算出した電流ダイポールJ(r’)とJCAMの分布パターンの一致度REsim電流ダイポールJ(r’)とJMNMTRの分布パターンの一致度REsimとを同時にプロットした図である。 モデル1で算出したJCAMとJMNMTRとに基づいて生成した電流分布画像である。 モデル2で算出したJCAMとJMNMTRとに基づいて生成した電流分布画像である。 モデル3で算出したJCAMとJMNMTRとに基づいて生成した電流分布画像である。 64個のSQUID磁束計により経時的に計測された健常者Aの心磁波形を、1つのトレース上に重畳した図である。 p波最大時刻において算出したJCAMとJMNMTRとに基づいて生成した電流分布画像である。 QRS波最大時刻において算出したJCAMとJMNMTRとに基づいて生成した電流分布画像である。 T波最大時刻において算出したJCAMとJMNMTRとに基づいて生成した電流分布画像である。 健常者AのJCAM−JMNMTR相関図(正則化パラメータα=10−10)である。 10人の成人の被験者に対するJCAM−JMNMTR相関図(正則化パラメータα=10−10)である。 図34に示すJCAM−JMNMTR相関図において、回帰直線を生成した図である。 成人の電流源深さ−磁場電流換算係数相関図である。 図36に示す成人の電流源深さ−磁場電流換算係数相関図に、小児の電流源深さ−磁場電流換算係数相関図を重畳した図である。 健常者AのJMNMTR(正則化パラメータαopt)とJCAMとに基づいて生成した電流分布画像である。 数値シミュレーションに用いた電流ダイポールを説明するための図であって、電流ダイポールが設定された3次元心臓モデルの上面図である。 数値シミュレーションに用いた電流ダイポールを説明するための図であって、電流ダイポールが設定された3次元心臓モデルおよび計測面の斜視図である。 換算された電流値に基づいて生成されたCAM画像である。 電流値に換算する前のJCAMの大きさと、換算後の電流値の大きさとを比較するための図である。 磁場電流換算直線に従って換算された電流分布の投影結果であり、位置合わせ後の標準心臓モデル上へ、健常者のT波最大時刻での換算されたCAMを投影した結果を示す図である。 磁場電流換算直線に基づく換算を行わない電流分布の投影結果であり、位置合わせ後の標準心臓モデル上へ、T波最大でのCAMを投影した結果を示す図である。
符号の説明
1 生体磁場計測装置
2 磁気シールドルーム
3 クライオスタット
4 ガントリ
5 ベッド
6 駆動回路
7 アンプフィルタユニット
8 演算装置
9 表示装置
10 胸壁
11 計測面
12 7行3列目に対応するSQUID磁束計
13 剣状突起
14 z=0mのxy面
15 計測点
16 半無限平面導体
17 z=zのxy面
18,19,20 電流ダイポール
21 角度定義
25,33,44 電流分布ベクトル
26,34,45 電流分布ベクトルの大きさが大である領域
27,35,46 電流分布ベクトルの大きさが中である領域
28,36,47 電流分布ベクトルの大きさが小である領域
29 心磁波形
30 p波最大時刻
31 QRS波最大時刻
32 T波最大時刻
38 回帰直線
39 JCAMとJMNMTRの大きさの最大値を対応させるプロット
40 回帰直線
41 電流源深さzと磁場電流換算係数yとを対応させるプロット
42 回帰直線
43 小児の電流源深さzと磁場電流換算係数yとを対応させるプロット
48 表示画面
49 磁場波形表示欄
50 CAM表示欄
51 磁場波形表示条件入力欄
52 CAM演算条件入力欄
53 CAM表示条件入力欄
54 電流値演算条件入力欄
55 表示される磁場波形の時間幅を設定する入力フィールド
56 時間幅のオフセットを設定する入力フィールド
57 表示される磁場波形の振幅の幅を設定する入力フィールド
58 振幅の幅のオフセットを設定する入力フィールド
59 実行ボタン
60 心臓磁場波形
61 バー
62 スクロールバー
63 計算するCAM画像の枚数(マップ数)を設定する入力フィールド
64 計算するCAM画像の開始時間を設定する入力フィールド
65 計算するCAM画像の時間間隔を設定する入力フィールド
66 実行ボタン
67 クリアボタン
68 CAM画像
69 表示されるCAM画像の近似的な電流強度値(JCAMの大きさ)に対応したカラーバー
70 カラーバーの最大値表示
71 カラーバーの最小値表示
72 CAM画像のカラーマップの最大値表示を設定する入力フィールド
73 CAM画像のカラーマップの最小値表示を設定する入力フィールド
74 実行ボタン
75 SQUID磁束計の計測面から心臓までの電流源深さzを設定する入力フィールド
76,77 JCAMを電流値へ換算する際に利用する換算直線(標準直線、個別直線)を選択するラジオボタン(演算選択ボタン)
78 ラジオボタンで選択された換算直線を計算して表示させる表示ボタン
79 実行ボタン
80 キャンセルボタン
81 CAM解析部(第1の演算手段)
82 磁場電流換算直線生成部
83 位置合わせ部(座標データ抽出手段、第8、第9、第11、第12、第14の演算手段)
84 輪郭座標抽出部
85 電流値換算部(第2、第5、第15の演算手段)
86 CAM画像生成部(第3、第6の演算手段)
87 合成画像生成部(第3、第4、第6、第7の演算手段)
100 磁場電流換算直線
101 電流ダイポール
102 3次元心臓モデル
103 電流角度の定義
104 CAM画像
105 電流分布ベクトルの大きさが大である領域
106 電流分布ベクトルの大きさが中である領域
107 電流分布ベクトルの大きさが小である領域
108 電流分布ベクトル
109 電流分布ベクトルの大きさ
110 電流分布ベクトルの大きさ
111 3次元心臓モデル
112 洞結節
113 ダイポール推定位置
114 2次元領域
115 左心室領域
116 等積分図
117 閾値以上の積分値を持つ領域
118 表示欄(合成画像表示欄)
119 心臓モデル合成条件入力欄
120 CAM画像と3次元心臓モデルとの合成画像
121 表示されるCAM画像と3次元心臓モデルとの合成画像120の電流強度に対応したカラーバー
122 カラーバーの最大値表示
123 カラーバーの最小値表示
124 計算するCAM画像と3次元心臓モデルとの合成画像の枚数(マップ数)を設定する入力フィールド
125 計算するCAM画像と3次元心臓モデルとの合成画像の開始時点を設定する入力フィールド
126 計算するCAM画像と3次元心臓モデルとの合成画像の時間間隔を設定する入力フィールド
127、128、129、130 3次元心臓モデルの位置決め方法(洞結節、左心室、洞結節+左心室、マニュアル)を選択するラジオボタン(位置決め方法選択欄)
131 3次元心臓モデル位置決め方法にマニュアルが選択されたとき、3次元心臓モデルのある基準点のx座標値を設定する入力フィールド(位置決め方法選択欄)
132 3次元心臓モデル位置決め方法にマニュアルが選択されたとき、3次元心臓モデルのある基準点のy座標値を設定する入力フィールド(位置決め方法選択欄)
133 3次元心臓モデル位置決め方法にマニュアルが選択されたとき、3次元心臓モデルのある基準点のz座標値を設定する入力フィールド(位置決め方法選択欄)
134、135 CAMを電流値に換算する際に利用する換算直線(標準直線、個別直線)を選択するラジオボタン(磁場電流換算係数選択欄)
136 ラジオボタンで選択された換算直線を計算して表示させる表示ボタン
137、138 CAMを投影する心臓モデル(標準心臓モデル、被験者毎のモデル)を選択するラジオボタン
139 実行ボタン
140 キャンセルボタン
141 画像表示制御部
142 CAM画像と3次元心臓モデルとの合成画像のカラーマップの最大値表示を設定する入力フィールド
143 CAM画像と3次元心臓モデルとの合成画像のカラーマップの最小値表示を設定する入力フィールド
144 CAM画像と3次元心臓モデルとの合成画像の視点角度を設定する入力フィールド
145 CAM画像と3次元心臓モデルとの合成画像の視点角度を設定する入力フィールド
146 実行ボタン
150 MNMTR表示欄
152 生体内電流分布演算条件入力欄
154 MNMTR表示条件入力欄
163 計算するCAM画像およびMNMTR画像の枚数(マップ数)を設定する入力フィールド
164 計算するCAM画像およびMNMTR画像の開始時間を設定する入力フィールド
165 計算するCAM画像およびMNMTR画像の時間間隔を設定する入力フィールド
166 実行ボタン
167 クリアボタン
168 MNMTR画像
169 表示されるMNMTR画像168の電流強度値(JMNMTRの大きさ)に対応したカラーバー
170 カラーバーの最大値表示
171 カラーバーの最小値表示
172 MNMTR画像のカラーマップの最大値表示を設定する入力フィールド
173 MNMTR画像のカラーマップの最小値表示を設定する入力フィールド
175 SQUID磁束計の計測面から心臓までの電流源深さzを設定する入力フィールド
179 実行ボタン
200 電流分布ベクトルの大きさが大である領域
201 電流分布ベクトルの大きさが中である領域
202 電流分布ベクトルの大きさが小である領域
203 電流分布ベクトル
821 逆問題解析部
822 電流分布比較部
823 JCAM−JMNMTR相関図生成部
824 電流源深さ推定部(第10、第13の演算手段)
825 電流源深さ−磁場電流換算係数相関図生成部

Claims (19)

  1. 生体から発生する生体磁場の略体表面に沿ったxy面に垂直なz方向の磁場成分の時間変化、または、前記生体磁場の略体表面に沿ったxy面に平行なx方向の磁場成分およびy方向の磁場成分を計測し、前記生体の体表面に平行な(x,y)座標の座標位置に2次元に配置される複数の磁束計と、
    前記複数の磁束計の出力信号の演算を行なう演算装置と、
    前記演算の結果を表示する表示装置とを備えた生体磁場計測装置であって、
    前記演算装置は、
    磁場を計測される前記生体とは同一、または、異なる生体の画像データから、生体の形状を模擬する2次元または3次元の生体モデルを構成する座標データを抽出する座標データ抽出手段と、次の(1)および(2)のうち少なくとも1つを有することを特徴とする生体磁場計測装置。
    (1)任意の時点での各磁束計におけるz方向の磁場成分のx方向の変化量およびy方向の変化量を求める第1の演算手段と、
    前記各磁束計におけるz方向の磁場成分のx方向の変化量およびy方向の変化量に、前記各磁束計のz座標点から前記各磁束計の直下に位置する前記生体モデルを構成する座標データの各z座標点間の距離に対応した磁場電流換算係数を乗算することで電流分布ベクトルおよび電流分布ベクトルの大きさを導出する第2の演算手段と、
    前記電流分布ベクトルおよび前記電流分布ベクトルの大きさをz方向から前記生体モデルを構成する座標データの各座標点に平行投影した合成画像データを求める第3の演算手段と、
    前記表示装置に前記合成画像データを表示させる第4の演算手段
    (2)任意の時点での前記各磁束計におけるx方向の磁場成分およびy方向の磁場成分に、
    前記各磁束計のz座標点から前記各磁束計の直下に位置する前記生体モデルを構成する座標データの各z座標点間の距離に対応した磁場電流換算係数を乗算することで電流分布ベクトルおよび電流分布ベクトルの大きさを導出する第5の演算手段と、
    前記電流分布ベクトルをz方向から前記生体モデルを表す座標データの前記(x,y)座標に平行投影した合成画像データを求める第6の演算手段と、
    前記表示装置に前記合成画像データを表示させる第7の演算手段
  2. 前記生体モデルが、心臓の形状を模擬する2次元または3次元の心臓モデルである場合に、
    前記演算装置は、
    T波の出現する期間における前記出力信号に基づいて等積分図を求め、前記等積分図が所定の閾値を超える領域を求める第8の演算手段と、
    計測される前記生体とは同一、または、異なる生体の画像データから作成された心臓の形状を模擬する2次元または3次元の心臓モデルを構成する座標データにおける左心室の領域と前記所定の閾値を超える領域とのずれが最小となるように、前記左心室の領域と前記所定の閾値を超える領域との位置合わせを行う第9の演算手段と
    を有することを特徴とする請求項1に記載の生体磁場計測装置。
  3. 前記生体モデルが、心臓の形状を模擬する2次元または3次元の心臓モデルである場合に、
    前記演算装置は、
    p波の開始時点での前記出力信号から1つの電流源の大きさ方向および位置を推定する第10の演算手段と、
    計測される前記生体とは同一、または、異なる生体の画像データから作成された心臓の形状を模擬する2次元または3次元の心臓モデルを構成する座標データにおける洞結節の位置と前記電流源の推定位置とのずれが最小となるように、前記洞結節の位置と前記電流源の推定位置との位置合わせを行う第11の演算手段と
    を有することを特徴とする請求項1に記載の生体磁場計測装置。
  4. 前記生体モデルが、心臓の形状を模擬する2次元または3次元の心臓モデルである場合に、
    前記演算装置は、
    T波の出現する期間における前記出力信号に基づいて等積分図を求め、前記等積分図が所定の閾値を超える領域を求める第12の演算手段と、
    p波の開始時点での前記出力信号から1つの電流源の大きさ方向および位置を推定する第13の演算手段と、
    計測される前記生体とは同一、または、異なる生体の画像データから作成された心臓の形状を模擬する2次元または3次元の心臓モデルを構成する座標データにおける左心室の領域と前記等積分図の前記所定の閾値を超える領域とのずれ、および、前記2次元または3次元の心臓モデルを構成する座標データにおける洞結節の位置と前記電流源の推定位置との前記位置合わせを行う第14の演算手段と
    を有することを特徴とする請求項1に記載の生体磁場計測装置。
  5. 前記演算装置は、
    前記磁束計のz座標点から前記各磁束計の直下に位置する前記心臓モデルを構成する座標データの各z座標点間の距離に対応した磁場電流換算直線に従って決定される磁場電流換算係数を前記磁場電流換算係数として演算する第15の演算手段を有することを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の生体磁場計測装置。
  6. 前記演算装置は、核磁気共鳴イメージング装置、或いは、X線CT装置により撮影される心臓の3次元画像データから作成された、心臓の形状および収縮を模擬する2次元または3次元の心臓モデルを構成する座標データを用いることを特徴とする請求項5に記載の生体磁場計測装置。
  7. 前記表示装置は、前記各磁束計のz座標点から前記各磁束計の直下に位置する前記心臓モデルを構成する座標データの各z座標点間の距離を入力するテキストボックスが表示されることを特徴とする請求項5に記載の生体磁場計測装置。
  8. 前記表示装置に、前記合成画像データと前記複数の磁束計の出力信号とが同時に表示されることを特徴とする請求項5に記載の生体磁場計測装置。
  9. 前記表示装置に、前記合成画像データが3次元表示されることを特徴とする請求項5に記載の生体磁場計測装置。
  10. 生体から発生する生体磁場の略体表面に沿ったxy面に垂直なz方向の磁場成分、または、前記生体磁場の略体表面に沿ったxy面に平行なx方向の磁場成分およびy方向の磁場成分を計測し、前記生体の体表面に平行な(x,y)座標の座標位置に2次元に配置される複数の磁束計と、前記複数の磁束計の出力信号の演算を行なう演算装置と、前記演算の結果を表示する表示装置とを備えた生体磁場計測装置を用いた生体モデルへの平行投影方法であって、
    前記演算装置は、
    磁場を計測される前記生体とは同一、または、異なる生体の画像データから、生体の形状を模擬する2次元または3次元の生体モデルを構成する座標データを抽出する座標データを抽出するステップと、次の(1)および(2)のうち少なくとも1つを行うことを特徴とする生体モデルへの平行投影方法。
    (1)任意の時点での各磁束計におけるz方向の磁場成分のx方向の変化量およびy方向の変化量を求めるステップと、
    前記各磁束計におけるz方向の磁場成分のx方向の変化量およびy方向の変化量に、前記各磁束計のz座標点から前記各磁束計の直下に位置する前記生体モデルを構成する座標データの各z座標点間の距離に対応した磁場電流換算係数を乗算することで電流分布ベクトルおよび電流分布ベクトルの大きさを導出するステップと、
    前記電流分布ベクトルおよび前記電流分布ベクトルの大きさをz方向から前記生体モデルを構成する座標データの各座標点に平行投影した合成画像データを求めるステップと、
    前記表示装置に前記合成画像データを表示させるステップ
    (2)任意の時点での前記各磁束計におけるx方向の磁場成分およびy方向の磁場成分に、前記各磁束計のz座標点から前記各磁束計の直下に位置する前記生体モデルを構成する座標データの各z座標点間の距離に対応した磁場電流換算係数を乗算することで電流分布ベクトルおよび電流分布ベクトルの大きさを導出するステップと、
    前記電流分布ベクトルをz方向から前記生体モデルを表す座標データの前記(x,y)座標に平行投影した合成画像データを求めるステップと、
    前記表示装置に前記合成画像データを表示させるステップ
  11. 前記生体モデルが、心臓の形状を模擬する2次元または3次元の心臓モデルである場合に、
    前記演算装置は、
    T波の出現する期間における前記出力信号に基づいて等積分図を求め、前記等積分図が所定の閾値を超える領域を求めるステップと、
    計測される前記生体とは同一、または、異なる生体の画像データから作成された心臓の形状を模擬する2次元または3次元の心臓モデルを構成する座標データにおける左心室の領域と前記所定の閾値を超える領域とのずれが最小となるように、前記左心室の領域と前記所定の閾値を超える領域との位置合わせを行うステップと
    を行うことを特徴とする請求項10に記載の生体モデルへの平行投影方法。
  12. 前記生体モデルが、心臓の形状を模擬する2次元または3次元の心臓モデルである場合に、
    前記演算装置は、
    p波の開始時点での前記出力信号から1つの電流源の大きさ方向および位置を推定するステップと、
    計測される前記生体とは同一、または、異なる生体の画像データから作成された心臓の形状を模擬する2次元または3次元の心臓モデルを構成する座標データにおける洞結節の位置と前記電流源の推定位置とのずれが最小となるように、前記洞結節の位置と前記電流源の推定位置との位置合わせを行うステップと
    を行うことを特徴とする請求項10に記載の生体モデルへの平行投影方法。
  13. 前記生体モデルが、心臓の形状を模擬する2次元または3次元の心臓モデルである場合に、
    前記演算装置は、
    T波の出現する期間における前記出力信号に基づいて等積分図を求め、前記等積分図が所定の閾値を超える領域を求めるステップと、
    p波の開始時点での前記出力信号から1つの電流源の大きさ方向および位置を推定するステップと、
    計測される前記生体とは同一、または、異なる生体の画像データから作成された心臓の形状を模擬する2次元または3次元の心臓モデルを構成する座標データにおける左心室の領域と前記等積分図の前記所定の閾値を超える領域とのずれ、および、前記2次元または3次元の心臓モデルを構成する座標データにおける洞結節の位置と前記電流源の推定位置との前記位置合わせを行うステップと
    を行うことを特徴とする請求項10に記載の生体モデルへの平行投影方法。
  14. 前記演算装置は、前記磁束計のz座標点から前記各磁束計の直下に位置する前記心臓モデルを構成する座標データの各z座標点間の距離に対応した磁場電流換算直線に従って決定される磁場電流換算係数を前記磁場電流換算係数として演算するステップを行うことを特徴とする請求項10に記載の生体モデルへの平行投影方法。
  15. 前記演算装置は、核磁気共鳴イメージング装置、或いは、X線CT装置により撮影される心臓の3次元画像データから作成された、心臓の形状および収縮を模擬する2次元または3次元の心臓モデルを構成する座標データを用いることを特徴とする請求項14に記載の生体モデルへの平行投影方法。
  16. 前記表示装置は、前記各磁束計のz座標点から前記各磁束計の直下に位置する前記心臓モデルを構成する座標データの各z座標点間の距離を入力するテキストボックスが表示されることを特徴とする請求項14に記載の生体モデルへの平行投影方法。
  17. 前記表示装置に、前記合成画像データと前記複数の磁束計の出力信号とが同時に表示されることを特徴とする請求項14に記載の生体モデルへの平行投影方法。
  18. 前記表示装置に、前記合成画像データが3次元表示されることを特徴とする請求項14に記載の生体モデルへの平行投影方法。
  19. 生体から発生する生体磁場の略体表面に沿ったxy面に垂直なz方向の磁場成分、または、前記生体磁場の略体表面に沿ったxy面に平行なx方向の磁場成分およびy方向の磁場成分を計測し、前記生体の体表面に平行な(x,y)座標の座標位置に2次元に配置される複数の磁束計と、
    前記複数の磁束計の出力信号の演算を行なう演算装置と、
    前記演算の結果を表示する表示装置とを備えた生体磁場計測装置において、
    前記表示装置は、次の(1)および(2)のうち少なくとも1つを有することを特徴とする生体磁場計測装置。
    (1)任意の時点での各磁束計におけるz方向の磁場成分のx方向の変化量およびy方向の変化量を電流分布ベクトルに換算する磁場電流換算係数を、選択するための磁場電流換算係数選択欄と、
    前記演算装置が前記電流分布ベクトルと生体モデルとの合成画像を生成する際に、前記生体モデルの位置合わせを行う方法を選択するための位置決め方法選択欄と、
    前記磁場電流換算係数選択欄および前記位置決め方法選択欄で選択された情報に基づいて、前記演算装置が生成した前記合成画像を、表示する合成画像表示欄
    (2)任意の時点での前記各磁束計におけるx方向の磁場成分およびy方向の磁場成分を電流分布ベクトルに換算する磁場電流換算係数を、選択するための磁場電流換算係数選択欄と、
    前記演算装置が前記電流分布ベクトルと生体モデルとの合成画像を生成する際に、前記生体モデルの位置合わせを行う方法を選択するための位置決め方法選択欄と、
    前記磁場電流換算係数選択欄および前記位置決め方法選択欄で選択された情報に基づいて、前記演算装置が生成した前記合成画像を、表示する合成画像表示欄。
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