JP2005078782A - 光記録媒体及びその製造方法、並びに、光記録媒体に対するデータ記録方法及びデータ再生方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 超解像型光記録媒体に含まれる基板のグルーブの深さや幅等を、気泡の発生による変形等を考慮して設定することにより、信号特性を向上させる。
【解決手段】 本発明による光記録媒体10は、グルーブ11aが形成された支持基板11と、光透過層12と、支持基板11及び光透過層12間に設けられた貴金属酸化物層23とを備え、波長がλである光についての光透過層12の屈折率をnとした場合、グルーブ11aの深さがλ/8n超、60nm以下に設定されている。これにより、貴金属酸化物層23にレーザビーム照射することによって超解像記録及び超解像再生を行った場合に、良好な信号特性、特に、十分な振幅を持ったプッシュプル信号を得ることが可能となる。また、グルーブの深さが60nm以下に設定されていることから、基板を製造するスタンパの作製に大きな困難を行うこともない。
【選択図】 図1
【解決手段】 本発明による光記録媒体10は、グルーブ11aが形成された支持基板11と、光透過層12と、支持基板11及び光透過層12間に設けられた貴金属酸化物層23とを備え、波長がλである光についての光透過層12の屈折率をnとした場合、グルーブ11aの深さがλ/8n超、60nm以下に設定されている。これにより、貴金属酸化物層23にレーザビーム照射することによって超解像記録及び超解像再生を行った場合に、良好な信号特性、特に、十分な振幅を持ったプッシュプル信号を得ることが可能となる。また、グルーブの深さが60nm以下に設定されていることから、基板を製造するスタンパの作製に大きな困難を行うこともない。
【選択図】 図1
Description
本発明は光記録媒体及びその製造方法に関し、特に、ガスの発生により記録マークが形成されるタイプの光記録媒体及びその製造方法に関する。また、本発明は、光記録媒体に対するデータ記録方法及びデータ再生方法に関し、ガスの発生により記録マークが形成されるタイプの光記録媒体に対するデータ記録方法及びデータ再生方法に関する。
近年、大容量のデジタルデータを記録するための記録媒体として、CD(Compact Disc)やDVD(Digital Versatile Disc)に代表される光記録媒体が広く用いられている。
CDのうち、データの追記や書き換えができないタイプ(CD−ROM)のものは、厚さ約1.2mmの光透過性基板上に反射層と保護層が積層された構造を有しており、波長約780nmのレーザビームを光透過性基板側から反射層に照射することによってデータの再生を行うことができる。一方、CDのうち、データの追記が可能なタイプ(CD−R)やデータの書き換えが可能なタイプ(CD−RW)のものは、光透過性基板と反射層との間に記録層が追加された構造を有しており、波長約780nmのレーザビームを光透過性基板側から記録層に照射することによってデータの記録及び再生を行うことができる。
CDでは、レーザビームの集束に開口数が約0.45の対物レンズが用いられ、これにより反射層又は記録層上におけるレーザビームのビームスポット径は約1.6μmまで絞られる。これにより、CDでは約700MBの記録容量と、基準線速度(約1.2m/sec)において約1Mbpsのデータ転送レートが実現されている。
また、DVDのうち、データの追記や書き換えができないタイプ(DVD−ROM)のものは、厚さ約0.6mmの光透過性基板上に反射層及び保護層が積層された積層体と、厚さ約0.6mmのダミー基板とが接着層を介して貼り合わされた構造を有しており、波長約635nmのレーザビームを光透過性基板側から反射層に照射することによってデータの再生を行うことができる。一方、DVDのうち、データの追記が可能なタイプ(DVD−R等)やデータの書き換えが可能なタイプ(DVD−RW等)のものは、光透過性基板と反射層との間に記録層が追加された構造を有しており、波長約635nmのレーザビームを光透過性基板側から記録層に照射することによってデータの記録及び再生を行うことができる。
DVDでは、レーザビームの集束に開口数が約0.6の対物レンズが用いられ、これにより反射層又は記録層上におけるレーザビームのビームスポット径は約0.93μmまで絞られる。このように、DVDに対する記録及び再生においては、CDよりも波長の短いレーザビームが用いられるとともに、開口数が大きい対物レンズが用いられていることから、CDに比べてより小さいビームスポット径が実現されている。これにより、DVDでは、約4.7GB/面の記録容量と、基準線速度(約3.5m/sec)において約11Mbpsのデータ転送レートが実現されている。
近年、DVDを超えるデータの記録容量を有し、且つ、DVDを越えるデータ転送レートを実現可能な光記録媒体が提案されている。このような次世代型の光記録媒体においては、大容量・高データ転送レートを実現するため、波長約405nmのレーザビームが用いられるとともに、開口数が約0.85の対物レンズが用いられる。これによりレーザビームのビームスポット径は約0.43μmまで絞られ、約25GB/面の記録容量と、基準線速度(約4.9m/sec)において約36Mbpsのデータ転送レートを実現することができる。
このように、次世代型の光記録媒体では開口数が非常に高い対物レンズが用いられることから、チルトマージンを十分に確保するとともにコマ収差の発生を抑えるため、レーザビームの光路となる光透過層の厚さが約100μmと非常に薄く設定される。このため、次世代型の光記録媒体においては、CDやDVD等、現行型の光記録媒体のように光透過性基板上に記録層等の各種機能層を形成することは困難であり、支持基板上に反射層や記録層を成膜した後、この上にスピンコート法等により薄い樹脂層を形成しこれを光透過層として用いる方法が検討されている。つまり、次世代型の光記録媒体の作製においては、光入射面側から順次成膜が行われる現行の光記録媒体とは異なり、光入射面とは反対側から順次成膜が行われることになる。
以上説明したとおり、光記録媒体の大容量化と高データ転送レート化は、主としてレーザビームのビームスポット径の縮小によって達成されている。したがって、これ以上の大容量化と高データ転送レート化を達成するためにはビームスポット径をさらに縮小する必要がある。しかしながら、レーザビームの波長をこれ以上短くすると光透過層におけるレーザビームの吸収が急激に増大したり、光透過層の経年劣化が大きくなることからこれ以上の短波長化は困難であり、また、レンズ設計の困難性やチルトマージンの確保等を考慮すれば、対物レンズの開口数をこれ以上高めることもまた困難である。つまり、レーザビームのビームスポット径をこれ以上縮小することは非常に困難であるといえる。
このような事情から、大容量化と高データ転送レート化を達成する別の試みとして、近年、超解像型の光記録媒体が提案されている。超解像型の光記録媒体とは、再生限界を超える微小な記録マークの形成及びこのような記録マークからのデータ再生が可能な光記録媒体を指し、このような光記録媒体を用いれば、ビームスポット径を縮小することなく大容量化と高データ転送レート化を実現することが可能となる。
より具体的に説明すると、レーザビームの波長をλ、対物レンズの開口数をNAとした場合、回折限界d1は
d1=λ/2NA
で与えられる。したがって、CDやDVDのようにデータが記録マーク及びブランク領域の長さ、すなわちエッジ間の距離によって表現されるタイプの光記録媒体では、単一信号の再生限界d2は、
d2=λ/4NA
で与えられる。つまり、超解像型ではない通常の光記録媒体においては、最短記録マークや最短ブランク領域の長さが再生限界未満であると記録マークとブランク領域の判別ができなくなってしまう。これに対し、超解像型の光記録媒体では、長さが再生限界未満である記録マークやブランク領域を利用することができるので、ビームスポット径を縮小することなく大容量化と高データ転送レート化を実現することが可能となるのである。
d1=λ/2NA
で与えられる。したがって、CDやDVDのようにデータが記録マーク及びブランク領域の長さ、すなわちエッジ間の距離によって表現されるタイプの光記録媒体では、単一信号の再生限界d2は、
d2=λ/4NA
で与えられる。つまり、超解像型ではない通常の光記録媒体においては、最短記録マークや最短ブランク領域の長さが再生限界未満であると記録マークとブランク領域の判別ができなくなってしまう。これに対し、超解像型の光記録媒体では、長さが再生限界未満である記録マークやブランク領域を利用することができるので、ビームスポット径を縮小することなく大容量化と高データ転送レート化を実現することが可能となるのである。
超解像型の光記録媒体としては、従来より「散乱型スーパレンズ」と呼ばれる超解像型の光記録媒体が提案されている(非特許文献1参照)。この光記録媒体には、相変化材料層と金属酸化物からなる再生層が用いられ、レーザビームを照射するとビームスポット中心の高エネルギー部分において再生層を構成する金属酸化物が分解し、これにより生じる金属微粒子によってレーザビームが散乱し近接場光が発生するものと考えられている。その結果、相変化材料層には局所的に近接場光が照射されることになるので、その相変化を利用して超解像記録及び超解像再生を行うことが可能になると説明されている。そして、レーザビームが遠ざかると、再生層の分解により生じた金属と酸素が再び結合して元の金属酸化物に戻るため、繰り返しの書き換えが可能であるとされている。
しかしながら、本発明者らの研究によれば、「散乱型スーパレンズ」と呼ばれる超解像型の光記録媒体では、相変化材料層の相変化が信号となって現れることはほとんどなく、しかも再生層の分解は不可逆的であることが明らかとなった。つまり、「散乱型スーパレンズ」と呼ばれる超解像型の光記録媒体は、可逆的な記録マークを相変化材料層に形成可能な書き換え型の光記録媒体としてではなく、不可逆的な記録マークを再生層(貴金属酸化物層)に形成可能な追記型の光記録媒体として実現可能であることが明らかとなった(非特許文献2参照)。
ここで、再生限界未満の微小な記録マークを貴金属酸化物層に形成することが可能である理由は、ビームスポット中心の高エネルギー部分において貴金属酸化物層が局所的に分解し、生じる気泡によって当該領域が塑性変形するためである。塑性変形した部分は記録マークとして用いられ、塑性変形していない部分はブランク領域として用いられる。一方、このようにして形成された微小な記録マークからデータ再生が可能である理由は現在のところ明らかとなっていない。
"A near-field recording and readout technology using a metallic probe in an optical disk", Jap. J. Appl. Phys., 日本応用物理学会編, 2000年, Volume 39, p.980-981 "Rigid bubble pit formation and huge signal enhancement in super-resolution near-field structure disk with platinum-oxide layer", Applied Physics Letters, American Institute of Physics, December 16, 2002, Volume 81, Number 25, p.4697-4699
"A near-field recording and readout technology using a metallic probe in an optical disk", Jap. J. Appl. Phys., 日本応用物理学会編, 2000年, Volume 39, p.980-981 "Rigid bubble pit formation and huge signal enhancement in super-resolution near-field structure disk with platinum-oxide layer", Applied Physics Letters, American Institute of Physics, December 16, 2002, Volume 81, Number 25, p.4697-4699
このように、従来は「記録層」であると考えられていた相変化材料層が実際には記録層として機能しておらず、貴金属酸化物層の局所的な分解により生じる気泡が記録マークとして用いられていることが判明したことにより、貴金属酸化物層が形成された基板のグルーブの深さや幅等についても、気泡の発生による変形等を考慮して設定することにより、信号特性を向上させることができるものと考えられる。
したがって、本発明の目的は、超解像記録時及び超解像再生時における信号特性が改善された光記録媒体及びその製造方法を提供することである。
また、本発明の他の目的は、超解像記録時及び超解像再生時における信号特性が改善された光記録媒体に対し、より波長の短いレーザビーム及びより開口数の大きい対物レンズを用いてデータを記録する方法及びデータを再生する方法を提供することである。
本発明による光記録媒体は、グルーブが形成された基板と、前記基板上に設けられた貴金属酸化物層と、前記貴金属酸化物層から見て光入射面側に設けられた第1の誘電体層と、前記貴金属酸化物層から見て前記光入射面とは反対側に設けられた第2の誘電体層とを備え、波長がλであるレーザビームを前記グルーブに沿って前記貴金属酸化物層に照射することによりデータの記録が可能な光記録媒体であって、波長がλである光についての前記レーザビームの光路の屈折率をnとした場合、前記グルーブの深さが、λ/8n超、60nm以下に設定されていることを特徴とする。
本発明によれば、グルーブの深さがλ/8n超に設定されていることから、貴金属酸化物層にレーザビーム照射することによって超解像記録及び超解像再生を行った場合に、良好な信号特性、特に、十分な振幅を持ったプッシュプル信号を得ることが可能となる。また、グルーブの深さが60nm以下に設定されていることから、基板を製造するスタンパの作製に大きな困難を行うこともない。
グルーブの深さは、λ/7n以上、50nm以下に設定することが好ましい。これによれば、より良好な信号特性を得ることが可能となるとともに、スタンパの作製を容易に行うことが可能となる。
また、第2の誘電体層から見て光入射面とは反対側に、第2の誘電体層から見てこの順に配置された光吸収層及び第3の誘電体層をさらに備えることが好ましい。このような構造とすれば、記録時に照射されるレーザビームのエネルギーが効率よく熱に変換されることから、良好な記録特性を得ることが可能となる。
また、第3の誘電体層から見て光入射面とは反対側に設けられた反射層をさらに備えることが好ましい。このような反射層を設ければ、再生信号のレベルが高められるとともに再生耐久性が大幅に向上する。ここで「再生耐久性」とは、再生劣化現象、つまり、再生時に照射されるレーザビームのエネルギーによって貴金属酸化物層の状態が変化し、これによりノイズの増加やキャリアの減少が生じてCNRが低下する現象に対する耐性をいう。反射層の厚さとしては、5nm以上、200nm以下であることが好ましく、10nm以上、150nm以下であることがより好ましい。反射層の厚さをこのように設定することにより、生産性を大きく低下させることなく、十分な再生耐久性向上効果を得ることが可能となる。
また、貴金属酸化物層には酸化白金(PtOx)が含まれていることが好ましい。この場合、貴金属酸化物層の実質的に全てが酸化白金(PtOx)により構成されていることが最も好ましいが、他の材料や不可避的に混入する不純物が含まれていても構わない。貴金属酸化物層の材料として酸化白金(PtOx)を用いれば、良好な信号特性及び十分な耐久性を得ることが可能となる。
また、第1の誘電体層から見て基板とは反対側に設けられ、レーザビームの光路となる光透過層をさらに備え、基板の厚さが0.6mm以上、2.0mm以下であり、光透過層の厚さが10μm以上、200μm以下であることが好ましい。これによれば、波長(λ)が約635nm未満のレーザビーム及び開口数(NA)が約0.6超の対物レンズを用いることにより、λ/NAを640nm以下に設定して超解像記録及び超解像再生を行うことができ、特に、次世代型の光記録媒体において用いられる波長が約405nmのレーザビーム及び開口数が約0.85の対物レンズを用いた超解像記録及び超解像再生において、良好な特性を得ることが可能となる。
本発明による光記録媒体の製造方法は、グルーブが形成された基板上に、反射層、第3の誘電体層、光吸収層、第2の誘電体層、貴金属酸化物層及び第1の誘電体層をこの順に形成する第1の工程と、前記第1の誘電体層上に光透過層を形成する第2の工程とを備え、データの記録又は再生に用いるレーザビームの波長をλ、波長がλである光についての前記光透過層の屈折率をnとした場合、前記グルーブの深さが、λ/8n超、60nm以下に設定されていることを特徴とする。
本発明によれば、波長が約635nm未満のレーザビーム及び開口数が約0.6超の対物レンズを用いることにより、λ/NAを640nm以下に設定して超解像記録及び超解像再生を行うことが可能な光記録媒体を製造することが可能となる。しかも、グルーブの深さが、λ/8n超、60nm以下に設定されていることから、超解像記録及び超解像再生を行った場合に、良好な信号特性を得ることが可能となるとともに、基板を製造するスタンパの作製に大きな困難を行うこともない。前記第1の工程は気相成長法により行い、前記第2の工程はスピンコート法により行うことが好ましい。
本発明によるデータ記録方法は、上述した光記録媒体に対し、前記光入射面側からレーザビームを照射することによってデータを記録するデータ記録方法であって、前記レーザビームの波長をλ、前記レーザビームを集束するための対物レンズの開口数をNAとした場合、λ/NAを640nm以下に設定して、長さがλ/4NA以下の記録マークを含む記録マーク列を記録することを特徴とする。また、本発明によるデータ再生方法は、上述した光記録媒体に対し、前記光入射面側からレーザビームを照射することによってデータを再生するデータ再生方法であって、前記レーザビームの波長をλ、前記レーザビームを集束するための対物レンズの開口数をNAとした場合、λ/NAを640nm以下に設定して、長さがλ/4NA以下の記録マークを含む記録マーク列からのデータ再生を行うことを特徴とする。いずれの場合も、レーザビームの波長を約405nmに設定し、対物レンズの開口数を約0.85に設定することが最も好ましく、これによれば、次世代型の光記録媒体用の記録再生装置と同様の記録再生装置を用いることができるので、記録再生装置の開発コスト・製造コストを抑制することが可能となる。
本発明によれば、基板のグルーブが比較的深く設定されていることから、超解像記録及び超解像再生を行った場合に良好な信号特性を得ることが可能となる。さらに、基板のグルーブを比較的狭く設定すれば、より良好な信号特性を得ることが可能となる。
特に、本発明による光記録媒体は、波長が約635nm未満のレーザビーム及び開口数が約0.6超の対物レンズを用いることにより、λ/NAを640nm以下に設定して超解像記録及び超解像再生を行うことができ、特に、次世代型の光記録媒体において用いられる波長が約405nmのレーザビーム及び開口数が約0.85の対物レンズを用いた超解像記録及び超解像再生において、良好な特性を得ることが可能となる。したがって、次世代型の光記録媒体用の記録再生装置と同様の記録再生装置を用いることができるので、記録再生装置の開発コスト・製造コストを抑制することが可能となる。
以下、添付図面を参照しながら、本発明の好ましい実施の形態について詳細に説明する。
図1(a)は、本発明の好ましい実施形態による光記録媒体10の外観を示す切り欠き斜視図であり、図1(b)は、図1(a)に示すA部を拡大した部分断面図である。
図1(a)に示すように、本実施形態による光記録媒体10は円盤状であり、図1(b)に示すように、支持基板11と、光透過層12と、支持基板11と光透過層12との間にこの順に設けられた反射層21、光吸収層22及び貴金属酸化物層23と、反射層21と光吸収層22との間、光吸収層22と貴金属酸化物層23との間及び貴金属酸化物層23と光透過層12との間にそれぞれ設けられた誘電体層33、32及び31とを備えて構成されている。データの記録及び再生は、光記録媒体10を回転させながらレーザビーム40を光入射面12a側から照射することによって行うことができる。レーザビーム40の波長は、635nm未満に設定することが可能であり、特に、次世代型の光記録媒体に対して用いられる405nm程度の波長に設定することが最も好ましい。また、レーザビーム40を集束するための対物レンズの開口数としては0.6超に設定することが可能であり、特に、次世代型の光記録媒体に対して用いられる0.85程度の開口数に設定することが可能である。本明細書及び特許請求の範囲においては、支持基板11を単に「基板」と呼ぶことがある。
支持基板11は、光記録媒体10に求められる機械的強度を確保するために用いられる円盤状の基板であり、その一方の面には、その中心部近傍から外縁部に向けて又は外縁部から中心部近傍に向けて、レーザビーム40をガイドするためのグルーブ11a及びランド11bが螺旋状に形成されている。支持基板11の材料や厚さは、機械的強度の確保が可能である限り特に限定されない。例えば支持基板11の材料としては、ガラス、セラミックス、樹脂等を用いることができ、成形の容易性を考慮すれば樹脂を用いることが好ましい。このような樹脂としてはポリカーボネート樹脂、オレフィン樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、シリコーン樹脂、フッ素系樹脂、ABS樹脂、ウレタン樹脂等が挙げられる。中でも、加工性などの点からポリカーボネート樹脂やオレフィン樹脂を用いることが特に好ましい。但し、支持基板11はレーザビーム40の光路とはならないことから、当該波長領域における光透過性の高い材料を選択する必要はない。
一方、支持基板11の厚さについては、機械的強度の確保に必要且つ十分である厚さ、例えば、0.6mm以上、2.0mm以下に設定することが好ましく、現行の光記録媒体や次世代型の光記録媒体との互換性を考慮すれば、1.0mm以上、1.2mm以下、特に、1.1mm程度に設定することが好ましい。支持基板11の直径についても特に限定されないが、現行の光記録媒体や次世代型の光記録媒体との互換性を考慮すれば、120mm程度に設定することが好ましい。
グルーブ11aの深さは、レーザビーム40の波長をλとし、当該波長領域における光透過層12の屈折率をnとした場合、λ/8n超に設定されており、λ/7n以上に設定することが好ましい。したがって、レーザビーム40の波長を次世代型の光記録媒体に対して用いられる405nm程度とし、当該波長領域における光透過層12の屈折率が約1.5であるとすれば、グルーブ11aの深さを約34nm超に設定し、好ましくは、約39nm以上に設定すればよい。グルーブ11aの深さをλ/8n超に設定すれば、超解像記録及び超解像再生を行った場合に良好な信号特性、特に、十分な振幅を持ったプッシュプル信号を得ることが可能となり、グルーブ11aの深さをλ/7n以上に設定すれば、超解像記録及び超解像再生を行った場合により良好な信号特性を得ることが可能となる。尚、グルーブ及びランドが形成された基板を有する光記録媒体においては、グルーブの深さをλ/8nに設定することによりプッシュプル信号の振幅が最大となることが知られており、この点を考慮すれば、本実施形態による光記録媒体10のグルーブ11aは、通常の光記録媒体におけるグルーブ深さよりも深く設定されていると言える。
グルーブ11aの深さを通常よりも深いλ/8n超に設定することにより充分な振幅を持ったプッシュプル信号が得られる理由は、本発明の光記録媒体では貴金属酸化物層23の局所的な分解により生じる気泡が記録マークとして用いられるため、記録トラックの実質的なグルーブ深さが未記録トラックのグルーブ深さに比べて減少するためであると考えられる。したがって、グルーブ11aの深さをλ/8n超に設定することにより充分な振幅を持ったプッシュプル信号が得られるという現象は、超解像記録及び超解像再生が可能な光記録媒体に特有の現象であると考えられる。
但し、グルーブ11aの深さが大きくなるとスタンパの作製が徐々に困難となることから、この点をも考慮すれば、グルーブ11aの深さは60nm以下に設定することが好ましく、50nm以下に設定することがより好ましい。
また、グルーブ11aの幅は一般的な幅よりも狭く設定することが好ましく、例えばトラックピッチが約320nmである場合には200nm以下、特に、170nm以下に設定することが好ましい。グルーブ11aの幅を狭く設定することが好ましい理由については必ずしも明らかではないが、グルーブ11aの幅を狭くすると、ランド11bの上部に位置する光透過層12によって貴金属酸化物層23の水平方向への変形が抑制され、その結果、垂直方向への変形が増大することにより信号特性が向上するものと推察される。
ここで、グルーブ11aの深さとは、図2に示すように、グルーブ11aの平坦面からランド11bの平坦面までの垂直方向における距離(=Gd)によって定義され、グルーブ11aの幅とは、グルーブ11aの斜面のうち深さがGd/2である部分を結ぶ水平方向の距離(=Gw)、すなわち半値幅によって定義される。
光透過層12は、記録時及び再生時に照射されるレーザビーム40の光路となる層である。その材料としては、使用されるレーザビーム40の波長領域において光透過率が十分に高い材料である限り特に限定されず、例えば光透過性樹脂等を用いることができる。本実施形態による光記録媒体10では、光透過層12の厚さは10μm以上、200μm以下に設定される。これは、光透過層12の厚さが10μm未満であると光入射面12a上におけるビーム径が非常に小さくなることから、光入射面12aの傷やゴミが記録や再生に与える影響が大きくなりすぎるためであり、200μm超であるとチルトマージンの確保やコマ収差の抑制が困難となるからである。また、次世代型の光記録媒体との互換性を考慮すれば、50μm以上、150μm以下に設定することが好ましく、70μm以上、120μm以下に設定することが特に好ましい。
反射層21は、再生信号のレベルを高めるとともに再生耐久性を向上させる役割を果たす層である。反射層21の材料としては、金(Au),銀(Ag),銅(Cu),白金(Pt),アルミニウム(Al),チタン(Ti),クロム(Cr),鉄(Fe),コバルト(Co),ニッケル(Ni),マグネシウム(Mg),亜鉛(Zn),ゲルマニウム(Ge)等の単体の金属又は合金を用いることができる。反射層21の厚さは特に限定されないが、5nm以上、200nm以下に設定することが好ましく、10nm以上、100nm以下に設定することがより好ましく、10nm以上、50nm以下に設定することが最も好ましい。これは、反射層21の厚さが5nm未満であると再生耐久性を向上させる効果が十分に得られないからであり、また、反射層21の厚さが200nmを超えると成膜に時間がかかり生産性が低下する一方で、これ以上の再生耐久性向上効果がほとんど得られないからである。これに対し、反射層21の厚さを10nm以上、100nm以下、特に10nm以上、50nm以下に設定すれば、生産性を大きく低下させることなく、十分な再生耐久性向上効果を得ることが可能となる。尚、本発明において、光記録媒体に反射層21を設けることは必須でないが、これを設けることにより上記の効果を得ることが可能となる。
光吸収層22は、従来「記録層」として機能すると考えられていた層であり、実際は、主として、レーザビーム40のエネルギーを吸収しこれを熱に変換する役割を果たす。光吸収層22の材料としては、使用するレーザビーム40の波長領域における吸収が大きく、且つ、記録時において貴金属酸化物層23の変形を妨げない硬度の材料を用いることが好ましい。波長が635nm未満のレーザビーム40についてこのような条件を満たす材料としては、書き換え型の光記録媒体において記録層の材料として用いられる相変化材料が挙げられる。相変化材料としては、アンチモン(Sb)及びテルル(Te)の合金又はこれに添加物が加えられた材料、或いは、アンチモン(Sb)、テルル(Te)及びゲルマニウム(Ge)の合金又はこれに添加物が加えられた材料を主成分として用いることが好ましい。「主成分として」とは、少量(15mol%以下)の他の材料や不可避的に混入する不純物が含まれていても構わない趣旨である。このような材料としては、
(SbaTe1−a)1−bMAb
(但し、MAはアンチモン(Sb)及びテルル(Te)を除く元素であり、0≦a≦1であり、0≦b<1である)
で表される材料や、
{(GeTe)c(Sb2Te3)1−c}dMB1−d
(但し、MBはアンチモン(Sb)、テルル(Te)及びゲルマニウム(Ge)を除く元素あり、c=1/3、1/2又は2/3であり、0<d≦1である)で表される金属間化合物系の相変化材料を挙げることができる。ここで、c=1/3、1/2又は2/3で表される金属間化合物系の相変化材料は、原子比を最も簡単な整数比で表した場合、各々Ge1Sb4Te7、Ge1Sb2Te4及びGe2Sb2Te5で表すことができる。
(SbaTe1−a)1−bMAb
(但し、MAはアンチモン(Sb)及びテルル(Te)を除く元素であり、0≦a≦1であり、0≦b<1である)
で表される材料や、
{(GeTe)c(Sb2Te3)1−c}dMB1−d
(但し、MBはアンチモン(Sb)、テルル(Te)及びゲルマニウム(Ge)を除く元素あり、c=1/3、1/2又は2/3であり、0<d≦1である)で表される金属間化合物系の相変化材料を挙げることができる。ここで、c=1/3、1/2又は2/3で表される金属間化合物系の相変化材料は、原子比を最も簡単な整数比で表した場合、各々Ge1Sb4Te7、Ge1Sb2Te4及びGe2Sb2Te5で表すことができる。
この場合、
0≦a≦1、且つ
0≦b≦0.15
又は、
1/3≦c≦2/3、且つ
0.9≦d
に設定することがより好ましい。
0≦a≦1、且つ
0≦b≦0.15
又は、
1/3≦c≦2/3、且つ
0.9≦d
に設定することがより好ましい。
特に、bの値が0.15を超えると光の吸収係数が光吸収層22に要求される値よりも低くなるおそれがあり、また、熱伝導性が光吸収層22に要求される値よりも低くなるおそれがあるため、好ましくない。
元素MAの種類は特に限定されないが、ゲルマニウム(Ge),インジウム(In),銀(Ag),金(Au),ビスマス(Bi),セレン(Se),アルミニウム(Al),リン(P),水素(H),シリコン(Si),炭素(C),バナジウム(V),タングステン(W),タンタル(Ta),亜鉛(Zn),マンガン(Mn),チタン(Ti),錫(Sn),パラジウム(Pd),鉛(Pb),窒素(N),酸素(O)及び希土類元素(スカンジウム(Sc)、イットリウム(Y)及びランタノイド)からなる群より選ばれた1又は2以上の元素を選択することが好ましい。特に、波長が390nm〜420nmのレーザビームを用いる場合には、元素MAとして銀(Ag),ゲルマニウム(Ge),インジウム(In)及び希土類元素からなる群より1又は2以上の元素を選択することが好ましい。これにより、波長が390nm〜420nmのレーザビーム、特に405nm程度のレーザビームを用いた場合において良好な信号特性を得ることが可能となる。
元素MBの種類についても特に限定されないが、インジウム(In),銀(Ag),金(Au),ビスマス(Bi),セレン(Se),アルミニウム(Al),リン(P),水素(H),シリコン(Si),炭素(C),バナジウム(V),タングステン(W),タンタル(Ta),亜鉛(Zn),マンガン(Mn),チタン(Ti),錫(Sn),パラジウム(Pd),鉛(Pb),窒素(N),酸素(O)及び希土類元素(スカンジウム(Sc)、イットリウム(Y)及びランタノイド)からなる群より選ばれた1又は2以上の元素を選択することが好ましい。特に、波長が390nm〜420nmのレーザビームを用いる場合には、元素MBとして銀(Ag),インジウム(In)及び希土類元素からなる群より1又は2以上の元素を選択することが好ましい。これにより、波長が390nm〜420nmのレーザビーム、特に405nm程度のレーザビームを用いた場合において良好な信号特性を得ることが可能となる。
光吸収層22の主成分としては、上述した相変化材料のうち、
(SbaTe1−a)1−bMAb
で表される相変化材料であって、
0<a<1
を満たす材料を選択することがより好ましく、
0<a<1、且つ
0≦b≦0.15
を満たす材料を選択することが特に好ましい。これは、
{(GeTe)c(Sb2Te3)1−c}dMB1−d
で表される金属間化合物系の相変化材料に比べ、上記条件を満たす材料は高い延性を有しているからである。したがって、光吸収層22の主成分として上述した相変化材料を用いれば、貴金属酸化物層23の局所的な変形が阻害されず、その結果、小さい記録マークを形成した場合であっても良好な信号特性を得ることが可能となる。
(SbaTe1−a)1−bMAb
で表される相変化材料であって、
0<a<1
を満たす材料を選択することがより好ましく、
0<a<1、且つ
0≦b≦0.15
を満たす材料を選択することが特に好ましい。これは、
{(GeTe)c(Sb2Te3)1−c}dMB1−d
で表される金属間化合物系の相変化材料に比べ、上記条件を満たす材料は高い延性を有しているからである。したがって、光吸収層22の主成分として上述した相変化材料を用いれば、貴金属酸化物層23の局所的な変形が阻害されず、その結果、小さい記録マークを形成した場合であっても良好な信号特性を得ることが可能となる。
但し、光吸収層22の材料として相変化材料を用いた場合であっても、記録による相変化が信号となって現れることはほとんどない。光吸収層22の材料として相変化材料を用いることが必須でないのはこのためである。しかしながら、現在のところ光吸収層22の材料として相変化材料、特に上述した組成を有する相変化材料を用いた場合に最も良い信号特性が得られることが発明者により確認されている。
光吸収層22の厚さとしては、5nm以上、100nm以下に設定することが好ましく、10nm以上、80nm以下に設定することがより好ましく、10nm以上、60nm以下に設定することが特に好ましい。これは、光吸収層22の厚さが5nm未満であるとレーザビームのエネルギーを十分に吸収することができないおそれがあるからであり、100nmを超えると成膜に時間がかかり生産性が低下するからである。これに対し、光吸収層22の厚さを10nm以上、80nm以下、特に10nm以上、60nm以下に設定すれば、高い生産性を確保しつつレーザビーム40のエネルギーを十分に吸収することが可能となる。
尚、本発明において、光記録媒体に光吸収層22を設けることは必須でないが、上述の通り、これを設けることによってレーザビーム40のエネルギーを効率よく熱に変換することが可能となる。
貴金属酸化物層23は、レーザビーム40の照射により記録マークが形成される層であり、貴金属の酸化物を主成分とする。貴金属の種類としては特に限定されないが、白金(Pt)、銀(Ag)及びパラジウム(Pd)の少なくとも1種が好ましく、白金(Pt)が特に好ましい。つまり、貴金属酸化物層23の材料としては、酸化白金(PtOx)を選択することが特に好ましい。貴金属酸化物層23の材料として酸化白金(PtOx)を用いれば、良好な信号特性及び十分な耐久性を得ることが可能となる。貴金属酸化物層23の材料として酸化白金(PtOx)用いる場合、xの値としては、使用するレーザビーム40の波長領域において消衰係数(k)が3未満(k<3)となるように設定することが好ましい。
貴金属酸化物層23の厚さは信号特性に大きな影響を与える。良好な信号特性を得るためには、その厚さを2nm以上、50nm以下に設定することが好ましく、2nm以上、30nm以下に設定することがより好ましい。特に良好な信号特性を得るためには、その厚さを2nm以上、8nm以下に設定することが好ましく、3nm以上、6nm以下に設定することがより好ましく、4nm程度に設定することが特に好ましい。貴金属酸化物層23の厚さが2nm未満又は50nm超であると、レーザビーム40を照射しても良好な形状を持った記録マークが形成されず、十分なキャリア/ノイズ比(CNR)が得られないおそれがあるからである。これに対し、貴金属酸化物層23の厚さを3nm以上、30nm以下、特に4nm程度に設定すれば良好な形状をもった記録マークを形成することでき、高いCNRを得ることが可能となる。
誘電体層31、32及び33は、主として、これらに隣接する各層を物理的及び化学的に保護するとともに、光学特性を調整する役割を果たす。本明細書及び特許請求の範囲においては、誘電体層31、32及び33をそれぞれ第1、第2及び第3の誘電体層と呼ぶことがある。誘電体層31、32及び33の材料としては、酸化物、硫化物、窒化物又はこれらの組み合わせを主成分として用いることができる。具体的には、Al2O3、AlN、ZnO、ZnS、GeN、GeCrN、CeO2、SiO、SiO2、Si3N4、SiC、La2O3、TaO、TiO2、SiAlON(SiO2,Al2O3,Si3N4及びAlNの混合物)及びLaSiON(La2O3,SiO2及びSi3N4の混合物)等、アルミニウム(Al)、シリコン(Si)、セリウム(Ce)、チタン(Ti)、亜鉛(Zn)、タンタル(Ta)等の酸化物、窒化物、硫化物、炭化物あるいはそれらの混合物を用いることが好ましく、特に、ZnSとSiO2との混合物を用いることがより好ましい。この場合、ZnSの割合を70モル%以上、90モル%以下に設定し、SiO2の割合を10モル%以上、30モル%以下に設定することが好ましく、ZnSとSiO2のモル比を80:20程度に設定することが最も好ましい。
誘電体層31、32及び33は、互いに同じ材料で構成されてもよいし、その一部又は全部が異なる材料で構成されてもよい。さらに、誘電体層31、32及び33の少なくとも一つが複数層からなる多層構造であっても構わない。
誘電体層33の厚さは、10nm以上、140nm以下に設定することが好ましく、20nm以上、120nm以下に設定することがより好ましい。これは、誘電体層33の厚さが10nm未満であると光吸収層22を十分に保護できないおそれがあるからであり、誘電体層33の厚さが140nmを超えると成膜に時間がかかり生産性が低下するからである。これに対し、誘電体層33の厚さを20nm以上、120nm以下に設定すれば、高い生産性を確保しつつ光吸収層22を効果的に保護することが可能となる。
誘電体層32の厚さは、5nm以上、100nm以下に設定することが好ましく、20nm以上、100nm以下に設定することがより好ましい。これは、誘電体層32の厚さが5nm未満であると貴金属酸化物層23の分解時に破壊され、貴金属酸化物層23を保護できなくなるおそれがあるからであり、誘電体層32の厚さが100nmを超えると記録時において貴金属酸化物層23が十分に変形できなくなるおそれがあるからである。これに対し、誘電体層32の厚さを20nm以上、100nm以下に設定すれば、貴金属酸化物層23を十分に保護しつつ、記録時における変形を過度に阻害することがない。また、誘電体層32の厚さはデータ再生時における信号特性にも影響を与え、その厚さを50nm以上、70nm以下、特に60nm程度に設定することにより、高いCNRを得ることが可能となる。
誘電体層31の厚さは、貴金属酸化物層23を十分に保護できる限りにおいて、求められる反射率に応じて定めれば良く、例えば、30nm以上、120nm以下に設定することが好ましく、50nm以上、100nm以下に設定することがより好ましく、70nm程度に設定することが特に好ましい。これは、誘電体層31の厚さが30nm未満であると貴金属酸化物層23を十分に保護できないおそれがあるからであり、誘電体層31の厚さが120nmを超えると成膜に時間がかかり生産性が低下するからである。これに対し、誘電体層31の厚さを50nm以上、100nm以下、特に70nm程度に設定すれば、高い生産性を確保しつつ貴金属酸化物層23を十分に保護することが可能となる。
以上が光記録媒体10の構造である。
このような構造を有する光記録媒体10の製造においては、まず支持基板11を用意し、グルーブ11a及びランド11bが形成されている側の表面に反射層21、誘電体層33、光吸収層22、誘電体層32、貴金属酸化物層23、誘電体層31及び光透過層12を順次形成することにより作製することができる。つまり、光記録媒体10の作製においては、次世代型の光記録媒体と同様、光入射面12aとは反対側から順次成膜が行われることになる。
反射層21、誘電体層33、光吸収層22、誘電体層32、貴金属酸化物層23、誘電体層31の形成は、これらの構成元素を含む化学種を用いた気相成長法、例えば、スパッタリング法や真空蒸着法を用いることができ、中でも、スパッタリング法を用いることが好ましい。一方、光透過層12の形成については、粘度調整された例えばアクリル系又はエポキシ系の紫外線硬化性樹脂をスピンコート法により皮膜させ、窒素雰囲気中で紫外線を照射して硬化する等の方法により形成することができる。但し、スピンコート法ではなく、光透過性樹脂を主成分とする光透過性シートと各種接着剤や粘着剤を用いて光透過層12を形成しても構わない。
尚、光透過層12の表面にハードコート層を設け、これによって光透過層12の表面を保護しても構わない。この場合、ハードコート層の表面が光入射面12aを構成する。ハードコート層の材料としては、例えば、エポキシアクリレートオリゴマー(2官能オリゴマー)、多官能アクリルモノマー、単官能アクリルモノマー及び光重合開始剤を含む紫外線硬化性樹脂や、アルミニウム(Al)、シリコン(Si)、セリウム(Ce)、チタン(Ti)、亜鉛(Zn)、タンタル(Ta)等の酸化物、窒化物、硫化物、炭化物あるいはそれらの混合物を用いることができる。ハードコート層の材料として紫外線硬化性樹脂を用いる場合には、スピンコート法によってこれを光透過層12上に形成することが好ましく、上記酸化物、窒化物、硫化物、炭化物あるいはそれらの混合物を用いる場合には、これらの構成元素を含む化学種を用いた気相成長法、例えば、スパッタリング法や真空蒸着法を用いることができ、中でも、スパッタリング法を用いることが好ましい。
また、ハードコート層に潤滑性を持たせることによって、汚れの付着を防止し防汚機能を高めることが好ましい。ハードコート層に潤滑性を与えるためには、ハードコート層の母体となる材料に潤滑剤を含有させることが有効であり、潤滑剤としては、シリコーン系潤滑剤やフッ素系潤滑剤、脂肪酸エステル系潤滑剤を選択することが好ましく、その含有量としては、0.1質量%以上、5.0質量%以下とすることが好ましい。
次に、本実施形態による光記録媒体10に対するデータの記録方法及び記録原理について説明する。
光記録媒体10へのデータ記録は、光記録媒体10を回転させながら、波長が635nm未満、特に、次世代型の光記録媒体に対して用いられる405nm程度の波長を有するレーザビーム40を光入射面12a側から貴金属酸化物層23に照射することにより行う。この場合、レーザビーム40を集束するための対物レンズとしては、開口数が0.6超、特に、次世代型の光記録媒体に対して用いられる0.85程度の開口数を有する対物レンズを用いることができる。つまり、次世代型の光記録媒体に対して用いられる光学系と同様の光学系を用いてデータの記録を行うことができる。
図3は、光記録媒体10に対しグルーブ11aに沿ってレーザビーム40を照射した状態を模式的に示す略断面図である。
図3に示すように、上記波長を有するレーザビーム40を上記開口数を有する対物レンズ50で集束して光記録媒体10に照射すると、ビームスポットの中心部分において貴金属酸化物層23が分解し、酸素ガス(O2)が充填された気泡23aが形成される。気泡23aの内部には、原料金属の微粒子23bが分散した状態となる。このとき、気泡23aの周囲に存在する各層はその圧力により塑性変形するため、この気泡23aを不可逆的な記録マークとして用いることができる。例えば、貴金属酸化物層23の材料が酸化白金(PtOx)である場合、ビームスポットの中心部分において酸化白金(PtOx)が白金(Pt)と酸素ガス(O2)に分解し、気泡23a中に白金(Pt)の微粒子が分散した状態となる。貴金属酸化物層23のうち、気泡23aが形成されていない部分はブランク領域である。
貴金属酸化物層23の分解により気泡23aが発生すると、図3に示すように、支持基板11側すなわち光吸収層22側及び水平方向への塑性変形が生じる一方、光透過層12側への塑性変形はほとんど生じない。これは、光吸収層22が光を吸収してこれを熱に変換し、その熱が貴金属酸化物層23の分解反応を生じさせるためである。グルーブ11aの幅を狭く設定すると、光透過層12の壁面部分12bによって水平方向への変形が抑制され、その結果、垂直方向への変形を増大させることができるものと考えられる。本発明による超解像型の光記録媒体における信号特性は、垂直方向における変形が大きいほど良好となることから、グルーブ11aの幅を狭く設定することにより信号特性を向上させることが可能となる。
貴金属酸化物層23の分解は、ビームスポットの全体において生じるのではなく、上述の通り、ビームスポットの中心部分においてのみ生じる。したがって、形成される気泡23a(記録マーク)はビームスポット径に比べて小さく、これにより超解像記録が実現される。このような超解像記録を行うことができる理由は次の通りである。
図4(a)は貴金属酸化物層23上におけるレーザビーム40のビームスポットを示す平面図であり、図4(b)はその強度分布を示す図である。
図4(a)に示すように、ビームスポット41の平面形状はほぼ円形であるが、ビームスポット41内におけるレーザビーム40の強度分布は一様ではなく、図4(b)に示すようにガウシアン分布を持っている。つまり、ビームスポット41内は中心部ほど高エネルギーとなる。したがって、最大強度の1/e2を十分に超える所定のしきい値Aを設定すれば、しきい値A以上の強度となる領域42の径W2は、ビームスポット41の径W1よりも十分に小さくなる。このことは、しきい値A以上の強度を持つレーザビーム40が照射された場合に分解するという特性を貴金属酸化物層23が有していれば、レーザビーム40が照射された領域のうち、ビームスポット41内の領域42に相当する部分にのみ気泡23a(記録マーク)が選択的に形成されることを意味する。
これにより、グルーブ11a又はランド11bに沿った略断面である図5に示すように、貴金属酸化物層23にはビームスポットの径W1よりも十分に小さい気泡23a(記録マーク)を形成することができ、その径はほぼW2となる。つまり、見かけ上のビームスポット径W2と実際のビームスポット径W1との関係が
W1>W2
となり、超解像記録が実現される。ここで、貴金属酸化物層23の材料として最も好ましい材料である酸化白金(PtOx)は、580℃に加熱されると分解するという特性を有していることから、照射により貴金属酸化物層23が580℃以上となる強度がしきい値Aとなる。本発明においては、誘電体層32の材料として上述した熱伝導性がある程度高い材料を選択していることから、580℃以上となる領域が過度に広がらず、その結果、小さい記録マークであっても良好な形状とすることが可能となる。
W1>W2
となり、超解像記録が実現される。ここで、貴金属酸化物層23の材料として最も好ましい材料である酸化白金(PtOx)は、580℃に加熱されると分解するという特性を有していることから、照射により貴金属酸化物層23が580℃以上となる強度がしきい値Aとなる。本発明においては、誘電体層32の材料として上述した熱伝導性がある程度高い材料を選択していることから、580℃以上となる領域が過度に広がらず、その結果、小さい記録マークであっても良好な形状とすることが可能となる。
したがって、光記録媒体10を回転させながら強度変調されたレーザビーム40をグルーブ11a及び/又はランド11bに沿って照射すれば、貴金属酸化物層23の所望の部分に再生限界未満の微細な記録マークを形成することが可能となる。
図6は、記録時におけるレーザビーム40の強度変調パターンの一例を示す波形図である。図6に示すように、記録時におけるレーザビーム40の強度40aとしては、記録マークM1、M2、M3・・・を形成すべき領域において記録パワー(=Pw)に設定し、記録マークを形成すべきでない領域(ブランク領域)において基底パワー(=Pb)に設定すればよい。これにより、貴金属酸化物層23のうち、記録パワーPwをもつレーザビーム40が照射された領域において分解により気泡23aが形成されるので、所望の長さをもつ記録マークM1、M2、M3・・・を形成することが可能となる。但し、記録時におけるレーザビーム40の強度変調パターンは図6に示すパターンに限られず、例えば図7に示すように、分割されたパルス列を用いて記録マークM1、M2、M3・・・を形成しても構わない。
図8は、レーザビーム40の記録パワーとその後の再生により得られる再生信号のCNRとの関係を模式的に示すグラフである。
図8に示すように、光記録媒体10では、レーザビーム40の記録パワーがPw1未満であると、その後再生しても有効な再生信号は得られない。これは、レーザビーム40の記録パワーがPw1未満であると、貴金属酸化物層23が実質的に分解しないためであると考えられる。また、レーザビーム40の記録パワーがPw1以上、Pw2(>Pw1)未満の領域では、記録パワーが高いほどその後の再生で高いCNRが得られる。これは、レーザビーム40の記録パワーがPw1以上、Pw2未満の領域では、貴金属酸化物層23の分解が部分的に生じており、このため記録パワーが高いほど分解量が多くなるためであると考えられる。そして、レーザビーム40の記録パワーがPw2以上の領域では、これ以上記録パワーを高めてもその後の再生で得られるCNRはほとんど変化しない。これは、レーザビーム40の記録パワーがPw2以上であると貴金属酸化物層23がほぼ完全に分解するためであると考えられる。以上を考慮すれば、レーザビーム40の記録パワーとしてはPw2以上に設定することが好ましいと言える。
Pw2の値は光記録媒体10の構成(各層の材料や各層の厚さ等)や記録条件(記録線速度やレーザビーム40の波長等)によって異なるが、記録線速度が6.0m/s程度、レーザビーム40の波長が405nm程度、対物レンズ50の開口数が約0.85程度である場合、
5.0mW≦Pw2≦9.0mW
であり、Pw1との関係においては、
Pw1×1.4≦Pw2≦Pw1×2.0
である。
5.0mW≦Pw2≦9.0mW
であり、Pw1との関係においては、
Pw1×1.4≦Pw2≦Pw1×2.0
である。
実際の記録パワーの設定においては、光記録媒体10の製造ばらつきやレーザビーム40のパワー変動等を考慮して、Pw2よりも0.3mW以上高く設定することが好ましい。これは、実際の記録パワーがPw2に比べて高すぎる分には大きな実害がないことから、Pw2に対して十分なマージンを確保すべきだからである。但し、必要以上に高い記録パワーは無駄であることから、Pw2よりも2.0mW以上高く設定する必要はない。以上より、実際の記録パワーは、5.3mW(=5.0mW+0.3mW)以上、11.0mW(=9.0mW+2.0mW)以下に設定すればよいと言える。
以上が光記録媒体10に対するデータの記録方法及び記録原理である。
このようにして記録されたデータを再生する場合、光記録媒体10を回転させながら、所定の強度(再生パワー=Pr)に固定したレーザビーム40をグルーブ11a及び/又はランド11bに沿って照射すればよい。そして、得られる反射光を光電変換すれば、記録マーク列に応じた電気信号を得ることが可能となる。このような超解像再生が可能である理由は必ずしも明らかではないが、再生パワーに設定されたレーザビーム40を照射すると、レーザビーム40と気泡23a内に存在する金属微粒子23bとが何らかの相互作用を起こし、これが超解像再生を可能としているものと推察される。
図9は、レーザビーム40の再生パワーとCNRとの関係を模式的に示すグラフである。
図9に示すように、レーザビーム40の再生パワーがPr1未満であると有効な再生信号がほとんど得られないが、再生パワーをPr1以上に設定するとCNRは急速に高まり、再生パワーをPr2(>Pr1)まで高めるとCNRは飽和する。このような現象が生じる理由は必ずしも明らかではないが、Pr1以上に設定されたレーザビーム40の照射により金属微粒子23bと光の相互作用が発生或いは顕著となるためであると推察される。したがって、レーザビーム40の再生パワーとしてはPr1以上に設定する必要があり、Pr2以上に設定することが好ましい。
しかしながら、再生パワーを高く設定しすぎるとブランク領域において貴金属酸化物層23の分解が生じるおそれがあり、このような分解が生じると大幅な再生劣化をもたらしたり、場合によってはデータが消失してしまう。この点を考慮すれば、レーザビーム40の再生パワーとしてはPr2以上、Pw1未満に設定することが好ましい。
Pr2の値は光記録媒体10の構成(各層の材料や各層の厚さ等)や再生条件(再生線速度やレーザビーム40の波長等)によって異なるが、再生線速度が6.0m/s程度、レーザビーム40の波長が405nm程度、対物レンズ50の開口数が約0.85程度である場合、
1.0mW≦Pr2≦3.0mW
であり、Pr1との関係においては、
Pr1×1.05≦Pr2≦Pr1×1.6
である。
1.0mW≦Pr2≦3.0mW
であり、Pr1との関係においては、
Pr1×1.05≦Pr2≦Pr1×1.6
である。
実際の再生パワーの設定においては、Pr2よりも0.1mW以上、0.3mW以下高く設定することが好ましい。これは、再生パワーがPr2を超えると、それ以上再生パワーを高く設定してもCNRの改善が見られなくなる一方で、再生劣化が生じやすくなることから、再生劣化を抑制するためには実際の再生パワーをPr2よりも若干高いレベルに設定すべきだからである。通常、出力が1mW〜3mWの領域におけるレーザビーム40のパワー変動は0.1mW未満であることから、光記録媒体10の製造ばらつき等を考慮しても、Pr2よりも0.1mW以上、0.3mW以下高く設定すれば十分であると考えられる。以上より、実際の再生パワーは、1.1mW(=1.0mW+0.1mW)以上、3.3mW(=3.0mW+0.3mW)以下に設定すればよいと言える。
従来の光記録媒体における再生パワーは、通常0.1mW〜0.5mW程度であり、片面に2層の記録面を持つ次世代型の光記録媒体においても約0.8mWを超える再生パワーに設定されることはほとんど無いことを考えると、本実施形態における再生パワーのレベルが従来の光記録媒体に比べて相当高いことが分かる。
また、実際の再生パワーは、実際の記録パワーとの関係で言えば、
Pw×0.1≦Pr≦Pw×0.5
に設定することが好ましく、
Pw×0.1≦Pr≦Pw×0.4
に設定することがより好ましい。ここからも、本実施形態における再生パワーのレベルが従来の光記録媒体に比べて相当高いことが分かる。
Pw×0.1≦Pr≦Pw×0.5
に設定することが好ましく、
Pw×0.1≦Pr≦Pw×0.4
に設定することがより好ましい。ここからも、本実施形態における再生パワーのレベルが従来の光記録媒体に比べて相当高いことが分かる。
実際に記録パワーや再生パワーとして設定すべき値に関しては、「設定情報」として当該光記録媒体10内に保存しておくことが好ましい。このような設定情報を光記録媒体10内に保存しておけば、ユーザが実際にデータの記録や再生を行う際に、光記録再生装置によって設定情報が読み出され、これに基づいて記録パワーや再生パワーを決定することが可能となる。
設定情報としては、記録パワーや再生パワーのみならず、光記録媒体10に対してデータの記録や再生を行う場合に必要な各種条件(線速度等)を特定するために必要な情報を含んでいることがより好ましい。設定情報は、ウォブルやプレピットとして記録されたものでもよく、貴金属酸化物層23にデータとして記録されたものでもよい。また、データの記録や再生に必要な各種条件を直接的に示すもののみならず、光記録再生装置内にあらかじめ格納されている各種条件のいずれかを指定することにより記録パワーや再生パワー等の特定を間接的に行うものであっても構わない。
以上説明したように、本実施形態によれば、波長が約635nm未満のレーザビーム及び開口数が約0.6超の対物レンズを用いることにより、λ/NAを640nm以下に設定して超解像記録及び超解像再生を行うことができ、特に、次世代型の光記録媒体において用いられる波長が約405nmのレーザビーム及び開口数が約0.85の対物レンズを用いた超解像記録及び超解像再生において、良好な特性を得ることが可能となる。したがって、次世代型の光記録媒体用の記録再生装置と同様の記録再生装置を用いることができるので、記録再生装置の開発コスト・製造コストを抑制することが可能となる。しかも、支持基板11に形成されたグルーブ11aの深さGdがλ/8n超、好ましくはλ/7n以上に設定されていることから、超解像記録及び超解像再生を行った場合に良好な信号特性、特に、十分な振幅を持ったプッシュプル信号を得ることが可能となり、トラッキングが外れる可能性を大幅に低減することが可能となる。さらに、グルーブ11aの幅Gwを一般的な幅よりも狭く設定すれば、記録による貴金属酸化物層23の垂直方向への変形を増大させることができることから、信号特性をより向上させることが可能となる。
本発明は、以上説明した実施の形態に限定されることなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲内で種々の変更が可能であり、それらも本発明の範囲内に包含されるものであることはいうまでもない。
例えば、図1に示した光記録媒体10の構造は、あくまで本発明による光記録媒体の好ましい構造であり、本発明による光記録媒体の構造がこれに限定されるものではない。例えば、光吸収層22から見て支持基板11側にもう一つの貴金属酸化物層を追加しても構わないし、貴金属酸化物層23から見て光透過層12側にもう一つの相変化材料層を追加しても構わない。
さらに、支持基板11の両面に光吸収層22や貴金属酸化物層23等の各種機能層をそれぞれ設けることにより、両面に記録面を持つ構造とすることも可能であるし、支持基板11の一方の面に透明中間層を介して各種機能層を2層以上積層することによって片面に2層以上の記録面を持つ構造とすることも可能である。また、図1に示した光記録媒体10は、いわゆる次世代型の光記録媒体との互換性が高い構造を有しているが、いわゆるDVD型の光記録媒体やCD型の光記録媒体との互換性が高い構造とすることも可能である。
さらにまた、上記実施形態においては、気泡23aの発生源となる記録層として貴金属酸化物層23を用いているが、貴金属酸化物層の代わりに貴金属窒化物層を用いても構わない。この場合も、貴金属の種類としては白金(Pt)、銀(Ag)及びパラジウム(Pd)の少なくとも1種が好ましく、白金(Pt)が特に好ましい。つまり、窒化白金(PtNx)を選択することが特に好ましい。貴金属窒化物層を用いた場合、分解により生じる窒素ガス(N2)によって気泡23aが形成されることになるが、窒素ガス(N2)は化学的に非常に安定なガスであることから、これが他の層を酸化あるいは腐食させる可能性は非常に少なく、このため高い保存信頼性を得ることが可能となる。
さらに、上記実施形態においては、貴金属酸化物層23を誘電体層31,32によって狭持しているが、貴金属酸化物層23の分解により形成されるマーク部分の過度の変形を抑制できる場合、誘電体層31を省略することが可能である。
以下、本発明の実施例について説明するが、本発明はこの実施例に何ら限定されるものではない。
[サンプルの作製]
実施例1
以下の方法により、図1に示す光記録媒体10と同じ構造を有する光記録媒体サンプルを作製した。
まず、射出成型法により、厚さ約1.1mm、直径約120mmであり、表面にグルーブ11a及びランド11bが形成されたポリカーボネートからなるディスク状の支持基板11を作製した。グルーブ11aの深さGdについては約41nmに設定し、グルーブ11aの幅Gwについては約169nmに設定した。トラックピッチは約320nmに設定した。
次に、この支持基板11をスパッタリング装置にセットし、グルーブ11a及びランド11bが形成されている側の表面に実質的に白金(Pt)からなる厚さ約20nmの反射層21、実質的にZnSとSiO2の混合物(モル比=約80:20)からなる厚さ約100nmの誘電体層33、実質的にSb74.1Te25.9(添え字の値は%表示である。以下、原子比を最も簡単な整数比で表す場合を除き同様である)で表される相変化材料からなる厚さ約20nmの光吸収層22、実質的にZnSとSiO2の混合物(モル比=約80:20)からなる厚さ約60nmの誘電体層32、実質的に酸化白金(PtOx)からなる厚さ約4nmの貴金属酸化物層23、実質的にZnSとSiO2の混合物(モル比=約80:20)からなる厚さ約70nmの誘電体層31を順次スパッタ法により形成した。
ここで、貴金属酸化物層23の形成においては、ターゲットとして白金(Pt)、スパッタガスとして酸素ガス(O2)及びアルゴンガス(Ar)を用い(流量比=1:3)、チャンバー内の圧力を0.14Pa、スパッタパワーを100Wに設定した。これにより、形成された酸化白金(PtOx)の消衰係数(k)は約1.69となった。
そして、誘電体層31上に、アクリル系紫外線硬化性樹脂をスピンコート法によりコーティングし、これに紫外線を照射して厚さ約100μmの光透過層12を形成した。これにより、実施例1による光記録媒体サンプルが完成した。
本実施例において用いた光透過層12の材料は、波長が405nmである光に対する屈折率nが1.5である。したがって、λ=405nmのレーザビームを用いた場合、本実施例においては、グルーブ11aの深さGdをほぼ
Gd=λ/6.5n
で表すことが可能である。
Gd=λ/6.5n
で表すことが可能である。
実施例2
支持基板11として、グルーブ11aの幅Gwが約181nmに設定されたものを用いた他は、実施例1による光記録媒体サンプルと同様にして実施例2による光記録媒体サンプルを作製した。
実施例3
支持基板11として、グルーブ11aの幅Gwが約197nmに設定されたものを用いた他は、実施例1による光記録媒体サンプルと同様にして実施例3による光記録媒体サンプルを作製した。
実施例4
支持基板11として、グルーブ11aの幅Gwが約208nmに設定されたものを用いた他は、実施例1による光記録媒体サンプルと同様にして実施例4による光記録媒体サンプルを作製した。
実施例5
支持基板11として、グルーブ11aの幅Gwが約214nmに設定されたものを用いた他は、実施例1による光記録媒体サンプルと同様にして実施例5による光記録媒体サンプルを作製した。
実施例5
支持基板11として、グルーブ11aの幅Gwが約214nmに設定されたものを用いた他は、実施例1による光記録媒体サンプルと同様にして実施例5による光記録媒体サンプルを作製した。
実施例6
支持基板11として、グルーブ11aの深さGdが約37nmに設定され、グルーブ11aの幅Gwが約161nmに設定されたものを用いた他は、実施例1による光記録媒体サンプルと同様にして実施例6による光記録媒体サンプルを作製した。したがって、λ=405nmのレーザビームを用いた場合、本実施例においては、グルーブ11aの深さGdをほぼ
Gd=λ/7n
で表すことが可能である。
Gd=λ/7n
で表すことが可能である。
実施例7
支持基板11として、グルーブ11aの幅Gwが約181nmに設定されたものを用いた他は、実施例6による光記録媒体サンプルと同様にして実施例7による光記録媒体サンプルを作製した。
実施例8
支持基板11として、グルーブ11aの幅Gwが約191nmに設定されたものを用いた他は、実施例6による光記録媒体サンプルと同様にして実施例8による光記録媒体サンプルを作製した。
実施例9
支持基板11として、グルーブ11aの幅Gwが約201nmに設定されたものを用いた他は、実施例6による光記録媒体サンプルと同様にして実施例9による光記録媒体サンプルを作製した。
実施例10
支持基板11として、グルーブ11aの幅Gwが約212nmに設定されたものを用いた他は、実施例6による光記録媒体サンプルと同様にして実施例10による光記録媒体サンプルを作製した。
比較例1
支持基板11として、グルーブ11aの深さGdが約33nmに設定され、グルーブ11aの幅Gwが約172nmに設定されたものを用いた他は、実施例1による光記録媒体サンプルと同様にして比較例1による光記録媒体サンプルを作製した。したがって、λ=405nmのレーザビームを用いた場合、本比較例においては、グルーブ11aの深さGdをほぼ
Gd=λ/8n
で表すことが可能である。
Gd=λ/8n
で表すことが可能である。
比較例2
支持基板11として、グルーブ11aの幅Gwが約193nmに設定されたものを用いた他は、比較例1による光記録媒体サンプルと同様にして比較例2による光記録媒体サンプルを作製した。
比較例3
支持基板11として、グルーブ11aの幅Gwが約200nmに設定されたものを用いた他は、比較例1による光記録媒体サンプルと同様にして比較例3による光記録媒体サンプルを作製した。
比較例4
支持基板11として、グルーブ11aの幅Gwが約208nmに設定されたものを用いた他は、比較例1による光記録媒体サンプルと同様にして比較例4による光記録媒体サンプルを作製した。
比較例5
支持基板11として、グルーブ11aの幅Gwが約209nmに設定されたものを用いた他は、比較例1による光記録媒体サンプルと同様にして比較例5による光記録媒体サンプルを作製した。
これら実施例1乃至10並びに比較例1乃至5の光記録媒体サンプルにおけるグルーブ11aの深さGd及びグルーブ11aの幅Gwを次表にまとめる。
[特性の評価1]
まず、実施例1、実施例3及び実施例5の光記録媒体サンプルを光ディスク評価装置(パルステック社製DDU1000)にセットし、約4.9m/sの線速度で回転させながら、開口数が約0.85である対物レンズを介して波長が約405nmであるレーザビームを光入射面12aから貴金属酸化物層23に照射し、記録マーク長及びブランク長が75nmである単一信号を記録した。尚、上記光学系を用いた場合、
d2=λ/4NA
で与えられる再生限界は約120nmである。また、実施例1、実施例3及び実施例5の光記録媒体サンプルは、いずれもグルーブ11aの深さGdが約41nmであり、ほぼ
Gd=λ/6.5n
で表すことが可能である。
d2=λ/4NA
で与えられる再生限界は約120nmである。また、実施例1、実施例3及び実施例5の光記録媒体サンプルは、いずれもグルーブ11aの深さGdが約41nmであり、ほぼ
Gd=λ/6.5n
で表すことが可能である。
記録時におけるレーザビーム40のパワーについては、記録パワー(Pw)を種々に設定し、基底パワー(Pb)をほぼ0mWに設定した。また、レーザビーム40のパルスパターンとしては、図6に示すパターンを用いた。
そして、記録した単一信号を再生しそのCNRを測定した。レーザビーム40の再生パワー(Pr)については、実施例1、実施例3及び実施例5の光記録媒体サンプルについてそれぞれ2.6mW、2.8mW及び2.8mWに設定した。CNRの測定結果を図10に示す。
図10に示すように、いずれの光記録媒体サンプルも記録パワー(Pw)の許容範囲(記録パワーマージン)が十分に広く、且つ、最大で39dB以上のCNRを得ることができた。CNRの最大値はグルーブ11aの幅Gwが狭いサンプルほど良好であり、また、記録パワーマージンもグルーブ11aの幅Gwが最も狭い実施例1の光記録媒体サンプルにおいて最も広かった。
[特性の評価2]
次に、実施例6、実施例8及び実施例10の光記録媒体サンプルを上述した光ディスク評価装置にセットし、「特性の評価1」と同じ条件のもと、記録マーク長及びブランク長が75nmである単一信号を記録した。実施例6、実施例8及び実施例10の光記録媒体サンプルは、いずれもグルーブ11aの深さGdが約37nmであり、ほぼ
Gd=λ/7n
で表すことが可能である。
Gd=λ/7n
で表すことが可能である。
記録時におけるレーザビーム40のパワーについては、記録パワー(Pw)を種々に設定し、基底パワー(Pb)をほぼ0mWに設定した。また、レーザビーム40のパルスパターンとしては、図6に示すパターンを用いた。
そして、記録した単一信号を再生しそのCNRを測定した。レーザビーム40の再生パワー(Pr)については、実施例6、実施例8及び実施例10の光記録媒体サンプルについてそれぞれ2.6mW、2.8mW及び3.0mWに設定した。CNRの測定結果を図11に示す。
図11に示すように、いずれの光記録媒体サンプルも記録パワーマージンが比較的広く、且つ、最大で37dB以上のCNRを得ることができた。CNRの最大値はグルーブ11aの幅Gwが狭いサンプルほど良好であり、また、記録パワーマージンもグルーブ11aの幅Gwが狭いサンプルほど広かった。
[特性の評価3]
次に、比較例1、比較例2及び比較例4の光記録媒体サンプルを上述した光ディスク評価装置にセットし、「特性の評価1」と同じ条件のもと、記録マーク長及びブランク長が75nmである単一信号を記録した。比較例1、比較例2及び比較例4の光記録媒体サンプルは、いずれもグルーブ11aの深さGdが約33nmであり、ほぼ
Gd=λ/8n
で表すことが可能である。
Gd=λ/8n
で表すことが可能である。
記録時におけるレーザビーム40のパワーについては、記録パワー(Pw)を種々に設定し、基底パワー(Pb)をほぼ0mWに設定した。また、レーザビーム40のパルスパターンとしては、図6に示すパターンを用いた。
そして、記録した単一信号を再生しそのCNRを測定した。レーザビーム40の再生パワー(Pr)については、比較例1、比較例2及び比較例4の光記録媒体サンプルについてそれぞれ2.6mW、2.8mW及び2.6mWに設定した。CNRの測定結果を図12に示す。
図12に示すように、いずれの光記録媒体サンプルも最大値としては高いCNRを得ることができたが、記録パワー(Pw)を高めると容易にトラッキングが外れ、記録を行うことができなかった。このため記録パワーマージンが極めて狭く、実用的に使用することは困難である。
[特性の評価4]
次に、「特性の評価1」において記録した単一信号のうち、実施例1、実施例3及び実施例5の光記録媒体サンプルについて記録パワー(Pw)をそれぞれ6.0mW、6.5mW及び6.5mWに設定して記録した単一信号を種々の再生パワーを用いて再生し、そのCNRを測定した。測定の結果を図13に示す。
図13に示すように、いずれの光記録媒体サンプルも再生パワー(Pr)の許容範囲(再生パワーマージン)が十分に広く、且つ、最大で40dB以上のCNRを得ることができた。また、CNRの最大値はグルーブ11aの幅Gwが狭いサンプルほど良好であった。
[特性の評価5]
次に、「特性の評価2」において記録した単一信号のうち、実施例6、実施例8及び実施例10の光記録媒体サンプルについて記録パワー(Pw)をそれぞれ6.0mW、6.5mW及び7.0mWに設定して記録した単一信号を種々の再生パワーを用いて再生し、そのCNRを測定した。測定の結果を図14に示す。
図14に示すように、いずれの光記録媒体サンプルも再生パワーマージンが十分に広く、且つ、最大で39dB以上のCNRを得ることができた。また、CNRの最大値はグルーブ11aの幅Gwが狭いサンプルほど良好であった。
[特性の評価6]
次に、「特性の評価3」において記録した単一信号のうち、比較例1、比較例2及び比較例4の光記録媒体サンプルについて記録パワー(Pw)をいずれも6.0mWに設定して記録した単一信号を種々の再生パワーを用いて再生し、そのCNRを測定した。測定の結果を図15に示す。
図15に示すように、いずれの光記録媒体サンプルも最大値としては高いCNRを得ることができたが、再生パワー(Pr)を高めると容易にトラッキングが外れ、再生を行うことができなかった。このため再生パワーマージンが極めて狭く、実用的に使用することは困難である。
[特性の評価7]
次に、実施例1乃至10及び比較例1乃至5の光記録媒体サンプルを上述した光ディスク評価装置にセットし、約4.9m/sの線速度で回転させながら、開口数が約0.85である対物レンズを介して波長が約405nmであるレーザビームを光入射面12aから未記録のトラックに照射し、得られるプッシュプル信号を測定するとともに、これを規格化した値(NPP)を算出した。レーザビームのパワーは、いずれの光記録媒体サンプルについても0.4mWに設定した。
プッシュプル信号を規格化した値(NPP)は、トラック方向に2分割されたフォトディテクタの一方の出力をI1とし、他方の出力をI2とした場合、
(I1−I2)/(I1+I2)
で与えられる値の最大値と最小値との差によって定義される。
(I1−I2)/(I1+I2)
で与えられる値の最大値と最小値との差によって定義される。
測定結果を図16に示す。
図16に示すように、グルーブ11aの深さGdが深くなるほど、さらに、グルーブ11aの幅Gwが狭くなるほど、プッシュプル信号を規格化した値(NPP)は大きくなる傾向がはっきりと現れている。
[特性の評価8]
次に、実施例1乃至10及び比較例1乃至5の光記録媒体サンプルを上述した光ディスク評価装置にセットし、「特性の評価1」と同じ条件のもと、記録マーク長及びブランク長が75nmである単一信号を記録した。記録時におけるレーザビーム40の記録パワー(Pw)及び基底パワー(Pb)については、いずれの光記録媒体サンプルについても、それぞれ8.0mW及びほぼ0mWに設定した。また、レーザビーム40のパルスパターンとしては、図6に示すパターンを用いた。
そして、上記単一信号が記録されたトラックにレーザビームを照射し、得られるプッシュプル信号を測定するとともに、これを規格化した値(NPP)を算出した。レーザビームのパワーは、「特性の評価7」と同様、いずれの光記録媒体サンプルについても0.4mWに設定した。
測定結果を図17に示す。
図17に示すように、記録後においても、グルーブ11aの深さGdが深くなるほど、さらには、グルーブ11aの幅Gwが狭くなるほど、プッシュプル信号を規格化した値(NPP)は大きくなる傾向が見られた。尚、比較例1乃至比較例5の光記録媒体サンプルについては、いずれもトラッキングを掛けることはできなかった。
10 光記録媒体
11 支持基板
11a グルーブ
11b ランド
12 光透過層
12a 光入射面
12b 光入射面の壁面部分
21 反射層
22 相変化材料層
23 貴金属酸化物層
23a 気泡
23b 金属微粒子
31〜33 誘電体層
40 レーザビーム
40a レーザビームの強度
41 ビームスポット
42 しきい値A以上の強度となる領域
50 対物レンズ
11 支持基板
11a グルーブ
11b ランド
12 光透過層
12a 光入射面
12b 光入射面の壁面部分
21 反射層
22 相変化材料層
23 貴金属酸化物層
23a 気泡
23b 金属微粒子
31〜33 誘電体層
40 レーザビーム
40a レーザビームの強度
41 ビームスポット
42 しきい値A以上の強度となる領域
50 対物レンズ
Claims (10)
- グルーブが形成された基板と、前記基板上に設けられた貴金属酸化物層と、前記貴金属酸化物層から見て光入射面側に設けられた第1の誘電体層と、前記貴金属酸化物層から見て前記光入射面とは反対側に設けられた第2の誘電体層とを備え、波長がλであるレーザビームを前記グルーブに沿って前記貴金属酸化物層に照射することによりデータの記録が可能な光記録媒体であって、波長がλである光についての前記レーザビームの光路の屈折率をnとした場合、前記グルーブの深さが、λ/8n超、60nm以下に設定されていることを特徴とする光記録媒体。
- 前記グルーブの深さが、λ/7n以上、50nm以下に設定されていることを特徴とする請求項1に記載の光記録媒体。
- 前記第2の誘電体層から見て前記光入射面とは反対側に、前記第2の誘電体層から見てこの順に配置された光吸収層及び第3の誘電体層をさらに備えることを特徴とする請求項1又は2に記載の光記録媒体。
- 前記基板と前記第3の誘電体層との間に設けられた反射層をさらに備えることを特徴とする請求項5に記載の光記録媒体。
- 前記貴金属酸化物層に酸化白金(PtOx)が含まれていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の光記録媒体。
- 前記第1の誘電体層から見て前記基板とは反対側に設けられ、前記レーザビームの前記光路となる光透過層をさらに備え、前記基板の厚さが0.6mm以上、2.0mm以下であり、前記光透過層の厚さが10μm以上、200μm以下であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の光記録媒体。
- グルーブが形成された基板上に、反射層、第3の誘電体層、光吸収層、第2の誘電体層、貴金属酸化物層及び第1の誘電体層をこの順に形成する第1の工程と、前記第1の誘電体層上に光透過層を形成する第2の工程とを備え、データの記録又は再生に用いるレーザビームの波長をλ、波長がλである光についての前記光透過層の屈折率をnとした場合、前記グルーブの深さが、λ/8n超、60nm以下に設定されていることを特徴とする光記録媒体の製造方法。
- 前記第1の工程を気相成長法により行い、前記第2の工程をスピンコート法により行うことを特徴とする請求項7に記載の光記録媒体の製造方法。
- 請求項1乃至6のいずれか1項に記載の光記録媒体に対し、前記光入射面側からレーザビームを照射することによってデータを記録するデータ記録方法であって、前記レーザビームの波長をλ、前記レーザビームを集束するための対物レンズの開口数をNAとした場合、λ/NAを640nm以下に設定して、長さがλ/4NA以下の記録マークを含む記録マーク列を記録することを特徴とするデータ記録方法。
- 請求項1乃至6のいずれか1項に記載の光記録媒体に対し、前記光入射面側からレーザビームを照射することによってデータを再生するデータ再生方法であって、前記レーザビームの波長をλ、前記レーザビームを集束するための対物レンズの開口数をNAとした場合、λ/NAを640nm以下に設定して、長さがλ/4NA以下の記録マークを含む記録マーク列からのデータ再生を行うことを特徴とするデータ再生方法。
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