JP2005077737A - 平版印刷版原版 - Google Patents
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Abstract
【課題】 デジタル信号に基づいた走査露光による直接製版が可能であり、且つ、耐刷性および耐薬品性に優れたポジ型平版印刷版原版を提供する。
【解決手段】 親水性支持体上に、(A)繰り返し単位としてスチレン系構造単位とヒドロキシスチレン系構造単位とを各々少なくとも一種ずつ含有するスチレン系共重合体及び(B)光熱変換剤を含み、赤外レーザ露光によりアルカリ性水溶液に対する溶解性が増大する画像記録層を設けてなるポジ型平版印刷版原版。
【選択図】 なし
【解決手段】 親水性支持体上に、(A)繰り返し単位としてスチレン系構造単位とヒドロキシスチレン系構造単位とを各々少なくとも一種ずつ含有するスチレン系共重合体及び(B)光熱変換剤を含み、赤外レーザ露光によりアルカリ性水溶液に対する溶解性が増大する画像記録層を設けてなるポジ型平版印刷版原版。
【選択図】 なし
Description
本発明は、オフセット印刷マスターとして使用できる平版印刷版原版に関し、詳細にはコンピュータ等のディジタル信号から直接製版できるいわゆるダイレクト製版用のポジ型平版印刷版原版に関する。
近年におけるレーザの発展は目ざましく、特に近赤外から赤外に発光領域を持つ固体レーザ・半導体レーザは、高出力かつ小型の物が容易に入手できる様になっている。平版印刷の分野においては、コンピュータ等のディジタルデータから直接製版する際の露光光源として、これらのレーザは非常に有用である。
赤外線レーザ用ポジ型平版印刷版原版は、アルカリ可溶性のバインダー樹脂と、光を吸収し熱を発生するIR染料等とを必須成分とする。このIR染料等が、未露光部(画像部)では、バインダー樹脂との相互作用によりバインダー樹脂の現像液に対する溶解性を実質的に低下させる現像抑制剤として働き、露光部(非画像部)では、発生した熱によりIR染料等とバインダー樹脂との相互作用が弱まり、アルカリ現像液に溶解して平版印刷版を形成する。
このような赤外線レーザ用ポジ型平版印刷版原版の画像形成能は、記録層表面の赤外線レーザ露光による発熱に依存しているため、支持体近傍では、支持体への熱の拡散により画像形成、即ち、記録層の可溶化に用いられる熱量が少なくなり、低感度となる。したがって、非画像部における記録層の現像抑制能消失効果が充分に得られず、画像部と非画像部との差が小さくなってハイライト再現性が不充分であるという問題があった。
また、上記ハイライト再現性の問題を解決するために、非画像部をより容易に現像し得る、即ち、アルカリ水溶液に対する溶解性がより良好な特性を有する材料からなる記録層を用いることが考えられるが、このような記録層は、画像部領域においても化学的に弱くなり、現像液や印刷中に使用されるインキ洗浄溶剤、プレートクリーナー等によりダメージを受け易くなるなど、耐薬品性に劣るといった問題があり、未露光部領域においては皮膜の耐薬品性や耐久性に優れ、且つ、露光により溶解抑制作用が解除された後は、現像性に優れるという特性を有する樹脂材料が熱望されていた。
以上の問題を解決するため、ポリビニルフェノール樹脂を含むアルカリ溶解性に優れた下層と、水不溶性且つアルカリ可溶性樹脂及び赤外線吸収剤を含み露光によりアルカリ性水溶液に対する溶解性が大きく増大する上層と、からなる記録層を設けた平版印刷版原版が開示されている(例えば、特許文献1参照。)。この平版印刷版原版は、感度の向上には改良がみられるものの、耐薬品性については不十分であった。また、支持体と記録層との密着性も不十分であり、耐刷性に劣るといった問題もあった。
さらに、同様の目的で種々の改良技術が提案され、例えば、支持体上に、特定モノマーを有する共重合体を含有する下層と、感光性の上層とを積層してなる画像形成材料(例えば、特許文献2参照。)や、親水性支持体上に、アルカリ可溶性樹脂を含有する下層と、赤外線感応性で耐アルカリ現像性の上層とを積層してなる平版印刷版原版を用いた印刷版作製方法(例えば、特許文献3参照。)などが提案されている。前者は感度や耐薬品性には優れるものの、下層に用いられる樹脂の膜強度が不充分で耐刷性になお改良の余地があるという問題があり、後者については用いられるアルカリ可溶性樹脂が耐薬品性に劣るため、プレートクリーナー中に含まれる溶剤成分により記録層が溶出したり、下層の基板界面まで該溶剤成分が浸透することで記録層と基板との密着性が低下し、記録層が剥離しやすくなるなどの問題を有しており、下層の膜強度に依存する耐刷性と、耐薬品性との両立は困難であった。
特開平10−250255号公報
特開平11−218914号公報
特開平11−194483号公報
さらに、同様の目的で種々の改良技術が提案され、例えば、支持体上に、特定モノマーを有する共重合体を含有する下層と、感光性の上層とを積層してなる画像形成材料(例えば、特許文献2参照。)や、親水性支持体上に、アルカリ可溶性樹脂を含有する下層と、赤外線感応性で耐アルカリ現像性の上層とを積層してなる平版印刷版原版を用いた印刷版作製方法(例えば、特許文献3参照。)などが提案されている。前者は感度や耐薬品性には優れるものの、下層に用いられる樹脂の膜強度が不充分で耐刷性になお改良の余地があるという問題があり、後者については用いられるアルカリ可溶性樹脂が耐薬品性に劣るため、プレートクリーナー中に含まれる溶剤成分により記録層が溶出したり、下層の基板界面まで該溶剤成分が浸透することで記録層と基板との密着性が低下し、記録層が剥離しやすくなるなどの問題を有しており、下層の膜強度に依存する耐刷性と、耐薬品性との両立は困難であった。
上記従来の技術の欠点を考慮してなされた本発明の目的は、デジタル信号に基づいた走査露光による直接製版が可能であり、且つ、耐刷性および耐薬品性に優れたポジ型平版印刷版原版を提供することにある。
本発明者は、鋭意研究を重ねた結果、繰り返し単位としてスチレン系構造単位とヒドロキシスチレン系構造単位とを各々少なくとも一種ずつ含有するスチレン系共重合体を含む赤外線レーザ用ポジ型感光性組成物を記録層として用いることにより、上記課題を解決し得ることを見出し、本発明を完成するに到った。
本発明の作用機構は明確ではないが、従来のノボラック型フェノール樹脂と異なり、画像記録層に含有されるヒドロキシスチレン系構造単位における芳香環に連結する水酸基同士の相互作用、また、該ヒドロキシスチレン系構造単位と、併用される水酸基を含有しない芳香族環化合物、即ちスチレン系構造単位とを混合したときに生じる両者の分子内相互作用に起因するものと推定している。なお、相互作用の形成は、両者を質量比1:1で混合して形成した膜が各単独素材から得られる膜よりも膜の硬度が高くなることからも伺える。さらに上記硬度向上の機構について考察してみると、ヒドロキシスチレン系構造単位及びスチレン系構造単位との組み合わせによる共重合体が混合による硬度向上効果に寄与すること、さらに特定の構造を含有する構造単位同士の組み合わせが上記の硬度向上を顕著にしていることから、芳香環に連結する水酸基を含有するモノマー(ヒドロキシスチレン系構造単位)に含有される特定の構造と併用される水酸基を含有しないモノマー化合物(スチレン系構造単位)に含まれる特定の構造との間の分子内相互作用が特に重要であること、共重合体の分子量効果により多点相互作用による分子間相互作用構造化が有利となったものと考えている。
本発明によれば、デジタル信号に基づいた走査露光による直接製版が可能であり、且つ、耐刷性および耐薬品性に優れたポジ型平版印刷版原版を提供できる。
以下、本発明の平版印刷版原版について詳細に説明する。
本発明に係る画像記録層には、(A)繰り返し単位としてスチレン系構造単位とヒドロキシスチレン系構造単位とを各々少なくとも一種ずつ含有するスチレン系共重合体及び(B)光熱変換剤を含むを含有することを要する。
まず、本発明に係る画像記録層を構成する特徴的な成分である(A)繰り返し単位としてスチレン系構造単位とヒドロキシスチレン系構造単位とを各々少なくとも一種ずつ含有するスチレン系共重合体(以下、適宜、特定スチレン共重合体と称する)について説明する。なお、本発明におけるモル分率は、特に断らないかぎり仕込み量のモル分率を指す。
特定スチレン共重合体は、芳香環に連結する水酸基を含有するモノマー及び水酸基を含有しないモノマーを共重合したものであり、言い換えれば、第1の成分である芳香環に連結する水酸基を含有するモノマーと、第2の成分である水酸基を含有しないモノマーの双方を含むことを要する。
本発明に係る画像記録層には、(A)繰り返し単位としてスチレン系構造単位とヒドロキシスチレン系構造単位とを各々少なくとも一種ずつ含有するスチレン系共重合体及び(B)光熱変換剤を含むを含有することを要する。
まず、本発明に係る画像記録層を構成する特徴的な成分である(A)繰り返し単位としてスチレン系構造単位とヒドロキシスチレン系構造単位とを各々少なくとも一種ずつ含有するスチレン系共重合体(以下、適宜、特定スチレン共重合体と称する)について説明する。なお、本発明におけるモル分率は、特に断らないかぎり仕込み量のモル分率を指す。
特定スチレン共重合体は、芳香環に連結する水酸基を含有するモノマー及び水酸基を含有しないモノマーを共重合したものであり、言い換えれば、第1の成分である芳香環に連結する水酸基を含有するモノマーと、第2の成分である水酸基を含有しないモノマーの双方を含むことを要する。
本発明において、特定スチレン共重合体を構成する第1の成分であるヒドロキシスチレン系構造単位としては、下記一般式(I)で示される構造単位が挙げられる。
(式中、R1、R2、R3、R4、およびR5はそれぞれ独立して水素原子、ハロゲン原子、水酸基、カルボキシル基、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルキルオキシ基、置換基を有していてもよいアシル基、置換基を有していてもよいアシルオキシ基を示すが、R1、R2、R3、R4、およびR5の少なくとも1つは水酸基である。)
置換基を有していてもよいアルキル基としては、好ましくは炭素数1〜8の直鎖または分岐鎖アルキル基であり、具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、iso−プロピル基、n−ブチル基、iso−ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基が挙げられる。置換基を有していてもよいアルキルオキシ基としては、炭素数1〜8のアルキルオキシ基であり、具体的にはメチルオキシ基、エチルオキシ基、n−プロピルオキシ基、iso−プロピルオキシ基が挙げられる。置換基を有していてもよいアシルオキシ基としては、好ましくは炭素数1〜8のアシルオキシ基であり、具体的にはアセチルオキシ基、エチルアシルオキシ基、n−プロピルアシルオキシ基、iso−プロピルアシルオキシ基が挙げられる。また、上記基の置換基としては、炭素数1〜4のアルコキシ基、炭素数6〜10のアリールオキシ基、炭素数1〜4のアルキルスルホニル基、炭素数6〜10のアリールスルホニル基、炭素数1〜6のアシルアミノ基が挙げられる。導入可能な好ましい置換基としては、水素原子、メチル基、エチル基、iso−プロピル基、2−メトキシ−1−メチルエチル基等が挙げられ、水素原子およびメチル基が特に好ましい。
一般式(I)で表される構造単位の具体例としては、4−ヒドロキシスチレン、3−メチル−4−ヒドロキシスチレン、2,3−ジメチル−4−ヒドロキシスチレン、3−イソプロピル−4−ヒドロキシスチレン、3−t−ブチルヒドロキシスチレン、2−t−アミル−4−ヒドロキシスチレン、2−ヘキシル−4−ヒドロキシスチレン、2−シクロヘキシル−4−ヒドロキシスチレン、2−メチル−3−クロロ−6−t−ブチル−4−ヒドロキシスチレン、3−イソプロピル−4−ヒドロキシスチレン、2−t−ブチル−3−メチル−4−ヒドロキシスチレン、2−t−アミル−5−メチル−4−ヒドロキシスチレン等が挙げられる。好ましくは、3−イソプロピル−4−ヒドロキシスチレン、2−t−アミル−4−ヒドロキシスチレンなどの芳香環の4位にヒドロキシ基が置換したヒドロキシスチレンである。
本発明において、特定スチレン共重合体を構成する第2の成分であるスチレン系構造単位としては、下記一般式(II)で示される構造単位が挙げられる。
(式中、R6、R7、R8、R9、R10はそれぞれ独立して水素原子、ハロゲン原子、カルボキシル基、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルキルオキシ基、置換基を有していてもよいアシル基、置換基を有していてもよいアシルオキシ基を示す。)
置換基を有していてもよいアルキル基としては、好ましくは炭素数1〜8の直鎖または分岐鎖アルキル基であり、具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、iso−プロピル基、n−ブチル基、iso−ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基が挙げられる。置換基を有していてもよいアルキルオキシ基としては、炭素数1〜8のアルキルオキシ基であり、具体的にはメチルオキシ基、エチルオキシ基、n−プロピルオキシ基、iso−プロピルオキシ基が挙げられる。置換基を有していてもよいアシルオキシ基としては、好ましくは炭素数1〜8のアシルオキシ基であり、具体的にはアセチルオキシ基、エチルアシルオキシ基、n−プロピルアシルオキシ基、iso−プロピルアシルオキシ基が挙げられる。また、上記基の置換基としては、炭素数1〜4のアルコキシ基、炭素数6〜10のアリールオキシ基、炭素数1〜4のアルキルスルホニル基、炭素数6〜10のアリールスルホニル基、炭素数1〜6のアシルアミノ基が挙げられる。導入可能な好ましい置換基としては、水素原子、メチル基、エチル基、iso−プロピル基、2−メトキシ−1−メチルエチル基等が挙げられ、水素原子およびメチル基が特に好ましい。
一般式(II)で表される構造単位の具体例としては、スチレン、3−メチルスチレン、2,3−ジメチルスチレン、4−メチルスチレン、3−t−ブチルスチレン、2−t−アミルスチレン、4−ヘキシルスチレン、2−シクロヘキシルスチレン、3−メチル−4−クロロ−6−t−ブチルスチレン、3−イソプロピルスチレン、2−t−ブチル−3−メチルスチレン、2−t−アミル−4−メチルスチレン等が挙げられる。好ましくは、4−メチルスチレン、4−へキシルスチレンなどである。
本発明に係る特定スチレン共重合体を構成するモノマー中のヒドロキシスチレン系構造単位含有率は、好ましくは21〜90モル%であり、31〜85モル%であることがさらに好ましく、51〜80モル%であることが最も好ましい。
また、本発明に係る特定スチレン共重合体の重量平均分子量は、好ましくは500〜50,000であり、更に1,000〜30,000であることが好ましく、特に15,000〜20,000であることが好ましい。また、その数平均分子量は500以上であることが好ましく、750〜650,000であることがより好ましい。分散度(重量平均分子量/数平均分子量)は、1.1〜10であることが好ましい。
また、本発明に係る特定スチレン共重合体の重量平均分子量は、好ましくは500〜50,000であり、更に1,000〜30,000であることが好ましく、特に15,000〜20,000であることが好ましい。また、その数平均分子量は500以上であることが好ましく、750〜650,000であることがより好ましい。分散度(重量平均分子量/数平均分子量)は、1.1〜10であることが好ましい。
本発明の平版印刷版原版における画像記録層中の全固形分に対する全樹脂の割合は、添加効果および感度の点から好ましくは0.1質量%〜20質量%であり、更に0.2質量%〜10質量%であることが好ましく、特に0.2質量%〜5質量%であることが好ましい。
本発明に係る特定スチレン共重合体は1種のみを用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
また、本発明に係る特定スチレン共重合体以外の一般的なフェノール樹脂を併用することもでき、その場合、特定スチレン共重合体以外のフェノール樹脂は、特定スチレン共重合体に対して5〜50質量%の範囲で混合することができ、5〜30質量%であることが好ましく、5〜20質量%の範囲であることが特に好ましい。
また、本発明に係る特定スチレン共重合体以外の一般的なフェノール樹脂を併用することもでき、その場合、特定スチレン共重合体以外のフェノール樹脂は、特定スチレン共重合体に対して5〜50質量%の範囲で混合することができ、5〜30質量%であることが好ましく、5〜20質量%の範囲であることが特に好ましい。
本発明において好適に用いられる特定スチレン共重合体の具体例[(S−1)〜(S−16)]を以下に示すが、本発明はこれらに限定にされるものではない。
この中においても、(S−1)〜(S−8)が好ましく、特に、(S−1)〜(S−3)がより好ましい。
この中においても、(S−1)〜(S−8)が好ましく、特に、(S−1)〜(S−3)がより好ましい。
本発明のヒドロキシスチレン含有スチレン系共重合体の基本的な製造方法としては、「合成高分子(II)」、(朝倉書店)、55頁(ヒドロキシスチレンとその誘導体)に記載の方法等が挙げられる。更に、アニオン重合、リビングラジカル重合やブロック共重合等を用いた特殊な製造方法として、特開昭59−53506号、特開昭59−53509号、特開昭59−53516号及び特開平3−143904号各公報に記載の方法等で製造することも可能である。
本発明の平版印刷版原版には、更に(A)成分のスチレン系共重合体樹脂以外の水不溶、且つ、アルカリ水可溶性樹脂(以下、適宜、アルカリ可溶性樹脂と称する)を併用してもよい。
アルカリ可溶性樹脂としては、例えば、ポリヒドロキシスチレン、ポリハロゲン化ヒドロキシスチレン、N-(4-ヒドロキシフェニル)メタクリルアミドの共重合体、ハイドロキノンモノメタクリレート共重合体の他、特開平7-28244号公報記載のスルホニルイミド系ポリマー、特開平7-36184号公報記載のカルボキシル基含有ポリマーなどが挙げられる。その他特開昭51-34711号公報に開示されているようなフェノール性水酸基を含有するアクリル系樹脂、特開平2-866号に記載のスルホンアミド基を有するアクリル系樹脂や、ウレタン系の樹脂等、種々のアルカリ可溶性の高分子化合物も用いることができる。これらのアルカリ可溶性高分子化合物は、重量平均分子量が500〜200,000で数平均分子量が200〜60,000のものが好ましい。かかるアルカリ可溶性の高分子化合物は1種類あるいは2種類以上を組合せて使用してもよく、併用可能な添加量として、記録層全固形分中、0.5〜30質量%であることが好ましく、さらに好ましくは0.5〜20質量%の添加量で用いられる。
〔(B)光熱変換剤〕
本発明において用いられる(B)光熱変換剤は、光エネルギー照射線を吸収し、熱を発生する物質であれば特に吸収波長域の制限はなく用いることができるが、入手容易な高出力レーザへの適合性の観点から、波長760nm〜1200nmに吸収極大を有する赤外線吸収性染料又は顔料が好ましく挙げられる。
本発明において用いられる(B)光熱変換剤は、光エネルギー照射線を吸収し、熱を発生する物質であれば特に吸収波長域の制限はなく用いることができるが、入手容易な高出力レーザへの適合性の観点から、波長760nm〜1200nmに吸収極大を有する赤外線吸収性染料又は顔料が好ましく挙げられる。
染料としては、市販の染料、例えば「染料便覧」(有機合成化学協会編集、昭和45年刊)等の文献に記載されている公知のものが利用できる。具体的には、アゾ染料、金属錯塩アゾ染料、ピラゾロンアゾ染料、ナフトキノン染料、アントラキノン染料、フタロシアニン染料、カルボニウム染料、キノンイミン染料、メチン染料、シアニン染料、スクアリリウム色素、ピリリウム塩、金属チオレート錯体、オキソノール染料、ジイモニウム染料、アミニウム染料、クロコニウム染料等の染料が挙げられる。
好ましい染料としては、例えば、特開昭58−125246号、特開昭59−84356号、特開昭59−202829号、特開昭60−78787号各公報等に記載されているシアニン染料、特開昭58−173696号、特開昭58−181690号、特開昭58−194595号各公報等に記載されているメチン染料、特開昭58−112793号、特開昭58−224793号、特開昭59−48187号、特開昭59−73996号、特開昭60−52940号、特開昭60−63744号各公報等に記載されているナフトキノン染料、特開昭58−112792号公報等に記載されているスクアリリウム色素、英国特許434,875号明細書記載のシアニン染料等を挙げることができる。
また、米国特許第5,156,938号明細書記載の近赤外吸収増感剤も好適に用いられ、また、米国特許第3,881,924号明細書記載の置換されたアリールベンゾ(チオ)ピリリウム塩、特開昭57−142645号公報(米国特許第4,327,169号)記載のトリメチンチアピリリウム塩、特開昭58−181051号、同58−220143号、同59−41363号、同59−84248号、同59−84249号、同59−146063号、同59−146061号各公報に記載されているピリリウム系化合物、特開昭59−216146号公報記載のシアニン色素、米国特許第4,283,475号明細書に記載のペンタメチンチオピリリウム塩等や特公平5−13514号、同5−19702号各公報に開示されているピリリウム化合物も好ましく用いられる。
また、染料として好ましい別の例として米国特許第4,756,993号明細書中に式(I)、(II)として記載されている近赤外吸収染料を挙げることができる。
これらの染料のうち特に好ましいものとしては、シアニン色素、フタロシアニン染料、オキソノール染料、スクアリリウム色素、ピリリウム塩、チオピリリウム染料、ニッケルチオレート錯体が挙げられる。さらに、下記一般式(a)〜一般式(e)で示される染料が光熱変換効率に優れるため好ましく、特に下記一般式(a)で示されるシアニン色素は、本発明の画像記録層に使用した場合に、アルカリ溶解性樹脂との高い相互作用を与え、且つ、安定性、経済性に優れるため最も好ましい。
一般式(a)中、X1は、水素原子、ハロゲン原子、−NPh2、X2−L1又は以下に示す基を表す。ここで、X2は酸素原子又は、硫黄原子を示し、L1は、炭素原子数1〜12の炭化水素基、ヘテロ原子を有する芳香族環、ヘテロ原子を含む炭素原子数1〜12の炭化水素基を示す。なお、ここでヘテロ原子とは、N、S、O、ハロゲン原子、Seを示す。
前記式中、Xa-は後述するZa-と同様に定義され、Raは水素原子、アルキル基、アリール基、置換または無置換のアミノ基、ハロゲン原子より選択される置換基を表す。
一般式(a)中、R1及びR2は、それぞれ独立に、炭素原子数1〜12の炭化水素基を示す。記録層塗布液の保存安定性から、R1及びR2は、炭素原子数2個以上の炭化水素基であることが好ましく、さらに、R1とR2とは互いに結合し、5員環又は6員環を形成していることが特に好ましい。
Ar1、Ar2は、それぞれ同じでも異なっていても良く、置換基を有していても良い芳香族炭化水素基を示す。好ましい芳香族炭化水素基としては、ベンゼン環及びナフタレン環が挙げられる。また、好ましい置換基としては、炭素原子数12個以下の炭化水素基、ハロゲン原子、炭素原子数12個以下のアルコキシ基が挙げられる。Y1、Y2は、それぞれ同じでも異なっていても良く、硫黄原子又は炭素原子数12個以下のジアルキルメチレン基を示す。R3、R4は、それぞれ同じでも異なっていても良く、置換基を有していても良い炭素原子数20個以下の炭化水素基を示す。好ましい置換基としては、炭素原子数12個以下のアルコキシ基、カルボキシル基、スルホ基が挙げられる。R5、R6、R7及びR8は、それぞれ同じでも異なっていても良く、水素原子又は炭素原子数12個以下の炭化水素基を示す。原料の入手性から、好ましくは水素原子である。また、Za-は、対アニオンを示す。ただし、一般式(a)で示されるシアニン色素がその構造内にアニオン性の置換基を有し、電荷の中和が必要ない場合は、Za-は必要ない。好ましいZa-は、記録層塗布液の保存安定性から、ハロゲンイオン、過塩素酸イオン、テトラフルオロボレートイオン、ヘキサフルオロホスフェートイオン、及びスルホン酸イオンであり、特に好ましくは、過塩素酸イオン、ヘキサフルオロフォスフェートイオン、及びアリールスルホン酸イオンである。
本発明において、好適に用いることのできる一般式(a)で示されるシアニン色素の具体例としては、以下に例示するものの他、特開2001−133969号公報の段落番号[0017]〜[0019]、特開2002−40638号公報の段落番号[0012]〜[0038]、特開2002−23360号公報の段落番号[0012]〜[0023]に記載されたものを挙げることができる。
前記一般式(b)中、Lは共役炭素原子数7以上のメチン鎖を表し、該メチン鎖は置換基を有していてもよく、置換基が互いに結合して環構造を形成していてもよい。Zb+は対カチオンを示す。好ましい対カチオンとしては、アンモニウム、ヨードニウム、スルホニウム、ホスホニウム、ピリジニウム、アルカリ金属カチオン(Ni+、K+、Li+)などが挙げられる。R9〜R14及びR15〜R20は互いに独立に水素原子又はハロゲン原子、シアノ基、アルキル基、アリール基、アルケニル基、アルキニル基、カルボニル基、チオ基、スルホニル基、スルフィニル基、オキシ基、又はアミノ基から選択される置換基、或いは、これらを2つ若しくは3つ組合せた置換基を表し、互いに結合して環構造を形成していてもよい。ここで、前記一般式(b)中、Lが共役炭素原子数7のメチン鎖を表すもの、及び、R9〜R14及びR15〜R20がすべて水素原子を表すものが入手の容易性と効果の観点から好ましい。
本発明において、好適に用いることのできる一般式(b)で示される染料の具体例としては、以下に例示するものを挙げることができる。
前記一般式(c)中、Y3及びY4は、それぞれ、酸素原子、硫黄原子、セレン原子、又はテルル原子を表す。Mは、共役炭素数5以上のメチン鎖を表す。R21〜R24及びR25〜R28は、それぞれ同じであっても異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、アルキル基、アリール基、アルケニル基、アルキニル基、カルボニル基、チオ基、スルホニル基、スルフィニル基、オキシ基、又はアミノ基を表す。また、式中Za-は対アニオンを表し、前記一般式(a)におけるZa-と同義である。
本発明において、好適に用いることのできる一般式(c)で示される染料の具体例としては、以下に例示するものを挙げることができる。
前記一般式(d)中、R29ないしR31は各々独立に、水素原子、アルキル基、又はアリール基を示す。R33及びR34は各々独立に、アルキル基、置換オキシ基、又はハロゲン原子を示す。n及びmは各々独立に0ないし4の整数を示す。R29とR30、又はR31とR32はそれぞれ結合して環を形成してもよく、またR29及び/又はR30はR33と、またR31及び/又はR32はR34と結合して環を形成しても良く、さらに、R33或いはR34が複数存在する場合に、R33同士あるいはR34同士は互いに結合して環を形成してもよい。X2及びX3は各々独立に、水素原子、アルキル基、又はアリール基であり、X2及びX3の少なくとも一方は水素原子又はアルキル基を示す。Qは置換基を有していてもよいトリメチン基又はペンタメチン基であり、2価の有機基とともに環構造を形成してもよい。Zc-は対アニオンを示し、前記一般式(a)におけるZa-と同義である。
本発明において、好適に用いることのできる一般式(d)で示される染料の具体例としては、以下に例示するものを挙げることができる。
前記一般式(e)中、R35〜R50はそれぞれ独立に、置換基を有してもよい水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、アルキル基、アリール基、アルケニル基、アルキニル基、水酸基、カルボニル基、チオ基、スルホニル基、スルフィニル基、オキシ基、アミノ基、オニウム塩構造を示す。Mは2つの水素原子若しくは金属原子、ハロメタル基、オキシメタル基を示すが、そこに含まれる金属原子としては、周期律表のIA、IIA、IIIB、IVB族原子、第一、第二、第三周期の遷移金属、ランタノイド元素が挙げられ、中でも、銅、マグネシウム、鉄、亜鉛、コバルト、アルミニウム、チタン、バナジウムが好ましい。
本発明において、好適に用いることのできる一般式(e)で示される染料の具体例としては、以下に例示するものを挙げることができる。
本発明において赤外線吸収剤として使用される顔料としては、市販の顔料及びカラーインデックス(C.I.)便覧、「最新顔料便覧」(日本顔料技術協会編、1977年刊)、「最新顔料応用技術」(CMC出版、1986年刊)、「印刷インキ技術」CMC出版、1984年刊)に記載されている顔料が挙げられる。
顔料の種類としては、黒色顔料、黄色顔料、オレンジ色顔料、褐色顔料、赤色顔料、紫色顔料、青色顔料、緑色顔料、蛍光顔料、金属粉顔料、その他、ポリマー結合色素が挙げられる。具体的には、不溶性アゾ顔料、アゾレーキ顔料、縮合アゾ顔料、キレートアゾ顔料、フタロシアニン系顔料、アントラキノン系顔料、ペリレン及びペリノン系顔料、チオインジゴ系顔料、キナクリドン系顔料、ジオキサジン系顔料、イソインドリノン系顔料、キノフタロン系顔料、染付けレーキ顔料、アジン顔料、ニトロソ顔料、ニトロ顔料、天然顔料、蛍光顔料、無機顔料、カーボンブラック等が使用できる。これらの顔料のうち好ましいものはカーボンブラックである。
これら顔料は表面処理をせずに用いてもよく、表面処理を施して用いてもよい。表面処理の方法には、樹脂やワックスを表面コートする方法、界面活性剤を付着させる方法、反応性物質(例えば、シランカップリング剤、エポキシ化合物、ポリイソシアネート等)を顔料表面に結合させる方法等が考えられる。上記の表面処理方法は、「金属石鹸の性質と応用」(幸書房)、「印刷インキ技術」(CMC出版、1984年刊)及び「最新顔料応用技術」(CMC出版、1986年刊)に記載されている。
顔料の粒径は0.01μm〜10μmの範囲にあることが好ましく、0.05μm〜1μmの範囲にあることがさらに好ましく、特に0.1μm〜1μmの範囲にあることが好ましい。顔料の粒径が上記範囲内であれば、分散物の画像記録層塗布液中での安定性および画像記録層の均一性の点で好ましい。
顔料を分散する方法としては、インク製造やトナー製造等に用いられる公知の分散技術が使用できる。分散機としては、超音波分散器、サンドミル、アトライター、パールミル、スーパーミル、ボールミル、インペラー、デスパーザー、KDミル、コロイドミル、ダイナトロン、3本ロールミル、加圧ニーダー等が挙げられる。詳細は、「最新顔料応用技術」(CMC出版、1986年刊)に記載されている。
これらの顔料もしくは染料は、全固形分に対し0.01〜50質量%、好ましくは0.1〜10質量%、染料の場合特に好ましくは0.5〜10質量%、顔料の場合特に好ましくは3.1〜10質量%の割合で添加することができる。
顔料もしくは染料の添加量が上記範囲内であれば、感度および画像記録層の均一性や耐久性の点で好ましい。これらの染料もしくは顔料は、他の成分と同一の層に添加してもよいし、別の層を設けそこへ添加してもよい。
次に本発明の平版印刷版原版において、画像記録層用の感光性組成物を調製するに際して添加することのできる他の成分について説明する。
感光性組成物中には、更に必要に応じて、感度を高めるための環状酸無水物、フェノール類、有機酸類を添加することができる。また、露光後直ちに可視像を得るための焼き出し剤、画像着色剤としての染料、その他のフィラーなどを加えることができる。
環状酸無水物としては米国特許第4,115,128号明細書に記載されているように無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、3,6-エンドオキシ−Δ4−テトラヒドロ無水フタル酸、テトラクロル無水フタル酸、無水マレイン酸、クロル無水マレイン酸、α-フェニル無水マレイン酸、無水コハク酸、無水ピロメリット酸等がある。フェノール類としては、ビスフェノールA、p-ニトロフェノール、p-エトキシフェノール、2,3,4-トリヒドロキシベンゾフェノン、4-ヒドロキシベンゾフェノン、2,4,4′-トリヒドロキシベンゾフェノン、4,4′,4″-トリヒドロキシ-トリフェニルメタン、4,4′,3″,4″-テトラヒドロキシ-3,5,3′,5′-テトラメチルトリフェニルメタンなどが挙げられる。
有機酸類としては、特開昭60-88942号公報、特開平2-96755号公報などに記載されている、スルホン酸類、スルフィン酸類、アルキル硫酸類、ホスホン酸類、ホスフィン酸類、リン酸エステル類、カルボン酸類などがあり、具体的には、p-トルエンスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸、p-トルエンスルフィン酸、エチル硫酸、フェニルホスホン酸、フェニルホスフィン酸、リン酸フェニル、リン酸ジフェニル、安息香酸、イソフタル酸、アジピン酸、p-トルイル酸、3,4-ジメトキシ安息香酸、フタル酸、テレフタル酸、1,4-シクロヘキセン-2,2-ジカルボン酸、エルカ酸、ラウリン酸、n-ウンデカン酸、アスコルビン酸などが挙げられる。
上記の環状酸無水物類、フェノール類、有機酸類の感光性組成物中に占める割合は、0.05〜15質量%が好ましく、より好ましくは、0.1〜5質量%である。
露光後、直ちに可視像を得るための焼き出し剤としては、露光によって酸を放出する感光性化合物と、酸と塩を形成して色調を変える有機染料との組み合わせを挙げることができる。
露光によって酸を放出する感光性化合物としては、例えば、特開昭50-36,209号公報に記載されているo-ナフトキノンジアジド-4-スルホン酸ハロゲニド;特開昭53-36223号公報に記載されているトリハロメチル-2-ビロンやトリハロメチル-s-トリアジン;特開昭55-62444号公報に記載されている種々のo-ナフトキノンジアジド化合物;特開昭55-77742号公報に記載されている2-トリハロメチル-5-アリール-1,3,4-オキサジアゾール化合物;ジアゾニウム塩などを挙げることができる。
これらの化合物は、単独または混合して使用することができ、その添加量は、組成物全質量に対し、0.3〜15質量%の範囲が好ましい。
本発明の平版印刷版原版の画像記録層用組成物中には、光分解して酸性物質を発生する化合物の光分解生成物と相互作用することによってその色調を変える有機染料が少なくとも一種類以上用いられる。
このような有機染料としては、ジフェニルメタン系、トリアリールメタン系、チアジン系、オキサジン系、フェナジン系、キサンテン系、アントラキノン系、イミノナフトキノン系、アゾメチン系の色素を用いることができる。具体的には次のようなものである。
ブリリアントグリーン、エオシン、エチルバイオレット、エリスロシンB、メチルグリーン、クリスタルバイオレット、ベイシックフクシン、フェノールフタレイン、1,3-ジフェニルトリアジン、アリザリンレッドS、チモールフタレイン、メチルバイオレット2B、キナルジンレッド、ローズベンガル、チモールスルホフタレイン、キシレノールブルー、メチルオレンジ、オレンジIV、ジフェニルチオカルバゾン、2,7-ジクロロフルオレセイン、パラメチルレッド、コンゴーレッド、ベンゾプルプリン4B、α-ナフチルレッド、ナイルブルー2B、ナイルブルーA、フエナセタリン、メチルバイオレット、マラカイトグリーン、パラフクシン、オイルブルー#603〔オリエント化学工業(株)製〕、オイルピンク#312〔オリエント化学工業(株)製〕、オイルレッド5B〔オリエント化学工業(株)製〕、オイルスカーレット#308〔オリエント化学工業(株)製〕、オイルレッドOG〔オリエント化学工業(株)製〕、オイルレッドRR〔オリエント化学工業(株)製〕、オイルグリーン#502〔オリエント化学工業(株)製〕、スピロンレッドBEHスペシャル〔保土谷化学工業(株)製〕、ビクトリアピュアーブルーBOH〔保土谷化学工業(株)製〕、
パテントピュア-ブルー〔住友三国化学工業(株)製〕、スーダンブルーII〔BASF社製〕、m-クレゾールパープル、クレゾールレッド、ローダミンB、ローダミン6G、ファーストアッシドバイオレットR、スルホローダミンB、オーラミン、4-p-ジエチルアミノフェニルイミノナフトキノン、2-カルボキシアニリノ-4-p-ジエチルアミノフェニルイミノナフトキノン、2-カルボステアリルアミノ-4-p-ジヒドロオキシエチル-アミノ-フェニルイミノナフトキノン、p-メトキシベンゾイル-p′-ジエチルアミノ-o′-メチルフェニルイミノアセトアニリド、シアノ-p-ジエチルアミノフェニルイミノアセトアニリド、1-フェニル-3-メチル-4-p-ジエチルアミノフェニルイミノ-5-ピラゾロン、1−β−ナフチル-4-p-ジエチルアミノフェニルイミノ-5-ピラゾロン等。
パテントピュア-ブルー〔住友三国化学工業(株)製〕、スーダンブルーII〔BASF社製〕、m-クレゾールパープル、クレゾールレッド、ローダミンB、ローダミン6G、ファーストアッシドバイオレットR、スルホローダミンB、オーラミン、4-p-ジエチルアミノフェニルイミノナフトキノン、2-カルボキシアニリノ-4-p-ジエチルアミノフェニルイミノナフトキノン、2-カルボステアリルアミノ-4-p-ジヒドロオキシエチル-アミノ-フェニルイミノナフトキノン、p-メトキシベンゾイル-p′-ジエチルアミノ-o′-メチルフェニルイミノアセトアニリド、シアノ-p-ジエチルアミノフェニルイミノアセトアニリド、1-フェニル-3-メチル-4-p-ジエチルアミノフェニルイミノ-5-ピラゾロン、1−β−ナフチル-4-p-ジエチルアミノフェニルイミノ-5-ピラゾロン等。
特に好ましい有機染料は、トリアリールメタン系染料である。トリアリールメタン系染料では、特開昭62-2932471号公報、特許第2969021号公報に示されているような対アニオンとしてスルホン酸化合物を有するものが特に有用である。
これらの染料は単独又は混合して使用することができ、添加量は画像記録層用組成物の総質量に対して0.3〜15質量%が好ましい。また必要に応じて他の染料、顔料と併用でき、その使用量は染料及び顔料の総質量に対して70質量%以下、より好ましくは50質量%以下である。
その他画像記録層用組成物中には、画像のインキ着肉性を向上させるための、疎水基を有する各種樹脂、例えばオクチルフェノール・ホルムアルデヒド樹脂、t-ブチルフェノール・ホルムアルデヒド樹脂、t-ブチルフェノール・ベンズアルデヒド樹脂、ロジン変性ノボラック樹脂、及びこれら変性ノボラック樹脂のo-ナフトキノンジアジドスルホン酸エステル等;塗膜の可撓性を改良するための可塑剤、例えばフタル酸ジブチル、フタル酸ジオクチル、ブチルグリコレート、リン酸トリクレジル、アジピン酸ジオクチル等、種々の目的に応じて各種添加剤を加えることができる。これらの添加量は組成物全質量に対して、0.01〜30質量%の範囲が好ましい。
更にこれらの組成物中には、皮膜の耐摩耗性を更に向上させるための公知の樹脂を添加できる。これらの樹脂としては、例えばポリビニルアセタール樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、塩化ビニル樹脂、ナイロン、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂等があり、単独または混合して使用することができる。添加量は組成物全質量に対して、2〜40質量%の範囲が好ましい。
また、該組成物中には、現像のラチチュードを広げるために、特開昭62-251740号公報や、特開平4-68355号公報に記載されているような非イオン性界面活性剤、特開昭59-121044号公報、特開平4-13149号公報に記載されているような両性界面活性剤を添加することができる。非イオン性界面活性剤の具体例としては、ソルビタントリステアレート、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタントリオレート、ステアリン酸モノグリセリド、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレート、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテルなどが挙げられ、両性界面活性剤の具体例としては、アルキルジ(アミノエチル)グリシン、アルキルポリアミノエチルグリシン塩酸塩、アモーゲンK(商品名、第一工業製薬(株)製、N-テトラデシル-N,N-ベタイン型)、2-アルキル-N-カルボキシエチル-N-ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン、レボン15(商品名、三洋化成(株)製、アルキルイミダゾリン系)などが挙げられる。
上記非イオン性界面活性剤、両性界面活性剤の画像記録層用組成物中に占める割合は0.05〜15質量%が好ましく、より好ましくは、0.1〜5質量%である。
塗布面質の向上:該画像記録層用組成物中には、塗布面質を向上するための界面活性剤、例えば、特開昭62-170950号公報に記載されているようなフッ素系界面活性剤を添加することができる。
好ましい添加量は、全組成物の0.001〜1.0質量%であり、更に好ましくは0.005〜0.5質量%である。
また画像記録層用組成物中には黄色系染料、好ましくは417nmの吸光度が436nmの吸光度の70%以上ある黄色系染料を添加することができる。
画像記録層用樹脂組成物から平版印刷版用感光材料を得る場合には、まずそれが適当な支持体上に画像記録層として設けられる。画像記録層用樹脂組成物は、下記の有機溶剤の単独あるいは混合したものに溶解または分散され、支持体に塗布され乾燥される。
有機溶剤としては、公知慣用のものがいずれも使用できるが、沸点40℃〜200℃、特に60℃〜160℃の範囲のものが、乾燥の際における有利さから選択される。
有機溶剤としては、例えばメチルアルコール、エチルアルコール、n-またはイソ-プロピルアルコール、n-またはイソ-ブチルアルコール、ジアセトンアルコール等のアルコール類、アセトン、メチルエチルケトン、メチルプロピルケトン、メチルブチルケトン、メチルアミルケトン、メチルヘキシルケトン、ジエチルケトン、ジイソブチルケトン、シクロヘキサノン、メチルシクロヘキサノン、アセチルアセトン等のケトン類、ベンゼン、トルエン、キシレン、シクロヘキサン、メトキシベンゼン等の炭化水素類、エチルアセテート、n-またはイソ-プロピルアセテート、n-またはイソ-ブチルアセテート、エチルブチルアセテート、ヘキシルアセテート等の酢酸エステル類、メチレンジクロライド、エチレンジクロライド、モノクロルベンゼン等のハロゲン化物、イソプロピルエーテル、n-ブチルエーテル、ジオキサン、ジメチルジオキサン、テトラヒドロフラン等のエーテル類、
エチレングリコール、メチルセロソルブ、メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブ、ジエチルセロソルブ、セロソルブアセテート、ブチルセロソルブ、ブチルセロソルブアセテート、メトキシメトキシエタノール、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、プロピレングリコール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノブチルエーテル、3-メチル-3-メトキシブタノール等の多価アルコールとその誘導体、ジメチルスルホキシド、N,N-ジメチルホルムアミド等の特殊溶剤などが単独あるいは混合して好適に使用される。そして、塗布する組成物中の固形分の濃度は、2〜50質量%とするのが適当である。
エチレングリコール、メチルセロソルブ、メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブ、ジエチルセロソルブ、セロソルブアセテート、ブチルセロソルブ、ブチルセロソルブアセテート、メトキシメトキシエタノール、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、プロピレングリコール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノブチルエーテル、3-メチル-3-メトキシブタノール等の多価アルコールとその誘導体、ジメチルスルホキシド、N,N-ジメチルホルムアミド等の特殊溶剤などが単独あるいは混合して好適に使用される。そして、塗布する組成物中の固形分の濃度は、2〜50質量%とするのが適当である。
本発明の平版印刷版原版において、画像記録層用組成物の塗布方法としては、例えばロールコーティング、ディップコーティング、エアナイフコーティング、グラビアコーティング、グラビアオフセットコーティング、ホッパーコーティング、ブレードコーティング、ワイヤドクターコーティング、スプレーコーティング等の方法が用いられ、乾燥後の質量にして0.3〜4.0g/m2が好ましい。塗布量が小さくなるにつれて画像を得るための露光量は小さくて済むが、膜強度は低下する。塗布量が大きくなるにつれ、露光量を必要とするが感光膜は強くなり、例えば、印刷版として用いた場合、印刷可能枚数の高い(高耐刷の)印刷版が得られる。
支持体上に塗布された画像記録層用組成物の乾燥は、通常加熱された空気によって行われる。加熱は30℃〜200℃特に、40℃〜140℃の範囲が好適である。乾燥の温度は乾燥中一定に保たれる方法だけでなく段階的に上昇させる方法も実施し得る。また、乾燥風は除湿することによって好結果が得られる場合もある。加熱された空気は、塗布面に対し0.1m/秒〜30m/秒、特に0.5m/秒〜20m/秒の割合で供給するのが好適である。
マット層:上記のようにして設けられた画像記録層の表面には、真空焼き枠を用いた密着露光の際の真空引きの時間を短縮し、且つ焼きボケを防ぐため、マット層を設けることが好ましい。具体的には、特開昭50-125805号、特公昭57-6582号、同61-28986号の各公報に記載されているようなマット層を設ける方法、特公昭62-62337号公報に記載されているような固体粉末を熱融着させる方法などが挙げられる。
本発明の平版印刷版原版に使用される支持体は、寸度的に安定な板状物であり、これ迄印刷版の支持体として使用されたものが含まれ、好適に使用することができる。かかる支持体としては、紙、プラスチックス(例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレンなど)がラミネートされた紙、例えばアルミニウム(アルミニウム合金も含む)、亜鉛、鉄、銅などのような金属の板、例えば二酢酸セルロース、三酢酸セルロース、プロピオン酸セルロース、酪酸セルロース、酪酸酢酸セルロース、硝酸セルロース、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ポリビニルアセタールなどのようなプラスチックスのフイルム、上記のような金属がラミネートもしくは蒸着された紙もしくはプラスチックフィルムなどが含まれるが、特にアルミニウム板が好ましい。アルミニウム板には純アルミニウム板及びアルミニウム合金板が含まれる。アルミニウム合金としては種々のものが使用でき、例えばケイ素、銅、マンガン、マグネシウム、クロム、亜鉛、鉛、ビスマス、ニッケルなどの金属とアルミニウムの合金が用いられる。これらの組成物は、いくらかの鉄およびチタンに加えてその他無視し得る程度の量の不純物をも含むものである。
支持体は、必要に応じて表面処理される。平版印刷版原版の支持体の表面は、親水化処理が施されることが好ましい。また金属、特にアルミニウムの表面を有する支持体の場合には、砂目立て処理、ケイ酸ソーダ、弗化ジルコニウム酸カリウム、リン酸塩等の水溶液への浸漬処理、あるいは陽極酸化処理などの表面処理がなされていることが好ましい。また、米国特許第2,714,066号明細書に記載されているように、砂目立てしたのちケイ酸ナトリウム水溶液に浸漬処理したアルミニウム板、米国特許第3,181,461号明細書に記載されているようにアルミニウム板を陽極酸化処理を行った後にアルカリ金属ケイ酸塩の水溶液に浸漬処理したものも好適に使用される。
上記陽極酸化処理は、例えば、リン酸、クロム酸、硫酸、ホウ酸等の無機酸、若しくはシュウ酸、スルファミン酸等の有機酸またはこれらの塩の水溶液又は非水溶液の単独又は二種以上を組み合わせた電解液中でアルミニウム板を陽極として電流を流すことにより実施される。
また、米国特許第3,658,662号明細書に記載されているようなシリケート電着も有効である。これらの親水化処理は、支持体の表面を親水性とする為に施される以外に、その上に設けられる感光性組成物との有害な反応を防ぐ為や、画像記録層との密着性を向上させる為に施されるものである。アルミニウム板を砂目立てするに先立って、必要に応じて表面の圧延油を除去すること及び清浄なアルミニウム面を表出させるためにその表面の前処理を施しても良い。
前者のためには、トリクレン等の溶剤、界面活性剤等が用いられている。又後者のためには水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ・エッチング剤を用いる方法が広く行われている。
砂目立て方法としては、機械的、化学的および電気化学的な方法のいずれの方法も有効である。機械的方法としては、ボール研磨法、ブラスト研磨法、軽石のような研磨剤の水分散スラリーをナイロンブラシで擦りつけるブラシ研磨法などがあり、化学的方法としては、特開昭54-31187号公報に記載されているような鉱酸のアルミニウム塩の飽和水溶液に浸漬する方法が適しており、電気化学的方法としては塩酸、硝酸またはこれらの組合せのような酸性電解液中で交流電解する方法が好ましい。このような粗面化方法の内、特に特開昭55-137993号公報に記載されているような機械的粗面化と電気化学的粗面化を組合せた粗面化方法は、感脂性画像の支持体への接着力が強いので好ましい。上記の如き方法による砂目立ては、アルミニウム板の表面の中心線表面粗さ(Ra)が0.3〜1.0μmとなるような範囲で施されることが好ましい。このようにして砂目立てされたアルミニウム板は必要に応じて水洗および化学的にエッチングされる。
エッチング処理液は、通常アルミニウムを溶解する塩基あるいは酸の水溶液より選ばれる。この場合、エッチングされた表面に、エッチング液成分から誘導されるアルミニウムと異なる被膜が形成されないものでなければならない。好ましいエッチング剤を例示すれば、塩基性物質としては水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、リン酸三ナトリウム、リン酸二ナトリウム、リン酸三カリウム、リン酸二カリウム等;酸性物質としては硫酸、過硫酸、リン酸、塩酸及びその塩等であるが、アルミニウムよりイオン化傾向の低い金属例えば亜鉛、クロム、コバルト、ニッケル、銅等の塩はエッチング表面に不必要な被膜を形成するから好ましくない。これ等のエッチング剤は、使用濃度、温度の設定において、使用するアルミニウムあるいは合金の溶解速度が浸漬時間1分あたり0.3グラムから40g/m2になる様に行なわれるのが最も好ましいが、これを上回るあるいは下回るものであっても差支えない。
エッチングは上記エッチング液にアルミニウム板を浸漬したり、該アルミニウム板にエッチング液を塗布すること等により行われ、エッチング量が0.5〜10g/m2の範囲となるように処理されることが好ましい。上記エッチング剤としては、そのエッチング速度が早いという特長から塩基の水溶液を使用することが望ましい。この場合、スマットが生成するので、通常デスマット処理される。デスマット処理に使用される酸は、硝酸、硫酸、リン酸、クロム酸、フッ酸、ホウフッ化水素酸等が用いられる。エッチング処理されたアルミニウム板は、必要により水洗及び陽極酸化される。陽極酸化は、この分野で従来より行なわれている方法で行なうことができる。
具体的には、硫酸、リン酸、クロム酸、シュウ酸、スルファミン酸、ベンゼンスルホン酸等あるいはそれらの二種類以上を組み合せた水溶液又は非水溶液中でアルミニウムに直流または交流の電流を流すと、アルミニウム支持体表面に陽極酸化被膜を形成させることができる。
陽極酸化の処理条件は使用される電解液によって種々変化するので一般には決定され得ないが一般的には電解液の濃度が1〜80質量%、液温5〜70℃、電流密度0.5〜60アンペア/dm2、電圧1〜100V、電解時間30秒〜50分の範囲が適当である。これらの陽極酸化処理の内でも、とくに英国特許第1,412,768号明細書に記載されている硫酸中で高電流密度で陽極酸化する方法および米国特許第3,511,661号明細書に記載されているリン酸を電解浴として陽極酸化する方法が好ましい。上記のように粗面化され、さらに陽極酸化されたアルミニウム板は、必要に応じて親水化処理しても良く、その好ましい例としては米国特許第2,714,066号及び同第3,181,461号に開示されているようなアルカリ金属シリケート、例えばケイ酸ナトリウム水溶液または特公昭36-22063号公報に開示されている弗化ジルコニウム酸カリウムおよび米国特許第4,153,461号明細書に開示されているようなポリビニルホスホン酸で処理する方法がある。
有機下塗層:本発明の平版印刷版原版には、必要に応じて、記録層と支持体の間に有機下塗層を設けることができる。
この有機下塗層を設けることで、露光によりアルカリ現像液への溶解性が向上する赤外線感応層である記録層が、露光面或いはその近傍に設けることで赤外線レーザに対する感度が良好であるとともに、支持体と該赤外線感応層との間に高分子からなる有機下塗層が存在し、断熱層として機能し、赤外線レーザの露光により発生した熱が支持体に拡散せず、効率良く画像形成に使用されることからの高感度化も図れるという利点を有する。また、未露光部においては、アルカリ現像液に対して非浸透性である記録層自体が有機下塗層の保護層として機能するために、現像安定性が良好になるとともにディスクリミネーションに優れた画像が形成され、且つ、経時的な安定性も確保されるものと考えられ、露光部においては、溶解抑制能が解除された記録層の成分が速やかに現像液に溶解、分散し、さらには、支持体に隣接して存在するこの有機下塗層自体がアルカリ可溶性高分子からなるものであるため、現像液に対する溶解性が良好で、例えば、活性の低下した現像液などを用いた場合でも、残膜などが発生することなく速やかに溶解し、現像性の向上にも寄与し、この有機下塗層は有用であると考えられる。
かかる有機下塗層に用いられる有機化合物としては例えば、カルボキシメチルセルロース、デキストリン、アラビアガム、2-アミノエチルホスホン酸などのアミノ基を有するホスホン酸類、置換基を有してもよいフェニルホスホン酸、ナフチルホスホン酸、アルキルホスホン酸、グリセロホスホン酸、メチレンジホスホン酸およびエチレンジホスホン酸などの有機ホスホン酸、置換基を有してもよいフェニルリン酸、ナフチルリン酸、アルキルリン酸およびグリセロリン酸などの有機リン酸、置換基を有してもよいフェニルホスフィン酸、ナフチルホスフィン酸、アルキルホスフィン酸およびグリセロホスフィン酸などの有機ホスフィン酸、グリシンやβ-アラニンなどのアミノ酸類、およびトリエタノールアミンの塩酸塩などのヒドロキシル基を有するアミンの塩酸塩などから選ばれるが、二種以上混合して用いてもよい。
また、有機下塗り層にオニウム基を有する化合物を含有することも好ましい。オニウム基を有する化合物は特開2000−10292号、特開2000−108538号各公報等に詳述されている。
その他ポリ(p-ビニル安息香酸)などで代表される構造単位を分子中に有する高分子化合物群の中から選ばれる少なくとも1種の化合物を用いることができる。より具体的にはp-ビニル安息香酸とビニルベンジルトリエチルアンモニウム塩との共重合体、p-ビニル安息香酸とビニルベンジルトリメチルアンモニウムクロリドとの共重合体などがあげられる。
この有機下塗層は次のような方法で設けることができる。即ち、水またはメタノール、エタノール、メチルエチルケトンなどの有機溶剤もしくはそれらの混合溶剤に上記の有機化合物を溶解させた溶液をアルミニウム板上に塗布、乾燥して設ける方法と、水またはメタノール、エタノール、メチルエチルケトンなどの有機溶剤もしくはそれらの混合溶剤に上記の有機化合物を溶解させた溶液に、アルミニウム板を浸漬して上記有機化合物を吸着させ、しかる後、水などによって洗浄、乾燥して有機下塗層を設ける方法である。前者の方法では、上記の有機化合物の0.005〜10質量%の濃度の溶液を種々の方法で塗布できる。例えば、バーコーター塗布、回転塗布、スプレー塗布、カーテン塗布などいずれの方法を用いてもよい。また、後者の方法では、溶液の濃度は0.01〜20質量%、好ましくは0.05〜5質量%であり、浸漬温度は20〜90℃、好ましくは25〜50℃であり、浸漬時間は0.1秒〜20分、好ましくは2秒〜1分である。
これに用いる溶液は、アンモニア、トリエチルアミン、水酸化カリウムなどの塩基性物質や、塩酸、リン酸などの酸性物質によりpHを調節し、pH1〜12の範囲で使用することもできる。また、平版印刷版原版の調子再現性改良のために黄色染料を添加することもできる。さらにこの溶液には、下記一般式(f)で示される化合物を添加することもできる。
一般式(f)
(HO)x-R5-(COOH)y
但し、R5は置換基を有してもよい炭素数14以下のアリーレン基を表し、x,yは独立して1から3の整数を表す。上記一般式(f)で示される化合物の具体的な例として、3-ヒドロキシ安息香酸、4-ヒドロキシ安息香酸、サリチル酸、1-ヒドロキシ-2-ナフトエ酸、2-ヒドロキシ-1-ナフトエ酸、2-ヒドロキシ-3-ナフトエ酸、2,4-ジヒドロキシ安息香酸、10-ヒドロキシ-9-アントラセンカルボン酸などが挙げられる。有機下塗層の乾燥後の被覆量は、1〜100mg/m2が適当であり、好ましくは2〜70mg/m2である。被覆量が上記範囲内であれば十分な耐刷性能が得られるため好ましい。
一般式(f)
(HO)x-R5-(COOH)y
但し、R5は置換基を有してもよい炭素数14以下のアリーレン基を表し、x,yは独立して1から3の整数を表す。上記一般式(f)で示される化合物の具体的な例として、3-ヒドロキシ安息香酸、4-ヒドロキシ安息香酸、サリチル酸、1-ヒドロキシ-2-ナフトエ酸、2-ヒドロキシ-1-ナフトエ酸、2-ヒドロキシ-3-ナフトエ酸、2,4-ジヒドロキシ安息香酸、10-ヒドロキシ-9-アントラセンカルボン酸などが挙げられる。有機下塗層の乾燥後の被覆量は、1〜100mg/m2が適当であり、好ましくは2〜70mg/m2である。被覆量が上記範囲内であれば十分な耐刷性能が得られるため好ましい。
有機中間層:本発明の平版印刷版原版においては、必要に応じて、画像記録層と支持体の間に有機中間層を設けることができる。
この有機中間層を設けることで、露光によりアルカリ現像液への溶解性が向上する赤外線感応層である画像記録層が、露光面或いはその近傍に設けらることで赤外線レーザに対する感度の良好さを確保するとともに、支持体と該赤外線感応層との間に存在する高分子からなる有機中間層が断熱層として機能し、赤外線レーザの露光により発生した熱が支持体に拡散せず、効率良く画像形成反応に使用されることからのさらなる高感度化も図れるという利点を有する。また、未露光部においては、アルカリ現像液に対して非浸透性の画像記録層自体が有機中間層の保護層として機能するために、現像安定性が良好になるとともにディスクリミネーションに優れた画像が形成され、且つ、経時的な安定性も確保されるものと考えられ、露光部においては、溶解抑制能が解除された画像記録層の成分が速やかに現像液に溶解、分散し、さらには、支持体に隣接して存在する有機中間層がアルカリ可溶性高分子からなるものであるため、現像液に対する溶解性が良好で、例えば、活性の低下した現像液などを用いた場合でも、残膜などが発生することなく速やかに溶解し、優れた現像性を有する。即ち、画像部の強度及び耐現像性、非画像部における易現像性の双方に寄与することから、この有機中間層は有用であると考えられる。
この有機中間層は、水不溶性且つアルカリ可溶性樹脂を含有することを特徴とする。このようなアルカリ可溶性樹脂としては、有機中間層自体が、特に非画像部領域において、高いアルカリ可溶性を発現することを要するため、この特性を損なわない樹脂を選択する必要がある。この観点から、前記画像記録層の説明において記載された他のアルカリ可溶性樹脂が好ましく挙げられる。これらのなかでも、感度、画像形成性の観点からは前記画像記録層に用いられる特定ノボラック樹脂よりも相互作用を形成し難く、アルカリ現像液に対する溶解性に優れた樹脂を選択することが好ましく、例えば、ポリアミド樹脂、エポキシ樹脂、アセタール樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、スチレン系樹脂、ウレタン樹脂等を好ましく挙げることができる。
有機中間層に用いるアルカリ可溶性樹脂としては、画像記録層を塗布する際にその塗布溶媒により溶解され難い樹脂を選択することが重要となる。このような樹脂を選択することで、2つの層の界面における所望されない相溶が抑制されるとともに、耐薬品性の一層の向上も期待できる。このような観点から上記の中でも、アクリル樹脂が特に好ましい。
以下、有機中間層に好適に用いられる好ましいアルカリ可溶性樹脂である水不溶性且つアルカリ可溶性のアクリル樹脂(以下、適宜、単にアクリル樹脂と称する)について説明する。ここで用いられるアクリル樹脂は、水に不溶であり、且つ、アルカリ水溶液に可溶であれば特に制限はない。このようなアクリル樹脂は、前記上層において好ましく用いられるフェノール性水酸基を有するアルカリ可溶性樹脂との相溶性が低いため、このような重層構造を形成するのに特に適しており、また、樹脂自体のアルカリ可溶性にも優れる。
アクリル樹脂としては、スルホンアミド基(−SO2NH−R、ここで、Rは、置換基を有していてもよい炭化水素基を表す。)、活性イミド基〔−SO2NHCOR、−SO2NHSO2R、−CONHSO2R、ここで、Rは、置換基を有していてもよい炭化水素基を表す。〕、カルボン酸基(−CO2H)、スルホン酸基(−SO3H)、リン酸基(−OPO3H2)などのアルカリ可溶性基を有し、且つ、アルカリ可溶性樹脂の共重合性分として好適な、脂肪族水酸基を有するアクリル酸エステル類、及びメタクリル酸エステル類、アルキルアクリレート類、アルキルメタクリレート類、アクリルアミド若しくはメタクリルアミド、アルキルマレイミド、アリールマレイミドなどの不活性イミド類、アクリロニトリル、メタクリロニトリルなどのニトリル類などを構成成分として含む樹脂が挙げられる。また、特開平2−866号公報に記載のスルホンアミド基を有するアクリル系樹脂なども本発明に好適に適用し得る。
アクリル樹脂の重量平均分子量は2,000以上、数平均分子量が500以上のものが好ましい。更に好ましくは、重量平均分子量が5,000〜300,000で、数平均分子量が800〜250,000であり、分散度(重量平均分子量/数平均分子量)が1.1〜10のものである。
本発明に係る有機中間層成分中のアルカリ可溶性樹脂の含有量は、全固形分中、約40〜95質量%、好ましくは約50〜90質量%である。
有機中間層には、前記アルカリ可溶性樹脂に加えて、画像記録層に用いられる光熱変換剤や種々の添加剤を併用することができる。
バックコート:支持体の裏面には、必要に応じてバックコートが設けられる。かかるバックコートとしては特開平5-45885号公報記載の有機高分子化合物および特開平6-35174号公報記載の有機または無機金属化合物を加水分解および重縮合させて得られる金属酸化物からなる被覆層が好ましく用いられる。これらの被覆層のうち、Si(OCH3)4、Si(OC2H5)4、Si(OC3H7)4、Si(OC4H9)4などのケイ素のアルコキシ化合物が安価で入手し易く、それから得られる金属酸化物の被覆層が耐現像液に優れており特に好ましい。
上記のようにして作成された平版印刷版原版は、通常、像露光、現像処理を施される。像露光に用いられる活性光線の光源としては、近赤外から赤外領域に発光波長を持つ光源が好ましく、固体レーザ、半導体レーザが特に好ましい。
本発明の感光性平版印刷の現像処理に適用することのできる現像液は、pHが9.0〜14.0の範囲、好ましくは12.0〜13.5の範囲にある現像液である。現像液(以下、補充液も含めて現像液と呼ぶ)には、従来より知られているアルカリ水溶液が使用できる。例えば、ケイ酸ナトリウム、同カリウム、第3リン酸ナトリウム、同カリウム、同アンモニウム、第2リン酸ナトリウム、同カリウム、同アンモニウム、炭酸ナトリウム、同カリウム、同アンモニウム、炭酸水素ナトリウム、同カリウム、同アンモニウム、ほう酸ナトリウム、同カリウム、同アンモニウム、水酸化ナトリウム、同アンモニウム、同カリウムおよび同リチウムなどの無機アルカリ塩が挙げられる。また、モノメチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、モノエチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、モノイソプロピルアミン、ジイソプロピルアミン、トリイソプロピルアミン、n−ブチルアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モノイソプロパノールアミン、ジイソプロパノールアミン、エチレンイミン、エチレンジアミン、ピリジンなどの有機アルカリ剤が挙げられる。これらのアルカリ水溶液は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
上記のアルカリ水溶液の内、本発明による効果が発揮される現像液は、一つは塩基としてケイ酸アルカリを含有した、又は塩基にケイ素化合物を混ぜてケイ酸アルカリとしたものを含有した、所謂「シリケート現像液」と呼ばれるpH12以上の水溶液で、もう一つのより好ましい現像液は、ケイ酸アルカリを含有せず、非還元糖(緩衝作用を有する有機化合物)と塩基とを含有した所謂「ノンシリケート現像液」である。
前者においては、アルカリ金属ケイ酸塩の水溶液はケイ酸塩の成分である酸化ケイ素SiO2とアルカリ金属酸化物M2Oの比率(一般に〔SiO2〕/〔M2O〕のモル比で表す)と濃度によって現像性の調節が可能であり、例えば、特開昭54−62004号公報に開示されているような、SiO2/Na2Oのモル比が1.0〜1.5(即ち〔SiO2〕/〔Na2O〕が1.0〜1.5)であって、SiO2の含有量が1〜4質量%のケイ酸ナトリウムの水溶液や、特公昭57−7427号公報に記載されているような、〔SiO2〕/〔M〕が0.5〜0.75(即ち〔SiO2〕/〔M2O〕が1.0〜1.5)であって、SiO2の濃度が1〜4質量%であり、かつ該現像液がその中に存在する全アルカリ金属のグラム原子を基準にして少なくとも20%のカリウムを含有している、アルカリ金属ケイ酸塩の水溶液が好適に用いられる。
また、ケイ酸アルカリを含有せず、非還元糖と塩基とを含有した所謂「ノンシリケート現像液」も、本発明の平版印刷版材料の現像に適用するのに好ましい。この現像液を用いて、平版印刷版材料の現像処理を行うと、画像記録層の表面を劣化させることがなく、かつ画像記録層の着肉性をより良好な状態に維持することができる。
この現像液は、その主成分が、非還元糖から選ばれる少なくとも一つの化合物と、少なくとも一種の塩基からなり、液のpHが9.0〜13.5の範囲であることが好ましい。かかる非還元糖とは、遊離のアルデヒド基やケトン基を持たず、還元性を示さない糖類であり、還元基同士の結合したトレハロース型少糖類、糖類の還元基と非糖類が結合した配糖体および糖類に水素添加して還元した糖アルコールに分類され、何れも好適に用いられる。トレハロース型少糖類には、サッカロースやトレハロースがあり、配糖体としては、アルキル配糖体、フェノール配糖体、カラシ油配糖体などが挙げられる。また糖アルコールとしてはD,L-アラビット、リビット、キシリット、D,L-ソルビット、D,L-マンニット、D,L-イジット、D,L-タリット、ズリシットおよびアロズルシットなどが挙げられる。更に二糖類の水素添加で得られるマルチトールおよびオリゴ糖の水素添加で得られる還元体(還元水あめ)が好適に用いられる。
これらの中で特に好ましい非還元糖は糖アルコールとサッカロースであり、特にD-ソルビット、サッカロース、還元水あめが適度なpH領域に緩衝作用があることと、低価格であることで好ましい。
これらの非還元糖は、単独もしくは二種以上を組み合わせて使用でき、それらの現像液中に占める割合は0.1〜30質量%が好ましく、更に好ましくは、1〜20質量%である。非還元糖の濃度を上記範囲内にすることで、十分な緩衝作用が得られ、また原価コスト的にも好ましい。尚、還元糖を塩基と組み合わせて使用した場合、経時的に褐色に変色し、pHも徐々に下がり、よって現像性が低下するという問題点がある。
非還元糖に組み合わせる塩基としては従来より知られているアルカリ剤が使用できる。例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、リン酸三ナトリウム、リン酸三カリウム、リン酸三アンモニウム、リン酸二ナトリウム、リン酸二カリウム、リン酸二アンモニウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸アンモニウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸水素アンモニウム、ホウ酸ナトリウム、ホウ酸カリウム、ホウ酸アンモニウムなどの無機アルカリ剤が挙げられる。また、モノメチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、モノエチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、モノイソプロピルアミン、ジイソプロピルアミン、トリイソプロピルアミン、n-ブチルアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モノイソプロパノールアミン、ジイソプロパノールアミン、エチレンイミン、エチレンジアミン、ピリジンなどの有機アルカリ剤も用いられる。
これらのアルカリ剤は単独もしくは二種以上を組み合わせて用いられる。これらの中で好ましいのは水酸化ナトリウム、水酸化カリウムである、その理由は、非還元糖に対するこれらの量を調整することにより広いpH領域でpH調整が可能となるためである。また、リン酸三ナトリウム、リン酸三カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウムなどもそれ自身に緩衝作用があるので好ましい。
これらのアルカリ剤は現像液のpHを9.0〜13.5の範囲になるように添加され、その添加量は所望のpH、非還元糖の種類と添加量によって決められるが、より好ましいpH範囲は10.0〜13.2である。
現像液には更に、糖類以外の弱酸と強塩基からなるアルカリ性緩衝液が併用できる。かかる緩衝液として用いられる弱酸としては、解離定数(pKa)が10.0〜13.2のものが好ましい。
このような弱酸としては、Pergamon Press社発行のIONISATION CONSTANTS OF ORGANIC ACIDS IN AQUEOUS SOLUTIONなどに記載されているものから選ばれ、例えば2,2,3,3-テトラフルオロプロパノール-1(PKa12.74)、トリフルオロエタノール(同12.37)、トリクロロエタノール(同12.24)などのアルコール類、ピリジン-2-アルデヒド(同12.68)、ピリジン-4-アルデヒド(同12.05)などのアルデヒド類、サリチル酸(同13.0)、3-ヒドロキシ-2-ナフトエ酸(同12.84)、カテコール(同12.6)、没食子酸(同12.4)、スルホサリチル酸(同11.7)、3,4-ジヒドロキシスルホン酸(同12.2)、3,4-ジヒドロキシ安息香酸(同11.94)、1,2,4-トリヒドロキシベンゼン(同11.82)、ハイドロキノン(同11.56)、ピロガロール(同11.34)、o-クレゾール(同10.33)、レゾルシノール(同11.27)、p-クレゾール(同10.27)、m-クレゾール(同10.09)などのフェノール性水酸基を有する化合物、
2-ブタノンオキシム(同12.45)、アセトキシム(同12.42)、1,2-シクロヘプタンジオンジオキシム(同12.3)、2-ヒドロキシベンズアルデヒドオキシム(同12.10)、ジメチルグリオキシム(同11.9)、エタンジアミドジオキシム(同11.37)、アセトフェノンオキシム(同11.35)などのオキシム類、アデノシン(同12.56)、イノシン(同12.5)、グアニン(同12.3)、シトシン(同12.2)、ヒポキサンチン(同12.1)、キサンチン(同11.9)などの核酸関連物質、他に、ジエチルアミノメチルホスホン酸(同12.32)、1-アミノ-3,3,3-トリフルオロ安息香酸(同12.29)、イソプロピリデンジホスホン酸(同12.10)、1,1-エチリデンジホスホン酸(同11.54)、1,1-エチリデンジホスホン酸1-ヒドロキシ(同11.52)、ベンズイミダゾール(同12.86)、チオベンズアミド(同12.8)、ピコリンチオアミド(同12.55)、バルビツル酸(同12.5)などの弱酸が挙げられる。
2-ブタノンオキシム(同12.45)、アセトキシム(同12.42)、1,2-シクロヘプタンジオンジオキシム(同12.3)、2-ヒドロキシベンズアルデヒドオキシム(同12.10)、ジメチルグリオキシム(同11.9)、エタンジアミドジオキシム(同11.37)、アセトフェノンオキシム(同11.35)などのオキシム類、アデノシン(同12.56)、イノシン(同12.5)、グアニン(同12.3)、シトシン(同12.2)、ヒポキサンチン(同12.1)、キサンチン(同11.9)などの核酸関連物質、他に、ジエチルアミノメチルホスホン酸(同12.32)、1-アミノ-3,3,3-トリフルオロ安息香酸(同12.29)、イソプロピリデンジホスホン酸(同12.10)、1,1-エチリデンジホスホン酸(同11.54)、1,1-エチリデンジホスホン酸1-ヒドロキシ(同11.52)、ベンズイミダゾール(同12.86)、チオベンズアミド(同12.8)、ピコリンチオアミド(同12.55)、バルビツル酸(同12.5)などの弱酸が挙げられる。
これらの弱酸の中で好ましいのは、スルホサリチル酸、サリチル酸である。これらの弱酸に組み合わせる塩基としては、水酸化ナトリウム、同アンモニウム、同カリウムおよび同リチウムが好適に用いられる。これらのアルカリ剤は単独もしくは二種以上を組み合わせて用いられる。上記の各種アルカリ剤は濃度および組み合わせによりpHを好ましい範囲内に調整して使用される。
現像液には、現像性の促進や現像カスの分散および印刷版画像部の親インキ性を高める目的で必要に応じて種々界面活性剤や有機溶剤を添加できる。好ましい界面活性剤としては、アニオン系、カチオン系、ノニオン系および両性界面活性剤が挙げられる。
界面活性剤の好ましい例としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル類、ポリオキシエチレンポリスチリルフェニルエーテル類、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル類、グリセリン脂肪酸部分エステル類、ソルビタン脂肪酸部分エステル類、ペンタエリスリトール脂肪酸部分エステル類、プロピレングリコールモノ脂肪酸エステル類、しょ糖脂肪酸部分エステル類、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸部分エステル類、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸部分エステル類、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル類、ポリグリセリン脂肪酸部分エステル類、ポリオキシエチレン化ひまし油類、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸部分エステル類、脂肪酸ジエタノールアミド類、N,N-ビス-2-ヒドロキシアルキルアミン類、ポリオキシエチレンアルキルアミン、トリエタノールアミン脂肪酸エステル、トリアルキルアミンオキシドなどの非イオン性界面活性剤、
脂肪酸塩類、アビエチン酸塩類、ヒドロキシアルカンスルホン酸塩類、アルカンスルホン酸塩類、ジアルキルスルホ琥珀酸エステル塩類、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩類、分岐鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩類、アルキルナフタレンスルホン酸塩類、アルキルフェノキシポリオキシエチレンプロピルスルホン酸塩類、ポリオキシエチレンアルキルスルホフェニルエーテル塩類、N-メチル-N-オレイルタウリンナトリウム塩、N-アルキルスルホ琥珀酸モノアミド二ナトリウム塩、石油スルホン酸塩類、硫酸化牛脂油、脂肪酸アルキルエステルの硫酸エステル塩類、アルキル硫酸エステル塩類、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル塩類、脂肪酸モノグリセリド硫酸エステル塩類、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸エステル塩類、ポリオキシエチレンスチリルフェニルエーテル硫酸エステル塩類、アルキルリン酸エステル塩類、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステル塩類、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルリン酸エステル塩類、スチレン/無水マレイン酸共重合物の部分鹸化物類、オレフィン/無水マレイン酸共重合物の部分鹸化物類、
ナフタレンスルホン酸塩ホルマリン縮合物類などのアニオン界面活性剤、アルキルアミン塩類、テトラブチルアンモニウムブロミド等の第四級アンモニウム塩類、ポリオキシエチレンアルキルアミン塩類、ポリエチレンポリアミン誘導体などのカチオン性界面活性剤、カルボキシベタイン類、アミノカルボン酸類、スルホべタイン類、アミノ硫酸エステル類、イミダゾリン類などの両性界面活性剤が挙げられる。以上挙げた界面活性剤の中でポリオキシエチレンとあるものは、ポリオキシメチレン、ポリオキシプロピレン、ポリオキシブチレンなどのポリオキシアルキレンに読み替えることもでき、それらの界面活性剤もまた包含される。
脂肪酸塩類、アビエチン酸塩類、ヒドロキシアルカンスルホン酸塩類、アルカンスルホン酸塩類、ジアルキルスルホ琥珀酸エステル塩類、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩類、分岐鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩類、アルキルナフタレンスルホン酸塩類、アルキルフェノキシポリオキシエチレンプロピルスルホン酸塩類、ポリオキシエチレンアルキルスルホフェニルエーテル塩類、N-メチル-N-オレイルタウリンナトリウム塩、N-アルキルスルホ琥珀酸モノアミド二ナトリウム塩、石油スルホン酸塩類、硫酸化牛脂油、脂肪酸アルキルエステルの硫酸エステル塩類、アルキル硫酸エステル塩類、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル塩類、脂肪酸モノグリセリド硫酸エステル塩類、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸エステル塩類、ポリオキシエチレンスチリルフェニルエーテル硫酸エステル塩類、アルキルリン酸エステル塩類、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステル塩類、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルリン酸エステル塩類、スチレン/無水マレイン酸共重合物の部分鹸化物類、オレフィン/無水マレイン酸共重合物の部分鹸化物類、
ナフタレンスルホン酸塩ホルマリン縮合物類などのアニオン界面活性剤、アルキルアミン塩類、テトラブチルアンモニウムブロミド等の第四級アンモニウム塩類、ポリオキシエチレンアルキルアミン塩類、ポリエチレンポリアミン誘導体などのカチオン性界面活性剤、カルボキシベタイン類、アミノカルボン酸類、スルホべタイン類、アミノ硫酸エステル類、イミダゾリン類などの両性界面活性剤が挙げられる。以上挙げた界面活性剤の中でポリオキシエチレンとあるものは、ポリオキシメチレン、ポリオキシプロピレン、ポリオキシブチレンなどのポリオキシアルキレンに読み替えることもでき、それらの界面活性剤もまた包含される。
更に好ましい界面活性剤は分子内にパーフルオロアルキル基を含有するフッ素系の界面活性剤である。かかるフッ素系界面活性剤としては、パーフルオロアルキルカルボン酸塩、パーフルオロアルキルスルホン酸塩、パーフルオロアルキルリン酸エステルなどのアニオン型、パーフルオロアルキルベタインなどの両性型、パーフルオロアルキルトリメチルアンモニウム塩などのカチオン型およびパーフルオロアルキルアミンオキサイド、パーフルオロアルキルエチレンオキシド付加物、パーフルオロアルキル基および親水性基含有オリゴマー、パーフルオロアルキル基および親油性基含有オリゴマー、パーフルオロアルキル基、親水性基および親油性基含有オリゴマー、パーフルオロアルキル基および親油性基含有ウレタンなどの非イオン型が挙げられる。上記の界面活性剤は、単独もしくは2種以上を組み合わせて使用することができ、現像液中に0.001〜10質量%、より好ましくは0.01〜5質量%の範囲で添加される。
現像液には、種々の現像安定化剤を用いることができる。それらの好ましい例として、特開平6-282079号公報記載の糖アルコールのポリエチレングリコール付加物、テトラブチルアンモニウムヒドロキシドなどのテトラアルキルアンモニウム塩、テトラブチルホスホニウムブロマイドなどのホスホニウム塩およびジフェニルヨードニウムクロライドなどのヨードニウム塩が好ましい例として挙げられる。更には、特開昭50-51324号公報記載のアニオン界面活性剤または両性界面活性剤、また特開昭55-95946号公報記載の水溶性カチオニックポリマー、特開昭56-142528号公報に記載されている水溶性の両性高分子電解質を挙げることができる。
更に、特開昭59-84241号公報のアルキレングリコールが付加された有機ホウ素化合物、特開昭60-111246号公報記載のポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレンブロック重合型の水溶性界面活性剤、特開昭60-129750号公報のポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレンを置換したアルキレンジアミン化合物、特開昭61-215554号公報記載の重量平均分子量300以上のポリエチレングリコール、特開昭63-175858号公報のカチオン性基を有する含フッ素界面活性剤、特開平2-39157号公報の酸またはアルコールに4モル以上のエチレンオキシドを付加して得られる水溶性エチレンオキシド付加化合物と、水溶性ポリアルキレン化合物などが挙げられる。
現像液には更に必要により有機溶剤が加えられる。かかる有機溶剤としては、水に対する溶解度が約10質量%以下のものが適しており、好ましくは5質量%以下のものから選ばれる。例えば、1-フェニルエタノール、2-フェニルエタノール、3-フェニル-1-プロパノール、4-フェニル-1-ブタノール、4-フェニル-2-ブタノール、2-フェニル-1-ブタノール、2-フェノキシエタノール、2-ベンジルオキシエタノール、o-メトキシベンジルアルコール、m-メトキシベンジルアルコール、p-メトキシベンジルアルコール、ベンジルアルコール、シクロヘキサノール、2-メチルシクロヘキサノール、3-メチルシクロヘキサノールおよび4-メチルシクロヘキサノール、N-フェニルエタノールアミンおよびN-フェニルジエタノールアミンなどを挙げることができる。
有機溶剤の含有量は使用液の総質量に対して0.1〜5質量%である。その使用量は界面活性剤の使用量と密接な関係があり、有機溶剤の量が増すにつれ、界面活性剤の量は増加させることが好ましい。これは界面活性剤の量が少なく、有機溶剤の量を多く用いると有機溶剤が完全に溶解せず、従って、良好な現像性の確保が期待できなくなるからである。
現像液には更に還元剤を加えることができる。これは印刷版の汚れを防止するものである。好ましい有機還元剤としては、チオサリチル酸、ハイドロキノン、メトール、メトキシキノン、レゾルシン、2-メチルレゾルシンなどのフェノール化合物、フェニレンジアミン、フェニルヒドラジンなどのアミン化合物が挙げられる。更に好ましい無機の還元剤としては、亜硫酸、亜硫酸水素酸、亜リン酸、亜リン酸水素酸、亜リン酸二水素酸、チオ硫酸および亜ジチオン酸などの無機酸のナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩などを挙げることができる。
これらの還元剤のうち汚れ防止効果が特に優れているのは亜硫酸塩である。これらの還元剤は使用時の現像液に対して好ましくは、0.05〜5質量%の範囲で含有される。
現像液には更に有機カルボン酸を加えることもできる。好ましい有機カルボン酸は炭素原子数6〜20の脂肪族カルボン酸および芳香族カルボン酸である。脂肪族カルボン酸の具体的な例としては、カプロン酸、エナンチル酸、カプリル酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸およびステアリン酸などがあり、特に好ましいのは炭素数8〜12のアルカン酸である。また炭素鎖中に二重結合を有する不飽和脂肪酸でも、枝分かれした炭素鎖のものでもよい。芳香族カルボン酸としてはベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環などにカルボキシル基が置換された化合物で、具体的には、o-クロロ安息香酸、p-クロロ安息香酸、o-ヒドロキシ安息香酸、p-ヒドロキシ安息香酸、o-アミノ安息香酸、p-アミノ安息香酸、2,4-ジヒドロシ安息香酸、2,5-ジヒドロキシ安息香酸、2,6-ジヒドロキシ安息香酸、2,3-ジヒドロキシ安息香酸、3,5-ジヒドロキシ安息香酸、没食子酸、1-ヒドロキシ-2-ナフトエ酸、3-ヒドロキシ-2-ナフトエ酸、2-ヒドロキシ-1-ナフトエ酸、1-ナフトエ酸、2-ナフトエ酸などがあるがヒドロキシナフトエ酸は特に有効である。
上記脂肪族および芳香族カルボン酸は水溶性を高めるためにナトリウム塩やカリウム塩またはアンモニウム塩として用いるのが好ましい。本発明で用いる現像液の有機カルボン酸の含有量は格別な制限はないが、好ましい添加量は使用時の現像液に対して0.1〜10質量%であり、より好ましくは0.5〜4質量%である。
現像液には、更に必要に応じて、防腐剤、着色剤、増粘剤、消泡剤および硬水軟化剤などを含有させることもできる。硬水軟化剤としては例えば、ポリリン酸およびそのナトリウム塩、カリウム塩およびアンモニウム塩、エチレンジアミンテトラ酢酸、ジエチレントリアミンペンタ酢酸、トリエチレンテトラミンヘキサ酢酸、ヒドロキシエチルエチレンジアミントリ酢酸、ニトリロトリ酢酸、1,2-ジアミノシクロヘキサンテトラ酢酸および1,3-ジアミノ-2-プロパノールテトラ酢酸などのアミノポリカルボン酸およびそれらのナトリウム塩、カリウム塩およびアンモニウム塩、アミノトリ(メチレンホスホン酸)、エチレンジアミンテトラ(メチレンホスホン酸)、ジエチレントリアミンペンタ(メチレンホスホン酸)、トリエチレンテトラミンヘキサ(メチレンホスホン酸)、ヒドロキシエチルエチレンジアミントリ(メチレンホスホン酸)および1-ヒドロキシタエン-1,1-ジホスホン酸やそれらのナトリウム塩、カリウム塩およびアンモニウム塩を挙げることができる。
このような硬水軟化剤はそのキレート化と使用される硬水の硬度および硬水の量によって最適値が変化するが、一般的な使用量を示せば、使用時の現像液に0.01〜5質量%、より好ましくは0.01〜0.5質量%の範囲である。この範囲より少ない添加量では所期の目的が十分に達成されず、添加量がこの範囲より多い場合は、色抜けなど、画像部への悪影響がでてくる。現像液の残余の成分は水である。現像液は、使用時よりも水の含有量を少なくした濃縮液としておき、使用時に水で希釈するようにしておくことが運搬上有利である。この場合の濃縮度は、各成分が分離や析出を起こさない程度が適当である。
本発明の平版印刷版の現像液としてはまた、特開平6-282079号公報記載の現像液も使用できる。これは、SiO2/M2O(Mはアルカリ金属を示す)のモル比が0.5〜2.0の珪酸アルカリ金属塩と、水酸基を4以上有する糖アルコールに5モル以上のエチレンオキシドを付加して得られる水溶性エチレンオキシド付加化合物を含有する現像液である。糖アルコールは糖のアルデヒド基およびケトン基を還元してそれぞれ第一、第二アルコール基としたものに相当する多価アルコールである。糖アルコールの貝体的な例としては、D,L-トレイット、エリトリット、D,L-アラビット、リビット、キシリット、D,L-ソルビット、D,L-マンニット、D,L-イジット、D,L-タリット、ズルシット、アロズルシットなどであり、更に糖アルコールを縮合したジ、トリ、テトラ、ペンタおよびヘキサグリセリンなども挙げられる。上記水溶性エチレンオキシド付加化合物は上記糖アルコール1モルに対し5モル以上のエチレンオキシドを付加することにより得られる。さらにエチレンオキシド付加化合物には必要に応じてプロピレンオキシドを溶解性が許容できる範囲でブロック共重合させてもよい。これらのエチレンオキシド付加化合物は単独もしくは二種以上を組み合わせて用いてもよい。
これらの水溶性エチレンオキシド付加化合物の添加量は現像液(使用液)に対して0.001〜5質量%が適しており、より好ましくは0.001〜2質量%である。
この現像液にはさらに、現像性の促進や現像カスの分散および印刷版画像部の親インキ性を高める目的で必要に応じて、前述の種々の界面活性剤や有機溶剤を添加できる。
かかる組成の現像液で現像処理された平版印刷版は水洗水、界面活性剤等を含有するリンス液、アラビアガムや澱粉誘導体等を主成分とするフィニッシャーや保護ガム液で後処理を施される。本発明に係る平版印刷版の後処理にはこれらの処理を種々組み合わせて用いることができる。
近年、型版・印刷業界では製版作業の合理化および標準化のため、PS版用の自動現像機が広く用いられている。この自動現像機は、一般に現像部と後処理部からなり、PS版を搬送する装置と、各処理液槽およびスプレー装置からなり、露光済みのPS版を水平に搬送しながら、ポンプで汲み上げた各処理液をスプレーノズルから吹き付けて現像および後処理するものである。また、最近は処理液が満たされた処理液槽中に液中ガイドロールなどによってPS版を浸漬搬送させて現像処理する方法や、現像後一定量の少量の水洗水を版面に供給して水洗し、その廃水を現像液原液の希釈水としで再利用する方法も知られている。
このような自動処理においては、各処理液に処理量や稼動時間等に応じてそれぞれの補充液を補充しながら処理することができる。また、実質的に未使用の処理液で処理するいわゆる使い捨て処理方式も適用できる。このような処理によって得られた平版印刷版はオフセット印刷機に掛けられ、多数枚の印刷に用いられる。
以下に実施例を示して本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限られるものではない。
(支持体の作製)
厚さ0.3mmのJIS−A−1050アルミニウム板を用いて、下記に示す工程を組み合わせて処理することで支持体A、B、C、Dを作製した。
(a)機械的粗面化処理
比重1.12の研磨剤(ケイ砂)と水との懸濁液を研磨スラリー液としてアルミニウム板の表面に供給しながら、回転するローラ状ナイロンブラシにより機械的な粗面化を行った。研磨剤の平均粒径は8μm、最大粒径は50μmであった。ナイロンブラシの材質は6・10ナイロン、毛長50mm、毛の直径は0.3mmであった。ナイロンブラシはφ300mmのステンレス製の筒に穴をあけて密になるように植毛した。回転ブラシは3本使用した。ブラシ下部の2本の支持ローラ(φ200mm)の距離は300mmであった。ブラシローラはブラシを回転させる駆動モータの負荷が、ブラシローラをアルミニウム板に押さえつける前の負荷に対して7kWプラスになるまで押さえつけた。ブラシの回転方向はアルミニウム板の移動方向と同じであった。ブラシの回転数は200rpmであった。
(支持体の作製)
厚さ0.3mmのJIS−A−1050アルミニウム板を用いて、下記に示す工程を組み合わせて処理することで支持体A、B、C、Dを作製した。
(a)機械的粗面化処理
比重1.12の研磨剤(ケイ砂)と水との懸濁液を研磨スラリー液としてアルミニウム板の表面に供給しながら、回転するローラ状ナイロンブラシにより機械的な粗面化を行った。研磨剤の平均粒径は8μm、最大粒径は50μmであった。ナイロンブラシの材質は6・10ナイロン、毛長50mm、毛の直径は0.3mmであった。ナイロンブラシはφ300mmのステンレス製の筒に穴をあけて密になるように植毛した。回転ブラシは3本使用した。ブラシ下部の2本の支持ローラ(φ200mm)の距離は300mmであった。ブラシローラはブラシを回転させる駆動モータの負荷が、ブラシローラをアルミニウム板に押さえつける前の負荷に対して7kWプラスになるまで押さえつけた。ブラシの回転方向はアルミニウム板の移動方向と同じであった。ブラシの回転数は200rpmであった。
(b)アルカリエッチング処理
上記で得られたアルミニウム板に温度70℃のNaOH水溶液(濃度26質量%、アルミニウムイオン濃度6.5質量%)をスプレーしてエッチング処理を行い、アルミニウム板を6g/m2溶解した。その後、井水を用いてスプレーによる水洗を行った。
上記で得られたアルミニウム板に温度70℃のNaOH水溶液(濃度26質量%、アルミニウムイオン濃度6.5質量%)をスプレーしてエッチング処理を行い、アルミニウム板を6g/m2溶解した。その後、井水を用いてスプレーによる水洗を行った。
(c)デスマット処理
温度30℃の硝酸濃度1質量%水溶液(アルミニウムイオンを0.5質量%含む。)で、スプレーによるデスマット処理を行い、その後、スプレーで水洗した。前記デスマットに用いた硝酸水溶液は、硝酸水溶液中で交流を用いて電気化学的な粗面化を行う工程の廃液を用いた。
温度30℃の硝酸濃度1質量%水溶液(アルミニウムイオンを0.5質量%含む。)で、スプレーによるデスマット処理を行い、その後、スプレーで水洗した。前記デスマットに用いた硝酸水溶液は、硝酸水溶液中で交流を用いて電気化学的な粗面化を行う工程の廃液を用いた。
(d)電気化学的粗面化処理
60Hzの交流電圧を用いて連続的に電気化学的な粗面化処理を行った。このときの電解液は、硝酸10.5g/リットル水溶液(アルミニウムイオンを5g/リットル)、温度50℃であった。交流電源波形は電流値がゼロからピークに達するまでの時間TPが0.8msec、DUTY比1:1、台形の矩形波交流を用いて、カーボン電極を対極として電気化学的な粗面化処理を行った。補助陽極にはフェライトを用いた。使用した電解槽はラジアルセルタイプのものを使用した。
電流密度は電流のピーク値で30A/dm2、電気量はアルミニウム板が陽極時の電気量の総和で220C/dm2であった。補助陽極には電源から流れる電流の5%を分流させた。
その後、井水を用いてスプレーによる水洗を行った。
60Hzの交流電圧を用いて連続的に電気化学的な粗面化処理を行った。このときの電解液は、硝酸10.5g/リットル水溶液(アルミニウムイオンを5g/リットル)、温度50℃であった。交流電源波形は電流値がゼロからピークに達するまでの時間TPが0.8msec、DUTY比1:1、台形の矩形波交流を用いて、カーボン電極を対極として電気化学的な粗面化処理を行った。補助陽極にはフェライトを用いた。使用した電解槽はラジアルセルタイプのものを使用した。
電流密度は電流のピーク値で30A/dm2、電気量はアルミニウム板が陽極時の電気量の総和で220C/dm2であった。補助陽極には電源から流れる電流の5%を分流させた。
その後、井水を用いてスプレーによる水洗を行った。
(e)アルカリエッチング処理
アルミニウム板をカセイソーダ濃度26質量%、アルミニウムイオン濃度6.5質量%でスプレーによるエッチング処理を32℃で行い、アルミニウム板を0.20g/m2溶解し、前段の交流を用いて電気化学的な粗面化を行ったときに生成した水酸化アルミニウムを主体とするスマット成分を除去し、また、生成したピットのエッジ部分を溶解してエッジ部分を滑らかにした。その後、井水を用いてスプレーによる水洗を行った。
アルミニウム板をカセイソーダ濃度26質量%、アルミニウムイオン濃度6.5質量%でスプレーによるエッチング処理を32℃で行い、アルミニウム板を0.20g/m2溶解し、前段の交流を用いて電気化学的な粗面化を行ったときに生成した水酸化アルミニウムを主体とするスマット成分を除去し、また、生成したピットのエッジ部分を溶解してエッジ部分を滑らかにした。その後、井水を用いてスプレーによる水洗を行った。
(f)デスマット処理
温度30℃の硝酸濃度15質量%水溶液(アルミニウムイオンを4.5質量%含む。)で、スプレーによるデスマット処理を行い、その後、井水を用いてスプレーで水洗した。前記デスマットに用いた硝酸水溶液は、硝酸水溶液中で交流を用いて電気化学的な粗面化を行う工程の廃液を用いた。
温度30℃の硝酸濃度15質量%水溶液(アルミニウムイオンを4.5質量%含む。)で、スプレーによるデスマット処理を行い、その後、井水を用いてスプレーで水洗した。前記デスマットに用いた硝酸水溶液は、硝酸水溶液中で交流を用いて電気化学的な粗面化を行う工程の廃液を用いた。
(g)電気化学的粗面化処理
60Hzの交流電圧を用いて連続的に電気化学的な粗面化処理を行った。このときの電解液は、塩酸7.5g/リットル水溶液(アルミニウムイオンを5g/リットル含む。)、温度35℃であった。交流電源波形は矩形波であり、カーボン電極を対極として電気化学的な粗面化処理を行った。補助アノードにはフェライトを用いた。電解槽はラジアルセルタイプのものを使用した。
電流密度は電流のピーク値で25A/dm2、電気量はアルミニウム板が陽極時の電気量の総和で50C/dm2であった。
その後、井水を用いてスプレーによる水洗を行った。
60Hzの交流電圧を用いて連続的に電気化学的な粗面化処理を行った。このときの電解液は、塩酸7.5g/リットル水溶液(アルミニウムイオンを5g/リットル含む。)、温度35℃であった。交流電源波形は矩形波であり、カーボン電極を対極として電気化学的な粗面化処理を行った。補助アノードにはフェライトを用いた。電解槽はラジアルセルタイプのものを使用した。
電流密度は電流のピーク値で25A/dm2、電気量はアルミニウム板が陽極時の電気量の総和で50C/dm2であった。
その後、井水を用いてスプレーによる水洗を行った。
(h)アルカリエッチング処理
アルミニウム板をカセイソーダ濃度26質量%、アルミニウムイオン濃度6.5質量%でスプレーによるエッチング処理を32℃で行い、アルミニウム板を0.10g/m2溶解し、前段の交流を用いて電気化学的な粗面化処理を行ったときに生成した水酸化アルミニウムを主体とするスマット成分を除去し、また、生成したピットのエッジ部分を溶解してエッジ部分を滑らかにした。その後、井水を用いてスプレーによる水洗を行った。
アルミニウム板をカセイソーダ濃度26質量%、アルミニウムイオン濃度6.5質量%でスプレーによるエッチング処理を32℃で行い、アルミニウム板を0.10g/m2溶解し、前段の交流を用いて電気化学的な粗面化処理を行ったときに生成した水酸化アルミニウムを主体とするスマット成分を除去し、また、生成したピットのエッジ部分を溶解してエッジ部分を滑らかにした。その後、井水を用いてスプレーによる水洗を行った。
(i)デスマット処理
温度60℃の硫酸濃度25質量%水溶液(アルミニウムイオンを0.5質量%含む。)で、スプレーによるデスマット処理を行い、その後、井水を用いてスプレーによる水洗を行った。
温度60℃の硫酸濃度25質量%水溶液(アルミニウムイオンを0.5質量%含む。)で、スプレーによるデスマット処理を行い、その後、井水を用いてスプレーによる水洗を行った。
(j)陽極酸化処理
電解液としては、硫酸を用いた。電解液は、いずれも硫酸濃度170g/リットル(アルミニウムイオンを0.5質量%含む。)、温度は43℃であった。その後、井水を用いてスプレーによる水洗を行った。
電流密度はともに約30A/dm2であった。最終的な酸化皮膜量は2.7g/m2であった。
電解液としては、硫酸を用いた。電解液は、いずれも硫酸濃度170g/リットル(アルミニウムイオンを0.5質量%含む。)、温度は43℃であった。その後、井水を用いてスプレーによる水洗を行った。
電流密度はともに約30A/dm2であった。最終的な酸化皮膜量は2.7g/m2であった。
<支持体A>
上記(a)〜(j)の各工程を順に行い(e)工程におけるエッチング量は3.4g/m2となるようにして支持体Aを作製した。
<支持体B>
上記工程のうち(g)、(h)、(i)の工程を省略した以外は各工程を順に行い支持体Bを作製した。
上記(a)〜(j)の各工程を順に行い(e)工程におけるエッチング量は3.4g/m2となるようにして支持体Aを作製した。
<支持体B>
上記工程のうち(g)、(h)、(i)の工程を省略した以外は各工程を順に行い支持体Bを作製した。
<支持体C>
上記工程のうち(a)及び(g)、(h)、(i)の工程を省略した以外は各工程を順に行い支持体Cを作製した。
<支持体D>
上記工程のうち(a)及び(d)、(e)、(f)の工程を省略した以外は各工程を順に行い、(g)工程における電気量の総和が450C/dm2となるようにして支持体Dを作製した。
上記によって得られた支持体A、B、C、Dには、引き続き下記の親水化処理、下塗り処理を行った。
上記工程のうち(a)及び(g)、(h)、(i)の工程を省略した以外は各工程を順に行い支持体Cを作製した。
<支持体D>
上記工程のうち(a)及び(d)、(e)、(f)の工程を省略した以外は各工程を順に行い、(g)工程における電気量の総和が450C/dm2となるようにして支持体Dを作製した。
上記によって得られた支持体A、B、C、Dには、引き続き下記の親水化処理、下塗り処理を行った。
(k)アルカリ金属ケイ酸塩処理
陽極酸化処理により得られたアルミニウム支持体を温度30℃の3号ケイ酸ソーダの1質量%水溶液の処理層中へ、10秒間、浸せきすることでアルカリ金属ケイ酸塩処理(シリケート処理)を行った。その後、井水を用いたスプレーによる水洗を行った。その際のシリケート付着量は3.6mg/m2であった。
陽極酸化処理により得られたアルミニウム支持体を温度30℃の3号ケイ酸ソーダの1質量%水溶液の処理層中へ、10秒間、浸せきすることでアルカリ金属ケイ酸塩処理(シリケート処理)を行った。その後、井水を用いたスプレーによる水洗を行った。その際のシリケート付着量は3.6mg/m2であった。
〔(1)下塗りの形成〕
上記のようにして得られたアルカリ金属ケイ酸塩処理後のアルミニウム支持体上に、下記組成の下塗り液を塗布し、80秒で15秒間乾燥した。乾燥後の被覆量は18mg/m2であった。
<下塗り液組成>
下記高分子化合物 0.2g
メタノール 80g
水 2.0g
上記のようにして得られたアルカリ金属ケイ酸塩処理後のアルミニウム支持体上に、下記組成の下塗り液を塗布し、80秒で15秒間乾燥した。乾燥後の被覆量は18mg/m2であった。
<下塗り液組成>
下記高分子化合物 0.2g
メタノール 80g
水 2.0g
〔実施例1〜6、比較例1〕
得られた支持体A〜Dに、以下の画像記録層塗布液(感光性組成物)を塗布して、150℃のオーブンで1分間乾燥し、乾燥膜厚が1.7g/m2のポジ型平版印刷版原版を作製した。
得られた支持体A〜Dに、以下の画像記録層塗布液(感光性組成物)を塗布して、150℃のオーブンで1分間乾燥し、乾燥膜厚が1.7g/m2のポジ型平版印刷版原版を作製した。
<画像記録層塗布液>
・下記表1に記載の特定スチレン共重合樹脂 0・91g
・メタクリル酸エチルと
2−メタクリロイロキシエチルコハク酸の共重合体
(モル比67:33、重量平均分子量110,000) 0.03g
・赤外線吸収剤(シアニン染料A:下記構造) 0.022g
・赤外線吸収剤(シアニン染料B:下記構造) 0.035g
・2,4,6−トリス(ヘキシルオキシ)
ベンゼンジアゾニウム−2−ヒドロキシ
−4−メトキシベンゾフェノンー5−スルホネート 0.05g
・p−トルエンスルホン酸 0.007g
・シクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸無水物 0.01g
・ビクトリアピュアブルーBOHの対アニオンを
1−ナフタレンスルホン酸アニオンにした染料 0.035g
・フッ素系界面活性剤 0.01g
(メガファックF−176、大日本インキ化学工業(株)製)
・メチルエチルケトン 19g
・1−メトキシ−2−プロパノール 16g
・下記表1に記載の特定スチレン共重合樹脂 0・91g
・メタクリル酸エチルと
2−メタクリロイロキシエチルコハク酸の共重合体
(モル比67:33、重量平均分子量110,000) 0.03g
・赤外線吸収剤(シアニン染料A:下記構造) 0.022g
・赤外線吸収剤(シアニン染料B:下記構造) 0.035g
・2,4,6−トリス(ヘキシルオキシ)
ベンゼンジアゾニウム−2−ヒドロキシ
−4−メトキシベンゾフェノンー5−スルホネート 0.05g
・p−トルエンスルホン酸 0.007g
・シクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸無水物 0.01g
・ビクトリアピュアブルーBOHの対アニオンを
1−ナフタレンスルホン酸アニオンにした染料 0.035g
・フッ素系界面活性剤 0.01g
(メガファックF−176、大日本インキ化学工業(株)製)
・メチルエチルケトン 19g
・1−メトキシ−2−プロパノール 16g
〔比較例1〕
本発明に係る特定スチレン共重合樹脂の代わりに、クレゾールノボラック樹脂(組成比:m−クレゾール/3,5−キシレン/フェノール 30/60/10)を用いた以外は、実施例1〜6と同様にして、比較例1の画像記録材料を得た。
本発明に係る特定スチレン共重合樹脂の代わりに、クレゾールノボラック樹脂(組成比:m−クレゾール/3,5−キシレン/フェノール 30/60/10)を用いた以外は、実施例1〜6と同様にして、比較例1の画像記録材料を得た。
〔実施例7〕
得られた支持体Aに以下の画像記録層塗布液2を塗布量が0.8g/m2になるよう塗布したのち、TABAI社製、PERFECT OVEN PH200にてWind Controlを7に設定して135℃で120秒間乾燥し、実施例7の画像記録材料を得た。
得られた支持体Aに以下の画像記録層塗布液2を塗布量が0.8g/m2になるよう塗布したのち、TABAI社製、PERFECT OVEN PH200にてWind Controlを7に設定して135℃で120秒間乾燥し、実施例7の画像記録材料を得た。
<画像記録層塗布液2>
・下記表1に記載の特定スチレン共重合樹脂 0.539g
・N−(p−アミノスルホニルフェニル)メタクリルアミドと、
メタクリル酸エチル、アクリロニトリルの共重合体 4.20g
〔モル比38:30:32、重量平均分子量5.3万、
未反応モノマーとしてN−(p−アミノスルホニルフェニル)
メタクリルアミド〕を0.5質量%含有〕
・シアニン染料A(上記構造) 0.124g
・2−メトキシ−4−(N−フェニルアミノ)ベンゼン
ジアゾニウム・ヘキサフルオロホスフェート 0.05g
・テトラヒドロ無水フタル酸 0.33g
・エチルバイオレットの対イオンを6−ヒドロキシ−β−
ナフタレンスルホン酸にしたもの 0.01g
・フッ素系界面活性剤(メガファックF176PF、
大日本インキ化学工業(株)製) 0.024g
・フッ素系界面活性剤(メガファックMCF−312、
大日本インキ化学工業(株)製) 0.02g
・p−トルエンスルホン酸 0.004g
・ビス−p−ヒドロキシフェニルスルホン 0.058g
・ステアリル酸n−ドデシル 0.03g
・パルミチン酸n−ドデシル 0.01g
・ジミリスチルチオジプロピオネート 0.05g
(住友化学(株)製スミライザーTPM)
・γ−ブチロラクトン 21g
・メチルエチルケトン 23g
・1−メトキシ−2−プロパノール 14g
・下記表1に記載の特定スチレン共重合樹脂 0.539g
・N−(p−アミノスルホニルフェニル)メタクリルアミドと、
メタクリル酸エチル、アクリロニトリルの共重合体 4.20g
〔モル比38:30:32、重量平均分子量5.3万、
未反応モノマーとしてN−(p−アミノスルホニルフェニル)
メタクリルアミド〕を0.5質量%含有〕
・シアニン染料A(上記構造) 0.124g
・2−メトキシ−4−(N−フェニルアミノ)ベンゼン
ジアゾニウム・ヘキサフルオロホスフェート 0.05g
・テトラヒドロ無水フタル酸 0.33g
・エチルバイオレットの対イオンを6−ヒドロキシ−β−
ナフタレンスルホン酸にしたもの 0.01g
・フッ素系界面活性剤(メガファックF176PF、
大日本インキ化学工業(株)製) 0.024g
・フッ素系界面活性剤(メガファックMCF−312、
大日本インキ化学工業(株)製) 0.02g
・p−トルエンスルホン酸 0.004g
・ビス−p−ヒドロキシフェニルスルホン 0.058g
・ステアリル酸n−ドデシル 0.03g
・パルミチン酸n−ドデシル 0.01g
・ジミリスチルチオジプロピオネート 0.05g
(住友化学(株)製スミライザーTPM)
・γ−ブチロラクトン 21g
・メチルエチルケトン 23g
・1−メトキシ−2−プロパノール 14g
〔実施例8〕
得られた支持体Aに以下の画像記録層塗布液3を塗布量が1.6g/m2になるよう塗布したのち、実施例7と同様の条件で乾燥し、実施例8の画像記録材料を得た。
<画像記録層塗布液3>
・下記表1に記載の特定スチレン共重合樹脂 3.20g
・オクチルフェノールノボラック
(重量平均分子量:2500) 0.013g
・シアニン染料A(前記構造) 0.142g
・2−メトキシ−4−(N−フェニルアミノ)ベンゼン
ジアゾニウム・ヘキサフルオロホスフェート 0.13g
・テトラヒドロ無水フタル酸 0.14g
・エチルバイオレットの対イオンを6−ヒドロキシ−β−
ナフタレンスルホン酸にしたもの 0.834g
・フッ素系界面活性剤(メガファックF176PF、
大日本インキ化学工業(株)製) 0.049g
・フッ素系界面活性剤(メガファックMCF−312、
大日本インキ化学工業(株)製) 0.29g
・ビス−p−ヒドロキシフェニルスルホン 0.03g
・ステアリル酸n−ドデシル 0.043g
・パルミチン酸n−ドデシル 0.031g
・ジミリスチルチオジプロピオネート 0.02g
(住友化学(株)製スミライザーTPM)
・メチルエチルケトン 13g
・1−メトキシ−2−プロパノール 14g
得られた支持体Aに以下の画像記録層塗布液3を塗布量が1.6g/m2になるよう塗布したのち、実施例7と同様の条件で乾燥し、実施例8の画像記録材料を得た。
<画像記録層塗布液3>
・下記表1に記載の特定スチレン共重合樹脂 3.20g
・オクチルフェノールノボラック
(重量平均分子量:2500) 0.013g
・シアニン染料A(前記構造) 0.142g
・2−メトキシ−4−(N−フェニルアミノ)ベンゼン
ジアゾニウム・ヘキサフルオロホスフェート 0.13g
・テトラヒドロ無水フタル酸 0.14g
・エチルバイオレットの対イオンを6−ヒドロキシ−β−
ナフタレンスルホン酸にしたもの 0.834g
・フッ素系界面活性剤(メガファックF176PF、
大日本インキ化学工業(株)製) 0.049g
・フッ素系界面活性剤(メガファックMCF−312、
大日本インキ化学工業(株)製) 0.29g
・ビス−p−ヒドロキシフェニルスルホン 0.03g
・ステアリル酸n−ドデシル 0.043g
・パルミチン酸n−ドデシル 0.031g
・ジミリスチルチオジプロピオネート 0.02g
(住友化学(株)製スミライザーTPM)
・メチルエチルケトン 13g
・1−メトキシ−2−プロパノール 14g
〔実施例9〕
得られた支持体Aに下記組成の第1層(有機中間層)用塗布液を、ワイヤーバーで塗布したのち、150℃の乾燥オーブンで60秒間乾燥して塗布量を0.85g/m2とした。
得られた有機中間層付き支持体に、下記組成の第2層(画像記録層)用塗布液をワイヤーバーで塗布した。塗布後、乾燥オーブンで、145℃で70秒間の乾燥を行い、総塗布量を1.1g/m2としてポジ型平版印刷版原版を作製した。
得られた支持体Aに下記組成の第1層(有機中間層)用塗布液を、ワイヤーバーで塗布したのち、150℃の乾燥オーブンで60秒間乾燥して塗布量を0.85g/m2とした。
得られた有機中間層付き支持体に、下記組成の第2層(画像記録層)用塗布液をワイヤーバーで塗布した。塗布後、乾燥オーブンで、145℃で70秒間の乾燥を行い、総塗布量を1.1g/m2としてポジ型平版印刷版原版を作製した。
<第1層(有機中間層)用塗布液>
・N−(p−アミノスルホニルフェニル)メタクリルアミドと、2.423g
メタクリル酸メチル、アクリロニトリルの共重合体
(モル比37:33:30、重量平均分子量5.9万、
未反応モノマーとしてN−(p−アミノスルホニルフェニル)
メタクリルアミド)を0.6質量%含有)
・シアニン染料A(前記構造) 0.095g
・2−メルカプト−5−メチルチオ−1,3,4−チアジアゾール
0.023g
・シス−Δ4−テトラヒドロフタル酸無水物 0.100g
・4,4'−スルホニルジフェノール 0.042g
・p−トルエンスルホン酸 0.053g
・エチルバイオレットの対アニオンを 0.140g
6−ヒドロキシナフタレンスルホン酸に変えたもの
・3−メトキシ−4−ジアゾジフェニルアミン 0.0450g
ヘキサフルオロホスフェート
・フッ素系界面活性剤 0.035g
(下記ポリマー1)
・メチルエチルケトン 6.3g
・1−メトキシ−2−プロパノール 14.2g
・γ−ブチロラクトン 15.2g
・N−(p−アミノスルホニルフェニル)メタクリルアミドと、2.423g
メタクリル酸メチル、アクリロニトリルの共重合体
(モル比37:33:30、重量平均分子量5.9万、
未反応モノマーとしてN−(p−アミノスルホニルフェニル)
メタクリルアミド)を0.6質量%含有)
・シアニン染料A(前記構造) 0.095g
・2−メルカプト−5−メチルチオ−1,3,4−チアジアゾール
0.023g
・シス−Δ4−テトラヒドロフタル酸無水物 0.100g
・4,4'−スルホニルジフェノール 0.042g
・p−トルエンスルホン酸 0.053g
・エチルバイオレットの対アニオンを 0.140g
6−ヒドロキシナフタレンスルホン酸に変えたもの
・3−メトキシ−4−ジアゾジフェニルアミン 0.0450g
ヘキサフルオロホスフェート
・フッ素系界面活性剤 0.035g
(下記ポリマー1)
・メチルエチルケトン 6.3g
・1−メトキシ−2−プロパノール 14.2g
・γ−ブチロラクトン 15.2g
<第2層(画像記録層)用塗布液>
・メタクリル酸エチルと2−メタクリロイロキシエチル
コハク酸の共重合体 0.044g
(モル比59:41、重量平均分子量250,000)
・下記表1に記載の特定スチレン共重合樹脂 0.395g
・シアニン染料A(前記構造) 0.0251
・シアニン染料B(前記構造) 0.00782g
・1−(4−メチルベンジル)−1−フェニルピペリジニウムの
5−ベンゾイル−4−ヒドロキシ−2−メトキシベンゼン
スルホン酸塩 0.004g
・フッ素系界面活性剤 0.019g
(上記ポリマー1)
・フッ素系界面活性剤 0.003g
(下記ポリマー2)
・メチルエチルケトン 14.3g
・1−メトキシ−2−プロパノール 5.945g
・メタクリル酸エチルと2−メタクリロイロキシエチル
コハク酸の共重合体 0.044g
(モル比59:41、重量平均分子量250,000)
・下記表1に記載の特定スチレン共重合樹脂 0.395g
・シアニン染料A(前記構造) 0.0251
・シアニン染料B(前記構造) 0.00782g
・1−(4−メチルベンジル)−1−フェニルピペリジニウムの
5−ベンゾイル−4−ヒドロキシ−2−メトキシベンゼン
スルホン酸塩 0.004g
・フッ素系界面活性剤 0.019g
(上記ポリマー1)
・フッ素系界面活性剤 0.003g
(下記ポリマー2)
・メチルエチルケトン 14.3g
・1−メトキシ−2−プロパノール 5.945g
(平版印刷版原版の評価)
〔耐刷性〕
実施例1〜9の平版印刷版原版及び比較例1の平版印刷版原版をCreo社製Trendsetter3244VXにて露光エネルギーを変えて、テストパターンを画像状に描き込みを行った。その後、上記B組成の現像液を仕込んだ富士写真フイルム(株)製PSプロセッサー900Hを用い、現像温度20℃、現像時間12秒で現像を行った。これを、小森コーポレーション(株)製印刷機リスロンを用いて連続して印刷した。この際、どれだけの枚数が充分なインキ濃度を保って印刷できるかを目視にて測定し、耐刷性を評価した。枚数が多いほど耐刷性に優れるものと評価する。
〔耐刷性〕
実施例1〜9の平版印刷版原版及び比較例1の平版印刷版原版をCreo社製Trendsetter3244VXにて露光エネルギーを変えて、テストパターンを画像状に描き込みを行った。その後、上記B組成の現像液を仕込んだ富士写真フイルム(株)製PSプロセッサー900Hを用い、現像温度20℃、現像時間12秒で現像を行った。これを、小森コーポレーション(株)製印刷機リスロンを用いて連続して印刷した。この際、どれだけの枚数が充分なインキ濃度を保って印刷できるかを目視にて測定し、耐刷性を評価した。枚数が多いほど耐刷性に優れるものと評価する。
〔耐薬品性〕
上記耐刷性の評価と同様にして露光・現像および印刷を行った。この際、5,000枚印刷する毎に、クリーナー(富士写真フイルム社製、マルチクリーナー)で版面を拭く工程を加え、耐薬品性を評価した。枚数が多いほど耐薬品性に優れるものと評価する。
上記耐刷性の評価と同様にして露光・現像および印刷を行った。この際、5,000枚印刷する毎に、クリーナー(富士写真フイルム社製、マルチクリーナー)で版面を拭く工程を加え、耐薬品性を評価した。枚数が多いほど耐薬品性に優れるものと評価する。
表1から明らかなように、本発明の実施例1〜9の平版印刷版原版は、耐刷性、耐薬品性に優れたものであった。一方、ノボラック型フェノール樹脂を用いた比較例1の平版印刷版原版は、実施例に比較して耐刷性、耐薬品性に劣るものであった。
Claims (1)
- 親水性支持体上に、(A)繰り返し単位としてスチレン系構造単位とヒドロキシスチレン系構造単位とを各々少なくとも一種ずつ含有するスチレン系共重合体及び(B)光熱変換剤を含み、赤外レーザ露光によりアルカリ性水溶液に対する溶解性が増大する画像記録層を設けてなるポジ型平版印刷版原版。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003307844A JP2005077737A (ja) | 2003-08-29 | 2003-08-29 | 平版印刷版原版 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003307844A JP2005077737A (ja) | 2003-08-29 | 2003-08-29 | 平版印刷版原版 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2005077737A true JP2005077737A (ja) | 2005-03-24 |
Family
ID=34410506
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2003307844A Pending JP2005077737A (ja) | 2003-08-29 | 2003-08-29 | 平版印刷版原版 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2005077737A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP2749946A1 (en) * | 2008-07-16 | 2014-07-02 | Nissan Chemical Industries, Ltd. | Positive-type resist composition, microlens and planarization film formed therefrom |
-
2003
- 2003-08-29 JP JP2003307844A patent/JP2005077737A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP2749946A1 (en) * | 2008-07-16 | 2014-07-02 | Nissan Chemical Industries, Ltd. | Positive-type resist composition, microlens and planarization film formed therefrom |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
RD04 | Notification of resignation of power of attorney |
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