JP2005077386A - 蛍光劣化判定装置、カラーチャート、および蛍光劣化判定方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 蛍光インクの評価、測定に関わる経時劣化の問題を解決し、安定的な色評価を行う。
【解決手段】 カラーチャート11には、蛍光物質を含んだ色材により形成された蛍光色票111と、この蛍光色票111と同等のCIELAB値を有し、かつ蛍光物質を含まず、劣化しにくい色材により形成された評価色票112が配置されている。これら2つの色票の色差を蛍光劣化判定装置或いは目視により判定することで、蛍光色票111の劣化の程度を知ることができる。
【選択図】 図1
【解決手段】 カラーチャート11には、蛍光物質を含んだ色材により形成された蛍光色票111と、この蛍光色票111と同等のCIELAB値を有し、かつ蛍光物質を含まず、劣化しにくい色材により形成された評価色票112が配置されている。これら2つの色票の色差を蛍光劣化判定装置或いは目視により判定することで、蛍光色票111の劣化の程度を知ることができる。
【選択図】 図1
Description
本発明は、蛍光物質を含む色材の劣化を判定する技術に関する。
蛍光物質を含むインク(以下、「蛍光インク」と称する)は、蛍光物質を含まないインクに比べ、高彩度の色を表現できるというメリットがある。このような蛍光インクを用いた印刷技術としては、近年注目されているヘキサクロム印刷が挙げられる。ヘキサクロム印刷とは、従来のC(シアン)、M(マゼンタ)、Y(イエロー)、K(ブラック)の4色に加えて、O(オレンジ)とG(グリーン)のインクを用いた6色印刷のことであり、その一部のインクには蛍光インクが用いられている。このため、ヘキサクロム印刷では、従来のCMYKを用いた4色印刷に比べて2倍近い色域を表現することができ、CRT(Cathode Ray Tube)等のディスプレイに近い発色が可能となる。
ところで、印刷物の色を評価するための方法として、カラーチャートを用いたものが知られている。カラーチャートとは標準試料となる色票を平面上に配列したものであり、この色票の色と評価対象の色とを比較することで、両者の色差を求めて評価対象の色を評価することができる。従って、上述のようなヘキサクロム印刷を用いた印刷物を評価する場合には、蛍光物質を含む色票を配列したカラーチャートを用いれば良い。
また、上記とほぼ同様の仕組みで蛍光物質を含む反射物を測色する方法がJIS(日本工業規格)に定められている。この方法は非特許文献1に詳細に記載されているが、その内容は、刺激値直読方法で蛍光物体色を測定し、被測定物と対比するための参考試料として、蛍光物体色標準を用いるというものである。
ところが、蛍光物質を含んだカラーチャートや参考試料(以下、これらを「標準」と称す)は光や熱により劣化しやすく、その保管に際して如何に細心の注意を払ったとしても、ある程度の経時変化を避けることはできない。従って、同一の標準を長期間に渡って使用することはできず、その劣化の程度を把握して適当な時期に最新の標準に交換しなければならない。
「蛍光物体色の測定方法(JIS Z 8717−1989)」、日本規格協会、平成元年7月31日
しかし、従来の方法においては、目視により大まかに劣化の程度を判定して使用限界となる時期を予測し、判定者による曖昧な基準で交換を行うようなことが常であった。けれども、人間の色記憶のみに頼って標準の劣化を判定することはほぼ不可能であり、仮にそれができたとしても、標準の当初の色を知っている者以外は判定することができない。
そこで、劣化していない状態の標準を入手し、これを使用中の標準と比較するようにすれば、ある程度の正確な判断は可能と思われる。しかし、前述したように標準の長期の保管は不適であることから、その都度製造元に発注するなどして、劣化していない状態の標準を新たに入手しなければならない。このようなことを何度も行っていては非常に手間がかかってしまい、実用に堪えない。
そこで、劣化していない状態の標準を入手し、これを使用中の標準と比較するようにすれば、ある程度の正確な判断は可能と思われる。しかし、前述したように標準の長期の保管は不適であることから、その都度製造元に発注するなどして、劣化していない状態の標準を新たに入手しなければならない。このようなことを何度も行っていては非常に手間がかかってしまい、実用に堪えない。
本発明はこのような背景の下になされたものであり、その目的は、蛍光インクの評価、測定に関わる経時劣化の問題を解決し、安定的な色評価を行うための蛍光劣化判定装置、カラーチャート、及び蛍光劣化判定方法を提供することにある。
上述の課題を解決するため、本発明は、蛍光物質を含む色材によって形成された蛍光色票の色と、劣化していない状態の前記蛍光色票と同等の色であり、かつ、蛍光物質を含まない色材によって形成された評価色票の色とを計測する測色手段と、前記測色手段により計測された前記蛍光色票の色と前記評価色票の色とを比較する比較手段と、前記比較手段の比較結果に応じて前記蛍光色票の劣化の程度を判定する判定手段とを備える蛍光劣化判定装置を提供する。
或いは、本発明は、蛍光物質を含む色材によって形成された蛍光色票の色を計測する測色手段と、劣化していない状態の前記蛍光色票と同等の色を表す情報を記憶する記憶手段と、前記測色手段により計測された前記蛍光色票の色と前記記憶手段に記憶された前記情報が表す色とを比較する比較手段と、前記比較手段の比較結果に応じて前記蛍光色票の劣化の程度を判定する判定手段とを備える蛍光劣化判定装置を提供する。
これにより、使用中の蛍光色票の色を劣化していない状態の蛍光色票と同等の色と比較することができ、蛍光色票の劣化の程度を正確に把握することが可能となる。
或いは、本発明は、蛍光物質を含む色材によって形成された蛍光色票の色を計測する測色手段と、劣化していない状態の前記蛍光色票と同等の色を表す情報を記憶する記憶手段と、前記測色手段により計測された前記蛍光色票の色と前記記憶手段に記憶された前記情報が表す色とを比較する比較手段と、前記比較手段の比較結果に応じて前記蛍光色票の劣化の程度を判定する判定手段とを備える蛍光劣化判定装置を提供する。
これにより、使用中の蛍光色票の色を劣化していない状態の蛍光色票と同等の色と比較することができ、蛍光色票の劣化の程度を正確に把握することが可能となる。
なお、上述の蛍光劣化判定装置による判定は、蛍光物質を含む色材によって形成された蛍光色票と、劣化していない状態の前記蛍光色票と同等の色であり、かつ、蛍光物質を含まない色材によって形成された評価色票とを有するカラーチャートを用いることで行われる。
また、本発明は、蛍光物質を含む色材によって形成された蛍光色票の色と、劣化した状態の前記蛍光色票と同等の色であり、かつ、蛍光物質を含まない色材によって形成された評価色票の色とを計測する測色手段と、前記測色手段により計測された前記蛍光色票の色と前記評価色票の色とを比較する比較手段と、前記比較手段の比較結果に応じて前記蛍光色票の劣化の程度を判定する判定手段とを備える蛍光劣化判定装置を提供する。
或いは、本発明は、蛍光物質を含む色材によって形成された蛍光色票の色を計測する測色手段と、劣化した状態の前記蛍光色票と同等の色を表す情報を記憶する記憶手段と、前記測色手段により計測された前記蛍光色票の色と前記記憶手段に記憶された前記情報が表す色とを比較する比較手段と、前記比較手段の比較結果に応じて前記蛍光色票の劣化の程度を判定する判定手段とを備える蛍光劣化判定装置を提供する。
これにより、使用中の蛍光色票の色を劣化した状態の蛍光色票と同等の色と比較することができ、蛍光色票の劣化の程度を正確に把握することが可能となる。
或いは、本発明は、蛍光物質を含む色材によって形成された蛍光色票の色を計測する測色手段と、劣化した状態の前記蛍光色票と同等の色を表す情報を記憶する記憶手段と、前記測色手段により計測された前記蛍光色票の色と前記記憶手段に記憶された前記情報が表す色とを比較する比較手段と、前記比較手段の比較結果に応じて前記蛍光色票の劣化の程度を判定する判定手段とを備える蛍光劣化判定装置を提供する。
これにより、使用中の蛍光色票の色を劣化した状態の蛍光色票と同等の色と比較することができ、蛍光色票の劣化の程度を正確に把握することが可能となる。
なお、上述の蛍光劣化判定装置による判定は、蛍光物質を含む色材によって形成された蛍光色票と、劣化した状態の前記蛍光色票と同等の色であり、かつ、蛍光物質を含まない色材によって形成された評価色票とを有するカラーチャートを用いることで行われる。
このカラーチャートは、より好ましい態様においては、前記評価色票を複数有し、それぞれの評価色票が、前記蛍光色票の劣化度に応じて異なる色の色材で形成されている。
このカラーチャートは、より好ましい態様においては、前記評価色票を複数有し、それぞれの評価色票が、前記蛍光色票の劣化度に応じて異なる色の色材で形成されている。
なお、本発明に係るカラーチャートは、より好ましい態様においては、前記蛍光色票と前記評価色票とが、目視により比較可能な程度に接近して配置されている。
これにより、蛍光劣化判定装置による判定に加えて、目視による判定も行うことが可能となる。
これにより、蛍光劣化判定装置による判定に加えて、目視による判定も行うことが可能となる。
(1)第1実施形態
以下、図面を参照しながら、本発明の第1の実施形態について詳細に説明する。
以下、図面を参照しながら、本発明の第1の実施形態について詳細に説明する。
なお、本明細書においては表色系として、CIE(Commission Internationale de l'Eclairage:国際照明委員会)により定められたCIE1976(L*a*b*)表色系を用い、色差式もこれに従う。以下、この表色系を用いた色空間を「CIELAB色空間」と称する。
また、本明細書においては、この座標点(L*,a*,b*)で表される色の値を「CIELAB値」と称する。
また、本明細書においては、この座標点(L*,a*,b*)で表される色の値を「CIELAB値」と称する。
本明細書における色差ΔEは、以下の数1で表される。
ここで、ΔL*,Δa*,Δb*は、比較される2つの色のCIELAB値が(L*1,a*1,b*1)及び(L*2,a*2,b*2)で表されるとき、以下の数2,3,4で表される。
(1−1)カラーチャート
まず、本実施形態に係るカラーチャート及びその作成方法について説明する。
図1はカラーチャート11を示す図である。同図に示されるように、カラーチャート11は、用紙110上に蛍光色票111と評価色票112とを配置したものである。
まず、本実施形態に係るカラーチャート及びその作成方法について説明する。
図1はカラーチャート11を示す図である。同図に示されるように、カラーチャート11は、用紙110上に蛍光色票111と評価色票112とを配置したものである。
蛍光色票111は、ある色、例えばマゼンタ色の蛍光インクにより形成された色票である。また、評価色票112は、上述のマゼンタ色の蛍光インクと同等のCIELAB値を有し、かつ蛍光物質を含まず、劣化しにくい色材により形成された色票である。蛍光色票111を形成する色材の色と等しいCIELAB値を有する色材の入手が困難である場合には、近似的に等しいCIELAB値、例えば蛍光色票111の色材と色差1.0以内のCIELAB値である色の色材による色票を用いても良い。蛍光色票111のCIELAB値は、測色器等を用いてあらかじめ計測されており、評価色票112に用いられる色材はこのCIELAB値に応じて適宜選択される。その際、計測される蛍光色票111は、計測時において劣化が生じていないことが求められる。
なお、説明の便宜上、以下の説明では色票の色を示す座標点や、2つの色票の色の色差についても、単に「色票の座標点」や「色票の色差」とそれぞれ表記する。
なお、説明の便宜上、以下の説明では色票の色を示す座標点や、2つの色票の色の色差についても、単に「色票の座標点」や「色票の色差」とそれぞれ表記する。
これらの色票は、例えば電子写真方式の画像形成装置にて形成される。電子写真方式の画像形成装置で再現域が不足するようであれば、より広い色域が再現できる画像形成装置を用いればよい。
カラーチャート11をこのような構成とすることで、蛍光インクの劣化を判定することができる。劣化していない状態では蛍光色票111と評価色票112が同等の色であるのに対して、蛍光色票111の劣化が進行するにつれて、劣化しにくい評価色票112との間には色差が生じてくる。そのため、この色差を比較することで、蛍光色票111の劣化の程度を判定し、カラーチャート11の使用限界を把握することが可能となる。
(1−2)蛍光劣化判定装置
次に、本実施形態に係る蛍光劣化判定装置の構成について説明する。
図2は蛍光劣化判定装置2の構成を示すブロック図である。同図に示されるように、蛍光劣化判定装置2は、制御部21と、記憶部22と、表示部23と、操作部24と、測色部25とを備える。
次に、本実施形態に係る蛍光劣化判定装置の構成について説明する。
図2は蛍光劣化判定装置2の構成を示すブロック図である。同図に示されるように、蛍光劣化判定装置2は、制御部21と、記憶部22と、表示部23と、操作部24と、測色部25とを備える。
制御部21はCPU(Central Processing Unit)を備え、記憶部22に記憶された各種アプリケーションプログラムを実行することによって、装置各部を制御したり、各種演算を実行したりする。記憶部22はHDD(Hard Disk Drive)やRAM(Random Access Memory)を備え、蛍光色票111の劣化の程度を判定するための蛍光劣化判定プログラムPRG1やその判定の基準として利用される閾値E1,E2等の各種データを記憶する。表示部23は、例えばCRT等のディスプレイであり、各種の情報を表示する。操作部24は各種の入力装置を備え、操作者からの操作を受け付ける。測色部25は測色器の機能を備えており、反射物の色を測定する。
(1−3)蛍光劣化判定方法
以上説明された構成のもとに行われる、蛍光劣化判定装置2の動作について説明する。
はじめに、操作者はカラーチャート11を測色部25にセットし、蛍光劣化判定装置2が測色を行えるように準備する。その後、操作者が処理を開始する旨の指示を操作部24を介して蛍光劣化判定装置2に入力すると、蛍光劣化判定装置2内部では、制御部21が記憶部22から蛍光劣化判定プログラムPRG1を読み出し、蛍光劣化判定処理を実行する。
以上説明された構成のもとに行われる、蛍光劣化判定装置2の動作について説明する。
はじめに、操作者はカラーチャート11を測色部25にセットし、蛍光劣化判定装置2が測色を行えるように準備する。その後、操作者が処理を開始する旨の指示を操作部24を介して蛍光劣化判定装置2に入力すると、蛍光劣化判定装置2内部では、制御部21が記憶部22から蛍光劣化判定プログラムPRG1を読み出し、蛍光劣化判定処理を実行する。
図3はこの蛍光劣化判定処理を示すフローチャートである。以下、同図を参照しつつ本処理を説明する。
まず、蛍光劣化判定装置2の制御部21は、測色部25に蛍光色票111を測色させる(ステップSa1)。制御部21は測色部25により計測された蛍光色票111のCIELAB値を記憶部22に一時記憶させる。続いて、制御部21は同様に、測色部25が測色した評価色票112のCIELAB値を記憶部22に一時記憶させる(ステップSa2)。
まず、蛍光劣化判定装置2の制御部21は、測色部25に蛍光色票111を測色させる(ステップSa1)。制御部21は測色部25により計測された蛍光色票111のCIELAB値を記憶部22に一時記憶させる。続いて、制御部21は同様に、測色部25が測色した評価色票112のCIELAB値を記憶部22に一時記憶させる(ステップSa2)。
続いて、制御部21は蛍光色票111と評価色票112のCIELAB値から色差ΔEを算出する(ステップSa3)。そして、制御部21はこの色差ΔEの大小を判断し(ステップSa4)、あらかじめ設定されている閾値E1及びE2との大小関係に応じて以下の処理を行う。
なお、閾値E1及びE2の値については、蛍光劣化判定装置2の測色精度や所望するカラーチャートの維持精度等を考慮しつつ、操作者により適宜設定されることが可能である。例えば、厳密な色評価を行いたいのであれば、E1=0.5,E2=1.0程度の値が望ましく、より簡易的或いは実用的な色評価を行いたいのであれば、E1=2.0,E2=3.0程度の値で良い。
なお、閾値E1及びE2の値については、蛍光劣化判定装置2の測色精度や所望するカラーチャートの維持精度等を考慮しつつ、操作者により適宜設定されることが可能である。例えば、厳密な色評価を行いたいのであれば、E1=0.5,E2=1.0程度の値が望ましく、より簡易的或いは実用的な色評価を行いたいのであれば、E1=2.0,E2=3.0程度の値で良い。
まず、上述の判断において0≦ΔE<E1である場合は、蛍光色票111と評価色票112の色差は僅少であり、蛍光色票111の劣化がさほど進行していないことを意味している。つまり、このカラーチャート11を用いて適切に色評価ができる状態であるのだから、制御部21は例えばΔEの値や「このカラーチャートは問題なく使用できます」等のメッセージを表示部23に表示させて、操作者に使用可能である旨を通知する(ステップSa5)。
次に、上述の判断においてE1≦ΔE<E2である場合は、蛍光色票111と評価色票112にある程度の色差が生じ、蛍光色票111の劣化がある程度進行していることを意味している。このとき、制御部21は例えばΔEの値や「このカラーチャートはそろそろ交換時期です」等のメッセージを表示部23に表示させて、操作者にカラーチャート11の劣化を知らせ注意を喚起する(ステップSa6)。
そして、上述の判断においてE2≦ΔEである場合は、蛍光色票111と評価色票112にかなりの色差が生じ、蛍光色票111の劣化がかなり進行し、カラーチャート11が使用限界に達していることを意味している。そのため制御部21は例えばΔEの値や「このカラーチャートの使用は適切ではありません」等のメッセージを表示部23に表示させて、操作者にカラーチャート11の使用限界を警告する(ステップSa7)。
次に、上述の判断においてE1≦ΔE<E2である場合は、蛍光色票111と評価色票112にある程度の色差が生じ、蛍光色票111の劣化がある程度進行していることを意味している。このとき、制御部21は例えばΔEの値や「このカラーチャートはそろそろ交換時期です」等のメッセージを表示部23に表示させて、操作者にカラーチャート11の劣化を知らせ注意を喚起する(ステップSa6)。
そして、上述の判断においてE2≦ΔEである場合は、蛍光色票111と評価色票112にかなりの色差が生じ、蛍光色票111の劣化がかなり進行し、カラーチャート11が使用限界に達していることを意味している。そのため制御部21は例えばΔEの値や「このカラーチャートの使用は適切ではありません」等のメッセージを表示部23に表示させて、操作者にカラーチャート11の使用限界を警告する(ステップSa7)。
以上で蛍光劣化判定装置2が行う蛍光劣化判定処理が終了する。蛍光劣化判定装置2がこのような動作を行うことで、操作者はカラーチャート11の劣化の程度を知り、劣化の程度に応じて適宜カラーチャート11を交換することによって、安定的な色評価を行うことが可能となる。また、ステップSa6のように注意を喚起させることで、操作者はカラーチャート11の使用限界が近づいてきたことを知り、新たなカラーチャート11の入手を手配することができる。
(2)第2実施形態
続いて、本発明の第2の実施形態について説明する。
本実施形態が上述の第1実施形態と異なる点は、第1実施形態の評価色票112が劣化していない状態の蛍光色票111と同等の色の色材により形成されていたのに対し、本実施形態の評価色票は劣化した状態の蛍光色票と同等の色の色材により形成されているところである。以下、具体的に説明する。
続いて、本発明の第2の実施形態について説明する。
本実施形態が上述の第1実施形態と異なる点は、第1実施形態の評価色票112が劣化していない状態の蛍光色票111と同等の色の色材により形成されていたのに対し、本実施形態の評価色票は劣化した状態の蛍光色票と同等の色の色材により形成されているところである。以下、具体的に説明する。
(2−1)カラーチャート
図4は本実施形態のカラーチャート12を示す図である。同図に示されるように、カラーチャート12は、用紙120上に蛍光色票121と評価色票122aと評価色票122bとを配置したものである。
図4は本実施形態のカラーチャート12を示す図である。同図に示されるように、カラーチャート12は、用紙120上に蛍光色票121と評価色票122aと評価色票122bとを配置したものである。
蛍光色票121は、第1実施形態の蛍光色票111と同様であり、その説明を省略する。
評価色票122aと評価色票122bは、蛍光色票121が劣化した状態の色のCIELAB値を有する色票である。また、評価色票122aと評価色票122bのCIELAB値は互いに異なり、評価色票122aは蛍光色票121がある程度劣化した状態の色であり、評価色票122bは蛍光色票121がかなり劣化した状態の色であるとする。
つまり、評価色票122aは蛍光色票121がある程度劣化が進行した際のCIELAB値と同等のCIELAB値を有し、評価色票122bはそれよりもさらに劣化が進行した状態の蛍光色票121のCIELAB値と同等のCIELAB値を有している。蛍光色票121が評価色票122aと同等のCIELAB値であった場合には、カラーチャート12は「使用限界が近づいている」ことを意味し、蛍光色票121が評価色票122bと同等のCIELAB値であった場合には、カラーチャート12は「使用限界である」ことを意味している。ここで、評価色票122a,122bのCIELAB値は、それぞれ(L*a,a*a,b*a),(L*b,a*b,b*b)であるとし、このとき劣化前(初期状態)の蛍光色票121との色差がそれぞれEa,Ebとなるような値とする。
評価色票122aと評価色票122bは、蛍光色票121が劣化した状態の色のCIELAB値を有する色票である。また、評価色票122aと評価色票122bのCIELAB値は互いに異なり、評価色票122aは蛍光色票121がある程度劣化した状態の色であり、評価色票122bは蛍光色票121がかなり劣化した状態の色であるとする。
つまり、評価色票122aは蛍光色票121がある程度劣化が進行した際のCIELAB値と同等のCIELAB値を有し、評価色票122bはそれよりもさらに劣化が進行した状態の蛍光色票121のCIELAB値と同等のCIELAB値を有している。蛍光色票121が評価色票122aと同等のCIELAB値であった場合には、カラーチャート12は「使用限界が近づいている」ことを意味し、蛍光色票121が評価色票122bと同等のCIELAB値であった場合には、カラーチャート12は「使用限界である」ことを意味している。ここで、評価色票122a,122bのCIELAB値は、それぞれ(L*a,a*a,b*a),(L*b,a*b,b*b)であるとし、このとき劣化前(初期状態)の蛍光色票121との色差がそれぞれEa,Ebとなるような値とする。
ここで、評価色票122a及び122bのCIELAB値の決定方法について説明する。
図5は、蛍光色票121が劣化によりそのCIELAB値を変化させるときの、CIELab色空間におけるCIELAB値の軌跡lを例示した図である。同図において、P0は初期状態(つまり劣化前の状態)における蛍光色票121の色座標を示す点である。
この軌跡lは、温度や湿度等の条件を変更して反射物の劣化試験を行う劣化試験機で蛍光色票121を劣化させながら蛍光色票121のCIELAB値の変化を測定し、各測定値を補間することにより得られる。軌跡lは、試験に用いる蛍光色票や試験条件のばらつきにより多少は異なるものの、同一の蛍光インクを用いた色票であればほぼ同一の軌跡となる。説明の便宜上、以下においては蛍光色票121のCIELAB値は軌跡l上を推移するものとして説明するが、実際の測定においては、ある程度の許容誤差を設ける。
このような軌跡lが求められたら、次に、初期状態の蛍光色票121の座標点P0(L*0,a*0,b*0)との色差がEa,Ebとなる軌跡l上の2点を求める。この2点は上述した数1より求められる。
すなわち、初期状態の蛍光色票121のCIELAB値との色差がEa,Ebとなる点をそれぞれPa(L*a,a*a,b*a),Pb(L*b,a*b,b*b)とすれば、以下の数5,数6が成り立つ。
Ea,Ebの具体的な値については、色評価をどの程度厳密に行うかにより異なるが、厳密な色評価を行いたいのであれば、Ea=0.5,Eb=1.0程度の値が望ましく、より簡易的或いは実用的な色評価を行いたいのであれば、Ea=2.0,Eb=3.0程度の値で良い。
図5は、蛍光色票121が劣化によりそのCIELAB値を変化させるときの、CIELab色空間におけるCIELAB値の軌跡lを例示した図である。同図において、P0は初期状態(つまり劣化前の状態)における蛍光色票121の色座標を示す点である。
この軌跡lは、温度や湿度等の条件を変更して反射物の劣化試験を行う劣化試験機で蛍光色票121を劣化させながら蛍光色票121のCIELAB値の変化を測定し、各測定値を補間することにより得られる。軌跡lは、試験に用いる蛍光色票や試験条件のばらつきにより多少は異なるものの、同一の蛍光インクを用いた色票であればほぼ同一の軌跡となる。説明の便宜上、以下においては蛍光色票121のCIELAB値は軌跡l上を推移するものとして説明するが、実際の測定においては、ある程度の許容誤差を設ける。
このような軌跡lが求められたら、次に、初期状態の蛍光色票121の座標点P0(L*0,a*0,b*0)との色差がEa,Ebとなる軌跡l上の2点を求める。この2点は上述した数1より求められる。
すなわち、初期状態の蛍光色票121のCIELAB値との色差がEa,Ebとなる点をそれぞれPa(L*a,a*a,b*a),Pb(L*b,a*b,b*b)とすれば、以下の数5,数6が成り立つ。
評価色票122a,122bに用いられる色材は、上述の条件を満たしつつ、蛍光インクを含まずかつ劣化しにくい色材が求められる。また、上述の劣化色票と等しいCIELAB値の色材の入手が困難である場合には、近似的に等しいCIELAB値、例えば劣化色票と色差0.5以内のCIELAB値の色票を用いても良い。
また、これらの色票は、第1実施形態と同様に、例えば電子写真方式の画像形成装置にて形成される。電子写真方式の画像形成装置で再現域が不足するようであれば、より広い色域が再現できる画像形成装置を用いればよい。
カラーチャート12をこのような構成とすることで、蛍光インクの劣化を判定することができる。劣化していない状態では蛍光色票121と評価色票122aは異なる色であるのに対して、蛍光色票121の劣化が進行するにつれて、劣化しにくい評価色票122aとの間の色差が減少し、次第に同等の色となる。そして、蛍光色票121の劣化がさらに進行すると、評価色票122bとの間の色差も減少し、次第に同等の色となる。そのため、この色差を比較することで、蛍光色票121の劣化の程度を判定し、カラーチャート12の使用限界を把握することが可能となる。
(2−2)蛍光劣化判定方法
続いて、上述のカラーチャート12を用いて行う蛍光劣化判定方法について説明する。
本実施形態の蛍光判定方法に用いる蛍光劣化判定装置を第1実施形態の蛍光劣化判定装置2と比較すると、異なる点は記憶部22に記憶された蛍光劣化判定プログラムがPRG1ではなくPRG2であるのみである。よって、装置の図示及び説明は省略し、蛍光劣化判定装置2と同一の部分については同一の符号を用いて説明を行う。
続いて、上述のカラーチャート12を用いて行う蛍光劣化判定方法について説明する。
本実施形態の蛍光判定方法に用いる蛍光劣化判定装置を第1実施形態の蛍光劣化判定装置2と比較すると、異なる点は記憶部22に記憶された蛍光劣化判定プログラムがPRG1ではなくPRG2であるのみである。よって、装置の図示及び説明は省略し、蛍光劣化判定装置2と同一の部分については同一の符号を用いて説明を行う。
はじめに、操作者はカラーチャート12を測色部25にセットし、蛍光劣化判定装置2が測色を行えるように準備する。その後、操作者が処理を開始する旨の指示を操作部24を介して蛍光劣化判定装置2に入力すると、蛍光劣化判定装置2内部では、制御部21が記憶部から蛍光劣化判定プログラムPRG2を読み出し、蛍光劣化判定処理を実行する。
図6はこの蛍光劣化判定処理を示すフローチャートである。以下、同図を参照しつつ本処理を説明する。なお、本処理の説明において、Ea=0.5,Eb=1.0であるとする。
まず、蛍光劣化判定装置2の制御部21は、測色部25に蛍光色票121,評価色票122a,及び評価色票122bを測色させる(ステップSb1)。制御部21は測色部25により計測された測色データに基づき、これらの色票のCIELAB値を算出してこれを記憶部22に一時記憶させる。
まず、蛍光劣化判定装置2の制御部21は、測色部25に蛍光色票121,評価色票122a,及び評価色票122bを測色させる(ステップSb1)。制御部21は測色部25により計測された測色データに基づき、これらの色票のCIELAB値を算出してこれを記憶部22に一時記憶させる。
次に、ステップSb1で算出したCIELAB値をもとに、制御部21は蛍光色票121,評価色票122a,及び評価色票122bの基準点に対する色差を算出する(ステップSb2)。蛍光色票121,評価色票122a,及び評価色票122bの基準点に対する色差を、それぞれV,Va,及びVbとする。ただしV,Va,及びVbは、基準点からの距離と方向を示すベクトル量であるとし、以降これらを「色差ベクトル」と称する。
ここで基準点とは、上述の蛍光色票121,評価色票122a,及び評価色票122bのCIELAB値をベクトル量として表現するために設けられた点である。基準点は、例えば蛍光色票121のCIELAB値や用紙120の色のCIELAB値でも良いし、CIELAB値(100,0,0),すなわち完全拡散反射面(理想的な白)でも良い。本実施形態では説明を容易ならしめるため、基準点をCIELAB値(0,0,0),すなわち図5における原点Oとする。
ここで基準点とは、上述の蛍光色票121,評価色票122a,及び評価色票122bのCIELAB値をベクトル量として表現するために設けられた点である。基準点は、例えば蛍光色票121のCIELAB値や用紙120の色のCIELAB値でも良いし、CIELAB値(100,0,0),すなわち完全拡散反射面(理想的な白)でも良い。本実施形態では説明を容易ならしめるため、基準点をCIELAB値(0,0,0),すなわち図5における原点Oとする。
色差ベクトルV,Va,及びVbを算出したら、続いて制御部21は色差ベクトルVと色差ベクトルVa間、及び色差ベクトルVと色差ベクトルVb間のベクトル差ΔVa,及びΔVbをそれぞれ算出する(ステップSb3)。制御部21は、これらのベクトル差ΔVa,及びΔVbをもとに蛍光色票121の劣化の程度を判定する。
図7は上述のベクトル差を説明するための図である。同図において、蛍光色票121のCIELAB値のCIELab色空間上の座標点をP(L*,a*,b*)とすると、ベクトル差ΔVa,ΔVbは図中の実線で示された矢印のようになる。
すなわち、蛍光色票121の初期状態においては、蛍光色票121の座標点PはP0に等しく、ベクトル差ΔVa,ΔVbの絶対値はそれぞれEa,Ebに等しい。そして、蛍光色票121の座標点Pは軌跡l上を移動しながら、蛍光色票121の劣化に応じてPbに近づいていく。なお、以下では便宜的に、蛍光色票121の劣化に応じてベクトル差ΔVa,ΔVbの絶対値が小さくなっていくときのベクトル差の方向を「正の方向」とし、蛍光色票121の劣化に応じてベクトル差ΔVa,ΔVbの絶対値が大きくなっていくときのベクトル差の方向を「負の方向」とする。
すなわち、蛍光色票121の初期状態においては、蛍光色票121の座標点PはP0に等しく、ベクトル差ΔVa,ΔVbの絶対値はそれぞれEa,Ebに等しい。そして、蛍光色票121の座標点Pは軌跡l上を移動しながら、蛍光色票121の劣化に応じてPbに近づいていく。なお、以下では便宜的に、蛍光色票121の劣化に応じてベクトル差ΔVa,ΔVbの絶対値が小さくなっていくときのベクトル差の方向を「正の方向」とし、蛍光色票121の劣化に応じてベクトル差ΔVa,ΔVbの絶対値が大きくなっていくときのベクトル差の方向を「負の方向」とする。
図6のフローチャートに戻り、蛍光劣化判定処理の説明を続ける。
上述のようにベクトル差ΔVa,及びΔVbをそれぞれ算出したら、制御部21はこのベクトル差を判定する。はじめに制御部21は、ベクトル差ΔVaの方向を判定する(ステップSb4)。
この判定において、ベクトル差ΔVaが正の方向であれば、蛍光色票121の座標点Pは、軌跡l上の座標点P0からPaまでのいずれかにあることを示している。つまり蛍光色票121の劣化がさほど進行しておらず、このカラーチャート12を用いて適切に色評価ができる状態であることを意味しているから、制御部21は例えばベクトル差ΔVaの値や「このカラーチャートは問題なく使用できます」等のメッセージを表示部23に表示させて、操作者に使用可能である旨を通知する(ステップSb6)。
上述のようにベクトル差ΔVa,及びΔVbをそれぞれ算出したら、制御部21はこのベクトル差を判定する。はじめに制御部21は、ベクトル差ΔVaの方向を判定する(ステップSb4)。
この判定において、ベクトル差ΔVaが正の方向であれば、蛍光色票121の座標点Pは、軌跡l上の座標点P0からPaまでのいずれかにあることを示している。つまり蛍光色票121の劣化がさほど進行しておらず、このカラーチャート12を用いて適切に色評価ができる状態であることを意味しているから、制御部21は例えばベクトル差ΔVaの値や「このカラーチャートは問題なく使用できます」等のメッセージを表示部23に表示させて、操作者に使用可能である旨を通知する(ステップSb6)。
また、上述のステップSb4の判定において、ベクトル差ΔVaが負の方向、或いは0であれば、制御部21はベクトル差ΔVbの方向を判定する(ステップSb5)。
この判定において、ベクトル差ΔVbが正の方向であれば、蛍光色票121の座標点Pは、軌跡l上の座標点PaからPbまでのいずれかにあることを示している。つまり蛍光色票121の劣化がある程度進行していることを意味しているから、制御部21は例えばベクトル差ΔVbの値や「このカラーチャートはそろそろ交換時期です」等のメッセージを表示部23に表示させて、操作者にカラーチャート12の劣化を知らせ注意を喚起する(ステップSb7)。
また、上述のステップSb5の判定において、ベクトル差ΔVbが負の方向、或いは0であれば、蛍光色票121の座標点Pは、軌跡l上の座標点Pbよりも先(図7の点線部分l’)にあることを示している。つまり蛍光色票121の劣化がかなり進行し、カラーチャート12が使用限界に達していることを意味している。そのため制御部21は、例えばベクトル差ΔVbの値や「このカラーチャートの使用は適切ではありません」等のメッセージを表示部23に表示させて、操作者にカラーチャート11の使用限界を警告する(ステップSb8)。
この判定において、ベクトル差ΔVbが正の方向であれば、蛍光色票121の座標点Pは、軌跡l上の座標点PaからPbまでのいずれかにあることを示している。つまり蛍光色票121の劣化がある程度進行していることを意味しているから、制御部21は例えばベクトル差ΔVbの値や「このカラーチャートはそろそろ交換時期です」等のメッセージを表示部23に表示させて、操作者にカラーチャート12の劣化を知らせ注意を喚起する(ステップSb7)。
また、上述のステップSb5の判定において、ベクトル差ΔVbが負の方向、或いは0であれば、蛍光色票121の座標点Pは、軌跡l上の座標点Pbよりも先(図7の点線部分l’)にあることを示している。つまり蛍光色票121の劣化がかなり進行し、カラーチャート12が使用限界に達していることを意味している。そのため制御部21は、例えばベクトル差ΔVbの値や「このカラーチャートの使用は適切ではありません」等のメッセージを表示部23に表示させて、操作者にカラーチャート11の使用限界を警告する(ステップSb8)。
以上で蛍光劣化判定装置2が行う蛍光劣化判定処理が終了する。蛍光劣化判定装置2がこのような動作を行うことで、操作者はカラーチャート12の劣化の程度を知り、劣化の程度に応じて適宜カラーチャート12を交換することによって、安定的な色評価を行うことが可能となる。また、ステップSb7のように注意を喚起させることで、操作者はカラーチャート12の使用限界が近づいてきたことを知り、新たなカラーチャート12の入手を手配することができる。
(3)変形例
なお、本発明の実施は上述の2つの実施形態に限定されるものではなく、種々の変更が可能である。以下にその一例を挙げる。
なお、本発明の実施は上述の2つの実施形態に限定されるものではなく、種々の変更が可能である。以下にその一例を挙げる。
(3−1)変形例1
上述の2つの実施形態においては、蛍光劣化判定処理を実行する度に評価色票の測色も行っていた。しかし、ここで経時変化が問題となるのは蛍光色票のみであり、評価色票のCIELAB値は不変と見なされる。そのため、評価色票のCIELAB値は蛍光劣化判定装置2の記憶部22に記憶されているとし、蛍光劣化判定処理において評価色票の測色処理を省く態様とすることも可能である。この場合当然、カラーチャート上に評価色票は不要であり、蛍光劣化判定装置2内部においては、制御部21は評価色票を測色するかわりに記憶部22に記憶された値を用いて蛍光色票の劣化を判定する。
上述の2つの実施形態においては、蛍光劣化判定処理を実行する度に評価色票の測色も行っていた。しかし、ここで経時変化が問題となるのは蛍光色票のみであり、評価色票のCIELAB値は不変と見なされる。そのため、評価色票のCIELAB値は蛍光劣化判定装置2の記憶部22に記憶されているとし、蛍光劣化判定処理において評価色票の測色処理を省く態様とすることも可能である。この場合当然、カラーチャート上に評価色票は不要であり、蛍光劣化判定装置2内部においては、制御部21は評価色票を測色するかわりに記憶部22に記憶された値を用いて蛍光色票の劣化を判定する。
(3−2)変形例2
上述の実施形態においては、カラーチャートの劣化の判定はすべて蛍光劣化判定装置2により行われた。しかし、おおよその劣化を判定するだけで良いような場合には、人間が目視により判定できればなお好都合である。
これを可能とするには、蛍光色票と評価色票とが、それぞれの色が目視にて比較できる程度に接近して配置されていれば良い。このようにすれば、機械的な判定を用いずとも、目視によっておおよその色差を知り、カラーチャートの使用限界を知ることが容易にできる。厳密な色差を求める必要がなければ、このように目視により判定するだけでも良い。
さらに、このような場合、カラーチャートには色票の周辺に文字や記号を印字しておき、蛍光色票か評価色票かを容易に区別できるようにするほか、視線の移動等で比較を容易するさまざまな工夫を設けても良い。
上述の実施形態においては、カラーチャートの劣化の判定はすべて蛍光劣化判定装置2により行われた。しかし、おおよその劣化を判定するだけで良いような場合には、人間が目視により判定できればなお好都合である。
これを可能とするには、蛍光色票と評価色票とが、それぞれの色が目視にて比較できる程度に接近して配置されていれば良い。このようにすれば、機械的な判定を用いずとも、目視によっておおよその色差を知り、カラーチャートの使用限界を知ることが容易にできる。厳密な色差を求める必要がなければ、このように目視により判定するだけでも良い。
さらに、このような場合、カラーチャートには色票の周辺に文字や記号を印字しておき、蛍光色票か評価色票かを容易に区別できるようにするほか、視線の移動等で比較を容易するさまざまな工夫を設けても良い。
(3−3)変形例3
上述の2つの実施形態においては、カラーチャートの蛍光色票は単色の蛍光インクからなるとした。しかし本発明の実施はこのような蛍光色票に限定されるものではなく、その利用目的に応じて適当な蛍光色票を用いて良い。例えば、蛍光物質を含むマゼンタのインクと蛍光物質を含まないイエローのインクからなる赤(いわゆる金赤)の蛍光色票を用いたり、或いは異なる2色の蛍光インクからなる蛍光色票を用いることも、もちろん可能である。
上述の2つの実施形態においては、カラーチャートの蛍光色票は単色の蛍光インクからなるとした。しかし本発明の実施はこのような蛍光色票に限定されるものではなく、その利用目的に応じて適当な蛍光色票を用いて良い。例えば、蛍光物質を含むマゼンタのインクと蛍光物質を含まないイエローのインクからなる赤(いわゆる金赤)の蛍光色票を用いたり、或いは異なる2色の蛍光インクからなる蛍光色票を用いることも、もちろん可能である。
(3−4)変形例4
上述の第2実施形態においては、2種類の評価色票、すなわち評価色票122aと評価色票122bからなるカラーチャート12を用いた。しかし、カラーチャート12上の評価色票は2種類に限定されず、1種類だけでも良いし、3種類以上の評価色票を配置しても良い。また、単一の色を示す色票ではなく、蛍光色票の劣化に応じた段階的な色変化を示している、グラデーションを形成した色票を用いることも可能である。
上述の第2実施形態においては、2種類の評価色票、すなわち評価色票122aと評価色票122bからなるカラーチャート12を用いた。しかし、カラーチャート12上の評価色票は2種類に限定されず、1種類だけでも良いし、3種類以上の評価色票を配置しても良い。また、単一の色を示す色票ではなく、蛍光色票の劣化に応じた段階的な色変化を示している、グラデーションを形成した色票を用いることも可能である。
(3−5)変形例5
上述の2つの実施形態においては、カラーチャート11とカラーチャート12を示したが、両者の利点と、さらには変形例4に示したカラーチャートを組み合わせたカラーチャートを作成することも可能である。例えば、蛍光色票の上部には劣化前の蛍光色票と同等のCIELAB値を有する評価色票を配置し、蛍光色票の下部には蛍光色票が劣化した際の色として予想されるCIELAB値を有する単色或いはグラデーションの評価色票を配置したカラーチャートを作成することが可能である。さらに、変形例2に記載したようにそれぞれの色票を接近させて配置することにより、このカラーチャートを用いた目視による蛍光劣化判定をより容易かつ正確に行うことが期待できる。
上述の2つの実施形態においては、カラーチャート11とカラーチャート12を示したが、両者の利点と、さらには変形例4に示したカラーチャートを組み合わせたカラーチャートを作成することも可能である。例えば、蛍光色票の上部には劣化前の蛍光色票と同等のCIELAB値を有する評価色票を配置し、蛍光色票の下部には蛍光色票が劣化した際の色として予想されるCIELAB値を有する単色或いはグラデーションの評価色票を配置したカラーチャートを作成することが可能である。さらに、変形例2に記載したようにそれぞれの色票を接近させて配置することにより、このカラーチャートを用いた目視による蛍光劣化判定をより容易かつ正確に行うことが期待できる。
(3−6)変形例6
上述の2つの実施形態においては、表色系としてCIE1976(L*a*b*)表色系を用い、色差式は数1を用いた。しかしもちろん、これらの表色系及び色差式の選択は任意であり、必要に応じて他の表色系及び色差式を用いることが可能である。例えば、上述の実施形態においては、本発明の理解を容易ならしめるために数1の色差式を用いたが、より人間の視感に近い色差を求めるのであれば、例えばCIE1994色差式を用いることが望ましい。
CIE1994色差式による色差ΔE94は、以下の数7で表される。
ここで、ΔL*,ΔC*,ΔH*はそれぞれ心理メトリック量L*,C*,H°で表されるメトリック明度L*の明度差、メトリック彩度C*の彩度差、メトリック色相角H°の色相差であり、これらはL*a*b*表色系におけるL*,a*,b*の各値から求められる。また、SL,SC,SHは、それぞれ明度、彩度、色相差に関して知覚される色差との相関を補正するための重み付け関数である。CIELAB値(L*1,a*1,b*1)及び(L*2,a*2,b*2)で表される2つの色の明度差ΔL*,彩度差ΔC*,色相差ΔH*は、以下の数8,9,10で表される。
このような色差式を用いることで、より厳密で人間の視感に即した色評価を行うことが可能となる。
また、色差を求める場合には、例えばL*差のように、2つの色の差異を定量的に表現できるものであれば特に上述のような色差式でなくてもよく、見た目の色の差と計測値が対応できる評価式を自由に設計しても良い。
上述の2つの実施形態においては、表色系としてCIE1976(L*a*b*)表色系を用い、色差式は数1を用いた。しかしもちろん、これらの表色系及び色差式の選択は任意であり、必要に応じて他の表色系及び色差式を用いることが可能である。例えば、上述の実施形態においては、本発明の理解を容易ならしめるために数1の色差式を用いたが、より人間の視感に近い色差を求めるのであれば、例えばCIE1994色差式を用いることが望ましい。
CIE1994色差式による色差ΔE94は、以下の数7で表される。
また、色差を求める場合には、例えばL*差のように、2つの色の差異を定量的に表現できるものであれば特に上述のような色差式でなくてもよく、見た目の色の差と計測値が対応できる評価式を自由に設計しても良い。
11,12…カラーチャート、111,121…蛍光色票、112,122a,122b…評価色票、2…蛍光劣化判定装置、21…制御部、22…記憶部、23…表示部、24…操作部、25…測色部。
Claims (12)
- 蛍光物質を含む色材によって形成された蛍光色票の色と、劣化していない状態の前記蛍光色票と同等の色であり、かつ、蛍光物質を含まない色材によって形成された評価色票の色とを計測する測色手段と、
前記測色手段により計測された前記蛍光色票の色と前記評価色票の色とを比較する比較手段と、
前記比較手段の比較結果に応じて前記蛍光色票の劣化の程度を判定する判定手段と
を備える蛍光劣化判定装置。 - 蛍光物質を含む色材によって形成された蛍光色票の色を計測する測色手段と、
劣化していない状態の前記蛍光色票と同等の色を表す情報を記憶する記憶手段と、
前記測色手段により計測された前記蛍光色票の色と前記記憶手段に記憶された前記情報が表す色とを比較する比較手段と、
前記比較手段の比較結果に応じて前記蛍光色票の劣化の程度を判定する判定手段と
を備える蛍光劣化判定装置。 - 蛍光物質を含む色材によって形成された蛍光色票と、
劣化していない状態の前記蛍光色票と同等の色であり、かつ、蛍光物質を含まない色材によって形成された評価色票と
を有するカラーチャート。 - 蛍光物質を含む色材によって形成された蛍光色票の色と、劣化した状態の前記蛍光色票と同等の色であり、かつ、蛍光物質を含まない色材によって形成された評価色票の色とを計測する測色手段と、
前記測色手段により計測された前記蛍光色票の色と前記評価色票の色とを比較する比較手段と、
前記比較手段の比較結果に応じて前記蛍光色票の劣化の程度を判定する判定手段と
を備える蛍光劣化判定装置。 - 蛍光物質を含む色材によって形成された蛍光色票の色を計測する測色手段と、
劣化した状態の前記蛍光色票と同等の色を表す情報を記憶する記憶手段と、
前記測色手段により計測された前記蛍光色票の色と前記記憶手段に記憶された前記情報が表す色とを比較する比較手段と、
前記比較手段の比較結果に応じて前記蛍光色票の劣化の程度を判定する判定手段と
を備える蛍光劣化判定装置。 - 蛍光物質を含む色材によって形成された蛍光色票と、
劣化した状態の前記蛍光色票と同等の色であり、かつ、蛍光物質を含まない色材によって形成された評価色票と
を有するカラーチャート。 - 前記評価色票を複数有し、
それぞれの評価色票が、前記蛍光色票の劣化度に応じて異なる色の色材で形成されている
請求項6記載のカラーチャート。 - 前記蛍光色票と前記評価色票とが、目視により比較可能な程度に接近して配置されている
請求項3,6,7いずれかに記載のカラーチャート。 - 蛍光物質を含む色材によって形成された蛍光色票と、劣化していない状態の前記蛍光色票と同等の色であり、かつ、蛍光物質を含まない色材によって形成された評価色票とを有するカラーチャートを用いて、
前記蛍光色票の色と前記評価色票の色とを計測する測色ステップと、
前記測色ステップで計測された前記蛍光色票の色と前記評価色票の色とを比較する比較ステップと、
前記比較ステップでの比較結果に応じて前記蛍光色票の劣化の程度を判定する判定ステップと
を実行する蛍光劣化判定方法。 - 蛍光物質を含む色材によって形成された蛍光色票を有するカラーチャートを用いて、
前記蛍光色票の色を計測する測色ステップと、
前記測色ステップで計測された前記蛍光色票の色と、あらかじめ記憶されている情報により表される、劣化していない状態の前記蛍光色票の色とを比較する比較ステップと、
前記比較ステップでの比較結果に応じて前記蛍光色票の劣化の程度を判定する判定ステップと
を実行する蛍光劣化判定方法。 - 蛍光物質を含む色材によって形成された蛍光色票と、劣化した状態の前記蛍光色票と同等の色であり、かつ、蛍光物質を含まない色材によって形成された評価色票とを有するカラーチャートを用いて、
前記蛍光色票の色と前記評価色票の色とを計測する測色ステップと、
前記測色ステップで計測された前記蛍光色票の色と前記評価色票の色とを比較する比較ステップと、
前記比較ステップでの比較結果に応じて前記蛍光色票の劣化の程度を判定する判定ステップと
を実行する蛍光劣化判定方法。 - 蛍光物質を含む色材によって形成された蛍光色票を有するカラーチャートを用いて、
前記蛍光色票の色を計測する測色ステップと、
前記測色ステップで計測された前記蛍光色票の色と、あらかじめ記憶されている情報により表される、劣化した状態の前記蛍光色票の色とを比較する比較ステップと、
前記比較ステップでの比較結果に応じて前記蛍光色票の劣化の程度を判定する判定ステップと
を実行する蛍光劣化判定方法。
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US20150070512A1 (en) * | 2013-09-06 | 2015-03-12 | Ferrand D.E. Corley | Test pattern and method of monitoring changes in test pattern characteristics |
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2003
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US20150070512A1 (en) * | 2013-09-06 | 2015-03-12 | Ferrand D.E. Corley | Test pattern and method of monitoring changes in test pattern characteristics |
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