JP2005076882A - ディスクブレーキ - Google Patents

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Abstract

【課題】ディスクに電気発熱回路を設置して、電磁誘導現象を利用して電気発熱回路に誘導電流を発生させる構造を備えることによって、ディスクに電源線を繋ぐことなく電気発熱回路に電力を供給することができるようになり、雨天時の車両の走行中にもブレーキの乾燥がなされるようにするディスクブレーキを提供する。
【解決手段】上記のような目的を達成するための本発明は、タイヤと共に回転する円板形のディスクと;前記ディスクに密着して摩擦力を発生させるようにディスクの両側に設けられたパッドと;前記パッドを支持するはさみ状のキャリパと;前記ディスクの内部に設けられ、電流が流れれば熱を発生してディスクを乾燥させる電気発熱回路と;磁場の形成を通じた電磁誘導現象を利用して前記電気発熱回路に電流を発生させる電磁誘導手段と;を含んで構成されることを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は車両のディスクブレーキに関し、特にディスク内に設けた電熱線に電磁誘導現象を利用して電流を供給するように構成して、車両の雨天走行中にもブレーキが乾燥されるようにしたディスクブレーキに関する。
油圧ブレーキは、基本的にブレーキペダル、倍力装置、マスターシリンダ、ブレーキパイプ、ホイールシリンダ及びホイールブレーキから構成され、ホイールブレーキにはディスクブレーキとドラムブレーキとがある。
最近の自動車には、ドラム式に比べて放熱と熱変形による制動力低下が少なく、高速で走行するのに適したディスクブレーキが多く使用されており、特にフロントブレーキは、概ねディスクブレーキが使用されている。
上記のような構成で作動するディスクブレーキは、車両が雨天運行中の場合、ディスクとパッドが水に濡れてディスクとパッドとの間に滑りが発生するためブレーキを踏んでも制動が充分に効かない問題がある。
このような問題を解決するためにディスク内部にヒータを設けて、ディスクの表面を乾かす技術が開示されている(例えば、特許文献1参照)。しかし、この技術はディスク外からディスク内のヒータに電力を供給するため、ブレーキシステムの配線が複雑になるという問題点がある。
特開平9−309433号公報
本発明の目的は、ディスクに電気発熱回路を設置し、電磁誘導現象を利用して電気発熱回路に誘導電流を発生させる構造を備えることによって、ディスクに電力線を繋ぐことなく電気発熱回路に電流が供給でき、雨天時の車両の走行中にもブレーキが乾燥されるディスクブレーキを提供することにある。
上記の目的を達成するために本発明に係るディスクブレーキは、タイヤと共に回転する円板形のディスクと;前記ディスクに密着して摩擦力を発生させるようにディスクの両側に設けられたパッドと;前記パッドを支持するキャリパと;前記ディスクの内部に設けられ、電流が流れると熱を発生してディスクを乾燥させる電気発熱回路と;磁場を形成して電流を発生させる電磁誘導現象を利用して前記電気発熱回路に電流を発生させる電磁誘導手段と;を含んで構成されることを特徴とする。
また、前記電磁誘導手段は、ブレーキ内部に設けられて湿気を測定する湿気測定センサによってディスク及びパッドが一定水準以上濡れたことが判断されるか、ワイパーのリレーに連結されて前記ワイパーの作動頻度に対応して、自動的に作動するように設けられることを特徴とする。
本発明に係るディスクブレーキは、電磁誘導現象を利用してディスク内部の電気発熱回路に誘導電流を発生させるので、電力を供給するのに電力線を繋ぐ必要なくディスク内部の電気発熱回路が発熱して、車両の雨天走行中にもブレーキが乾燥して、ブレーキの制動性能が向上する利点がある。
さらに、本発明は雨天時には湿気測定センサまたはワイパーの作動頻度に応じて電気発熱回路に電流が自動的に供給されるので、走行中運転者がブレーキを乾燥させるために特別の操作をする必要がないという利点がある。
以下、本発明の実施例を図面を用いて詳述する。
ここで、本実施例は、本発明の権利範囲を限定するものではなく、単に一つの例として提示するものである。
図1は本発明に係るディスクブレーキの主要部の概略を示す構成図であり、図2は電気発熱回路を示す構成図であり、図3は誘導電流の発生を説明するための参考図である。
本発明によるディスクブレーキは、図1と図2に示すようにタイヤと共に回転する円板形のディスク51と、ディスク51の両側に密着して摩擦力を発生させるようにディスク51の一側に設けられたパッド53と、パッド53を支持するキャリパ55と、ディスク51の内部に設けられて電流が流れれば熱を発生してディスク51を乾燥させる電気発熱回路57と、磁場の形成により電流を発生させる電磁誘導現象を利用して電気発熱回路57に電流を発生させる電磁誘導手段60と、を含んで構成される。
電磁誘導手段60はキャリパ55の両側にN極とS極が互いに対向するように設けられて電流が供給されればディスク51の軸方向に磁場を形成させる電磁石61と、電磁石61に電流を供給して電磁石61を励磁させる電流供給手段63と、から構成される。
電磁石61はキャリパ55の両側のディスクに近い部分に均等に(対称に)配置される。
電磁石61はブレーキ内部に設けられて湿気を測定する湿気測定センサ(図示せず)によってディスク51及びパッド53が一定水準以上濡れたことが判断されれば自動的に励磁されるように設けられるか、ワイパーのリレー(図示せず)に連結されてワイパーの作動頻度と応じて励磁されるように設けられる。
ここで、ワイパーの作動頻度に応じて電磁石61が励磁されるようにするのは、雨が多く降るほどワイパーの作動回数が増えると同時にブレーキも多く濡れるようになるためである。
ディスク51と電気発熱回路57との間には電気発熱回路57が充分に機能するように電気発熱回路57をディスク51本体と絶縁させる絶縁体が設けられる。
電気発熱回路57は、磁場を通過しながら誘導起電力を発生させて回路に電流を流れるようにする少なくとも1つ以上の直線部(L)と、直線部(L)によって発生した電流を供給されて熱を発生する少なくとも1つ以上の発熱部(H)と、直線部(L)と発熱部(H)とを連結する曲線部(C)と、から構成される。
直線部(L)は、誘導起電力を最大限発生させるためにディスク51の中心を基準にして放射線状に位置するように形成され、曲線部(C)は誘導起電力を発生させないようにディスク51の円周方向に同心円の経路に沿って形成される。
直線部(L)が複数形成される場合、直線部(L)はディスク51の中心から外側に向けて形成されたものとディスク51の外側から中心に向けて形成されたものとが交代に繰り返して形成される。
直線部(L)は、磁場下で異なる(逆の)方向に電流の流れる2つの直線部(L)が同時に磁場を通過しないように互いに所定の間隔を隔てて形成される。
直線部(L)と発熱部(H)とが複数設けられる場合、直線部(L)と発熱部(H)とはディスク51全体に均一に配置される。
発熱部(H)は、ヒーティッドガラス(Heated glass)の熱線または電熱器の発熱線のように電流が流れると熱を発生する材料からなる。
上記のように構成された本発明によるディスクブレーキでは、車両の雨天走行中にブレーキが濡れると電流供給手段63によって電流が供給されて電磁石61が励磁される。
電磁石61が励磁されればディスク51を挟んでディスク51の軸方向に磁場が形成され、このように形成された磁場を電気発熱回路57の直線部(L)が通過すればフレミングの右手法則によって直線部(L)で誘導起電力が発生されて回路に電流が流れるようになる。
直線部(L)によって発生した誘導電流が曲線部(C)に沿って移動し、発熱部(H)に至ると発熱部(H)で熱を発生するようになり、この熱によってディスク51は乾燥する。
上記のような本発明は、パッド53に発熱体を設置し、電源線を繋いで発熱体に電流を供給してパッド53を加熱するパッド加熱方法と同時に使用すれば非常に優れた効果を得ることができる。
この時、パッド53の発熱体に電流を供給する電源は、電磁石61に電流を供給する電流供給手段63から共に供給されるように構成する。即ち、電磁石61に電流を供給するために連結されたワイヤーリングからの分岐をパッド53の発熱体に連結する方式で発熱体に電流を供給する。
以上、本発明によるディスクブレーキに対する好ましい実施例を説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、本発明の技術的範囲内でさまざまに変形して実施することが可能であり、これも本発明に属する。
本発明に係るディスクブレーキの主要部の概略を示す構成図である。 本発明に係るディスクブレーキの電気発熱回路を示す構成図である。 本発明に係るディスクブレーキの誘導電流発生を説明するための参考図である。
符号の説明
51 ディスク
53 パッド
55 キャリパ
57 電気発熱回路
L 直線部
H 発熱部
C 曲線部
60 電磁誘導手段
61 電磁石
63 電流供給手段

Claims (13)

  1. タイヤと共に回転する円板形のディスクと;
    前記ディスクに密着して摩擦力を発生させるようにディスクの両側に設けられたパッドと;
    前記パッドを支持するキャリパと;
    前記ディスクの内部に設けられ、電流が流れると熱を発生してディスクを乾燥させる電気発熱回路と;
    磁場の形成により電流を発生させる電磁誘導現象を利用して前記電気発熱回路に電流を発生させる電磁誘導手段と;
    を含んで構成されることを特徴とするディスクブレーキ。
  2. 前記電磁誘導手段は、キャリパの両側に互いに対向するように設けられて電流が供給されれば前記ディスクの軸方向に磁場を形成させる電磁石と;
    前記電磁石に電流を供給して電磁石を励磁させる電流供給手段と;
    から構成されることを特徴とする請求項1記載のディスクブレーキ。
  3. 前記電磁石は、キャリパの両側に均等に配置されることを特徴とする請求項2に記載のディスクブレーキ。
  4. 前記電磁石は、ブレーキ内部に設けられて湿気を測定する湿気測定センサによってディスク及びパッドが一定水準以上濡れたと判断されると自動的に励磁されるように設けられることを特徴とする請求項2に記載のディスクブレーキ。
  5. 前記電磁石は、ワイパーのリレーに連結されて前記ワイパーの作動頻度によって励磁されるように設けられることを特徴とする請求項2に記載のディスクブレーキ。
  6. 前記ディスクと電気発熱回路との間には前記電気発熱回路をディスク本体と絶縁させる絶縁体が設けられることを特徴とする請求項1に記載のディスクブレーキ。
  7. 前記電気発熱回路は、磁場を通過しながら誘導起電力を発生させて回路に電流を流す少なくとも1つ以上の直線部と;
    前記直線部によって発生した電流を供給されて熱を発生する少なくとも1つ以上の発熱部と;
    前記直線部と発熱部とを連結する曲線部と;
    から構成されることを特徴とする請求項1に記載のディスクブレーキ。
  8. 前記直線部は、ディスクの中心を基準にして放射線状に位置するように形成されることを特徴とする請求項7に記載のディスクブレーキ。
  9. 前記直線部が複数形成される場合、前記直線部はディスクの中心から外側に向けて形成されたものとディスクの外側から中心に向けて形成されたものとが交代に繰り返し形成されることを特徴とする請求項7に記載のディスクブレーキ。
  10. 前記直線部は、磁場下で異なる方向に電流の発生する2つの直線部が同時に磁場を通過しないように互いに所定の間隔を隔てて形成されることを特徴とする請求項9に記載のディスクブレーキ。
  11. 前記直線部と発熱部とが複数設けられる場合、前記直線部と発熱部とはディスク全体に均一に配置されることを特徴とする請求項7に記載のディスクブレーキ。
  12. 前記発熱部は、電流が流れると熱を発生する熱線からなることを特徴とする請求項7に記載のディスクブレーキ。
  13. 前記曲線部はディスクの円周方向に同心円の経路に沿って形成されることを特徴とする請求項7に記載のディスクブレーキ。
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