JP2005076745A - ケージ弁 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 流量規制扉31の上端部はヒンジ機構によりケージ内壁に軸着されるとともに、弁軸18の上昇にともなってこの流量規制扉31の上端部を回動軸とし流量規制扉31の下端部が流量規制扉31の上端部と下端部を結ぶ軸と直角方向に回動するものであって、かつ、その回動範囲内において、流量規制扉31の下端部が流量制御窓13の最下部よりも低い位置とする。
【選択図】 図1
Description
また、従来、弁プラグとケージの接触面が広範囲で摺動していたものが、摺動部がほとんどなくなることにより、機器の寿命が延び、部品の交換の頻度及び保守点検の頻度を減らすことができる。
流体内に混在する不純物が窓部を通過してケージ内の下部に付着しても流路規制部材がケージ内壁に密着していないので挟み込み、かじりつきが生じない。
また流路規制部の構成が単純であるために、加工精度が要求される部材を新たに追加する必要がない。
また、弁軸を上下方向に駆動させないため、弁軸が外部へ突き出る量を少なくさせることができ、また上下方向に動かすよりも、回転方向に動かす方が、動かす量が少ないので、コンパクトな製品とすることができる。
図1はこの実施の形態1による弁装置が全閉の状態を示す要部縦断面図である。また、図2は同弁装置が全開の状態を示す断面図である。図3は図1即ち閉弁状態であるときの断面Bを示す図である。図3において、弁本体1は隔壁である仕切壁2により内部が上流側流路3と下流側流路4に仕切られている。弁本体1の上端開口部を閉鎖する上蓋5と仕切壁2との間には円筒状のケージ7が設けられている。上蓋5はボルト27及びナット28により弁本体1に固定されている。上蓋5とケージ7の間にはガスケット20が、ケージ7と弁本体1の間にはガスケット30がそれぞれ嵌装されている。ケージ7の下端部は仕切壁2の中央に開設された通孔にガスケット10を介して嵌め込まれ、ケージ7は弁本体1の上端開口部29にと仕切壁2の間で固定されている。ケージ7の周壁には上流側流路3と下流側流路4とを連通させる2個の流量制御窓13が開設されている。
流量規制扉31はピン33、連結部材34、ピン35を介して弁軸18と連結され、リンク機構を形成している。弁軸18は上蓋5の中央に設けられた貫通孔16のパッキン21に摺動自在に貫通して設けられている。
流量規制扉31により、対向する異なる流量制御窓13からそれぞれ流れ込む流体が、同一平面において、ほぼ正面方向からケージ内で衝突することなく、ケージ7の外周方向から中心部へと複数個の流量制御窓13から流入する流体の流れ方向を仕切壁2に設けられた連通孔50の孔軸方向へと変える。流量規制扉31が流路変更部として機能するのである。
よって、従来のように、対向する各流量制御窓からケージ内に流入した流体どうしが直接衝突することで生じる振動を大幅に緩和することができる。流量規制扉31は流量を制御する機能を有すると共に流量規制扉31が窓部から流入した流体の流れ方向を規制する機能を有し、1つの部材で2つの機能を持つことになる。
さらには流体がスムーズに流れることから、衝突によるエネルギー損失となる弁の差圧が減少し、次式で表される弁容量係数を大きな値とすることができる。即ち同一サイズのケーシングであっても弁容量を大きくすることができる。
Cv(弁容量係数) = 1.17Q(G/ΔP)1/2
Q = 流量(m3/hr)
G = 比重
ΔP = 差圧 (kgf/cm2)
また、従来、弁プラグとケージの接触面が広範囲で摺動していたものが、摺動部がほとんどなくなることにより、摺動による影響を排除できるため機器の寿命が延び、部品の交換の頻度及び保守点検の頻度を減らすことができる。更に摺動部が少ないので、加工精度を要求される部分が少なくなり、製造コストを削減することができる。
また、円筒状のケージ7を図4のように、円柱内部に矩形の穴のあいたものとしてもよい。この場合、流量制御窓13がケージ7と密着する部分を平面に加工すれば良いので、加工が容易となる。ケージに設ける穴は矩形のみならず、流量制御窓の数に合わせた多角形であってもよい。
また、複数個の流量制御窓13の数を2つである場合について説明したが、ケージの内部にリンク機構を設けるスペースさえあればその数はいくつであっても良い。また、流量制御窓13の開口位置は適宜変更できるものである。
更に中心軸を偏芯させることにより、複数設けた流量制御扉のリンク機構の特性、即ち弁軸の操作量に対する流量規制扉の開口角度の変化量をそれぞれ変えることができる。また、上流側流路に面した流量制御窓13とそれと反対側の流量規制窓13の流量流速は同じではないので、流量制御窓の開口角度が同じであってもその流量は異なる。そこで、中心軸を偏芯させた弁軸、リンク機構等を採用し、偏芯させた中心軸を機種ごとに変えることにより、同一の流量制御窓、ケージを用いても流量特性を変えることができる。また、中心軸を変えることにより流量特性のみならず最大流量、即ち弁容量を変えることができる。
図5はこの実施の形態2による弁装置が全閉の状態を示す要部縦断面図である。また、図6は同弁装置が全開の状態を示す断面図である。実施の形態1と同様に、弁本体1は隔壁である仕切壁2により内部が上流側流路3と下流側流路4に仕切られている。弁本体1の上端開口部を閉鎖する上蓋5と仕切壁2との間には円筒状のケージ7が設けられている。上蓋5、ボルト27、ナット28、パッキン16、ガスケット10、20、30等は実施の形態1と同様であるので説明を省略する。ケージ7の周壁には上流側流路3と下流側流路4とを連通させる複数個の流量制御窓13が開設されている。ケージ7には、その内周壁面に沿って、弁プラグ(弁体)15が摺動自在に嵌め込まれている。弁プラグ15は流量制御窓13の周囲と摺動する摺動閉鎖部51と、摺動閉鎖部51の下端に設けられた流路規制部41により形成されている。流路規制部41は、先端が切り落とされた円錐状をなしており、先端が切り落とされた円錐の高さ(弁軸長手方向の先端が切り落とされた円錐の高さ、図5のhに相当。)即ち流路規制部41は流量制御窓13の高さより長くなっている。
弁プラグ15は、弁軸18の先端にねじ込み若しくは溶接等で取り付けられている。
弁開時に上流側管路から上流側流路3に流入した流体は、ケージ7の流量制御窓13からその内部に流入して、弁プラグ15に強く衝突し、横振動したり縦振動したりし、ついには回転力が付与されることになるが、弁プラグ15の摺動部とケージ7が共に楕円形に形成されていることにより、弁プラグ15およびこれに一体的に連結されている弁軸18が回転することはない。
弁プラグ15を流量制御窓13が閉塞されない全開の上部位置から、ケージ内を下方に移動するよう操作すると、徐々に流量制御窓13が弁プラグ15によって閉塞され、流量制御窓13が閉塞される割合により、流量を制御する。さらに下方まで弁プラグ15を操作すると、弁プラグ15が流量制御窓13をさらに閉塞し、ついには、ケージ弁が完全に閉弁状態となる。
流路規制部41は開弁時に、対向する異なる流量制御窓からそれぞれ流れ込む流体がほぼ同一平面内でほぼ正面方向からケージ内で衝突することなく、ケージの外周方向から中心部へと複数個の流量制御窓から流入する流体の流れ方向を仕切壁に設けられた連通孔50の孔軸方向へと変える。先端が切り落とされた円錐状の流路規制部41が流路変更部として、弁プラグ15の摺動閉鎖部51が流量制御部材としてそれぞれ機能する。
流路規制部41が弁プラグの動作範囲内において、その下端部が各窓の最下部よりも低い位置にあるので対向する各窓からケージ内に流入した流体どうしが直接衝突することを回避でき、従来のように、対向する各窓からケージ内に流入した流体どうしが直接衝突することで生じる振動を大幅に緩和できる。また、実施の形態1と同様に弁容量を大きくすることができる。
流体内に混在する不純物が窓部を通過してケージ内の下部に付着しても流路規制部がケージ内壁に密着していないので挟み込み、かじりつきが生じない。
また流路規制部の構成が単純であるために、加工精度が要求される部材を新たに追加する必要がない。
また、説明を容易にするために、摺動閉鎖部のみで全閉とする構造について説明したが、弁プラグ15に着座部を、ケージ7に弁座をそれぞれ設け、着座部と弁座が全閉時に密着させることにより、より完全に全閉状態とすることもできる。その際、着座部及び弁座を真円としてもよい。
また、流路規制部41を、先端が切り落とされた円錐状のものについて説明したが、その形状は適宜変更できるものであって、流路規制部の形状を変更することにより、流路抵抗が変わることから、弁容量、流量特性等を変更することができる。構造を大幅に見直さなくても、簡単に弁容量、流量特性等を変更することができる。
図7はこの実施の形態3による弁装置が全開の状態を示す要部縦断面図である。実施の形態1及び2と同様に、弁本体1は隔壁である仕切壁2により内部が上流側流路3と下流側流路4に仕切られている。弁本体1の上端開口部を閉鎖する上蓋5と仕切壁2との間には円筒状のケージ7が設けられている。上蓋5、ボルト27、ナット28、パッキン16、ガスケット10、20、30等は実施の形態1と同様であるので説明を省略する。ケージ7の周壁には上流側流路3と下流側流路4とを連通させる複数個の流量制御窓13が開設されている。ケージ7には、その内周壁面に沿って、弁プラグ(弁体)15が摺動自在に嵌め込まれている。弁プラグ15の外周には、開弁状態において、流量制御窓13と仕切壁2に設けられた連通孔とを連通する縦長の流路溝42が流量制御窓13と同数設けられている。
図8はこの実施の形態3による弁装置が全開の状態を示す図7の断面Cの図である。流量制御窓13の全ての面は流路溝42に開口している。同様に断面Cのほぼ中間開度の状態を示す図を図9に示す。流量制御窓13はそのほぼ半分が流路溝42に面しており、流量制御窓13の残りの半分は、弁プラグ15の摺動面と接触している。図10には全閉時の状態を示す断面Cの図を示す。流量制御窓13は流路溝と接触することはなく、弁プラグ15の摺動面により完全に塞がれた状態になっている。弁プラグ15を流量制御窓13が閉塞することのない全開の位置から、ケージ7内を弁プラグ15が回動操作すると、徐々に流量制御窓13が弁プラグ15によって閉塞され(図9)、流量制御窓13が閉塞される割合により、流量を制御する。さらに弁プラグ15を回動操作すると、弁プラグ15が流量制御窓13を徐々に閉塞し、ついには、ケージ弁が完全に閉弁状態となる(図10)。流路溝42が流路変更部及び流量制御部材として機能している。
また、弁軸を上下方向に駆動させないため、弁軸が外部へ突き出る量を少なくすることができ、また上下方向に動かすよりも、回転方向に動かす方が、動かす量が少ないので、コンパクトな製品とすることができる。
また、流量制御窓の数の異なるケージを複数種類用意しておくことにより、同じ流路溝を設けた弁プラグを用いても、用いるケージの流量制御窓の数によって、実際に流体の流れる流路溝の数が異なり流量特性及び弁容量の異なる弁となることから、構造を大幅に見直さなくても、共通の部材を用い、簡単に弁容量、流量特性等を変更することができる。
2 仕切壁
7 ケージ
13 流量制御窓
15 弁プラグ
31 流量規制扉
41 流路規制部
42 流路溝
Claims (4)
- 弁本体内を上流側と下流側に分割する隔壁により仕切られた一方の室内に固定されかつ周壁に複数個の窓を有するケージと、
前記各窓に対応して設けられ、各窓からケージ内に流入する流体の流量をその開度で規制する流量制御部材を備え、
前記流量制御部材は開弁時に、対向する異なる前記窓からそれぞれ流れ込む流体がほぼ正面方向からケージ内で衝突することなく、ケージの外周方向から中心部へと前記複数個の窓から流入する流体の流れ方向を前記隔壁に設けられた連通孔の孔軸方向へと流れ方向を変える流路変更部を備えたことを特徴とするケージ弁。 - 弁本体内を上流側と下流側に分割する隔壁により仕切られた一方の室内に固定されかつ周壁に複数個の窓を有するケージと、
前記各窓に対応して設けられ、各窓からケージ内に流入する流体の流量をその開度で規制する流量規制扉を備え、
前記流量規制扉はその上端部が前記窓の最上部よりも上方に位置し、前記流量規制扉の上端部はヒンジ機構によりケージ内壁に軸着されるとともに、弁軸の上昇にともなってこの流量規制扉の上端部を回動軸とし流量規制扉の下端部が流量規制扉の上端部と下端部を結ぶ軸と直角方向に回動するものであって、かつ、その回動範囲内において、前記流量規制扉の下端部が前記窓の最下部よりも低い位置にあることを特徴とするケージ弁。 - 弁本体内を上流側と下流側に分割する隔壁により仕切られた一方の室内に固定されかつ周壁に複数個の窓を有するケージと、
弁軸の昇降動作にともなって、前記各窓の開口面積を制御する弁プラグとを備えたケージ弁において、
前記弁プラグは前記各窓に対応する周面に設けた摺動閉鎖部と、前記摺動閉鎖部の下端に形成された流路規制部とで構成されるとともに、前記流路規制部の下端部は前記弁プラグの動作範囲内において、前記窓の最下部よりも低い位置にあることを特徴とするケージ弁。 - 弁本体内を上流側と下流側に分割する隔壁により仕切られた一方の室内に固定されかつ周壁に複数個の窓を有するケージと、
弁軸の回動動作にともなって、前記ケージ弁の内壁面をその外周が摺動しながら弁軸を中心に回動する円柱形状の弁プラグとを備えるとともに、
前記弁プラグは前記各窓に対応して個々にケージ内から下流側に導く流路溝を外周面に持ち、前記弁軸の回動動作量によって、この流路溝を通過する流体の流量を制御することを特徴とするケージ弁。
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