JP2005075999A - 配管用シール剤及び配管用シール剤スプレー缶及び配管修繕方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】浸透性が良く確実に漏洩部分を修繕でき、しかも、作業安全性を向上させることができるようにする。
【解決手段】、ポリエーテル樹脂を含有する配管用シール剤。
【選択図】 なし
【解決手段】、ポリエーテル樹脂を含有する配管用シール剤。
【選択図】 なし
Description
本発明は、配管用シール剤及び配管用シール剤スプレー缶及び配管修繕方法に関し、さらに詳しくは、家庭内ガス、水道配管等のネジ接合部分等からのガス、水、各種液体等の漏洩を修繕又は予防するための配管用シール剤及び配管用シール剤スプレー缶及びスプレー缶を用いた配管修繕方法に関する。
家庭内ガス、水道配管等のネジ接合部分、すなわち継手部分において、ガス漏れなどの漏洩が発生した場合、その簡便な対策法として、配管を配置(配設)されたままの状態で修繕する方法が必要である。例えば、床下や天井裏等に配管がある場合、漏洩部分の有無調査及びその修繕には、床下や天井裏に作業員が入ったり、更にはコンクリート等を除去したり、それらの狭所作業、復旧作業の付帯工事が必要となり、多大な労力及び工事経費がかかり、簡便な修繕法も含めた漏洩及び漏洩予防処理体制の抜本的見直しが課題であった。そこで、かかる作業が不要な修繕方法として、配管用シール剤及び噴射剤等を充填したスプレー缶を用いて、配管のネジ接合部分や継手部分の漏洩部分を修繕する、いわゆるスプレーシール工法が提案されている。
尚、スプレーシール工法とは、配管用シール剤をネジ接合部分や継手部分等の漏洩部分に浸透させることにより、漏洩部分を修繕する工法である。
尚、スプレーシール工法とは、配管用シール剤をネジ接合部分や継手部分等の漏洩部分に浸透させることにより、漏洩部分を修繕する工法である。
そして、従来、このような配管の修繕にあたって配管用シール剤として、アクリル樹脂を主剤とするものが用いられている(例えば、特許文献1参照)。
しかしながら、アクリル樹脂を主剤とするシール剤は、浸透性が良く確かに漏洩部分を修繕できるものの、かぶれ易く取り扱い上危険であり、作業安全上問題があった。
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであって、その目的は、浸透性が良く確実に漏洩部分を修繕でき、しかも、作業安全性を向上させることができるようにするところにある。
本発明者らは上述の目的を達成するべく、種々の材料について鋭意検討した結果、主成分としてポリエーテル樹脂、特に好ましくはビスフェノール類系ポリエーテル樹脂を使用することにより、浸透性が良く確実に漏洩部分を修繕でき、しかも、作業安全性を向上させることができ、更には、殊にスプレーシール工法に非常に適した各種特性を有し、高浸透性、速シール性を有する配管用シール剤となることを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明の第1の特徴構成は、ポリエーテル樹脂を含有する配管用シール剤にある。
尚、本発明におけるポリエーテル樹脂とは、エーテル結合を持つ重合体の総称であるポリエーテルを分子内に含む樹脂を意味し、例えば、アセタール類、ポリエチレンオキシド類、ポリプロピレンオキシド類、塩素化ポリエーテル類、ポリフェニレンエーテル類、ポリフェニレンオキシド類、ビスフェノール類、ビスクレゾール類、イミド類、エーテルケトン類、ケトン類、スルホン類、ポリオール類等があげられる。
上記第1の特徴構成を備える配管用シール剤は、エーテル結合を持つ重合体であるポリエーテル樹脂であるため、その中にはかぶれ難く取り扱い易いものが多数あり、従来のアクリル樹脂に比べると、かぶれ難く取り扱い易い樹脂の選択の幅が広がり、結果として、作業上安全性を向上させることができる。しかも、そのようなポリエーテル樹脂は、浸透性も良く漏洩部分に浸透し易いため、確実に漏洩部分を修繕することができる。
さて、上記第一の特徴構成に加えて、第2の特徴構成は、ポリエーテル樹脂が、ビスフェノール類系ポリエーテル樹脂であればより好ましく、更には、第3の特徴構成として、ビスフェノール類(B)にアルキレンオキサイド(AO)を付加させた
H―(AO)n―B―(AO)n―H (ただし、nは1以上の整数)(1)
という構造を有する樹脂であれば特に好ましい。
H―(AO)n―B―(AO)n―H (ただし、nは1以上の整数)(1)
という構造を有する樹脂であれば特に好ましい。
因みに、上記式(1)で表される構造を有する樹脂は、各種ビスフェノール類系にアルキレンオキサイドを付加させた付加体由来のものであり、例えば、ビスフェノールAエチレンオキサイド付加体、ビスフェノールAプロピレンオキサイド付加体、ビスフェノールAのエチレンオキサイド・プロピレンオキサイド付加体からなる混合付加体、ビスフェノールFエチレンオキサイド付加体、ビスフェノールFプロピレンオキサイド付加体、ビスフェノールFのエチレンオキサイド・プロピレンオキサイド付加体からなる混合付加体、ビスフェノールSエチレンオキサイド付加体、ビスフェノールSプロピレンオキサイド付加体、ビスフェノールSのエチレンオキサイド・プロピレンオキサイド付加体からなる混合付加体に由来のものであり、また、ビスフェノールフルオレンやビスクレゾールやビスクレゾールフルオレン等その他のビスフェノール類のエチレンオキサイド付加体やプロピレンオキサイド付加体やエチレンオキサイド・プロピレンオキサイド混合付加体等のアルキレンオキサイド付加体に由来するものでも良い。
尚、由来するものとは、上記例に挙げたような付加体は勿論のこと、かかる付加体からの変性体をも含むことを意味するのはいうまでもない。
尚、由来するものとは、上記例に挙げたような付加体は勿論のこと、かかる付加体からの変性体をも含むことを意味するのはいうまでもない。
上記特徴構成を備える配管用シール剤によれば、上述の第1の特徴構成による作用効果は勿論のこと、次のような作用効果を期待することができるのである。つまり、これらの樹脂の場合、溶剤を適宜含有させることにより配管用シール剤の粘性を低下させ、漏洩部分への浸透性を一層向上させることができると共に、漏洩部分への浸透にともなって溶媒が適度に蒸発(揮発)し、配管用シール剤の粘性が向上される。
従って、漏洩部分に一層浸透し易く、しかもその浸透した配管用シール剤の粘性が短時間で増加し易く、漏洩部分に付着維持され易いため、速シール性を期待できるとともに、そのシール性を長期間維持することができるのである。そして、特に、このような特性はスプレーシール工法に用いるのに非常に適している。また、スプレーシール工法により配管内に配管用シール剤を噴霧すると、その噴霧の際にバルブ等の可動部に配管用シール剤が付着する虞も多分あるが、上述の構成を備える配管用シール剤は、常温雰囲気下では適度な粘性を備えているため、可動部の可動操作が妨げられることもなく、好適である。
従って、漏洩部分に一層浸透し易く、しかもその浸透した配管用シール剤の粘性が短時間で増加し易く、漏洩部分に付着維持され易いため、速シール性を期待できるとともに、そのシール性を長期間維持することができるのである。そして、特に、このような特性はスプレーシール工法に用いるのに非常に適している。また、スプレーシール工法により配管内に配管用シール剤を噴霧すると、その噴霧の際にバルブ等の可動部に配管用シール剤が付着する虞も多分あるが、上述の構成を備える配管用シール剤は、常温雰囲気下では適度な粘性を備えているため、可動部の可動操作が妨げられることもなく、好適である。
さて、本発明の第4の特徴構成は、前記第1〜3の特徴構成のいずれかに記載の配管用シール剤と、溶剤と噴射剤とを、スプレー用缶に充填させてある配管用シール剤スプレー缶にあり、そして、第5の特徴構成は、前記配管用シール剤スプレー缶を用いて、配管用シール剤を配管内に噴射することにより、その配管用シール剤を、配管に形成された漏洩部分又は漏洩の発生する可能性のある部分に浸透させる配管修繕方法にある。
上記第2の特徴構成を備える発明によれば、溶剤を適宜含有させることにより配管用シール剤の粘度を適度に低下させ、そして、さらに含有される噴射剤により配管用シール剤を噴射させることができるため、配管用シール剤を直接刷毛等により塗布して漏洩を修繕するだけでなく、少し離れた位置からでもスプレー塗布することで漏洩を修繕することができる。
従って、配管用シール剤を配管内に噴射することにより、その配管用シール剤を、配管に形成された漏洩部分又は漏洩の発生する可能性のある部分に浸透させるいわゆるスプレーシール工法を好適に実施することができるのである。
従って、配管用シール剤を配管内に噴射することにより、その配管用シール剤を、配管に形成された漏洩部分又は漏洩の発生する可能性のある部分に浸透させるいわゆるスプレーシール工法を好適に実施することができるのである。
本発明に係る配管用シール剤は、ポリエーテル樹脂を含有しており、適宜必要に応じて、更に溶剤や噴射剤や可塑剤等を含有させて、家庭内ガス、水道配管等のネジ接合部分等からのガス、水、各種液体等の漏洩を修繕又は予防するための配管用シール剤として、使用することができる。
尚、本発明で対象とする配管は、都市ガス、天然ガス、液化ガス、石油又は水道等の各種液体等の輸送管その他各種の配管等である。
尚、本発明で対象とする配管は、都市ガス、天然ガス、液化ガス、石油又は水道等の各種液体等の輸送管その他各種の配管等である。
前記ポリエーテル樹脂としては、例えば、アセタール類、ポリエチレンオキシド類、ポリプロピレンオキシド類、塩素化ポリエーテル類、ポリフェニレンエーテル類、ポリフェニレンオキシド類、ビスフェノール類、ビスクレゾール類、イミド類、エーテルケトン類、ケトン類、スルホン類、ポリオール類等を用いれば良いが、高浸透性、速シール性をバランス良く有しているため、ビスフェノー類系ポリエーテル樹脂を用いるのが好ましく、その中でもビスフェノール類(B)にアルキレンオキサイド(AO)を付加させた
H―(AO)n―B―(AO)n―H (ただし、nは1以上の整数)(1)
という構造を有する樹脂であれば特に好ましい。
H―(AO)n―B―(AO)n―H (ただし、nは1以上の整数)(1)
という構造を有する樹脂であれば特に好ましい。
上記式(1)で表される構造を有する樹脂は、各種ビスフェノール類にアルキレンオキサイドを付加させた付加体由来のものであり、例えば、ビスフェノールAエチレンオキサイド付加体、ビスフェノールAプロピレンオキサイド付加体、ビスフェノールAのエチレンオキサイド・プロピレンオキサイド付加体からなる混合付加体、ビスフェノールFエチレンオキサイド付加体、ビスフェノールFプロピレンオキサイド付加体、ビスフェノールFのエチレンオキサイド・プロピレンオキサイド付加体からなる混合付加体、ビスフェノールSエチレンオキサイド付加体、ビスフェノールSプロピレンオキサイド付加体、ビスフェノールSのエチレンオキサイド・プロピレンオキサイド付加体からなる混合付加体に由来のものであり、また、ビスフェノールフルオレンやビスクレゾールやビスクレゾールフルオレン等その他のビスフェノール類のエチレンオキサイド付加体やプロピレンオキサイド付加体やエチレンオキサイド・プロピレンオキサイド混合付加体等のアルキレンオキサイド付加体に由来するものでも良い。
尚、由来するものとは、上記例に挙げたような付加体は勿論のこと、かかる付加体からの変性体をも含むことを意味するのはいうまでもない。
尚、由来するものとは、上記例に挙げたような付加体は勿論のこと、かかる付加体からの変性体をも含むことを意味するのはいうまでもない。
更に、ビスフェノール類(B)にアルキレンオキサイド(AO)を付加させるにあたっては、特に、n=02〜10とすれば、配管用シール剤が、漏洩部分に一層浸透し易く、しかもその浸透した配管用シール剤の粘性が短時間で増加し易く、漏洩部分に付着維持され易いため、速シール性を期待できるとともに、そのシール性を長期間維持することができ、特に特性がスプレーシール工法に用いるのに非常に適したものとなり、より好ましい。
前記溶剤としては、特に限定されずに、ポリエーテル樹脂、特にはビスフェノール類系ポリエーテル樹脂を溶解又は分散させることが可能な公知の各種液体(例えば、各種の有機溶剤)を使用することができ、例えば、エーテル系溶剤が望ましく、更にはジエチレングリコール(DEG)、ジエチレングリコールジメチルエーテル(DEGDME)、エチレングリコールジメチルエーテル(EGDME)、ジエチレングリコールモノメチルエーテル(DEGMME)、ジグライム(Diglyme)、モノグライム(Monoglyme)等が望ましい。溶剤の使用量は、特に限定されるものではなく、ポリエーテル樹脂100質量部に対し、200質量部以下、好ましくは100〜150質量部、特に好ましくは20〜100質量部程使用することができる。
本発明では、かかる溶剤を用いて、配管用シール剤の粘度を調整することが可能であり、使用特性(飛散距離)及び漏洩部分又は漏洩する可能性のある部分に対する浸透性を向上させることができる。配管用シール剤の粘度は、特に限定されるものではなく、1000cp以下、好ましくは50〜600cp程度とすることにより、液ダレし難く、作業上の使用特性が良好であるものが得られる。
そして、このような溶剤の一部又は全部が配管用シール剤の使用時、使用後において蒸発(揮発)することにより、ポリエーテル樹脂による漏洩部分の修繕作用を発揮することに寄与するものである。すなわち、適度な揮発性を有する溶剤を使用することが、配管用シール剤の浸透性及びシール性との間の調整をうまくとることができる。更には、可塑性を持たせるために、適宜、可塑剤(例えばフタル酸ジオクチル等)を、チキソ剤としては無機物質(例えば、シリカ、チタニア等のファインセラミックス微粒子等)を配管用シール剤に加えても良い。
本発明に係る配管用シール剤は、直接刷毛などで漏洩箇所に塗布したり含浸させたりして使用することが可能であるのは勿論のこと、スプレーシール工法にて使用すること、すなわち、配管内に噴射することができる配管用シール剤として使用することが可能であるものである。かかる配管用シール剤に、適宜噴射剤を配合することにより、ポリエーテル樹脂と溶剤と噴射剤とを含有する配管用シール剤を、スプレー用缶に充填させてある配管用シール剤スプレー缶を得ることができる。
本発明において使用される噴射剤としては、特に制限されず、公知の噴射剤を使用することが可能である。噴射剤としては、公知の各種の液化ガス、例えば、液化ジメチルエーテル(DME)、液化石油ガス(特に、液化プロパン)、高圧ガス(例えば、窒素等)を、単独で又は混合物として使用することが可能である。かかる噴射剤の使用量は、特に限定されないが、配管用シール剤の特性(粘度、浸透性、速シール性等)を考慮し、かつ使用時に必要とされる特性(飛散距離等)に応じて、選択することが可能である。特に、液化ガスを使用する場合には、配管用シール剤中のポリエーテル樹脂の含有量1gあたり、液化ガスの含有量は4ml/g以上、好ましくは4〜10ml/gの範囲とすることができる
そして、スプレー用缶に、ポリエーテル樹脂と溶剤と噴射剤とを共に充填することにより、その噴射特性及びシール特性等を調整することが可能である。かかるスプレー用缶における配管用シール剤の充填量については、一回の噴射で使い切る量、ポリエーテル樹脂として10〜50gとすることにより、使用時に大量の配管用シール剤が噴射されることによる弊害を回避することが可能となる。かかるスプレー用缶内の圧力、すなわち噴射圧は特に限定されず、噴射剤の種類にもより、19.6×104Pa(2kgf/cm2に相当)以上、好ましくは39.2×104Pa(4kgf/cm2に相当)以上、通常使用する場合には39.2×104Pa〜58.8×104Pa(6kgf/cm2に相当)とすることが望ましい。
かかるスプレー用缶における配管用シール剤の充填量は、修繕する配管の状況すなわち漏洩部分の位置や構造等にもよるが、配管用シール剤の飛散距離が1m以上、好ましくは2m以上、通常使用する場合には2〜3m程度となるようにすることが望ましい。かかる配管用シール剤の飛散距離は、ポリエーテル樹脂の種類や粘度等に応じて、溶剤の種類及び使用量、配管用シール剤の粘度、噴射剤の種類及び使用量、スプレー缶内への充填圧力(噴射圧)、更には適宜使用され得る可塑剤の種類及び使用量などを制御することにより調節することが可能である。
また、配管用シール剤の粘度を低く、噴射圧を高くすることにより、飛散距離を長くすることが可能である。配管用シール剤の粘度は、溶剤の使用量を増やして、低くすることが可能である。噴射圧は、スプレー用缶への噴射剤の充填量を増やすことにより、高くすることが可能である。
そして、配管の漏洩部分又は漏洩の発生する可能性のある部分に配管用シール剤を浸透させ、溶剤を蒸発させることにより、配管の漏洩を修繕又は予防することが可能である。すなわち、上述の如く構成される配管用シール剤スプレー缶を用いて、漏洩部分又は漏洩の発生する可能性のある部分を有する配管内に、配管用シール剤を加圧供給、噴射することにより、配管用シール剤からの粒子析出を利用して、漏洩部分又は漏洩の可能性のある部分である細孔に、配管用シール剤を極めて良く浸透させ、溶剤を蒸発させることが可能となる。
具体的には、家庭内ガス配管等のネジ接合部分、継手部分で、例えばガス洩れが発生した場合、又はそれが発生する可能性のある場合、以下の方法が適当である。
まず、ガス元栓を閉めた後で、ガス洩れに相当する部分に近接するコックを取り外す。次に、その開口から、配管用シール剤スプレー缶を使用して、ガス洩れ部分に向けて配管用シール剤を噴射して、ガス洩れに相当する部分に配管用シール剤を浸透させることが可能である。
かかる配管の漏洩部分又は漏洩する可能性のある部分に浸透した配管用シール剤中のポリエーテル樹脂、特に好ましくはビスフェノール類系ポリエーテル樹脂は、比較的溶剤が揮発して粘性が増加し易いため、速シール性を発揮して、好適に、配管のネジ接合部分、継手部分での漏洩部分又は漏洩の発生の可能性のある部分を修繕又は予防することができるのである。
以下に本発明の効果を確認するための具体的な実施例、比較例を示すが、本発明はこれに限定されるものではない。
◎配管用シール剤の調整
実施例1
ポリエーテル樹脂として、ビスフェノールAエチレンオキサイド付加体を用いた。具体的には、ビスフェノールAにエチレンオキサイド(以下単にEOと略称)を3モル付加させたもの(つまり、前記式(1)にて、B:ビスフェノールA,AO:EO,n=3)を用いた。
そして、このポリエーテル樹脂35gと、溶剤としてのジエチレングリコールジメチルエーテル(DEGDME) 15gと、噴射剤としての液化ジメチルエーテル(DME)250gとを、スプレー用缶に56.9×104Pa(5.8kgf/cm2に相当)の充填圧力で充填することにより、配管用シール剤スプレー缶とした。
尚、スプレー用缶としては、密閉容器に噴出管を挿入した構造で、密閉容器から突出している噴出管の頭部を押さえることによって、噴出管が開放し、内容物を噴射するスプレー缶を使用した。
この配管用シール剤の配合を図1に示す。
ポリエーテル樹脂として、ビスフェノールAエチレンオキサイド付加体を用いた。具体的には、ビスフェノールAにエチレンオキサイド(以下単にEOと略称)を3モル付加させたもの(つまり、前記式(1)にて、B:ビスフェノールA,AO:EO,n=3)を用いた。
そして、このポリエーテル樹脂35gと、溶剤としてのジエチレングリコールジメチルエーテル(DEGDME) 15gと、噴射剤としての液化ジメチルエーテル(DME)250gとを、スプレー用缶に56.9×104Pa(5.8kgf/cm2に相当)の充填圧力で充填することにより、配管用シール剤スプレー缶とした。
尚、スプレー用缶としては、密閉容器に噴出管を挿入した構造で、密閉容器から突出している噴出管の頭部を押さえることによって、噴出管が開放し、内容物を噴射するスプレー缶を使用した。
この配管用シール剤の配合を図1に示す。
実施例2
ビスフェノールAにプロピレンオキサイド(以下単にPOと略称)を付加させたこと以外は、実施例1と同様にして行った。その配合を図1に示す。
ビスフェノールAにプロピレンオキサイド(以下単にPOと略称)を付加させたこと以外は、実施例1と同様にして行った。その配合を図1に示す。
実施例3
ポリエーテル樹脂として、ビスフェノールフルオレンにPOを6モル付加させたもの(前記式(1)にて、B:ビスフェノールフルオレン,AO:PO,n=6)を、溶剤として、エチレングリコールジメチルエーテル(EGDME)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして行った。その配合を図1に示す。
ポリエーテル樹脂として、ビスフェノールフルオレンにPOを6モル付加させたもの(前記式(1)にて、B:ビスフェノールフルオレン,AO:PO,n=6)を、溶剤として、エチレングリコールジメチルエーテル(EGDME)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして行った。その配合を図1に示す。
実施例4
ポリエーテル樹脂として、ビスクレゾールフルオレンにPOを付加させたこと以外は、実施例3と同様にして行った。その配合を図1に示す。
ポリエーテル樹脂として、ビスクレゾールフルオレンにPOを付加させたこと以外は、実施例3と同様にして行った。その配合を図1に示す。
実施例5
ポリエーテル樹脂として、ビスフェノールフルオレンにEOを付加させたこと以外は、実施例3と同様にして行った。その配合を図1に示す。
ポリエーテル樹脂として、ビスフェノールフルオレンにEOを付加させたこと以外は、実施例3と同様にして行った。その配合を図1に示す。
実施例6
ポリエーテル樹脂として、ビスクレゾールフルオレンにEOを付加させたこと以外は、実施例3と同様にして行った。その配合を図1に示す。
ポリエーテル樹脂として、ビスクレゾールフルオレンにEOを付加させたこと以外は、実施例3と同様にして行った。その配合を図1に示す。
比較例1
従来のアクリル樹脂を主剤とする配管用シール剤の一例として、市販のアクリル樹脂系シール剤スプレー缶(大阪瓦斯(株)製、アクリル系モノマー/LPG(液化プロパンガス)+DME、充填圧力47.1×104Pa(約4.8kg/cm2に相当)、充填量(アクリル系モノマー質量換算45g))を使用した。
従来のアクリル樹脂を主剤とする配管用シール剤の一例として、市販のアクリル樹脂系シール剤スプレー缶(大阪瓦斯(株)製、アクリル系モノマー/LPG(液化プロパンガス)+DME、充填圧力47.1×104Pa(約4.8kg/cm2に相当)、充填量(アクリル系モノマー質量換算45g))を使用した。
◎配管用シール剤の評価
(1)模擬配管の作製及び試験方法
呼び径1Bのソケットを使用して呼び径1Bのガス鋼管2本をネジ込み接続し、ネジの間隙には市販の樹脂コンパウンドを充填した。ネジ込み接続した後で、ネジを緩めること(実環境より厳しい条件にすること)により、ネジ接合部分に洩れのあるネジ接合ユニット(全長約30cm)を作製した。各ユニットは、実環境で考えられるガス漏洩量(5ml/分以下)より大きいガス漏洩量を有していた。
呼び径1Bのソケットを使用して呼び径1Bのガス鋼管2本をネジ込み接続し、ネジの間隙には市販の樹脂コンパウンドを充填した。ネジ込み接続した後で、ネジを緩めること(実環境より厳しい条件にすること)により、ネジ接合部分に洩れのあるネジ接合ユニット(全長約30cm)を作製した。各ユニットは、実環境で考えられるガス漏洩量(5ml/分以下)より大きいガス漏洩量を有していた。
実験台上に、透明な樹脂製管を使用して、ネジ部分に洩れのあるネジ接合ユニットを一端から1m(ユニット1)と2m(ユニット2)の所に設置した全長30mの模擬配管を2系列作製した。その実験台を真上から見た図を図2に示す。スプレー管の噴出管に接続した噴射ノズルを、模擬配管のユニット1側の端部の開口に噴射治具を使用して固定した状態で、配管用シール剤を噴射させて、ネジ接合ユニットの漏洩部分をシールした。尚、作業温度雰囲気は常温で行った。
実施例1〜6の各配管用シール剤については、スプレー缶内の配管用シール剤を全量噴射させた。比較例1の配管用シール剤については、充填量の1/3(アクリル系モノマー質量換算で約15g)となるように噴射時間(3秒)を設定した。
尚、確かに各実施例の配管用シール剤を用いたときには、皮膚に配管用シール剤が付着してもかぶれたりすることなく、安全に作業を行うことができた。
尚、確かに各実施例の配管用シール剤を用いたときには、皮膚に配管用シール剤が付着してもかぶれたりすることなく、安全に作業を行うことができた。
(2)飛散距離評価
上記(1)に示した試験方法により、実施例1〜6及び比較例1の各配管用シール剤を噴射した際における、夫々の配管用シール剤の飛散距離を測定し、シール可能範囲の広さを評価した。その結果を、図3に示す。
図3からわかるように、各実施例とも比較例1とほぼ同等以上の飛散距離を示し、配管内のシール可能範囲は十分満足できるものであった。
尚、図には示さないが、別途噴射剤の使用量のみを変えて試験を行ったところ、噴射剤の使用量により、飛散距離が異なることが確認でき、噴射剤の使用量を調節することにより配管用シール剤の飛散距離を制御することができ、商品化の際に、所望の飛散距離及び充填量に応じて、必要な大きさのボンベを選択することができる。
上記(1)に示した試験方法により、実施例1〜6及び比較例1の各配管用シール剤を噴射した際における、夫々の配管用シール剤の飛散距離を測定し、シール可能範囲の広さを評価した。その結果を、図3に示す。
図3からわかるように、各実施例とも比較例1とほぼ同等以上の飛散距離を示し、配管内のシール可能範囲は十分満足できるものであった。
尚、図には示さないが、別途噴射剤の使用量のみを変えて試験を行ったところ、噴射剤の使用量により、飛散距離が異なることが確認でき、噴射剤の使用量を調節することにより配管用シール剤の飛散距離を制御することができ、商品化の際に、所望の飛散距離及び充填量に応じて、必要な大きさのボンベを選択することができる。
(3)シール性能評価
上記(1)に示した試験方法により、実施例1〜6及び比較例1の各配管用シール剤を噴射し、漏洩部分をシールする前後のガス漏洩量(ゲージ圧降下量)を測定し、シール性能を評価した。
その結果として、配管用シール剤をスプレー(噴射)した直後(30分後)のゲージ圧降下量を、配管用シール剤をスプレーする前(初期)のゲージ圧降下量とともに、図3に示す。
上記(1)に示した試験方法により、実施例1〜6及び比較例1の各配管用シール剤を噴射し、漏洩部分をシールする前後のガス漏洩量(ゲージ圧降下量)を測定し、シール性能を評価した。
その結果として、配管用シール剤をスプレー(噴射)した直後(30分後)のゲージ圧降下量を、配管用シール剤をスプレーする前(初期)のゲージ圧降下量とともに、図3に示す。
図3からわかるように、各実施例とも比較例と同様に、スプレー直後に漏洩部分をシールすることができることが確認され、十分満足できる速シール性を有していた。
そして、図には示さないが、別途、実施例1〜6及び比較例1の各接合ユニットを、以下の条件1)から4)で冷熱繰り返しを行った後のゲージ圧降下量を測定した。尚、比較例1のアクリル樹脂を主剤とする配管用シール剤は、嫌気性であるためシールした後、5時間後より、各ネジ接合ユニットに13Aガスを封入した。
1)―20℃で1時間保持、2)―20℃から80℃へ2時間で移動、3)80℃で1時間保持、4)80℃から―20℃へ2時間で移動。
すると、各実施例とも、約1ヶ月(25日間)後においても、また、冷熱繰り返しを行っても、ガス洩れ量の変化はほとんどなく、比較例1と同等以上のシール性能を有しており、シール性能が十分満足できるものであることを確認できた。
1)―20℃で1時間保持、2)―20℃から80℃へ2時間で移動、3)80℃で1時間保持、4)80℃から―20℃へ2時間で移動。
すると、各実施例とも、約1ヶ月(25日間)後においても、また、冷熱繰り返しを行っても、ガス洩れ量の変化はほとんどなく、比較例1と同等以上のシール性能を有しており、シール性能が十分満足できるものであることを確認できた。
以上の評価結果より、確かに本発明に係る発明の作用効果を確認することができ、殊に、ビスフェノール類(B)にアルキレンオキサイド(AO)を付加させるにあたって、好ましくはn=2〜10、より好ましくはn=3〜6とすれば、配管用シール剤が、漏洩部分に一層浸透し易く、しかもその浸透した配管用シール剤の粘性が短時間で増加し易く、漏洩部分に付着維持され易いため、速シール性を期待できるとともに、そのシール性を長期間維持することができ、特に特性がスプレーシール工法に用いるのに非常に適したものとなる。
〔別実施形態〕
以下に他の実施形態を説明する。
〈1〉以上の実施形態では、殊に配管用シール剤を配管内に噴射することにより漏洩部分又は漏洩の可能性のある部分に浸透させる形態について説明したが、そのような方法に限らず、本発明に係る配管用シール剤を、例えば、漏洩部分又は漏洩の可能性のある部分に、配管の外面側から噴射したり、或いは、覆うように塗布したりして、漏洩部分又は漏洩の可能性のある部分に浸透させても良いのはいうまでもない。
以下に他の実施形態を説明する。
〈1〉以上の実施形態では、殊に配管用シール剤を配管内に噴射することにより漏洩部分又は漏洩の可能性のある部分に浸透させる形態について説明したが、そのような方法に限らず、本発明に係る配管用シール剤を、例えば、漏洩部分又は漏洩の可能性のある部分に、配管の外面側から噴射したり、或いは、覆うように塗布したりして、漏洩部分又は漏洩の可能性のある部分に浸透させても良いのはいうまでもない。
Claims (5)
- ポリエーテル樹脂を含有する配管用シール剤。
- 前記ポリエーテル樹脂が、ビスフェノール類系ポリエーテル樹脂である請求項1記載の配管用シール剤。
- 前記ビスフェノール類系ポリエーテル樹脂は、ビスフェノール類(B)にアルキレンオキサイド(AO)を付加させた
H―(AO)n―B―(AO)n―H (ただし、nは1以上の整数)
という構造を有する樹脂である請求項2記載の配管用シール剤。 - 請求項1〜3のいずれかに記載の配管用シール剤と、溶剤と噴射剤とを、スプレー用缶に充填させてある配管用シール剤スプレー缶。
- 請求項4に記載の配管用シール剤スプレー缶を用いて、配管用シール剤を配管内に噴射することにより、その配管用シール剤を、配管に形成された漏洩部分又は漏洩の発生する可能性のある部分に浸透させる配管修繕方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003311119A JP2005075999A (ja) | 2003-09-03 | 2003-09-03 | 配管用シール剤及び配管用シール剤スプレー缶及び配管修繕方法 |
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009155251A (ja) * | 2007-12-26 | 2009-07-16 | Osaka Gas Co Ltd | フルオレン骨格を有するアルコール |
JP2009155252A (ja) * | 2007-12-26 | 2009-07-16 | Osaka Gas Co Ltd | フルオレン骨格を有するアルコール |
JP2011007308A (ja) * | 2009-06-29 | 2011-01-13 | Mitsubishi Heavy Ind Ltd | 配管補修方法 |
-
2003
- 2003-09-03 JP JP2003311119A patent/JP2005075999A/ja active Pending
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