JP2005073707A - 画像信号処理装置を有する内視鏡システム - Google Patents

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Abstract

【課題】スコープで撮像された被写体の画像信号と、キーボードなどで入力された患者の識別情報の画像信号とを、重ね合わせることなく別々にコンピュータに出力する。
【解決手段】内視鏡システムが撮像素子を有するスコープを備えると共に、患者の識別情報を入力する入力装置を備える。スコープと入力装置とがプロセッサに接続され、撮像素子によって得られた画像信号に基づく第1電気信号と入力装置によって入力された第2電気信号とを、接続される周辺機器に対応する信号として出力するプロセッサを備える。プロセッサに接続されるコンピュータを介して、画像信号に基づく被写体像を表示するコンピュータ用モニタを備える。プロセッサは、第1電気信号に基づく第1画像信号と、第2電気信号に基づく第2画像信号を、別々に、コンピュータに出力する。
【選択図】 図4

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、内視鏡システムに関し、特に撮像された画像信号と入力されたデータ信号とをコンピュータに送信する画像信号処理装置を有する内視鏡システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
体腔内の観察や医療処置を行う等、医療用分野で広く用いられている内視鏡システムは、CCDなどの撮像素子を有する電子スコープと、キーボードなど患者の氏名などの識別情報などを入力する入力装置と、電子スコープで撮像した信号をTVモニタなど周辺機器で対応可能な映像信号として出力するプロセッサと、出力した映像信号に基づいて画面表示を行うTVモニタなどから構成される。
【0003】
プロセッサとモニタ間で伝達される映像信号は、アナログRGBコンポーネント信号、Y/C分離信号やNTSC(コンポジットビデオ)信号などのアナログ信号で行われていた。患者の識別情報については、入力装置から入力された信号をキャラクタ信号である画像信号として、プロセッサ内にあるOSD(on screen display)回路などで、アナログの被写体の画像信号に重ね合わせていた。従って、TVモニタには、識別情報の付加された映像信号が表示される。
【0004】
従来の内視鏡システムでは、比較的画素数の少ない撮像素子がスコープに使われており、モニタの画面サイズを十分に使い切れるだけの画像情報を被写体から撮像することは出来なかった。そのため、キャラクタ信号である画像信号を重ね合わせても、被写体の画像信号の表示領域と干渉することなく、モニタの一定の表示領域に撮像された被写体の画像情報が表示され、残る表示領域に識別情報が表示されていた。図1の示す左側の白い領域が、被写体の画像信号を表示する領域であり、右側の白い領域が識別情報などの画像信号を表示する領域である。図1は、従来の内視鏡システムにおいて、撮像画素数の少ないスコープで撮像された被写体画像を1つ、後述するTVモニタ50に相当するモニタで表示した例を示す図である。白い領域の周りの斜線領域までが、モニタの表示領域である。
【0005】
近年、技術が進歩し、撮像可能画素数の多い撮像素子がスコープに使われるようになった。この場合、撮像された被写体の画像信号は、モニタの表示領域のほとんどの部分に表示され、キャラクタ信号である画像信号は、被写体の画像信号の表示領域に干渉する形で、識別情報が重ね合わされて表示されていた。図2に示す白い領域の中央部分の領域は、被写体の画像信号だけが表示されるが、上端や下端の領域においては、被写体の画像信号の上に識別情報などの画像信号が重ね合わされて表示されている。図2は、近年の内視鏡システムにおいて、撮像画素数の多いスコープで撮像された被写体画像を1つ、後述するTVモニタ50に相当するモニタで表示した例を示す図である。重ね合わされた領域については、被写体の画像信号は見えない。
【0006】
そのため、被写体画像をモニタ画面いっぱいに大きく表示できるので、被写体の画像については見やすくなるメリットがあったが、患者の識別情報は、被写体画像の上に重ねて表示されるため見にくくなるディメリットがあった。
【0007】
近年、デジタル映像信号出力機能の付いたプロセッサが開発されている。ここでのモニタは表示画素数の比較的多い高精細ディスプレイで且つデジタル信号入力の付いたコンピュータ用モニタが使われており、コンピュータを介して接続することにより、表示された画像をさらにファイリングソフトなどでレイアウトアレンジすることが可能である。
【0008】
表示画素数の多いコンピュータ用モニタは、図2のような画面表示の他、使用されるコンピュータソフト次第では、図3のように、複数の被写体画像を一度に表示することも可能である。図3は、近年の内視鏡システムにおいて、撮像画素数の多いスコープで撮像された被写体画像を4つ、後述するコンピュータ用カラーモニタ70に相当するモニタで表示した例を示す図である。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、デジタルで画像信号が出力される場合でも、患者の識別情報に対応するキャラクタ信号である画像信号が、被写体画像の上に重ね合わせされた状態で出力されるため、患者の識別情報が見にくくなるディメリットは解消されていない。特に、図3のように、上記コンピュータソフトにより1人の患者に関する複数の被写体画像を一度に表示する場合には、同じ患者の識別情報が複数表示されるので、大変煩わしく感じられる。
【0010】
本発明の目的は、スコープで撮像された被写体の画像信号と、キーボードなどで入力された患者の識別情報に対応するキャラクタ信号などの画像信号とを、重ね合わせることなく別々にコンピュータに出力することを可能にする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するため、本発明の画像信号処理装置を有する内視鏡システムは、撮像素子を有する電子スコープと、患者の識別情報を入力する入力装置と、電子スコープ及び入力装置と接続され、撮像素子によって得られた第1電気信号と入力装置によって入力された第2電気信号とを、接続される周辺機器に対応する画像信号として出力するプロセッサと、プロセッサに接続されるコンピュータを介して、画像信号に基づく画像を表示するコンピュータ用モニタとを備え、画像信号のうち、第1電気信号に基づく第1画像信号と、第2電気信号に基づく第2画像信号を、別々に、コンピュータに出力する。
【0012】
好ましくは、第1、第2画像信号はデジタル信号であり、第1画像信号を一時記憶する画像メモリと、第2画像信号を一時記憶するRAMと、記憶した第1、第2画像信号をコンピュータにデータ送信するデジタル信号送信回路とを有する。
【0013】
さらに、好ましくは、電子スコープで撮像している被写体像の静止画像が画像メモリに記憶される。
【0014】
さらに、好ましくは、静止画像の一時記憶が、フリーズ信号入力により行われる。
【0015】
また、好ましくは、第2画像信号は、文字情報を表示するための信号で構成される。
【0016】
さらに、好ましくは、文字情報を表示するための信号は、アスキーコードで構成される。
【0017】
また、好ましくは、第1画像信号の出力と、第2画像信号の出力は、1つの操作の中で行われる。
【0018】
【発明の実施の形態】
本発明の実施形態について説明する。図4に示すように、本実施形態に係る内視鏡システムは、電子スコープ10と、カラープロセッサ20と、キーボード40と、TVモニタ(又はビデオモニタ)50、コンピュータ(又はパソコン)60及びコンピュータ用カラーモニタ70から構成される。電子スコープ10は、その先端部分が被写体のある体腔内に挿入され、カラープロセッサ20の制御により、体腔内の被写体を撮像する。カラープロセッサ20は、被写体の撮像により得られた画像信号などを、TVモニタ50、コンピュータ60などの周辺機器に対応する映像信号として出力する。キーボード40は、カラープロセッサ20の制御と使用者の操作により、患者の氏名などの識別情報を入力する。TVモニタ50は、入力された映像信号に基づいて被写体像を表示する。コンピュータ60は、出力された画像信号を静止画像として記憶及びコンピュータ用カラーモニタ70に表示する。
【0019】
電子スコープ10とカラープロセッサ20、キーボード40とカラープロセッサ20、カラープロセッサ20とTVモニタ50、カラープロセッサ20とコンピュータ60、コンピュータ60とコンピュータ用カラーモニタ70とは、それぞれ着脱自在に接続される。
【0020】
電子スコープ10は、CCDなどの撮像素子を有する撮像部11と、図示しない暗い体腔内の被写体を照明する照明用レンズを有する照明部(図示せず)とを有する。照明部は被写体に後述する光源30からの適度な照明光量を被写体に与え、撮像部11は照明された被写体を撮像し電気信号に変換する。
【0021】
また、電子スコープ10は、第1信号処理回路15、マイコン16、EEPROM17とを有する。第1信号処理回路15は、撮像部11にある撮像素子を駆動するCCDドライバを有する。また、第1信号処理回路15は、電子スコープ10の撮像部11で得られた画像信号についてのノイズ低減を施すCDS回路を有する。これらの制御は、マイコン16、EEPROM17を介して、後述するカラープロセッサ20のタイミングコントロール回路22が出力するクロックパルスに従って、システムコントロール回路21が行う。EEPROM17には、電子スコープ10の特性に関連するデータがあらかじめ記憶されている。
【0022】
カラープロセッサ20は、システムコントロール回路21、タイミングコントロール回路22、第2信号処理回路23、OSD回路24とを有する。システムコントロール回路21は、CPU21aとRAM21bとを有し、内視鏡全体の操作などの制御やデータ信号の一時記憶を行う。特にCPU21aは、後述するキーボード40からの入力信号を、キャラクタ信号などの画像信号として、RAM21bに一時記憶させる。タイミングコントロール回路22は、各部にクロックパルスや同期信号などを出力し、各処理タイミングを調整する。第2信号処理回路23は、A/Dコンバータ23aと、画像信号処理部23bと、D/Aコンバータ23cとを有し、撮像部11で得られた画像信号を、TVモニタ50などの周辺機器に対応する画像信号に変換する。OSD回路24は、第2信号処理回路23からの被写体の画像信号に、後述するキーボード40で入力された信号に対応したキャラクタ信号である画像信号を重ね合わせし、アナログRGBコンポーネント信号などのアナログ信号で重ね合わせした映像信号をTVモニタ50に伝達する。
【0023】
また、カラープロセッサ20は、画像メモリ25、USB回路26とを有する。画像メモリ25は、第2信号処理回路23における画像信号処理部23bでコンピュータ60に対応する画像信号に変換されたデジタル信号について、コンピュータ60に送信する際に、その静止画像を一時記憶する。USB回路26は、画像メモリ25などに一時記憶されたデジタル信号についてコンピュータ60にデータ送信を行うデジタル信号送信回路である。USB回路26は、コンピュータとデータ送信を行うためのシリアルポートを有する。
【0024】
また、カラープロセッサ20はフロントパネル27上に、静止画を取得するためのフリーズ指示スイッチ28を有する。このスイッチ入力に対応する出力信号は、CPU21aに入力される。
【0025】
また、カラープロセッサ20は、ランプ31、ランプ電源32、ランプ制御部33、絞り34、ペリフェラルコントロール35を含む光源部30を有しており、図示しないライトガイド(光ファイバ・バンドル)を介して、電子スコープ10の照明部に光を伝達する。ランプ31の光量や絞り34の制御は、ペリフェラルコントロール35を介してシステムコントロール回路21が行う。
【0026】
キーボード40は、患者の識別情報などを入力する入力装置である。使用者が、被写体画像に対応する患者の氏名などの識別情報はキーボード40を使って入力する。キーボード入力電気信号は、システムコントロール回路21を介して、周辺機器に対応するキャラクタ信号などの画像信号として、OSD回路24またはUSB回路26に送られる。
【0027】
TVモニタ50は、アナログの映像信号を取り込んで表示することが可能な市販のカラーモニタであり、カラープロセッサ20のOSD回路24からの映像信号に基づいて被写体像を画面に表示する。
【0028】
コンピュータ60は、デジタル信号を取り込むことが可能な市販のパーソナルコンピュータなどであり、デジタルの画像信号などが、USB回路26を介してデータ送信される。
【0029】
コンピュータ用カラーモニタ70は、コンピュータ60を介して処理された信号を表示する市販の高精細カラーモニタであり、USB回路26から送られた画像信号などを、適当なレイアウトで画面表示する。
【0030】
内視鏡システムの、各部の動作を説明する。
【0031】
体腔内にある被写体は、システムコントロール回路21の制御の下、電子スコープ10で撮像される。撮像の際には、光源部30からの照明で、被写体に一定の照明光量が与えられる。
【0032】
撮像された電気信号は、第1信号処理回路15、第2信号処理回路23によってTVモニタ50などに対応する画像信号に変換される。
【0033】
患者の氏名などの識別情報は、使用者がキーボード40に文字などを入力することで、キーボード入力電気信号がシステムコントロール回路21に送られる。送られたキーボード入力電気信号に対応する画像信号は、システムコントロール回路21にあるRAM21bに一時的に記憶される、または、後述するOSD回路26に、キャラクタ信号として送られる。
【0034】
TVモニタ50に表示する場合、被写体の画像信号は、第2信号処理回路23内にあるD/Aコンバータ23cでアナログ信号に変換されてから、OSD回路24に送られる。一方、キーボード入力電気信号は、CPU21aでキャラクタ信号に変換され、OSD回路24に送られる。OSD回路24は、被写体画像である画像信号上に、キャラクタ信号を重ね合わせする。重ね合わせされた画像信号は、アナログRGBコンポーネント信号などアナログ信号でTVモニタ50に送られる。TVモニタ50は、これを表示する。
【0035】
一方、コンピュータ60にデータ送信し、コンピュータ用カラーモニタ70に表示する場合、被写体の画像信号は、第2信号処理回路23内にあるD/Aコンバータ23cでアナログ信号に変換されず、画像信号処理部23bからデジタル信号のまま画像メモリ25に一時記憶される。このとき、記憶される被写体の画像信号は、静止画像である。どの時点の静止画像を記憶させ、コンピュータ60に伝達させるかのタイミングについては、フリーズ指示スイッチ28の押下という静止画の取り込み指示により行う。これにより、フリーズ信号がCPU21aに出力され、CPU21aが各部に対応する制御を行う。静止した画像とするのは、コンピュータ60にデータ送信する容量を少なくし処理速度を速める効果を得るためである。
【0036】
続けて、被写体の画像信号及びキーボード入力電気信号に対応する画像信号をコンピュータ60に伝達する。一時記憶された被写体の画像信号は、キーボード入力電気信号に対応した画像信号と重ね合わされることなく、USB回路26に送られる。一方、キーボード入力電気信号は、CPU21aが、対応する画像信号として、RAM21bに一時記憶し、USB回路26に送る。USB回路26は、被写体の画像信号とキーボード入力電気信号に対応する画像信号を別々にデジタル信号でコンピュータ60にデータ送信する。データ送信された信号はコンピュータ60の画像処理ソフトなどによって適当なレイアウトにアレンジされる。コンピュータ用カラーモニタ70はこれを表示する。キーボード入力電気信号に対応する画像信号は、所定の文字情報などに変換可能なアスキーコードで構成されるので、コンピュータ60に送信された後、コンピュータ用カラーモニタ70で表示可能な文字情報などに変換するのが容易である。
【0037】
上記レイアウトのアレンジは、コンピュータにインストールされている専用の画像ファイリングソフトが使われ、被写体を撮像した画像を表示する領域と、キーボード入力された文字情報などを表示する領域を適当な位置関係に設定する。
【0038】
撮像した被写体の画像信号と、キーボード入力電気信号に対応する画像信号が、コンピュータ60にデータ送信される流れを、図5〜7に示すフローチャートで説明する。図5は、第2信号処理回路23で変換された被写体の画像信号についてCPU21aが行う処理の流れを、図6は、キーボード入力電気信号に対応する画像信号についてCPU21aが行う処理の流れを、図7は、被写体の画像信号及びキーボード入力電気信号に対応する画像信号についてUSB回路26が行う処理の流れを示す。
【0039】
被写体の画像信号について、CPU21aが行う処理の流れを、図5で説明する。被写体の画像信号については、使用者によりフリーズ信号入力、すなわち静止画像取り込み操作が行われると、CPU21aの制御により、各部に静止画像取り込み命令がされる。ステップS11でUSB回路26とコンピュータ60が通信処理中であるか否かを判別する。通信処理中でないことを確認すると、ステップS12で被写体の画像信号の画像メモリ25への取り込みを行う。ステップS13で取り込み完了を確認すると、ステップS14で画像メモリ25に取り込みがされた信号をコンピュータ60へ出力する命令をUSB回路26に送る。通信処理中の場合には、画像メモリ25への静止画像取り込みは行わない。
【0040】
キーボード入力電気信号について、CPU21aが行う処理の流れを、図6で説明する。使用者がキーボード40を操作することにより入力されたキーボード入力電気信号に対応する画像信号については、患者の識別情報などが入力されると、CPU21aが、これに対応する画像信号をRAM21bに一時記憶する。ステップS21で、USB回路26が受信可能な状態であるかを確認し、受信可能な状態であれば、ステップS22で、RAM21bに取り込みがされた画像信号を、USB回路26に送る。
【0041】
被写体の画像信号及びキーボード入力電気信号に対応する画像信号についてUSB回路26が行う処理の流れを図7で説明する。フリーズ信号CPU21aに入力されると、図5のフローチャートのように、画像メモリ25に被写体の画像信号が取り込まれ、CPU21aからUSB回路26に画像信号を送信する命令がされる。ステップS31で、USB回路26による制御により、カラープロセッサ20とコンピュータ60は通信処理中であると設定して、その間の画像メモリ25の更新が禁止される。ステップS32で、画像メモリ25からUSB回路26に被写体の画像信号が取り込まれ、ステップS33で、これをコンピュータ60にデータ送信する。ステップS34で、RAM21bに一時記憶されたキーボード入力電気信号に対応する画像信号がUSB回路26に送られ、これをコンピュータ60にデータ送信する。ステップS35で、データ送信終了後、カラープロセッサ20とコンピュータ60の通信処理は終了したと設定して、画像メモリ25の更新禁止状態を解除する。
【0042】
これらの流れにより、患者の体腔内にある被写体の画像信号と、患者の識別情報などのキーボード入力電気信号に対応する画像信号を別々にコンピュータ60にデータ送信することが可能になる。これらを、コンピュータのファイリングソフトなどにより、合成することで、図8のように、被写体の画像信号が表示される領域と、キーボード入力電気信号に対応する画像信号が表示される領域が分離した見易い状態で撮像結果を観察することができる。また、図9のように、ファイリングソフトの中には、同一の患者の被写体画像を複数並べて表示させるようなことも可能であるが、この場合にも、被写体画像それぞれに患者の識別情報が表示されるのではなく、画像領域と別の適当な領域に、1つだけ患者の識別情報を表示させることが可能になる。また、いずれの場合においても静止画像取り込み操作という1つの操作の中で被写体の画像信号と、キーボード入力電気信号に対応する画像信号の両方がコンピュータにデータ送信されるので、被写体の画像信号に対応する患者の識別情報が分からなくなるという問題も生じない。
【0043】
なお、本実施形態では、被写体の画像信号及びキーボード入力電気信号に対応する画像信号をコンピュータ60に送る信号はデジタル信号である場合を説明したが、TVモニタ50と同様のアナログ信号であってもよい。この場合、コンピュータに備えられたビデオキャプチャー機能などで、カラープロセッサ20から送られた被写体の映像信号について適当なタイミングで静止画像の取り込みを行い、次に、キーボード入力電気信号に対応する画像信号の取り込みを行い、コンピュータ上でこれらの表示制御を行うことで、同様の効果が得られる。
【0044】
また、USB回路26から送信される被写体の画像信号及びキーボード入力電気信号に対応する画像信号は、1つのファイルとして送信されるか複数のファイルとして送信されるかは問わない。ファイルの形式に関わらず、画像信号とキーボード入力電気信号に対応する画像信号が独立した形でコンピュータ60に送信されることができれば、本発明の効果が得られるからである。従ってデータ送信される画像信号は、ビットマップファイル形式、JPEG形式など様々なファイル形式の中から設定することができる。
【0045】
また、本実施形態では、キーボード入力信号に対応する画像信号は、文字情報に対応する信号であり、かつアスキーコードで構成されるとしたが、別の符号体系であってもよいし、文字情報だけでなく画像情報で構成されてもよい。コンピュータ60にデータ送信された後で、適当な表示レイアウトを構成することが可能だからである。
【0046】
また、USB回路26は、別のシリアルポートを有するデジタル信号送信回路であってもよい。
【0047】
また、フリーズ指示スイッチ28の押下により静止画像取り込みを行う実施形態を説明したが、別の手段、例えば、コンピュータ60にカラープロセッサ20の制御機能を持たせ、マウス等のコンピュータ用入力装置(不図示)を操作することにより、コンピュータ60から静止画像の取り込むタイミングを指示してもよい。
【0048】
患者の氏名などの識別情報の入力は、キーボード40による入力に限定されない。キーボード40による入力の代わりに、TVモニタ50の表示画面上に設けられたタッチパネルによる入力またはコンピュータ用カラーモニタ70画面上のGUI(グラフィカル・ユーザー・インターフェース)による入力や、コンピュータ60に備えられた音声認識手段によって患者の識別情報を入力してもよい。
【0049】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、スコープで撮像された被写体の画像信号と、キーボードなどで入力された患者の識別情報に対応する画像信号を、重ね合わせることなく別々にコンピュータに出力することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の内視鏡システムにおいて、撮像画素数の少ないスコープで撮像された被写体画像を1つ、TVモニタで表示した例を示す図である。
【図2】近年の内視鏡システムにおいて、撮像画素数の多いスコープで撮像された被写体画像を1つ、TVモニタで表示した例を示す図である。
【図3】近年の内視鏡システムにおいて、撮像画素数の多いスコープで撮像された被写体画像を4つ、コンピュータ用カラーモニタで表示した例を示す図である。
【図4】本発明の実施形態の内視鏡システムの全体構成図である。
【図5】本発明の実施形態において、第2信号処理回路で変換された被写体の画像信号についてCPUが行う処理の流れを示すフローチャートである。
【図6】本発明の実施形態において、キーボード入力電気信号に対応する画像信号についてCPUが行う処理の流れを示すフローチャートである。
【図7】本発明の実施形態において、被写体の画像信号及びキーボード入力電気信号に対応する画像信号についてUSB回路が行う処理の流れを示すフローチャートである。
【図8】本発明の実施形態において、撮像画素数の多いスコープで撮像された被写体画像を1つ、コンピュータ用カラーモニタで表示した例を示す図である。
【図9】本発明の実施形態において、撮像画素数の多いスコープで撮像された被写体画像を4つ、コンピュータ用カラーモニタで表示した例を示す図である。
【符号の説明】
10 電子スコープ
20 カラープロセッサ
40 キーボード
50 TVモニタ
60 コンピュータ
70 コンピュータ用カラーモニタ

Claims (7)

  1. 撮像素子を有する電子スコープと、患者の識別情報を入力する入力装置と、前記電子スコープ及び前記入力装置と接続され、前記撮像素子によって得られた第1電気信号と前記入力装置によって入力された第2電気信号とを、接続される周辺機器に対応する画像信号として出力するプロセッサと、前記プロセッサに接続されるコンピュータを介して、前記画像信号に基づく画像を表示するコンピュータ用モニタとを備え、
    前記画像信号のうち、前記第1電気信号に基づく第1画像信号と、前記第2電気信号に基づく第2画像信号を、別々に、前記コンピュータに出力することを特徴とする画像信号処理装置を有する内視鏡システム。
  2. 前記第1、第2画像信号はデジタル信号であり、前記第1画像信号を一時記憶する画像メモリと、前記第2画像信号を一時記憶するRAMと、記憶した前記第1、第2画像信号を前記コンピュータにデータ送信するデジタル信号送信回路とを有することを特徴とする請求項1に記載の内視鏡システム。
  3. 前記電子スコープで撮像している被写体像の静止画像が前記画像メモリに記憶されることを特徴とする請求項2に記載の内視鏡システム。
  4. 前記静止画像の一時記憶が、フリーズ信号入力により行われることを特徴とする請求項3に記載の内視鏡システム。
  5. 前記第2画像信号は、文字情報を表示するための信号で構成されることを特徴とする請求項2に記載の内視鏡システム。
  6. 前記文字情報を表示するための信号は、アスキーコードで構成されることを特徴とする請求項5に記載の内視鏡システム。
  7. 前記第1画像信号の出力と、前記第2画像信号の出力は、1つの操作の中で行われることを特徴とする請求項1に記載の内視鏡システム。
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