JP2005072557A - ガスレーザ発振装置 - Google Patents

ガスレーザ発振装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2005072557A
JP2005072557A JP2004109792A JP2004109792A JP2005072557A JP 2005072557 A JP2005072557 A JP 2005072557A JP 2004109792 A JP2004109792 A JP 2004109792A JP 2004109792 A JP2004109792 A JP 2004109792A JP 2005072557 A JP2005072557 A JP 2005072557A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
mode switching
laser oscillation
gas laser
switching means
gas
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2004109792A
Other languages
English (en)
Inventor
Takayuki Yamashita
隆之 山下
Tetsuji Nishimura
哲二 西村
Hitoshi Motomiya
均 本宮
Hidefumi Omatsu
英文 尾松
Tsutomu Sugiyama
勤 杉山
Nobuo Shinno
暢男 新野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Matsushita Electric Industrial Co Ltd filed Critical Matsushita Electric Industrial Co Ltd
Priority to JP2004109792A priority Critical patent/JP2005072557A/ja
Publication of JP2005072557A publication Critical patent/JP2005072557A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Lasers (AREA)

Abstract

【課題】 従来技術においては、モード切替機構が出力鏡と給気ブロックの間にあって、レーザ媒質ガスの流れから外れた部分に設けられている為、モード切替機構内のレーザ光を遮る手段がレーザ光により異常に加熱されて劣化という問題があった。
【解決手段】 モード切替手段を、放電管のレーザ媒質出口に位置する排気ブロック内に設置する。この放電管出口側のレーザ媒質ガスが流れる部分にモード切替機構を設けることによって、切替手段が冷却され、異常な温度の上昇を抑制することが出来る。
【選択図】 図1

Description

本発明は、放電管に封入したレーザ媒質を放電励起してレーザ光を発生し、レーザ光のモード次数を可変とするモード切替手段を備えたガスレーザ発振装置の技術に関するものである。
一般にガスレーザ発振器を用いた板金加工装置は薄板から厚板、または板材の種類、軟鋼、アルミニウム、ステンレス等、異なるものを無段取りで切断し、溶接できることが望まれている。
図6に従来のガスレーザ発振装置の概略構成の一例として軸流型ガスレーザ装置にモード切替手段を備えた例を示す。以下、図6を参照しながら従来のガスレーザ発振装置を説明する。
この図に於いて、131、141、151、161、171、181はそれぞれガラスなどの誘電体よりなる放電管であり、132、133、142、143,152、153、162、163、172、173、182、183はそれぞれ放電管131、141、151、161、171、181周辺に設けられた電極、斜線部134、144、154、164、174、184はそれぞれ電極132,133、142,143,152,153、162,163、172,173、182,183間に挟まれ放電空間である。本図において放電空間134,144,154,164,174,184は放電管131、141、151、161、171、181と区別するために斜線にて表わしている。
このように通常は電極にはさまれた放電管が複数本あり、放電管131、141、151、161、171、181は一点鎖線で表わしたレーザ光の光軸191、193、195のそれぞれに沿って配置される。105はほぼ全反射する終段鏡、106は部分反射する出力鏡、107、117、127、137は折り返し鏡であり、この終段鏡105,出力鏡106は折り返し鏡107、117、127、137により折り曲げられた光軸(一点鎖線で表わしている)191,192、193,194、195上に配置された全ての放電空間全体の両端に配置され、光共振器を形成している。
108は出力鏡106の内部に設けられたレーザ光のモード切替部であり、内部にレーザ光を遮る手段である遮光部材108aを有している。109は出力鏡106より出力されるレーザビームである。121,122,123の矢印はレーザガスの流れる方向を示している。111と112はそれぞれ放電管131,141,151と161,171,181にレーザ媒質ガスを分配して送り込む給気配管ブロック、113は放電管131,141,151、161,171,181から流れ出るレーザ媒質ガスを集める排気配管ブロックである。
図に示していないが、ガスレーザ装置には、放電電極に電圧を印加する高圧電源や、給気配管ブロック111,112、排気配管ブロック113に10〜30kPa程度の圧力でレーザ媒質ガスを冷却循環させる熱交換器および循環ポンプが設けられている。
以上が従来のモード切替部を備えたガスレーザ発振装置の構成であり、次にその動作について説明する。
給気配管ブロック111を通り、分配されたレーザ媒質ガス121は、放電管131内
へ導入される。この状態で電極132,133から放電エネルギーを得て励起され放電空間134に放電が発生する。放電空間134内のレーザ媒質ガスは、排気配管ブロック113に流れこみレーザ媒質ガス123となって前記循環ポンプへと戻っていく。
同様に分配されたレーザ媒質ガス121は、それぞれ放電管141、151内に、レーザ媒質ガス122はそれぞれ放電管161,171,181へ導入され、電極142,143、152,153、162,163、172,173、182,183から放電エネルギーを得て励起され放電空間144、154、164、174、184に放電が発生する。また放電空間144、154、164、174、184内のレーザ媒質ガスは、排気配管ブロック113に流れこみレーザ媒質ガス123となって前記循環ポンプへと戻っていく。
これら励起されたレーザ媒質ガスは折り返し鏡107、117,127,137でそれぞれ折り曲げながら終段鏡105および出力鏡106により形成された光共振器で共振状態となり、出力鏡106からレーザ光109が出力される。この時、モード切替部108の回転部材108aでレーザ光の一部が遮られてレーザ光の強度分布が変化するため、モードの切替が行われる。この強度分布は一般にTEM00やTEM01などで示し、モード次数と呼ばれている(例えば特許文献1参照)。
レーザ光109は、切断・溶接に代表されるレーザ加工等の用途に用いられ、モード切替機構108によってレーザ加工の対象に最適なモード形状を選択する。
特開昭60−160189公報(第2頁、第2図)
上記のような背景技術を用いた場合、モード切替部108が出力鏡106と給気配管ブロック111の間に配され、レーザ媒質ガスが流れない部分に設けられている為、モード切替機構108内のレーザ光を遮る回転部材108aがレーザ光により異常に加熱されて劣化するという問題があった。
また、レーザ媒質ガス中に浮遊する電極の粉等の微細な塵埃が給気配管ブロック111側からモード切替機構108内に混入,堆積して切替動作を阻害したり、堆積した塵埃によってレーザ光の吸収が増してレーザ光を遮る回転部材108aの温度がさらに上昇して劣化を加速させるという問題があった。
本発明は、上記のような従来の課題に鑑み、レーザ光による加熱やレーザ媒質ガス中の塵埃に影響されないモード切替を実施するガスレーザ発振装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明のガスレーザ発振装置では、モード切替手段を、放電管のレーザ媒質が排気される側に位置する排気配管ブロック内に配置する。モード切替手段は、複数の孔を有する多面体により構成し、多面体周辺をレーザ媒質ガスが円滑に流れるように各頂点部分を面取りした形状とし、レーザ光の光軸を中心軸として回転させて穴の径を切替る。またもう一方の手段として一つの孔を有する平面板から構成とし、この平板をレーザ光の光軸内に挿入することで切替える。放電管出口側のレーザ媒質ガスが集合される排気配管ブロック内にモード切り替え部を設ける事によって、回転体がレーザ媒質で冷却され、異常な温度の上昇を抑制する事が出来る。
また、モード切替手段を設置する場所は、出力鏡と終段鏡空間なる共振器の略中央また
は、略中央の他に中央部から出力鏡または終段鏡のいずれかに近づけた場所に設けられることで、レーザ光を遮る量を最小にしてモード次数の変更が可能になり、良好な低次モードを発振しつつモード切り替え手段の温度上昇を低減する効果がある。
さらに、放電管出口側にモード切り替え手段を設けられていない放電管出口側にも、レーザ光を遮ることのない形状で、外形形状がレーザ光遮光手段と略同等のダミーモード切り替え手段を設けることで各放電管内のレーザ媒質ガス流のバラツキが無くなり、安定したレーザ発振が維持できる。
回転体はレーザ光軸や放電管軸と同軸に配置する必要があるが、排気配管ブロック部に放電管を取付けるスペーサに取り付けた保持部材で支持することで、放電管の位置調整と同時に回転体の位置調整を実施することができる。また複数の回転体を回転させる連結部において回転軸方向と回転軸の傾きに動作裕度をもたせたリンク機構により円滑な回転を実現している。
回転体に設けた穴をレーザ光軸と一致させる為に、回転する回転体またはスペーサに取り付けた保持部材の少なくとも一方に、回転位置を規定する突起を設けておく。突起および突起と接する部分は、モード切り替え手段周辺のレーザ媒質の流速の最速部分に設けて、レーザ媒質ガス中の塵埃が堆積することを予防し、その表面は、回転体および保持体よりも硬度を高めてかつ平滑に加工しておくことで切替機構自体の損傷劣化が無くなる。さらに、互いに密着する磁性を帯びさせてもよい。
以上の様なモード切り替え手段における駆動装置では、回転体の回転位置を示すアーム等の表示部材を駆動装置軸に付加し、定められた回転体の回転位置に至るとアームなどの部材をロックするピンを出し入れして固定する。ピンの出し入れ状態を検出する手段を同時に備える事により、適切なロックが行なわれない場合に警報を発してモード切り替えが適切に行なわれない事を知らせ、回転体を含むモード切り替え手段の破損を防ぐ。また、駆動装置は気体により駆動する機構を用い、レーザ媒質ガスによって駆動する。
また、モード切り替え手段を、前記放電管を前記配管ブロック部に取付けるスペーサ内に設けてもよく、放電管のレーザ媒質出口側にあることでモード切替機構の安定性がさらに向上する。
これらの構成によれば、モード次数を制御する遮光部材の加熱を抑制し、遮光部材を駆動する機構への塵埃堆積が無く円滑に回転できるため、安定したモード切り替えのできるガスレーザ発振装置を実現することができる。
以上のように、本発明によると、レーザ加工機のNC装置からの指令により、厚板切断に適したレーザ光と、薄板高速高精度切断に適したレーザ光を任意に切替られるため、遮光手段の過度の温度上昇を防止するとともに、長期に遮光手段とレーザ光軸を精度良く一致させることができる。これにより、より長期に安定したレーザ加工を提供するとともに、長期的に装置の損傷を防止することができる。
以下に本発明の実施の形態を図面によって説明する。
(実施の形態)
図1から図4に本発明の実施の形態を示す。
図1は本実施の形態におけるガスレーザ発振装置の概略構成図であり、以下、図1を参照しながら説明する。
この図に於いて、31、41、51、61、71、81はそれぞれガラスなどの誘電体よりなる放電管であり、32、33、42、43,52、53、62、63、72、73、82、83はそれぞれ前記放電管周辺に設けられた電極、斜線部34、44、54、64、74、84はそれぞれ電極32,33、42,43、52,53、62,63、72,73、82,83間に挟まれた放電空間である。本図において放電空間34、44、54、64、74、84は放電管31、41、51、61、71、81と区別するために斜線にて表わしている。
このように、通常は電極にはさまれた放電管が複数本あり、放電管31、41、51、61、71、81は一点鎖線で表わしたレーザ光の光軸85、87、89のそれぞれに沿って配置される。5はほぼ全反射する終段鏡、6は部分反射する出力鏡、7、17、27、37は折り返し鏡であり、この終段鏡5,出力鏡6は折り返し鏡7、17、27、37により折り曲げられた光軸(一点鎖線で表わしている)85、86、87、88、89上に配置された全ての放電空間全体の両端に配置され、光共振器を形成している。
4は排気配管ブロック13内に設けたレーザ光のモード切替部であり、9は出力鏡6より出力されるレーザビームである。21,22,23の矢印はレーザガスの流れる方向を示している。11と12はそれぞれ放電管31,41,51と61,71,81にレーザ媒質ガスを分配して送り込む給気配管ブロック、13は放電管31,41,51,61,71,81から流れ出るレーザ媒質ガスを集める排気配管ブロックである。
図示していないが、ガスレーザ装置には、放電電極に電圧を印加する高圧電源や、給気配管ブロック11,12、排気配管ブロック13に10〜30kPa程度の圧力でレーザ媒質ガスを冷却循環させる熱交換器および循環ポンプが設けられている。
以上が実施の形態のモード切替部4を備えたガスレーザ発振装置の構成であり、次にその動作について説明する。
給気配管ブロック11を通り、分配されたレーザ媒質ガス21は、放電管31内へ導入される。この状態で電極32,33から放電エネルギーを得て励起され放電空間34に放電が発生する。放電空間31内のレーザ媒質ガスは、排気配管ブロック13に流れこみレーザ媒質ガス23となって前記循環ポンプへと戻っていく。
同様に分配されたレーザ媒質ガス21は、それぞれ放電管41,51内に、レーザ媒質ガス22はそれぞれ放電管61,71,81へ導入され、電極42,43、52,53、62,63、72,73、82,83から放電エネルギーを得て励起され、放電空間44、54、64、74、84に放電が発生する。また放電空間44,54,64,74,84内のレーザ媒質ガスは、排気配管ブロック13に流れこみレーザ媒質ガス23となって前記循環ポンプへと戻っていく。
これらの励起されたレーザ媒質ガスは折り返し鏡7,17,27,37でそれぞれ折り曲げながら終段鏡5および出力鏡6により形成された光共振器で共振状態となり、出力鏡6からレーザ光9が出力される。
排気配管ブロック13には、放電管31,41,51,61,71,81を流れて最大約150℃に加熱されたレーザ媒質が流れ込み、矢印23の方向に流出する。レーザ媒質の圧力は通常30kPa以下の負圧であり、その速度は音速の20〜50%と速い。排気配
管ブロック13の内部には、図1に示すモード切替部4を矢印48の方向から見た立体
図である図2に示すように、放電管71を取り付けるスペーサ28に固定された保持体35に、回転体29の回転軸としてベアリング47を介して、レーザ光の光軸と直角の水平線周りに回転する回転体29が配置されている。即ち、回転体29の回転軸はレーザ光の光軸と直角に交わっている。
図2に示す回転体29には2ケの異なる径の貫通穴36および貫通穴38が設けられている。ここで貫通穴36はその位置におけるレーザ光の直径と比較して充分大きな直径で、貫通穴38はレーザ光の直径より小さな直径で構成されていて、貫通穴38はレーザ光の一部を遮る手段として機能するため、以降アパーチャ38と記す。
また、回転体29はレーザ光49の光軸(一点鎖線で表わしている)に直交する面を有する多面体で構成されており、その角部46は面取りが施され、高速で流れるレーザ媒質の圧力損失とならないような工夫がなされている。回転体29の片側は図1に示すようにリンク機構と軸方向スライド機構を有する連結部材16を介して回転力発生機構24に結合されることにより、回転力発生機構24で発生した回転力が回転体29に伝達される構造となっている。
本実施の形態では回転力発生機構24に、通常は空気圧で作動するロータリアクチェータを用いているが、その駆動源にはガスレーザ発振装置に必ず供給されるレーザ媒質(He、窒素、炭酸ガスの混合気体)をレーザ発振装置内で分岐配管させて利用している。このレーザ媒質(He、窒素、炭酸ガスの混合気体)はレーザ発振装置が起動している時は常時供給されているため、専用の圧縮空気の配管を不要とし、またそれに伴うレギュレータなどの圧力調整器やフィルターなどの部材も不要とするため、ガスレーザ発振装置の余分な構成の種類を削減している。
また回転力発生機構24の軸端には少なくとも10分台の公差で仕上げられた穴19が設けられたアーム18が取付けられており、そのアーム18の回転ストローク端には回転角度を機械的に決める位置決めピン15が配置されるとともに、位置決めピン15が穴19に勘合されたことを検出する検出スイッチ14が設けられている。また、排気配管ブロック13内の、他の放電管31、61からのレーザ媒質流入部には、図2に示すように回転体29および保持体35の形状と近似したダミー部材26が配置されている。
次に、この作用について説明する。
図2に示す回転体29は、通常時は貫通穴36、すなわちその位置におけるレーザ光直径より充分大きな穴が、図1に示す光軸87に対し垂直となるように回転力発生機構24において回転トルクを発生させて停止している。この場合レーザ発振装置から出射されるレーザ光は前記背景技術で説明したレーザ光の強度分布を表わすモード次数でのTEM01と呼ばれる高次のモード次数となり、厚板切断に適したレーザ光を形成している。
次に、図2に示す回転体29が回動する動作について説明する。例えばレーザ加工機のNC装置からの指令で、レーザ発振停止状態とした後に図1に示す回転力発生機構24を作動させ、回転力発生機構24により発生したトルクは連結部材16により図2に示す回転体29に伝達され、回転体29のアパーチャ38の中心が図1に示す放電管71の中心と一致する位置まで回動し、図2に示す回転体29に設けた突起39と保持体35の当たり面が当接して回動停止する。その後、図1に示す位置決めピン15が突出してアーム18に設けられた穴19に嵌合され、検出スイッチ14により嵌合されたことを検出する。
前述のように、図2に示すアパーチャ38はレーザ光の直径よりも小さいためレーザ光
の一部を遮り、この場合外部に出射されるレーザ光は前記背景技術で説明したレーザ光の強度分布を表わすモード次数でのTEM00と呼ばれる低次のモード次数を有し、薄板の高速高精度切断に適したレーザ光を形成する。このようにして、例えばレーザ加工機のNC装置からの指令により、厚板切断に適したレーザ光と、薄板高速高精度切断に適したレーザ光を任意に切替ることができる。
ここで、アパーチャ38付近の回転体29は、レーザ光を受光して1部を遮るため瞬間的に500℃〜600℃に発熱するが、図1に示す放電管51、71から流れ込んだ高速のレーザ媒質の温度が150℃〜200℃であることから常に冷却されることになり、一定の温度以上には上昇しない。したがって、別途の冷却手段を設ける必要がなく、また背景技術のように図2で示すアパーチャ38が溶融変形することによる、加工不良やガスレーザ発振装置の損傷は発生しない。
ここで、図1に示す放電管31,41,51,61,71,81の光軸中心とレーザ光の光軸中心を一致させるため、図2に示すスペーサ28の中心はレーザ光の光軸中心と一致するようにあらかじめ位置調整される。また、アパーチャ38の中心もレーザ光の光軸中心と一致させる必要があるが、あらかじめスペーサ28の中心とアパーチャ38の中心を外部で一致させた後、スペーサ28の中心をレーザ光の光軸中心と一致させることにより、容易にその調整を行うことが可能となる。
その際、スペーサ28に保持体35を介して固定された回転体29と図1で示す回転力発生機構24の位置関係が変化するが、連結部材16は3ケの部材から構成されており、各接続部において隙間をもたせて上下方向や左右方向が自在に可動できるリンク機構と軸方向スライド機構を有するため、それらに無理な力が作用することなく回転力発生機構24が発生する回転トルクを図2に示す回転体29に伝達することができる。また、前述のように図1に示す排気配管ブロック13には高温のレーザ媒質が流れ込むため、排気配管ブロック13や回転体29および連結部材16などは、温度分布の変化により熱変形が発生する。
この場合においても、連結部材16はリンク機構と軸方向スライド機構を有するため、それらに無理な力が作用することなく回転力発生機構24が発生する回転トルクを図2に示す回転体29に伝達することができる。
また、回転体29が回転してアパーチャ38とレーザ光軸の中心が一致している状態においては、回転体29に設けた突起39と保持体35の当たり面が当接している。
万一、レーザ発振中に図1に示す回転力発生機構24に供給されるレーザ媒質の圧力が低下する等の理由により当接させる力が低下した場合、排気配管ブロック13の中を流れる高速のレーザ媒質により図2に示す回転体29の回転角度を微妙に変化させてしまう場合がある。
この場合アパーチャ38とレーザ光軸の中心がずれてしまい、ガスレーザ発振装置から出射されるレーザ光9にビーム品質が低下したりレーザ出力が低下したりして安定した品質のレーザ加工ができなくなってしまう。
さらに、大きくアパーチャ38とレーザ光軸中心がずれた場合には、アパーチャ38がレーザ光9を遮光する面積が正規配置時に対して増大し、アパーチャ38が異常に発熱することにより溶融したり、また周辺へのレーザ光散乱により部品を損傷させたりすることもある。
これらを防止するために、図1に示す位置決めピン15をアーム18に設けられた穴19へ嵌合することによりその位置を固定し、万一、レーザ発振中に回転力発生機構24に供給されるレーザ媒質の圧力が低下する等の理由により、保持力が低下した場合においても、図2に示すアパーチャ38の位置が変化しないため加工不良や装置損傷を引き起こすことはない。
また、これと同じ目的を達するためには、回転体29に設けた突起39と保持体35の当たり面が、図1に示す排気配管ブロック13の中を流れる高速のレーザ媒質により、図2に示す回転体29を回転させる力に打ち勝つことができる磁石などを回転体29に設けた突起39と保持体35に設けて、磁力を付与することでも可能である。
また、回転体29に設けた突起39と保持体35の当たり面の部分は、衝突による微小な磨耗が繰り返されることにより、アパーチャ38とレーザ光軸の中心が次第に一致しなくなってくることがあり、その場合は前記と同様に、加工不良やひどい場合はガスレーザ装置の損傷を引き起こすことがある。これを防止するために、回転体29に設けた突起39と保持体35の当たり面の部分を他の部位に対して高い硬度を有するように真空焼き入れされており、それらの磨耗を防止して長期安定加工を実現している。
また、回転体29に設けた突起39または保持体35の当たり面の部分には、図1に示す電極32,33,42,43,52,53,62,63,72,73,82,83の微小な消耗粉等が堆積することがあり、その場合も同様に図2に示すアパーチャ38とレーザ光軸の中心が次第に一致しなくなってしまう。これを防止するために、回転体29に設けた突起39と保持体35の当たり面の部分を平滑にして前記放電電極の消耗粉の付着を防止している。
さらに、回転体29に設けた突起39または保持体35の当たり面は、図1に示す排気配管ブロック13内において、流速の大きい中央部付近に配置してその堆積を防止している。これにより、アパーチャ38とレーザ光軸の中心を長期安定的に精密に一致させることにより、長期安定加工を実現している。
また、突起39も真空焼き入れしたり、突起39および突起39と接する回転体29または保持体35の接触部分の真空焼き入れされた上に窒化処理などの表面処理を施せばより好適である。
次に、図3について説明する。
図3は図2の回転体の構成を一部変更したものである。図3に示す回転体59には1ケのみの貫通穴であるアパーチャ38が設けられている。ここでアパーチャ38はレーザ光の直径より小さな直径で構成されていて、アパーチャ38はレーザ光の一部を遮る手段として機能する。従って図2の構成でアパーチャ38に対する選択は同じであるが、貫通穴36の選択に対しては、回転体58を回転させアパーチャ38をレーザ光空間から除外することで対応している。
図3示す回転体58の特徴はアパーチャ38を有する平面は回転軸と同一面に存在していることである。このことにより、回転体58に設けた突起59と保持体55の当たり面に万が一放電電極等の微小な摩耗紛が体積した場合でもアパーチャ38とレーザ光軸のズレを小さく抑えることができる。ここで、66は回転体58の面取りされた角部で、59は突起である。いずれも図2で示した面取りされた角部66や突起59に対応するものである。
回転体58の回転軸としてベアリング67を設けているが、図2に示したベアリング47とは異なり、回転体58の回転軸はレーザ光の光軸とは交わらない。
また、図3の構成では回転体58は厚みが小さいためガス流抵抗が小さく、図2を選択した場合の様にガス流を調整するためのダミー部材26を設置する必要がない。図2または図3の構成はレーザガス配管形状によりいずれかを選択する。
また、突起59も真空焼き入れしたり、突起59および突起59と接する回転体58または保持体55の接触部分の真空焼き入れされた上に窒化処理などの表面処理を施せばより好適である。
次に、モード切替手段で薄板切断用モードを選択した場合のアパーチャの配置について、図4を用いて説明する。図4(a)(b)(c)(d)(e)(f)において、出力鏡6と終段鏡5の間に形成されたレーザ光分布91と固定アパーチャ92および可動アパーチャ93、95、96の配置を示している。一般にレーザ光分布91は出力鏡6と終段鏡5の放電空間に向き合う面の曲率と出力鏡6と終段鏡5の距離によってそのレーザ光分布の形状が決まる。このレーザ光分布91は出力鏡6と終段鏡の距離の略中央にいくほどレーザ光の直径は小さくなり、出力鏡6や終段鏡5の付近にいくほどレーザ光の直径は大きくなる。
したがって例えば特開平4−298087号公報にも示されるように、アパーチャはレーザ光分布の形状に適合させたほうが、回折などの散乱光の発生が少なく、より集光性の高い高品質なレーザ光が得られることが知られている。
すなわち、図1に示す排気配管ブロック13または吸気配管ブロック11、12の合計9ケ所のモード切替手段取り付け可能位置のうちから、求められる加工性能に応じて、1個または複数個のモード切替手段を任意に配置することができる。
図5にアパーチャの選択とモード次数の相関を示す。横軸にはアパーチャの選択を、縦軸にモード次数を示している。この図からアパーチャの組合せを変更することによりモード次数を選択できることがわかる。
本発明の実施の形態におけるレーザ発振装置の概略構成図 同実施の形態における回転体の拡大立体図 同実施の形態における別の回転体の拡大立体図 同実施の形態における可動アパーチャの配置説明図 同実施の形態におけるビームモード選択説明図 従来におけるレーザ発振装置の概略構成図
符号の説明
4 モード切替部
5 終段鏡
6 出力鏡
7、17、27、37 折り返し鏡
11、12 給気配管ブロック
13 排気配管ブロック
14 検出スイッチ
15 位置決めピン
16 連結部材
18 アーム
19 穴
21、22、23 レーザ媒質の流れる方向
24 回転力発生機構
26 ダミー部材
28 スペーサ
29、58 回転体
31、41、51、61、71、81 放電管
32、33、42、43、52、53 電極
62、63、72、73、82、83 電極
34、44、54、64、74、84 放電空間
35、55 保持体
36 貫通穴
38 アパーチャ
39、59 突起
46、66 面取りされた角部
49 レーザ光
85、86、87、88、89 光軸
91 レーザ光分布
92、94 固定アパーチャ
93、95、96 可動アパーチャ


















Claims (23)

  1. レーザ媒質を放電励起してレーザ光を発生する複数の放電手段と、前記複数の放電手段の光軸上に配された少なくとも一対の光学手段と、前記複数の放電手段に接続されて前記レーザ媒質を循環する配管手段と、前記光学手段間に設けられ前記レーザ光のモード次数を切替えるモード切替手段とを備え、前記モード切替手段は前記配管手段内に設けたガスレーザ発振装置。
  2. モード切替手段は、放電手段からレーザ媒質が排気される側に設けられた請求項1記載のガスレーザ発振装置。
  3. モード切替手段は、レーザ光の光軸を中心軸として回転する請求項1または2記載のガスレーザ発振装置。
  4. モード切替手段は、径の異なる複数の貫通穴を有した請求項1から3のいずれかに記載のガスレーザ発振装置。
  5. モード切替手段は、レーザ光の光軸面に貫通穴を設けた多面体で形成され、前記多面体の頂点部分が面取りされた請求項1から4のいずれかに記載のガスレーザ発振装置。
  6. モード切替手段は、一対の光学手段の略中央に配された請求項1から請求項5のいずれかに記載のガスレーザ発振装置。
  7. 一対の光学手段の略中央に、モード切替手段または形状が前記モード切替手段と略同等でレーザ光を遮らないダミーモード切替手段を設けた請求項1から5のいずれかに記載のガスレーザ発振装置。
  8. 放電手段と配管手段とはスペーサを介して取付けられ、モード切替手段は、前記スペーサに取り付けられた請求項1から7のいずれかに記載のガスレーザ発振装置。
  9. モード切替手段は、回転するシャフトを設けた回転体から成り、前記シャフトと前記回転体とを回転させる連結手段がリンク機構である請求項1から8のいずれかに記載のガスレーザ発振装置。
  10. 回転体と前記回転体を保持する保持部材の少なくとも一方に、突起部を設けた請求項9記載のガスレーザ発振装置。
  11. 突起部と回転体、または突起部と保持部材が、互いに吸着する磁性体で形成された請求項10に記載のガスレーザ発振装置。
  12. 突起部、及び前記突起部と接する回転体または保持体の部分が、モード切替手段周辺のレーザ媒質の最速部分に設けられた請求項10または11に記載のガスレーザ発振装置。
  13. 突起部、および前記突起部と接する回転体または保持体の接触部分が、前記回転体および前記保持体よりも高硬度かつ平滑である請求項10から12のいずれかに記載のガスレーザ発振装置。
  14. モード切替手段は、回転角に応じた位置表示を行なう位置表示手段を有し、回転位置で前記位置表示手段の表示をロックし、ロック状態を検出するセンサを有した請求項1から13に記載のガスレーザ発振装置。
  15. モード切替手段は、レーザ媒質ガスによって回動する請求項1から14のいずれかに記載のガスレーザ発振装置。
  16. レーザ媒質を放電励起してレーザ光を発生する複数の放電手段と、前記複数の放電手段の光軸上に配された少なくとも一対の光学手段と、前記複数の放電手段に接続されて前記レーザ媒質を循環する配管手段と、前記光学手段間に設けられ前記レーザ光のモード次数を切替えるモード切替手段とを備え、前記放電手段は前記配管手段にスペーサを介して取付けられ、前記モード切替手段は前記スペーサ内に設けたガスレーザ発振装置。
  17. モード切替手段は、放電手段からレーザ媒質が排気される側に設けられた請求項16に記載のガスレーザ発振装置。
  18. モード切替手段はレーザ光の光軸以外を中心軸として回転する請求項1
    または2記載のガスレーザ発振装置。
  19. モード切替手段は平板に貫通穴を有した請求項1から2及び18のいずれかに記載のガスレーザ発振装置。
  20. モード切替手段は、レーザ光の光軸面に貫通穴を設けた平板で形成され、前記平板の頂点部分が面取りされた請求項1から2及び19から20のいずれかに記載のガスレーザ発振装置。
  21. 突起部、および前記突起部と接する回転体または保持体の接触部分が真空焼入れされた請求項1から12のいずれかに記載のガスレーザ発振装置。
  22. 真空焼入れした上に表面処理を施した請求項21記載のガスレーザ発振装置。
  23. モード切替手段を複数有し、その各々を独立して動作させることができる制御手段を有した請求項1から22のいずれかに記載のガスレーザ発振装置。
JP2004109792A 2003-08-07 2004-04-02 ガスレーザ発振装置 Pending JP2005072557A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004109792A JP2005072557A (ja) 2003-08-07 2004-04-02 ガスレーザ発振装置

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003288738 2003-08-07
JP2004109792A JP2005072557A (ja) 2003-08-07 2004-04-02 ガスレーザ発振装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2005072557A true JP2005072557A (ja) 2005-03-17

Family

ID=34425251

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004109792A Pending JP2005072557A (ja) 2003-08-07 2004-04-02 ガスレーザ発振装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2005072557A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
TWI459668B (zh) 極高功率雷射腔室光學改良技術
JP6145122B2 (ja) 温度調整が可能なガスレーザ発振器
JP4291287B2 (ja) レーザ装置
JP2005072557A (ja) ガスレーザ発振装置
JP5218637B2 (ja) ガスレーザ発振装置およびガスレーザ加工機
JP5653444B2 (ja) ガスレーザ装置
JP2005501400A (ja) ガス放電レーザ用の改良されたファン
JP2008221254A (ja) レーザ装置
JPS61276387A (ja) ガスレ−ザ装置
JPH0214589A (ja) レーザ発振方法及びレーザ装置
JP3607898B2 (ja) 揺動反射鏡装置
JPH10112570A (ja) 狭帯域発振エキシマレーザ
JPH0274086A (ja) ガスレーザ装置用放電管
EP3021431A1 (en) Gas laser oscillation apparatus, gas laser oscillation method, and gas laser processing machine
JP5135650B2 (ja) レーザ装置
JP2006097569A (ja) ターボ形回転機器
JP2013247260A (ja) ガスレーザ発振装置
JPH1168213A (ja) Qスイッチco2レーザ装置
WO2022009289A1 (ja) ガスレーザ装置、及び電子デバイスの製造方法
EP1732184B1 (en) Blower used for laser oscillator
JP4454065B2 (ja) レーザ加工装置
JP2010212557A (ja) ガスレーザ発振装置およびガスレーザ加工機
JP3664030B2 (ja) 放電励起ガスレーザ装置
EP1124293B1 (en) Gas laser device
JPH01253977A (ja) レーザ発振器のモード調整装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20070314

RD01 Notification of change of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7421

Effective date: 20070412

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20090303

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20090423

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20090526

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20091006