JP2005072134A - コンデンサの発熱及び容量測定方法、並びに、コンデンサの発熱及び容量測定装置 - Google Patents

コンデンサの発熱及び容量測定方法、並びに、コンデンサの発熱及び容量測定装置 Download PDF

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Abstract

【課題】コンデンサの発熱値及び容量を短時間で精度よく測定することが可能なコンデンサの発熱及び容量測定方法、並びに、コンデンサの発熱及び容量測定装置を提供する。
【解決手段】外部と熱的に遮断された領域(槽1の内部)にて、コンデンサ2に所定の電圧を印加し、コンデンサ2の温度が略一定になった時点における電流値(IX)及び発熱値(ΔTX):コンデンサ温度−周囲温度を求め、得られた電流値(IX)、発熱値(ΔTX)に基づいて、基準電流値(IC)における発熱値(ΔTC)を、下記の式(1):
ΔTC=ΔTX×IC 2/IX 2 ……(1)
により求める。
【選択図】図1

Description

本願発明は、コンデンサの発熱及び容量(静電容量)を測定する方法、及び、それに用いられる装置に関する。
インバーターシステムにおいて平滑用に用いられるコンデンサとしては、電解コンデンサが広く用いられており、例えば図6に示すように、コンデンサ本体を過大電流から防護するための回路素子を備えたコンデンサ(電解コンデンサ)が提案されている。
すなわち、このコンデンサ(電解コンデンサ)は、外部回路と接続する陽極側及び陰極側の外部端子54,56を備えたコンデンサ本体52と、このコンデンサ本体52と熱的に結合されてコンデンサ本体52の発熱を検出する検温手段60と、外部端子54,56間に接続されて検温手段60の検温に応じコンデンサ本体52に対して側路を形成する回路素子58とを備えている。
このように構成されたコンデンサ(電解コンデンサ)において、外部回路などから定格電圧を越える過大電圧が加えられ、定格電流を越える過大電流が流れると、コンデンサ本体52が発熱し、検温手段60によって発熱温度が検出され、検温手段60に生じた電気的な変化が回路素子58に加えられる。そして、検温手段60がコンデンサ本体52の異常温度を検出しているときに、回路素子58が導通状態に移行し、コンデンサ本体52の発熱の原因である過大電流が、コンデンサ本体52と側路を構成する回路素子58に分流される。その結果、コンデンサ本体52に流れる電流が軽減され、過大電流からコンデンサ本体52が防護されることになる。
一般に、印加される交流電流によりコンデンサは発熱し、その熱により自らの寿命を縮めることになる。そのため、要求される製品寿命を確保し、許容電流量や設計容量(静電容量)値を保証するためには、インバーターシステムなどにおいて実際に用いられる際の、電流や電圧などの条件に応じた発熱量を正確に把握し、それに基づいた設計を行うことが必要となる。
ところで、コンデンサに一定の交流電流を印加してコンデンサを発熱させることにより発熱値(コンデンサ温度と周囲温度との差(ΔTX))を測定するにあたっては以下に説明するような問題点がある。
(1)印加電流の変化による発熱値の変化
コンデンサの発熱値を測定するために、コンデンサに交流電流を印加して発熱させた場合の発熱値(ΔT)は一般にΔT∝ESR(等価直列抵抗)×I2として表わされ、電流Iの2乗に比例するため、発熱値は電流値により敏感に変化する。通常は、交流電源の出力を一定にして測定を行うが、容量の温度特性のあるコンデンサでは発熱による温度上昇により容量が変化すると同時に、インピーダンスも変化して、印加される電流値が変化する。したがって、正確な発熱値を測定するためには、電流値の変化に合わせて交流電源の出力を調整することが必要になる。しかし、交流電源の出力を調整して電流値の調整を行うと、コンデンサの温度が安定するまでにさらに時間を必要とし、測定に必要な時間が長くなるという問題点がある。また、交流電流を一定に保つフイードバックシステムを備えた交流電源を用いても、コンデンサの容量変化が大きい場合には、交流電源による電流補正(電流変化)の幅が大きく、安定するまでに長い時間を要し、測定時間が長くなるという問題がある。
(2)周囲温度の変化による発熱値の変化
また、槽の温度を一定に保ち、コンデンサに交流電流を印加して、発熱させた場合、コンデンサの発熱により槽内の周囲温度が上昇し、それに伴ってコンデンサの温度も上昇するため、コンデンサ温度が安定するまでに時間を要し、測定時間が長くなるという問題点がある。また、周囲温度の変化によるコンデンサ温度の揺らぎにより、上記(1)で述べた電流値の変化が併発し、コンデンサの温度が安定するまでにはさらに時間を要し、測定時間の延長を招くという問題がある。
特開平10−163077号公報
本願発明は、上記問題点を解決するものであり、コンデンサの発熱値及び容量を短時間で精度よく測定することが可能なコンデンサの発熱及び容量測定方法、並びに、コンデンサの発熱及び容量測定装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本願発明(請求項1)のコンデンサの発熱測定方法は、
外部と熱的に遮断された領域にて、コンデンサの温度が略一定になるようにコンデンサに所定の電圧を印加し、コンデンサの温度が略一定になった時点における電流値(IX)及び発熱値(ΔTX):コンデンサ温度−周囲温度を求めるステップと、
前記ステップにより得られた電流値(IX)及び発熱値(ΔTX)に基づいて、下記の式(1):
ΔTC=ΔTX×IC 2/IX 2 ……(1)
により、求めたい基準電流値(IC)における発熱値(ΔTC)を求めるステップと
を具備することを特徴としている。
また、本願発明(請求項2)のコンデンサの容量測定方法は、
外部と熱的に遮断された領域にて、コンデンサの温度が略一定になるように、コンデンサに所定の電圧を印加し、温度が略一定になった時点における電流値(I)、電圧値(V)及び電源周波数(f)を求めるステップと、
前記ステップにより得られた電流値(I)、電圧値(V)及び電源周波数(f)の値に基づいて、下記の式(2):
C=1/2πfV ……(2)
により、求めたい基準電流値(IC)における容量を求めるステップと
を具備することを特徴としている。
また、本願発明(請求項3)のコンデンサの発熱測定装置は、
外部と熱的に遮断された槽と、
槽内にセットされたコンデンサに交流電圧を印加するための交流電源と、
交流電源からコンデンサに印加された電流値を測定する電流計と、
コンデンサの温度を測定する温度測定手段と、
コンデンサの周囲温度を測定する周囲温度測定手段と
を具備し、
コンデンサの温度が略一定になるようにコンデンサに所定の電圧を印加し、
コンデンサの温度が略一定になった時点における電流値(IX)及び発熱値(ΔTX):コンデンサ温度−周囲温度を求め、得られた電流値(IX)及び発熱値(ΔTX)に基づいて、下記の式(1):
ΔTC=ΔTX×IC 2/IX 2 ……(1)
により、求めたい基準電流値(IC)における発熱値(ΔTC)を求めるように構成されていること
を特徴としている。
また、本願発明(請求項4)のコンデンサの容量測定装置は、
外部と熱的に遮断された槽と、
槽内にセットされたコンデンサに交流電圧を印加するための交流電源と、
交流電源からコンデンサに印加された電流値を測定する電流計と、
コンデンサの温度を測定する温度測定手段と、
コンデンサの周囲温度を測定する周囲温度測定手段と、
コンデンサの両端に加わる電圧を検出するための電圧計と
を具備し、
コンデンサの温度が略一定になるように、コンデンサに所定の電圧を印加し、温度が略一定になった時点における電流値(I)、電圧値(V)及び電源周波数(f)を求め、得られた電流値(I)、電圧値(V)及び電源周波数(f)の値に基づいて、下記の式(2):
C=1/2πfV ……(2)
により、求めたい基準電流値(IC)における容量を求めるように構成されていること
を特徴としている。
本願発明(請求項1)のコンデンサの発熱測定方法は、外部と熱的に遮断された領域にて、コンデンサに所定の電圧を印加し、コンデンサの温度が略一定になった時点における電流値(IX)及び発熱値(ΔTX):コンデンサ温度−周囲温度を求め、得られた電流値(IX)及び発熱値(ΔTX)に基づいて、基準電流値(IC)における発熱値(ΔTC)を、式(1):
ΔTC=ΔTX×IC 2/IX 2……(1)
により求めるようにしているので、基準電流値(IC)における発熱値(ΔTC)を短時間で、効率よく求めることが可能になる。
すなわち、例えば、外部と熱的に遮断された槽の温度を一定にした後、概略基準電流値付近になるようにコンデンサに電圧を印加して発熱させ、コンデンサの温度を略一定になるようにする(印加されている電流値が基準電流値といくらかずれていてもその電流値でコンデンサの発熱温度を安定させる)とともに、略一定になった電流値をIX、基準電流値(本来設定したい電流値)をIC、電流値(IX)での発熱をΔTX、基準電流値(IC)での発熱をΔTCとして、コンデンサの発熱値ΔTX(コンデンサ温度−周囲温度)を、上記式(1): ΔTC=ΔTX×IC 2/IX 2により、規定の電流が流れた場合の発熱値ΔTCに換算することにより、コンデンサが発熱して容量が変化し、規定の電流値から外れた電流値にてコンデンサの温度が安定することになるような状況下においても、その際に印加している電流値を修正することなく、そのままコンデンサの温度が略一定になるまで測定を行うだけで、規定の電流を印加した場合のコンデンサの発熱値を精度よく求めることが可能になる。
また、コンデンサ温度が上昇中で、それに伴って周囲温度が上昇し、かつ、そのときのコンデンサ温度と周囲温度を差し引いた発熱値が変化している場合であっても、上記の式(1)により、規定の電流を印加した場合のコンデンサの発熱値を精度よく求めることが可能になる。
また、本願発明(請求項2)のコンデンサの容量測定方法は、外部と熱的に遮断された領域にて、コンデンサに所定の電圧を印加し、コンデンサの温度が略一定になった時点における電流値(I)、電圧値(V)及び電源周波数(f)を求め、得られた電流値(I)、電圧値(V)及び電源周波数(f)の値に基づいて、基準電流値(IC)における容量を、下記の式(2):
C=1/2πfV ……(2)
により求めるようにしているので、基準電流値(IC)における容量(静電容量)(C)を短時間で、効率よく求めることが可能になる。
なお、本願発明のコンデンサの容量測定方法においては、測定周波数におけるコンデンサの等価直列抵抗値が、コンデンサのインピーダンス値と比較して十分に低い場合(すなわち、コンデンサのインピーダンス値が、コンデンサの等価直列抵抗値よりも十分に低い場合)に、上記の式(2)を適用することが可能であり、かかる条件を満たさない場合は、求められる容量値の精度が低下することになる。
また、本願発明(請求項3)のコンデンサの発熱測定装置は、外部と熱的に遮断された槽と、槽内にセットされたコンデンサに交流電圧を印加するための交流電源と、交流電源からコンデンサに印加された電流値を測定する電流計と、コンデンサの温度を測定する温度測定手段と、コンデンサの周囲温度を測定する周囲温度測定手段とを具備しているので、かかるコンデンサの発熱測定装置を用いることにより、コンデンサに所定の電圧を印加し、コンデンサの温度が略一定になった時点における電流値(IX)及び発熱値(ΔTX):コンデンサ温度−周囲温度を容易に求めることが可能になり、得られた電流値(IX)及び発熱値(ΔTX)に基づいて、上記の式(1)により、基準電流値(IC)における発熱値(ΔTC)を精度よく求めることが可能になる。
また、本願発明(請求項4)のコンデンサの容量測定装置は、外部と熱的に遮断された槽と、槽内にセットされたコンデンサに交流電圧を印加するための交流電源と、交流電源からコンデンサに印加された電流値を測定する電流計と、コンデンサの温度を測定する温度測定手段と、コンデンサの周囲温度を測定する周囲温度測定手段と、コンデンサの両端に加わる電圧を検出するための電圧計とを具備しているので、かかるコンデンサの容量測定装置を用いることにより、コンデンサに所定の電圧を印加し、コンデンサの温度が略一定になった時点における電流値(I)、電圧値(V)及び電源周波数(f)を容易に求めることが可能になり、得られた電流値(I)、電圧値(V)及び電源周波数(f)の値に基づいて、上記の式(2)から、基準電流値(IC)における容量を精度よく求めることが可能になる。
以下に本願発明の実施例を示して、本願発明の特徴とするところをさらに詳しく説明する。
この実施例では、インバーターシステムにおいて平滑用に用いられるコンデンサの基準電流値(IC)における発熱値及び容量(静電容量)を測定する場合を例にとって説明する。
この実施例では、基準電流値(IC)における発熱値及び容量を測定するための測定装置として、図1に示すような測定装置を用いた。
この測定装置は、外部と熱的に遮断され、内部温度を一定に保つことができるように構成された槽1と、槽1内にセットされるコンデンサ2に交流電圧を印加するための交流電源3と、交流電源3からコンデンサ2に印加された電流値を測定する電流計4と、コンデンサ2の温度及びコンデンサの周囲温度(槽1の内部温度)を測定する温度測定器5と、コンデンサの両端に加わる電圧を検出するための電圧計6とを備えている。また、この測定装置では、直流電圧を印加した状態において、基準電流値(IC)における発熱値及び容量を測定することができるように、交流電源3と並列に、直流電源7を配設するとともに、直流電源7に印加される交流電流を阻止するための交流電流阻止用コイル8を直流電源7と直列、かつ、交流電源3と並列に配設するとともに、交流電源3と直列に直流電圧阻止用コンデンサ9を配設している。
本願発明においては、槽1としては、恒温槽や恒温恒湿槽などを用いることが可能である。
また、温度測定器5としては、非接触式の温度測定器を用いることが望ましいが、熱電対などの接触式の温度測定器を用いることも可能である。なお、この実施例では、温度測定器5がコンデンサ2の温度を測定するための温度測定手段とコンデンサの周囲温度を測定するための周囲温度測定手段を兼ねているが、コンデンサの温度を測定する温度測定手段と、周囲温度を測定する周囲温度測定手段を別々に設けることも可能である。
また、交流電源3としては、コンデンサ2の容量が低下した場合に、電流出力が大きくなる特性を持つものが用いられている。
また、交流電流阻止用コイル8としては、直流電源に印加される交流電流を確実に阻止することができるように、使用する直流電源の許容できる交流電流以下となるインピーダンスを有するものを用いることが望ましい。
また、直流電圧阻止用コンデンサ9としては、発熱値及び容量を測定する対象となるコンデンサ(被検試料)に対し、容量値及び絶縁抵抗(IR)値がいずれも10倍以上のものを用いることが望ましい。
そして、上記のように構成された測定装置を用い、コンデンサ2を内部にセットした槽1の温度を所定の温度(一定温度)にした後、直流電源7により直流電圧を印加し、コンデンサ2及び直流電圧阻止用コンデンサ9の充電が終了した後、交流電源3より規定の電流値を印加し、コンデンサ2を発熱させる。
その後、連続的にコンデンサ2の温度、槽1内のコンデンサ2の周囲温度を測定し、同時に電流計4にて印加電流値を測定するとともに、電圧計6によりコンデンサ2の両端の電圧を測定する。
そして、上記測定のたびに、コンデンサの発熱値ΔTX(コンデンサ温度−周囲温度)を算出し、この発熱値ΔTXを、下記の式(1):
ΔTC=ΔTX×IC 2/IX 2 ……(1)
を用いて求めたい基準電流値(IC)における発熱値(ΔTC)を求める。
発熱測定時の発熱値 :ΔTX
発熱測定時の交流電流値 :IX
規定電流値印加時の発熱値:ΔTC
規定交流電流値 :IC
以下、具体的な測定データを示してさらに詳しく説明する。
図2は、容量・温度特性を有するコンデンサについて、直流電圧を印加した状態で発熱値を測定した場合のデータである。なお、このコンデンサの基準電流値(IC)(規定値)は交流電流1Armsであり、これを目標として、コンデンサの発熱値の測定を行った。測定は、コンデンサは1個ではなく複数個並列に接続して測定した。
図2より、交流電流印加による発熱によってコンデンサの容量が大きく低下していることがわかる。これは、測定に供したコンデンサが容量の温度特性を有するコンデンサであることによるものである。
また、測定に使用した交流電源3は、コンデンサ2の容量が低下した場合に、電流出力が大きくなる特性を持っていることから、コンデンサ2の容量低下に伴って交流電流が増加し、さらにコンデンサ2を発熱させていることがわかる。
このような状況においては、コンデンサ2の温度上昇により槽1内の周囲温度も上昇するため、実際の測定では発熱値が安定するまで3時間を要している。
これに対し、上記の式(1)にて求めた基準電流値(IC)における発熱値(ΔTC)の値は、0.5時間で既に安定していることがわかる。
また、上記の式(1)にて求めた基準電流値(IC)における発熱値(ΔTC)の値は、その後の周囲温度、及びコンデンサ2の温度が変化しても安定していることがわかる。
なお、上記実施例では、図1に示すように、直流電圧を印加した状態で、基準電流値(IC)における発熱値及び容量を測定することができるように、交流電源3と並列に直流電源7を配設するとともに、直流電源7に印加される交流電流を阻止するための交流電流阻止用コイル8及び直流電圧阻止用コンデンサ9を配設した測定装置を用いているが、直流電圧を印加しない状態において、基準電流値(IC)における発熱値のみを測定する場合には、図3に示すように、槽1と、槽1内にセットされるコンデンサ2に交流電圧を印加するための交流電源3と、交流電源3からコンデンサ2に印加された電流値を測定する電流計4と、コンデンサ2の温度及びコンデンサの周囲温度(槽1の内部温度)を測定する温度測定器5を備えた測定装置を用いることが可能である。
また、直流電圧を印加した状態において、基準電流値(IC)における発熱値のみを測定する場合には、上記実施例で用いた図1の測定装置から、電圧計6を取り除いた、図4に示すような測定装置を用いることが可能である。
なお、図3及び図4において、図1と同一符号を付した部分は、同一又は相当する部分を示している。
また、コンデンサの種類により、発熱、放熱の関係が異なり、印加する電流値と規定電流値の差が大きい場合には、上記実施例において示した方法により補正を行っても、実際に規定電流値を印加して測定した場合の発熱値との間にずれを生じる場合があり、また、コンデンサの等価直列抵抗(ESR)が温度特性を持っている場合にも、規定電流値を印加して測定した場合の発熱値との間にずれを生じる場合がある。
このような場合には、以下に説明するように、測定を行う同種のコンデンサについて、発熱値の電流値依存性を予め測定して、電流値による変化を補正する式を作成しておき、これを用いて発熱値の電流値補正を行うことにより、さらに正確な発熱値を短時間で測定することができる。
図5は、発熱値を測定する前に、発熱値を測定すべきコンデンサと同種のコンデンサを用いて測定した、コンデンサの発熱値と印加電流の関係を示す図である。
なお、ここでは、基準電流値が交流電流3Armsである場合において、3Armsの前後の電流値(例えば、1Arms,2Arms,3Arms,4Arms及び5Arms)で発熱値の測定を行った。
そして、得られた電流値(I)と発熱値(ΔT)の関係について、2次式で近似を行い、ΔT=aI2+bI+c(ΔT=1.5214I2−0.7586I+3.54)という結果(近似式)を得た。
この場合の基準電流値(IC)における発熱値(ΔTC)は、下記の式(3)で求められる。
ΔTC=ΔTX×(a×IC 2+b×IC+c)/(a×IX 2+b×IX+c)
……(3)
発熱測定時の発熱値 :ΔTX
発熱測定時の交流電流値 :IX
規定電流値印加時の発熱値:ΔTC
規定交流電流値 :IC
このように、測定を行う同種のコンデンサにおける発熱値の電流値依存性を予め測定しておいた、電流値による変化を補正する補正式を用いて、発熱値の測定結果を補正することにより、発熱値を短時間でより精度よく測定することができることが実験的にも確認されている。
なお、上記の例では2次式で近似を行っているが、3次以上の近似式とすることも可能である。
本願発明は、上記実施例に限定されるものではなく、コンデンサの種類や寸法、規格、基準電流値、測定装置を構成する槽、交流電源、電流計、温度測定手段、電圧計の種類や構成、測定の際に印加する電圧値、印加時間などに関し、発明の範囲内で種々の応用、変形を加えることが可能である。
本願発明のコンデンサの発熱測定方法及び容量測定方法によれば、コンデンサの発熱値及び容量を短時間で精度よく測定することが可能になるとともに、本願発明のコンデンサの発熱測定装置及び容量測定装置を用いることにより、本願発明のコンデンサの発熱測定方法及び容量測定方法を容易かつ確実に実施することが可能になるため、コンデンサの特性測定や選別などに、本願発明を広く用いることが可能であり、特に自動車用のインバーターシステムにおいて平滑用に用いられる大型の平滑コンデンサなどの特性測定や選別などに好適に用いることができる。
本願発明の実施例にかかるコンデンサの発熱値及び容量を測定するための装置を示す図である。 図1に示す装置を用いて測定した発熱値などのデータの経時変化を示す図である。 本願発明の実施例にかかるコンデンサの発熱測定装置の他の例を示す図である。 本願発明の実施例にかかるコンデンサの発熱測定装置のさらに他の例を示す図である。 コンデンサの発熱値を測定する前に同種のコンデンサを用いて測定した、コンデンサの発熱値と印加電流の関係を示す図である。 インバーターシステムにおいて平滑用に用いられる従来のコンデンサを示す図である。
符号の説明
1 槽
2 コンデンサ
3 交流電源
4 電流計
5 温度測定器
6 電圧計
7 直流電源
8 交流電流阻止用コイル
9 直流電圧阻止用コンデンサ

Claims (4)

  1. 外部と熱的に遮断された領域にて、コンデンサの温度が略一定になるようにコンデンサに所定の電圧を印加し、コンデンサの温度が略一定になった時点における電流値(IX)及び発熱値(ΔTX):コンデンサ温度−周囲温度を求めるステップと、
    前記ステップにより得られた電流値(IX)及び発熱値(ΔTX)に基づいて、下記の式(1):
    ΔTC=ΔTX×IC 2/IX 2 ……(1)
    により、求めたい基準電流値(IC)における発熱値(ΔTC)を求めるステップと
    を具備することを特徴とするコンデンサの発熱測定方法。
  2. 外部と熱的に遮断された領域にて、コンデンサの温度が略一定になるように、コンデンサに所定の電圧を印加し、温度が略一定になった時点における電流値(I)、電圧値(V)及び電源周波数(f)を求めるステップと、
    前記ステップにより得られた電流値(I)、電圧値(V)及び電源周波数(f)の値に基づいて、下記の式(2):
    C=1/2πfV ……(2)
    により、求めたい基準電流値(IC)における容量を求めるステップと
    を具備することを特徴とするコンデンサの容量測定方法。
  3. 外部と熱的に遮断された槽と、
    槽内にセットされたコンデンサに交流電圧を印加するための交流電源と、
    交流電源からコンデンサに印加された電流値を測定する電流計と、
    コンデンサの温度を測定する温度測定手段と、
    コンデンサの周囲温度を測定する周囲温度測定手段と
    を具備し、
    コンデンサの温度が略一定になるようにコンデンサに所定の電圧を印加し、
    コンデンサの温度が略一定になった時点における電流値(IX)及び発熱値(ΔTX):コンデンサ温度−周囲温度を求め、得られた電流値(IX)及び発熱値(ΔTX)に基づいて、下記の式(1):
    ΔTC=ΔTX×IC 2/IX 2 ……(1)
    により、求めたい基準電流値(IC)における発熱値(ΔTC)を求めるように構成されていること
    を特徴とするコンデンサの発熱測定装置。
  4. 外部と熱的に遮断された槽と、
    槽内にセットされたコンデンサに交流電圧を印加するための交流電源と、
    交流電源からコンデンサに印加された電流値を測定する電流計と、
    コンデンサの温度を測定する温度測定手段と、
    コンデンサの周囲温度を測定する周囲温度測定手段と、
    コンデンサの両端に加わる電圧を検出するための電圧計と
    を具備し、
    コンデンサの温度が略一定になるように、コンデンサに所定の電圧を印加し、温度が略一定になった時点における電流値(I)、電圧値(V)及び電源周波数(f)を求め、得られた電流値(I)、電圧値(V)及び電源周波数(f)の値に基づいて、下記の式(2):
    C=1/2πfV ……(2)
    により、求めたい基準電流値(IC)における容量を求めるように構成されていること
    を特徴とするコンデンサの容量測定装置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011002391A (ja) * 2009-06-20 2011-01-06 Murata Mfg Co Ltd 電子部品の特性測定装置
JP2016045114A (ja) * 2014-08-25 2016-04-04 日置電機株式会社 インピーダンス測定方法およびその測定装置

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