JP2005070571A - ビデオ顕微鏡装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 従来のビデオ顕微鏡装置では、複数試料の比較実験等を行う場合、同一の環境下でのデータ収集が困難であり、これを解決することを目的とする。
【解決手段】 ビデオ顕微鏡装置において、複数の試料をそれぞれ配置できるようにした複数の支持部と、各複数の支持部に配置される各試料の拡大像をそれぞれ独立して作ることが可能な対物レンズと、これら複数の支持部の試料配置空間を囲み各支持部に配置される複数の試料を同一の環境にすることを可能とする環境室と、上記複数の対物レンズの各拡大画像を選択的に撮影可能なカメラ装置と、カメラ装置での撮影データを各試料間で相互に比較可能なようにパラメータとともに関係付けて記録する記録装置を設ける。
【選択図】図1

Description

本発明は、顕微鏡で試料等の拡大像を得て、これをカメラで撮影し、記録するビデオ顕微鏡装置に関する。
従来より、被検査試料の微細部分を研究・解析するにための装置として、顕微鏡で試料の拡大像を得て、これをカメラで撮影し、記録するビデオ顕微鏡装置が知られている。(例えば、特許文献1、2、3参照。)。
これらのビデオ顕微鏡装置は、細胞、組織体あるいは酵母等の被検査試料を置く検査台部と、試料の拡大画像を得るための対物レンズ等を含む光学顕微鏡部と、顕微鏡で得られた拡大画像を撮影するCCDカメラ等のカメラ部と、カメラの撮影画像を記録する記録部と、資料を照射する光源部を備えている。これらの装置は、試料の微細部分を拡大し記録し経時的な変化を研究、解析する、もしくはカメラの画像データを画像処理し記録しその結果から研究、解析する等に使用されるものである。
特開平09−65870号(第4頁、第1図) 特公表2001−521182号(第19頁、第1A図) 特公表2002−544560号(第5頁、第1図)
上記のような従来のビデオ顕微鏡装置は、基本的に一つの試料を拡大し記録するように構成されている。こうした装置は比較的短時間の試料の変化を研究する場合は良いが、長時間にわたる経時変化を研究するにあたって、適切でない場合が生ずる。即ち、例えば細胞にある処理等を行いその効果・影響の拡大観察を行う場合、1日(24時間)程度に亘ってのその変化を観察する必要が生じるとともに、比較実験対象として同時間に亘っての処理等をしていない細胞の観察データも必要となる。
こうした観察を行う場合、従来の顕微鏡装置にあっては、処理等をした細胞の画像データの収集と比較実験の試料の収集を同時に行うことができず、一つの実験が終わってその後、例えば異なる日に他の試料の観察を行う必要があり長時間に亘っての観察実験が必要であった。
こうした観察時間の長期化の問題は、異なる複数の処理等の効果・影響を調べようとする場合さらに問題となるが、時間だけでなく対象の環境が異なる可能性が生じという問題も惹起する。すなわち、試料として使用する細胞の状態も、細胞は時々刻々分裂増殖しており、分裂増殖を繰り返すたびに、細胞は、獲得した性質を失っていったり、その密度も変わって行く。また、処理等の研究効果を行う場合、温度や湿度等の試料の環境を同一に維持することが好ましいが、従来の顕微鏡装置の場合、それぞれを異なる日に観察することになり、資料環境を同一に維持することが難しいという問題があった。
さらに、こうした比較的長時間に亘っての観察研究の場合、試料観察に必要な試料を照射する光源の問題も発生する。すなわち、観察のために試料を光源により照射する必要があるが、長時間の照射により試料が影響を受け、適正な効果・結果のデータの収集ができないということが起こる。
本発明は、このような従来の装置が有していた問題を解決しようとするものであり、複数の試料を、実質的に、同一環境で、あるいは比較できる設定環境で同時に観察記録できるビデオ顕微鏡装置を提供することを目的とするものである。
本願発明は上記目的を達成するために、試料を配置する支持部を備えた試料支持装置、該試料を照射する光源を備えた照射装置、該支持部に配置される試料の拡大像を作るための対物レンズを備えた光学拡大装置、該光学拡大装置で作られた試料の拡大像を撮影するカメラ装置、該カメラ装置の撮影データをそのままもしくは処理した後記録する記録装置を有するビデオ顕微鏡装置において、上記支持装置の支持部が異なる複数の試料をそれぞれ配置できるように複数設けられ、上記光学拡大装置の対物レンズが複数の支持部に配置される各試料の拡大像をそれぞれ独立して作ることが可能なように各支持部に対応して複数設けられ、上記複数の支持部の試料配置空間を囲み各支持部に配置される複数の試料を同一の環境にすることを可能とする環境室が設けられ、上記カメラ装置が上記複数の対物レンズの各拡大画像を選択的に撮影可能に構成され、上記記録装置にはカメラ装置からの撮影データが各支持部に配置される試料の画像データが相互に比較可能なパラメータとともに関係付けられて記録装置に記録されるようにしたものである。
その他の解決手段としては、上記したビデオ顕微鏡装置において、照射装置は光源からの光を複数の支持部毎に独立して照射もしくは非照射することが可能に構成され、かつ、特定の支持部の試料に対する照射非照射が、当該試料の拡大画像を上記カメラ装置で撮影する時照射し撮影しないとき非照射とするよう制御されるようしたものである。
また、他の解決手段としては、上記したビデオ顕微鏡装置において、支持装置の各支持部にそれぞれ配置される試料の位置を独立して調整できる位置調整機構と、光学拡大装置の複数の各対物レンズに焦点距離を独立して調整する焦点距離調整機構を設けるようにしたものである。
上記第1の課題解決手段により、従来の装置ではできなかった、複数の試料を、実質的に、同一の環境下で、同時間帯で拡大観察記録することが可能となり、それらの適切な比較研究が可能となるビデオ顕微鏡装置を得ることができる。
その他の解決手段では、上記に加え、照射装置は光源からの光を複数の支持部毎に独立して照射もしくは非照射することを可能に、かつ、特定の支持部の試料に対する照射非照射が、当該試料の拡大画像を上記カメラ装置で撮影する時照射し撮影しない時非照射とするよう構成したことにより、長時間の観察であっても光源による各試料への影響を少なくしより適切なデータの収集を行うことが可能となる。
また、他の解決手段により、さらに、支持装置の各支持部にそれぞれ配置される試料の位置を独立して調整できる位置調整機構と、光学拡大装置の複数の各対物レンズに焦点距離を独立して調整する焦点距離調整機構を設けるようにしたことにより、試料ごとの適切な部位のデータ収集が可能となる。
以下、本発明の第1実施例を図1、図2、図3、図4に基づいて説明する。
図1はビデオ顕微鏡装置の全体説明図、図2はビデオ顕微鏡装置を構成する中核要素である顕微鏡本体1の外観図、図3は顕微鏡本体1の中の試料支持部6の構造を示す斜視図、図4は顕微鏡本体1から送られた試料の画像データ表示するモニター20の表示画面の説明図である。
図1、図2に示すように、顕微鏡本体1は、シャーレ内に入れられた試料8を載置する試料支持部6と、該試料支持部6に配置されるシャーレ内の試料8を側壁5により囲むよう構成された環境室2と、試料8の拡大画像を得るための対物レンズ15を備えた光学拡大部3と、対物レンズ15で得られた拡大画像を電気信号に変換するカメラ17を備えた画像検出部4とで構成されている。
試料支持部6上には、4つの独立した試料8がそれぞれ別のシャーレ内に入れられて載置できるよう構成され、それらの4つの試料載置部分全体が、下面が支持部6の構成壁で、また側面と上面が側壁5で囲繞され、これらの壁で構成された環境室2内に配置された状態となっている。後述する方法により、全ての試料8を、温度、湿度、CO2濃度など、その培養に必要な条件、同じ環境を与える事ができるようにされている。
シャーレに入った試料8があり、この場合、この試料は、細胞が培養液で満たされたシャーレの底に付着した状態を想定している。このほぼ同時期に得られ同様な条件で生育した細胞の各試料は、支持部6の上にある位置調節機構としての位置調節支持プレート14の上に置かれ、その試料8は、限られた範囲で本体1外部から実験者の操作により2次元的に位置を動かすことができる様になっている。
その位置調節機構の詳細を図3に示す。試料支持部6の構成壁を一部凹状にえぐり、そこに、試料支持部構成壁の上面よりわずかに高くなる様な厚みのプレート、試料可動支持板14を置く。この試料可動支持板14は、下部にある対物レンズ15から支持部構成壁に開けた穴を通してその上に置かれる試料8が直接観察できるように、穴があけてある。また、この試料可動支持板14の大きさは試料支持部6の構成壁の凹状部よりも小さく構成され、凹状部内で水平方向に位置を変えられるよう構成されるとともに、顕微鏡本体1の環境室の壁5から外にでるような耳部を持っている。この耳部分を顕微鏡外部から動かし、内部でこの試料可動支持板14上に乗っている試料8の対物レンズ15に対する水平方向位置を変化させ観察部位を限定された範囲で、移動させることができる。
勿論、このプレート部分を、電気的にX−Y方向に可動できる自動ステージとして装置化しても良い。自動ステージにすれば、同一の試料で、複数の位置が観察可能となる。大まかな試料の位置は、試料を設置した時に決定できる。
環境室2の下部、試料支持部6の下には、光学拡大部3が設けられている。この光学拡大部3には、4つの対物レンズ15(この場合は、位相差観察用対物レンズ)が、4つの試料可動支持板14上に配置される試料8を、支持部6の構成壁に開けた穴および試料可動支持板14の穴を通して直接観察し拡大画像を得ることができるように、取り付けられている。各対物レンズ15は倒立顕微観察の配置で設置されている。この対物レンズ15の先端周辺は、対物レンズシール13で支持部6の構成壁に開けた観察穴との間がシールされ、試料支持部6にあけられた観察穴から環境室2内の熱やガスが散逸して、試料部分のみ低温となるなど、観察の為に、条件が変化しないよう配慮されている。試料8の観察部分への焦点調節の為に、各対物レンズ15は対物レンズ上下可動ホルダー16を介して本体に保持されている。対物レンズ上下可動ホルダー16は、上部に対物レンズ15がネジにより結合固定され、下部の外周に形成されたネジ部で、顕微鏡本体に固定されたネジ部材でかみ合っており、ホルダー16が回転すれば対物レンズ15が顕微鏡本体に対し上下方向に動く構成とされている。
この光学拡大部3の側壁は、図2に見られるように、四隅の柱のみで、側方に窓があいており、外部から対物レンズ上下可動ホルダー16が実験者により回せる様になっており、試料8のどの部分にピントを合わせるかは、観察者があらかじめ所定のピント位置に、対物レンズ上下可動ホルダー16を回わして、複数の試料それぞれに独立して自由に設定できるようになっている。
更に、これにピエゾ素子などでできたレンズマウントを、サブミクロンオーダーで上下に電気的に駆動可能な対物レンズのマウント部として、対物レンズ上下可動ホルダー16の中に組み込んだり、対物レンズ上下可動ホルダー16の代わりに設置して、電気的に俊敏に、試料の上下方向の様々な面の画像が複数撮影できる様にも出来る。これらにより、従来のラック&ピニオン方式の複雑な対物レンズ上下駆動装置が不要となり、装置のコストや部品点数およびスペースを押さえる事ができる。もちろん、幅広い範囲の駆動や自動焦点化などの為に、従来方式の上下駆動装置を採用しても良い。
光学拡大部3の下には、光学検出部支持台7で結合されているカメラ部4がある。対物レンズ15で形成された拡大画像は、この対物レンズ単独あるいは適当なリレーレンズにより、レンズ下方の焦点面で結像する。この点に、ビデオカメラあるいはデジタルカメラなどのカメラ17を設置し、その中のCCDなどの画像検出部18を、画像の結像点に位置するようにすると、細胞などの試料の拡大図を電気信号として捉えることができる。
カメラ部4には、4つの対物レンズ15のそれぞれの下方に、結像点に画像検出部18が来るよう4つのカメラ17が独立して取り付けてある。4つのカメラ17は、本体1の下方側部にカメラ毎に設けられた4つの画像出力・制御端子30を介して制御ユニット19に接続それる。制御ユニット19により、撮影の制御がなされ、長時間の観察では、一定の時間間隔毎に、光源のONと同期して撮影ONの制御が行えるようになっている。画像に関しては、現在では、その画像検出部18の例えばCCDの各画素での光の強度が、高速A/Dコンバーターなどで、デジタル値に変換され、定量的な画像データとして、試料第番号等の識別記号および共通パラメータとしての撮影時刻データともに、画像記録装置22内のデジタル記録媒体に記録できる。更に、その画像データ1枚1枚が、相互に演算対象となり、連続した画像の差像など様々な画像処理が出来、その演算結果も記録できる。
複数の試料8が配置される環境室2には、炭酸ガスボンベ23が、ガス加湿・恒温装置24を介して接続され、ガス注入口25から、一定の温度・湿度でかつ一定濃度の炭酸ガスが環境室2の内部空間に供給される。側壁5と位置調節支持プレート14のわずかな隙間からガスが外部に漏れ出ることで、所定の温度・湿度のガスが連続的に注入され、内部の培養条件が複数の試料に対し同一に形成され、細胞等の試料は安定して培養され、かつ試料間の比較がリアルタイムに出来る様になっている。その環境室2内部の環境条件はいつもセンサー27で定期的に測定され、この場合であれば、その温度・湿度・ガス濃度などは、制御ユニット19を通って、画像とともに記録される。
また、環境室2内部の温度条件を一定にするために、環境室2を構成する支持部6および側壁5の内部に液体を流す流路26を設けてあり、所定の温度にされた水等の液体供給源(図示せず)からの液体を流路26に供給し、環境室2周辺を流すことにより、環境室内の温度を適切な範囲に維持するように構成されている。
尚、この実施例の環境制御に代え、内部表面に、ペルチエ素子やヒーターを付設し、内部温度を一定に保つ機構を付加しても良い。また、この様な条件は同じまま、さらに紫外線の照射など3次的な条件をおのおのの試料に対して変える事もできる。さらに、必要であれば、内部に仕切り板をおいて、同じ条件のうちのある条件を(例えば、同じ温度で、違う炭酸ガス濃度や湿度の様に)変える事もできる。
この環境室2は、図2で分かるように、上部が開口する様に、図1のヒンジ28などで結合され、試料8をセットしやすくしてあり、図2の様に、試料をセットした後は、図2の環境室締め具29などで、観察中は開かないようにしてある。
この環境室2の上部壁には、支持部に載置される試料8を照らす観察用の照射装置9が4つ、それぞれの試料に対応して組み込まれてあり、環境室2を閉めると、上記のヒンジ28や閉め具29および、環境室内壁の襟部の勘合などにより、自動的に所定の場所に光照射装置9が試料8に対して位置する様になっている。各照射装置9は、制御ユニット19に接続されており、照射装置9内の光源10の照射・非照射が制御ユニット19により制御されている。光源10として、様々なものが考えられるが、ここでは、カメラで画像を撮影する時のみ光源が照射できるよう、そのON/OFFを制御でき、かつONの時の光量の立ち上がりが早くすぐに一定になる特性をもつ発光ダイオードで構成され、制御ユニット19による照射・非照射の制御は各照射装置8への電源供給と停止により行われるよう構成される。
連続的に発光している光源の場合は、チョッパーなどでその照射・非照射を制御することもできる。また、外部に単一の光源を持ち、回転ミラーやチョッパーや光ファイバーあるいはそれらの組み合わせ等で、必要な時に、光を環境室内に導入し光照射できるような機構としても良い。
図1の光照射装置9には、光源10の他に、細胞などの形態観察によく用いられる位相差観察の為に必要な位相板11が設置され、位相板を通過した光がレンズ12で集光され、顕微鏡の視野内に存在する細胞群を、ケーラー照明の様な理想的な照明で、照射されるように構成されている。他に、細胞を染色しなくても観察できるものとして、ノマルスキー微分干渉観察や暗視野観察などに必要な光学系を組み込んでも良い。
制御ユニット19には、モニター20、画像処理装置21および記録装置22が接続されている。モニター20は、コンピュータとしての制御ユニット19の表示装置としての機能を持つとともに、各カメラ17の画像データを直接表示、また、記録画像を直接もしくは処理して表示できるようになっている。また、モニター20には、環境室内の環境データを表示することができるようになっている。
試験の開始時、光源10に信号が送られ、各試料8が照射装置9により照射された状態にされるとともに、各試料8に対応したカメラ17による試料8の拡大画像がモニターに表示される。試験者は、モニターに表示された画像を見ながら試料可動支持板14を操作し、観察したい部位が表示される位置に試料位置を設定する。また、対物レンズ上下可動ホルダー16を回転操作し、焦点を合わせ設定する。次に、環境室内のCO濃度等を適切に設定する。
試験が開始されると、観察者が試験に応じて自由に設定した画像入手タイミングで、制御信号をコンピュータである制御ユニット19からカメラ17および照射装置9に送り、光源10を電源ONあるいは照射して、各サンプルそれぞれに対して顕微画像を入手しそのデータをそのままあるいは画像処理部21で画像処理された顕微画像データを記録媒体22に記録することが出来る。画像データの記録は、撮影時刻としての時間軸とその時の環境データと共に、記録媒体22に記録される。
本顕微鏡の特徴の1つは、例えば細胞を観察対象とする場合、複数の試料を一定の培養条件に保持するために、従来はCO2インキュベーターなどの大型の細胞培養器で培養し、時間毎に複数の試料を室温の外界に取り出して観察をしていたが、この培養器に相当する環境室2を顕微鏡本体1の中に持っていることである。これにより比較したい複数の試料を必要な環境の中に観察時間中保持することが可能となり、特に顕微観察の様に、ミクロ域で同じ観察位置を探すのが大変な場合でも、特定の箇所での観察を、複数の試料に対し、継続的に可能とし、複数の試料間で異なる外部因子(薬物の濃度や、刺激の違い、作用分子のありなし等)による違いを、容易に比較できる様にした。
上記の実施例では、この光学拡大部の対物レンズが、高価である場合や特殊である場合は、これを回転マウントに設置して、それぞれの試料の直下に対物レンズが来た時に少しの間止め、画像を捉える様にしても良い。この場合は、試料下部の対物レンズシール13の様なものが設置出来ないため、試料下部を薄い二重窓の様にして、試料の温度などが変わらない様配慮する必要がある。 また、この顕微鏡は細胞観察で良く用いられる倒立型顕微鏡であるが、図1における光照射部9を対物レンズ側に置き、対物レンズおよびカメラを図1における光照射部側に置いた、逆配置の正立型顕微鏡の配置に装置を設計しても良い。この場合も環境室の配置や環境設定法は図1とほぼ同じである。
細胞などの観察において、蛍光性の分子を細胞内に導入して、例えば、Caイオンの細胞内流入やpHあるいは膜電位の変化などを追跡したり、蛍光性蛋白質を観察したい蛋白質に遺伝子工学的に結合させ、その蛋白質の移動を追跡するなど、蛍光顕微観察も盛んである。この様な場合、蛍光が微弱である為、カメラは高感度ビデオカメラや高感度デジタルカメラなど特殊なカメラを使用しなくてはならず、一般に高価なカメラであるために、各試料に一台ずつ設置することは、コスト的に難しい。実施例1の場合でも、高精細ビデオカメラなど、高価なカメラを使用したり、あるいは、コストを更に下げて実施例1の様な観察を行いたい時もある。
この様に、カメラ1台で、複数の試料を観察したい場合、図7の様に対物レンズ15の支持台下部にミラー32をレンズ中心軸上45度に設置し、さらに、複数の対物レンズの対称中心の位置で、ミラー32からの光を対称中心軸下方に設置されたカメラ35に反射する様に、本中心軸をモーター回転軸として、この軸にもう1つの回転ミラー34を45度に向かい合うように設置する。これにより、結像点に検出部を置くカメラに、回転ミラーが、それぞれの対物レンズ15直下のミラーに向かい合った時に、画像と取得する様に制御する。これによって、カメラ1台で、複数の試料の観察が可能となる。
更に、蛍光観察の場合は、蛍光観察用の励起用の光源31を対物レンズ下部の中心軸上に設置する。さらに、32を単なるミラーでなく、励起光は通過させるが、波長の長い蛍光像のみを反射させカメラ側に送る(励起光は反射しない)ことのできるダイクロイックミラー32に代え、必要であれば、この後の光路のどこかに、観察したい蛍光の波長のみを通過させる蛍光フィルターを通して、高感度カメラ1台に、複数の試料中の細胞蛍光像の、時間変化を捉えさせる事もできる。
この場合も顕微鏡の配置は倒立顕微鏡の配置であるが、前述した様に、光源、対物レンズ、カメラを逆配置とした正立顕微鏡の配置としても良い。また光源も、前述した様に、連続光源をチョッパーで照射のON/OFFをしたものでも、1つのレーザーから途中に光のON/OFFを設けて、複数の光ファイバーで導入したものでも良い。
この様にして、複数の試料が、条件も同じ様に揃った状態で同時に作製でき、かつ、その複数の試料がコントロールされた比較のできる均質な環境に置かれ、試料毎に異なる因子の影響などを、観察の為の光照射の影響を最小限にして、時間軸と共に画像データにより比較を可能とする、簡便で、コンパクトで、かつ低コストな装置の提供を本願発明は可能にする。
以下図5,6を用いて、その結果の例を示す。
図5は、繊維芽細胞という皮膚の下層に存在する細胞が、培養により一面に広がった状態(コンフルエントになったと言う)になった時に、図の真ん中に、細胞群を線状にはぎ取り部分を形成し、傷の修復過程観察のモデルとしたものである。すると、顕微鏡1つでの観察であるが、時間と共に、この傷となったゾーンに細胞が移動して傷を修復していく過程が分かる。実はここでも発見があり、細胞は、まず移動して、間を粗に埋める事を先行し、ある程度まばらでも埋めると、初めて、細胞分裂し始め(右下に細胞分裂した細胞の個数が表示されている)、最終的に密に、傷のゾーンを修復する事が、この様な長時間のビデオ観察で分かった。しかし、この観察中も問題が様々にあった。この観察中、顕微鏡の光源は、ずっと細胞を照らし続けており、この長時間の光照射が、細胞にどんなダメージを与えているかは分からず、その影響も、この結果の中には含まれている。細胞を培養室から、その都度取り出して見る方が、その点良いが、その場合、同じ観察点を探して、まったく同じ位置の画像を撮る事は殆ど不可能であること、また、顕微鏡の上に、一日中置くために、環境設定として、顕微鏡の設置してある部屋の温度を37度にして、作業し、培養液の細胞の代謝によるpHなどの変化には、CO2ガスの注入が出来ないため、培養液を多くして何とか対応せざるを得なかった事など、様々な問題を含んでいた。さらに、これに、違う条件を加味する場合、顕微鏡1台では、翌日の実験となり、その時は、スタート時の細胞も培養が進み、同じように一面に広がっているとは言え、同じ細胞密度ではないなど、すでにスタート時点での、差異が一日後では、存在する事を覚悟しなくてはならなかった。
図6は、2種類の試料(1つは比較対照で、右は、傷修復時にその部位に集まってくるマスト細胞をこの細胞層上にばらまいたもの)を同時に観察したものである。その画像の同じ時間での細胞の動きが手に取るように比較でき、右側のマスト細胞が共存する場合では、傷の修復の為の、細胞の無い所への細胞の移動が、早くなっている事(白丸部)が、初めて画像で立証できた。
従って、この様な観察装置は、細胞や生体組織の様々な変化への、実に多種多様な因子の発見や機能解析を可能とし、生命現象のメカニズムの解明を加速し、結果として新しい医薬品や治療法の開発も加速する重要な観察手段、研究手段を提供するものと期待できる。
本発明の実施例のビデオ顕微鏡装置の全体説明図 本発明の実施例のビデオ顕微鏡装置の顕微鏡本体の外観図 試料支持部の試料位置調整機構の説明図 モニター画面を示す説明図 1台のビデオ顕微鏡による、部分掻き取りされた細胞層(傷のモデルとして)の修復過程の経時変化観察結果 比較顕微鏡による、図5の場合の、通常と、それに更にマスト細胞が共存している場合の、部分掻き取り細胞層の修復過程の経時変化比較 第2実施例を示す説明図
符号の説明
顕微鏡本体
環境室
光学拡大部
画像検出部
環境室側壁
試料支持部
光学検出部支持台
試料(シャーレ内)
光照射部
光源(LED等)
位相リング
集光レンズ
対物レンズシール
試料可動支持台
対物レンズ
対物レンズ上下可動ホルダー
カメラ
画像検出部
制御ユニット
モニター
画像処理部
画像記録装置
COボンベ
加湿・恒温装置
加湿・恒温ガス導入部
環境室恒温保持用液体通路
センサー
環境室開閉ヒンジ
環境室締め具
画像出力/制御端子
光源(蛍光観察用)
ダイクロイックミラー
ミラー回転用モーター
回転ミラー
特殊カメラあるいは高感度カメラ

Claims (6)

  1. 試料を配置する支持部を備えた支持装置と、該試料を照射する光源を備えた照射装置と、該支持部に配置される試料の拡大像を作るための対物レンズを備えた光学拡大装置と、該光学拡大装置で作られた試料の拡大像を撮影するカメラ装置と、該カメラ装置の撮影データをそのままもしくは処理した後記録する記録装置とを有するビデオ顕微鏡装置において、上記支持装置の支持部が異なる複数の試料をそれぞれ配置できるように複数設けられ、上記光学拡大装置の対物レンズが複数の支持部に配置される各試料の拡大像をそれぞれ独立して作ることが可能なように各支持部に対応して複数設けられ、上記複数の支持部の試料配置空間を囲み各支持部に配置される複数の試料を同一の環境にすることを可能とする環境室が設けられ、上記カメラ装置が上記複数の対物レンズの各拡大画像を選択的に撮影可能に構成され、上記記録装置にはカメラ装置からの撮影データが各支持部に配置される試料の画像データが相互に比較可能なパラメータとともに関係付けられて記録装置に記録されるようにしたことを特徴とするビデオ顕微鏡装置。
  2. 上記照射装置は光源からの光を複数の支持部毎に独立して照射もしくは非照射することが可能に構成され、かつ、特定の支持部の試料に対する照射非照射が、当該試料の拡大画像を上記カメラ装置で撮影する時照射し撮影しないとき非照射とするよう制御されるようにされていることを特徴とする請求項1記載のビデオ顕微鏡装置。
  3. 上記照射装置は支持部の数と同数の光源を備え、各光源が対応する支持部に配置される試料を照射するよう構成され、かつ、各光源による特定の支持部の試料に対する照射非照射が、当該光源の発光消灯で制御されるように構成されていることを特徴とする請求項2記載のビデオ顕微鏡装置。
  4. 上記支持装置の複数の支持部には各支持部に配置される試料の位置をそれぞれ独立して調整できる位置調整機構が設けられているとともに、上記光学拡大装置の複数の対物レンズには各対物レンズの焦点距離を独立して調整する焦点距離調整機構が設けられていることを特徴とする請求項1記載のビデオ顕微鏡装置。
  5. 上記記録装置に記録される試料の画像データと関係付けられるパラメータが時間であることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか一つに記載のビデオ顕微鏡装置。
  6. 上記環境室内の雰囲気を所望の実験環境に維持すべく、上記環境室内の炭酸ガス濃度、温度、湿度の少なくとも一つを制御する環境制御装置を設けたことを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか一つに記載のビデオ顕微鏡装置。
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