JP2005070024A - 疲労度評価方法及びその利用法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 被験者の血液を採取し、血液中のアシルカルニチン濃度を測定することにより、日常における疲労度を簡便かつ定量的に評価できる。さらに、抗疲労物質及び抗疲労食品の生体における抗疲労力を測定できる。
【選択図】なし
Description
本発明者は、被験者の体液を採取し、体液中のアシルカルニチンの濃度を測定することにより、ヒトの疲労度を簡便かつ定量的に測定することができることを見出した。この方法は、大掛かりな装置が必要ないだけでなく、体液の採取時間が短いことから、被験者にとって時間的拘束が少ないだけでなく、方法の実施者にとっても非常に簡便な方法である。
次に、本発明にかかる疲労度評価キットについて説明する。本発明にかかる疲労度評価キットは、ヒトにおける疲労度を評価するキットである。すなわち、上記(1)欄で説明した本発明にかかる疲労度評価方法を実施するためのキットであればよい。さらに詳細には、例えば、被験者の体液を採取するための手段と、当該採取後の体液中のアシルカルニチン(例えば、アシルカルニチンなど)の濃度を測定する手段とを有するキットであるといえる。本発明における体液中のアシルカルニチンの濃度を測定する手段としては、従来公知の測定方法を実施するために必要な手段であればよい。具体的には、例えば、上記(1)欄で説明した体液中のアシルカルニチンの濃度を測定する方法を実施するために必要な試薬、器具、装置、触媒その他のものをいう。
以上のように、本発明にかかる疲労度評価方法、疲労度評価キットによれば、被験者が抗疲労物質を摂取する前後において、被験者の体液中のアシルカルニチンの濃度を測定するだけで、当該抗疲労物質の被験者生体内における抗疲労力を定量的に測定・評価することができる。さらに、かかる方法、キットはいずれも簡便であるだけでなく、大掛かりな装置や長時間における拘束が必要ないため、被験者及び実施者の両者にとって非常に取り扱いやすいものであるという利点がある。
[1−1]被験者
健常男性6名及び健常女性4名(平均年齢28.2±5.6)を被験者とした。全例に本試験に対する同意書を取得し、関西福祉科学大学倫理委員会の承認を得た(承認番号1)。
被験者の血液を採取する時間、精神疲労負荷を与える時間、休憩時間など、実施例で行った実験のスケジュールを表1に示す。
表2に示す方法で精神疲労負荷をおこなった。
積み木を用いた方法とは、同じ大きさの長方体状の積み木を積み上げていく動作を表2に示す所定の時間、持続して行う精神疲労負荷方法である。詳細には、図1に示すように予め3本の積み木が垂直交互に20段程度積み上げられている積み木タワーの状態からはじめ、適宜、上記積み木タワーからいずれか一本の積み木を抜き取り、抜き取った積み木を再度、最上方段に積み上げる動作を繰り返す方法である。積み上げていく工程において、積み上げた積み木が崩壊した際は、再度上記積み木タワーを作成し、上記と同様の積み上げ動作を繰り返すものとする。(図1参照)。
鏡像文字の写しとは、鏡に映し出された文字を鏡に映し出された象形と同様に手元の紙に写し出す動作を表2に示す所定の時間、持続して行う精神疲労負荷方法である(図2参照)。
ATMTとは、本来、加齢現象の評価と初期痴呆のスクリーニングに活用されていたが、疲労測定機器として利用できることが期待されている精神神経学的機器であり、タッチパネルディスプレイ上に提示された1〜25までの数字をすばやく押す視覚探索反応課題である。従来、A4紙で行っていたTMT(ランダムに配置された1〜25の数字を一筆書きの要領で線を引く課題)とは異なり、targetごとの探索反応時間が測定でき、また、反応ごとに全てのtargetを再配置させたり、反応ずみtargetを消して新規にtargetを追加発生させることが可能である。そのことにより、課題遂行中にみられる精神疲労の増大、探索効率を高めるためのワーキングメモリー活用度などの評価が可能である。パソコンのタッチパネル上に提示された1〜25までの数字のうちターゲットの数字を押すと、その数字が消えて新たな数字が任意の位置に出現する(1を押すと1が消えて26が出現、2を押すと2が消えて27が出現…)。
所定の読夲の文章中にある母音(あ、い、う、え及びお、の5種類)にのみ○印をつける動作を25分間持続して行った後、読み終わった上記文章の要約を5分間で記述する精神疲労負荷方法である。
被験者の疲労度を客観的に評価するために、疲労度の評価方法として既知の方法である加速度脈波による疲労度評価を行った。
VASとは、線分の両端に基準となる表現を記した紙を見せ、被験者は測りたい内容が、その線分のどのあたりに相当するかをチェックする評価方法である。全体の長さ(10cm)に対する左端からの長さの比((左端の長さ)/(全体の長さ)×100(%))を算出することにより、質問項目に対して定量的に結果が出て、多くの人の結果を平均するなどの処理ができるという利点を持つ方法である。実施例で使用したVAS試験用紙を図4に示す(結果は図5参照)。
ATMTの課題のうち、C課題のみを行いこれを1セットとし、作業にかかった時間を測定した(結果は図6参照)。
被験者の血液を表1に示すスケジュールで採取し、血液中のアシルカルニチン濃度を測定した(結果は図7参照)。
[2−1]脈波検査
加速度脈波のうちa波の波高を測定したところ、精神疲労負荷前と精神疲労負荷後との間に有意な差を認めた。精神疲労負荷前のa波の波高は346.89であったが、精神疲労負荷後は203.67となり0.58倍に減少した(P<0.005)。このデータに基づき脈波のa波の波高変化をグラフにしたものが図5である。この結果より、上記精神疲労負荷により被験者の疲労度が高まっていることが確認された。
VASの線分長さ測定したところ、精神疲労負荷前と精神疲労負荷後との間に有意な差を認めた。精神疲労負荷前のVASの線分長さは46.9%であったが、精神疲労負荷後は84.3%となり1.8倍に増加した(P<0.05)。このデータにVASの線分長さの変化をグラフにしたものが図6である。この結果より、上記精神疲労負荷により被験者の疲労度が高まったことが確認された。
ATMTの平均反応時間の検討では、精神疲労負荷前では2.51秒であったものが、精神疲労負荷後には3.15秒にと約1.25倍延長していた(P<0.01)。このデータに基づき平均反応時間の遅れをグラフにしたものが図7である。この結果、上記精神疲労負荷により被験者の疲労度が高まったことが確認された。
血液中アシルカルニチンの濃度は精神疲労負荷前では13.85(μmol/L)であったが、精神疲労負荷後では9.65(μmol/L)と0.7倍と大きく減少した。このデータに基づき血液中のアシルカルニチン濃度の変化をグラフにしたものが図7である。上記[2−1]から[2−3]の検査によって、上記精神疲労負荷により被験者の疲労度は高まっていることが確認されていることから、血液中のアシルカルニチン濃度が減少すれば被験者の疲労度が高いと評価できることが明らかにされた。
12 抜き取る積み木
13 抜き取った上記12の積み木を次に置く場所
21 課題となる文章が記載された紙
22 鏡に映し出された紙面
23 鏡
Claims (9)
- 体液中のアシルカルニチンの濃度を指標として疲労度を評価することを特徴とする疲労度評価方法。
- 上記アシルカルニチンの濃度が低ければ、疲労度が高いと評価することを特徴とする請求項1に記載の疲労度評価方法。
- 上記アシルカルニチンの濃度が低ければ、日常生活で生じる生理的急性疲労の蓄積による過労状態であると評価することを特徴とする請求項1〜2のいずれか1項に記載の疲労度評価方法。
- 上記体液は、血液、唾液、脳脊髄液及び尿から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の疲労度評価方法。
- 上記アシルカルニチンは、アセチルカルニチンであることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の疲労度評価方法。
- 上記疲労度の対象が、日常生活で生じる生理的急性疲労であって、精神疲労と肉体疲労との複合疲労であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の疲労度評価方法。
- 上記疲労度の対象が、精神疲労負荷に対する疲労であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の疲労度評価方法。
- 請求項1〜7のいずれか1項に記載の疲労度評価方法を実施するための疲労度評価キット。
- 請求項1〜9に記載の疲労度評価方法および疲労度評価キットのいずれかを用いて、抗疲労物質の抗疲労力を測定すること特徴とする抗疲労力物質の抗疲労力測定方法。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2003341829A JP2005070024A (ja) | 2003-08-25 | 2003-08-25 | 疲労度評価方法及びその利用法 |
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JP (1) | JP2005070024A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN109924953A (zh) * | 2017-12-15 | 2019-06-25 | 刘佳星 | 电容式加速度计装置及其感测方法 |
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2003
- 2003-08-25 JP JP2003341829A patent/JP2005070024A/ja active Pending
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