JP2005069635A - 中和処理器および熱交換装置 - Google Patents

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Takeshi Isozaki
健 磯崎
Hideo Okamoto
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Abstract

【課題】同じような大きさの装置に比べて、未処理液を処理可能な量が増加し、中和剤にかかるコストを低減することができ、装置全体を小型にすることができる中和処理器を提供する。
【解決手段】酸性の未処理液D1が処理槽83の上部から流入し、中和されて処理済み液D2になり、処理槽83の下部から処理済み槽84の下部に流入し、処理済み槽84の上部から流出するようにし、中和剤N1が処理槽83のみで消費されるようにし、処理槽83をその容積が処理済み槽84の容積以上になるように形成し、処理槽83に十分な量の中和剤N1を充填することができ、中和剤N1が消費されることのない処理済み槽84に中和剤N1を充填しないようにするとともに、処理済み槽84の容積を可能な限り小さくするようにした。
【選択図】図1


Description

本発明は、酸性の未処理液を中和するための中和処理器に関し、特に、燃料に空気を混合して燃焼させた際に生じる排気の流れる排気経路内に、排気の顕熱を吸収して被加熱流体を加熱する一次熱交換器を配置し、さらに該一次熱交換器よりも前記排気経路の下流側に排気の潜熱を回収する二次熱交換器を配置して成る熱交換装置に設けられるものに関する。
従来の中和処理器としては、ガスエンジンの排気ガスから分離されたドレン水を一時貯留し中和するドレンフィルタ内に、その高さ方向に沿って上下に蛇行するだけでなく、平面視にUターン形をなすようにして下流側へと流通するようなドレン水の流路を形成し、これにより、ドレンフィルタを水平方向に広げることなく流路長を延ばすことができ、ドレンフィルタの設置面積および室外機ユニットの設置面積を縮小させるようにしているものがある。ドレン水の流路は、中和剤を充填した多数の室から形成され、各室はドレン水が上部から流入し下部から流出するものと、ドレン水が下部から流入し上部から流出するものとが交互に連設されている(例えば、特許文献1参照。)。
また、中和処理器は未処理のドレン水を受け入れるためのドレン受け入れ口と処理済みのドレン水を排出するための排出口と、ドレン水を中和するための中和室とから構成され、中和室は複数の小室に間仕切られており、且つ隣接する小室は各々連通するようにしてジグザグの連続した通路となるように構成されており、この通路がドレン水の流路となっている。小室には中和剤として粒状炭酸カルシウムが所定量充填されているものがある。ドレン水の流路は、特許文献1のものと同じように、ドレン水が上部から流入し下部から流出する小室と、ドレン水が下部から流入し上部から流出する小室とが交互に連設されている(例えば、特許文献2参照。)。
さらに、水分がその比重によって下方の分離室に落下し、この分離室内下側の透過板を通って、中和剤充填室内に入り、その中和剤との化学反応によって中和された後、中和剤充填室をU字形に屈曲してドレン室内へ入り、このドレン室から、ドレンパイプを通って下方へ排出されるものがある(例えば、特許文献3参照。)。
特開平11−257691号公報 特開2000−161788号公報 特開平11−343828号公報
しかしながら、従来の技術において、特許文献1のものでは、ドレン水が上部から流入し下部から流出する室に中和されていないドレン水が流入すると、中和されていないドレン水の比重より中和されたドレン水の比重が大きいことから、ドレン水が徐々にゆっくりと中和されながら下方に移動していく。しかし、ドレン水が下部から流入し上部から流出する室に中和されていないドレン水が流入すると、中和されていないドレン水が、その室で中和されたドレン水によって押し上げられて、室内を急速に浮上し、中和されることなく、次の室に流出してしまう。ドレン水の流路を形成する多数の室はほぼ同じ大きさであって、多数の室の中の約半分がドレン水を中和することのない無駄な空間であるから、中和処理器が嵩張る要因になり、また、約半分の室に充填されている中和剤が使われることなく無用なものになるという問題点があった。
また、特許文献2のものでは、特許文献1のものと同様に、多数の小室の中の約半分がドレン水を中和することのない無駄な空間であるから、中和処理器が嵩張る要因になり、また、約半分の小室に充填されている中和剤が使われることなく無用なものになるという問題点があった。
さらに、特許文献3のものでは、前述したように、中和されていないドレン水の比重より中和されたドレン水の比重が大きいことから、ドレンパイプの上端口より下方に中和されたドレン水が満たされると、中和されていないドレン水は、ドレンパイプの上端口より下方に沈むことがなく、ドレンパイプの上端口より下方に充填されている中和剤が使われることなく無用なものになる。また、ドレンパイプの上端口を透過板の上端より低くすると、中和されないドレン水が透過板を通って、中和剤充填室内を急速に移動し、ドレンパイプから排出してしまうので、中和されないドレン水の排出を防止する点から、ドレンパイプの上端口を透過板の上端より高くする必要があり、ドレンパイプの上端口より下方のスペースが無駄になり、中和処理器が嵩張る要因になるという問題点があった。
本発明は、このような従来の技術が有する問題点に着目してなされたもので、処理槽に充填される中和剤を無駄なく使い切るようにして、中和剤にかかるコストを低減し、また、同じような大きさの装置に比べて、未処理液を処理可能な量を増やすことができ、処理槽の容積を処理済み槽の容積以上にすることで、装置全体を小型にすることができる中和処理器を提供することを目的としている。
かかる目的を達成するための本発明の要旨とするところは、次の各項の発明に存する。 [1]酸性の未処理液を中和剤で処理するようにした中和処理器(80)において、
前記中和剤が充填されていて、前記酸性の未処理液が上部から流入し前記中和剤と反応して中和され、該中和された処理済み液が下部から流出する処理槽(83)と、前記処理済み液が下部から流入して上部から流出するようにした処理済み槽(84)とを備え、
前記処理槽(83)は、該処理槽(83)の容積が前記処理済み槽(84)の容積以上になるように形成されていることを特徴とする中和処理器(80)。
[2]燃料を燃焼させた際に排気中に酸性の水分が生じ、あるいは、燃料を燃焼させたときの排気の熱を吸収することで酸性の凝縮水が生じるような熱交換装置(10)において、
前記酸性の水分あるいは前記酸性の凝縮水である未処理液を中和剤で処理するようにした中和処理器(80)を備え、
前記中和処理器(80)は、前記中和剤が充填されていて、前記酸性の未処理液が上部から流入し前記中和剤と反応して中和され、該中和された処理済み液が下部から流出する処理槽(83)と、前記処理済み液が下部から流入して上部から流出するようにした処理済み槽(84)とを備え、
前記処理槽(83)は、該処理槽(83)の容積が前記処理済み槽(84)の容積以上になるように形成されていることを特徴とする熱交換装置(10)。
[3]燃料に空気を混合して燃焼させた際に生じる排気の流れる排気経路内に、排気の顕熱を吸収して被加熱流体を加熱する一次熱交換器(40)を配置し、さらに該一次熱交換器(40)よりも前記排気経路の下流側に排気の潜熱を回収する二次熱交換器(50)を配置して成る熱交換装置(10)において、
前記二次熱交換器(50)に生成する凝縮水である酸性の未処理液を溜めるためのドレン受け(14)と、該ドレン受け(14)に溜められた未処理液を排出するための排出通路(18)と、該排出通路(18)の途中に配された中和処理器(80)を備え、
前記中和処理器(80)は、前記中和剤が充填されていて、前記酸性の未処理液が上部から流入し前記中和剤と反応して中和され、該中和された処理済み液が下部から流出する処理槽(83)と、前記処理済み液が下部から流入して上部から流出するようにした処理済み槽(84)とを備え、
前記処理槽(83)は、該処理槽(83)の容積が前記処理済み槽(84)の容積以上になるように形成されていることを特徴とする熱交換装置(10)。
[4]前記処理槽(83)と前記処理済み槽(84)とを交互にして連ねることで、前記未処理液を中和するための中和処理流路(80a)を備え、
前記中和処理流路(80a)は、上流側の処理槽(83)から下流側の処理槽(83)の順番に該処理槽(83)に充填されている中和剤が消費されるように形成されていることを特徴とする[1]に記載の中和処理器(80)。
[5]前記処理槽(83)と前記処理済み槽(84)とを仕切るための仕切壁(82)を備え、
前記仕切壁(82)は、前記処理済み液が前記処理槽(83)の下部から前記処理済み槽(84)の下部へ流れるようにした連通口(87)が開設され、
前記連通口(87)は、前記未処理液を中和する際に生じて前記処理槽(83)に溜まる沈殿物(D3)で前記連通口(87)が塞がらない程度の低い位置に配されていることを特徴とする[1]に記載の中和処理器(80)。
[6]前記中和処理器(80)の本体である本体容器(81)と、該本体容器(81)内を前記処理槽(83)と前記処理済み槽(84)とに仕切るための仕切壁(82)とを備え、
前記処理槽(83)は、該処理槽(83)の上段部にあって前記未処理液を中和するための中和剤が充填される上段処理槽(85)および、該上段処理槽(85)と本体容器(81)の底部との間の槽であり、前記処理済み液と、前記未処理液を中和する際に生じる沈殿物(D3)とが溜まる下段処理槽(86)を備え、
前記仕切壁(82)は、前記処理済み液が前記下段処理槽(86)から前記処理済み槽(84)の下部へ流れるようにした連通口(87)が開設されており、
前記連通口(87)は、前記沈殿物(D3)で前記連通口(87)が塞がらない程度の低い位置に配されていることを特徴とする[1]に記載の中和処理器(80)。
[7]前記連通口(87)は、前記仕切壁(82)と前記本体容器(81)の底部との間の隙間であり、
前記連通口(87)の下縁部を成す前記底部を下げることで前記沈殿物(D3)を落とし込み、該沈殿物(D3)で前記連通口(87)が塞がらないようにした閉塞防止用溝(88)を備えていることを特徴とする[5]または[6]に記載の中和処理器(80)。
[8]前記処理済み槽(84)は、前記処理済み液と共に流入する沈殿物(D3)で詰まらない程度の幅狭に形成されていることを特徴とする[1]に記載の中和処理器(80)。
次に、酸性の未処理液が中和処理器においてどのように処理されるかについて説明する。酸性の未処理液が処理槽(83)の上部から流入すると、処理槽(83)内の中和剤と反応して中和される。中和された処理済み液の比重が未処理液の比重より大きいと、未処理液が中和されて処理済み液になるに応じて中和剤の中を徐々に下がっていき、処理槽(83)の下部に下がった処理済み液は十分に処理されたものとなって、処理槽(83)の下部から流出して、処理済み槽(84)の下部に流入する。このように流入した処理済み液は、処理済み槽(84)を満たしていき、やがて、処理済み槽(84)の上部から流出するようになる。
処理槽(83)は、その容積が処理済み槽(84)の容積以上になるように形成されているので、処理槽(83)には十分な量の中和剤を充填することができ、また、未処理液が中和されるのに応じて中和剤の中を徐々に下がっていくので、中和剤はその上部側から下部側の方へ順に消費されていき、使い切ることができる。一方で、処理済み槽(84)は、単に、処理済み液が溜まる槽であるから、中和剤を充填しておく必要がない。
このように、大きな容積の処理槽(83)に十分な量の中和剤を充填したので、未処理液を処理可能な量が増加し、中和剤を再充填する作業や中和処理器(80)を交換する作業などの頻度が減少し、この点から保守作業が容易になる。また、処理槽(83)に充填された中和剤を完全に消費する一方で、中和剤が消費されることのない処理済み槽(84)に中和剤を充填しないようにすることで、不必要な中和剤を充填しないで済み、中和剤にかかるコストを低減することができる。さらに、処理槽(83)の容積を処理済み槽(84)以上にしたので、装置全体を小型にすることができる。
次に、燃料を燃焼させた際に排気中に酸性の水分が生じ、あるいは、燃料を燃焼させたときの排気の熱を吸収することで酸性の凝縮水が生じるような熱交換装置(10)において、酸性の水分あるいは酸性の凝縮水である未処理液を中和剤で処理するようにした中和処理器(80)を備えたものでは、中和処理器(80)の処理槽(83)に十分な中和剤を充填することで、熱交換装置(10)で発生する未処理液の処理可能な量が増加し、中和剤を充填する必要のない処理済み槽(84)の容積を小さくすることで、中和処理器(80)を全体的に小型にすることができ、熱交換装置(10)内の小さなスペースにも中和処理器(80)を装備することができる。
次に、燃料に空気を混合して燃焼させた際に生じる排気の流れる排気経路内に、排気の顕熱を吸収して被加熱流体を加熱する一次熱交換器(40)を配置し、さらに一次熱交換器(40)よりも排気経路の下流側に排気の潜熱を回収する二次熱交換器(50)を配置して成る熱交換装置(10)において、二次熱交換器(50)に生成する凝縮水である酸性の未処理液を中和するための中和処理器(80)を備えたものでは、未処理液は以下のように処理される。
すなわち、未処理液はドレン受け(14)に溜められる。溜められた未処理液は、排出通路(18)を通って排出される。排出通路(18)の途中に中和処理器(80)が配されているので、排出通路(18)を通って排出された未処理液は中和処理器(80)に流れる。
中和処理器(80)において、未処理液が中和されるのは、前述した通りであり、酸性の未処理液が処理槽(83)の上部から流入すると、処理槽(83)内の中和剤と反応して中和される。未処理液が中和剤と反応し中和されるに応じて中和剤の中を徐々に下がっていき、処理済み液となる。処理済み液は処理槽(83)の下部から処理済み槽(84)に流入し、処理済み液は、処理済み槽(84)の下部から流入して処理済み槽(84)を満たしていき、処理済み槽(84)の上部から流出するようになる。処理済み槽(84)の上部から流出した処理済み液は、再び排出通路(18)を通って排出されるようになる。
次に、処理槽(83)と処理済み槽(84)とを交互にして連ねることで、未処理液を中和するための中和処理流路(80a)を備えたものでは、未処理液が上流側の処理槽(83)内の中和剤と反応して中和され処理済み液になると、その処理済み液が下流側の処理槽(83)に流入しても、下流側の処理槽(83)内の中和剤と反応することなく、下流側の処理済み槽(84)に流れるようになる。
しかし、上流側の処理槽(83)内の中和剤が完全に消費されていると、未処理液は中和されないまま、処理槽(83)の下部から処理済み槽(84)の下部に流入する。あるいは、処理槽(83)内の中和剤が少ないと、未処理液は十分に中和されないまま、処理槽(83)の下部から処理済み槽(84)の下部に流入する。処理済み槽(84)に流入した未処理液は、既に溜まっている処理済み槽(84)内の処理済み液に押し上げられて浮上し、下流側の処理槽(83)に流入するようになる。このように、中和されない未処理液あるいは、十分に中和されない未処理液は、下流側の処理槽(83)内の中和剤と反応して中和され処理済み液となって、下流側の処理済み槽(84)に流れるようになる。したがって、中和剤は上流側の処理槽(83)から下流側の処理槽(83)の順番に中和剤が消費されるようになる。すなわち、中和処理流路(80a)中の処理槽(83)に充填された中和剤は、全て無駄なく消費される。このようにして、未処理液の処理量を増やすことができ、中和剤の再充填作業等の頻度を減らして、保守作業を容易にすることができる。
次に、処理槽(83)と処理済み槽(84)とを仕切るための仕切壁(82)を備え、仕切壁(82)は、処理済み液が処理槽(83)の下部から処理済み槽(84)の下部へ流れるようにした連通口(87)が開設されているものでは、連通口(87)より上側に充填された中和剤と未処理液が反応し、処理済み液として連通口(87)を通って、処理済み槽(84)に流入する。一方、連通口(87)より下側に充填された中和剤は未処理液と反応しない場合があり、無駄になるばかりか、未処理液が十分に中和されないまま、連通口(87)を通って、処理済み槽(84)に流入し、未処理液は比重が小さいので、処理済み槽(84)の中を上昇して処理済み槽(84)の上部から流出してしまうので、未処理液が十分に中和剤に反応するように、連通口(87)はなるべく低い位置に開設することが好ましい。
また、未処理液は、連通口(87)より上方に充填されている中和剤と反応する一方、連通口(87)より下方に充填されている中和剤と反応しないため、処理槽(83)に充填された中和剤が無駄にならないように、同じく、連通口(87)はなるべく低い位置に開設することが好ましい。
連通口(87)を低い位置に開設すると、本体容器(81)の底部には、未処理液を中和する際に生じる沈殿物(D3)が溜まるので、その沈殿物(D3)で連通口(87)が塞がれるおそれがある。しかし、連通口(87)は、沈殿物(D3)で連通口(87)が塞がらない程度の低い位置に配されているので、沈殿物(D3)で塞がれることがない。
次に、処理槽(83)は、処理槽(83)の上段部にあって未処理液を中和するための中和剤が充填される上段処理槽(85)および、上段処理槽(85)と本体容器(81)の底部との間の槽であり、処理済み液と、未処理液を中和する際に生じる沈殿物(D3)とが溜まる下段処理槽(86)を備えたものでは、以下のように、未処理液が中和される。
すなわち、未処理液が上段処理槽(85)に流入すると、上段処理槽(85)内の中和剤と反応して中和される。中和された処理済み液の比重が未処理液の比重より大きいと、未処理液が中和されて処理済み液になるのに応じて中和剤の中を徐々に下がっていき、上段処理槽(85)の下部に下がった処理済み液は十分に処理されたものとなって、上段処理槽(85)の下部から下段処理槽(86)に下降する。このように、下段処理槽(86)には処理済み液が一時的に溜まるようになる。また、下段処理槽(86)には、未処理液を中和する際に生じる沈殿物(D3)が溜まるようになる。
下段処理槽(86)に一時的に溜まった処理済み液は連通口(87)を通り、下段処理槽(86)から処理済み槽(84)の下部に流入し、このように流入した処理済み液は、処理済み槽(84)を満たしていき、やがて、処理済み槽(84)の上部から流出するようになる。また、連通口(87)は、沈殿物(D3)で連通口(87)が塞がらない程度の低い位置に配されているので、下段処理槽(86)に溜まる沈殿物(D3)で連通口(87)が塞がれることがない。
次に、連通口(87)は、仕切壁(82)と本体容器(81)の底部との間の隙間であり、連通口(87)の下縁部を成す底部を下げることで沈殿物(D3)を落とし込み、沈殿物(D3)で連通口(87)が塞がらないようにした閉塞防止用溝(88)を備えているものでは、連通口(87)の近くに溜まる沈殿物(D3)は、連通口(87)の下縁部を成す閉塞防止用溝(88)に落ち込み、連通口(87)を塞ぐことがない。すなわち、閉塞防止用溝(88)の深さの分だけ、連通口(87)の丈が広がることになるので、多量の沈殿物(D3)が連通口(87)の近くに溜まった場合にも、沈殿物(D3)で連通口(87)が塞がれるおそれはない。
次に、処理済み槽(84)は、処理済み液と共に流入する沈殿物(D3)で詰まらない程度の幅狭に形成されているものでは、処理済み槽(84)を最小の容積にすることができ、中和処理器(80)全体の容積が一定であれば、処理済み槽(84)の容積を最小にした分だけ、処理槽(83)の容積を大きくすることができる。それにより、十分な量の中和剤を充填することができ、未処理液を処理可能な量を増加することができる。
本発明に係る中和処理器によれば、酸性の未処理液が処理槽の上部から流入し、中和されて処理済み液になり、処理槽の下部から処理済み槽の下部に流入し、処理済み槽の上部から流出するようにし、中和剤が処理槽のみで消費されるようにし、処理槽の容積が処理済み槽の容積以上になるようにしたので、処理槽には十分な量の中和剤を充填することができ、処理液を処理可能な量が増加し、中和剤を再充填する作業や中和処理器を交換する作業などの頻度が減少し、この点から保守作業が容易になる。また、処理槽に充填された中和剤を完全に消費する一方で、中和剤が消費されることのない処理済み槽に中和剤を充填しないようにすることで、不必要な中和剤を充填しないで済み、中和剤の全体量が減少して、中和剤にかかるコストを低減することができる。さらに、中和剤を充填する必要がある処理槽の容積に比べ、中和剤を充填することのない処理済み槽の容積を小さくすれば、装置全体を小型にすることができる。
また、燃料を燃焼させた際に排気中に酸性の水分が生じ、あるいは、燃料を燃焼させたときの排気の熱を吸収することで酸性の凝縮水が生じるような熱交換装置において、酸性の水分あるいは酸性の凝縮水である未処理液を中和剤で処理するようにした中和処理器を備えたので、中和処理器の処理槽に十分な中和剤を充填することができて、熱交換装置で発生する未処理液の処理可能な量が増加し、中和剤を充填する必要のない処理済み槽の容積を小さくすることで、中和処理器を全体的に小型にすれば、熱交換装置内の小さなスペースにも中和処理器を装備することができる。
さらに、燃料に空気を混合して燃焼させた際に生じる排気の流れる排気経路内に、排気の顕熱を吸収して被加熱流体を加熱する一次熱交換器を配置し、さらに一次熱交換器よりも排気経路の下流側に排気の潜熱を回収する二次熱交換器を配置して成る熱交換装置において、二次熱交換器に生成する凝縮水である酸性の未処理液を中和するための中和処理器を備えたので、同じく、熱交換装置で発生する未処理液の処理可能な量が増加し、熱交換装置内の小さなスペースにも中和処理器を装備することができる。
さらに、処理槽と処理済み槽とを交互にして連ねることで、未処理液を中和するための中和処理流路を備えたので、中和剤が上流側の処理槽から下流側の処理槽の順番に各処理槽に充填された中和剤が消費されるようになり、中和処理流路中の処理槽に充填された中和剤は、全て無駄なく消費され、未処理液の処理量を増やすことができるとともに、中和剤の再充填作業等の頻度を減らして、保守作業を容易にすることができる。
さらに、処理槽と処理済み槽とを仕切壁で仕切り、仕切壁に連通口を開設して、処理済み液が処理槽の下部から処理済み槽の下部へ流れるようにし、沈殿物で連通口が塞がらない程度の低い位置に連通口を配するようにしたので、連通口より上側に十分な量の中和剤を充填することができ、十分な量の中和剤に未処理液が反応して中和し、処理済み液となり連通口を通って処理済み槽に流れるようにすることができる。さらに、処理槽には中和剤が充填される上段処理槽と、未処理液を中和する際に生じる沈殿物が溜まる下段処理槽を備え、仕切壁に連通口が開設され、その連通口が沈殿物で塞がらない程度に低い位置に配されたので、下段処理槽に処理済み液と沈殿物とが溜まるが、沈殿物で連通口が塞がれることがなく、処理済み液は連通口を通り、下段処理槽から処理済み槽の下部に流入することができる。
さらに、連通口の下縁部を成す底部を下げることで沈殿物を落とし込むための閉塞防止用溝を備えたので、閉塞防止用溝の深さの分だけ、連通口の丈が広がることになり、多量の沈殿物が連通口の近くに溜まった場合にも、沈殿物で連通口が塞がれるのを防止することができる。さらに、処理済み槽が処理済み液と共に流入する沈殿物で詰まらない程度の幅狭に形成されているので、処理済み槽を最小の容積にすることができる。また、中和処理器全体の容積が一定であれば、処理済み槽の容積を最小にした分だけ、処理槽の容積を大きくして、処理槽に十分な量の中和剤を充填することができ、未処理液を処理可能な量を増加することができる。
以下、図面に基づき本発明を代表する各種実施の形態を説明する。
図1および図2は本発明の第1実施の形態を示している。
本実施の形態に係る熱交換装置10は、強制排気(FE)式の給湯器に適用したものである。ここで給湯器の種類は、湯沸器や風呂給湯器あるいは給湯暖房機として単独で用いられるものに限られず、これらを適宜組み合わせたものに対応して複数用いられるものであってもよい。
図2に示すように、熱交換装置10は、ハウジング11内に燃焼室12を備えており、該燃焼室12の下部には、バーナー13が配設されている。燃焼室12内において、その下部にあるバーナー13から燃焼室12の上部にある排気フード16に至る空間に排気経路が形成される。
かかる排気経路内において、バーナー13の上方には、排気の顕熱を回収する一次熱交換器40が配置され、さらにその上方には排気の潜熱を回収する二次熱交換器50が配置されている。ここで二次熱交換器50は、一次熱交換器40よりも排気経路の下流側に位置する。
一次熱交換器40と二次熱交換器50の間には、二次熱交換器50で生成した凝縮水を受け止め、該凝縮水が一次熱交換器40の上に落下することを防止するための受け皿14が取り付けられている。受け皿14は、燃焼室12を図3中の左端一部を除いて上下に仕切るものであり、一次熱交換器40を経由した後の排気は、受け皿14のない燃焼室12左端の開口部15を通じて二次熱交換器50の配置されている排気フード16に流れ込むようになっている。
受け皿14は、開口部15側から燃焼室12の右端側に向けて下り傾斜しており、傾斜の下端部分には、受け皿14によって回収された凝縮水を一時的に溜めるドレン受け14aが設けられている。ドレン受け14aの底部には、凝縮水の排出通路18が接続され、該排出通路18の途中には、酸性の凝縮水を中和するための中和処理器80が取り付けられている。中和処理器80には、例えば炭酸カルシウムが入っており酸性の凝縮水を中和する。中和処理器80の詳細な構成については後述する。
燃焼室12の左下方には、燃料に混合する燃焼用の空気をバーナー13に向けて送り込むための給気ファン30が配設されている。給気ファン30は、燃焼室12の底部に連通するように取り付けられたケーシング31に収納されており、該ケーシング31内に給気経路が形成される。なお、ハウジング11の適所には、空気を取り込むための給気口11aが開設されている。
バーナー13には、燃焼ガスを供給するためのガス供給管21の先端が臨むように配置されており、該ガス供給管21の途中には、燃焼ガスの供給をオンオフ制御するガス電磁弁22と、元ガス電磁弁23と、それにバーナー13へ供給する燃焼ガスの供給量を調整するガス比例弁24が取り付けられている。
ハウジング11内において二次熱交換器50の下流側へ排出された排気は、排気経路の下流端を成す排気フード16に連通された排気延長経路17から屋外へ排出されるようになっている。排気延長経路17は、その始端側が排気フード16の終端側に一体に接続されており、ハウジング11が配置された室内の所定箇所から天井裏ないしパイプスペースに沿って、外気に開放する屋外まで延び出るように配設されている。
二次熱交換器50の入側には、給水された水(被加熱流体)が流入する給水管路61が接続され、二次熱交換器50の出側は、連結管路62によって一次熱交換器40の入側と接続されている。また、一次熱交換器40の出側には、加熱後の給水の流れ出る給湯管路63が接続されている。
給水管路61の入口部近傍には、供給される給水の温度を検知するための入水サーミスタ64が、またその下流側には、通水の有無や通水量を検知するための水量センサ65が取り付けられている。給湯管路63には、その出口部近傍に、出湯される湯の温度を検知するための出湯サーミスタ66が、またその下流側には、出湯される湯の流量を制限するための水量制御弁67が設けられている。
また、熱交換装置10は、その動作を統括制御するための各種回路部品を収めた制御基板70を有しており、該制御基板70には、例えば、台所等に配置され、湯温の設定操作等の受け付けや、各種の状態表示を行うリモコン71が接続されている。
次に、図1に基づいて、中和処理器80の詳細な構成について説明する。図1に示すように、中和処理器80は、中和剤N1が充填されていて、酸性の未処理液D1が上部から流入し中和剤N1と反応して中和され、中和された処理済み液D2が下部から流出する処理槽83と、処理済み液D2が下部から流入して上部から流出するようにした処理済み槽84とを備えている。
処理槽83は、その処理槽83の容積が処理済み槽84の容積以上になるように形成されている。本実施の形態では、処理済み槽84は、処理済み液D2と共に流入する沈殿物D3で詰まらない程度の最小限の幅狭に形成されている。未処理液の流入量等によるが、例えば、堆積する速さが1年で1mmで、本装置の耐用年数が10年であるならば、10年で10mmの沈殿物D3が生成される可能性がある。従って、処理済み槽84は、耐用年数経過で生成し得る最大の大きさ(10mm径)の沈殿物D3で詰まらない程度の最小限の幅(10mm)に形成されている。このようにして、処理済み槽84の容積は最小なものになる。反対に、処理槽83は、その容積が大きくなることで、十分な量の中和剤N1を充填することができるものになる。
処理槽83は、その処理槽83の上段部にあって未処理液D1を中和するための中和剤N1が充填される上段処理槽85および、その上段処理槽85と本体容器81の底部81bとの間の槽であり、処理済み液D2と、未処理液D1を中和する際に生じる沈殿物D3とが溜まる下段処理槽86とを備えている。上段処理槽85と下段処理槽86との間にはパンチングメタル91が配されている。パンチングメタル91は、中和剤N1を通さない程度の小孔が多数穿設されたものである。
中和処理器80の本体である本体容器81の内部は、仕切壁82によって処理槽83と処理済み槽84とに仕切られている。仕切壁82は、処理済み液D2が処理槽83の下部から処理済み槽84の下部へ流れるようにした連通口87が開設されている。連通口87は、未処理液D1を中和する際に生じて処理槽83に溜まる沈殿物D3で連通口87が塞がらない程度の低い位置に配されている。本実施の形態では、連通口87は、仕切壁82と本体容器81の底部81bとの間の隙間であるが、仕切壁82に穿設したものであってもよい。
また、本体容器81の天井部81aには、未処理液D1が流れ込むための流入口81cが開設されている。処理済み槽84は、外筒である仕切壁82と内筒である排出用筒部89との間の隙間に形成された槽であり、処理済み槽84の上端部は、排出用筒部89の筒上口89aに通じており、処理済み液D2は、排出用筒部89を通って、筒下口89bから流れるように成っている。
図1は、略箱形の本体容器81を前記排出用筒部89の筒軸に沿って破断したものである。図1に示すように、天井部81aを含む上部容器81dと、底部81bを含む下部容器81eとを上下で重ね合わせて成る。上部容器81dの外周フランジ81fと、下部容器81eの外周フランジ81gとが重ね合わされ、図示省略したビスで締結している。上部容器81dは、仕切壁82が一体的に形成されている。下部容器81eは、排出用筒部89が一体的に形成されている。
次に、熱交換装置10において、排気の熱がどのように吸収されるかについて説明する。バーナー13からの熱は、先ずバーナー13の近傍に配置された一次熱交換器40によって吸収される。すなわち、一次熱交換器40では、加熱された排気の顕熱が主として吸収される。一次熱交換器40によって顕熱の回収された排気は、開口部15を通って二次熱交換器50に到達する。
二次熱交換器50に到達した排気は、200℃〜250℃程度までその温度が低下しているので、二次熱交換器50は主として排気の潜熱を回収する。なお、潜熱回収時に二次熱交換器50に結露した凝縮水は、図2において、二次熱交換器50から落下して受け皿14に受け止められ、ドレン受け14a、排出通路18、中和処理器80を通じて排出される。中和処理器80において、凝縮水である未処理液がどのように処理されるかは後述する。
図2に示すように、給水管路61から給水することで、該給水管路61から二次熱交換器50内に入る水と、一次熱交換器40の下流側へ排出される排気の潜熱とが熱交換されて、給水直後の水温をある程度上昇させることができる。二次熱交換器50に到達した排気が比較的低い温度であっても、給水との温度差が大きく、効率良く排気の熱を吸収することができる。
二次熱交換器50で熱交換された低温の湯は、連結管路62を通って今度は一次熱交換器40内に入ることで、バーナー13からの顕熱と熱交換されるため、一次熱交換器40に続く給湯管路63から高温の湯を供給することができる。高温の湯は、給湯以外にも例えば、風呂の湯沸かしや暖房等に適宜用いられる。
次に、凝縮水である未処理液D1がどのように中和処理器80に流れ、中和処理器80でどのように処理されるかについて説明する。図1に示すように、未処理液D1はドレン受け14aに溜められる。溜められた未処理液D1は、排出通路18を通って排出される。排出通路18の途中に中和処理器80が配されているので、排出通路18を通って排出された未処理液D1は中和処理器80に流れる。
酸性の未処理液D1が流入口81cを通って処理槽83の上部から流入すると、処理槽83に充填されている中和剤N1と反応して中和される。中和された処理済み液D2の比重は未処理液D1の比重より大きいから、未処理液D1が中和剤N1と反応し中和され、処理済み液D2となって、中和剤N1の中を徐々に下がっていく。やがて、処理済み液D2は上段処理槽85からパンチングメタル91を通って下段処理槽86に下がり、処理済み液D2は処理槽83の下部である下段処理槽86から連通口87を通り、処理済み槽84の下部から流入し、処理済み槽84を満たしていく。図1(a)に示すように、処理済み槽84が処理済み液D2で既に満たされていると、処理済み液D2が、処理済み槽84の上部である排出用筒部89の筒上口89aから流出するようになる。処理済み槽84の上部から流出した処理済み液D2は、排出用筒部89の筒下口89bから再び排出通路18を通って排出されるようになる。
図1(b)に示すように、上段処理槽85に充填された中和剤N1が完全に消費された完全消費状態になると、図1(c)に示すように、未処理液D1が中和剤N1と反応せず中和されないまま下段処理槽86から連通口87を通り処理済み槽84の下部に流入し、処理済み槽84内の処理済み液D2に押し上げられて浮上し、処理済み槽84の上部から流出するようになる。すなわち、上段処理槽85に充填された中和剤N1が完全消費状態になって始めて、処理済み槽84から未処理液D1が流出するようになり、処理槽83内に消費されることのない無駄な中和剤N1を充填させないで済み、処理槽83に無駄なスペースがない分だけ、中和処理器80を小型にすることができる。
次に、未処理液D1あるいは処理済み液D2がどのように連通口87を通って処理槽83から処理済み槽84に流れるかについて説明する。上段処理槽85に流入した未処理液D1は、連通口87より上側に充填された中和剤N1と反応し、十分に中和されないまま連通口87を通って、処理済み槽84に流入する場合がある。未処理液D1が十分に中和されないまま、連通口87を通って、処理済み槽84に流入すると、未処理液D1は処理済み液D2より比重が小さいので、処理済み槽84に既に溜まっている処理済み液D2に押し上げられて、処理済み槽84の中を浮上して処理済み槽84の上部から流出してしまうおそれがある。
一方、連通口87より下側に中和剤N1があっても、そのような中和剤N1は未処理液D1と反応しない場合があり、中和剤N1が無駄になり、無駄な中和剤N1を充填しても処理槽83に無駄なスペースを作るだけである。
未処理液D1が十分に中和剤に反応してから処理済み槽84に流れるように、連通口87はなるべく低い位置に開設することが好ましい。また、未処理液D1は、連通口87より上方に充填されている中和剤N1と反応する一方、連通口87より下方に充填されている中和剤N1とは反応し難いため、処理槽83に充填された中和剤N1が無駄にならないように、同じく、連通口87はなるべく低い位置に開設することが好ましい。
連通口87を低い位置に開設した場合に、本体容器81の底部81bには、未処理液D1を中和する際に生じる沈殿物D3が溜まるので、底部81bと仕切壁82との間の隙間である連通口87が沈殿物D3で塞がれるおそれがある。しかし、連通口87は、沈殿物D3で連通口87が塞がらない程度の最低限度の位置に配されているので、沈殿物D3で連通口87が塞がれることがない。
図3は本発明の第2実施の形態を示している。すなわち、連通口87は、仕切壁82と本体容器81の底部81bとの間の隙間である。連通口87の下縁部を成す底部81bを下げることで沈殿物D3を落とし込み、沈殿物D3で連通口87が塞がらないようにした閉塞防止用溝88を備えている。
第2実施の形態に係る中和処理器80によれば、沈殿物D3と連通口87との関係は以下のようになる。すなわち、未処理液D1が上段処理槽85に流入すると、上段処理槽85内の中和剤N1と反応して中和される。中和された処理済み液D2の比重が未処理液D1の比重より大きいから、未処理液D1が中和されて処理済み液D2になるのに応じて中和剤N1の中を徐々に下がっていき、上段処理槽85の下部に下がった処理済み液D2は十分に処理されたものとなって、上段処理槽85の下部からパンチングメタル91を通って下段処理槽86に下降し、処理済み液D2が下段処理槽86に溜まるようになる。また、図3(a)、(b)に示すように、未処理液D1を中和する際に生じる沈殿物D3がパンチングメタル91を通って下段処理槽86に徐々に溜まるようになる。図3(c)に示すように、中和剤N1が完全に消費された完全消費状態になると、未処理液D1が処理済み槽84から上段処理槽85に流入して上段処理槽85の上部から流出することは、前記第1実施の形態と同様である。
連通口87の近くに溜まる沈殿物D3は、連通口87の下縁部を成す閉塞防止用溝88に落ち込むようになり、沈殿物D3で連通口87が塞がれない。また、閉塞防止用溝88の深くする分だけ、連通口87の丈が広がることになるので、多量の沈殿物D3が連通口87の近くに溜まった場合にも、その丈が広い連通口87が沈殿物D3で塞がれることはない。
図4は本発明の第3実施の形態を示している。第3実施の形態に係る中和処理器80は、処理槽83と処理済み槽84とを交互にして連ねることで、未処理液D1を中和するための中和処理流路80aを備えたものである。中和処理流路80aは、上流側の処理槽83から下流側の処理槽83の順番に処理槽83に充填されている中和剤N1が消費されるように形成されている。
第3実施の形態によれば、未処理液D1が上流側の処理槽83内の中和剤N1と反応して中和され処理済み液D2になると、その処理済み液D2が上流側の処理済み槽84から下流側の処理槽83に流入しても、既に中和されているので、下流側の処理槽83内の中和剤N1と反応することなく、下流側の処理済み槽84に流れるようになる。一方、上流側の処理槽83内の中和剤N1が完全に消費された完全消費状態であると、未処理液D1は中和されないまま、上流側の処理槽83の下部から上流側の処理済み槽84の下部に流入する。あるいは、上流側の処理槽83内の中和剤N1が少ないと、未処理液D1は十分に中和されないまま、上流側の処理槽83の下部から処理済み槽84の下部に流入する。
上流側の処理済み槽84に流入した未処理液D1は、上流側の処理済み槽84に既に溜まっている処理済み液D2に押し上げられて浮上し、上流側の処理済み槽84から下流側の処理槽83に流入するようになる。このように、中和されない未処理液D1あるいは、十分に中和されない未処理液D1は、下流側の処理槽83内の中和剤N1と反応して中和され処理済み液D2となって、下流側の処理済み槽84に流れるようになる。したがって、中和剤N1は上流側の処理槽83から下流側の処理槽83の順番に中和剤N1が消費されるようになる。すなわち、中和処理流路80a中の上流側から下流側の各処理槽83にそれぞれ充填された中和剤N1は、全て無駄なく消費されるようになる。このように、中和剤N1を無駄なく消費することで、未処理液D1の処理量を増やすことができ、中和剤N1の再充填作業等の頻度を減らして、保守作業を容易にすることができる。
以上、本発明の各種実施の形態を図面によって説明してきたが、具体的な構成はこれらの実施の形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。例えば、上段処理槽85の下方に下段処理槽86を設け、処理済み液D2が下段処理槽86から処理済み槽84に流れるものを示したが、下段処理槽86を設けずに、処理済み液D2が上段処理槽85から処理済み槽84に流れるようにしてもよい。
また、前記各実施の形態では、燃料に空気を混合して燃焼させた際に生じる排気の潜熱を回収する際に生じる凝縮水である酸性の未処理液を中和する中和処理器を備えたガス給湯器を例に説明したが、燃料は、石油や灯油等でもよく、また適用する器具は、風呂の湯沸かしや暖房等を行うものであってもよい。また、燃料を燃焼させた際に排気中に酸性の水分が生じるようなヒートポンプに、その酸性の水分である未処理水を中和するための中和処理器80を備えるようにしてもよい。以上のような器具やヒートポンプ内の小さなスペースにも小型になった中和処理器80を装備することができる。
本発明の第1実施の形態に係る中和処理器を概念的に示した断面図であり、(a)は処理槽内の中和剤が多少残っている状態、(b)は中和剤が完全に消費された状態、(c)は処理槽から処理済み槽の下部に流入した未処理液が、処理済み槽の上部から流出する状態を示す図である。 本発明の第1実施の形態に係る熱交換装置の全体構成を示す説明図である。 本発明の第2実施の形態に係る中和処理器を概略的に示す断面図であり、(a)は下段処理槽の沈殿物が閉塞防止用溝に多少溜まった状態、(b)は閉塞防止用溝に多量に溜まった沈殿物が連通口を塞いでない状態、また、中和剤が完全に消費された状態、また、(c)は、同じく、閉塞防止用溝に多量に溜まった沈殿物が連通口を塞いでない状態、また、未処理液が処理済み槽の上部から流出する状態を示す図である。 本発明の第3実施の形態に係る中和処理器を概略的に示した断面図であり、処理槽と処理済み槽とを交互にして連ねることで構成した中和処理流路を示す図である。
符号の説明
D1…未処理液
D2…処理済み液
D3…沈殿物
N1…中和剤
10…熱交換装置
11…ハウジング
11a…給気口
12…燃焼室
13…バーナー
14…受け皿
14a…ドレン受け
15…開口部
16…排気フード
17…排気延長経路
18…排出通路
21…ガス供給管
22…ガス電磁弁
23…元ガス電磁弁
24…ガス比例弁
30…給気ファン
31…ケーシング
40…一次熱交換器
50…二次熱交換器
61…給水管路
62…連結管路
63…給湯管路
64…入水サーミスタ
65…水量センサ
66…出湯サーミスタ
67…水量制御弁
70…制御基板
71…リモコン
80…中和処理器
80a…中和処理流路
81…本体容器
81a…天井部
81b…底部
81c…流入口
81d…上部容器
81e…下部容器
81f、81g…外周フランジ
82…仕切壁
83…処理槽
84…処理済み槽
85…上段処理槽
86…下段処理槽
87…連通口
88…閉塞防止用溝
89…排出用筒部
89a…筒上口
89b…筒下口
91…パンチングメタル

Claims (8)

  1. 酸性の未処理液を中和剤で処理するようにした中和処理器において、
    前記中和剤が充填されていて、前記酸性の未処理液が上部から流入し前記中和剤と反応して中和され、該中和された処理済み液が下部から流出する処理槽と、前記処理済み液が下部から流入して上部から流出するようにした処理済み槽とを備え、
    前記処理槽は、該処理槽の容積が前記処理済み槽の容積以上になるように形成されていることを特徴とする中和処理器。
  2. 燃料を燃焼させた際に排気中に酸性の水分が生じ、あるいは、燃料を燃焼させたときの排気の熱を吸収することで酸性の凝縮水が生じるような熱交換装置において、
    前記酸性の水分あるいは前記酸性の凝縮水である未処理液を中和剤で処理するようにした中和処理器を備え、
    前記中和処理器は、前記中和剤が充填されていて、前記酸性の未処理液が上部から流入し前記中和剤と反応して中和され、該中和された処理済み液が下部から流出する処理槽と、前記処理済み液が下部から流入して上部から流出するようにした処理済み槽とを備え、
    前記処理槽は、該処理槽の容積が前記処理済み槽の容積以上になるように形成されていることを特徴とする熱交換装置。
  3. 燃料に空気を混合して燃焼させた際に生じる排気の流れる排気経路内に、排気の顕熱を吸収して被加熱流体を加熱する一次熱交換器を配置し、さらに該一次熱交換器よりも前記排気経路の下流側に排気の潜熱を回収する二次熱交換器を配置して成る熱交換装置において、
    前記二次熱交換器に生成する凝縮水である酸性の未処理液を溜めるためのドレン受けと、該ドレン受けに溜められた未処理液を排出するための排出通路と、該排出通路の途中に配された中和処理器を備え、
    前記中和処理器は、前記中和剤が充填されていて、前記酸性の未処理液が上部から流入し前記中和剤と反応して中和され、該中和された処理済み液が下部から流出する処理槽と、前記処理済み液が下部から流入して上部から流出するようにした処理済み槽とを備え、
    前記処理槽は、該処理槽の容積が前記処理済み槽の容積以上になるように形成されていることを特徴とする熱交換装置。
  4. 前記処理槽と前記処理済み槽とを交互にして連ねることで、前記未処理液を中和するための中和処理流路を備え、
    前記中和処理流路は、上流側の処理槽から下流側の処理槽の順番に該処理槽に充填されている中和剤が消費されるように形成されていることを特徴とする請求項1に記載の中和処理器。
  5. 前記処理槽と前記処理済み槽とを仕切るための仕切壁を備え、
    前記仕切壁は、前記処理済み液が前記処理槽の下部から前記処理済み槽の下部へ流れるようにした連通口が開設され、
    前記連通口は、前記未処理液を中和する際に生じて前記処理槽に溜まる沈殿物で前記連通口が塞がらない程度の低い位置に配されていることを特徴とする請求項1に記載の中和処理器。
  6. 前記中和処理器の本体である本体容器と、該本体容器内を前記処理槽と前記処理済み槽とに仕切るための仕切壁とを備え、
    前記処理槽は、該処理槽の上段部にあって前記未処理液を中和するための中和剤が充填される上段処理槽および、該上段処理槽と本体容器の底部との間の槽であり、前記処理済み液と、前記未処理液を中和する際に生じる沈殿物とが溜まる下段処理槽を備え、
    前記仕切壁は、前記処理済み液が前記下段処理槽から前記処理済み槽の下部へ流れるようにした連通口が開設されており、
    前記連通口は、前記沈殿物で前記連通口が塞がらない程度の低い位置に配されていることを特徴とする請求項1に記載の中和処理器。
  7. 前記連通口は、前記仕切壁と前記本体容器の底部との間の隙間であり、
    前記連通口の下縁部を成す前記底部を下げることで前記沈殿物を落とし込み、該沈殿物で前記連通口が塞がらないようにした閉塞防止用溝を備えていることを特徴とする請求項5または6に記載の中和処理器。
  8. 前記処理済み槽は、前記処理済み液と共に流入する沈殿物で詰まらない程度の幅狭に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の中和処理器。
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