JP2005068338A - 自動車用樹脂製複合部品 - Google Patents

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Abstract

【課題】 燃料および/または燃料ガスと接触する部品に使用される、自動車用樹脂製複合部品を提供する。
【解決手段】メタキシリレンジアミン55〜100モル%、およびパラキシリレンジアミン45〜0モル%からなるキシリレンジアミンと、アジピン酸とから得られたポリアミド樹脂を50重量%以上含むポリアミド系樹脂100重量部に対し、タルクが0.1〜10重量部配合されてなる樹脂組成物(A)からなる部品と、ポリオレフィン系樹脂(B)からなる部品とが一体化されてなることを特徴とする、自動車用樹脂複合部品。
【選択図】 なし

Description

本発明は、自動車用樹脂製複合部品に関する。さらに詳しくは、燃料および/または燃料ガスが直接接触する部品(以下、燃料系部品と略称することがある。)に使用される自動車用樹脂製複合部品に関する。
自動車用の燃料タンクの樹脂化と共に、燃料タンクに付属する継手、パイプ、蓋体などの各種自動車用部品の樹脂化も検討されている。各種自動車用部品製造用樹脂材料としては、樹脂製燃料タンク本体との溶着性が良好であることから、タンク本体と同じ素材の高密度ポリエチレン樹脂が使用されている。しかし、高密度ポリエチレン樹脂は、特にガソリンなどの揮発性燃料および/または燃料ガスのバリア性が劣り、燃料タンクに付属する継手、パイプ、蓋体などの各種部品などから、燃料および/または燃料ガスが透過するという欠点がある。
このため、環境面と安全性の観点から、高密度ポリエチレンより優れた燃料および/または燃料ガスのバリア性を発揮する樹脂製部品が希求されている。最近では、高密度ポリエチレン樹脂以外の樹脂による樹脂化も検討され、フッ素系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、ポリアミド系樹脂の燃料および/または燃料ガスのバリア性に優れた樹脂が注目され、樹脂製燃料タンクなどの燃料と接触する部品(燃料系部品)製造用材料として検討や開発が行われている。
例えば、燃料系部品製造用材料としてポリアミド12系樹脂の使用が試みられており、ポリアミド12系樹脂は、多くのポリアミド系樹脂群の中では燃料および燃料ガスのバリア性が劣るため、燃料系部品製造用材料としては十分といえない。また、ポリアミド12系樹脂とポリエチレン系樹脂との複合部品として使用することが検討されているが、ポリアミド12系樹脂はポリエチレン系樹脂との熱融着性が悪く、これらを組合せた複合部品は強度の点で不十分である。
パイプ継手部材として、高密度ポリエチレン樹脂の代りにグラスファイバ充填剤で補強されたポリアミド系樹脂を使用する提案されており(特許文献1参照)、ポリアミド樹脂として、ポリアミド6、ポリアミド66、ポリアミド64、ポリアミド11、ポリアミド12などが挙げられている。しかし、このようなポリアミド樹脂では、得られる成形品は燃料および/または燃料ガスのバリア性が不十分であり、燃料および燃料ガスの透過・飛散は避けられない。
また、熱可塑性樹脂からなる部品と、フィラーを含むポリオレフィン系樹脂組成物からなる部品とを接合した複合部品が提案されている(特許文献2参照)。この複合部品を燃料系部品に使用する場合、接着性は改良されるが、熱可塑性樹脂の種類によっては燃料および/または燃料ガスのバリア性が不十分であり、要求を満たす樹脂製複合部品を得ることが困難である。
さらに、ポリメタキシリレンアジパミドなどのポリアミド重合体と、エポキシ基含有エチレン系共重合体とを含むポリアミド系樹脂組成物からなる層と、変性ポリエチレン系樹脂を含有する樹脂組成物からなる層とを、熱融着した積層体が提案されている(特許文献3参照)。この積層体はガソリンバリア性に優れるので、燃料タンク付属バルブなどの自動車部品に使用される。しかし、この樹脂組成物を使用して射出成形法によって自動車複合部品を製造する場合、ポリメタキシリレンアジパミドはポリアミド6やポリアミド66などに比べ結晶化速度が遅いので、使用するポリアミド重合体の種類によっては、実用的な製品を効率よく製造することが困難である。
特許第2715870号公報 特開2002−67248号公報 特開2002−326326号公報
本発明は、かかる状況にあって、自動車部品に要求される燃料および/または燃料ガスのバリア性に優れ、樹脂製燃料タンクと組み合わされ、燃料および/または燃料ガスが直接接触する部品(燃料系部品)として好適な樹脂製複合部品を提供すべく、鋭意検討した結果、本発明を完成したものである。すなわち、本発明の目的は次のとおりである。
1.自動車部品に要求される燃料および/または燃料ガスのバリア性に優れ、かつ、射出成形法によって効率よく製造できる実用的な自動車用樹脂製複合部材部品(部材)を提供すること。
2.燃料タンク本体に付属し、燃料および/または燃料ガスが直接接触する継手、パイプ、蓋体などの燃料と接触する部品(燃料系部品)を提供すること。
3.上記樹脂製複合部品を組合され、自動車部品に要求される安全性などの信頼性が高い自動車用樹脂製複合部品を提供すること。
上記課題を解決するため、第一明では、メタキシリレンジアミン55〜100モル%、およびパラキシリレンジアミン45〜0モル%からなるキシリレンジアミンと、アジピン酸とから得られたポリアミド樹脂を50重量%以上含むポリアミド系樹脂100重量部に対し、タルクが0.1〜10重量部配合されてなる樹脂組成物(A)からなる部材と、ポリオレフィン系樹脂(B)からなる部品とが一体化されてなることを特徴とする、自動車用樹脂製複合部品を提供する。
また、第二発明では、メタキシリレンジアミン55〜100モル%、およびパラキシリレンジアミン45〜0モル%からなるキシリレンジアミンと、アジピン酸とから得られたポリアミド樹脂を50重量%以上含むポリアミド系樹脂100重量部に対し、タルクが0.1〜10重量部配合されてなる樹脂組成物(A)からなる部材と、高密度ポリエチレン樹脂からなる部品が溶着されたものであることを特徴とする、自動車用樹脂製複合成形品を提供する。
本発明は、次のような特別に有利な効果を奏し、その産業上の利用価値は極めて大である。
1.発明に係る自動車用樹脂製複合部品は、自動車用燃料、特にガソリンなどの揮発性の燃料および/または燃料ガスのバリア性に優れている。
2.本発明に係る自動車用樹脂製複合部品は、良好な接着強度を発揮する。
3.本発明に係る自動車用樹脂製複合部品は、射出成形法によって安全性に優れ、実用的な製品を効率よく製造することができる。
以下、本発明を詳細に説明する。本発明に係る自動車用樹脂製複合部品は、樹脂組成物(A)からなる部材とポリオレフィン系樹脂(B)からなる部品が接合されてなるものである。本発明において樹脂組成物(A)は、ポリアミド系樹脂(A1)とタルク(A2)とによって構成される。ポリアミド系樹脂(A1)とは、メタキシリレンジアミン55〜100モル%、およびパラキシリレンジアミン45〜0モル%からなるキシリレンジアミンとアジピン酸とから得られるポリアミド重合体から構成されるものをいう。メタキシリレンジアミンが55モル%未満、すなわちパラキシリレンジアミンが45モル%を超えると、得られるポリアミド樹脂の融点が非常に高くなり、実用的な射出成形条件を超え、また併用するポリオレフィン系樹脂との著しい融点差が生じ、不良発生の原因になり易く、好ましくない。上記ポリアミド系樹脂(A1)は、好ましくは末端基数より計算した数平均分子量が、10000〜40000の範囲のものが好適である。数平均分子量が10000未満では、部材に要求される強度が得られず、また40000を超えると、高粘度となり射出成形法による部品の製造が困難となり、いずれも好ましくない。
樹脂組成物(A)は、ポリアミド系樹脂(A1)を50重量%以上含むことが必要である。この樹脂組成物(A)にはポリアミド系樹脂(A1)の外に、50重量%以下の範囲内で、他の熱可塑性樹脂が配合されていてもよい。他の熱可塑性樹脂としては、特に制限はないが、例えば、上記ポリアミド系樹脂(A1)以外のポリアミド樹脂(A3)、ポリエステル樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリフェニレンスルフィド樹脂などが挙げられる。他の熱可塑性樹脂は、単独でも2種以上の混合物であってもよい。上に挙げた他の熱可塑性樹脂の中でも好ましいのは、上記ポリアミド系樹脂(A1)以外のポリアミド樹脂(A3)、ポリプロピレン樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂などである。
ポリアミド樹脂(A3)としては、ポリアミド6、ポリアミド66、ポリアミド46、ポリアミド6/66、ポリアミド10、ポリアミド612、ポリアミド11、ポリアミド12、メタキシリレンジアミン、パラキシリレンジアミン、アジピン酸およびテレフタル酸からなるポリアミドMP6T、ヘキサメチレンジアミン、アジピン酸およびテレフタル酸からなるポリアミド66T、ヘキサメチレンジアミン、イソフタル酸およびテレフタル酸からなるポリアミド6ITなどが挙げられる。
本発明における樹脂組成物(A)は、上記ポリアミド系樹脂(A1)を50重量%以上含むポリアミド系樹脂100重量部に対し、タルク(A2)が0.1〜10重量部配合されている。タルク(A2)が0.1重量部未満では、樹脂組成物(A)を原料として射出成形法によって部品を製造する際に、実用的な部品を効率よく製造することが困難であり、10重量部を超えると、得られた部品の接着強度が低下し、いずれも好ましくない。ここで、実用的な部品とは、部品を金型キャビティから離型する際にエジェクターピンで押出すが、部品をエジェクターピンによって押出した際に変形が認められないもの、変形が認められてもそれが小さいものを意味する。また、効率よく製造することができるとは、指標として、ASTM D−638に準拠した試験片を射出成形法によって製造する際、良品が得られる成形サイクルが60秒以下であることを意味する。
本発明においてタルク(A2)とは、化学組成がMg(Si10)(OH)で示される鉱物の一種で、白色ないし黄白色ないし淡黄白色の粉末のものをいう。本発明においてタルク(A2)は、結晶核剤として機能し、マイカ、カオリン、ワラステナイト、炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム、ホウ酸アルミニウムなどの他のフィラーに比べ、その機能が大であり、上記ポリアミド樹脂(A1)の成形性をより向上させる。タルク(A2)の種類は特に制限はなく、従来から知られているものがそのまま使用される。
上記ポリアミド系樹脂(A1)にタルク(A2)を配合した樹脂組成物(A)とするには、任意の方法が採用され、例えば、単軸または二軸押出機を使用し、(i)押出機のホッパーにポリアミド系樹脂(A1)を投入し、タルク(A2)を押出機シリンダーの途中から投入して溶融混練してペレット化する方法、(ii)予めポリアミド系樹脂(A1)にタルク(A2)を混合した後、得られた混合物を押出機のホッパーに投入して溶融混練する方法、などが挙げられる。
上記樹脂組成物(A)には、他に、樹脂組成物(A)の機能を阻害しない範囲で、必要に応じ、難燃剤、帯電防止剤、可塑剤、熱安定剤、紫外線安定剤、酸化防止剤、着色剤、強化剤、離型剤などを配合することもできる。
本発明においてポリオレフィン系樹脂(B)とは、樹脂組成物(A)と接着性を有するポリオレフィン系樹脂をいう。具体的には、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、エチレン−プロピレン系共重合樹脂、これらの少なくとも1つの重合体をハードセグメントとし、EPDM、EPR、EOR、SBES、SBS等をソフトセグメントとする樹脂など挙げられる。より具体的には、高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高分子量ポリエチレン、超高分子量ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリオレフィン系熱可塑性エラストマー、ポリオレフィン系熱可塑性加硫物などを酸変性した酸変性ポリオレフィン樹脂や、エポキシ変性したエポキシ変性ポリオレフィン樹脂などが挙げられる。
本発明に係る自動車用樹脂製複合部品は、樹脂組成物(A)からなる部品と、ポリオレフィン系樹脂(B)からなる部品とが一体化されてなる部品をいう。両部品は、オーバーモールド成形法によって一体化するのが好ましい。本発明においてオーバーモールド成形法とは、(i)樹脂組成物(A)またはポリオレフィン系樹脂(B)を原料として部材を射出成形法によって製造した後、直ちに得られた部品の内側面または外側面に、ポリオレフィン系樹脂(B)または樹脂組成物(A)を射出成形法によって製造して一体化する「二色成形法」、(ii)樹脂組成物(A)またはポリオレフィン系樹脂(B)を原料として部品を予め製造し、得られた部品を射出成形金型キャビティに装着し、この部品の内側面または外側面に、ポリオレフィン系樹脂(B)または樹脂組成物(A)で追加成形して一体化する「アウトサートまたはインサート成形法」、(iii)樹脂組成物(A)の部品とポリオレフィン系樹脂(B)の部品とをそれぞれ別々に成形し、二つの部品を熱板溶着法などで一体化する方法、などを意味する。形状自由度、生産性、コスト面から、(i)二色成形法、(ii)
アウトサートまたはインサート成形法が好ましい。
樹脂組成物(A)からなる部品と、ポリオレフィン系樹脂(B)からなる部品とを一体化した複合部品の界面の接着強度(ASTM D638に準拠して測定した値)は、10MPa以上のものが好適である。ポリオレフィン系樹脂(B)の中で、界面の接着強度の観点から特に好ましいポリオレフィン系樹脂は、吸液量の少ない酸変性高密度ポリエチレン樹脂である。ポリオレフィン系樹脂(B)が酸変性高密度ポリエチレン樹脂であると、得られた樹脂製複合部品は、燃料タンク本体を構成する高密度ポリエチレン樹脂との優れた溶着性を発揮し、安全で信頼性の高い自動車用樹脂製複合部品が得られる。
本発明に係る自動車用樹脂製複合部品は、樹脂組成物(A)が上記の特殊なポリアミド重合体(A1)にタルク(A2)を配合した樹脂組成物であるので、JIS Z0208に準じてカップ法で測定したガソリンバリア性が2.0g・mm/m・day以下、さらには1.0g・mm/m・day以下の優れた燃料および/または燃料ガスバリア性を発揮し、ポリオレフィン系樹脂(B)の部品と一体化して樹脂製複合部品とした場合でも、優れた燃料および/または燃料ガスバリア性を発揮する。
本発明に係る自動車用樹脂製複合部品、特に燃料系部品は上記のとおり、接着強度が優れかつ燃料および/または燃料ガスのバリア性に優れているので、高密度ポリエチレン樹脂から構成される燃料タンク本体と溶着され、信頼性の高い自動車用樹脂製複合部品を得ることができる。なお、本発明において燃料系部品とは、自動車のガソリンタンクに連接されるホースコネクター、カットオフバルブ、燃料ポンプケーシング、インレットバルブなどをいう。また、本発明において自動車用樹脂製複合部品とは、燃料タンクのような高密度ポリエチレン樹脂製の部品と上記の燃料系部品とが一体化された成形品をいう。
以下に、本発明を実施例によってより具体的に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、以下の記載例に限定されるものではない。なお、以下に記載の例において、樹脂組成物の調整、部材の製造、部品の評価試験は、次の方法で行ったものである。
[実施例1〜実施例3、比較例1〜比較例4]
(1)原料樹脂組成物の調整:
以下に記載の樹脂組成物(a1)〜(a6)を、表-1に記載の割合で秤量し、ブレンダーで混合し、得られた混合物を単軸押出機(ナカタニ社製、型式:VC65)を使用し、シリンダー温度を280℃として、溶融・混練してペレット化し、6種類の樹脂組成物を調整した。
(1-1)樹脂組成物(a1):メタキシリレンジアミン100モル%のジアミンとアジピン酸とから得られたポリアミド樹脂(三菱ガス化学社製、商品名:N−MXD6、数平均分子量15000){(A1)に相当する}90重量部と、ポリアミド66(東レ社製、ナイロンCM3001−N){上記(A3)に相当する}10重量部とからなるポリアミド系樹脂100重量部に対し、タルク(日本タルク社製、MSタルク){(A2)に相当する}2重量部、離型剤(堺化学工業社製、ステアリン酸バリウム)0.2重量部を秤量・混合し、溶融・混練しペッレット化したものである。
(1-2)樹脂組成物(a2):メタキシリレンジアミン70モル%、パラキシリレンジアミン30モル%の混合ジアミンとアジピン酸とから得られたポリアミド樹脂(三菱ガス化学社製、商品名:N−MP6、数平均分子量15000){(A1)に相当する}100重量部に対し、タルク(林化成社製、ミクロンホワイト5000A){(A2)に相当する}4重量部、離型剤(ヘキストジャパン社製、ホスタモントNaV、ヘキストワックスEパウダー)各0.1重量部を秤量し、溶融・混練してペッレット化したものである。
(1-3)樹脂組成物(a3)〜(a6)の調整:樹脂組成物(a1)において、タルクを添加しないものを樹脂組成物(a3)とし、また樹脂組成物(a3)におけるポリアミド樹脂の代わりにナイロン12を用いたものを樹脂組成物(a4)とし、樹脂組成物(a1)において、タルクの代わりにマイカ(山口雲母社製、商品名:B82)を用いたものを樹脂組成物(a5)とし、樹脂組成物(a1)において、タルクの代わりに炭酸カルシウムを用いたものを樹脂組成物(a6)とした。
(1-4)ポリオレフィン系樹脂:酸変性高密度ポリエチレン{三菱化学社製、商品名:H511、比重0.94、融点133℃、MFR0.3g/10分(190℃)}{(B)成分に相当する}のペレットである。
Figure 2005068338
(2) 部品の評価試験
(2-1)成形性:酸変性高密度ポリエチレン{(B)成分}によって、射出成形機(ファナック社製、型式:ロボショットα―100iA)を使用し、シリンダー温度280℃、金型温度80℃とし、まずASTM D−638に準じた引張り試験用ダンベルの長軸方向に半分成形した。次に、この試験片を引張り試験金型のキャビティに装着し、6種類の樹脂組成物を、シリンダー温度280℃、金型温度80℃として、引張り試験用ダンベルの長軸方向の残り半分を成形し、試験片を金型エジェクターピンによって押出す際の変形の度合を目視観察して評価した。樹脂組成物(a1)、(a2)、(a4)については、成形サイクルを45秒、樹脂組成物(a3)、(a5)、(a6)については成形サイクルを45秒と100秒として成形を行った。成形性の判定基準は、試験片に変形がなく実用的に使用できるものを○、変形が大きく実用的に使用が困難であるものを×とした。評価結果を、表-2に記載した。
(2-2)燃料バリア性:6種類の樹脂組成物を原料として製造された試験片につき、JIS Z0208に準拠しカップ法によって測定した。この試験に使用する燃料には、(1)トルエンとイソオクタンとを容積比1対1で混合した混合溶液(以下、これを「燃料(1)」と略称する)、(2)上の(1)の混合溶液90容量%と、エタノール10容量%の混合溶液(以下、これを「燃料(2)」と略称する)の二種類を使用し、試験温度は60℃とした。各樹脂組成物より得られる部品について燃料バリア性を測定することにより、ポリオレフィン系樹脂組成物から得られる部材と接合した複合部材としての燃料バリア性を判断することができる。各樹脂組成物について燃料バリア性を測定した結果を、表-2に記載した。単位はg・mm/m・dayであり、この値が大きいほど燃料バリア性が劣ることを意味する。樹脂組成物(a3)、(a5)、(a6)について、成形サイクルを45秒としたものは、離型時の変形が大きく実用的に使用できないので、燃料バリア性試験を行わなかった。
(2-3)接着強度:成形性評価の際に、ASTM D−638に準じて成形された試験片のダンベル中心部の接合界面での引張破断強度を測定し、結果を表-2に記載した。単位はMPaであり、この値が大きいほど接合部の強度が強いことを意味する。樹脂組成物(a3)、(a5)、(a6)について、成形サイクルを45秒としたものは、離型時の変形が大きく実用的に使用できないので、接着強度の測定を行わなかった。
Figure 2005068338
表−1および表-2より、次のことが明らかである。
(1)実施例1、実施例2の樹脂組成物(a1)、(a2)からは、成形サイクルを45秒としたとき金型エジェクターピンによる変形がない実用的な部品を、射出成形法により効率よく製造でき、また部品の燃料バリア性は極めて優れている。
(2)これに対して、樹脂組成物のタルクが配合されていない比較例1の樹脂組成物(a3)からは、成形サイクルを45秒としたとき金型エジェクターピンによる変形が大で、変形がない実用的な部品を得るには成形サイクルを大幅に延長しなければならず、実用的な製品を効率よく製造することができない。
(3)ポリアミド系樹脂(A1)を含まずポリアミド12(A3)のみよりなる比較例1の樹脂組成物(a4)から得られる部品は、燃料バリア性に劣る。
(4)また、タルクの代わりにマイカを配合した比較例3の樹脂組成物(a5)や、タルクの代わりに炭酸カルシウムを配合した比較例4の樹脂組成物(a6)は、成形サイクルを45秒としたとき金型エジェクターピンによる変形が大で、変形がない実用的な部品を得るには成形サイクルを大幅に延長しなければならず、実用的な製品を効率よく製造することができない。
本発明に係る自動車用樹脂製複合部品は、自動車用燃料および/または燃料ガスのバリア性に優れ、実用的な部品を射出成形法によって効率よく製造することができる。従って、自動車用燃料タンクに付属する継手(コネクター)、インレットパイプ、キャップ、燃料ポンプケーシング、カットオフバルブなどの各種燃料系部品として好ましく使用できる。

Claims (5)

  1. メタキシリレンジアミン55〜100モル%、およびパラキシリレンジアミン45〜0モル%からなるキシリレンジアミンと、アジピン酸とから得られたポリアミド樹脂を50重量%以上含むポリアミド系樹脂100重量部に対し、タルクが0.1〜10重量部配合されてなる樹脂組成物(A)からなる部品と、ポリオレフィン系樹脂(B)からなる部品とが一体化されてなることを特徴とする、自動車用樹脂複合部品。
  2. 樹脂組成物(A)またはポリオレフィン系樹脂(B)のいずれか一方を射出成形法で製造した後、他方をオーバーモールド成形法によって製造した、請求項1に記載の自動車用樹脂複合部品。
  3. ポリオレフィン系樹脂(B)が、高密度ポリエチレン樹脂である、請求項1または請求項2に記載の自動車用樹脂複合部品。
  4. メタキシリレンジアミン55〜100モル%、およびパラキシリレンジアミン45〜0モル%からなるキシリレンジアミンと、アジピン酸とから得られたポリアミド樹脂を50重量%以上含むポリアミド系樹脂100重量部に対し、タルクが0.1〜10重量部配合されてなる樹脂組成物(A)からなる部品と、高密度ポリエチレン樹脂からなる部品とが溶着されたものであることを特徴とする、自動車用樹脂複合部品。
  5. 高密度ポリエチレン樹脂が、酸変性高密度ポリエチレン樹脂である、請求項4に記載の自動車用樹脂複合部品。
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