JP2005068201A - 再はくり型電磁波シールド水系塗料及びそれを使用した筐体 - Google Patents

再はくり型電磁波シールド水系塗料及びそれを使用した筐体 Download PDF

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健治 海老原
Daisuke Matsunaga
大輔 松永
Masaaki Kumagai
正章 熊谷
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Abstract

【課題】電子機器の電磁波シールド対策の1つとして、電磁波シールド塗料を筐体内部に塗布する手段が採用されているが、塗膜を容易に剥離することのできるものは開発されておらず、電子機器が使用ずみとなつた場合に筐体内部に塗布されている電磁波シールド塗料の剥離が困難なため、筐体に使用されている樹脂素材等を資源としてリサイクル利用する際に支障となつていた。また、水系タイプの電磁波シールド塗料には金属粉末が沈降する、錆びて性能劣化するなどの問題があつた。
【解決手段】鎖状ニッケル粉末又は/及び鱗片状ニツケル粉末が、樹脂エマルジョンに配合されて調製された再剥離性電磁波シールド水系塗料により、上記のような問題を解決できた。
【選択図】なし。

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は建造物の内外壁、電子機器の筐体などに使用される再はくり型電磁波シールド水系塗料とそれを使用した筐体に関し、詳しくは鎖状ニッケル粉末又は/及び鱗片状ニツケル粉末が樹脂エマルジョンに配合されて調製されている再はくり型電磁波シールド水系塗料とそれを使用した筐体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
電磁波は家電、パソコン、ゲーム機や暖房、照明、通信に係わる電子機器、各種動力源に採用されている電動装置、各種電力設備、各種制御システムなどから多量に発生している。このような電磁波はあらゆる場所で発生し、建物内部に入り込んだり、建物内で飛び交ったりして電子機器の誤作動、更には機密漏洩などの問題を生じせしめることになつている。
また、電磁波の人体の健康上の悪影響についても、体調を狂わせる、白血病の原因になるなどの不安が取りざたされている。
【0003】
このような問題や不安に対する対策として導電性塗料による電磁波シールドが提案されている。
導電性塗料の一例として、導電性材料、例えば銅、ニツケル、アルミニュウム、鉄などの金属粉末、カーボン繊維などを樹脂バインダー中に分散させたものなどが採用されていた。
【0004】
しかしながら、樹脂バインダーには樹脂を有機溶剤に溶解させたものが使用されていたため、広い面積に塗布した場合には有機溶剤が揮発して周囲を汚染し作業者が吸引するため健康上好ましくない、防火管理対策上好ましくないなどの問題があつた。また、電磁波シールド性能の面でも必ずしも充分な性能を示していないという問題が残されていた。
また、金属粉末など導電性材料と水系バインダーとを組み合わせた場合には、導電性材料が沈降する、金属粉末が錆びて電磁波シールド性能が劣化するなどに問題が残されていた。
導電性材料がバインダー溶液中で沈降するという問題に対して、比重を軽くするために、樹脂中空体の表面にメツキ層を設けて導電性材料を調製する方法や導電性塗料をコートする方法などが検討されているが、単離状態での処理が難しく処理工程が複雑になるために生産性が低い、コスト高になるなどの問題があり、採用されていない現状にある。
また、金属粉末の防錆には効果的な方法が確立されていなかつた。
【0005】
更に、よく知られているように電子機器は技術革新が速く、1〜3年で新型タイプ或いは新機種に更新されるのが通例になつているが、電磁波シールド対策として筐体の内壁に電磁波シールド塗料の塗布された電子機器が新型タイプ若しくは新機種に更新した際には、これまで使用されてきた電子機器が廃棄される。
一方、近年、各種の樹脂、複合材その他の素材から成型ないし加工された筐体から、使用されていた素材が資源の有効利用の面からリサイクル利用されるようになっているが、リサイクル資材に異物が混入していると資源の純度を確保することが難しくなりリサイクル利用の点から問題になる。
ところが、現状では筐体内壁などに塗布されている電磁波シールド塗料の剥離性が悪く時間がかかるため、電磁波シールド塗料が剥離されずにリサイクル作業に廻され資源素材に異物が混入するなどの問題が生じている。
【0006】
【特許文献1】特開平10−273609号
【特許文献2】特開2002−88277号
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記のような問題、即ち樹脂バインダーに含有される有機溶剤に係わる健康上並びに防火管理上の問題や、導電性材料が沈降する、金属粉末が錆びて電磁波シールド性能が劣化するという問題を解決し、併せて筐体からの適度の剥離性を付与することにより筐体に使用されていた素材の資源としてのリサイクル利用を容易にせんとして為されたものであり、以下詳細に説明する。
【0008】
【課題を解決するための手段】
前記のような問題を解決するために、本発明においては導電性材料として鎖状ニツケル粉末又は/及び若しくは鱗片状ニッケル粉末と、水性の樹脂エマルジョンとを組み合わせて調製することにより所定の目的を達成することができた。
【0009】
本発明に係わる鎖状ニツケル粉末は、一次粒子が球状で、一次粒子の集合体が三次元的な鎖状構造をもつもので、平均一次粒径が0.1〜5μmのものが適している。0.1μm以下のものでは粘度上昇のため取り扱い上好ましくなく、5μm以上では分散性が悪いため適さない。
【0010】
鱗片状ニツケル粉末は、ニツケル粉末を振動ミル、遊星型ボールミルなどの手段により鱗片状に加工されたもので、平均粒径が0.1〜20μmのものが使用に適している。0.1μm以下のものは粘度が高くなりすぎるため適さず、20μm以上のものは分散性が悪いため好ましくない。
なお、ニッケル粉末には5〜30μmの球状タイプについて評価したところ、樹脂エマルジョンとの混和性に問題があり、沈降してしまうために使用に適さないことが判明している。
【0011】
本発明に関わる樹脂エマルジョンとしては、親油性基を持つモノマーと親水性基を持つモノマーとが使用されて乳化共重合されてなる樹脂エマルジョン、具体例としてはアクリル樹脂系エマルジョン、スチレン・酢酸ビニル共重合樹脂系エマルジヨン、酢酸ビニル樹脂系エマルジョン、酢酸ビニル・アクリル共重合樹脂系エマルジョン、酢酸ビニル・ペオバ共重合樹脂系エマルジョンなどがある。
【0012】
親油性基を持つモノマーにはシクロヘキシル(メタ)アクリレート、メチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、t−ブチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシルなどの炭素数1〜12程度のアルキル基を持つ(メタ)アクリル酸エステル、(メタ)アクリロニトリル、スチレン、α−スチレン、ビニルトルエン、酢酸ビニルなどのモノマーが1種若しくは2種以上が使用される。
【0013】
親水性基にはカルボキシル基、アルコキシシリル基、アミノ基、水酸基などがあり、これらを持つモノマーが1種若しくは2種以上が選定して使用することができる。
【0014】
カルボキシル基を含有するモノマーには、アクリル酸、メタアクリル酸、マレイン酸、イタコン酸、2−アクリロイルエチル琥珀酸などが挙げられる。
【0015】
アルコキシシリル基を含有するモノマーには、γ−トリメトキシシリルプロピル(メタ)アクリレート、γ−メチルジメトキシシリルプロピル(メタ)アクリレート、γ−トリエトキシシリルプロピル(メタ)アクリレート、ビニルメトキシシラン、ビニルトリメトキシシランなどが挙げられる。なお、アルコキシシリル基は加水分解性があり、現れた水酸基の状態としても親水性が得られる。
【0016】
アミノ基を含有するモノマーにはジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、t−ブチルアミノエチル(メタ)アクリレート、モノメチルアミノエチル(メタ)アクリレートのほか、(メタ)アクリル酸アミド、イタコン酸アミド、ジメチルアミノ(メタ)プロピルアクリルアミド、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、N−メトキシメチルアクリルアミド、N−エトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−メトキシメチル(メタ)クリルアミド、N−ブトキシメチル(メタ)アクリルアミドなどが挙げられる。
【0017】
水酸基を含有するモノマーには、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸4−ヒドロキシブチル、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、シクロヘキサンシメタノールモノ(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシルなどが挙げられる。
【0018】
これら樹脂エマルジョンの合成は、選定されたモノマーの総量並びに此れとほぼ等しい水の合計量に対して約0.5〜20重量%の保護コロイド若しくは界面活性剤を添加した状態で、公知な乳化共重合に準じた方法により合成することができる。
樹脂エマルジョンの好ましい性状値としては、樹脂固形分40〜60重量%、粘度0.2〜1Pa・s/25℃であつて、この性状値を外れないものであれば特に問題はない。
【0019】
該樹脂エマルジヨンに対する鎖状ニツケル粉末、鱗片状ニツケル粉末の配合率は、樹脂エマルジョンの樹脂固形分100重量部に対して100〜380重量部以上が適合している。
100重量部以下では電磁波シールド性が得られないため本発明の目的を達成することができない。380重量部以上では塗料の流動性が低下して、塗布性、塗布仕上がり性に問題が生じるため適さない。
【0020】
再はくり型電磁波シールド水系塗料として仕上るために、防腐剤、紫外線吸収剤、老化防止剤、充填材、粘度調整剤、垂れ止め剤などの配合材料が適宜添加される。
充填材は粘度調整、コスト調整、水分量の調整による塗膜乾燥性の向上、意匠性の付与などのために炭酸カルシウム、アルミナ、硅砂、クレー、カオリンなどから各種粒径のものが採用される。
【0021】
粘度調整剤は、塗料としての好ましい粘度に調整するために配合されるもので、樹脂エマルジョンに悪い影響を及ぼさないものが使用される。
具体例として、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース、カルボキシセルロース、アラビアゴム、グアーガム、デキストリン、ガラクタン、プルラン、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコールなどを適当量配合することができる。
【0022】
垂れ止め剤は塗料の塗布時の垂れを防止するために配合されるもので、具体例として、粉末状シリカなどがあり、塗料の性状を勘案して配合量が選定される。
【0023】
本発明に係わる筐体は各種の電子部品を収納するためのもので、一体に成型されたものか、或いは複数の部品、成型体などが組み立てられたものからなりABS樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリプロピレン樹脂などの樹脂、或いはこれらの樹脂と木材その他の素材などとの複合材或いは木材、その他の素材などから仕上られている。
【0024】
本発明になる再はくり型電磁波シールド水系塗料の塗布は、筐体の内壁にスプレー、刷毛などの塗布手段により20〜300g/m塗布される。
なお、筐体との密着性が不足が予想される場合には、樹脂分が20重量%以下で一液湿気硬化タイプのウレタン樹脂プライマーなどを樹脂分として5g/m程度の微量塗布を施して密着性を向上させることができる。
【0025】
本発明になる再はくり型電磁波シールド水系塗料はニツケル粉末の持つ色調である黒色を呈するため、黒い色調が適当でない場合は、本発明の電磁波シールド塗料を塗布、乾燥したのちに、相応しい色調の上塗り塗料を塗布して仕上げることもできる。
上塗り塗料の仕上げは、水性、例えば、上記のような各種の樹脂エマルジョンに充填材、顔料などが配合されて調製された樹脂エマルジョン系塗料のほか、一般的に使用されている公知の各種油性塗料などが、刷毛、スプレーなどの塗布手段により塗布することにより行うことができる。
【0026】
本発明になる再はくり型電磁波シールド水系塗料にあつて、樹脂エマルジョン中に配合されたニツケル粉末が沈降を免れる理由については、必ずしも明らかではないが、上記のような親油性基を持つモノマーが重合の進行とともに樹脂エマルジョンの内部に配置されるとともに、上記のような親水性基を持つモノマーの親水性基が重合の進行とともに樹脂エマルジョンの外側に配置され、該親水性基にニツケル粉末が配位してズリ応力が大きくなり沈降が抑制されるためと推察される。
【0027】
また、ニツケル粉末が酸化すると電磁波シールド性能が著しく低下する傾向が認められるが、本発明になる再はくり型電磁波シールド水系塗料においては鎖状ニツケル粉末、鱗片状ニツケル粉末が樹脂エマルジョンの外側に配置された親水性基を持つモノマーの親水性基に配位若しくは吸着する状態になるため、酸化、錆びが防止されることから電磁波シールド性能が低下することがないものと推察される。
【0028】
また、筐体に使用される成形体からの剥離性が良好な要因には鎖状ニッケル粉末又は/および鱗片状ニッケル粉末が配合されているため、樹脂エマルジョンの樹脂分の持つ密着性が制御される結果、適度の剥離性が得られるものと推察される。
【0029】
以下、実施例、比較例により本発明を更に説明する。重量部は単に%として表示する。勿論、本発明は実施例に限定されるものではない。
【0030】
実施例1〜6
表1の各実施例に示す配合で乳化共重合されたアクリル樹脂エマルジョンに対して、鎖状ニツケル粉末(INCO会社製、品番NP、平均粒径2.5μm)、鱗片状ニツケル粉末(NOVAMET会社製、品番HCA−1、平均粒径10μm)を配合し混練して各実施例の再はくり型電磁波シールド水系塗料を調製した。該再はくり型電磁波シールド水系塗料を下記の体積抵抗率の測定の欄に記載する方法により塗布した直後と酸化促進試験(JISK5600−7−2/50℃、95%RHの恒温恒湿中に放置)による期間10日並びに30日の体積抵抗値は表1の通りであった。酸化促進試験をしたのちの電界、磁界のシールド性能は表2の通りであった。また、各種プラスチックに対する付着試験と再はくり試験、環境試験についても表3に記載した。
【0031】
比較例1〜3
表1の各比較例に示す配合で乳化共重合されたアクリル樹脂エマルジョンに実施例と同一の鎖状ニツケル粉末、鱗片状ニツケル粉末と、粒状ニツケル粉末(NOVAMET会社製、品番CNS−10、平均粒子径10μm)を配合し、混練して各比較例の電磁波シールド水系塗料を調製した。実施例と同様に塗布した直後と酸化促進試験による試験期間10日並びに30日の体積抵抗値は表1の通りであつた。また、酸化促進試験をした後の電界、磁界のシールド性能は表2の通りであつた。
【0032】
比較例4
実施例2で使用した鱗片状ニッケル粉末50%を、アクリル樹脂5%、トルエン30%、メチルエチルケトン13%、キシレン2%が配合された樹脂液に分散し、調製してなる溶剤系電磁波シールド塗料を下記の体積抵抗率の測定の欄に記載する方法により塗布し体積抵抗値、酸化促進試験をした後の電界、磁界のシールド性能及び、各種プラスチックに対する付着試験と再はくり性試験、環境試験について測定した結果を表1〜3に記載した。
【0033】
比較例5
実施例1で使用した鎖状ニッケル粉末50%を、アクリル樹脂5%、酢酸エチル40%、イソブタノール5%が配合された樹脂液に分散し、調製してなる溶剤系電磁波シールド塗料を下記の体積抵抗率の測定の欄に記載する方法により塗布し体積抵抗値、酸化促進試験をした後の電界、磁界のシールド性能及び、各種プラスチックに対する付着試験と再はくり性試験、環境試験について測定した結果を表1〜3に記載した。
【0034】
実施例、比較例により調製された導電性塗料の性状、沈降性の試験結果並びに直後と酸化促進試験の試験期間10日、30日経過した時点の体積抵抗率の測定結果は表1及び表2の通りであつた。表1において酸化促進試験後の比較例4,5の体積抵抗率が低いにも関わらず表2におけるシールド性能値が低い原因は、塗膜が固くクラックが発生しているためと推察される。
但し、表1及び表2において、メタクリル酸メチルをMMA、メタクリル酸をMAA、メタクリル酸ブチルをMAB、メタクリル酸シクロヘキシルをMAC、アクリル酸−2−エチルヘキシルを2EHA、アクリル酸2−ヒドロキシエチルを2HEA、スチレンをST、ビニルトリメトキシシランをBTMSで各々表示する。
【0035】
【表1】
Figure 2005068201
【0036】
【表2】
Figure 2005068201
【0037】
【表3】
Figure 2005068201
【0038】
試験評価方法
沈降性
実施例、比較例の電磁波シールド塗料を高さ20cm、直径2cmの透明ガラス製円筒容器中に高さ10cmまで流し込んだ後、24時間後の液面からニツケル粉末が沈降した長さ(mm)を測定する。
体積抵抗率
厚み150μmのポリプロピレン樹脂フィルムの表面にドクターブレート(塗布溝100μm)で塗布して成膜したのち、5時間経過させたものについて4探針法で表面抵抗値を測定し、膜厚から体積抵抗率を算出する。
また、酸化促進試験(JISK5600−7−2/湿度95%RH、温度50℃の恒温恒湿槽内に放置したのち測定)で期間10日、30日放置したものについて同様に体積抵抗率を測定する。
電磁波シールド性能
電界/アドバンテスト法(微小モノポールアンテナを対極に置き、試料を挿入しない状態をリファレンスとして、試料を挿入した際の透過損失を測定する)による。
磁界/アドバンテスト法(微小ループアンテナを対極に置き、試料を挿入しない状態をリファレンスとして、試料を挿入した際の透過損失を測定する)による。
付着性
各種プラスチック基材に対し、ドクターブレート(塗布溝100μm)で塗布して成膜した後、室温で5時間乾燥させ、24時間養生した後、JIS−5600−5−6に準じ測定する。
再はくり性
各種プラスチック基材に対し、ドクターブレート(塗布溝100μm)で塗布して成膜した後、室温で5時間乾燥させ、24時間養生した後、手による強制はくりを行い、再はくりの容易性を確認する。
◎:膜切れなく容易に再はくり可能、○:容易に再はくり可能、
△:再はくり可能、×:再はくり不可能。
▲1▼冷熱試験、▲2▼高温・高湿試験
各種プラスチック基材に対し、ドクターブレート(塗布溝100μm)で塗布して成膜した後、室温で5時間乾燥させ、24時間養生した後、下記条件下(▲1▼、▲2▼)に試験片を静置し、はく離や膨れなどの外観上の不具合を観察する。
○:はく離、膨れなく良好。×:はく離又は膨れ発生
▲1▼冷熱繰り返し試験(JIS−A6909−7−10)
−20℃←→50℃×10サイクル
▲2▼高温・高湿試験(JIS−K5600−7−2)
50℃・95%RH×500時間
【0039】
【発明の効果】
本発明になる再はくり型電磁波シールド水系塗料は有機溶剤を含まない樹脂エマルジョンをベースにするものであるため、溶剤の揮発にともなう環境上、健康上らびに防災上など様々な問題が全くなく安心して塗布作業を実施できる。
また樹脂エマルジョンの外側に配位した親水性基に鎖状ニツケル粉末又は/及び鱗片状ニッケル粉末が配位若しくは吸着されて調製されたものであるため、鎖状ニッケル粉末又は/及び鱗片状ニッケル粉末の沈降が避けられもとともに、鎖状ニッケル粉末又は/及び鱗片状ニッケル粉末の酸化が防止される。従って、安定かつ高性能の電磁波シールド性が確保でき長期間放置されたものでも何ら問題なく使用できる。
更に、使用されてきた電子機器が旧式になり廃棄された際に、本発明になる再はくり型電磁波シールド水系塗料は筐体との適度の剥離性を持つことから筐体から容易に剥離することができ、筐体に使用されている素材の資源としてのリサイクル利用を簡便に実施できる。

Claims (7)

  1. 鎖状ニツケル粉末又は/及び鱗片状ニツケル粉末が、樹脂エマルジョンに配合されて調製されていることを特徴とする再はくり型電磁波シールド水系塗料。
  2. 親油性基を持つモノマー及び親水性基を持つモノマーが使用されて乳化共重合されてなる樹脂エマルジョンが使用されることを特徴とする請求項1記載の再はくり型電磁波シールド水系塗料。
  3. 親油性基を持つモノマーにシクロヘキシル(メタ)アクリレートが使用されることを特徴とする請求項1並びに請求項2記載の再はくり型電磁波シールド水系塗料。
  4. 親水基を持つモノマーの親水性基が外側に配位して調製された樹脂エマルジョンが使用されることを特徴とする請求項1、請求項2並びに請求項3記載の再はくり型電磁波シールド水系塗料。
  5. 鎖状ニツケル粉末又は/及び鱗片状ニツケル粉末が、樹脂エマルジョンに配合されて調製されてなる再はくり型電磁波シールド水系塗料が塗布されていることを特徴とする筐体。
  6. 親油性基を持つモノマー及び親水性基を持つモノマーが使用されて乳化共重合されてなる樹脂エマルジョンの使用されている再はくり型電磁波シールド水系塗料が塗布されていることを特徴とする請求項5記載の筐体
  7. 親油性基を持つモノマーにシクロヘキシル(メタ)アクリレートが使用されるとともに、親水基を持つモノマーの親水性基が外側に配位して調製された樹脂エマルジョンの使用されている再はくり型電磁波シールド水系塗料が塗布されている請求項5並びに6記載の筐体。
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