JP2005067356A - 空調装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】エンジン抽気を減らしても所定の冷却能力を維持できる空調装置を提供する。
【解決手段】2段式タービンを備えたエアサイクルマシン30を主体として構成されたエアサイクルシステム1で発生した冷却空気B4と、電動モータ25付きコンプレッサ24、気体冷媒Gを凝縮するコンデンサ21、液状冷媒Lを膨張させて低圧冷媒に変える膨張弁22及び液状冷媒Lを蒸発させて冷却するエバポレータ23からなるベーパサイクル2で冷却した再循環空気B5を混合して機内与圧室Rに供給するとともに、前記コンデンサ21から出力される液体冷媒Lの熱エネルギーをエアサイクルシステム1の第1段タービン32から排気された低圧空気B3にエネルギーリカバリーする熱交換器14を設ける。
【選択図】 図1

Description

本発明は、エアサイクルシステムとベーパサイクルシステムとを組み合わせて空気調和を行う航空機用の空調装置に関する。
航空機のキャビンやコックピット等の与圧を必要とする機内与圧室の空気調和に使用される空調装置は、機内与圧室の温度調節、換気および与圧等を行う機能を有しており、これにはエンジンのコンプレッサからの高温・高圧になった空気の一部(抽気)を取り出し、これを空調に必要な冷却空気に変換するエアサイクルシステム(ACS)を採用しているが、補助として冷媒をサイクリックに圧縮膨張させて空気を冷却するベーパサイクルシステム(VCS)を単独的に、あるいは複合的に組み合わせたシステムを採用している。
図5に、従来のエアサイクルシステムを採用した空調装置の構成例を示す。エンジン抽気B1は一次熱交換器11を通してラムエアAにより冷却された後、コンプレッサ4で高温・高圧の圧縮空気に変換され、続いて二次熱交換器12を通ってラムエアAにより冷却された後、リヒータ5の高温側回路に入り、コンデンサ6からの冷却された空気の低温側回路との熱交換によりさらに冷却される。これにより含まれていた水蒸気のほとんどすべてが凝縮する。タービン7を出た空気はコンデンサ6でリヒータ5からの空気と熱交換され、0℃以下でミキシングチャンバ8に導かれるとともに、再循環ファン9によって取り込まれた機内与圧室と混合されて機内与圧室Rに供給される。
図6に示す空調装置は、エアサイクルシステム10とベーパサイクルシステム20を独立的に併設して、ミキシングチャンバ8で混合して機内与圧室Rに冷却空気を供給するようにしたもので、大型の航空機や搭載電子機器が多い場合に適用される。
また、図7に示す空調装置は、ベーパサイクルシステムによりエアサイクルシステムの冷却効率を高めるようにしたもので、ラムファン3、熱交換器11a、タービン7からなるエアサイクルマシン(ACM)と、リヒータ5、ウオータエキストラクタ(ウオータトラップ)13からなるリヒータ回路からなるエアサイクルシステム10と、冷媒の冷却サイクルを形成するコンプレッサ24、コンデンサ21、膨張弁22及びエバポレータ23からなるベーパサイクルシステム20aを備えるとともに、リヒータ回路を通るエンジン抽気B1の冷却を前記エバポレータ23で行うようにしたものである。(例えば、特許文献1、2参照)
特許2001−328596号公報 特許2002−127994号公報
従来の航空機用の空調装置は以上のように構成されているが、エアサイクルシステムでのエンジンからの抽気流量を低減した時の冷却能力の低下を補うため、図6に示すようにベーパサイクルシステムを独立的に加えた場合、ベーパサイクルシステムが大型となり、電力消費が多大となり、延いてはエンジン及び補助動力装置の発電設備に負担がかかるという問題がある。
また、ベーパサイクルシステムを図7に示すように、エアサイクルシステム内にその機能を強化するように配設した場合、抽気量の低減による冷却能力の低下を補償したり、エアサイクルシステム自体の冷却能力の大幅な向上は困難であるという問題がある。
本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであって、エンジン抽気量を低減しても、必要な冷却能力が得られる空調装置を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するため、本発明の空調装置は、航空機のエンジンまたは補助動力装置からの高温・高圧の抽気をコンプレッサにより圧縮した後、該コンプレッサと短軸結合されたタービンにおいて断熱膨張させて低温空気として供給するエアサイクルシステムと、気体冷媒をコンプレッサにより圧縮した後コンデンサで冷却して液体冷媒とし、膨張バルブとエバポレータにより液体冷媒を気化させて冷却する冷却サイクルにより空気を冷却するベーパサイクルシステムを用いて機内与圧室の空気調和を行うものであって、前記タービンを2段にし、その第1段タービンの出口空気を通すようにウオータエキストラクタ及び熱交換器を配設し、該熱交換器に前記ベーパサイクルシステムのコンデンサからの液体冷媒を通すとともに、機内与圧室からの再循環空気を前記エバポレータで冷却してミキシングチャンバで第2段タービンの出口空気と混合して機内与圧室に供給するように構成されている。
本発明の空調装置は、上記のように構成されており、熱交換器を介してベーパサイクルシステムとエアサイクルシステムの間で相補的に熱エネルギーの移動が行われるので、小型で低消費電力のベーパサイクルシステムを用いて、抽気量を低減した場合のACSの冷却能力の低下を補うことができる。
本発明の空調装置は、ベーパサイクルシステム(VCS)からエアサイクルシステム(ACS)にエナジーリカバリーが行われているので、ACSへのエンジン抽気流量を低減したときの冷却能力の低下を小さくすることができるとともに、ACSの冷却能力の低下が小さくなる分、それを補うVCSは小型、軽量で低消費電力のものを使用することができる。
本発明の空調装置の実施例を図面を参照しながら説明する。なお、従来の構成部品と同一のものの一部には同一符号を付している。図1は本発明の空調装置のエアサイクルシステム(ACS)1とベーパサイクルシステム(VCS)2を組み合わせて構成した空調系統を示す図である。前記エアサイクルシステム1は、エンジン抽気B1をラムエアAによって冷却する一次熱交換器11と、冷却されたエンジン抽気B1を機内与圧室(客室、コックピット、電子機器設置室などの調温調圧を必要とする室)Rの空調に必要な冷却空気B4に変換するエアサイクルマシン30と、再循環ファン9によって機内与圧室Rから吸出された再循環空気B5を後述するエバポレータ23を介して冷却空気B4と混合するミキシングチャンバ8から構成されている。
前記エアサイクルマシン30は、前記一次熱交換器11を通過したエンジン抽気B1を圧縮するコンプレッサ31と、その出口から取り出された高温高圧の圧縮空気をラムエアAによって冷却する二次熱交換器12を通過した圧縮空気を断熱膨張して中圧空気B2に変換する第1段タービン32と、その中圧空気B2中の水分を分離するウオータエキストラクタ13を出た低圧空気B3とベーパサイクルシステム2を循環する液体冷媒Lと熱交換するためのシステム間熱交換器14を通過した空気を断熱膨張させる第2段タービン33とで構成され、各回転軸は互いに連結されている。
また、前記ベーパサイクルシステム2は、ラムエアA等との熱交換によって高温高圧の気体冷媒Gを凝縮して液体冷媒Lに変換するコンデンサ21と、その凝縮された液体冷媒Lを前記システム間熱交換器14に通過させた後、この液体冷媒Lを膨張させ低圧冷媒に変える膨張弁22と、低圧冷媒を蒸発させ、その蒸発熱により接触する物体を冷却させるエバポレータ(EVP)23と、このエバポレータ23で気化された気体冷媒を圧縮するコンプレッサ24と、このコンプレッサ24の回転軸に連結された電動モータ25と、再循環ファン9により機内与圧室Rから吸出された再循環空気B5を冷却するエバポレータ23から構成されている。
次に、本空調装置の動作について説明する。エンジンから抽出された高温高圧のエンジン抽気B1は、一次熱交換器11でラムエアAと熱交換して冷却された後コンプレッサ31で圧縮される。その圧縮空気は二次熱交換器12で再度ラムエアAと熱交換して冷却された後、第1段タービン32で断熱膨張して約0℃の霧状中圧空気B2に変換される。この中圧空気B2は、ウオータエキストラクタ13で水分が分離除去された後、前記ベーパサイクルシステム2のコンデンサ21を出た40〜50℃の液体冷媒Lからシステム間熱交換器14を介して熱エネルギーを吸収し、約40℃の高温になった低圧空気B3は第2段タービン33で再度断熱膨張して約0℃以下の低温空気になってミキシングチャンバ8に入力される。第2段タービン33で再度断熱膨張する前に熱エネルぎーを吸収したことにより、断熱膨張のエネルギーが増大し、冷却能力が増大する。
一方、ベーパサイクルシステム2の液体冷媒Lは、低圧空気B3からシステム間熱交換器14を介して冷却エネルギーを吸収して温度が下がった状態で膨張弁22に入力され低圧冷媒となってエバポレータ23に入力される。機内与圧室R内の内部空気の一部は再循環ファン9によって吸出され、この再循環空気B5は前記エバポレータ23によって冷却された後、前記冷却空気B4とともに前記ミキシングチャンバ8に入力混合され、その混合空気は機内与圧室Rに入力される。
本発明の空調装置は上記のように作動することにより、前記システム間熱交換器14を介して、ベーパサイクルシステム2の液体冷媒Lが有する熱エネルギーの一部はエアサイクルシステム1の低圧空気B3に熱交換により吸収されるとともに、前記低圧空気B3の有する冷却エネルギーの一部は同じく熱交換により前記液体冷媒Lに吸収される。すなわち、エアサイクルシステム1とベーパサイクルシステム2は、相補的にそれぞれの冷却効率を向上させる方向にエネルギーの交換(エネルギーリカバリー)が行われる。また、ベーパサイクルシステム2のエバポレータ23によって機内与圧室Rの再循環空気B5を冷却して、これをエアサイクルシステム1からの冷却空気B4と混合して機内与圧室Rに供給するようにしているので、エアサイクルシステム1による冷却空気B4の冷却度が低下しても、再循環空気B5の冷却度を増すことにより直接的に補うことができる。
図2〜4は本発明の空調装置の冷却能力をさらに向上させることができるエアサイクルシステムの他の実施例を示したものである。図2のエアサイクルシステムは、エアサイクルシステム1のコンプレッサ31にラムエアAの吸入用のラムファン3を設けることにより、地上でのラムエアAの流入を可能にしたものである。また、図3のエアサイクルシステムは、インバータ37からの電力で駆動される電動モータ35をコンプレッサ31に連結したもので、低圧力のエンジン抽気または外気の利用を可能にしたものである。そしてまた、図4のエアサイクルシステムは、第1段タービン32、コンプレッサ31及びラムファン34からなるエアサイクルマシンと第2段タービン33、電動モータ35及びコンプレッサ36からなるエアサイクルマシンを形成して、その間にウオータエキストラクタ13とシステム間熱交換器14を挿入することにより冷却能力の向上を図ることができる。
本発明の実施例の構成を示すシステム構成図である。 実施例に係わるエアサイクルシステムの他の実施例を示す図である。 実施例に係わるエアサイクルシステムの他の実施例を示す図である。 実施例に係わるエアサイクルシステムの他の実施例を示す図である。 従来のエアサイクルシステムによる空調装置の構成例を示す図である。 従来のエアサイクルシステムとベーパサイクルシステムを組み合わせた空調装置の構成例を示す図である。 従来のエアサイクルシステムとベーパサイクルシステムを組み合わせた空調装置の他の構成例を示す図である。
符号の説明
1 エアサイクルシステム
2 ベーパサイクルシステム
8 ミキシングチャンバ
9 再循環ファン
11 一次熱交換器
12 二次熱交換器
13 ウオータエキストラクタ
14 システム間熱交換器
21 コンデンサ
22 膨張弁
23 エバポレータ
24 コンプレッサ
25 電動モータ
30 エアサイクルマシン
31 コンプレッサ
32 第1段タービン
33 第2段タービン
A ラムエア
B1 エンジン抽気
B2 中圧空気
B3 低圧空気
B4 冷却空気
B5 再循環空気
G 気体冷媒
L 液体冷媒
R 機内与圧室

Claims (1)

  1. 航空機のエンジンまたは補助動力装置からの高温・高圧の抽気をコンプレッサにより圧縮した後、該コンプレッサと短軸結合されたタービンにおいて断熱膨張させ低温にして供給するエアサイクルシステムと、気体冷媒をコンプレッサにより圧縮した後コンデンサで冷却して液体冷媒とし、膨張バルブとエバポレータにより液体冷媒を気化させて冷却する冷却サイクルにより空気を冷却するベーパサイクルシステムを用いて機内与圧室の空気調和を行う空調装置において、前記タービンを2段にし、その第1段タービンの出口空気を通すようにウオータエキストラクタ及び熱交換器を配設し、該熱交換器に前記ベーパサイクルシステムのコンデンサからの液体冷媒を通すとともに、機内与圧室からの再循環空気を前記エバポレータで冷却してミキシングチャンバで第2段タービンの出口空気と混合して機内与圧室に供給するようにしたことを特徴とする空調装置。
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