JP2005067250A - 圧縮機モジュール及びこれを用いた車両用制御装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】圧縮機を搭載する車種が異なる場合においても圧縮機以外の箇所に設けられた外部制御ユニットの演算負荷を低減することで汎用性のある圧縮機モジュールと、これを利用した車両用制御装置を提供する。
【解決手段】圧縮機7に対して、該圧縮機の制御要素の少なくとも1つに指令信号を出力する圧縮機ECU8と、指令信号を算出する場合に利用される情報を検出する少なくとも1つのセンサ要素とを装備する。圧縮機ECU8は、圧縮機以外の箇所に設けられた外部制御ユニット(エアコンECU2,エンジンECU5)に接続されてこの外部制御ユニットから圧縮機の目標吸入圧に対応する信号を受信すると共にセンサ要素によって検出された情報を受信し、目標吸入圧に対応する信号、及び、センサ要素によって検出された情報に基づき圧縮機の制御要素の少なくとも1つを制御する。
【選択図】 図1
【解決手段】圧縮機7に対して、該圧縮機の制御要素の少なくとも1つに指令信号を出力する圧縮機ECU8と、指令信号を算出する場合に利用される情報を検出する少なくとも1つのセンサ要素とを装備する。圧縮機ECU8は、圧縮機以外の箇所に設けられた外部制御ユニット(エアコンECU2,エンジンECU5)に接続されてこの外部制御ユニットから圧縮機の目標吸入圧に対応する信号を受信すると共にセンサ要素によって検出された情報を受信し、目標吸入圧に対応する信号、及び、センサ要素によって検出された情報に基づき圧縮機の制御要素の少なくとも1つを制御する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、冷媒循環サイクルに利用される圧縮機に対して専用の制御ユニットを装備して構成される圧縮機モジュール、及び、これを用いた車両用制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
冷媒循環サイクルに用いられる圧縮機に対して専用の制御ユニットを装備した圧縮機モジュールが利用されつつあり、例えば、下記する特許文献1に示される圧縮機モジュールが公知となっている。これは、吐出容量を制御する制御弁を備えた容量可変型圧縮機に対して、外部指令部から受信したトルク設定信号に基づき、この設定トルクとなるように制御弁へ指令信号を出力する圧縮機用電子制御ユニットと、前記指令信号を算出する際に参照する各種情報を検知する情報検知手段とを設け、エンジンECUが圧縮機の負荷トルクを推定せずにエンジン制御データとして簡単に使用できるようにしたものである。
【0003】
【特許文献1】
特開2001−317467号公報(要約、図1)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した構成においては、圧縮機の設定トルクは外部指令部[(エアコン電子制御ユニット(エアコンECU)又はエンジン電子制御ユニット(エンジンECU)]で計算され、圧縮機用電子制御ユニットに送られる構成となっているので、カーメーカが搭載する圧縮機を変更するような場合には、設定トルクの算出に新たなマップが必要となり、汎用性に欠けるものであった。
【0005】
また、冷媒循環サイクルの主たる機能は、エバポレータの蒸発圧力を調整することにあり、この蒸発圧力は圧縮機の吸入圧に相関していることから、外制式の圧縮機においては、圧縮機の吸入圧を要求圧力に制御するようにしている。
【0006】
冷凍サイクルに用いられる圧縮機は、冷凍サイクルの運転状態の情報を直接検知し得る格好の場所であり、ここで得られる情報を利用することで吸入圧力を制御することが好ましい。
【0007】
本発明は以上の点に鑑みてなされたものであり、圧縮機を搭載する車種が異なる場合においても圧縮機以外の箇所に設けられた外部制御ユニットの演算負荷を低減することで、汎用性のある圧縮機モジュールと、これを利用した車両用制御装置を提供することを主たる課題としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記課題を達成するために、この発明にかかる圧縮機モジュールは、外部駆動源から動力供給を受ける駆動軸と、吐出容量を可変させる容量可変機構と、前記吐出容量を変化させるためにクランク室圧を制御する制御弁とを有する圧縮機を備え、この圧縮機に対して、該圧縮機の制御要素の少なくとも1つに指令信号を出力する圧縮機用電子制御ユニットと、前記指令信号を算出する場合に利用される情報を検出する少なくとも1つのセンサ要素とを装備し、前記圧縮機用電子制御ユニットは、前記圧縮機以外の箇所に設けられた外部制御ユニットに接続されてこの外部制御ユニットから前記圧縮機の目標吸入圧に対応する信号を受信すると共に前記センサ要素によって検出された情報を受信し、前記目標吸入圧に対応する信号、及び、前記センサ要素によって検出された情報に基づき前記圧縮機の制御要素の少なくとも1つを制御することを特徴としている(請求項1)。
【0009】
したがって、外部制御ユニットから圧縮機の目標吸入圧に対応する信号を入力しさえすれば、圧縮機用電子制御ユニットは、指令信号を算出する場合に利用される情報を検出する少なくとも1つのセンサ要素を有しているので、これらの信号及び情報に基づき、圧縮機の制御要素の少なくとも1つが制御されることとなる。このため、圧縮機を搭載する車種が異なる場合でも、自身で収集した情報に基づき、要請される冷凍サイクルの運転状態を形成することが可能となる。
【0010】
また、圧縮機用電子制御ユニットは、外部の制御ユニットから前記圧縮機の最大許容トルクに対応する信号を受信し、目標吸入圧に対応する信号、圧縮機の最大許容トルクに対応する信号、及び、センサ要素によって検出された情報に基づき、圧縮機の制御要素の少なくとも1つを前記最大許容トルクの範囲内で制御するようにしてもよい(請求項2)。
【0011】
ここで、外部制御ユニットは、エアコン用電子制御ユニットとエンジン用電子制御ユニットとで構成し、圧縮機用電子制御ユニットは、エアコン用電子制御ユニットから圧縮機の目標吸入圧に対応する信号を受信すると共にエンジン用電子制御ユニットから圧縮機の最大許容トルクに対応する信号を受信し、圧縮機の制御要素を最大許容トルクの範囲内で制御する構成としてもよい(請求項3)。
【0012】
また、圧縮機の制御要素としては、制御弁を含み、圧縮機用電子制御ユニットは、圧縮機の吸入圧を目標吸入圧とするような吐出容量が得られるように制御弁への通電量を制御して前記クランク室圧を制御するものであっても(請求項4)、駆動軸と外部駆動源との動力伝達を断続する電磁クラッチを含み、圧縮機用電子制御ユニットは、電磁クラッチを断続制御するものであってもよい(請求項5)。
【0013】
さらに、以上の圧縮機用電子制御ユニットは、エンジン用電子制御ユニットに対して算出された駆動トルクと予測トルクとに対応した信号を出力するものであっても、エアコン用電子制御ユニットに対して算出された吸入圧と予測吸入圧とに対応した信号を出力するものであってもよい(請求項6,7)。
【0014】
加えて、圧縮機用電子制御ユニットは、圧縮機の制御要素に加え、又は、圧縮機の制御要素に代えて、圧縮機の制御要素以外の外部サイクルの制御要素を制御するものであってもよい(請求項8)。
【0015】
また、この発明に係る車両用制御装置としては、エアコン用電子制御ユニットとエンジン用電子制御ユニットとを共通のユニットモジュールに設け、これら制御ユニットを請求項1乃至3のいずれかに記載の圧縮機モジュールの圧縮機用電子制御ユニットに接続する構成としても(請求項9)、エアコン用電子制御ユニットとエンジン用電子制御ユニットとをそれぞれ格別のユニットモジュールに設け、これら制御ユニットを請求項1乃至3のいずれかに記載の圧縮機モジュールの圧縮機用電子制御ユニットにそれぞれ接続する構成としてもよく(請求項10)、圧縮機用電子制御ユニットは、圧縮機の故障診断情報に対応した信号をエンジン用電子制御ユニットに出力する構成としてもよい(請求項11)。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態を図面により説明する。図1において、車両用制御装置が示され、車両用制御装置は、HVAC(空調ユニット)1などを制御するエアコンECU(エアコン電子制御ユニット)2と、走行用エンジン3やエンジンクーリングファン4などを制御するエンジンECU(エンジン電子制御ユニット)5と、冷媒循環サイクル6の圧縮機7を主として制御する圧縮機ECU8とを備えている。
【0017】
エアコンECU2は、中央演算装置(CPU)、読出専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、入出力ポート等を備えて構成されているもので、このエアコンECU2には、HVAC1を稼動、停止させるA/Cスイッチ10と、車室内の目標温度を設定する温度設定器11と、車室内温度を検出する室内温度センサ12と、外器温を検出する外気温度センサ13と、日射量を検出する日射センサ14とが接続され、A/Cスイッチ10からHVAC1のオンオフ指令信号が、温度設定器11から車室内の目標設定温度に対応する設定温度信号が、室内温度センサ12から室内温度に対応する室内温度信号が、外気温度センサ13から外気温度に対応する外気温度信号が、日射センサ14から日射量に対応する日射信号がそれぞれ入力されるようになっている。
【0018】
このうち、オンオフ指令信号、設定温度信号、室内温度信号は、コントロールパネルに設けられた表示器15を制御する表示インタフェース16を経由し、表示器15に設けられたランプをHVACのオンオフに対応させて点灯・消灯させると共に、表示器15に設けられたインジケータに目標設定温度や室内温度を表示させるようにしている。
【0019】
そして、エアコンECU2は、メモリに与えられた所定のプログラムにしたがって各種入力信号を処理し、HVAC1に対して、各種ドア(インテークドア、エアミックスドア、モードドアなど)のアクチュエータの位置や送風機の回転速度などを制御する指令信号を出力するようにしている。
【0020】
エンジンECU5は、中央演算装置(CPU)、読出専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、入出力ポート等を備えて構成されているもので、この例においては、エアコンECU2に内蔵されて共通のユニットモジュールに設けられており、図示しない各種センサから得られる入力情報(アクセル開度センサから得られたアクセル開度情報、車速センサから得られた車速情報、エンジン回転速度センサから得られたエンジン回転速度情報など)に基づき、走行用エンジン3の燃料噴射量や噴射タイミング、点火時期などを最適値に制御すると共に、エンジンクーリグファン4の回転速度などを制御するようにしている。
【0021】
圧縮機ECU8は、中央演算装置(CPU)、読出専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、入出力ポート等を備えて構成されているもので、圧縮機7に装備されている。この圧縮機7は、図2に示されるように、走行用エンジン3からの動力を受け、この走行用エンジン3と同期して回転するもので、凝縮器17、減圧装置18、蒸発器19などと共に配管結合されて冷媒循環サイクル6を構成し、吐出容量を制御して吸入圧力Psを調節するようにしている。
【0022】
図2に示すように、圧縮機7は、シリンダブロック21と、このシリンダブロック21のリア側(図中、右側)にバルブプレート22を介して組み付けられたリアヘッド23と、シリンダブロック21のフロント側(図中、左側)を閉塞するように組み付けられたフロントヘッド24とを有して構成されている。これらフロントヘッド24、シリンダブロック21、バルブプレート22、及び、リアヘッド23は、締結ボルト25により軸方向に締結されており、圧縮機全体のハウジングを構成している。
【0023】
フロントヘッド24とシリンダブロック21とによって画設されるクランク室26には、一端がフロントヘッド24から突出する駆動軸27が収容されている。この駆動軸27のフロントヘッド24から突出した部分には、軸方向に取り付けられた中継部材28を介してクラッチ板29が固定されている。フロントヘッド24のボス部24aには回転自在に外嵌された駆動プーリ30がクラッチ板29に対峙して設けられ、駆動プーリ30に埋設された励磁コイル31への通電によりクラッチ板29を駆動プーリ30に吸着させ、この駆動プーリ30に与えられる走行用エンジン3からの回転動力をクラッチ板29を介して駆動軸27に伝達するようにしている。このクラッチ板29、駆動プーリ30、励磁コイル31によって電磁クラッチ60が構成されている。
【0024】
また、この駆動軸27の一端側は、フロントヘッド24との間に設けられたシール部材32を介してフロントヘッド24との間が気密よく封じられると共にラジアル軸受33にて回転自在に支持されており、駆動軸27の他端側は、シリンダブロック21に収容されたラジアル軸受34にて回転自在に支持されている。
【0025】
シリンダブロック21には、前記ラジアル軸受34が収容される貫通孔35と、この貫通孔35を中心とする円周上に等間隔に配された複数のシリンダボア36とが形成されており、それぞれのシリンダボア36には、片頭ピストン37が往復摺動可能に挿入されている。この片頭ピストン37は、シリンダボア36内に挿入される頭部37aと、クランク室26に突出する係合部37bとを軸方向に接合して中空に形成されている。
【0026】
前記駆動軸27には、クランク室26内において、該駆動軸27と一体に回転するスラストフランジ38が固定されている。このスラストフランジ38は、フロントヘッド24に対してスラスト軸受39を介して回転自在に支持されており、このスラストフランジ38には、リンク部材40を介して斜板41が連結されている。斜板41は、駆動軸27上に設けられたヒンジボール42を中心に傾動可能に取り付けられているもので、スラストフランジ38の回転に同期して一体に回転するようになっている。そして、斜板41は、その周縁部分が前後に設けられた一対のシュー43を介して片頭ピストン37の係合部37bに係留されている。
【0027】
したがって、駆動軸27が回転すると、これに伴って斜板41が回転し、この斜板41の回転運動がシュー43を介して片頭ピストン37の往復直線運動に変換され、シリンダボア内の片頭ピストン37とバルブプレート22との間に画成される圧縮室44の容積が変更されるようになっている。
【0028】
バルブプレート22には、それぞれのシリンダボア36に対応して吸入孔45と吐出孔46とが形成され、また、リアヘッド23には、圧縮室44に供給する作動流体を収容する吸入室47と、圧縮室44から吐出した作動流体を収容する吐出室48とが画設されている。吸入室47は、リアヘッド23の中央部分に形成されており、蒸発器19の出口側に通じる吸入口49に連通すると共にバルブプレート22の吸入孔45を介して圧縮室44に連通可能となっている。また、吐出室48は、吸入室47の周囲に連続的に形成されており、凝縮器17の入口側に通じる図示しない吐出口に連通すると共にバルブプレート22の吐出孔46を介して圧縮室44に連通可能となっている。ここで、吸入孔45は、バルブプレート22のフロント側端面に設けられた吸入弁50によって開閉され、吐出孔46は、バルブプレート22のリア側端面に設けられた吐出弁51によって開閉されるようになっている。
【0029】
この圧縮機7の吐出容量は、ピストン37のストロークによって決定され、このストロークは、ピストン37の前面にかかる圧力、即ち圧縮室44の圧力(シリンダボア内の圧力)と、ピストンの背面にかかる圧力、即ちクランク室26内の圧力(クランク室圧Pc)との差圧によって決定される。具体的には、クランク室26内の圧力を高くすれば、圧縮室44とクランク室26との差圧が小さくなるので、斜板41の傾斜角度(揺動角度)が小さくなり、このため、ピストン37のストロークが小さくなって吐出容量が小さくなり、逆に、クランク室26の圧力を低くすれば、圧縮室44とクランク室26との差圧が大きくなるので、斜板41の傾斜角度(揺動角度)が大きくなり、このため、ピストン37のストロークが大きくなって吐出容量が大きくなる。
【0030】
そして、この例においては、シリンダブロック21、バルブプレート22、及びリアヘッド23に亘って形成された通路によって吐出室48とクランク室26とを連通する給気通路52が形成され、貫通孔35と連通するバルブプレート22に形成された通孔53やラジアル軸受34の隙間などによってクランク室26と吸入室47とを連通する絞り通路が形成されている。そして、給気通路52上に制御弁54が設けられている。この制御弁54は、リアヘッド23に形成された制御弁装着孔55に装着され、給気通路52の開度を調節することで、クランク室26の圧力(クランク室圧Pc)を制御しているもので、電磁ソレノイドなどのアクチュエータを有し、ソレノイドに供給される電流量を調節して給気通路の開度が制御されるようになっている。
【0031】
前記圧縮機ECU8は、冷却を促進するために吸入口49の近傍に設けられているもので、この圧縮機ECU8には、圧縮機7の吸入圧Psを検出する吸入圧センサ56から出力された吸入圧Psに対応する信号、吐出圧Pdを検出する吐出圧センサ57から出力された吐出圧Pdに対応する信号、回転速度Ncを検出する回転速度センサ58から出力された回転速度Ncに対応する信号が入力されている。これら各センサ(吸入圧センサ56、吐出圧センサ57、回転速度センサ58)は、圧縮機7に装備されているもので、圧縮機7や圧縮機ECU8と共に圧縮機モジュールを構成している。
【0032】
また、圧縮機ECU8は、図1に示されるように、前記エアコンECU2に接続されてエアコンECU2から目標吸入圧(目標Ps)に対応する信号を入力し、また、前記エンジンECU5に接続されてエンジンECU5から最大許容トルク(最大許容Trq)に対応する信号を入力し、各種センサから入力された信号とエアコンECU2及びエンジンECU5から入力された信号に基づき、制御弁54の弁開度が調節されると共に、電磁クラッチ60をオンオフ制御するようにしている。
【0033】
また、圧縮機ECU8は、各種センサからの入力信号に基づいて圧縮機7の実際の吸入圧Psや所定時間後の予測吸入圧を算出し、その情報をエアコンECU2へ供給すると共に、各種センサからの入力信号に基づいて圧縮機7の実際の駆動トルクTrqや予測トルクを算出し、その情報をエンジンECU5へ供給するようにしている。
【0034】
したがって、以上の構成によれば、圧縮機7に装備された圧縮機ECU8に外部から目標吸入圧(目標Ps)と最大許容トルク(最大許容Trq)に対応した信号を入力すれば、圧縮機ECU8は、圧縮機7に設けられた検出センサ(吸入圧センサ56、吐出圧センサ57、回転速度センサ58)からの情報に基づき、最大許容トルクの範囲内で要求される目標吸入圧となるように制御弁54が制御される。また、各センサから収集された情報に基づき、Psが低くエバポレータ17が凍結しそうな場合やPdが異常に高圧となる非常時と判定された場合には、電磁クラッチ60をオフにする等の制御を行う。
【0035】
さらに、エアコンECU2に対しては実際の吸入圧Psや予測吸入圧の情報が供給されるので、圧縮機ECU8に供給される目標吸入圧を実際の吸入圧がオーバーシュートしないように設定することが可能となり、また、エンジンECU5に対しては実際の駆動トルクや予測トルクの情報が供給されるので、圧縮機ECU8に供給される最大許容トルクの適切な設定が可能となる。
【0036】
このように、目標Psと最大許容Trqのみを外部の制御ユニットから供給することで圧縮機ECU8が圧縮機7の運転情報を踏まえつつ自身の制御要素を制御することが可能となるので、圧縮機モジュールに能動的な制御を行わせることが可能となり、車種が異なった場合でも(車両側で搭載コンプレッサを変更した場合でも)、それぞれの車両に設けられているエアコンECUやエンジンECUに圧縮機毎に異なる演算マップが必要とならず、汎用性のある圧縮機モジュールを提供することが可能となる。
【0037】
また、上述の車両用制御装置においては、エアコンECU2にエンジンECU5を内蔵し共通のユニットモジュールに設けられているので、1つのハーネスでECU間を結線することが可能となり、ECU間の結線の簡素化を図ることが可能となる。
【0038】
尚、上述した圧縮機モジュールを備えた車両用制御装置としては、各種態様が考えられるが、例えば、図3に示されるように、エアコンECU2とエンジンECU5を独立のユニットモジュールにそれぞれ設け、エアコンECU2と圧縮機ECU8の信号の授受をエンジンECU5を介して行い、また、HVAC1のオンオフ情報、設定温度情報、及び室内温度情報を表示する表示器15の表示インタフェース16をエアコンECU2に内蔵する構成としても良い。このような構成によれば、圧縮機ECU8とエンジンECU5との間を1つのハーネスで結線し、さらにエンジンECU5とエアコンECU2とを1つのハーネスで結線して、圧縮機ECU8、エンジンECU5、及びエアコンECU2を直列に結線することが可能となる。
【0039】
また、図4に示されるように、エアコンECU2とエンジンECU5を独立のユニットモジュールにそれぞれ設け、HVAC1のオンオフ情報、設定温度情報及び室内温度情報を表示する表示器15の表示インタフェース16をエアコンECU2に内蔵する構成とし、圧縮機ECU8とエンジンECU5との間、及び、圧縮機ECU8とエアコンECU2との間をそれぞれ1つのハーネスで結線し、圧縮機ECU8に対して、エンジンECU5とエアコンECU2を並列に結線するようにしてもよい。
【0040】
さらに、図5に示されるように、図1の構成に対して、圧縮機ECU8に、圧縮機の故障診断情報に対応した信号をエンジンECU5に出力して、トルク管理などを行うようにしてもよい。このような圧縮器の診断情報の供給は、図2又は図3の構成に対しても同様に行うようにしてもよい。
【0041】
【発明の効果】
以上述べたように、この発明にかかる圧縮機モジュールは、圧縮機に対して、その制御要素の少なくとも1つに指令信号を出力する圧縮機用電子制御ユニットと、指令信号を算出する場合に利用される情報を検出する少なくとも1つのセンサ要素とを装備し、圧縮機用電子制御ユニットにより、外部制御ユニットから供給される圧縮機の目標吸入圧に対応する信号と、センサ要素によって検出された情報とに基づき、圧縮機の制御要素の少なくとも1つを制御するようにしたので、圧縮機を搭載する車種が異なるような場合でも、外部制御ユニットに圧縮機毎の演算マップを用意しておく必用がなくなり、外部制御ユニットの演算負荷を低減して汎用性のある圧縮機モジュールと、これを利用した車両用制御装置を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明にかかる圧縮機モジュールを用いた車両用制御装置の構成例を示す図である。
【図2】図2は、本発明にかかる圧縮機モジュールを示す断面図である。
【図3】図3は、本発明にかかる圧縮機モジュールを用いた他の車両用制御装置の構成例を示す図である。
【図4】図4は、本発明にかかる圧縮機モジュールを用いた他の車両用制御装置の構成例を示す図である。
【図5】図5は、本発明にかかる圧縮機モジュールを用いた他の車両用制御装置の構成例を示す図である。
【符号の説明】
2 エアコンECU
5 エンジンECU
6 冷媒循環サイクル
7 圧縮機
8 圧縮機ECU
15 走行用エンジン
26 クランク室
27 駆動軸
54 制御弁
56 吸入圧センサ
57 吐出圧センサ
58 回転速度センサ
60 電磁クラッチ
【発明の属する技術分野】
この発明は、冷媒循環サイクルに利用される圧縮機に対して専用の制御ユニットを装備して構成される圧縮機モジュール、及び、これを用いた車両用制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
冷媒循環サイクルに用いられる圧縮機に対して専用の制御ユニットを装備した圧縮機モジュールが利用されつつあり、例えば、下記する特許文献1に示される圧縮機モジュールが公知となっている。これは、吐出容量を制御する制御弁を備えた容量可変型圧縮機に対して、外部指令部から受信したトルク設定信号に基づき、この設定トルクとなるように制御弁へ指令信号を出力する圧縮機用電子制御ユニットと、前記指令信号を算出する際に参照する各種情報を検知する情報検知手段とを設け、エンジンECUが圧縮機の負荷トルクを推定せずにエンジン制御データとして簡単に使用できるようにしたものである。
【0003】
【特許文献1】
特開2001−317467号公報(要約、図1)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した構成においては、圧縮機の設定トルクは外部指令部[(エアコン電子制御ユニット(エアコンECU)又はエンジン電子制御ユニット(エンジンECU)]で計算され、圧縮機用電子制御ユニットに送られる構成となっているので、カーメーカが搭載する圧縮機を変更するような場合には、設定トルクの算出に新たなマップが必要となり、汎用性に欠けるものであった。
【0005】
また、冷媒循環サイクルの主たる機能は、エバポレータの蒸発圧力を調整することにあり、この蒸発圧力は圧縮機の吸入圧に相関していることから、外制式の圧縮機においては、圧縮機の吸入圧を要求圧力に制御するようにしている。
【0006】
冷凍サイクルに用いられる圧縮機は、冷凍サイクルの運転状態の情報を直接検知し得る格好の場所であり、ここで得られる情報を利用することで吸入圧力を制御することが好ましい。
【0007】
本発明は以上の点に鑑みてなされたものであり、圧縮機を搭載する車種が異なる場合においても圧縮機以外の箇所に設けられた外部制御ユニットの演算負荷を低減することで、汎用性のある圧縮機モジュールと、これを利用した車両用制御装置を提供することを主たる課題としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記課題を達成するために、この発明にかかる圧縮機モジュールは、外部駆動源から動力供給を受ける駆動軸と、吐出容量を可変させる容量可変機構と、前記吐出容量を変化させるためにクランク室圧を制御する制御弁とを有する圧縮機を備え、この圧縮機に対して、該圧縮機の制御要素の少なくとも1つに指令信号を出力する圧縮機用電子制御ユニットと、前記指令信号を算出する場合に利用される情報を検出する少なくとも1つのセンサ要素とを装備し、前記圧縮機用電子制御ユニットは、前記圧縮機以外の箇所に設けられた外部制御ユニットに接続されてこの外部制御ユニットから前記圧縮機の目標吸入圧に対応する信号を受信すると共に前記センサ要素によって検出された情報を受信し、前記目標吸入圧に対応する信号、及び、前記センサ要素によって検出された情報に基づき前記圧縮機の制御要素の少なくとも1つを制御することを特徴としている(請求項1)。
【0009】
したがって、外部制御ユニットから圧縮機の目標吸入圧に対応する信号を入力しさえすれば、圧縮機用電子制御ユニットは、指令信号を算出する場合に利用される情報を検出する少なくとも1つのセンサ要素を有しているので、これらの信号及び情報に基づき、圧縮機の制御要素の少なくとも1つが制御されることとなる。このため、圧縮機を搭載する車種が異なる場合でも、自身で収集した情報に基づき、要請される冷凍サイクルの運転状態を形成することが可能となる。
【0010】
また、圧縮機用電子制御ユニットは、外部の制御ユニットから前記圧縮機の最大許容トルクに対応する信号を受信し、目標吸入圧に対応する信号、圧縮機の最大許容トルクに対応する信号、及び、センサ要素によって検出された情報に基づき、圧縮機の制御要素の少なくとも1つを前記最大許容トルクの範囲内で制御するようにしてもよい(請求項2)。
【0011】
ここで、外部制御ユニットは、エアコン用電子制御ユニットとエンジン用電子制御ユニットとで構成し、圧縮機用電子制御ユニットは、エアコン用電子制御ユニットから圧縮機の目標吸入圧に対応する信号を受信すると共にエンジン用電子制御ユニットから圧縮機の最大許容トルクに対応する信号を受信し、圧縮機の制御要素を最大許容トルクの範囲内で制御する構成としてもよい(請求項3)。
【0012】
また、圧縮機の制御要素としては、制御弁を含み、圧縮機用電子制御ユニットは、圧縮機の吸入圧を目標吸入圧とするような吐出容量が得られるように制御弁への通電量を制御して前記クランク室圧を制御するものであっても(請求項4)、駆動軸と外部駆動源との動力伝達を断続する電磁クラッチを含み、圧縮機用電子制御ユニットは、電磁クラッチを断続制御するものであってもよい(請求項5)。
【0013】
さらに、以上の圧縮機用電子制御ユニットは、エンジン用電子制御ユニットに対して算出された駆動トルクと予測トルクとに対応した信号を出力するものであっても、エアコン用電子制御ユニットに対して算出された吸入圧と予測吸入圧とに対応した信号を出力するものであってもよい(請求項6,7)。
【0014】
加えて、圧縮機用電子制御ユニットは、圧縮機の制御要素に加え、又は、圧縮機の制御要素に代えて、圧縮機の制御要素以外の外部サイクルの制御要素を制御するものであってもよい(請求項8)。
【0015】
また、この発明に係る車両用制御装置としては、エアコン用電子制御ユニットとエンジン用電子制御ユニットとを共通のユニットモジュールに設け、これら制御ユニットを請求項1乃至3のいずれかに記載の圧縮機モジュールの圧縮機用電子制御ユニットに接続する構成としても(請求項9)、エアコン用電子制御ユニットとエンジン用電子制御ユニットとをそれぞれ格別のユニットモジュールに設け、これら制御ユニットを請求項1乃至3のいずれかに記載の圧縮機モジュールの圧縮機用電子制御ユニットにそれぞれ接続する構成としてもよく(請求項10)、圧縮機用電子制御ユニットは、圧縮機の故障診断情報に対応した信号をエンジン用電子制御ユニットに出力する構成としてもよい(請求項11)。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態を図面により説明する。図1において、車両用制御装置が示され、車両用制御装置は、HVAC(空調ユニット)1などを制御するエアコンECU(エアコン電子制御ユニット)2と、走行用エンジン3やエンジンクーリングファン4などを制御するエンジンECU(エンジン電子制御ユニット)5と、冷媒循環サイクル6の圧縮機7を主として制御する圧縮機ECU8とを備えている。
【0017】
エアコンECU2は、中央演算装置(CPU)、読出専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、入出力ポート等を備えて構成されているもので、このエアコンECU2には、HVAC1を稼動、停止させるA/Cスイッチ10と、車室内の目標温度を設定する温度設定器11と、車室内温度を検出する室内温度センサ12と、外器温を検出する外気温度センサ13と、日射量を検出する日射センサ14とが接続され、A/Cスイッチ10からHVAC1のオンオフ指令信号が、温度設定器11から車室内の目標設定温度に対応する設定温度信号が、室内温度センサ12から室内温度に対応する室内温度信号が、外気温度センサ13から外気温度に対応する外気温度信号が、日射センサ14から日射量に対応する日射信号がそれぞれ入力されるようになっている。
【0018】
このうち、オンオフ指令信号、設定温度信号、室内温度信号は、コントロールパネルに設けられた表示器15を制御する表示インタフェース16を経由し、表示器15に設けられたランプをHVACのオンオフに対応させて点灯・消灯させると共に、表示器15に設けられたインジケータに目標設定温度や室内温度を表示させるようにしている。
【0019】
そして、エアコンECU2は、メモリに与えられた所定のプログラムにしたがって各種入力信号を処理し、HVAC1に対して、各種ドア(インテークドア、エアミックスドア、モードドアなど)のアクチュエータの位置や送風機の回転速度などを制御する指令信号を出力するようにしている。
【0020】
エンジンECU5は、中央演算装置(CPU)、読出専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、入出力ポート等を備えて構成されているもので、この例においては、エアコンECU2に内蔵されて共通のユニットモジュールに設けられており、図示しない各種センサから得られる入力情報(アクセル開度センサから得られたアクセル開度情報、車速センサから得られた車速情報、エンジン回転速度センサから得られたエンジン回転速度情報など)に基づき、走行用エンジン3の燃料噴射量や噴射タイミング、点火時期などを最適値に制御すると共に、エンジンクーリグファン4の回転速度などを制御するようにしている。
【0021】
圧縮機ECU8は、中央演算装置(CPU)、読出専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、入出力ポート等を備えて構成されているもので、圧縮機7に装備されている。この圧縮機7は、図2に示されるように、走行用エンジン3からの動力を受け、この走行用エンジン3と同期して回転するもので、凝縮器17、減圧装置18、蒸発器19などと共に配管結合されて冷媒循環サイクル6を構成し、吐出容量を制御して吸入圧力Psを調節するようにしている。
【0022】
図2に示すように、圧縮機7は、シリンダブロック21と、このシリンダブロック21のリア側(図中、右側)にバルブプレート22を介して組み付けられたリアヘッド23と、シリンダブロック21のフロント側(図中、左側)を閉塞するように組み付けられたフロントヘッド24とを有して構成されている。これらフロントヘッド24、シリンダブロック21、バルブプレート22、及び、リアヘッド23は、締結ボルト25により軸方向に締結されており、圧縮機全体のハウジングを構成している。
【0023】
フロントヘッド24とシリンダブロック21とによって画設されるクランク室26には、一端がフロントヘッド24から突出する駆動軸27が収容されている。この駆動軸27のフロントヘッド24から突出した部分には、軸方向に取り付けられた中継部材28を介してクラッチ板29が固定されている。フロントヘッド24のボス部24aには回転自在に外嵌された駆動プーリ30がクラッチ板29に対峙して設けられ、駆動プーリ30に埋設された励磁コイル31への通電によりクラッチ板29を駆動プーリ30に吸着させ、この駆動プーリ30に与えられる走行用エンジン3からの回転動力をクラッチ板29を介して駆動軸27に伝達するようにしている。このクラッチ板29、駆動プーリ30、励磁コイル31によって電磁クラッチ60が構成されている。
【0024】
また、この駆動軸27の一端側は、フロントヘッド24との間に設けられたシール部材32を介してフロントヘッド24との間が気密よく封じられると共にラジアル軸受33にて回転自在に支持されており、駆動軸27の他端側は、シリンダブロック21に収容されたラジアル軸受34にて回転自在に支持されている。
【0025】
シリンダブロック21には、前記ラジアル軸受34が収容される貫通孔35と、この貫通孔35を中心とする円周上に等間隔に配された複数のシリンダボア36とが形成されており、それぞれのシリンダボア36には、片頭ピストン37が往復摺動可能に挿入されている。この片頭ピストン37は、シリンダボア36内に挿入される頭部37aと、クランク室26に突出する係合部37bとを軸方向に接合して中空に形成されている。
【0026】
前記駆動軸27には、クランク室26内において、該駆動軸27と一体に回転するスラストフランジ38が固定されている。このスラストフランジ38は、フロントヘッド24に対してスラスト軸受39を介して回転自在に支持されており、このスラストフランジ38には、リンク部材40を介して斜板41が連結されている。斜板41は、駆動軸27上に設けられたヒンジボール42を中心に傾動可能に取り付けられているもので、スラストフランジ38の回転に同期して一体に回転するようになっている。そして、斜板41は、その周縁部分が前後に設けられた一対のシュー43を介して片頭ピストン37の係合部37bに係留されている。
【0027】
したがって、駆動軸27が回転すると、これに伴って斜板41が回転し、この斜板41の回転運動がシュー43を介して片頭ピストン37の往復直線運動に変換され、シリンダボア内の片頭ピストン37とバルブプレート22との間に画成される圧縮室44の容積が変更されるようになっている。
【0028】
バルブプレート22には、それぞれのシリンダボア36に対応して吸入孔45と吐出孔46とが形成され、また、リアヘッド23には、圧縮室44に供給する作動流体を収容する吸入室47と、圧縮室44から吐出した作動流体を収容する吐出室48とが画設されている。吸入室47は、リアヘッド23の中央部分に形成されており、蒸発器19の出口側に通じる吸入口49に連通すると共にバルブプレート22の吸入孔45を介して圧縮室44に連通可能となっている。また、吐出室48は、吸入室47の周囲に連続的に形成されており、凝縮器17の入口側に通じる図示しない吐出口に連通すると共にバルブプレート22の吐出孔46を介して圧縮室44に連通可能となっている。ここで、吸入孔45は、バルブプレート22のフロント側端面に設けられた吸入弁50によって開閉され、吐出孔46は、バルブプレート22のリア側端面に設けられた吐出弁51によって開閉されるようになっている。
【0029】
この圧縮機7の吐出容量は、ピストン37のストロークによって決定され、このストロークは、ピストン37の前面にかかる圧力、即ち圧縮室44の圧力(シリンダボア内の圧力)と、ピストンの背面にかかる圧力、即ちクランク室26内の圧力(クランク室圧Pc)との差圧によって決定される。具体的には、クランク室26内の圧力を高くすれば、圧縮室44とクランク室26との差圧が小さくなるので、斜板41の傾斜角度(揺動角度)が小さくなり、このため、ピストン37のストロークが小さくなって吐出容量が小さくなり、逆に、クランク室26の圧力を低くすれば、圧縮室44とクランク室26との差圧が大きくなるので、斜板41の傾斜角度(揺動角度)が大きくなり、このため、ピストン37のストロークが大きくなって吐出容量が大きくなる。
【0030】
そして、この例においては、シリンダブロック21、バルブプレート22、及びリアヘッド23に亘って形成された通路によって吐出室48とクランク室26とを連通する給気通路52が形成され、貫通孔35と連通するバルブプレート22に形成された通孔53やラジアル軸受34の隙間などによってクランク室26と吸入室47とを連通する絞り通路が形成されている。そして、給気通路52上に制御弁54が設けられている。この制御弁54は、リアヘッド23に形成された制御弁装着孔55に装着され、給気通路52の開度を調節することで、クランク室26の圧力(クランク室圧Pc)を制御しているもので、電磁ソレノイドなどのアクチュエータを有し、ソレノイドに供給される電流量を調節して給気通路の開度が制御されるようになっている。
【0031】
前記圧縮機ECU8は、冷却を促進するために吸入口49の近傍に設けられているもので、この圧縮機ECU8には、圧縮機7の吸入圧Psを検出する吸入圧センサ56から出力された吸入圧Psに対応する信号、吐出圧Pdを検出する吐出圧センサ57から出力された吐出圧Pdに対応する信号、回転速度Ncを検出する回転速度センサ58から出力された回転速度Ncに対応する信号が入力されている。これら各センサ(吸入圧センサ56、吐出圧センサ57、回転速度センサ58)は、圧縮機7に装備されているもので、圧縮機7や圧縮機ECU8と共に圧縮機モジュールを構成している。
【0032】
また、圧縮機ECU8は、図1に示されるように、前記エアコンECU2に接続されてエアコンECU2から目標吸入圧(目標Ps)に対応する信号を入力し、また、前記エンジンECU5に接続されてエンジンECU5から最大許容トルク(最大許容Trq)に対応する信号を入力し、各種センサから入力された信号とエアコンECU2及びエンジンECU5から入力された信号に基づき、制御弁54の弁開度が調節されると共に、電磁クラッチ60をオンオフ制御するようにしている。
【0033】
また、圧縮機ECU8は、各種センサからの入力信号に基づいて圧縮機7の実際の吸入圧Psや所定時間後の予測吸入圧を算出し、その情報をエアコンECU2へ供給すると共に、各種センサからの入力信号に基づいて圧縮機7の実際の駆動トルクTrqや予測トルクを算出し、その情報をエンジンECU5へ供給するようにしている。
【0034】
したがって、以上の構成によれば、圧縮機7に装備された圧縮機ECU8に外部から目標吸入圧(目標Ps)と最大許容トルク(最大許容Trq)に対応した信号を入力すれば、圧縮機ECU8は、圧縮機7に設けられた検出センサ(吸入圧センサ56、吐出圧センサ57、回転速度センサ58)からの情報に基づき、最大許容トルクの範囲内で要求される目標吸入圧となるように制御弁54が制御される。また、各センサから収集された情報に基づき、Psが低くエバポレータ17が凍結しそうな場合やPdが異常に高圧となる非常時と判定された場合には、電磁クラッチ60をオフにする等の制御を行う。
【0035】
さらに、エアコンECU2に対しては実際の吸入圧Psや予測吸入圧の情報が供給されるので、圧縮機ECU8に供給される目標吸入圧を実際の吸入圧がオーバーシュートしないように設定することが可能となり、また、エンジンECU5に対しては実際の駆動トルクや予測トルクの情報が供給されるので、圧縮機ECU8に供給される最大許容トルクの適切な設定が可能となる。
【0036】
このように、目標Psと最大許容Trqのみを外部の制御ユニットから供給することで圧縮機ECU8が圧縮機7の運転情報を踏まえつつ自身の制御要素を制御することが可能となるので、圧縮機モジュールに能動的な制御を行わせることが可能となり、車種が異なった場合でも(車両側で搭載コンプレッサを変更した場合でも)、それぞれの車両に設けられているエアコンECUやエンジンECUに圧縮機毎に異なる演算マップが必要とならず、汎用性のある圧縮機モジュールを提供することが可能となる。
【0037】
また、上述の車両用制御装置においては、エアコンECU2にエンジンECU5を内蔵し共通のユニットモジュールに設けられているので、1つのハーネスでECU間を結線することが可能となり、ECU間の結線の簡素化を図ることが可能となる。
【0038】
尚、上述した圧縮機モジュールを備えた車両用制御装置としては、各種態様が考えられるが、例えば、図3に示されるように、エアコンECU2とエンジンECU5を独立のユニットモジュールにそれぞれ設け、エアコンECU2と圧縮機ECU8の信号の授受をエンジンECU5を介して行い、また、HVAC1のオンオフ情報、設定温度情報、及び室内温度情報を表示する表示器15の表示インタフェース16をエアコンECU2に内蔵する構成としても良い。このような構成によれば、圧縮機ECU8とエンジンECU5との間を1つのハーネスで結線し、さらにエンジンECU5とエアコンECU2とを1つのハーネスで結線して、圧縮機ECU8、エンジンECU5、及びエアコンECU2を直列に結線することが可能となる。
【0039】
また、図4に示されるように、エアコンECU2とエンジンECU5を独立のユニットモジュールにそれぞれ設け、HVAC1のオンオフ情報、設定温度情報及び室内温度情報を表示する表示器15の表示インタフェース16をエアコンECU2に内蔵する構成とし、圧縮機ECU8とエンジンECU5との間、及び、圧縮機ECU8とエアコンECU2との間をそれぞれ1つのハーネスで結線し、圧縮機ECU8に対して、エンジンECU5とエアコンECU2を並列に結線するようにしてもよい。
【0040】
さらに、図5に示されるように、図1の構成に対して、圧縮機ECU8に、圧縮機の故障診断情報に対応した信号をエンジンECU5に出力して、トルク管理などを行うようにしてもよい。このような圧縮器の診断情報の供給は、図2又は図3の構成に対しても同様に行うようにしてもよい。
【0041】
【発明の効果】
以上述べたように、この発明にかかる圧縮機モジュールは、圧縮機に対して、その制御要素の少なくとも1つに指令信号を出力する圧縮機用電子制御ユニットと、指令信号を算出する場合に利用される情報を検出する少なくとも1つのセンサ要素とを装備し、圧縮機用電子制御ユニットにより、外部制御ユニットから供給される圧縮機の目標吸入圧に対応する信号と、センサ要素によって検出された情報とに基づき、圧縮機の制御要素の少なくとも1つを制御するようにしたので、圧縮機を搭載する車種が異なるような場合でも、外部制御ユニットに圧縮機毎の演算マップを用意しておく必用がなくなり、外部制御ユニットの演算負荷を低減して汎用性のある圧縮機モジュールと、これを利用した車両用制御装置を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明にかかる圧縮機モジュールを用いた車両用制御装置の構成例を示す図である。
【図2】図2は、本発明にかかる圧縮機モジュールを示す断面図である。
【図3】図3は、本発明にかかる圧縮機モジュールを用いた他の車両用制御装置の構成例を示す図である。
【図4】図4は、本発明にかかる圧縮機モジュールを用いた他の車両用制御装置の構成例を示す図である。
【図5】図5は、本発明にかかる圧縮機モジュールを用いた他の車両用制御装置の構成例を示す図である。
【符号の説明】
2 エアコンECU
5 エンジンECU
6 冷媒循環サイクル
7 圧縮機
8 圧縮機ECU
15 走行用エンジン
26 クランク室
27 駆動軸
54 制御弁
56 吸入圧センサ
57 吐出圧センサ
58 回転速度センサ
60 電磁クラッチ
Claims (11)
- 外部駆動源から動力供給を受ける駆動軸と、吐出容量を可変させる容量可変機構と、前記吐出容量を変化させるためにクランク室圧を制御する制御弁とを有する圧縮機を備え、
この圧縮機に対して、該圧縮機の制御要素の少なくとも1つに指令信号を出力する圧縮機用電子制御ユニットと、前記指令信号を算出する場合に利用される情報を検出する少なくとも1つのセンサ要素とを装備し、
前記圧縮機用電子制御ユニットは、前記圧縮機以外の箇所に設けられた外部制御ユニットに接続されてこの外部制御ユニットから前記圧縮機の目標吸入圧に対応する信号を受信すると共に前記センサ要素によって検出された情報を受信し、前記目標吸入圧に対応する信号、及び、前記センサ要素によって検出された情報に基づき前記圧縮機の制御要素の少なくとも1つを制御することを特徴とする圧縮機モジュール。 - 前記圧縮機用電子制御ユニットは、前記外部制御ユニットから前記圧縮機の最大許容トルクに対応する信号を受信し、前記目標吸入圧に対応する信号、前記圧縮機の最大許容トルクに対応する信号、及び、前記センサ要素によって検出された情報に基づき、前記圧縮機の制御要素の少なくとも1つを前記最大許容トルクの範囲内で制御することを特徴とする請求項1記載の圧縮機モジュール。
- 前記外部制御ユニットは、エアコン用電子制御ユニットとエンジン用電子制御ユニットとからなり、前記圧縮機用電子制御ユニットは、前記エアコン用電子制御ユニットから前記圧縮機の目標吸入圧に対応する信号を受信すると共に前記エンジン用電子制御ユニットから前記圧縮機の最大許容トルクに対応する信号を受信することを特徴とする請求項2記載の圧縮機モジュール。
- 前記圧縮機の制御要素は、前記制御弁を含み、前記圧縮機用電子制御ユニットは、前記圧縮機の吸入圧を目標吸入圧とするような吐出容量が得られるように前記制御弁への通電量を制御して前記クランク室圧を制御することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の圧縮機モジュール。
- 前記圧縮機の制御要素は、前記駆動軸と外部駆動源との動力伝達を断続する電磁クラッチを含み、前記圧縮機用電子制御ユニットは、前記電磁クラッチを断続制御するものであることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の圧縮機モジュール。
- 前記圧縮機用電子制御ユニットは、前記エンジン用電子制御ユニットに対して、算出された駆動トルクと予測トルクとに対応した信号を出力するものである請求項3記載の圧縮機モジュール。
- 前記圧縮機用電子制御ユニットは、前記エアコン用電子制御ユニットに対して、算出された吸入圧と予測吸入圧とに対応した信号を出力するものである請求項3記載の圧縮機モジュール。
- 前記圧縮機用電子制御ユニットは、前記圧縮機の制御要素に加え、又は、前記圧縮機の制御要素に代えて、前記圧縮機の制御要素以外の外部サイクルの制御要素を制御するものであることを特徴とする請求項1乃至3記載の圧縮機モジュール。
- エアコン用電子制御ユニットとエンジン用電子制御ユニットとを共通のユニットモジュールに設け、これら制御ユニットを請求項1乃至3のいずれかに記載の圧縮機モジュールの圧縮機用電子制御ユニットに接続したことを特徴とする車両用制御装置。
- エアコン用電子制御ユニットとエンジン用電子制御ユニットとをそれぞれ格別のユニットモジュールに設け、これら制御ユニットを請求項1乃至3のいずれかに記載の圧縮機モジュールの圧縮機用電子制御ユニットにそれぞれ接続したことを特徴とする車両用制御装置。
- 前記圧縮機用電子制御ユニットは、前記圧縮機の故障診断情報に対応した信号を前記エンジン用電子制御ユニットに出力するものであることを特徴とする請求項9又は10記載の車両用制御装置。
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