JP2005066853A - 光硬化性加飾シートの製造方法、および光硬化性加飾シートを積層した成形品 - Google Patents

光硬化性加飾シートの製造方法、および光硬化性加飾シートを積層した成形品 Download PDF

Info

Publication number
JP2005066853A
JP2005066853A JP2003208673A JP2003208673A JP2005066853A JP 2005066853 A JP2005066853 A JP 2005066853A JP 2003208673 A JP2003208673 A JP 2003208673A JP 2003208673 A JP2003208673 A JP 2003208673A JP 2005066853 A JP2005066853 A JP 2005066853A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
sheet
photocurable
resin composition
mold
decorative sheet
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2003208673A
Other languages
English (en)
Inventor
Shogo Okazaki
正吾 岡崎
Kenji Suemura
賢二 末村
Hideyuki Fujii
秀幸 藤井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Rayon Co Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Rayon Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Rayon Co Ltd filed Critical Mitsubishi Rayon Co Ltd
Priority to JP2003208673A priority Critical patent/JP2005066853A/ja
Publication of JP2005066853A publication Critical patent/JP2005066853A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Injection Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)
  • Laminated Bodies (AREA)

Abstract

【課題】印刷抜けのない良好な意匠性を有する成形品の製造に有利に用いることのできる、耐磨耗性、耐候性および耐薬品性に優れ、かつ、表面粘着性がなく、加工性および保存安定性に優れた光硬化性加飾シートを、シート切れを起こすことなく安定して製造する方法を提供する。
【解決手段】光硬化性樹脂組成物(A)の層と基材シート(B)、および印刷層(C)を含む光硬化性加飾シートの製造方法において、最初に基材シート(B)上に印刷層(C)を形成した後に、光硬化性樹脂組成物(A)の層を形成することを特徴とする光硬化性加飾シートの製造方法。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光硬化性加飾シートの製造方法、および光硬化性加飾シートを積層した成形品に関する。本発明は、特に、優れた外観、意匠性、耐磨耗性、耐薬品性および耐候性を有し、表面粘着性のない光硬化性加飾シートの製造方法、並びにその方法により得られる光硬化性加飾シートおよびそのシートを用いた成形品の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
プラスチック製品の成形と同時にその表面に装飾を施す方法として、(1)金型内表面に予め模様を付けておく方法、(2)金型内壁面に転写フィルムを装着し、成形と同時にフィルムの模様等を成形品の外面に転写する方法、(3)機能付シートまたは印刷シートを金型内壁面に貼り付けておき、成形と同時にそのシートを成形品表面に貼り付けする方法等が提案されている。(2)または(3)の方法については、例えば、特許文献1、特許文献2、特許文献3に耐候性付与シートまたは印刷シートを金型内壁面に形成した後、成形用樹脂を射出成形することにより、シートで表面が被覆された成形品を製造する方法が提案されている。
【0003】
しかしながら、上記の技術は、加飾や機能性の付与を熱可塑性シートや印刷の転写で行っているため、得られた成形品の表面硬度が不十分なものであった。例えば、成形品に耐候性を付与する場合には、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)などからなる高耐候性シートを用いればよいが、充分な表面硬度が得られないという問題がある。これに対して、表面硬度の高い成形品を得ようとする場合には、予め架橋した表面硬度の高いシートを用いなければならない。しかしながら、そのようなシートは、立体形状の成形品への適用が困難である。
【0004】
そこで、特許文献4に示されているように、アクリル樹脂、反応性ビニル基を有する化合物および光重合開始剤を含有する樹脂組成物により形成される光硬化性樹脂層とシート基材とが積層されてなる光硬化性シートが提案された。しかしながら、この方法では、光硬化させる前のシートは、低分子量の反応性ビニル基を有する化合物を含有するため、表面に粘着性が有り、あるいは表面の粘着性が時間と共に変化する等の現象が起こり、ロール状態での保存安定性が不良である。具体的には、粘着して巻き出せない、低温で保存しないと両端より化合物がしみ出す等の問題があった。さらには、その表面粘着性のため、印刷シートとして使用する場合の印刷工程において不具合が生じていた。
【0005】
かかる問題を解決するために、本発明者らは、先に特許文献5、特許文献6等に記載されているように特定組成有する光硬化性樹脂組成物または光硬化性シートが、前記課題を解決するものであることを見出した。これらの光硬化性シートは、光硬化前の優れた成形性と光硬化後の優れた表面性状(硬度、耐候性等)を高次元で両立している。
【0006】
通常、これらの光硬化性シートは、光硬化性樹脂組成物および溶剤を含む混合溶液を基材シート上に塗工し、次いで加熱乾燥させて溶剤を揮発させることにより製造することができる。さらに、基材シートの裏面に印刷層等を形成することにより、光硬化性加飾シートとすることも出来る。
【0007】
しかしながら、これらの光硬化性加飾シートを製造する際に、ある条件下においてはシート切れが多発して生産歩留まりが低下するという問題があった。また、ある条件下においては、得られた光硬化性加飾シートに印刷抜けが発生し、意匠性が大きく低下してしまうという問題もあった。
【0008】
【特許文献1】
特開昭60−250925号公報
【特許文献2】
特公昭59−36841号公報
【特許文献3】
特公平8−2550号公報
【特許文献4】
特公平7−323号公報
【特許文献5】
特開2002−79621号公報
【特許文献6】
特開2002−80550号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
すなわち、本発明の目的は、印刷抜けのない良好な意匠性を有する成形品の製造に有利に用いることのできる、耐磨耗性、耐候性および耐薬品性に優れ、かつ、表面粘着性がなく、加工性および保存安定性に優れた光硬化性加飾シートを、シート切れを起こすことなく安定して製造する方法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、この光硬化性加飾シートを開発する過程を通じて、光硬化性樹脂組成物層と印刷層を特定の順序で形成することにより、上記した問題が解決可能であることを見出し、これにより本発明を完成するに至ったものである。
本発明は、上記課題を解決するため、光硬化性樹脂組成物(A)の層と基材シート(B)、および印刷層(C)を含む光硬化性加飾シートの製造方法において、最初に基材シート(B)上に印刷層(C)を形成した後に、光硬化性樹脂組成物(A)の層を形成することを特徴とする方法を提供する。
本発明は、また、上記の方法により製造される光硬化性加飾シートを提供する。
本発明は、さらに、上記の光硬化性加飾シートの印刷層(C)側に、さらに蒸着層、接着層、プライマーシートのいずれか一つ以上を含む光硬化性加飾シートを提供する。
本発明は、また、上記の光硬化性加飾シートが表面の少なくとも一部に配置された成形品を提供する。
本発明は、さらに、上記の光硬化性加飾シートを、光硬化性樹脂組成物(A)側が金型の内壁面に向き合うように挿入配置する工程、金型を閉じて、溶融樹脂を金型内に射出し、樹脂を固化させることにより光硬化性加飾シートが表面に配置された樹脂成形品を形成する工程、および光照射することにより成形品表面の光硬化性樹脂組成物を光硬化させる工程を含む、上記の成形品の製造方法を提供する。
本発明は、また、上記の光硬化性加飾シートを、光硬化性樹脂組成物(A)側が金型の内壁面に向き合うように挿入配置する工程、光硬化性加飾シートを予備成形してシートを金型形状に追従させる工程、金型を閉じて、溶融樹脂を金型内に射出し、樹脂を固化させることにより光硬化性加飾シートが表面に配置された樹脂成形品を形成する工程、および光照射することにより成形品表面の光硬化性樹脂組成物を光硬化させる工程を含む、上記の成形品の製造方法を提供する。
本発明は、さらに、上記の光硬化性加飾シートを、光硬化性樹脂組成物(A)側が金型の内壁面に向き合うように予備成形用金型に挿入配置する工程、光硬化性加飾シートを予備成形してシートを金型形状に追従させる工程、予備成形した光硬化性加飾シートを、光硬化性樹脂組成物(A)側が金型の内壁面に向き合うように成形用金型に挿入配置する工程、成形用金型を閉じて、溶融樹脂を金型内に射出し、樹脂を固化させることにより光硬化性加飾シートが表面に配置された樹脂成形品を形成する工程、および光照射することにより成形品表面の光硬化性樹脂組成物を光硬化させる工程を含む、上記の成形品の製造方法を提供する。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の好ましい実施の形態について順次説明する。
本発明の光硬化性加飾シートの製造方法は、光硬化性樹脂組成物(A)の層と基材シート(B)、および印刷層(C)を含む光硬化性加飾シートの製造方法に関するもので、最初に基材シート(B)上に印刷層(C)を形成した後に、光硬化性樹脂組成物(A)の層を形成することを特徴とする。
【0012】
このように光硬化性加飾シートを構成する光硬化性樹脂組成物(A)の層と印刷層(C)の形成順序を特定することにより、優れた諸物性(耐磨耗性、耐薬品性、非表面粘着性、加工性、保存安定性、外観等)を発現することが可能な光硬化性加飾シートを安定して製造することが可能となる。
【0013】
光硬化性樹脂組成物(A)には、1分子内に2個以上の光重合性官能基を有する化合物(a−1)を含有することが好ましい。かかる化合物(a−1)は、光重合反応により硬化して架橋体を形成することから、本発明の光硬化性加飾シートが表面に配置された成形品は良好な耐擦傷性や耐薬品性を発現することが可能となる。化合物(a−1)の光重合性官能基としては、例えば、ビニル基や(メタ)アクリル基等のエチレン性不飽和基を有し、光ラジカル重合機構で反応する官能基や、脂環式エポキシ基等の光カチオン重合機構で反応する官能基等が挙げられる。
【0014】
光硬化性樹脂組成物(A)が低分子量の架橋性化合物を含有する場合、光硬化性加飾シート表面が粘着性を有し、シートの保存安定性が低下する傾向があるので、低分子量の架橋性化合物を含有しない方が好ましい。
特に、光硬化性樹脂組成物(A)中の化合物(a−1)が、側鎖に光重合性官能基を有する熱可塑性樹脂であり、かつ、かかる熱可塑性樹脂以外の架橋性化合物を実質的に含まない構成の場合、著しく良好な耐磨耗性と成形性、保存安定性が両立された光硬化性加飾シートを得ることができるので、好ましい。このようにポリマー側鎖に光重合性官能基を有する構造を導入したことにより、ポリマー側鎖間で架橋反応が進行するため、低分子量架橋性化合物を含有させなくても著しく良好な耐磨耗性が発現すると共に、低分子量の架橋性化合物が存在しないことよりシート表面に粘着性が無く、保存安定性に優れるという利点を有する。
【0015】
この光重合性官能基としては、光を照射することにより重合を進行せしめるものであればよいが、好ましくはラジカル重合性不飽和基、または下記構造式(2)で示される脂環式エポキシ基が挙げられる。
【0016】
【化1】
Figure 2005066853
【0017】
側鎖にラジカル重合性不飽和基を有する熱可塑性樹脂としては、例えば、ガラス転移温度が25〜175℃、好ましくは30〜150℃の、ポリマー中にラジカル重合性不飽和基を有するものが挙げられる。具体的には、ポリマーとして以下の化合物(1)〜(8)を重合または共重合させたものに対し、後述する方法(イ)〜(ニ)によりラジカル重合性不飽和基を導入したものを用いることができる。
(1)水酸基を有する単量体:N−メチロールアクリルアミド、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート等
(2)カルボキシル基を有する単量体:(メタ)アクリル酸、アクリロイルオキシエチルモノサクシネート等
(3)エポキシ基を有する単量体:グリシジル(メタ)アクリレート、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレート等
(4)アジリジニル基を有する単量体:2−アジリジニルエチル(メタ)アクリレート、2−アジリジニルプロピオン酸アリル等
(5)アミノ基を有する単量体:(メタ)アクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート等
(6)スルホン基を有する単量体:2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸等
(7)イソシアネート基を有する単量体:2,4−トルエンジイソシアネートと2−ヒドロキシエチルアクリレートの等モル付加物のような、ジイソシアネートと活性水素を有するラジカル重合性単量体の付加物、2−イソシアネートエチル(メタ)アクリレート等
(8)さらに、上記の共重合体のガラス転移温度を調節したり、光硬化性加飾シートの物性を調和させたりするために、上記の化合物をそれと共重合可能な単量体と共重合させることもできる。そのような共重合可能な単量体としては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、トリシクロデカニル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリレート類、N−フェニルマレイミド、シクロヘキシルマレイミド、N−ブチルマレイミド等のイミド誘導体、ブタジエン等のオレフィン系単量体、スチレン、α−メチルスチレン等の芳香族ビニル化合物等を挙げることができる。
【0018】
次に、上述のようにして得た重合体に、以下に述べる方法(イ)〜(ニ)によりラジカル重合性不飽和基を導入する。
(イ)水酸基を有する単量体の重合体または共重合体の場合には、(メタ)アクリル酸等のカルボキシル基を有する単量体等を縮合反応させる。
(ロ)カルボキシル基、スルホン基を有する単量体の重合体または共重合体の場合には、前述の水酸基を有する単量体を縮合反応させる。
(ハ)エポキシ基、イソシアネート基またはアジリジニル基を有する単量体の重合体または共重合体の場合には、前述の水酸基を有する単量体またはカルボキシル基を有する単量体を付加反応させる。
(ニ)水酸基またはカルボキシル基を有する単量体の重合体または共重合体の場合には、エポキシ基を有する単量体またはアジリジニル基を有する単量体、あるいはイソシアネート基を有する単量体、またはジイソシアネート化合物と水酸基含有アクリル酸エステル単量体との等モル付加物を付加反応させる。
上記の反応は、反応中にラジカル重合が起こらないようにするために、微量のハイドロキノン等の重合禁止剤を加え、乾燥空気を送りながら行うことが好ましい。
【0019】
本発明に用いられる、側鎖に脂環式エポキシ基を有する熱可塑性樹脂としては、例えば、ガラス転移温度が25〜175℃、好ましくは30〜150℃の、ポリマー側鎖中に脂環式エポキシ基を有するものが挙げられる。具体的な合成例を挙げると、例えば、第一の方法として、脂環式エポキシ基を有する(メタ)アクリレート(9)をラジカル重合開始剤の存在下で溶液重合法等の公知の重合方法により単独重合したり、上記(1)〜(8)に示すような他の共重合可能なモノマーと共重合したりすることにより得ることができる。
【0020】
また、側鎖に脂環式エポキシ基を有する熱可塑性樹脂は、上記単独重合や共重合以外の方法によっても得ることができる。例えば、第二の方法として、脂環式エポキシ基と第1の反応性基とを有する化合物と、第1の反応性基と反応する第2の反応性基を有する熱可塑性樹脂とを反応させることによって得ることができる。この第1の反応性基と第2の反応性基との組合せの代表例としては、下記の表1に示すようなイソシアネート基と水酸基との組合せが挙げられる。
【0021】
【表1】
Figure 2005066853
【0022】
上記の第一の方法において、脂環式エポキシ基を有する(メタ)アクリレート(9)としては、他のラジカル重合性単量体と共重合可能なものであれば特に限定されないけれども、具体的には下記構造式(3)で示されるような化合物が挙げられる。
【0023】
【化2】
Figure 2005066853
【0024】
(上式中、Rはメチル基または水素原子を表し、nは0または1〜5の整数である)
【0025】
側鎖に光重合性官能基を有する熱可塑性樹脂の、側鎖の光重合性官能基の量は、二重結合当量(側鎖ラジカル重合性不飽和基1個あたりの平均分子量)または脂環式エポキシ当量(側鎖脂環式エポキシ基1個あたりの平均分子量)が、仕込み値からの計算値で平均3,000g/mol以下であることが、耐擦傷性、耐磨耗性向上の観点から好ましい。さらに好ましい範囲は平均1,200g/mol以下であり、最も好ましい範囲は平均800g/mol以下である。
【0026】
このように、架橋に関与する光重合性官能基を熱可塑性樹脂中に複数導入することにより、低分子量の架橋性化合物を使用する必要がなく、後述する長期間の保管や加熱成形時においても、表面粘着性を有することなく、効率的に硬化物性を向上させることが可能となる。
【0027】
側鎖に光重合性官能基を有する熱可塑性樹脂の数平均分子量は、5,000〜2,500,000の範囲が好ましく、10,000〜1,000,000の範囲がさらに好ましい。熱可塑性樹脂を含む光硬化性樹脂組成物(A)を用いて形成した光硬化性加飾シートをインサート成形もしくはインモールド成形する際に、金型離型性が良好になる点や、光硬化後の成形品表面硬度の観点から、数平均分子量は5,000以上であることが好ましい。一方、合成の容易さや外観の観点、また基材シート(B)との密着性発現の観点から、数平均分子量が2,500,000以下であることが好ましい。
【0028】
また、側鎖に光重合性官能基を有する熱可塑性樹脂は、ガラス転移温度が25〜175℃に調節されていることが好ましく、30〜150℃に調節されていることがさらに好ましい。インサート成形やインモールド成形時の光硬化性加飾シートの金型剥離性や光硬化後の成形品表面硬度の観点から、ガラス転移温度が25℃以上であることが好ましい。一方、光硬化性加飾シートの取り扱い性の観点からガラス転移温度は175℃以下であることが好ましい。
【0029】
また、得られる熱可塑性樹脂共重合体のガラス転移温度を考慮すると、ホモポリマーとして高いガラス転移温度を有するものとなるビニル重合性単量体を使用することが好ましい。
【0030】
さらに、熱可塑性樹脂共重合体の耐候性向上の観点からは、ビニル重合性単量体として(メタ)アクリレート類を主成分として用いることが好ましい。
【0031】
また、後述するように、本発明の光硬化性樹脂組成物(A)中に無機微粒子(a−3)を添加する場合、無機微粒子(a−3)の表面の官能基(ヒドロキシル基、カルボキシル基、シラノール基等)と反応しうる基、例えば、ヒドロキシル基、カルボキシル基、ハロゲン化シリル基およびアルコキシシリル基からなる群から選ばれる少なくとも1種の官能基を分子内に有するビニル重合性単量体は、得られる光硬化性樹脂組成物の剛性、靱性、耐熱性等の物性をより向上させるように働くので、かかる官能基がラジカル重合可能なビニル重合性単量体成分の一部として含有されていてもよい。
【0032】
このような反応性の基を分子内に含有するビニル重合性単量体としては、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸、ビニルトリクロロシラン、ビニルトリメトキシシラン、γ−(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン等が挙げられる。
【0033】
本発明の光硬化性樹脂組成物(A)には、光重合開始剤(a−2)が含有されていてもよい。光重合開始剤(a−2)としては、光照射によってラジカルを発生させる光ラジカル重合開始剤や酸を生成する光カチオン重合開始剤が挙げられるが、化合物(a−1)の光重合性官能基がラジカル重合性不飽和基の場合は光ラジカル重合開始剤が使用され、脂環式エポキシ基の場合は光カチオン重合開始剤が使用される。
【0034】
光ラジカル重合開始剤としては、公知の化合物を用いることができ、特に限定はないけれども、硬化時の黄変性や耐候時の劣化を考慮すると、アセトフェノン系、ベンゾフェノン系、アシルホスフィンオキサイド系のような分子内にアミノ基を含まない開始剤がよい。例えば、1−(4−ドデシルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルホスフィンオキサイド等が好ましい。これらのうちには成形方法によっては一時的にその化合物の沸点以上の温度になることがあるので、注意が必要である。成形品の表面硬度を上げるため、N−メチルジエタノールアミンなどの酸素による重合硬化阻害を抑制する添加剤を添加してもよい。また、これらの光重合開始剤の外に、成形時の熱を利用しての硬化も考慮して、各種過酸化物を添加してもよい。光硬化性加飾シートに過酸化物を含有させる場合には、150℃、30秒程度で硬化させる必要があるので、臨界温度の低い過酸化物、例えば、ラウロイルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン等が好ましく用いられる。
【0035】
光ラジカル重合開始剤の添加量は、硬化後の残存量が耐候性に影響するため、光重合性官能基を有する化合物(a−1)に対して5重量%以下が望ましく、特に硬化時の黄変に関連するアミノ系の光ラジカル重合開始剤は1重量%以下が望ましい。
【0036】
光カチオン重合開始剤としては、公知の化合物を用いることができ、特に限定はないけれども、具体的にはジアリールヨードニウム塩、トリアリールスルホニウム塩、鉄アレーン(芳香族炭化水素)錯体等が挙げられる。なかでも、脂環式エポキシ基を有する化合物との反応性、着色の問題等を考慮すると下記構造式(4)で示されるトリアリールスルホニウム塩がより好ましい。
【0037】
【化3】
Figure 2005066853
【0038】
(上式中、R は炭素−炭素結合もしくは炭素−硫黄結合を介して結合された置換もしくは未置換の芳香族環を表し、R およびR は、それぞれ、置換あるいは未置換の芳香族環を表す)
【0039】
このような光カチオン重合系を選択することにより、光ラジカル重合系と比較して、硬化収縮が少なく、樹脂との密着性に優れるため、硬化層の割れ、剥がれが発生しにくく、硬化前後において低臭気であり、酸素による重合阻害が無い等の利点が得られる場合がある。
【0040】
光カチオン重合開始剤の添加量は、光重合性官能基を有する化合物(a−1)に対して0.1〜10重量部が好ましい。
【0041】
光硬化性樹脂組成物(A)には、さらに耐擦傷性や耐磨耗性を向上させる目的で、無機微粒子(a−3)を添加することができる。本発明に用いられる無機微粒子(a−3)においては、得られる光硬化性樹脂組成物が透明となれば、その種類や粒子径、形態は特に制限されない。無機微粒子の例としては、コロイダルシリカ、アルミナ、酸化チタン、酸化スズ、異種元素ドープ酸化スズ(ATO等)、酸化インジウム、異種元素ドープ酸化インジウム(ITO等)、酸化カドミウム、酸化アンチモン等が挙げられる。これらを単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。なかでも、入手の容易さや価格面、得られる光硬化性樹脂組成物層の透明性や耐磨耗性発現の観点から、コロイダルシリカが特に好ましい。
【0042】
コロイダルシリカは、通常の水性分散液の形態や、有機溶媒に分散させた形態で用いることができる。特に、(a−1)成分である化合物が側鎖に光重合性官能基を有する熱可塑性樹脂の場合には、コロイダルシリカを均一かつ安定に分散させるために、有機溶媒に分散させたコロイダルシリカを用いることが好ましい。
【0043】
そのような有機溶媒としては、メタノール、イソプロピルアルコール、n−ブタノール、エチレングリコール、キシレン/ブタノール、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、トルエンを例示することができる。化合物(a−1)とともに均一に分散させるためには、化合物(a−1)を溶解可能な有機溶媒を選択することが好ましい。ただ、後述するように、本発明の光硬化性加飾シートを製造する際にこれらの有機溶媒は加熱乾燥させて揮発させられるため、基材シート(B)の主たる構成成分である樹脂成分(b)のガラス転移温度より80℃以上、とりわけ50℃以上高い沸点を有する有機溶媒は、光硬化性加飾シート内に残存しやすく、好ましくない。
【0044】
有機溶媒に分散させた形態のコロイダルシリカとしては、分散媒に分散されている市販品、例えば、メタノールシリカゾルMA−ST、イソプロピルアルコールシリカゾルIPA−ST、n−ブタノールシリカゾルNBA−ST、エチレングリコールシリカゾルEG−ST、キシレン/ブタノールシリカゾルXBA−ST、エチルセロソルブシリカゾルETC−ST、ブチルセロソルブシリカゾルBTC−ST、ジメチルホルムアミドシリカゾルDBF−ST、ジメチルアセトアミドシリカゾルDMAC−ST、メチルエチルケトンシリカゾルMEK−ST、メチルイソブチルケトンシリカゾルMIBK−ST(以上商品名、日産化学工業(株)製)を用いることができる。
【0045】
無機微粒子(a−3)の粒子径は、得られる光硬化性樹脂組成物層の透明性の観点から、通常は200nm以下であるのが好ましい。より好ましくは100nm以下であり、さらに好ましくは50nm以下である。
【0046】
無機微粒子(a−3)の添加量は、光重合性官能基を有する化合物(a−1)の固形分100重量部に対して、無機微粒子固形分で5〜400重量部の範囲が好ましく、10〜200重量部の範囲が特に好ましい。無機微粒子の添加量が5重量部未満の場合には、耐磨耗性向上効果が認められないことがあり、また添加量が400重量部を超える場合には、光硬化性樹脂組成物(A)の保存安定性が低下するばかりか、得られる光硬化性加飾シートの成形性が低下することがあり好ましくない。
【0047】
また、本発明で用いられる無機微粒子(a−3)としては、下記構造式(5)で表されるシラン化合物によって、予め表面が処理されたものを用いてもよい。表面処理された無機微粒子の使用は、光硬化性樹脂組成物(A)の保存安定性がさらに良好となり、また得られる光硬化性加飾シートの表面硬度および耐候性も良好となるので好ましい。
SiR (OR (5)
(上式中、R およびR は、それぞれ、エーテル結合、エステル結合、エポキシ結合または炭素−炭素二重結合を有していてもよい炭素数1〜10の炭化水素残基を表し、R は水素原子またはエーテル結合、エステル結合、エポキシ結合もしくは炭素−炭素二重結合を有していてもよい炭素数1〜10の炭化水素残基を表し、aおよびbは、それぞれ、0または1〜3の整数であり、cは4−a−bを満足する1〜4の整数である)
【0048】
前記構造式(5)で表されるシラン化合物のなかでも、下記構造式(6)〜(11)で表されるシラン化合物を好ましいものとして挙げることができる。
SiR (OR (6)
SiR (OCH CH OCO(R10)C=CH4−n (7)
CH =C(R10)COO(CH SiR11 (OR3−n (8)
CH =CHSiR11 (OR3−n (9)
HS(CH SiR11 (OR3−n (10)
【0049】
【化4】
Figure 2005066853
【0050】
(上式中、R およびR は、それぞれ、エーテル結合、エステル結合またはエポキシ結合を有していてもよい炭素数1〜10の炭化水素残基を表し、R は水素原子または炭素数1〜10の炭化水素残基を表し、R10は水素原子またはメチル基を表し、R11は炭素数1〜3のアルキル基またはフェニル基を表し、aおよびbは、それぞれ、0または1〜3の整数であり、cは4−a−bを満足する1〜4の整数であり、nは0、1または2であり、pは1〜6の整数である)
【0051】
前記構造式(6)で表されるシラン化合物としては、例えば、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラプロポキシシラン、テトラブトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、メチルエチルジエトキシシラン、メチルフェニルジメトキシシラン、トリメチルエトキシシラン、メトキシエチルトリエトキシシラン、アセトキシエチルトリエトキシシラン、ジエトキシエチルジメトキシシラン、テトラアセトキシシラン、メチルトリアセトキシシラン、テトラキス(2−メトキシエトキシ)シラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン等が挙げられる。
【0052】
前記構造式(7)で表されるシラン化合物としては、例えば、テトラキス(アクリロイルオキシエトキシ)シラン、テトラキス(メタクリロイルオキシエトキシ)シラン、メチルトリス(アクリロイルオキシエトキシ)シラン、メチルトリス(メタクリロイルオキシエトキシ)シラン等が挙げられる。
【0053】
前記構造式(8)で表されるシラン化合物としては、例えば、β−アクリロイルオキシエチルジメトキシメチルシラン、γ−アクリロイルオキシプロピルメトキシジメチルシラン、γ−アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、β−メタクリロイルオキシエチルジメトキシメチルシラン、γ−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン等が挙げられる。
【0054】
前記構造式(9)で表されるシラン化合物としては、例えば、ビニルメチルジメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン等が挙げられる。
【0055】
前記構造式(10)で表されるシラン化合物としては、例えば、γ−メルカプトプロピルジメトキシメチルシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン等が挙げられる。
【0056】
前記構造式(11)で表されるシラン化合物としては、例えば、p−ビニルフェニルメチルジメトキシシラン、p−ビニルフェニルトリメトキシシラン等が挙げられる。
【0057】
かかるシラン化合物は、無機微粒子(a−3)の固形分1モル部に対して0〜3モル部の割合で使用することが好ましい。シラン化合物の使用量が3モル部を超える場合には、得られる光硬化性加飾シートの耐磨耗性が低下することがある。
【0058】
シラン化合物で表面処理された無機微粒子は、少量の水の存在下で、シラン化合物と無機微粒子を加熱攪拌することにより、得ることができる。
【0059】
無機微粒子(a−3)を添加する方法に関しては、特に限定はないけれども、光重合性官能基を有する化合物(a−1)が側鎖に光重合性官能基を有する熱可塑性樹脂の場合、予め熱可塑性樹脂を合成後、無機微粒子(a−3)を混合してもよいし、また熱可塑性樹脂を構成するビニル重合性単量体と無機微粒子(a−3)を混合した条件下で熱可塑性樹脂を重合する方法等の任意の方法を選択することができる。
【0060】
本発明において、光重合性官能基を有する化合物(a−1)中の光重合性官能基が脂環式エポキシ基の場合には、脂環式エポキシ基と無機微粒子表面の官能基(ヒドロキシル基、カルボキシル基、シラノール基等)が混合の間に架橋し、ゲル化を起こすことがある。このようなゲル化現象を防止するためには、アンモニアおよび沸点が100℃以下であるアミン化合物から選ばれる少なくとも1種を含むことが好ましい。光硬化性樹脂組成物(A)を用いて光硬化性加飾シートを形成する際に、シート中に過剰に残存しないためには、アミン化合物の沸点は100℃以下であることが必要である。
【0061】
かかるアミン化合物としては、例えば、メチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、ブチルアミン、ジメチルアミン、ジエチルアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン等が挙げられる。
【0062】
アンモニアおよび沸点が100℃以下であるアミン化合物から選ばれた少なくとも1種の添加量としては、脂環式エポキシ基を有する化合物(a−1)の固形分100質量部に対して、0.01〜0.5質量部の範囲であることが好ましい。光硬化性樹脂組成物(A)の安定性保持の観点から、アンモニアおよび沸点が100℃以下であるアミン化合物から選ばれた少なくとも1種の添加量は0.01質量部以上が好ましいが、アミン化合物の添加量が0.5質量部を超えると、光硬化性加飾シートをインサート成形やインモールド成形することによって得られた成形品を光硬化させても、光カチオン重合が進行せず、耐擦傷性や耐薬品性が劣ることがある。
【0063】
本発明で用いられる光硬化性樹脂組成物(A)においては、化合物(a−1)、光重合開始剤(a−2)、無機微粒子(a−3)以外に、必要に応じて、増感剤、変性用樹脂、染料、顔料およびレベリング剤やハジキ防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、酸化安定剤等の添加剤を配合することができる。
【0064】
上記増感剤は、光硬化反応を促進するものであって、その例としてはベンゾフェノン、ベンゾインイソプロピルエーテル、チオキサントン等が挙げられる。
【0065】
また、化合物(a−1)中の光重合性官能基が脂環式エポキシ基の場合には、上記変性用樹脂としては、光カチオン重合性を有するものが好ましく、グリシジルエーテル型エポキシ樹脂、グリシジルエステル型エポキシ樹脂、エポキシ基としてグリシジル基を有する熱可塑性樹脂等が挙げられる。
【0066】
ただし、前述の通り、光硬化性樹脂組成物(A)が低分子量の架橋性化合物を含有する場合、光硬化性加飾シート表面が粘着性を有し、シートの保存安定性が低下する傾向があるので、低分子量の架橋性化合物を含有しない方が好ましい。
【0067】
光硬化性樹脂組成物(A)中の化合物(a−1)が、側鎖に光重合性官能基を有する熱可塑性樹脂であり、かつ、かかる熱可塑性樹脂以外の架橋性化合物を実質的に含まない構成の場合、著しく良好な耐磨耗性と成形性、保存安定性が両立された光硬化性加飾シートを得ることができるので、好ましい。特に、40℃において液体状の架橋性モノマー、オリゴマーや、分子量2,000以下の低分子量の架橋性モノマー、オリゴマーを実質的に含有するべきではない。40℃において液体状の架橋性モノマー、オリゴマーや、分子量2,000以下の低分子量の架橋性モノマー、オリゴマーを含有すると、長期間の保管や加熱成形時において表面粘着性を有するようになり、印刷工程において不具合を生じたり、インサート成形時において金型を汚染したりする等の問題を生じることがある。より好ましくは50℃において液体状の架橋性モノマー、オリゴマーを実質的に含有するべきではなく、さらに好ましくは60℃において液体状の架橋性モノマー、オリゴマーを実質的に含有するべきではない。
【0068】
本発明に用いる基材シート(B)としては、その使用方法によって好適なものが選ばれるが、例えば、ABS(アクリロニトリル/ブタジエン/スチレン共重合体)系樹脂、AS(アクリロニトリル/スチレン共重合体)系樹脂、塩化ビニル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂、フッ素系樹脂、セロファン系樹脂、セルロース系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ナイロン等のポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、エチレンビニルアルコール系樹脂、軟質アクリル系樹脂等の材質からなるシートが挙げられる。また、これらの各シートの複合体、積層体なども使用することができる。なかでも、100℃加熱時における伸度が100%以上である熱可塑性樹脂シートが、インサート成形やインモールド成形時に金型形状への追従性が良好となるので好ましい。光硬化性樹脂組成物(A)との密着性や耐候性、透明性等を考慮すると、さらに好ましくは架橋ゴム成分を有する熱可塑性アクリル樹脂シートである。架橋ゴム成分を有する透明熱可塑性アクリル樹脂シートとしては、特開平8−323934号公報、特開平9−263614号公報、特開平11−147237号公報、特開2001−106742号公報等に開示されているよう透明熱可塑性アクリルシートがある。市販されている透明熱可塑性アクリル樹脂シートとしては、アクリプレンHBX−N47,HBS−006,HBD−013(以上、三菱レイヨン(株)製)、テクノロイS001、S003、SN101(以上、住友化学工業(株)製)、サンデュレンSD007、SD009(以上、鐘淵化学工業(株)製)等が挙げられる。
【0069】
基材シート(B)の厚みが500μmを超える場合には剛性が大きくなり、インサート成形やインモールド成形用シートとしては好ましくないため、通常、基材シートの厚みは500μm以下であるのが好ましい。
【0070】
また、基材シート(B)中には、必要に応じて、適宜、ポリエチレンワックス、パラフィンワックス等の滑剤、シリカ、球状アルミナ、鱗片状アルミナ等の減摩剤、ベンゾトリアゾール系、ベンゾフェノン系、微粒子酸化セリウム系等の紫外線吸収剤、ヒンダードアミン系ラジカル捕捉剤等の光安定剤、可塑剤、安定剤、着色剤等の各種添加剤が添加されていてもよい。
【0071】
本発明の基材シート(B)は、各々のシート原料を用いて、溶融流延法や、Tダイ法、インフレーション法等の溶融押出法、カレンダー法等、従来から知られる各種のシート成形法により製造することができる。経済性の点からは、特にTダイ法が好ましい。
【0072】
ただし、上記の製造法により得られた基材シート(B)には、シート製造時に混入した異物、あるいはシート構成成分の架橋ゴム成分や各種添加剤の影響により、表面に凸部(以下、フィッシュアイと略す。)が発生することがある。フィッシュアイの大きさが充分に小さい場合には特に工業上問題とはならないが、大きさが80μm以上になると基材シート(B)に印刷を施した際に印刷抜けが生じ、シート外観が著しく低下してしまうことがある。
【0073】
そこで、基材シート(B)を製造する際に、例えば、複数の金属ロール、非金属ロール及び/又は金属ベルトに狭持して製造する等の方法を用いると、得られる基材シート(B)の表面平滑性を向上させることが出来る。これにより、前述した印刷抜けの問題を回避することができる。
【0074】
なお、金属ロールとしては、金属製の鏡面タッチロール、金属スリーブ(金属製薄膜パイプ)と成型用ロールからなるスリーブタッチ方式で使用されるロール(例えば、特許第2808251号公報、WO97/28950号公報参照)等を例示することができる。また、非金属ロールとしては、シリコーンゴム製等のタッチロール等を例示することができる。更に、金属ベルトとしては、金属製のエンドレスベルト等を例示することができる。なお、これらの金属ロール、非金属ロール及び金属ベルトを複数組み合わせて使用することもできる。
【0075】
本発明の光硬化性樹脂組成物(A)の層を基材シート(B)上に形成する方法としては、例えば、光硬化性樹脂組成物(A)を有機溶媒等の溶剤(S)に十分に攪拌溶解させ、グラビア印刷法、スクリーン印刷法、オフセット印刷法等の公知の印刷方法や、ブレードコート法、ロッドコート法、ロールドクターコート法、ナイフコート法、コンマコート法、リバースロールコート法、トランスファーロールコート法、キスロールコート法、カーテンコート法、ディップコート法等の公知のコート方法により基材シート(B)上に塗工し、溶剤(S)除去のための加熱乾燥を行う方法がある。
【0076】
なお、前述した光硬化性加飾シート内の残存溶剤に起因する不具合を解消し、かつ、低コストで生産効率を向上させるためにより短時間で光硬化性樹脂組成物(A)の層を形成するためには、溶剤(S)除去のための加熱乾燥条件を強化し、乾燥を十分に行う必要がある。しかし、このときに、基材シート(B)の主たる構成成分である樹脂成分(b)のガラス転移温度以上の温度で、連続して20秒間以上加熱乾燥させると、基材シートが僅かな張力でも引き伸ばされてしまい、光硬化性樹脂組成物(A)の層や基材シート(B)の厚みが薄くなるばかりか、光硬化後の光硬化性樹脂組成物(A)の耐擦傷性、表面硬度の低下等を招くことがある。ここで、基材シート(B)の主たる構成成分である樹脂成分(b)とは、基材シート(B)を構成する樹脂成分の中で、最も構成割合の高い樹脂成分をいう。光硬化性樹脂組成物(A)の層を形成する際の加熱乾燥条件としては、好ましくは樹脂成分(b)のガラス転移温度を超えない範囲の温度で加熱乾燥させるか、または樹脂成分(b)のガラス転移温度より高い温度で乾燥させる場合には、樹脂成分(b)のガラス転移温度+10℃未満、好ましくは+5℃未満とし、かつ、その温度での加熱乾燥時間を20秒以下、好ましくは10秒以下、さらに好ましくは5秒以下とするのがよい。
【0077】
乾燥機としては、溶剤(S)として可燃性有機溶剤を使用する場合には、安全性の点から蒸気による空気加熱式の熱源を備えたものを用い、乾燥機内の熱風を向流接触せしめる方式およびノズルよりシートに吹き付ける方式等を用いることができる。乾燥機の形状は、アーチ式、フラット式等、目的に合わせて公知のものを選択して用いることができる。
【0078】
光硬化性樹脂組成物(A)を攪拌溶解させるための溶剤(S)としては、光硬化性樹脂組成物(A)の各成分を溶解し、または均一に分散させ、かつ、基材シート(B)の物性(機械的強度、透明性等)に実用上甚大な悪影響を及ぼさず、さらに基材シート(B)の主たる構成成分である樹脂成分(b)のガラス転移温度+80℃、好ましくは+50℃より低い沸点を有している揮発性の溶剤であれば、特に制限されない。そのような溶剤としては、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、n−ブタノール、エチレングリコール等のアルコール系溶剤、キシレン、トルエン、ベンゼン等の芳香族系溶剤、ヘキサン、ペンタン等の脂肪族炭化水素系溶剤、クロロホルム、四塩化炭素等のハロゲン化炭化水素系溶剤、フェノール、クレゾール等のフェノール系溶剤、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、アセトン等のケトン系溶剤、ジエチルエーテル、メトキシトルエン、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジブトキシエタン、1,1−ジメトキシメタン、1,1−ジメトキシエタン,1,4−ジオキサン、THF等のエーテル系溶剤、ギ酸、酢酸、プロピオン酸等の脂肪酸系溶剤、無水酢酸等の酸無水物系溶剤、酢酸エチル、酢酸ブチル、ギ酸ブチル等のエステル系溶剤、エチルアミン、トルイジン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等の窒素含有溶剤、チオフェン、ジメチルスホキシド等の硫黄含有溶剤、ジアセトンアルコール、2−メトキシエタノール(メチルセロソルブ)、2−エトキシエタノール(エチルセロソルブ)、2−ブトキシエタノール(ブチルセロソルブ)、ジエチレングリコール、2−アミノエタノール、アセトシアノヒドリン、ジエタノールアミン、モルホリン等の2種以上の官能基を有する溶剤、あるいは水等の各種公知の溶剤を使用することができる。
【0079】
また、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン系シートのように、光硬化性樹脂組成物(A)の層との密着性に乏しい基材シート上に上記混合溶液をコートする際には、基材シートと光硬化性樹脂組成物との密着性を上げるため、(1)予め、基材シート上に低分子量ポリオレフィン等からなるプライマーを塗布しておくか、または(2)予め、コロナ放電などで基材シート表面を活性化しておくことが好ましい。
【0080】
このようにして得られた光硬化性樹脂組成物(A)の層の厚みは、耐擦傷性の観点より、2μm以上であることが好ましい。より好ましくは4μm以上であり、さらに好ましくは5μm以上、最も好ましくは7μm以上である。しかし、光硬化性樹脂組成物(A)の層を厚くしすぎても、耐擦傷性発現効果は乏しく経済的に不利であることから、光硬化性樹脂組成物(A)の層の厚みは20μm以下であることが好ましい。
【0081】
本発明で使用する印刷層(C)は、成形品表面に模様や文字等の加飾を施す為のものである。加飾は、任意であるが、例えば、木目、石目、布目、砂目、幾何学模様、文字、全面ベタ等からなる絵柄が挙げられる。
【0082】
印刷層(C)の材料としては、塩化ビニル/酢酸ビニル系共重合体等のポリビニル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアクリル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリビニルアセタール系樹脂、ポリエステルウレタン系樹脂、セルロースエステル系樹脂、アルキッド樹脂、塩素化ポリオレフィン系樹脂等のバインダー樹脂、適切な色の顔料または染料等の着色剤、および適当な溶剤を含有する着色インキを用いるのがよい。
【0083】
印刷層(C)に用いられるインキの顔料としては、例えば、次のものを用いることができる。通常、顔料としては、黄色顔料としてポリアゾ等のアゾ系顔料、イソインドリノン等の有機顔料や黄鉛等の無機顔料、赤色顔料としてポリアゾ等のアゾ系顔料、キナクリドン等の有機顔料や弁柄等の無機顔料、青色顔料としてフタロシアニンブルー等の有機顔料やコバルトブルー等の無機顔料、黒色顔料としてアニリンブラック等の有機顔料、白色顔料として二酸化チタン等の無機顔料を使用することができる。
【0084】
印刷層(C)に用いられるインキの染料としては、本発明の効果を損なわない範囲で、各種公知の染料を使用することができる。
【0085】
本発明の光硬化性加飾シートにおいて、光硬化性樹脂組成物(A)の層、基材シート(B)、印刷層(C)の構成順序は、特に限定は無いが、印刷層による加飾に深み感が増すことから、観察者が印刷層(C)を基材シート(B)を通して観察する構成、すなわち光硬化性樹脂組成物(A)の層とは反対側の基材シート(B)上に印刷層(C)を形成する方が好ましい。
【0086】
本発明の印刷層(C)を基材シート(B)上に形成する方法としては、オフセット印刷法、グラビア印刷法、スクリーン印刷法等の公知の印刷法やロールコート法、スプレーコート法等の公知のコート法を用いることができる。多色塗りへの対応や後述する接着層の同時形成への対応の点から、グラビア印刷法が好ましい。
【0087】
印刷層(C)の厚みは、所望の成形品表面外観が得られるよう、インサート成形やインモールド成形時の伸張度合いに応じて、適宜その厚みを選択すればよい。
【0088】
本発明の光硬化性加飾シートの製造方法は、前述した光硬化性樹脂組成物(A)の層を基材シート(B)上に形成する前に、印刷層(C)を基材シート(B)上に形成することを特徴とする。一般に、基材シート(B)上に光硬化性樹脂組成物(A)の層や印刷層(C)を形成する場合、その際に使用する各種溶剤が基材シート(B)の一部を膨潤・溶解することにより、基材シート(B)の機械的強度が低下する傾向にある。この機械的強度低下は、しばしば後工程でシート切れの原因となり、シート製造時の歩留まり低下を来たし工業上問題となる。特に印刷層(C)を形成する際は、光硬化性樹脂組成物(A)の層を形成する時と比較して、印刷速度が極端に早くシートに対する負荷が大きいことから、シート切れによる歩留まり低下が顕著となる傾向にある。これを回避する為に、後述するカバーフィルムを光硬化性樹脂組成物(A)の層を形成した後に光硬化性樹脂組成物(A)の層面に貼り合せて補強することも可能であるが、カバーフィルム使用によるコストアップやカバーフィルムの粘着層が光硬化性樹脂組成物(A)層に転写され外観が低下する問題が起こることがある。
【0089】
本発明においては、シートへの負荷が最も大きい印刷層(C)の形成を、シートの強度低下が全く無い最初に行い、その後に、比較的シートへの負荷が小さい光硬化性樹脂組成物(A)の層の形成を行うことで、光硬化性加飾シート製造時の歩留まり低下を抑制することが可能となる利点を有する。
【0090】
また、前述したように、印刷抜けの問題を回避するために、複数の金属ロールに狭持する等の方法により、フィッシュアイをプレスして表面平滑性を向上させた基材シート(B)を用いることがある。そのような場合、基材シート(B)上に印刷層(C)よりも先に光硬化性樹脂組成物層(A)の層を形成すると、光硬化性樹脂組成物(A)の層を形成する際の加熱により、基材シート(B)の裏面(光硬化性樹脂組成物(A)の層を形成した面と反対の面)のフィッシュアイが復元し、その面に印刷層(C)を形成すると印刷抜けが生じてしまうことがある。本発明のように、光硬化性樹脂組成物(A)の層よりも印刷層(C)を先に形成する場合には、印刷層(C)形成時は基材シート(B)上にはフィッシュアイがないので印刷抜けが生じることは無い。また、印刷層(C)形成時の加熱により基材シート(B)の裏面(印刷層(C)を形成した面と反対の面)にフィッシュアイが復元するものの、光硬化性樹脂組成物(A)の層は透明であるために、光硬化性樹脂組成物(A)の層を形成しても、得られる光硬化性加飾シートの外観が低下することは無い。このように、本発明の製造方法においては、フィッシュアイの復元に伴う光硬化性加飾シートの外観低下の問題も回避できる。
【0091】
上記の方法により得られる本発明の光硬化性加飾シートは、光硬化性樹脂組成物(A)の層、基材シート(B)および印刷層(C)を含む構成で、インサート成形やインモールド成形時の加工性に優れるだけでなく、各種物性(特に、耐候性−耐磨耗性(表面硬度)−密着性のバランス)や意匠性に優れた成形品を与えることが可能な光硬化性加飾シートであるが、さらに別の層を設けることもできる。
【0092】
本発明の光硬化性加飾シートの優れた性状を損なわない限りにおいては、光硬化性樹脂組成物(A)の層と基材シート(B)の間には、さらに1層以上の光硬化性樹脂組成物層を積層することも可能である。この場合、新たに導入する1層以上の層を構成する光硬化性樹脂組成物としては、光硬化性樹脂組成物(A)と同等もしくは類似の組成物を用いると、光硬化後の光硬化性加飾シートの表面性状(特に、密着性、耐候性、外観、意匠性等)が良好となる傾向にあり、好ましい。
【0093】
また、インサート成形品やインモールド成形品表面に加飾を施すための層として、印刷層の他に蒸着層を併せて設けてもよい。蒸着層は、アルミニウム、ニッケル、金、白金、クロム、鉄、銅、インジウム、スズ、銀、チタニウム、鉛、亜鉛等の群から選ばれる少なくとも1種の金属、またはこれらの合金もしくは化合物を用い、真空蒸着法やスパッタリング法、イオンプレーティング法、鍍金法等の方法により形成することができる。この加飾のための蒸着層は、所望の成形品表面外観が得られるよう、インサート成形やインモールド成形時の伸張度合いに応じて、適宜その厚みを選択すればよい。
【0094】
また、本発明の光硬化性加飾シートは、基材シート側に、接着層、および必要に応じてプライマーシートを形成することができる。その場合、光硬化性加飾シートの好ましいトータルの厚み範囲は、30〜750μmである。シート厚みが30μm未満の場合には、深しぼり成形を行った際に、曲面でのシート厚みが著しく低下し、結果として耐擦傷性や耐薬品性等のシート物性が低下することがある。また、シート厚みが750μmを超える場合には、金型への形状追従性が低下することがある。
【0095】
上記接着層には、印刷層または蒸着層と成形樹脂、印刷層または蒸着層とプライマーシートとの密着性を高める性質のものであれば、任意の合成樹脂状材料を選択して用いることができる。例えば、成形樹脂がポリアクリル系樹脂の場合は、ポリアクリル系樹脂を用いるとよい。また、成形樹脂がポリフェニレンオキシド・ポリスチレン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、スチレン共重合体系樹脂、ポリスチレン系ブレンド樹脂の場合は、これらの樹脂と親和性のあるポリアクリル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリアミド系樹脂等を使用すればよい。さらに、成形樹脂がポリプロピレン系樹脂等のポリオレフィン系樹脂である場合には、塩素化ポリオレフィン樹脂、塩素化エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂、環化ゴム、クマロンインデン樹脂、ブロックイソシアネートを用いた熱硬化型ウレタン樹脂等が使用可能である。なお、接着層の粘着性低減や耐熱性向上の目的で、疎水性シリカやエポキシ樹脂、石油樹脂等をさらに含有させることもできる。
【0096】
上記プライマーシートは、必要に応じて形成されるものであり、ウレタン樹脂等公知の樹脂が使用可能である。なお、成形樹脂との密着性を高める目的から、成形樹脂と相溶性の材料からなるのがよい。現実的には、プライマーシートは成形樹脂と同じポリマー材料からなるのが好ましい。また、プライマーシートの存在は、射出成形品の表面欠陥が光硬化性樹脂組成物上に伝搬されるのを最少にするといった利点を与える。その場合、プライマーシートは、光硬化性樹脂組成物の完全に円滑な上面を呈しながら、成形樹脂の表面欠陥を吸収するほどの厚みを有することが必要である。
また、本発明の光硬化性シートは、基材シート(B)上の光硬化性樹脂組成物(A)層の上に、さらにカバーフィルムを設けることもできる。このカバーフィルムは、光硬化性加飾シート表面の防塵や光硬化性加飾シート製造時の補強に有効であり、また活性エネルギー線照射前の光硬化性樹脂組成物(A)層表面の傷つき防止にも有効である。
【0097】
上記カバーフィルムは、後述するようにインサート成形やインモールド成形する前まで光硬化性樹脂組成物(A)層に密着し、インサート成形やインモールド成形する際は直ちに剥離されるので、光硬化性樹脂組成物(A)層に対して適度な密着性と良好な離型性を有していることが必要である。このような条件を満たしたフィルムであれば、任意のフィルムを選択して用いることができる。そのようなフィルムとしては、例えば、ポリエチレン系フィルム、ポリプロピレン系フィルム、ポリエステル系フィルム等が挙げられる。
【0098】
ところで、自動車のボディーパネルやスポイラー等のような成形品のサイズが大きく、かつ、成形品の肉厚が薄い場合には、成形樹脂から発生するガスが成形樹脂内に残留したり、金型内の空気が成形樹脂とシートとの間に介在しやすくなったりして、成形樹脂に対するシートの密着性が低下するという問題が生じることがある。そのような場合、成形樹脂に接するシート面にガス透過性を有する層を設けることで、問題を解決することができる。そのようなガス透過性を有する層として、スパンデックス、アクリル繊維、ポリエチレン系繊維、ポリアミド系繊維等で構成された織布または不織布を挙げることができる。また、織布/不織布の代わりに、発泡層からなるものを用いてもよい。発泡層の形成方法としては、公知の発泡剤を含む樹脂溶液を塗布した後に加熱等により発泡させて連続空孔を形成させる方法等が挙げられる。
【0099】
次に、上記の光硬化性加飾シートを用いたインサート成形品やインモールド成形品の製造方法の一例について説明する。
まず、光硬化性加飾シートにカバーフィルムが設けられている場合は、カバーフィルムをシートより剥離除去する。なお、カバーフィルムは、金型内にシートを挿入配置する直前に剥離してもよいし、シートを金型内に挿入配置する遥か以前に剥離しておいてもよい。ただし、光照射前の光硬化性樹脂組成物(A)層の防塵や傷つき防止を考慮すると、前者のほうが好ましい。
【0100】
続いて、光硬化性加飾シートを、光硬化性樹脂組成物(A)側が金型の内壁面に向き合うように(すなわち、光硬化性樹脂組成物(A)層の反対側が成形樹脂と接する状態に)挿入配置する。この際、長尺のシートのまま(ロールから巻き出しながら)必要部分を間欠的に送り込んでもよいし、シートを枚葉化して1枚ずつ送り込んでもよい。特に、長尺のシートを使用する場合、位置決め機構を有する送り装置を使用して、加飾のための層と金型との見当が一致するようにするとよい。また、シートを間欠的に送り込む際に、シートの位置をセンサーで検出した後にシートを固定するようにすれば、常に同じ位置でシートを固定することができ、加飾のための層の位置ずれが生じないので便利である。
【0101】
次いで、必要に応じて、光硬化性加飾シートを予備成形する。例えば、ホットパック等の加熱手段によりシートをその軟化点以上に軟化させ、金型に設けられた吸引孔を通じて真空吸引することにより金型形状にシートを追従させることで予備成形することができる。なお、シートを金型内に挿入配置する前に、シートを予めシートの熱変形温度未満の温度に予熱しておくと、シートを金型内に挿入配置後に行う加熱時間を短縮することができ、生産性を向上させることが可能となる。また、射出成形用金型とは別の立体加工成形用型を用いて、真空成形法、圧空成形法、熱せられたゴムを押し付ける押圧成形法、プレス成形法等の公知の成形法により、シートを予め所望の形状に予備成形してもよい。もちろん、シートを予備成形せずに、後述する成形樹脂の射出圧により、シートの成形および成形樹脂との一体化を同時に行うことも可能である。この際、シートを予め予備加熱して軟化させておくことも可能である。
【0102】
その後、金型を閉じて、キャビティー内に溶融状態の成形樹脂を射出し、樹脂を固化させることにより光硬化性加飾シートが表面に配置された樹脂成形体を形成する。
本発明で使用する成形樹脂としては、種類は問わず、射出成形可能な全ての樹脂が使用可能である。そのような成形樹脂としては、例えば、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリブテン系樹脂、ポリメチルペンテン系樹脂、エチレン−プロピレン共重合体樹脂、エチレン−プロピレン−ブテン共重合体樹脂、オレフィン系熱可塑性エラストマー等のオレフィン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ABS(アクリロニトリル/ブタジエン/スチレン系共重合体)系樹脂、AS(アクリロニトリル/スチレン系共重合体)系樹脂、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、不飽和ポリエステル系樹脂、エポキシ系樹脂等の汎用の熱可塑性または熱硬化性樹脂を挙げることができる。また、ポリフェニレンオキシド・ポリスチレン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリアセタール系樹脂、ポリカーボネート変性ポリフェニレンエーテル系樹脂、ポリエチレンテレフタレート系樹脂等の汎用エンジニアリング樹脂やポリスルホン系樹脂、ポリフェニレンサルファイド系樹脂、ポリフェニレンオキシド系樹脂、ポリエーテルイミド系樹脂、ポリイミド系樹脂、液晶ポリエステル系樹脂、ポリアリル系耐熱樹脂等のスーパーエンジニアリング樹脂を使用することもできる。さらに、ガラス繊維や無機フィラー(タルク、炭酸カルシウム、シリカ、マイカ等)等の補強材、ゴム成分等の改質剤を添加した複合樹脂や各種変性樹脂を用いることもできる。なお、成形樹脂の成形後の収縮率を前記シートの収縮率に近似させることにより、インサート成形品やインモールド成形品の反りやシートの剥がれ等の不具合を解消することができるので好ましい。
【0103】
最後に、金型内よりインサート成形品またはインモールド成形品を取り出した後、光照射することにより成形品表面の光硬化性樹脂組成物を光硬化させる。
【0104】
照射する光としては、電子線、紫外線、γ線等を挙げることができる。照射条件は、光硬化性樹脂組成物(A)層の光硬化特性に応じて定められるが、照射量は、通常500〜10,000mJ/cm 程度である。これによって、光硬化性樹脂組成物が硬化して硬質の被膜が表面に形成されたインサート成形品またはインモールド成形品を得ることができる。
【0105】
インサート成形品やインモールド成形品に接着した光硬化性加飾シートのうち、不要な部分は必要に応じて適宜トリミングして除去する。このトリミングは、シートを金型内に挿入配置した後や、インサート成形品やインモールド成形品に光照射する前、或いは光照射した後に行うことができる。トリミングの方法としては、レーザー光線等を照射してシートを焼き切る方法、トリミング用の打ち抜き型を作製し、プレス加工によってシートを打ち抜く方法、人手によりシートをちぎるようにして除去する方法等、公知の方法により行うことができる。
【0106】
なお、上記では、インサート成形品やインモールド成形品の製造方法として、射出成形を用いた製造方法について説明したが、射出成形の代わりにブロー成形を用いることも可能である。
【0107】
また、本発明の光硬化性加飾シートにより加飾された成形品が主に屋外で使用される場合には、シートに紫外線吸収剤や光安定剤を加えることもできる。紫外線吸収剤としては、ベンゾトリアゾール、ベンゾフェノン、サリチル酸エステル等の有機物、または粒径0.2μm以下の微粒子状の酸化亜鉛、酸化セリウム、酸化チタン等の無機物を使用することができる。また、光安定剤としては、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニル)セバケート等のヒンダードアミン系ラジカル捕捉剤、ピペリジン系ラジカル捕捉剤等のラジカル捕捉剤を用いることができる。
【0108】
このようにして得られた成形品は、成形と同時に色もしくはデザインが付与され、さらには短時間の光照射によって、耐磨耗性、耐薬品性および耐候性等が向上する。さらに、従来の成形後のスプレー塗装等と比較して、工程の短縮、歩留まりの向上、環境への影響低減がはかれる。
【0109】
また、本発明の光硬化性加飾シートは、直接あるいは接着剤層を介して被着体にラミネートして、被着体表面に積層して使用することもできる。被着体としては、各種素材の平板、曲面板等の板材、シート、フィルム、あるいは各種立体形状物品(成形品)が対象となる。例えば、射出成形品等の曲面を有する成形品に対しても、本発明の光硬化性加飾シートを使用することができる。また、本発明の光硬化性加飾シートをラミネートした被着体をさらに真空成形等の二次加工することも可能である。
【0110】
被着体として用いられる素材としては、木材単板、木材合板、パーティクルボード、中密度繊維板(MDF)等の木材板、木質繊維板等の木質板、鉄、アルミニウム等の金属、アクリル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、エチレン・酢酸ビニル共重合体系樹脂、エチレンビニルアセテート系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ABS系樹脂、フェノール系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、セルロース系樹脂、ゴム等の樹脂が挙げられる。
これら各被着体への本発明の光硬化性加飾シートの積層方法としては、例えば、次の(1)〜(4)の方法を挙げることができる。
(1) 接着剤層を間に介して、または介さずに板状またはフィルム状基材に加圧ローラーで加圧して積層する方法
(2) 特公昭56−45768号公報、特公昭60−58014号公報等に記載されているように、光硬化性シートを成形品の表面に接着剤層を介して、または介さずに対向ないしは載置して、成形品側からの真空吸引による圧力差により光硬化性シートを成形品表面に積層する、いわゆる真空プレス積層方法
(3) 特公昭61−5895号公報、特公平3−2666号公報等に記載されているように、円柱、多角柱等の柱状基材の長軸方向に、光硬化性シートを間に接着剤層を介して、または介さずに供給しつつ、多数の向きの異なるローラーにより、柱状体を構成する複数の側面に順次光硬化性シートを加圧接着して積層していく、いわゆるラッピング加工方法
(4) 特開昭48−47972号公報等に記載されているように、まず光硬化性シートを板状基材に接着剤層を介して、または介さずに積層し、次いで板状基材の光硬化性シートとは反対側の面に、光硬化性シートと板状基材との界面に到達する、断面がV字状、またはU字状溝を切削し、次いで該溝内に接着剤を塗布した上で、該溝を折り曲げ、箱体または柱状体を成形する、いわゆるVカットまたはUカット加工法等が挙げられる。
【0111】
【実施例】
以下に、本発明を実施例に基づいて具体的に説明する。なお、例中、「部」は「質量部」を、「%」は「質量%」をそれぞれ意味する。また、実施例中の略号は以下のとおりである。
メチルメタクリレート MMA
メチルアクリレート MA
エチルアクリレート EA
ブチルアクリレート BA
スチレン St
アリルメタクリレート AMA
1,3−ブチレングリコールジメタクリレート 1,3BD
t−ブチルハイドロパーオキサイド tBH
t−ヘキシルハイドロパーオキサイド tHH
クメンハイドロパーオキサイド CHP
n−オクチルメルカプタン nOM
メチルエチルケトン MEK
グリシジルメタクリレート GMA
アゾビスイソブチロニトリル AIBN
ハイドロキノンモノメチルエーテル MEHQ
トリフェニルホスフィン TPP
アクリル酸 AA
【0112】
合成例1(側鎖に光重合性官能基を有する熱可塑性樹脂a−1Aの合成)
窒素導入口、攪拌機、コンデンサーおよび温度計を備えた1Lの4つ口フラスコに、MEK50部を入れ、80℃に昇温した。窒素雰囲気下でMMA67.8部、GMA32.2部およびAIBN0.5部の混合物を3時間かけて滴下した。その後、MEK80部とAIBN0.2部の混合物を加え、重合させた。4時間後、MEK50部、MEHQ0.5部、TPP2.5部およびAA16.2部を加え、空気を吹き込みながら80℃で30時間攪拌した。その後、冷却した後、反応物をフラスコより取り出し、側鎖に光重合性官能基を有する熱可塑性樹脂a−1Aの溶液を得た。
側鎖に光重合性官能基を有する熱可塑性樹脂a−1Aにおける単量体の重合率は99.5%以上であり、ポリマー固形分量は約40質量%、数平均分子量は約6万、ガラス転移温度は約77℃、二重結合当量は平均518g/molであった。
【0113】
合成例2(側鎖に光重合性官能基を有する熱可塑性樹脂a−1Bの合成)
窒素導入口、撹拌機、コンデンサーおよび温度計を備えた1Lの4つ口フラスコに、窒素雰囲気下で、3,4−エポキシシクロヘキシルメチルメタクリレート100部、MEK60部およびAIBN0.3部を入れ、撹拌しながら湯浴の温度を75℃に上げ、その温度で2時間重合させた。次いで、AIBN0.7部を1時間おきに5回に分けて添加した後、フラスコ内温度を溶剤の沸点まで上昇させてその温度でさらに2時間重合させた。その後、フラスコ内温度が50℃以下になってから、MEK90部を添加して重合反応物をフラスコより取り出し、側鎖に光重合性官能基を有する熱可塑性樹脂a−1Bの溶液を得た。
側鎖に光重合性官能基を有する熱可塑性樹脂a−1Bにおける単量体の重合率は99.5%以上であり、ポリマー固形分量は約40質量%、数平均分子量は約1.2万、ガラス転移温度は約73℃、脂環式エポキシ当量(側鎖脂環式エポキシ基1個あたりの平均分子量)は平均196g/molであった。
【0114】
合成例3(側鎖に光重合性官能基を有する熱可塑性樹脂a−1Cの合成)
窒素導入口、攪拌機、コンデンサーおよび温度計を備えた1Lの4つ口フラスコに、MEK50部を入れ、80℃に昇温した。窒素雰囲気下でMMA79.9部、GMA20.1部およびAIBN0.5部の混合物を3時間かけて滴下した。その後、MEK80部とAIBN0.2部の混合物を加え、重合させた。4時間後、MEK74.4部、MEHQ0.5部、TPP2.5部およびAA10.1部を加え、空気を吹き込みながら80℃で30時間攪拌した。その後、冷却した後、反応物をフラスコより取り出し、側鎖に光重合性官能基を有する熱可塑性樹脂a−1Cの溶液を得た。
側鎖に光重合性官能基を有する熱可塑性樹脂a−1Cにおける単量体の重合率は99.5%以上であり、ポリマー固形分量は約35質量%、数平均分子量は約3万、ガラス転移温度は約105℃、二重結合当量は平均788g/molであった。
【0115】
合成例4(表面処理コロイダルシリカa−3Aの調製)
【表2】
Figure 2005066853
【0116】
攪拌機、コンデンサーおよび温度計を備えたフラスコに、上記表2に記載の成分を入れ、攪拌しながら湯浴の温度を75℃に上げ、その温度で2時間反応させることにより、イソプロパノール中に分散され、表面がシラン化合物で処理されたコロイダルシリカを得た。続いて、イソプロパノールを留去した後にトルエンを添加することを繰り返し、完全にイソプロパノールをトルエンに置換することにより、トルエン中に分散され、表面がシラン化合物で処理されたコロイダルシリカa−3Aを得た。
【0117】
合成例5(光硬化性樹脂溶液1〜3の調製)
合成した側鎖に光重合性官能基を有する熱可塑性樹脂a−1A、a−1Bおよびa−1C、表面処理コロイダシリカa−3Aおよび表3の化合物を用いて、表3の組成を有する光硬化性樹脂溶液1〜3を調製した。
【0118】
【表3】
Figure 2005066853
【0119】
合成例6(ゴム含有重合体(P−1)の製造)
窒素雰囲気下、還流冷却器付き反応容器に脱イオン水320部を入れ、80℃に昇温して、以下に示す(イ)を添加し、撹拌を行いながら以下に示す原料(ロ)の混合物の1/10を仕込み、15分保持した。その後、残りの原料(ロ)を水に対する単量体混合物の増加率8%/時間で連続的に添加した。その後1時間保持して、重合体ラテックスを得た。
続いて、このラテックスにソジウムホルムアルデヒドスルホキシレート0.2部を加え、15分保持し、窒素雰囲気下80℃で撹拌を行いながら、以下に示す原料(ハ)を水に対する単量体混合物の増加率4%/時間で連続的に添加した。その後2時間保持して重合を行うことにより、弾性体重合体のラテックスを得た。
このラテックスに、引き続いてソジウムホルムアルデヒドスルホキシレート0.2部を加え、15分保持し、窒素雰囲気下80℃で撹拌を行いながら、以下に示す原料(ニ)を水に対する単量体混合物の増加率10%/時間で連続的に添加した。その後1時間保持して重合を行うことにより、ゴム含有重合体(P−1)のラテックスを得た。ゴム含有重合体(P−1)の平均粒子径は0.28μmであった。
このゴム含有重合体(P−1)のラテックスに対して、酢酸カルシウムを用いて凝析、凝集、固化反応を行い、ろ過、水洗後乾燥してゴム含有重合体(P−1)を得た。
【0120】
(イ)
ソジウムホルムアルデヒドスルホキシレート 0.4部
硫酸第一鉄 0.00004部
エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム 0.00012部
(ロ)
MMA 18.0部
BA 20.0部
St 2.0部
AMA 0.15部
1,3BD 1.2部
tBH 0.07部
フォスファノールRS610NA(東邦化学工業社製) 1.2部
(ハ)
BA 49.5部
St 10.5部
AMA 1.05部
1,3BD 0.15部
CHP 0.17部
フォスファノールRS610NA(東邦化学工業社製) 0.96部
(ニ)
MMA 57.0部
MA 3.0部
nOM 0.18部
tBH 0.1部
【0121】
なお、ゴム含有重合体(P−1)の平均粒子径は、得られたゴム含有重合体のポリマーラテックスの最終粒子径を大塚電子(株)製の光散乱光度計DLS−700を用い、動的光散乱法で測定した。
【0122】
合成例7(熱可塑性重合体の製造)
反応容器に窒素置換したイオン交換水200部を仕込み、乳化剤オレイン酸カリウム1部、過硫酸カリウム0.3部を仕込んだ。続いてMMA40部、BA10部、nOM0.005部を仕込み、窒素雰囲気下65℃にて3時間撹拌して重合を完結させた。引き続いて、MMA48部、BA2部からなる単量体混合物を2時間にわたり滴下し、滴下終了後2時間保持を行い、重合を完結させて、熱可塑性重合体のラテックスを得た。このラテックスを0.25%硫酸水溶液に添加して重合体を酸凝析した後、脱水、水洗、乾燥し、粉体状の熱可塑性重合体を回収した。この熱可塑性重合体の還元粘度ηsp/cは0.38L/gであった。なお、熱可塑性重合体の還元粘度は、熱可塑性重合体0.1gをクロロホルム100mLに溶解し、25℃で測定した。
【0123】
合成例8(基材シートB−1の製造)
上記の如くして得たゴム含有重合体(P−1)および熱可塑性重合体と、MMA/MA共重合体(MMA/MA=90/10、還元粘度0.06L/g)を表4に示す割合でヘンシェルミキサーを用いて混合した。次いで、40mmφのスクリュー型2軸押出機(L/D=26)を用いて、シリンダー温度200℃〜260℃、ダイ温度250℃で溶融混練してペレット化した。
このペレットを80℃で一昼夜乾燥し、300mmTダイを取り付けた40mmφのノンベントスクリュー型押出機(L/D=26)を用いて、シリンダー温度200℃〜240℃、Tダイ温度250℃、冷却ロール温度70℃で、200μmの厚みの基材シートBを製膜した。
【0124】
【表4】
Figure 2005066853
【0125】
合成例9(基材シートB−2の製造)
合成例8と同様にしてペレット化を得た。
このペレットを用いて、合成例8と同様の条件で40mmφのノンベントスクリュー型押出機のダイから押出した。この時に、図1に示したような、内部に回転可能な弾性体ロール5を備えた金属薄膜1と金属ロール2で押出した溶融ポリマーを狭圧して200μmの厚みの基材シートB−2を製膜した。なお、この際の金属ロール2の温度は91℃、金属薄膜1の温度は90℃であった。
【0126】
合成例10(基材シートB−3の製造)
攪拌機、温度計、窒素ガス導入管、モノマー供給管、還流冷却器を備えた反応機に、以下に示す(イ)を仕込んだ。
反応容器内を窒素ガスで充分に置換し実質的に酸素のない状態とした後に、内温を40℃にして、以下に示す原料(ロ)30部を15部/時間の割合で連続的に添加し重合させた。添加終了後、さらに1時間重合を継続し、重合転化率を98%以上にし弾性重合体のラテックスを得た。得られた弾性重合体の平均粒子径は0.07μmであった。
次に、内温を80℃に昇温した後に、以下に示す原料(ハ)70部を10部/時間の割合で連続的に添加して重合させ、添加終了後にさらに1時間重合を継続して、重合転化率を98%以上にして重合を終了させ、ゴム含有重合体(P−2)のラテックスを得た。
【0127】
(イ)
ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム 0.24部
脱イオン水 200部
ナトリウムホルムアルデヒドスルホキシレート 0.1部
硫酸第一鉄 0.001部
エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム 0.004部
(ロ)
BA 90%
MMA 10%
CHP 0.06部
トリアリルシアヌレート 0.3部
(ハ)
BA 10%
MMA 80%
2−メトキシエチルアクリレート 10%
CHP 0.3部
t−ドデシルメルカプタン 0.05部
【0128】
このゴム含有重合体(P−2)のラテックスに対して、塩化カルシウムを用いて凝析、凝集、固化反応を行い、ろ過、水洗後乾燥してゴム含有重合体(P−2)を得た。
上記の如くして得たゴム含有重合体(P−2)のみを用いて、合成例8と同様にしてペレット化し、130μmの厚みの基材シートB−3を製膜した。
【0129】
合成例11(基材シートB−4の製造)
懸濁重合法により得られたアクリル系樹脂(MMA単位87%、MA単位3%、BA単位10%)の粉末75部と、球形3層構造のゴム弾性層アクリル系重合体(最内層がMMA37.5部/AMA0.075部、中間層がBA38.5部/St9部/AMA0.95部、最外層がMMA14.4部/EA0.6部からなるアクリル系重合体:平均粒径が約300nm:特公昭55−27576号公報の実施例3参照)25部を用いて、合成例8と同様にしてペレット化し、130μmの厚みの基材シートB−4を製膜した。
【0130】
実施例1
グラビア印刷法により、黒、茶、黄の各色の顔料からなるインキを用い、合成例8で製造した基材シートB−1上に絵柄を印刷した後、さらにABS樹脂用接着層を、印刷面にグラビア印刷法によって形成させた。これらのシートはシート切れ等の問題を起こすことなく、工程通過性は良好であった。
続いて、合成例5で得られた光硬化性樹脂溶液1をプロペラ型ミキサーで撹拌して、印刷を施した面とは反対の基材シートB−1面にコンマロールコーターにて塗工巾270mmで塗工を行った。
引き続いて、下記表5の温度条件に設定したトンネル型乾燥炉(巾800mm、高さ100mm、長さ8m、4つの乾燥ゾーン(1ゾーンの長さ2m)に分割、シートの動きに対して向流になるように熱風を送り込む方式、シートの支持方式はロールサポート方式)の中を、10m/分の速度で通過させて溶剤を揮発させ、厚さ8μmの光硬化性樹脂層を形成した。この時の各乾燥ゾーンの滞在時間を表5に示す。
【0131】
【表5】
Figure 2005066853
【0132】
続いて、幅250mmにスリットして5000mの長さにABS製コアにロール状に巻き取った。得られた光硬化性加飾シートを20mの大きさに切り取り、その中の印刷抜けした個所を目視で計測した。結果を表6に示す。
この光硬化性加飾シートを、光硬化性樹脂組成物が金型の内壁面に向き合うように金型内に配置し、次いで赤外線ヒーター(温度350℃)で10秒間シートを予備加熱した後、さらに加熱を行いながら真空吸引することにより金型形状にシートを追従させた。なお、この金型の形状は、切頭角錐形状で、切頭面のサイズは100mm×100mmで、底面のサイズは108mm×117mm、深さは10mmであり、切頭面の端部の曲率半径はそれぞれ3、5、7、10mmであった。その際の金型追従性を目視で評価したところ、各端部とも良好に追従していた。
次に、成形温度280〜300℃、金型温度40〜60℃の条件において、ポリカーボネート樹脂を成形樹脂として用いてインモールド成形を行い、光硬化性加飾シートが成形品表面に密着したインモールド成形品を得た。この際の成形用金型の汚れを目視で評価した。結果を表6に示す。
次いで、紫外線照射装置を用い、約700mJ/cm の紫外線を照射して、光硬化性樹脂組成物を硬化させ、表面物性を評価した。結果を表6に示す。
また、室温にて約2週間ロール状態で保存した後、巻きだしながら表面の粘着性を評価した。結果を表6に示す。
【0133】
シート物性評価方法
耐酸性:
47質量%硫酸水溶液を40℃で3時間スポット試験した後の外観を目視評価した。
○:良好
△:薄く跡有り
×:著しい跡有り
耐温水性:
80℃の温水中に24時間浸漬後のシート状態を目視評価した。
○:良好
△:薄く白化有り
×:著しい白化有り
透明性:
ASTM D1003に準じて、ヘイズメーターを用いて全光線透過率およびヘイズを測定した。
耐磨耗性:
テーバー磨耗試験(片側500g荷重、CS−10F磨耗輪を用い、回転速度60rpm、試験回数100回で試験を実施)後の曇価をヘイズメーターで測定した。そして(試験後の曇価)−(試験前の曇価)で表される数値を耐磨耗性(%)として示した。
耐候性:
サンシャインウエザーメーター(スガ試験機製)を用い、乾燥48分、雨12分のサイクルで2000時間曝露試験したときの外観を目視評価した。
○:良好
×:白化またはクラック有り
【0134】
実施例2〜3
光硬化性樹脂溶液1を、合成例5で得られた光硬化性樹脂溶液2および3に変更した以外は、実施例1と同様にして光硬化性加飾シート、インモールド成形品を製造し、評価した。結果を表6に示す。
【0135】
比較例1
合成例5で調製した光硬化性樹脂溶液1を、実施例1と同様にして基材シートB−1上に塗工、乾燥して、光硬化性樹脂組成物層を形成した。続いて、実施例1と同様にグラビア印刷法によって印刷層と接着層を、光硬化性樹脂組成物層を形成した面とは反対の基材シートB−1面に形成し、光硬化性加飾シートを5000m製造した。しかしながら、グラビア印刷工程時に2度ほどシート切れが起こった。
続いて、得られた光硬化性加飾シートを用いて、実施例1と同様にしてインモールド成形品を製造した。
光硬化性加飾シートおよびインモールド成形品の評価結果を表6に示す。
【0136】
【表6】
Figure 2005066853
【0137】
1)A:印刷層を先に形成した後に、光硬化性樹脂組成物層を形成、B:光硬化性樹脂組成物層を先に形成した後に、印刷層を形成
2)○:工程通過に関して特に問題なし、×:シート切れによる工程トラブルが起こる、下段の括弧内の数値は基材シート5000m製造する際に起こったシート切れの回数
3)光硬化性加飾シートを20mの大きさに切り取り、その中の印刷抜けした個所を目視で計測し、1m当たりに換算した数値
4)○:表面粘着性無し、△:表面粘着性有り、×:表面粘着性大きく巻きだし不可
5)○:汚れ無し、△:若干汚れ有り、×:汚れ大
【0138】
実施例4
基材シートB−1を、合成例9で製造した基材シートB−2に変更した以外は、実施例1と同様にして光硬化性加飾シート、インモールド成形品を製造し、評価した。結果を表6に示す。
【0139】
比較例2
基材シートB−1を、合成例9で製造した基材シートB−2に変更した以外は、比較例1と同様にして光硬化性加飾シート、インモールド成形品を製造し、評価した。結果を表6に示す。
【0140】
実施例5
基材シートB−1を、合成例10で製造した基材シートB−3に変更した以外は、実施例1と同様にして光硬化性加飾シート、インモールド成形品を製造し、評価した。結果を表6に示す。
【0141】
実施例6
基材シートB−1を、合成例11で製造した基材シートB−4に変更した以外は、実施例1と同様にして光硬化性加飾シート、インモールド成形品を製造し、評価した。結果を表6に示す。
【0142】
実施例7
ABS樹脂用接着層を塩素化ポリプロピレン樹脂(塩素化度15%)からなる接着層に変更した以外は、実施例3と同様にして、光硬化性加飾シートを製造した。この光硬化性加飾シートは、製造時にシート切れを起こすことも無く、印刷抜けも殆ど無かった。
この光硬化性加飾シートを、光硬化性樹脂組成物が金型の内壁面に向き合うように金型内に配置し、次いで赤外線ヒーター(温度300℃)で15秒間シートを予備加熱した後、さらに加熱を行いながら真空吸引することにより金型形状にシートを追従させた。
次に、成形温度200〜240℃、金型温度30〜60℃の条件において、ポリプロピレン系樹脂(タルクを20質量%含有、エチレン−プロピレン系ゴムを10重量%含有)を成形樹脂として用いてインモールド成形を行い、光硬化性加飾シートが成形品表面に密着したインモールド成形品を得た。その際のシートの金型追従性及び金型離型性は共に良好であった。
次いで、紫外線照射装置を用いて、約700mJ/cm の紫外線を照射して光硬化性樹脂組成物を硬化させ、表面硬度や耐磨耗性が高く、光沢に優れ、印刷絵柄を有して意匠性に優れる成形品を得た。
【0143】
【発明の効果】
以上に説明したように、本発明の製造方法により、色もしくはデザインの印刷もしくは蒸着が可能な表面非粘着性の光硬化性加飾シートが容易に得られ、それを用いて射出成形時に同時成形することにより、樹脂成形品の上に、色もしくはデザイン等の意匠をもち、良好な外観、耐磨耗性、耐候性および耐薬品性を有する表面が形成でき、インストルメントパネル、コンソールボックス、メーターカバー、ドアロックベゼル、ステアリングホイール、パワーウィンドウスイッチベース、センタークラスター、ダッシュボード等の自動車内装材用途、ウェザーストリップ、バンパー、バンパーガード、サイドマッドガード、ボディーパネル、スポイラー、フロントグリル、ストラットマウント、ホイールキャップ、センターピラー、ドアミラー、センターオーナメント、サイドモール、ドアモール、ウインドモール等、窓、ヘッドランプカバー、テールランプカバー、風防部品等の自動車外装材用途、AV機器や家電製品のフロントパネル、ボタン、エンブレム、表面化粧材等の用途、携帯電話等のハウジング、表示窓、ボタン等の用途、さらには家具用外装材用途、壁面、天井、床等の建築用内装材用途、サイディング等の外壁、塀、屋根、門扉、破風板等の建築用外装材用途、窓枠、扉、手摺、敷居、鴨居等の建具類の表面化粧材用途、各種ディスプレイ、レンズ、ミラー、ゴーグル、窓ガラス、反射材等の光学部材用途、或いは、電車、航空機、船舶等の自動車以外の各種乗物の内/外装材用途、瓶、化粧品容器、小物入れ等の各種包装容器および材料、景品や小物等の雑貨等のその他各種用途に好適に使用することができる。また、透明樹脂の上においてはその透明性を活かしたまま良好な耐磨耗性、耐候性および耐薬品性を有する表面が形成でき、自動車や鉄道車両、飛行機等の窓やヘッドランプカバー、風防部品等に好適に使用することができる。また、成形品の表面を塗装する場合に比べて工程数を省略することができて生産性もよく、環境に対する影響も少ない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の基材シートの製造に用いられる一押出成形機の該略図である。
【符号の説明】
1…金属薄膜
2…金属ロール
3…Tダイ
4…基材シート
5…弾性体ロール

Claims (16)

  1. 光硬化性樹脂組成物(A)の層と基材シート(B)、および印刷層(C)を含む光硬化性加飾シートの製造方法において、最初に基材シート(B)上に印刷層(C)を形成した後に、光硬化性樹脂組成物(A)の層を形成することを特徴とする光硬化性加飾シートの製造方法。
  2. 光硬化性樹脂組成物(A)の層を、印刷層(C)と反対面の基材シート(B)上に形成することを特徴とする、請求項1記載の方法。
  3. 光硬化性樹脂組成物(A)が、分子内に2個以上の光重合性官能基を有する化合物(a−1)と光重合性開始剤(a−2)を含むことを特徴とする、請求項1または2に記載の方法。
  4. 分子内に2個以上の光重合性官能基を有する化合物(a−1)が、側鎖に光重合性官能基を有する熱可塑性樹脂であることを特徴とする、請求項3に記載の方法。
  5. 側鎖の光重合性官能基がラジカル重合性不飽和基であることを特徴とする、請求項4に記載の方法。
  6. 側鎖の光重合性官能基が脂環式エポキシ基であることを特徴する、請求項4に記載の方法。
  7. 光硬化性樹脂組成物(A)が、側鎖に光重合性官能基を有する熱可塑性樹脂以外の架橋性化合物を実質的に含まないこと特徴とする、請求項4〜6のいずれかに記載の方法。
  8. 光硬化性樹脂組成物(A)が、さらに無機微粒子(a−3)を含むことを特徴とする、請求項1〜7のいずれかに記載の方法。
  9. 無機微粒子(a−3)がコロイダルシリカであることを特徴する、請求項8に記載の方法。
  10. 基材シート(B)が熱可塑性アクリル樹脂シートであることを特徴とする、請求項1〜9のいずれかに記載の方法。
  11. 請求項1〜10のいずれかに記載の方法により製造したことを特徴とする光硬化性加飾シート。
  12. 光硬化性加飾シートの印刷層(C)側に、さらに蒸着層、接着層、プライマーシートのいずれか一つ以上を含むことを特徴とする、請求項11に記載の光硬化性加飾シート。
  13. 請求項11または12に記載の光硬化性加飾シートが表面の少なくとも一部に配置されたことを特徴とする成形品。
  14. 請求項11または12に記載の光硬化性加飾シートを、光硬化性樹脂組成物(A)側が金型の内壁面に向き合うように挿入配置する工程、金型を閉じて、溶融樹脂を金型内に射出し、樹脂を固化させることにより光硬化性加飾シートが表面に配置された樹脂成形品を形成する工程、および光照射することにより成形品表面の光硬化性樹脂組成物を光硬化させる工程を含むことを特徴とする、請求項13記載の成形品の製造方法。
  15. 請求項11または12に記載の光硬化性加飾シートを、光硬化性樹脂組成物(A)側が金型の内壁面に向き合うように挿入配置する工程、光硬化性加飾シートを予備成形してシートを金型形状に追従させる工程、金型を閉じて、溶融樹脂を金型内に射出し、樹脂を固化させることにより光硬化性加飾シートが表面に配置された樹脂成形品を形成する工程、および光照射することにより成形品表面の光硬化性樹脂組成物を光硬化させる工程を含むことを特徴とする、請求項13記載の成形品の製造方法。
  16. 請求項11または12に記載の光硬化性加飾シートを、光硬化性樹脂組成物(A)側が金型の内壁面に向き合うように予備成形用金型に挿入配置する工程、光硬化性加飾シートを予備成形してシートを金型形状に追従させる工程、予備成形した光硬化性加飾シートを、光硬化性樹脂組成物(A)側が金型の内壁面に向き合うように成形用金型に挿入配置する工程、成形用金型を閉じて、溶融樹脂を金型内に射出し、樹脂を固化させることにより光硬化性加飾シートが表面に配置された樹脂成形品を形成する工程、および光照射することにより成形品表面の光硬化性樹脂組成物を光硬化させる工程を含むことを特徴とする、請求項13記載の成形品の製造方法。
JP2003208673A 2003-08-25 2003-08-25 光硬化性加飾シートの製造方法、および光硬化性加飾シートを積層した成形品 Pending JP2005066853A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003208673A JP2005066853A (ja) 2003-08-25 2003-08-25 光硬化性加飾シートの製造方法、および光硬化性加飾シートを積層した成形品

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003208673A JP2005066853A (ja) 2003-08-25 2003-08-25 光硬化性加飾シートの製造方法、および光硬化性加飾シートを積層した成形品

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2005066853A true JP2005066853A (ja) 2005-03-17

Family

ID=34401860

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2003208673A Pending JP2005066853A (ja) 2003-08-25 2003-08-25 光硬化性加飾シートの製造方法、および光硬化性加飾シートを積層した成形品

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2005066853A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007320147A (ja) * 2006-05-31 2007-12-13 Nissha Printing Co Ltd 成形同時絵付け用転写フィルム
JP2011189689A (ja) * 2010-03-16 2011-09-29 Wavelock Advanced Technology Co Ltd 加飾シート、その製造方法、及び、樹脂成形物

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007320147A (ja) * 2006-05-31 2007-12-13 Nissha Printing Co Ltd 成形同時絵付け用転写フィルム
JP2011189689A (ja) * 2010-03-16 2011-09-29 Wavelock Advanced Technology Co Ltd 加飾シート、その製造方法、及び、樹脂成形物

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7781062B2 (en) Multilayer structure polymer and resin composition together with acrylic resin film material, acrylic resin laminate film, photocurable acrylic resin film or sheet, laminate film or sheet and laminate molding obtained by laminating thereof
US6646022B2 (en) Photocuring resin compositions, photocuring sheets and molded article using the same, and processes of production thereof
JP4695561B2 (ja) アクリル樹脂フィルム状物、アクリル樹脂積層フィルム、光硬化性アクリル樹脂フィルム又はシート、積層フィルム又はシート、及び、これらを積層した積層成形品
JP4406304B2 (ja) 多層構造重合体及びこれを含む樹脂組成物、並びに、アクリル樹脂フィルム状物、アクリル樹脂積層フィルム、光硬化性アクリル樹脂フィルム又はシート、積層フィルム又はシート、及び、これらを積層した積層成形品
JP5158852B2 (ja) アクリル樹脂組成物、アクリル樹脂フィルム、熱成形用艶消しアクリル樹脂フィルム、光硬化性アクリル樹脂フィルム及びこれらを積層した積層体
JP4307242B2 (ja) アクリル樹脂フィルム状物、アクリル樹脂積層フィルム、光硬化性アクリル樹脂フィルム又はシート、積層フィルム又はシート、及び、これらを積層した積層成形品
JP5573507B2 (ja) 積層シートロールの製造方法
JP2010163576A (ja) 光硬化性樹脂組成物、光硬化性シート、光硬化性加飾シート、光硬化性成形用シート、積層成形品及び積層成形品の製造方法
JP4293886B2 (ja) 光硬化性樹脂組成物並びにそれを用いた光硬化性シート及びそれを用いた成形品の製造方法
JP2006044195A (ja) 光硬化性シートおよびそれを用いた成形品
JP4046482B2 (ja) 光硬化性樹脂組成物、光硬化性シートおよびインサート成形品の製造方法
JP2006249323A (ja) 光硬化性樹脂組成物、光硬化性シート及び成形品の製造方法
JP4933801B2 (ja) 表面微細凹凸構造を有する成形品およびその製造方法
JP4210127B2 (ja) 光硬化性シートの製造方法、光硬化性シートおよびインサート成形品の製造方法
JP2006249322A (ja) 光硬化性シート及びそれを用いた成形品の製造方法
JP2003165178A (ja) 転写シートおよび樹脂成形品の製造方法
JP2015038173A (ja) 光硬化性樹脂組成物、積層シート、積層成形品及び積層成形品の製造方法
JP2004277725A (ja) 光硬化性樹脂組成物、光硬化性シートおよびそれを用いた成形品の製造方法
JP2014015537A (ja) 光硬化性樹脂組成物、光硬化性シート、積層成形品及び積層成形品の製造方法
JP2002370249A (ja) 光硬化性シートの製造法および光硬化性シート
JP2002298648A (ja) 導電性光硬化性樹脂組成物、導電性光硬化性シートおよび導電性インサート成形品
JP4395285B2 (ja) 光硬化性シートおよびそれを用いた成形品の製造方法
JP2005066853A (ja) 光硬化性加飾シートの製造方法、および光硬化性加飾シートを積層した成形品
JP2006282909A (ja) 光硬化性キャスト液組成物、光硬化性シート、光硬化性シートの製造方法及び成形品の製造方法
JP2004082720A (ja) 光硬化性シートおよびそれを用いた成形品