JP2005066713A - 帯鋸の制御装置および制御方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】帯鋸盤の健全性を維持したまま、的確に、帯鋸の走行位置を定位置に保持することのできる帯鋸の制御装置を提供すること。
【解決手段】走行する帯鋸4を通過させる空間部5を有する装置本体2aと、空間部5内に流体を供給する流体供給手段7と、帯鋸4の走行位置を検出する走行位置検出手段と、走行位置検出手段の検出結果に基づいて、帯鋸4の両側面における流体の圧力を調整して、帯鋸4の位置を調整する制御手段24とを備えた帯鋸の制御装置において、その制御手段24が、装置本体2aの空間部5内にて、帯鋸4の両側面側に対して進退可能に設けられたそれぞれのピストン20と、これらピストン20を進退動させるそれぞれの流体供給部22,23とを備えてなることを特徴とする。
【選択図】 図2
【解決手段】走行する帯鋸4を通過させる空間部5を有する装置本体2aと、空間部5内に流体を供給する流体供給手段7と、帯鋸4の走行位置を検出する走行位置検出手段と、走行位置検出手段の検出結果に基づいて、帯鋸4の両側面における流体の圧力を調整して、帯鋸4の位置を調整する制御手段24とを備えた帯鋸の制御装置において、その制御手段24が、装置本体2aの空間部5内にて、帯鋸4の両側面側に対して進退可能に設けられたそれぞれのピストン20と、これらピストン20を進退動させるそれぞれの流体供給部22,23とを備えてなることを特徴とする。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、鋸引きして被切断体を切断する帯鋸の制御装置および制御方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般的な帯鋸盤の構成は、一対の回転ドラムに環状の帯鋸を巻回し、前記回転ドラムの一方または双方を回転させることによって、帯鋸を回動、走行させ、この走行する帯鋸の一部によって、各回転ドラム間に配置された被切断体を切断するようになっている。
ところで、この帯鋸盤においては、駆動源によって回転ドラムを回転させることから、装置全体に振動が発生し、被切断体を切断する周辺部において、切断作業に伴って帯鋸がぶれるという問題がある。
【0003】
そこで、従来より、この種の帯鋸盤において、切断を行う近傍で帯鋸のブレを修正し、帯鋸を正常に走行させるための帯鋸の制御装置が提案されている。例えば、この種の装置として、走行する帯鋸を通過させる空間部を有する装置本体と、その空間部内に流体を供給する流体供給手段と、帯鋸の走行位置を検出する走行位置検出手段と、この走行位置検出手段の検出結果に基づいて、帯鋸の一方の側面側における流体の圧力および同他方の側面側における前記流体の圧力を調整して、その帯鋸の位置を調整する制御手段とを備えた帯鋸の制御装置が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
この帯鋸の制御装置は、帯鋸の一方の側に供給する流体の圧力と、同他方の側に供給する流体の圧力とを調整することにより、帯鋸を定位置に保持するものである。
【0004】
【特許文献1】
特開平8−243837号公報(第2−3頁、図4)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような帯鋸の制御装置では、帯鋸の一方の面側に供給される流体圧と、同他方の面側に供給される流体圧とが、それぞれ局部的に供給される構成であるため、帯鋸が定位置から大きくぶれた場合に、帯鋸を的確に定位置に戻すことが困難であった。
また、この帯鋸の制御装置では、帯鋸に流体を供給する壁部に高い圧力が加わるため、この壁部が帯鋸側に湾曲してしまい、その結果、壁部の外面が帯鋸に接触して帯鋸の走行の障害となるという問題があった。
【0006】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、帯鋸盤の健全性を維持したまま、的確に、帯鋸の走行位置を定位置に保持することのできる帯鋸の制御装置を提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明は以下の手段を提供する。
請求項1に係る発明は、走行する帯鋸を通過させる空間部を有する装置本体と、前記空間部内にて前記帯鋸の一方の側面および他方の側面に流体を供給する流体供給手段と、前記帯鋸の走行位置を検出する走行位置検出手段と、該走行位置検出手段の検出結果に基づいて、前記帯鋸の一方の側面側における前記流体の圧力および同他方の側面側における前記流体の圧力を調整して、該帯鋸の位置を調整する制御手段とを備えた帯鋸の制御装置において、前記制御手段は、前記装置本体に設けられ、前記空間部内にて、前記帯鋸の一方の側面側に対して進退可能に設けられた一方のピストンと、同他方の側面側に対して進退可能に設けられた他方のピストンと、前記一方のピストンを進退動させる一方の流体供給部と、前記他方のピストンを進退動させる他方の流体供給部とを備えてなることを特徴とする。
【0008】
請求項2に係る発明は、走行する帯鋸を通過させる空間部を有する装置本体と、前記空間部内にて前記帯鋸の一方の側面および他方の側面に潤滑用等の流体を供給する流体供給手段と、前記帯鋸の走行位置を検出する走行位置検出手段とを備えた帯鋸盤に対して、前記走行位置検出手段の検出結果に基づいて、前記帯鋸の一方の側面側における前記流体の圧力および同他方の側面側における前記流体の圧力を調整して、該帯鋸の位置を調整する制御方法であって、前記空間部内にて、前記帯鋸の一方の側面側に対して進退可能に設けられた一方のピストンと、同他方の側面側に対して進退可能に設けられた他方のピストンとを進退動させることにより、前記帯鋸の位置を調整することを特徴とする。
【0009】
これらの発明に係る帯鋸の制御装置および制御方法によれば、一方の側のピストンと他方の側のピストンとが、帯鋸に対して進退動することによって、帯鋸の一方の側と他方の側との流体圧が制御され、これにより帯鋸の走行位置が定位置に保持される。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態に係る帯鋸の制御装置について、図面を参照して説明する。
図1は、本発明の一実施形態である帯鋸の制御装置を備えた帯鋸盤の全体構成を示したものである。
【0011】
この図1において、符号1は、帯鋸盤を示したものである。そして、符号3は、回転ドラムを示しており、これら回転ドラム3には、帯鋸4が巻回されている。帯鋸4の直線部4aの長さ方向の中央部は、被切断体Wを切断するための切断部4bとされており、この切断部4bにおいて、被切断体Wが帯鋸4によって切断される構成となっている。
【0012】
切断部4bの両側方には、それぞれ帯鋸の制御装置2が設けられている。
そして、帯鋸の制御装置2は、装置本体2aと走行位置センサ(走行位置検出手段)2bとを備えている。装置本体2aは、図2に示すように、走行する帯鋸4を通過させる空間部5を有する装置本体壁部6と、空間部5内にて帯鋸4の一方の側面および他方の側面に流体を供給する流体流入部(流体供給手段)7とを有している。流体流入部7は、空間部5と装置本体壁部6の外方とを貫通する流体流入孔7aと、この流体流入孔7aに接続された管路7cと、この管路7cに介装された制御弁7bとを備えており、制御弁7bを開放することにより、冷却水、切削油、潤滑油などの流体が管路7c、流体流入孔7aを通して空間5内に流入されるようになっている。
【0013】
また、装置本体壁部6は、第1の壁部6aと第2の壁部6bとからなっており、第1、第2の壁部6a,6b間には、それぞれ凹部8が形成されている。これら凹部8は互いに対向して設けられており、これらの凹部8と空間部5とにより、装置本体壁部6内に、一つの空間を形成するように、第1、第2の壁部6a,6bが接合された構成とされている。そして、この空間内を帯鋸4が走行するようになっている。これら凹部8の後方には、凹部8に連続してそれぞれチャンバー9が形成されている。各チャンバー9内には、帯鋸4の一方の面側に進退可能にそれぞれピストン20が配置されており、これらピストン20とチャンバー9内の壁面との間には、両者間をシールする凹リング21が設けられている。
【0014】
また、これら各チャンバー9とそれぞれの第1、第2の壁部6a,6bの外面との間には、貫通孔10がそれぞれ形成されている。貫通孔10には、管路22が接続されており、この管路22には、制御弁23が介装されている。そして、制御弁23を開放することにより、管路22、貫通孔10を介して、チャンバー9内に、流体が供給されるようになっている。すなわち、貫通孔10、制御弁23および管路22は流体供給部として機能するものである。
また、走行位置センサ(走行位置検出手段)2bは、図1に示すように、装置本体2aの近傍に設けられている。さらに、走行位置センサ2bの近傍には、図2に示すように、走行位置センサ2bからの検出結果が入力される制御部(制御手段)24が設けられている。そして、走行位置センサ2bからの検出結果が制御部24に入力されると、その検出結果に基づいて、制御部24によって、制御弁23の開閉動作がなされ、チャンバー9内への流体の供給量が制御されるようになっている。
【0015】
次に、このように構成された本実施形態に係る帯鋸の制御装置2の作用について説明する。
まず、図1に示すように、いずれか一方または双方の回転ドラム3が、図示しない駆動部によって回転駆動されると、これら回転ドラム3に巻回された帯鋸4が走行させられる。そして、帯鋸4の切断部4bにおいて、所定の位置に設置された被切断体Wの切断加工がなされる。
このとき、調整弁7bを開け、流体流入孔7aを介して空間部5内に冷却水を供給することにより、帯鋸4の両側面が常時冷却され、摩擦熱による帯鋸4の極度の温度上昇が防止される。
【0016】
これら切断加工の際、帯鋸4の走行位置は以下のようにして定位置に保持されることになる。すなわち、帯鋸4に、その走行方向に交差する方向にたわみが生じると、走行位置センサ2bがそのたわみを検知して、所定の出力信号を制御部24に供給する。出力信号を受けた制御部24は、その信号に応じて、所定の制御弁23の開度を調整し、管路22、貫通孔10を介して、チャンバー9内に流体を流入させる。その結果、チャンバー9内の圧力を変化させ、ピストン20が帯鋸4に向けて移動させられる。したがって、ピストン20により、冷却水で満たされた空間部5を介して、帯鋸4が押し戻される。
【0017】
例えば、帯鋸4が、たわみの生じていない定位置から矢印A方向に変位している場合には、矢印A方向に形成されたチャンバー9内の圧力が高くなるように流体の流量が制御され、これによって矢印A側のピストン20が矢印B方向に移動させられる。そして、ピストン20により、空間部5を介して、帯鋸4が押し戻される。一方、このとき矢印B方向のピストン20は、そのチャンバー内の流量が制御され矢印B方向に移動させられる。これにより、帯鋸4は矢印A方向に変位した状態から、たわみの無い定位置に戻されることになる。
また、上記と逆に、帯鋸4が矢印B方向に変位した場合には、上記と逆の動作により、帯鋸4が定位置に戻されることになる。
【0018】
以上より、本実施形態に係る帯鋸の制御装置2によれば、流体の圧力によりピストン20を移動させるため、局部的に流体圧力を直接帯鋸4に加える場合と比較して、帯鋸4を押し戻す際の接触面積、すなわち制御面積を大きくすることができ、帯鋸4が定位置から大きくぶれた場合であっても、その帯鋸4を的確に定位置に戻すことができる。
また、チャンバー内に高い圧力がかかっても、ピストン20全体が平行移動するため、そのいずれか一部に圧力が集中することなく、ピストン20の全体にわたって均一に圧力が加わることになる。したがって、ピストン20が、帯鋸4に向けて湾曲することにより回転ドラム3の回転運動のブレーキとなるのを防止することができる。そのため、帯鋸4の走行に悪影響を与えることがない。
【0019】
なお、上記の実施の形態において、帯鋸4に、その長さ方向にわたって、複数の孔を設けることにしてもよい。これにより、帯鋸4にたわみが生じたとき、その曲げ応力をその孔から逃げ易くさせ、帯鋸4の定位置への復帰を迅速に行うことができる。
【0020】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、流体圧の制御によって一方の側のピストンと他方の側のピストンとを、帯鋸に対して進退動させるため、帯鋸が定位置から大きくぶれた場合であっても、帯鋸の走行に影響を与えずに、その帯鋸を的確に定位置に戻すことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る帯鋸の制御装置と、その帯鋸の制御装置を適用した帯鋸盤を示す概略構成図である。
【図2】同実施形態における要部の構成を示す縦断側面図である。
【符号の説明】
2a 装置本体
2b 走行位置センサ(走行位置検出手段)
4 帯鋸
5 空間部
7 流体流入部(流体供給手段)
10 貫通孔(流体供給部)
20 ピストン
22 管路(流体供給部)
23 制御弁(流体供給部)
24 制御部(制御手段)
【発明の属する技術分野】
本発明は、鋸引きして被切断体を切断する帯鋸の制御装置および制御方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般的な帯鋸盤の構成は、一対の回転ドラムに環状の帯鋸を巻回し、前記回転ドラムの一方または双方を回転させることによって、帯鋸を回動、走行させ、この走行する帯鋸の一部によって、各回転ドラム間に配置された被切断体を切断するようになっている。
ところで、この帯鋸盤においては、駆動源によって回転ドラムを回転させることから、装置全体に振動が発生し、被切断体を切断する周辺部において、切断作業に伴って帯鋸がぶれるという問題がある。
【0003】
そこで、従来より、この種の帯鋸盤において、切断を行う近傍で帯鋸のブレを修正し、帯鋸を正常に走行させるための帯鋸の制御装置が提案されている。例えば、この種の装置として、走行する帯鋸を通過させる空間部を有する装置本体と、その空間部内に流体を供給する流体供給手段と、帯鋸の走行位置を検出する走行位置検出手段と、この走行位置検出手段の検出結果に基づいて、帯鋸の一方の側面側における流体の圧力および同他方の側面側における前記流体の圧力を調整して、その帯鋸の位置を調整する制御手段とを備えた帯鋸の制御装置が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
この帯鋸の制御装置は、帯鋸の一方の側に供給する流体の圧力と、同他方の側に供給する流体の圧力とを調整することにより、帯鋸を定位置に保持するものである。
【0004】
【特許文献1】
特開平8−243837号公報(第2−3頁、図4)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような帯鋸の制御装置では、帯鋸の一方の面側に供給される流体圧と、同他方の面側に供給される流体圧とが、それぞれ局部的に供給される構成であるため、帯鋸が定位置から大きくぶれた場合に、帯鋸を的確に定位置に戻すことが困難であった。
また、この帯鋸の制御装置では、帯鋸に流体を供給する壁部に高い圧力が加わるため、この壁部が帯鋸側に湾曲してしまい、その結果、壁部の外面が帯鋸に接触して帯鋸の走行の障害となるという問題があった。
【0006】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、帯鋸盤の健全性を維持したまま、的確に、帯鋸の走行位置を定位置に保持することのできる帯鋸の制御装置を提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明は以下の手段を提供する。
請求項1に係る発明は、走行する帯鋸を通過させる空間部を有する装置本体と、前記空間部内にて前記帯鋸の一方の側面および他方の側面に流体を供給する流体供給手段と、前記帯鋸の走行位置を検出する走行位置検出手段と、該走行位置検出手段の検出結果に基づいて、前記帯鋸の一方の側面側における前記流体の圧力および同他方の側面側における前記流体の圧力を調整して、該帯鋸の位置を調整する制御手段とを備えた帯鋸の制御装置において、前記制御手段は、前記装置本体に設けられ、前記空間部内にて、前記帯鋸の一方の側面側に対して進退可能に設けられた一方のピストンと、同他方の側面側に対して進退可能に設けられた他方のピストンと、前記一方のピストンを進退動させる一方の流体供給部と、前記他方のピストンを進退動させる他方の流体供給部とを備えてなることを特徴とする。
【0008】
請求項2に係る発明は、走行する帯鋸を通過させる空間部を有する装置本体と、前記空間部内にて前記帯鋸の一方の側面および他方の側面に潤滑用等の流体を供給する流体供給手段と、前記帯鋸の走行位置を検出する走行位置検出手段とを備えた帯鋸盤に対して、前記走行位置検出手段の検出結果に基づいて、前記帯鋸の一方の側面側における前記流体の圧力および同他方の側面側における前記流体の圧力を調整して、該帯鋸の位置を調整する制御方法であって、前記空間部内にて、前記帯鋸の一方の側面側に対して進退可能に設けられた一方のピストンと、同他方の側面側に対して進退可能に設けられた他方のピストンとを進退動させることにより、前記帯鋸の位置を調整することを特徴とする。
【0009】
これらの発明に係る帯鋸の制御装置および制御方法によれば、一方の側のピストンと他方の側のピストンとが、帯鋸に対して進退動することによって、帯鋸の一方の側と他方の側との流体圧が制御され、これにより帯鋸の走行位置が定位置に保持される。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態に係る帯鋸の制御装置について、図面を参照して説明する。
図1は、本発明の一実施形態である帯鋸の制御装置を備えた帯鋸盤の全体構成を示したものである。
【0011】
この図1において、符号1は、帯鋸盤を示したものである。そして、符号3は、回転ドラムを示しており、これら回転ドラム3には、帯鋸4が巻回されている。帯鋸4の直線部4aの長さ方向の中央部は、被切断体Wを切断するための切断部4bとされており、この切断部4bにおいて、被切断体Wが帯鋸4によって切断される構成となっている。
【0012】
切断部4bの両側方には、それぞれ帯鋸の制御装置2が設けられている。
そして、帯鋸の制御装置2は、装置本体2aと走行位置センサ(走行位置検出手段)2bとを備えている。装置本体2aは、図2に示すように、走行する帯鋸4を通過させる空間部5を有する装置本体壁部6と、空間部5内にて帯鋸4の一方の側面および他方の側面に流体を供給する流体流入部(流体供給手段)7とを有している。流体流入部7は、空間部5と装置本体壁部6の外方とを貫通する流体流入孔7aと、この流体流入孔7aに接続された管路7cと、この管路7cに介装された制御弁7bとを備えており、制御弁7bを開放することにより、冷却水、切削油、潤滑油などの流体が管路7c、流体流入孔7aを通して空間5内に流入されるようになっている。
【0013】
また、装置本体壁部6は、第1の壁部6aと第2の壁部6bとからなっており、第1、第2の壁部6a,6b間には、それぞれ凹部8が形成されている。これら凹部8は互いに対向して設けられており、これらの凹部8と空間部5とにより、装置本体壁部6内に、一つの空間を形成するように、第1、第2の壁部6a,6bが接合された構成とされている。そして、この空間内を帯鋸4が走行するようになっている。これら凹部8の後方には、凹部8に連続してそれぞれチャンバー9が形成されている。各チャンバー9内には、帯鋸4の一方の面側に進退可能にそれぞれピストン20が配置されており、これらピストン20とチャンバー9内の壁面との間には、両者間をシールする凹リング21が設けられている。
【0014】
また、これら各チャンバー9とそれぞれの第1、第2の壁部6a,6bの外面との間には、貫通孔10がそれぞれ形成されている。貫通孔10には、管路22が接続されており、この管路22には、制御弁23が介装されている。そして、制御弁23を開放することにより、管路22、貫通孔10を介して、チャンバー9内に、流体が供給されるようになっている。すなわち、貫通孔10、制御弁23および管路22は流体供給部として機能するものである。
また、走行位置センサ(走行位置検出手段)2bは、図1に示すように、装置本体2aの近傍に設けられている。さらに、走行位置センサ2bの近傍には、図2に示すように、走行位置センサ2bからの検出結果が入力される制御部(制御手段)24が設けられている。そして、走行位置センサ2bからの検出結果が制御部24に入力されると、その検出結果に基づいて、制御部24によって、制御弁23の開閉動作がなされ、チャンバー9内への流体の供給量が制御されるようになっている。
【0015】
次に、このように構成された本実施形態に係る帯鋸の制御装置2の作用について説明する。
まず、図1に示すように、いずれか一方または双方の回転ドラム3が、図示しない駆動部によって回転駆動されると、これら回転ドラム3に巻回された帯鋸4が走行させられる。そして、帯鋸4の切断部4bにおいて、所定の位置に設置された被切断体Wの切断加工がなされる。
このとき、調整弁7bを開け、流体流入孔7aを介して空間部5内に冷却水を供給することにより、帯鋸4の両側面が常時冷却され、摩擦熱による帯鋸4の極度の温度上昇が防止される。
【0016】
これら切断加工の際、帯鋸4の走行位置は以下のようにして定位置に保持されることになる。すなわち、帯鋸4に、その走行方向に交差する方向にたわみが生じると、走行位置センサ2bがそのたわみを検知して、所定の出力信号を制御部24に供給する。出力信号を受けた制御部24は、その信号に応じて、所定の制御弁23の開度を調整し、管路22、貫通孔10を介して、チャンバー9内に流体を流入させる。その結果、チャンバー9内の圧力を変化させ、ピストン20が帯鋸4に向けて移動させられる。したがって、ピストン20により、冷却水で満たされた空間部5を介して、帯鋸4が押し戻される。
【0017】
例えば、帯鋸4が、たわみの生じていない定位置から矢印A方向に変位している場合には、矢印A方向に形成されたチャンバー9内の圧力が高くなるように流体の流量が制御され、これによって矢印A側のピストン20が矢印B方向に移動させられる。そして、ピストン20により、空間部5を介して、帯鋸4が押し戻される。一方、このとき矢印B方向のピストン20は、そのチャンバー内の流量が制御され矢印B方向に移動させられる。これにより、帯鋸4は矢印A方向に変位した状態から、たわみの無い定位置に戻されることになる。
また、上記と逆に、帯鋸4が矢印B方向に変位した場合には、上記と逆の動作により、帯鋸4が定位置に戻されることになる。
【0018】
以上より、本実施形態に係る帯鋸の制御装置2によれば、流体の圧力によりピストン20を移動させるため、局部的に流体圧力を直接帯鋸4に加える場合と比較して、帯鋸4を押し戻す際の接触面積、すなわち制御面積を大きくすることができ、帯鋸4が定位置から大きくぶれた場合であっても、その帯鋸4を的確に定位置に戻すことができる。
また、チャンバー内に高い圧力がかかっても、ピストン20全体が平行移動するため、そのいずれか一部に圧力が集中することなく、ピストン20の全体にわたって均一に圧力が加わることになる。したがって、ピストン20が、帯鋸4に向けて湾曲することにより回転ドラム3の回転運動のブレーキとなるのを防止することができる。そのため、帯鋸4の走行に悪影響を与えることがない。
【0019】
なお、上記の実施の形態において、帯鋸4に、その長さ方向にわたって、複数の孔を設けることにしてもよい。これにより、帯鋸4にたわみが生じたとき、その曲げ応力をその孔から逃げ易くさせ、帯鋸4の定位置への復帰を迅速に行うことができる。
【0020】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、流体圧の制御によって一方の側のピストンと他方の側のピストンとを、帯鋸に対して進退動させるため、帯鋸が定位置から大きくぶれた場合であっても、帯鋸の走行に影響を与えずに、その帯鋸を的確に定位置に戻すことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る帯鋸の制御装置と、その帯鋸の制御装置を適用した帯鋸盤を示す概略構成図である。
【図2】同実施形態における要部の構成を示す縦断側面図である。
【符号の説明】
2a 装置本体
2b 走行位置センサ(走行位置検出手段)
4 帯鋸
5 空間部
7 流体流入部(流体供給手段)
10 貫通孔(流体供給部)
20 ピストン
22 管路(流体供給部)
23 制御弁(流体供給部)
24 制御部(制御手段)
Claims (2)
- 走行する帯鋸を通過させる空間部を有する装置本体と、前記空間部内にて前記帯鋸の一方の側面および他方の側面に潤滑用等の流体を供給する流体供給手段と、前記帯鋸の走行位置を検出する走行位置検出手段と、該走行位置検出手段の検出結果に基づいて、前記帯鋸の一方の側面側における前記流体の圧力および同他方の側面側における前記流体の圧力を調整して、該帯鋸の位置を調整する制御手段とを備えた帯鋸の制御装置において、
前記制御手段は、前記装置本体に設けられ、前記空間部内にて、前記帯鋸の一方の側面側に対して進退可能に設けられた一方のピストンと、同他方の側面側に対して進退可能に設けられた他方のピストンと、前記一方のピストンを進退動させる一方の流体供給部と、前記他方のピストンを進退動させる他方の流体供給部とを備えてなることを特徴とする帯鋸の制御装置。 - 走行する帯鋸を通過させる空間部を有する装置本体と、前記空間部内にて前記帯鋸の一方の側面および他方の側面に潤滑用等の流体を供給する流体供給手段と、前記帯鋸の走行位置を検出する走行位置検出手段とを備えた帯鋸盤に対して、前記走行位置検出手段の検出結果に基づいて、前記帯鋸の一方の側面側における前記流体の圧力および同他方の側面側における前記流体の圧力を調整して、該帯鋸の位置を調整する制御方法であって、
前記空間部内にて、前記帯鋸の一方の側面側に対して進退可能に設けられた一方のピストンと、同他方の側面側に対して進退可能に設けられた他方のピストンとを進退動させることにより、前記帯鋸の位置を調整することを特徴とする帯鋸の制御方法。
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JP2003208842A JP2005066713A (ja) | 2003-08-26 | 2003-08-26 | 帯鋸の制御装置および制御方法 |
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ID=34401970
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---|---|---|---|
JP2003208842A Withdrawn JP2005066713A (ja) | 2003-08-26 | 2003-08-26 | 帯鋸の制御装置および制御方法 |
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JP (1) | JP2005066713A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100692248B1 (ko) * | 2006-06-13 | 2007-03-12 | 주식회사 글로실 | 취성재료 절단용 밴드 소우잉 머신 |
WO2011048943A1 (ja) * | 2009-10-20 | 2011-04-28 | 株式会社 アマダ | 帯鋸刃案内装置による帯鋸刃挟持方法及び帯鋸刃案内装置 |
-
2003
- 2003-08-26 JP JP2003208842A patent/JP2005066713A/ja not_active Withdrawn
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN102574225A (zh) * | 2009-10-20 | 2012-07-11 | 株式会社天田 | 利用带锯条导向装置的带锯条夹持方法及带锯条导向装置 |
US9289837B2 (en) | 2009-10-20 | 2016-03-22 | Amada Company, Limited | Method of holding band saw blade by means of band saw blade guide device, as well as band saw blade guide device |
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