JP2005066543A - 蒸気減温用スプレーノズル - Google Patents

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Abstract

【課題】 過熱蒸気中に冷却水を旋回流状態で噴霧することによって、噴霧水の微細化を図り、蒸気温度の調整を高精度に行うことができるようにする。
【解決手段】 減温器1を、蒸気配管2の途中に設けられたノズルホルダ3、冷却水配管4およびスプレーノズル5等により構成する。そして、スプレーノズル5を、冷却水の噴霧口6Dが形成されたノズルボディ6と、ノズルボディ6内に設けられ噴霧口6Dを開,閉する棒状弁体7と、ばね受体9とノズルボディ6との間に設けられ棒状弁体7を閉弁方向に付勢したスプリング12等により構成する。また、ノズルボディ6と棒状弁体7との間には、噴霧口6Dから冷却水を旋回流状態で噴霧するため棒状弁体7の外周側を螺旋状に延びる冷却水通路8を形成する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、例えば発電所等の蒸気供給ラインにおいて蒸気の温度を減温するための減温器として好適に用いられる蒸気減温用スプレーノズルに関する。
例えば、火力発電所、原子力発電所等においては、蒸気供給ラインの途中に減温器を設け、該減温器の冷却水噴射ノズル(スプレーノズル)から冷却水を噴霧することにより配管内の過熱蒸気を冷やし、この蒸気温度を予め決められた温度まで減温する構成としている(例えば、特許文献1参照)。
特開平6−307577号公報
この種の従来技術による減温器のスプレーノズルは、所謂蒸気変換弁に用いられ、高温高圧の蒸気を約1MPa(メガパスカル)程度まで減圧するときに、その噴霧エネルギを利用してスプレーノズルから冷却水を高温の蒸気中に噴射し、蒸気の減温を行うものである。
そして、この場合のスプレーノズルは、高圧の蒸気による噴霧エネルギを利用して冷却水を噴射するため、冷却水を予め高圧状態に保つ必要がないという利点がある。しかし、この場合は蒸気の減圧が前提条件となるために、蒸気供給ラインの途中にあっても使用箇所が限られるものである。
また、蒸気の減温のみに用いるスプレーノズルも知られており、この場合は冷却水を予め高圧状態に保ち、その圧力を利用して冷却水を高温の蒸気中に噴射するものである。
そして、このような蒸気減温用のスプレーノズルは、蒸気供給ライン等の流路途中に設けられ冷却水の噴霧口が形成されたノズルボディと、該ノズルボディ内に設けられ前記噴霧口を開,閉する弁体と、該弁体と前記ノズルボディとの間に設けられ該弁体を閉弁方向に付勢した付勢部材等とにより構成されている。
ここで、ノズルボディ内に供給した冷却水は、その圧力が付勢部材の付勢力を越えたときに弁体を付勢部材に抗して開弁させ、これによってノズルボディの噴霧口から冷却水が蒸気供給ライン内の蒸気に向けて噴霧される。そして、蒸気供給ライン内の蒸気は、冷却水の噴霧によって冷却され、このときの噴霧量等に応じて蒸気温度が減温されるものである。
ところで、上述した従来技術にあっては、弁体が付勢部材に抗して開弁したときに冷却水をノズルボディの噴霧口から蒸気供給ライン内の蒸気に向けて噴霧するに過ぎないため、冷却水の噴霧粒子を細かくすることが難しく、この冷却水を用いた蒸気温度の調整を高精度に行うことができないという問題がある。
本発明は上述した従来技術の問題に鑑みなされたもので、本発明の目的は、冷却水を旋回流状態で噴霧させることにより、噴霧水の微細化を図り、蒸気温度の調整を高精度に行うことができるようにした蒸気減温用スプレーノズルを提供することにある。
上述した課題を解決するために、本発明は、蒸気流路の途中に設けられ冷却水の噴霧口が形成されたノズルボディと、該ノズルボディ内に設けられ前記噴霧口を開,閉する弁体と、該弁体と前記ノズルボディとの間に設けられ該弁体を閉弁方向に付勢した付勢部材とからなる蒸気減温用スプレーノズルに適用される。
そして、請求項1の発明が採用する構成の特徴は、前記ノズルボディと弁体との間には、前記噴霧口から冷却水を旋回流状態で噴霧するため前記弁体の外周面に沿って螺旋状に延びる冷却水通路を形成したことにある。
また、請求項2の発明によると、前記ノズルボディは、前記噴霧口と連通し前記弁体が移動可能に挿嵌される弁体挿嵌穴を有し、前記冷却水通路は、前記弁体の外周側に形成され該弁体挿嵌穴内を螺旋状に延びる螺旋溝により構成している。
また、請求項3の発明によると、前記弁体は、前記ノズルボディ穴内を棒状をなして軸方向に延びる単一の棒状弁体により構成している。
一方、請求項4の発明によると、前記弁体は、内周側に前記冷却水が流通する軸方向通路を有し該軸方向通路の先端側が他の噴霧口となった筒状弁体からなり、該筒状弁体内には、該筒状弁体の噴霧口を開,閉する棒状弁体と、該棒状弁体を閉弁方向に付勢する他の付勢部材とを設ける構成としている。
また、請求項5の発明によると、前記蒸気流路の途中には前記ノズルボディを複数個設け、これらの複数のノズルボディのうちいずれか一のノズルボディ内に設けられる前記弁体は、該ノズルボディ穴内を棒状をなして軸方向に延びる単一の棒状弁体からなり、他のノズルボディ内に設けられる前記弁体は、内周側に前記冷却水が流通する軸方向通路を有し該軸方向通路の先端側が他の噴霧口となった筒状弁体からなり、該筒状弁体内には、該筒状弁体の噴霧口を開,閉する棒状弁体と、該棒状弁体を閉弁方向に付勢する他の付勢部材とを設ける構成としている。
さらに、請求項6の発明によると、前記筒状弁体内に設ける前記棒状弁体には、前記筒状弁体の噴霧口から冷却水を旋回流状態で噴霧するため前記軸方向通路内を螺旋状に延びる他の螺旋溝を形成してなる構成としている。
上述の如く、請求項1に記載の発明によれば、蒸気流路の途中に設けられたノズルボディと弁体との間に、該弁体の外周面に沿って螺旋状に延びる冷却水通路を形成する構成としているので、冷却水の圧力が付勢部材による設定圧力を越えて弁体が開弁し、ノズルボディの噴霧口から冷却水を噴霧するときには、螺旋状をなす冷却水通路により冷却水に旋回流を発生でき、この冷却水を噴霧口から旋回流状態で噴霧することができる。
このため、蒸気中に噴霧される冷却水の噴霧粒子を旋回流により微細化することができ、微細な冷却水の噴霧粒子を蒸気流路内の蒸気と均一に混合させ、蒸気温度にバラツキが生じるのを低減できると共に、蒸気温度の調整を高精度に行うことができる。
また、請求項2に記載の発明によると、ノズルボディは弁体が摺動可能に挿嵌される弁体挿嵌穴を有し、冷却水通路は、前記弁体の外周側に形成され該弁体挿嵌穴内を螺旋状に延びる螺旋溝により構成しているので、この螺旋溝によって弁体挿嵌穴内を流れる冷却水に対し旋回流を発生でき、冷却水の噴霧粒子を細かくすることができる。
また、請求項3に記載の発明は、ノズルボディ穴内を軸方向に延びる単一の棒状弁体を、冷却水の圧力により付勢部材に抗して開弁させたときに、ノズルボディの噴霧口から冷却水を旋回流状態で噴霧することができる。
一方、請求項4に記載の発明では、弁体を筒状弁体とし、該筒状弁体内には、棒状弁体を設けると共に、該棒状弁体と筒状弁体の間には他の付勢部材を設ける構成としているので、筒状弁体を閉弁方向に付勢する付勢部材と、棒状弁体を閉弁方向に付勢する他の付勢部材とを互いに異なる設定圧とすることにより、棒状弁体と筒状弁体との開弁圧力を異ならしめることができ、例えば先に棒状弁体を開弁させ、その後に筒状弁体を開弁させることができる。これにより、冷却水の噴霧圧力を広い範囲で制御でき、蒸気流路内を流れる蒸気の流量に応じて冷却水の噴霧水量を可変に制御することができる。
また、請求項5に記載の発明によると、蒸気流路の途中に設けたの複数のノズルボディのうち、いずれか一のノズルボディが単一の棒状弁体を備え、他のノズルボディは筒状弁体と棒状弁体とを備える構成としているので、他のノズルボディ側では前記棒状弁体と筒状弁体を互いに異なる開弁圧力に設定でき、一のノズルボディ側でも単一の棒状弁体を異なる開弁圧力に異なる値に設定することができる。これにより、蒸気流路内を流れる蒸気の流量に対応して、例えば3段階で冷却水の噴霧量を可変に制御することができる。このため、蒸気の流れが小流量の段階から大流量の段階に至るまで広い流量範囲にわたって蒸気温度の調整を高精度に行うことができる。
さらに、請求項6に記載の発明によると、筒状弁体内に設ける棒状弁体には軸方向通路内を螺旋状に延びる他の螺旋溝を形成する構成としているので、棒状弁体が他の付勢部材に抗して開弁したときにも冷却水を旋回流状態で噴霧することができ、例えば蒸気の流量が少ないときには、棒状弁体のみを開弁して少量の冷却水を過熱蒸気中に噴霧することができる。そして、蒸気流量が増加したときには、棒状弁体と共に筒状弁体を開弁させることにより、冷却水の噴霧量を増大でき、大流量の蒸気をも効率的に減温することができる。
以下、本発明の実施の形態による蒸気減温用スプレーノズルを、蒸気供給ラインの途中に設ける場合を例に挙げ、添付図面の図1ないし図14に従って詳細に説明する。
ここで、図1および図2は本発明の第1の実施の形態を示している。図中、1は本実施の形態で採用した減温器で、この減温器1は、蒸気流路となる蒸気配管2の途中に設けられた後述のノズルホルダ3、冷却水配管4およびスプレーノズル5等により構成されている。そして、蒸気配管2内では、図1中の矢示A方向に過熱蒸気が流通するものである。
3は減温器1の一部をなすノズルホルダで、該ノズルホルダ3は、図1に示すように冷却水配管4等を介して蒸気配管2の途中に設けられ、蒸気配管2内を径方向に延びている。そして、ノズルホルダ3には、蒸気配管2の中心軸O−O上に位置したテーパ穴からなるノズル取付穴3Aと、該ノズル取付穴3Aを冷却水配管4に連通させる連通路3Bとが形成されている。
また、冷却水配管4は、冷却水ポンプ等からなる冷却水の給水源(図示せず)に接続され、この給水源から図1中の矢示B方向に冷却水が供給される。この場合、冷却水の圧力は、例えば0〜1.2MPa程度の範囲で冷却水ポンプ等により可変に制御されるものである。
5は減温器1の主要部を構成する蒸気減温用のスプレーノズルで、該スプレーノズル5は、段付筒状体として形成され、外周側のねじ部6Aによりノズルホルダ3のノズル取付穴3A内に螺着されたノズルボディ6と、後述の弁体7およびスプリング12等とにより構成されている。そして、スプレーノズル5は、図1に示すようにノズルホルダ3を介して蒸気配管2の中心軸O−O上に配設されるものである。
ここで、ノズルボディ6の内周側には、図2に示すように弁体挿嵌穴となる小径穴部6Bと大径穴部6Cとが中心軸O−O上に位置して形成され、小径穴部6Bの軸方向一側は冷却水の噴霧口6Dとなっている。また、小径穴部6Bと大径穴部6Cとの間には、後述のスプリング12を軸方向一側で支持する環状のばね受部6Eが設けられている。
また、ノズルボディ6の軸方向他側には、大径穴部6Cの径方向外側となる部位を略U字状に切欠いてなる凹溝6Fが形成され、この凹溝6Fは、ノズルボディ6の他側端面から軸方向に一定長さをもって延びている。そして、ノズルボディ6は、後述の廻止めピン11を凹溝6Fに摺動可能に係合させることにより、弁体7がノズルボディ6に対して相対回転するのを規制するものである。
7はノズルボディ6内に設けられた弁体としての棒状弁体で、この棒状弁体7は、図2に示す如く単一の棒状体として形成され、中心軸O−O上に位置してノズルボディ6の小径穴部6B内に移動可能(摺動可能)に挿嵌されている。そして、棒状弁体7は、軸方向一側がノズルボディ6の噴霧口6Dを開,閉する弁部7Aとなった段付円柱状の弁軸部7Bと、該弁軸部7Bの軸方向他側に設けられた雄ねじ部7C等とにより構成されている。
また、棒状弁体7の弁軸部7Bには、外周側の中間部位に1条、2条または3条のねじ形状をなす螺旋溝7Dが形成され、この螺旋溝7Dは、ノズルボディ6の小径穴部6Bとの間でノズルボディ6内を螺旋状に延びる冷却水通路8を構成するものである。
9は棒状弁体7の雄ねじ部7Cに螺合して設けられた段付筒状のばね受体で、該ばね受体9は、ノズルボディ6の端面側から大径穴部6C内に移動可能(摺動可能)に挿嵌され、ノズルボディ6内で棒状弁体7が円滑に変位するのを補償している。また、ばね受体9の外周側には、ノズルボディ6の端面と軸方向で対向する環状の段部9Aが設けられ、該段部9Aは、棒状弁体7の最大開度(弁開度)を図2中に示す寸法Sに規制するものである。
また、ばね受体9には、周方向に間隔をもって複数の液穴9B,9B,…が軸方向に穿設され、これらの各液穴9Bは、図1に示す如く冷却水配管4からノズルホルダ3を介して矢示B方向に供給される冷却水を、ノズルボディ6内の螺旋状なす冷却水通路8に向けて流通させるものである。さらに、ばね受体9は、棒状弁体7の雄ねじ部7Cに対する螺合位置を変えることにより、後述するスプリング12の設定圧を可変に調整する機能も有している。
10はばね受体9に螺着して設けられた固定ねじで、該固定ねじ10は、図2に示すようにばね受体9の径方向に延び、先端側が雄ねじ部7Cの外周に当接している。これにより、固定ねじ10は、棒状弁体7の雄ねじ部7Cに対するばね受体9の緩止めを行うものである。
11はばね受体9に設けられた廻止めピンで、該廻止めピン11は、ばね受体9の外周からノズルボディ6の凹溝6F内に向けて突出し、その突出端側が凹溝6Fに摺動可能に係合している。これにより、廻止めピン11は、棒状弁体7とばね受体9がノズルボディ6に対して相対回転するのを規制するものである。
12はノズルボディ6の大径穴部6C内に位置してばね受部6Eとばね受体9との間に設けられた付勢部材としてのスプリングを示し、該スプリング12は、ばね受体9と共に棒状弁体7を図2中の矢示C方向に付勢することにより、弁部7Aをノズルボディ6の噴霧口6Dに押付けて棒状弁体7を閉弁状態に保つものである。
そして、図1に示す冷却水配管4からノズルホルダ3を介して矢示B方向に供給される冷却水の圧力が、スプリング12の設定圧を越えたときには、棒状弁体7が図2中の矢示D方向(開弁方向)に変位するのを許すように、スプリング12は矢示D方向に撓み変形されるものである。
この場合、スプリング12の設定圧は、棒状弁体7の雄ねじ部7Cに螺合したばね受体9の螺合位置を必要に応じて変えることにより、例えば0.5〜1.0MPa程度の範囲内で可変に設定されるものである。なお、固定ねじ10と廻止めピン11は、雄ねじ部7Cに対するばね受体9の螺合位置の調整後に、ばね受体9に取付けられる。
本実施の形態による減温器1は、上述の如き構成を有するもので、次に、その作動について説明する。
まず、給水源から冷却水配管4を介してノズルホルダ3内へと矢示B方向に供給される冷却水は、ばね受体9の液穴9Bを介してノズルボディ6内へと流入する。そして、冷却水の圧力がスプリング12の設定圧を越えるまでは、棒状弁体7がスプリング12により閉弁状態に保持される。
しかし、冷却水の圧力が漸次上昇しスプリング12の設定圧(例えば、0.8MPa程度)を越えたときには、棒状弁体7が図2中の矢示D方向(開弁方向)に変位するのを許すようにスプリング12が撓み変形し、棒状弁体7の弁部7Aがノズルボディ6の噴霧口6Dを開く。
そして、棒状弁体7の弁部7Aが開弁すると、蒸気配管2内を矢示A方向に流通している過熱蒸気に向けて、ノズルボディ6内の冷却水が噴霧口6Dから噴霧される。また、このときにノズルボディ6内の冷却水は、螺旋状をなした冷却水通路8を流通する間に旋回運動が与えられ、噴霧口6Dから矢示E方向に旋回流状態の冷却水を噴霧することができる。
この結果、蒸気配管2内を矢示A方向に流通する過熱蒸気には、スプレーノズル5から旋回流状態の冷却水を、微細な冷却水の噴霧粒子として噴霧することができ、蒸気配管2内の蒸気に対して微細な冷却水の噴霧粒子を均一に接触、混合させ、蒸気温度のバラツキを抑えることができる。そして、蒸気配管2内の蒸気は、微細な冷却水の噴霧粒子と広範囲で接触し、均一に混合されることにより蒸気温度にバラツキが生じるのを低減でき、蒸気温度の調整を高精度に行うことができる。
このように本実施の形態によれば、スプレーノズル5から蒸気配管2内の蒸気中に噴霧される冷却水の噴霧粒子を、矢示E方向の旋回流により微細化することができ、微細な冷却水の噴霧粒子を蒸気配管2内の蒸気と均一に混合させることができる。そして、冷却水の微細な噴霧粒子により配管2内の蒸気をほぼ均等に減温することができる。
従って、本実施の形態によれば、スプレーノズル5の噴霧口6Dから冷却水を旋回流状態で噴霧させることにより、噴霧水の微細化を図ることができ、蒸気配管2内を流れる過熱蒸気等の蒸気温度を高精度に調整できると共に、蒸気温度にバラツキが生じるのを抑えることができる。
次に、図3および図4は本発明の第2の実施の形態を示し、本実施の形態の特徴は、スプレーノズルの弁体を筒状弁体とし、その内周側に小径の棒状弁体を設ける構成としたことにある。なお、本実施の形態では、前述した第1の実施の形態と同一の構成要素に同一の符号を付し、その説明を省略するものとする。
図中、21は本実施の形態で採用した減温器で、該減温器21は、第1の実施の形態で述べた減温器1とほぼ同様に、ノズルホルダ3、冷却水配管4および後述のスプレーノズル22により構成されている。しかし、この場合の減温器21は、スプレーノズル22の構造が異なるものである。
22は減温器21の主要部を構成する蒸気減温用のスプレーノズルで、該スプレーノズル22は、第1の実施の形態で述べたスプレーノズル5と同様に、ノズルボディ6、冷却水通路8およびばね受体9等により構成されている。しかし、この場合のスプレーノズル22は、後述の筒状弁体23および棒状弁体26を備えている点で異なるものである。
23はノズルボディ6内に設けられた弁体としての筒状弁体で、この筒状弁体23は、その外形状が第1の実施の形態で述べた棒状弁体7とほぼ同様に形成され、図4に示す如くノズルボディ6の噴霧口6Dを開,閉する弁部23A、段付円柱状の弁軸部23B、雄ねじ部23Cおよび螺旋溝23D等を有して構成されている。
しかし、筒状弁体23の内周側は、図4に示すように後述の棒状弁体26が摺動可能に挿嵌される他の弁体挿嵌穴23Eとなり、該弁体挿嵌穴23Eの軸方向一側は、他の噴霧口23Fとなって外部に開口している。また、筒状弁体23には、弁軸部23Bと雄ねじ部23Cとの間に位置して弁体挿嵌穴23Eと径方向で連通する他の液穴23G,23G,…が形成されている。
そして、弁体挿嵌穴23E内は、これらの液穴23Gから噴霧口23Fに至る部位が筒状弁体23内を軸方向に延びる軸方向通路24となり、この軸方向通路24内には、ノズルボディ6内の冷却水が各液穴23Gを介して流通するものである。また、軸方向通路24の軸方向他側は、後述する棒状弁体26の摺動軸部26Cにより閉塞されている。
また、筒状弁体23の内周側には、弁体挿嵌穴23Eの他側部位を拡径することにより形成されたスプリング収容穴23Hが設けられ、このスプリング収容穴23Hは、後述のスプリング29をばね受27との間でプリセット状態(圧縮状態)に保持するものである。
25はノズルボディ6のばね受部6Eとばね受体9との間に配設された付勢部材としてのスプリングで、該スプリング25は、第1の実施の形態で述べたスプリング12と同様に構成されている。しかし、この場合のスプリング25は、筒状弁体23を開,閉するときの設定圧がスプリング12とは異なる値(例えば、0.5MPa程度)に設定されるものである。
26は筒状弁体23の弁体挿嵌穴23E内に摺動可能に挿嵌して設けられた棒状弁体で、該棒状弁体26は、筒状弁体23内を中心軸O−Oに沿って軸方向に延びる小径の棒状体として形成されている。そして、棒状弁体26は、軸方向一側が筒状弁体23の噴霧口23Fを開,閉する弁部26Aとなった段付円柱状の弁軸部26Bと、該弁軸部26Bの軸方向他側に設けられた摺動軸部26C等とにより構成されている。
ここで、棒状弁体26の摺動軸部26Cは、筒状弁体23の弁体挿嵌穴23Eに対応する外径寸法を有し、該弁体挿嵌穴23E内を軸方向に摺動変位すると共に、筒状弁体23内の軸方向通路24を液穴23Gの近傍位置で閉塞するものである。そして、摺動軸部26Cの外周側には、筒状弁体23のスプリング収容穴23H側から外部に突出する端部側に雄ねじ26Dが形成され、この雄ねじ26Dには後述のばね受27が螺合されている。
また、棒状弁体26の弁軸部26Bには、その外周側の中間部位に1条、2条または3条のねじ形状をなす螺旋溝26Eが形成され、この螺旋溝26Eは、筒状弁体23の軸方向通路24内を噴霧口23Fに向けて流れる冷却水に、その螺旋形状に沿った旋回流を発生させるものである。
27は棒状弁体26の雄ねじ26Dに螺合して設けられた環状のばね受で、該ばね受27は、棒状弁体26の雄ねじ26Dに対する螺合位置を適宜に変えることにより、後述のスプリング29による設定圧を可変に調整するものである。また、ばね受27は、図4に示すように筒状弁体23の雄ねじ部23C端面との間に寸法S1 の隙間を形成し、棒状弁体26の最大開度(弁開度)を寸法S1 に規制するものである。
28はばね受27に螺着して設けられた固定ねじで、該固定ねじ28は、図4に示すようにばね受27の径方向に延び、先端側が棒状弁体26の雄ねじ26D当接している。これにより、固定ねじ28は、棒状弁体26の雄ねじ26Dに対するばね受27の緩止めを行うものである。
29は筒状弁体23のスプリング収容穴23Hとばね受27との間に設けられた他の付勢部材としてのスプリングで、該スプリング29は、ばね受27と共に棒状弁体26を図4中の矢示C方向に付勢することにより、弁部26Aを筒状弁体23の噴霧口23Fに押付けて棒状弁体26を閉弁状態に保つものである。
この場合、スプリング29の設定圧は、外側のスプリング25よりも小さい値(例えば、0.1〜0.4MPa程度の圧力値)に設定されている。そして、図3に示す冷却水配管4からノズルホルダ3を介して矢示B方向に供給される冷却水の圧力が、スプリング29の設定圧を越えたときには、棒状弁体26が図4中の矢示D方向(開弁方向)に変位するのを許すように、スプリング29は矢示D方向に撓み変形されるものである。
かくして、このように構成される本実施の形態でも、前記第1の実施の形態とほぼ同様の作用効果を得ることができ、蒸気配管2内を図3中の矢示A方向に流れる過熱蒸気を冷却水によって減温することができる。
特に、本実施の形態にあっては、スプレーノズル22のノズルボディ6内にスプリング25を介して筒状弁体23を開,閉可能に設けると共に、筒状弁体23内にはスプリング29を介して小径の棒状弁体26を開,閉可能に設ける構成としているので、下記のような作用効果を奏するものである。
即ち、冷却水の給水源から冷却水配管4を介してノズルホルダ3内へと図3中の矢示B方向に供給される冷却水は、ばね受体9の液穴9Bを介してノズルボディ6内へと流入すると共に、筒状弁体23の各液穴23Gを介して軸方向通路24内にも冷却水が流入する。
そして、例えば0.3MPa程度まで冷却水の圧力が上昇し、小さい方のスプリング29の設定圧を越えたときには、小径の棒状弁体26が図4中の矢示D方向に開弁して弁部26Aが筒状弁体23の噴霧口23Fを開く。そして、棒状弁体26の開弁によって、蒸気配管2内を矢示A方向に流通している過熱蒸気に向け、筒状弁体23の軸方向通路24内から冷却水が噴霧口23Fを通じて噴霧される。
そして、このときに軸方向通路24内の冷却水は、棒状弁体26の螺旋溝26Eに沿って流れる間に旋回運動が与えられ、筒状弁体23の噴霧口23Fからは旋回流状態の冷却水が矢示E1 方向に噴霧され、冷却水の微細な噴霧粒子を形成することができる。
かくして、この段階では小径の棒状弁体26のみを開弁させ、比較的少量の冷却水を蒸気配管2内の蒸気中に矢示E1 方向の旋回流として噴霧でき、最小制御流量による蒸気の減温作用を得ることができる。そして、蒸気配管2内を矢示A方向に流れる過熱蒸気等の温度を小さく減温でき、冷却水による蒸気の温度変化が過大になるのを抑えることができる。
次に、蒸気配管2内の蒸気温度をさらに下げる場合には、冷却水配管4を介してノズルホルダ3内に供給する冷却水の圧力を、例えば0.5MPa程度まで上昇させる。これにより、冷却水の圧力が大きい方のスプリング25の設定圧を越えると、ノズルボディ6内の筒状弁体23が図4中の矢示D方向に開弁して弁部23Aがノズルボディ6の噴霧口6Dを開く。
そして、この場合には既に開弁状態にある棒状弁体26に加えて筒状弁体23も開弁するために、蒸気配管2内を矢示A方向に流通している過熱蒸気に向け、ノズルボディ6内の冷却水を噴霧口6Dと筒状弁体23の噴霧口23Fとから共に噴霧することができる。
これにより、筒状弁体23の噴霧口23Fから旋回流状態の冷却水を矢示E1 方向に噴霧できると共に、ノズルボディ6の噴霧口6Dからは旋回流状態の冷却水を矢示E2 方向に噴霧することができ、両者の微細な冷却水の噴霧粒子によって蒸気配管2内の蒸気をより大きく減温することができる。
かくして、この段階では小径の棒状弁体26と大径の筒状弁体23とを共に開弁させ、比較的多量の冷却水を蒸気配管2内の蒸気中に矢示E1 ,E2 方向の旋回流状態で噴霧することができ、最大制御流量による蒸気の減温作用を得ることができる。そして、蒸気配管2内を矢示A方向に流れる過熱蒸気等の温度を大きく減温でき、蒸気の減温作用を大きくすることができる。
従って、本実施の形態によれば、冷却水の給水源側で可変に圧力制御を行うことにより、蒸気配管2内を流れる蒸気を広い温度範囲で減温することができ、蒸気温度の調整を高精度に行うことができると共に、蒸気配管2内の蒸気温度にバラツキが生じるのを効果的に抑えることができる。
次に、図5は本発明の第3の実施の形態を示し、本実施の形態の特徴は、蒸気流路の途中に配設されるノズルホルダに、2個のスプレーノズルを並置して設ける構成としたことにある。なお、本実施の形態では、前述した第1,第2の実施の形態と同一の構成要素に同一の符号を付し、その説明を省略するものとする。
図中、31は本実施の形態で採用した減温器で、該減温器31は、蒸気流路となる蒸気配管32の途中に設けられた後述のノズルホルダ33、冷却水配管34およびスプレーノズル35,36等により構成されている。そして、蒸気配管32内では矢示A方向に過熱蒸気が流通するものである。
33は減温器31の一部をなすノズルホルダで、該ノズルホルダ33は、第1の実施の形態で述べたノズルホルダ3とほぼ同様に冷却水配管34等を介して蒸気配管32の途中に設けられ、蒸気配管32内を径方向に延びている。しかし、この場合のノズルホルダ33は、2個のノズル取付穴33A,33Bが蒸気配管32の径方向に離間して設けられている。
そして、ノズルホルダ33には、これらのノズル取付穴33A,33Bを冷却水配管34に連通させる連通路33Cが形成されている。また、冷却水配管34は、第1の実施の形態で述べた冷却水配管4と同様に、冷却水ポンプ等の給水源から矢示B方向に冷却水が供給され、冷却水の圧力は、例えば0〜1.2MPa程度の範囲で可変に制御されるものである。
35はノズルホルダ33のノズル取付穴33Aに螺着して設けられた第1のスプレーノズルで、該スプレーノズル35は、第1の実施の形態で述べた図2に示すスプレーノズル5と同様に、ノズルボディ6、単一の棒状弁体7、ばね受体9およびスプリング12等により構成されている。
36は第1のスプレーノズル35から離間して設けられた第2のスプレーノズルで、該スプレーノズル36は、ノズルホルダ33のノズル取付穴33Bに螺着して取付けられ、第1のスプレーノズル35と同一の方向に配設されている。しかし、この場合のスプレーノズル36は、第2の実施の形態で述べた図4に示すスプレーノズル22と同様に、ノズルボディ6、ばね受体9、筒状弁体23、スプリング25、棒状弁体26およびばね受27等により構成されている。
かくして、このように構成される本実施の形態でも、前記第1の実施の形態とほぼ同様の作用効果を得ることができ、蒸気配管32内を矢示A方向に流れる過熱蒸気を冷却水によって減温することができる。
しかし、本実施の形態にあっては、蒸気配管32の途中に配設するノズルホルダ33のノズル取付穴33A,33Bに、互いに異なる第1,第2のスプレーノズル35,36を並置して設け、第1のスプレーノズル35は、そのノズルボディ6内に単一の棒状弁体7を備え、第2のスプレーノズル36は、ノズルボディ6内に筒状弁体23と一緒に小径の棒状弁体26を備える構成としているので、下記のような作用効果を奏するものである。
即ち、冷却水の給水源から冷却水配管34を介してノズルホルダ33内へと矢示B方向に流通する冷却水は、第1のスプレーノズル35と第2のスプレーノズル36とに供給され、第2のスプレーノズル36側では、ノズルボディ6内へと流入すると共に、筒状弁体23内にも各液穴23Gを介して冷却水が流入する。
そして、第2の実施の形態で述べたように筒状弁体23内の棒状弁体26は、例えば0.3MPa程度まで冷却水の圧力が上昇したときに開弁し、筒状弁体23の噴霧口23F(図4参照)から旋回流状態の冷却水を矢示E1 方向に噴霧でき、冷却水の微細な噴霧粒子を形成することができる。
このように、冷却水の圧力が0.3MPa程度の段階では、第2のスプレーノズル36側で小径の棒状弁体26のみを開弁させ、比較的少量の冷却水を蒸気配管32内の蒸気中に矢示E1 方向の旋回流として噴霧でき、最小制御流量による蒸気の減温作用を得ることができる。そして、蒸気配管32内を矢示A方向に流れる過熱蒸気等の温度を小さく減温でき、冷却水による蒸気の温度変化が過大になるのを抑えることができる。
次に、蒸気配管32内の蒸気温度をさらに下げる場合には、冷却水配管34を介してノズルホルダ33内に供給する冷却水の圧力を、例えば0.5MPa程度まで上昇させる。これにより、第2のスプレーノズル36側では冷却水の圧力がスプリング25の設定圧を越えると、ノズルボディ6内の筒状弁体23が開弁して弁部23Aがノズルボディ6の噴霧口6Dを開く。
これにより、筒状弁体23の噴霧口23Fから旋回流状態の冷却水を矢示E1 方向に噴霧できると共に、ノズルボディ6の噴霧口6Dからは旋回流状態の冷却水を矢示E2 方向に噴霧することができ、両者の微細な冷却水の噴霧粒子によって蒸気配管32内の蒸気をより大きく減温することができる。
このように、冷却水の圧力が0.5MPa程度の段階では、第2のスプレーノズル36側で小径の棒状弁体26と大径の筒状弁体23とを共に開弁させ、比較的多量(中間水量)の冷却水を蒸気配管32内の蒸気中に矢示E1 ,E2 方向の旋回流状態で噴霧することができ、中間制御流量による蒸気の減温作用を得ることができる。
次に、蒸気配管32内の蒸気温度をさらに下げる場合には、冷却水配管34を介してノズルホルダ33内に供給する冷却水の圧力を、例えば0.8MPa以上まで上昇させる。これにより、第1のスプレーノズル35側では冷却水の圧力がスプリング12の設定圧を越えると、ノズルボディ6内の棒状弁体7が開弁して弁部7Aがノズルボディ6の噴霧口6Dを開く。
これにより、第1のスプレーノズル35側でも、ノズルボディ6の噴霧口6Dから旋回流状態の冷却水を矢示E方向に噴霧することができ、第2のスプレーノズル36による矢示E1 ,E2 方向の噴霧水とによって蒸気配管32内の蒸気をさらに大きく減温することができる。
このように、冷却水の圧力が0.8MPa以上の段階では、第1のスプレーノズル35と第2のスプレーノズル36とにより多量の冷却水を、蒸気配管32内の蒸気中に矢示E,E1 ,E2 方向の旋回流状態で噴霧することができ、最大制御流量による蒸気の減温作用を得ることができる。そして、蒸気配管32内を矢示A方向に流れる過熱蒸気等の温度を大きく減温でき、蒸気の減温作用を大きくすることができる。
従って、本実施の形態によれば、冷却水の給水源側で可変に圧力制御を行うことにより、蒸気配管32内を流れる蒸気を広い温度範囲で減温することができ、蒸気温度の調整を高精度に行うことができると共に、蒸気配管32内の蒸気温度にバラツキが生じるのを効果的に抑えることができる。
そして、蒸気配管32内を流れる蒸気量が時々刻々と変化する場合でも、下流側の設定蒸気温度を維持するように噴霧水量(冷却水量)を前述の如く3段階で可変に制御して対処することができ、極めて高い制御レンジを実現することができる。
次に、図6ないし図8は本発明の第4の実施の形態を示し、本実施の形態の特徴は、例えば4個以上のノズル組立体(スプレーノズル)を蒸気流路の途中に設ける構成としたことにある。なお、本実施の形態では、前述した第2の実施の形態と同一の構成要素に同一の符号を付し、その説明を省略するものとする。
図中、41は本実施の形態で採用したリング型の減温器で、該減温器41は、蒸気流路の一部となる管体42と、該管体42の途中に設けられた後述のノズル組立体43および冷却水配管47〜49等により構成されている。そして、管体42内では、図7中の矢示A方向に過熱蒸気が流通するものである。
また、管体42は、内周側に断面三角形状をなす縮径部42Aが形成され、この縮径部42Aの位置には、管体42の中心軸O−Oに対して斜め(例えば、60度程度)となる方向で管体42の径方向に延びる複数の取付穴42B(図7中に1個のみ図示)が設けられている。そして、これらの取付穴42Bは、管体42の周方向に離間して4個以上、好ましくは6〜8個程度で設けられるものである。
43,43,…は管体42の途中に設けられたノズル組立体で、これらのノズル組立体43は、図7に示す如く小径筒部44Aと大径筒部44Bからなる外筒44と、該外筒44の大径筒部44Bを外側から閉塞する蓋体45と、外筒44の小径筒部44A内に螺着して設けられた内筒46と、後述のスプレーノズル50等とにより構成されている。
そして、各外筒44の小径筒部44Aは、管体42の各取付穴42B内に嵌合して溶接手段により固着され、管体42の中心軸O−Oに対し約60度だけ傾いた方向に配設されている。また、外筒44の大径筒部44B側には、後述の冷却水配管48,49等が接続され、外筒44内には図7中の矢示B方向に冷却水が供給されるものである。
また、外筒44の小径筒部44A内に設けられた内筒46は、ノズルホルダを構成し、内筒46の先端側は、後述するスプレーノズル50のノズルボディ51が螺着されるノズル取付穴46Aとなっている。そして、スプレーノズル50は外筒44、内筒46等と共に斜めに傾いた状態で管体42に取付けられるものである。
47,48,49は冷却水配管で、該冷却水配管47〜49のうち冷却水配管47は、第1の実施の形態で述べた冷却水配管4と同様に給水源に接続され、複数のノズル組立体43,43,…のうち一つのノズル組立体43と蓋体45側で接続されている。また、他の冷却水配管48,49は、各ノズル組立体43間を外筒44の大径筒部44B側で互いに接続しているものである。
50は本実施の形態で採用した蒸気減温用のスプレーノズルで、該スプレーノズル50は、第2の実施の形態で述べたスプレーノズル22とほぼ同様に構成され、図8に示す如く外周側のねじ部51Aにより内筒46のノズル取付穴46A内に螺着されたノズルボディ51と、後述の筒状弁体52、冷却水通路53、ばね受体55、スプリング56および棒状弁体57等とにより構成されている。
ここで、ノズルボディ51は、第1の実施の形態で述べたノズルボディ6とほぼ同様に構成され、弁体挿嵌穴となる小径穴部51B、大径穴部51C、噴霧口51D、環状のばね受部51Eおよび凹溝51F等を有している。そして、ノズルボディ51は、廻止めピン11を凹溝51Fに摺動可能に係合させ、後述の筒状弁体52がノズルボディ51に対して相対回転するのを規制する。
52はノズルボディ51内に設けられた弁体としての筒状弁体で、該筒状弁体52は、第2の実施の形態で述べた筒状弁体23と同様に形成され、弁部52A、段付円柱状の弁軸部52B、雄ねじ部52C、螺旋溝52D、他の弁体挿嵌穴52E、他の噴霧口52F、複数の液穴52Gおよびスプリング収容穴52H等を有している。
また、筒状弁体52の螺旋溝52Dは、ノズルボディ51の小径穴部51Bとの間でノズルボディ51内を螺旋状に延びる冷却水通路53を構成している。また、筒状弁体52の内周側は、液穴52Gから噴霧口52Fに至る部位が軸方向通路54となり、この軸方向通路54内には、ノズルボディ51内の冷却水が各液穴52Gを介して流通するものである。
55は筒状弁体52の雄ねじ部52Cに螺合して設けられた段付筒状のばね受体で、該ばね受体55は、第1の実施の形態で述べたばね受体9と同様に構成され、環状の段部55Aおよび複数の液穴55B,55B,…等を有している。そして、ばね受体55とノズルボディ51のばね受部51Eとの間には、筒状弁体52を閉弁方向に付勢する付勢部材としてのスプリング56が配設されている。
また、ばね受体55は、固定ねじ10により筒状弁体52の雄ねじ部52Cに対して緩止め状態に保持されている。そして、ばね受体55に設けた廻止めピン11は、筒状弁体52とばね受体55がノズルボディ51に対して相対回転するのを規制している。
57は筒状弁体52の弁体挿嵌穴52E内に摺動可能に挿嵌して設けられた棒状弁体で、該棒状弁体57は、第2の実施の形態で述べた棒状弁体26と同様に構成され、弁部57A、段付円柱状の弁軸部57B、摺動軸部57C、雄ねじ57Dおよび螺旋溝57E等を有しているものである。
58は棒状弁体57の雄ねじ57Dに螺合して設けられた環状のばね受で、該ばね受58も第2の実施の形態で述べたばね受27と同様に構成され、固定ねじ28を用いて棒状弁体57の雄ねじ57Dに緩止め状態で固定されているものである。また、筒状弁体52のスプリング収容穴52Hとばね受58との間には、他の付勢部材としてのスプリング59が設けられ、該スプリング59は、ばね受58と共に棒状弁体57を図8中の矢示C方向に付勢している。
これにより、スプリング59は、弁部57Aを筒状弁体52の噴霧口52Fに押付け、棒状弁体57を閉弁状態に保つものである。そして、図8に例示したノズル組立体43内を矢示B方向に供給される冷却水の圧力が、スプリング59の設定圧を越えたときには、棒状弁体57が図8中の矢示D方向に変位して開弁方向に駆動されるものである。
かくして、このように構成される本実施の形態でも、前記第2の実施の形態とほぼ同様の作用効果を得ることができ、管体42内を矢示A方向に流れる過熱蒸気に対し、ノズル組立体43内に図7中の矢示B方向で供給される冷却水を噴霧することができる。
特に、本実施の形態にあっては、管体42の周方向にノズル組立体43を複数個(例えば、4個以上、好ましくは6〜8個)設け、各ノズル組立体43のスプレーノズル50から斜めに冷却水を噴霧することにより、管体42内を矢示A方向に流れる過熱蒸気を、その周囲から効率的に減温することができる。
次に、図9および図10は本発明の第5の実施の形態を示し、本実施の形態の特徴は、例えば4個以下のノズル組立体(スプレーノズル)を蒸気流路の途中に設ける構成としたことにある。なお、本実施の形態では、前述した各実施の形態と同一の構成要素に同一の符号を付し、その説明を省略するものとする。
図中、61は本実施の形態で採用したリング型の減温器で、該減温器61は、蒸気流路の一部となる管体62と、該管体62の途中に設けられた後述のノズル組立体63および冷却水配管66,67等により構成されている。
63,63,…は管体62の途中に設けられた複数のノズル組立体で、これらのノズル組立体63は、第4の実施の形態で述べたノズル組立体43とほぼ同様に構成され、外筒64、蓋体65、内筒およびスプレーノズル(いずれも図示せず)等を有しているものである。
66,67は冷却水配管で、これらの冷却水配管66,67のうち冷却水配管66は、第1の実施の形態で述べた冷却水配管4と同様に給水源に接続され、複数のノズル組立体63,63,…のうち一つのノズル組立体63と蓋体65側で接続されている。また、他の冷却水配管67,67,…は、各ノズル組立体63の外筒64間を互いに接続しているものである。
かくして、このように構成される本実施の形態でも、前記第4の実施の形態とほぼ同様の作用効果を得ることができる。しかし、本実施の形態にあっては、図10に例示したように各ノズル組立体63の外筒64間を、それぞれ冷却水配管67により接続する構造であるため、管体62の周囲に設けるノズル組立体63の個数は、例えば2〜4個程度とするのが好ましいものである。
次に、図11および図12は本発明の第6の実施の形態を示し、本実施の形態の特徴は、スプレーノズルを小口径配管用の減温器に適用する構成としたことにある。なお、本実施の形態では、前述した第2の実施の形態と同一の構成要素に同一の符号を付し、その説明を省略するものとする。
図中、71は本実施の形態で採用した小口径配管用の減温器で、該減温器71は、蒸気流路の一部となる口径の小さい管体72と、該管体72の下流側にボルト73等を用いて接続された他の管体74と、後述の冷却水配管75と、管体72の流路途中に設けられた後述のスプレーノズル80等により構成されている。
ここで、管体72内には、その中心上に砲弾形状をなすノズル取付部72Aが径方向のブリッジ部72Bを介して設けられ、ノズル取付部72A内は有底のノズル取付穴72Cとなっている。また、ノズル取付部72Aの周囲には略半円形状に延びる円弧状流路72Dが例えば2個形成され、管体72内を蒸気は各円弧状流路72D等を介して管体74側へと矢示A方向に流通するものである。
75は管体72の径方向に設けられた冷却水配管で、該冷却水配管75は、第1の実施の形態で述べた冷却水配管4と同様に給水源に接続されている。また、管体72には、ブリッジ部72B内を径方向に延び、ノズル取付穴72Cを冷却水配管75に連通させる冷却水の導管76が設けられている。そして、冷却水配管75からの冷却水は、後述のスプレーノズル80内へと導管76を介して矢示B方向に供給されるものである。
80は本実施の形態で採用した蒸気減温用のスプレーノズルで、該スプレーノズル80は、第2の実施の形態で述べたスプレーノズル22とほぼ同様に構成され、図12に示す如く外周側のねじ部81Aにより管体72のノズル取付穴72C内に螺着されたノズルボディ81と、後述の筒状弁体82、冷却水通路83、ばね受体85、スプリング86および棒状弁体87等とにより構成されている。
ここで、ノズルボディ81は、軸方向の一側が大径のねじ部81Aとなり、軸方向の他側は小径筒部81Bとなっている。そして、ノズルボディ81の外周側には、ねじ部81Aと小径筒部81Bとの間に環状の段差からなるばね受部81Cが形成されている。
また、ノズルボディ81の内周側は弁体挿嵌穴81Dとなり、該弁体挿嵌穴81Dの軸方向一側は、噴霧口81Eとなって外部に開口している。また、ノズルボディ81の小径筒部81Bには、弁体挿嵌穴81D内を導管76に連通させる液穴81F,81F,…が周方向に離間して穿設されている。
82はノズルボディ81内に設けられた弁体としての筒状弁体で、該筒状弁体82は、第2の実施の形態で述べた筒状弁体23と同様に形成され、弁部82A、段付円柱状の弁軸部82B、雄ねじ部82C、螺旋溝82D、他の弁体挿嵌穴82E、他の噴霧口82F、複数の液穴82Gおよびスプリング収容穴82H等を有している。
また、筒状弁体82の螺旋溝82Dは、ノズルボディ81の弁体挿嵌穴81Dとの間でノズルボディ81内を螺旋状に延びる冷却水通路83を構成している。また、筒状弁体82の内周側は、液穴82Gから噴霧口82Fに至る部位が軸方向通路84となり、この軸方向通路84内には、ノズルボディ81内の冷却水が各液穴82Gを介して流通するものである。
85は筒状弁体82の雄ねじ部82Cに螺合して設けられた段付筒状のばね受体で、該ばね受体85は、第1の実施の形態で述べたばね受体9と同様に構成され、筒状弁体82の雄ねじ部82Cに対し固定ねじ(図示せず)等を用いて緩止め状態に保持されている。そして、ばね受体85とノズルボディ81のばね受部81Cとの間には、筒状弁体82を閉弁方向に付勢する付勢部材としてのスプリング86が配設されている。
87は筒状弁体82の弁体挿嵌穴82E内に摺動可能に挿嵌して設けられた棒状弁体で、該棒状弁体87は、第2の実施の形態で述べた棒状弁体26と同様に構成され、弁部87A、段付円柱状の弁軸部87B、摺動軸部87C、雄ねじ87Dおよび螺旋溝87E等を有しているものである。
88は棒状弁体87の雄ねじ87Dに螺合して設けられた環状のばね受で、該ばね受88も第2の実施の形態で述べたばね受27と同様に構成され、固定ねじ(図示せず)等を用いて棒状弁体87の雄ねじ87Dに緩止め状態で固定されている。また、筒状弁体82のスプリング収容穴82Hとばね受88との間には、他の付勢部材としてのスプリング89が設けられ、該スプリング89は、ばね受88と共に棒状弁体87を図12中の矢示C方向に付勢している。
これにより、スプリング89は、弁部87Aを筒状弁体82の噴霧口82Fに押付け、棒状弁体87を閉弁状態に保つものである。そして、冷却水配管75、導管76内を図11、図12中の矢示B方向に供給される冷却水の圧力が、スプリング89の設定圧を越えたときには、棒状弁体87が図12中の矢示D方向に変位して開弁方向に駆動されるものである。
かくして、このように構成される本実施の形態でも、前記第2の実施の形態とほぼ同様の作用効果を得ることができ、管体72内を矢示A方向に流れる過熱蒸気に対し、スプレーノズル80から冷却水を噴霧して高精度な減温制御を行うことができる。そして、本実施の形態にあっては、スプレーノズル80を小口径配管用の減温器71に良好に適用できるものである。
次に、図13は本発明の第7の実施の形態を示し、本実施の形態の特徴は、減温用のスプレーノズルを蒸気変換弁に適用する構成としたことにある。なお、本実施の形態では、前述した実施の形態と同一の構成要素に同一の符号を付し、その説明を省略するものとする。
図中、91は蒸気変換弁、92は該蒸気変換弁91の外殻を構成し、内部が蒸気流路となった弁箱で、該弁箱92は、過熱蒸気等の流入口92Aおよび流出口92Bと、該流入口92Aと流出口92Bとの間に位置し後述の弁筒93が嵌合される貫通穴92Cが穿設された仕切壁部92Dと、該仕切壁部92Dの貫通穴92Cと上,下で対向し後述のプラグガイド94等が設けられる筒状開口部92E等とを有している。
そして、弁箱92内は、仕切壁部92Dにより高温高圧室Fと減圧減温室Gとに区画されている。また、弁箱92の流出口92B側には、減温減圧室G内に臨んで後述のノズル組立体101が斜めに傾けた状態で取付けられている。
93は弁箱92の貫通穴92Cに嵌合して設けられた有底筒状の弁筒で、該弁筒93の周壁側には、複数のポート93A,93B等が径方向に穿設され、これらのポート93A,93Bは、後述するプラグ97の開口端97B側で開,閉される。そして、これらのポート93A,93Bを開いたときには、高温高圧室Fから減圧減温室Gに向けて蒸気が流通するものである。
94は弁箱92の筒状開口部92E内に嵌合して設けられた筒状のプラグガイドで、該プラグガイド94は、その内周側で後述のプラグ97を上,下に摺動可能に案内するものである。
95はプラグガイド94の上側に位置して弁箱92の筒状開口部92Eに設けられた蓋体で、該蓋体95は、固定リング96等を用いて筒状開口部92E内に固定され、筒状開口部92Eを上側から閉塞している。また、蓋体95内には、後述の弁軸99が上,下に摺動可能に挿嵌されている。
97は弁筒93内に摺動可能に挿嵌されたプラグで、該プラグ97は、有蓋筒状体として形成され、例えば四角形状をなす4個の径方向穴97A,97A,…が設けられている。そして、これらの径方向穴97Aは、プラグ97の上,下動に応じて高温高圧室F側に連通,遮断されるものである。
また、プラグ97の下端側は開口端97Bとなり、該開口端97Bは、プラグ97の上,下動に応じて弁筒93の各ポート93A,93Bを開,閉し、これにより、弁箱92の流入口92A(高温高圧室F)側は、流出口92B(減圧減温室G)側に連通、遮断されるものである。
98はプラグ97の上端側に設けられたリテーナで、該リテーナ98は、後述の弁軸99が上,下動するときにプラグ97と一体に上,下動するものである。即ち、弁軸99が上向き(矢示H方向)変位するときには、後述の鍔部99Aがリテーナ98に当接してプラグ97は上向き(開弁方向)に駆動される。
99はプラグ97を開,閉するための弁軸で、該弁軸99は、蓋体95内に摺動可能に挿嵌され、外部の弁駆動手段(図示せず)により矢示H,J方向に上,下動されるものである。また、弁軸99の下端側には鍔部99Aが設けられ、該鍔部99Aは、弁軸99を矢示H方向に上動させるときに、リテーナ98に下側から当接してプラグ97をリテーナ98と一体に変位させる。一方、弁軸99を矢示J方向へと下向きに変位(下動)させるときには、プラグ97がばね100を介して下向きに駆動され、弁筒93の各ポート93A,93Bは、プラグ97の開口端97B側で図示の如く閉塞される。
101,101,…は弁箱92の流出口92B側に設けられた複数のノズル組立体で、これらのノズル組立体101は、第4の実施の形態で述べたノズル組立体43とほぼ同様に構成され、外筒102、蓋体103、内筒104およびスプレーノズル105等を有している。そして、スプレーノズル105は、第4の実施の形態で述べたスプレーノズル50と同様に構成され、ノズルボディ106等を有している。
また、各ノズル組立体101の外筒102間には、それぞれ冷却水配管107が設けられ、これらの冷却水配管107は、第5の実施の形態で述べた冷却水配管67とほぼ同様に構成されている。そして、各ノズル組立体101のスプレーノズル105からは、弁箱92の減温減圧室G内に向けて冷却水を斜めに噴霧するものである。
かくして、このように構成される本実施の形態では、弁軸99によりプラグ97を矢示H方向に駆動すると、プラグ97の開口端97B側で弁筒93の各ポート93A,93Bが開かれ、弁箱92の流入口92Aから流出口92Bに向けて過熱蒸気が矢示A方向に流通する。そして、このときの蒸気は、弁筒93の各ポート93A,93Bを流通するときの圧力損失等で減圧され、高温高圧室Fと減温減圧室Gとの間には、例えば1MPa以上の圧力差が発生される。
また、弁箱92の減温減圧室G内では、各ノズル組立体101のスプレーノズル105から旋回流状態の冷却水が微細な粒子となって噴霧され、減温減圧室G内を流出口92Bに向けて流れる蒸気と接触、混合される。これにより、減温減圧室G内では、流通する蒸気を効率的に減温することができ、前述した第4の実施の形態とほぼ同様の作用効果を得ることができる。
次に、図14は本発明の第8の実施の形態を示し、本実施の形態の特徴は、減温用のスプレーノズルを異なる型式の蒸気変換弁に適用する構成としたことにある。なお、本実施の形態では、前述した実施の形態と同一の構成要素に同一の符号を付し、その説明を省略するものとする。
図中、111は所謂ストレート流れの蒸気変換弁を示し、該蒸気変換弁111は、後述する弁箱112の流入口112Aと流出口112Bとがほぼ同一方向に配置されている点で、第7の実施の形態による蒸気変換弁91とは異なっているものである。
112は蒸気変換弁111の外殻を構成し、内部が蒸気流路となった弁箱で、該弁箱112は、過熱蒸気等の流入口112Aおよび流出口112Bと、該流入口112Aと流出口112Bとの間に位置し後述のシートリング113が嵌合される貫通穴112Cが穿設された仕切壁部112Dと、該仕切壁部112Dの貫通穴112Cと上,下で対向し後述のケージ114が嵌合される筒状開口部112E等とを有している。
そして、弁箱112内は、仕切壁部112Dにより高温高圧室Fと減圧減温室Gとに区画されている。また、弁箱112の流出口112B側には、減温減圧室G内に臨んで後述のノズル組立体121が斜めに傾けた状態で取付けられ、冷却水が旋回流状態で噴霧されるものである。
113は弁箱112の貫通穴112Cに嵌合して設けられた筒状のシートリングで、該シートリング113は、後述のケージ114と共に弁筒を構成するものである。そして、シートリング113は、ケージ114と上,下で重合わせるように嵌合して設けられ、後述のプラグ118を図示の如く下側から閉弁位置に保持するものである。
114は弁箱112の筒状開口部112E内に嵌合して設けられた筒状のケージで、該ケージ114は、下端側がシートリング113の上端側に嵌合され、このシートリング113と共にプラグ118を摺動可能に案内する弁筒を構成している。
また、ケージ114の下部側には、複数のポート114A,114A,…が径方向に穿設され、これらのポート114A,114A,…は、後述のプラグ118によって開,閉される。そして、これらの各ポート114Aをプラグ118で開いたときには、高温高圧室Fから減圧減温室Gに向けて蒸気が流通するものである。
115はケージ114の上側に位置して弁箱112の筒状開口部112Eに設けられた蓋体で、該蓋体115は、ボルト116、ナット117等を用いて筒状開口部112E上に固定され、ケージ114と筒状開口部112Eを上側から閉塞している。また、蓋体115内には、後述の弁軸119が上,下に摺動可能に挿嵌されている。
118はケージ114内に摺動可能に挿嵌されたプラグを示し、該プラグ118は、例えば中実の円柱体として形成され、後述の弁軸119によりケージ114内を上,下動される。そして、プラグ118は、上,下動に応じてケージ114の各ポート114Aを開,閉し、これにより、弁箱112の流入口112A(高温高圧室F)側は、流出口112B(減圧減温室G)側に連通、遮断されるものである。
119はプラグ118を開,閉するための弁軸で、該弁軸119は、蓋体115内に摺動可能に挿嵌され、外部の弁駆動手段(図示せず)により矢示H,J方向に上,下動されるものである。そして、弁軸119が矢示H方向に駆動されるときには、プラグ118がシートリング113から離間し、各ポート114Aを開く。一方、弁軸119が矢示J方向へと下向きに駆動されるときには、プラグ118がシートリング113上に着座し、シートリング113とケージ114との間が遮断されるものである。
120は弁箱112の減温減圧室G内に設けられたカップ状のディフューザを示し、該ディフューザ120は、弁箱112の流出口112Bとケージ114との間に配設され、多数の小孔120A,120A,…を有している。そして、ディフューザ120は、各小孔120Aを介して蒸気の流れに絞り作用を与え、蒸気の流れを均一化すると共に、騒音等の発生を抑えるものである。
121は弁箱112の流出口112B側に設けられた複数のノズル組立体(1個のみ図示)で、該ノズル組立体121は、第4の実施の形態で述べたノズル組立体43とほぼ同様に構成され、外筒122、蓋体123、内筒124およびスプレーノズル125等を有している。そして、スプレーノズル125は、第4の実施の形態で述べたスプレーノズル50と同様に構成され、ノズルボディ126等を有している。
また、各ノズル組立体121の外筒122間には、それぞれ冷却水配管127が設けられ、これらの冷却水配管127は、第5の実施の形態で述べた冷却水配管67とほぼ同様に構成されている。そして、各ノズル組立体121のスプレーノズル125からは、弁箱112の減温減圧室G内に向けて冷却水を斜めに噴霧するものである。
かくして、このように構成される本実施の形態でも、前記第7の実施の形態とほぼ同様の作用効果を得ることができ、減温減圧室G内に流通してくる蒸気を効率的に減温することができる。
なお、前記第7の実施の形態では、各ノズル組立体101の外筒102間をそれぞれ冷却水配管107により接続する場合を例に挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限るものではなく、例えば図6、図7に示す冷却水配管48,49を用いて各ノズル組立体101の外筒102間を接続する構成としてもよい。そして、この点は第8の実施の形態についても同様である。
本発明の第1の実施の形態による蒸気減温用のスプレーノズルが設けられた減温器を示す縦断面図である。 図1に示すスプレーノズルの拡大断面図である。 第2の実施の形態による蒸気減温用のスプレーノズルが設けられた減温器を示す縦断面図である。 図3に示すスプレーノズルの拡大断面図である。 第3の実施の形態による2個のスプレーノズルが設けられた減温器を示す縦断面図である。 第4の実施の形態による複数のノズル組立体が設けられた減温器を示す外観図である。 ノズル組立体を管体と共に図6中の矢示 VII−VII 方向からみた拡大断面図である。 スプレーノズルを図7中の矢示VIII−VIII方向からみた拡大断面図である。 第5の実施の形態による複数のノズル組立体が設けられた減温器を示す外観図である。 複数のノズル組立体を管体と共に図9中の矢示X−X方向からみた断面図である。 第6の実施の形態によるスプレーノズルが設けられた減温器を示す縦断面図である。 図11中のスプレーノズルを拡大して示す要部拡大断面図である。 第7の実施の形態による複数のノズル組立体が設けられた蒸気変換弁を示す縦断面図である。 第8の実施の形態によるノズル組立体が設けられた蒸気変換弁を示す縦断面図である。
符号の説明
1,21,31,41,61,71 減温器
2,32 蒸気配管(蒸気流路)
3,33 ノズルホルダ
4,34,47,48,49,66,67 冷却水配管
5,22,35,36,50,80,105,125 スプレーノズル
6,51,81,106,126 ノズルボディ
6B,51B 小径穴部(弁体挿嵌穴)
6D,51D,81E 噴霧口
7 棒状弁体(弁体)
7D,23D,52D,82D 螺旋溝
8,53,83 冷却水通路
9,55,85 ばね受体
12,25,56,86 スプリング(付勢部材)
23,52,82 筒状弁体(弁体)
23F,52F,82F 他の噴霧口
24,54,84 軸方向通路
26,57,87 棒状弁体
26E,57E,87E 他の螺旋溝
29,59,89 スプリング(他の付勢部材)
81D 弁体挿嵌穴
42,62,72 管体(蒸気流路)
43,63,101,121 ノズル組立体
75,107,127 冷却水配管
92,112 弁箱(蒸気流路)

Claims (6)

  1. 蒸気流路の途中に設けられ冷却水の噴霧口が形成されたノズルボディと、該ノズルボディ内に設けられ前記噴霧口を開,閉する弁体と、該弁体と前記ノズルボディとの間に設けられ該弁体を閉弁方向に付勢した付勢部材とからなる蒸気減温用スプレーノズルにおいて、
    前記ノズルボディと弁体との間には、前記噴霧口から冷却水を旋回流状態で噴霧するため前記弁体の外周面に沿って螺旋状に延びる冷却水通路を形成したことを特徴とする蒸気減温用スプレーノズル。
  2. 前記ノズルボディは、前記噴霧口と連通し前記弁体が移動可能に挿嵌される弁体挿嵌穴を有し、前記冷却水通路は、前記弁体の外周側に形成され該弁体挿嵌穴内を螺旋状に延びる螺旋溝により構成してなる請求項1に記載の蒸気減温用スプレーノズル。
  3. 前記弁体は、前記ノズルボディ穴内を棒状をなして軸方向に延びる単一の棒状弁体により構成してなる請求項1または2に記載の蒸気減温用スプレーノズル。
  4. 前記弁体は、内周側に前記冷却水が流通する軸方向通路を有し該軸方向通路の先端側が他の噴霧口となった筒状弁体からなり、該筒状弁体内には、該筒状弁体の噴霧口を開,閉する棒状弁体と、該棒状弁体を閉弁方向に付勢する他の付勢部材とを設ける構成としてなる請求項1または2に記載の蒸気減温用スプレーノズル。
  5. 前記蒸気流路の途中には前記ノズルボディを複数個設け、これらの複数のノズルボディのうちいずれか一のノズルボディ内に設けられる前記弁体は、該ノズルボディ穴内を棒状をなして軸方向に延びる単一の棒状弁体からなり、他のノズルボディ内に設けられる前記弁体は、内周側に前記冷却水が流通する軸方向通路を有し該軸方向通路の先端側が他の噴霧口となった筒状弁体からなり、該筒状弁体内には、該筒状弁体の噴霧口を開,閉する棒状弁体と、該棒状弁体を閉弁方向に付勢する他の付勢部材とを設ける構成としてなる請求項1または2に記載の蒸気減温用スプレーノズル。
  6. 前記筒状弁体内に設ける前記棒状弁体には、前記筒状弁体の噴霧口から冷却水を旋回流状態で噴霧するため前記軸方向通路内を螺旋状に延びる他の螺旋溝を形成してなる請求項4または5に記載の蒸気減温用スプレーノズル。
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