JP2005066013A - 定常流ロータリ血液ポンプ制御のための方法及び装置 - Google Patents

定常流ロータリ血液ポンプ制御のための方法及び装置 Download PDF

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Hirohito Sumikura
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Abstract

【課題】ロータリ血液ポンプ制御システムにおいて、ポンプ動作状態の正常動作範囲から逸脱する急激な変化に応答して、ロータリ血液ポンプを自動的に効率的に動作させて対処し安全性等を確保する。
【解決手段】定常流ロータリ血液ポンプのための制御システムが提供される。血流ポンプの正常動作範囲が確立される。この正常動作範囲は正常ポンプ流量および正常ヘッド圧力を含み、正常動作範囲に基づき目標回転数が設定される。また、血液ポンプの現在動作状態が判断される。この現在動作状態は現在ポンプ流量、現在ヘッド圧力、及びポンプの現在回転数を含み、現在動作状態を正常動作範囲と比較する。この比較に基づき、利用することのできる複数の制御アルゴリズムから適切な制御アルゴリズムが選択される。選択されたアルゴリズムを用いてポンプの目標回転数を調整し、正常動作状態を維持又は回復する。
【選択図】図1


Description

本発明は、心不全の助けとなるロータリ血液ポンプの分野に関し、さらに詳しくは、遠心ポンプ又は軸流ポンプなどの定常流ロータリ血液ポンプ用制御システムに関するもので、
ポンプ流量が所定範囲外にあると検出されなければ身体の自律機能と競合しない定常流ロータリ血液ポンプの制御に関する。なお、本出願は、2002年9月10日出願の米国特許申請10/241,825号の一部継続出願である。
様々なロータリ血液ポンプが、心臓補助装置として使用するため開発され、現在も開発中である。拍動流ポンプに比べ、ロータリ血液ポンプは小型で効率がよく設計が単純といった幾つかの利点がある。
しかし、従来のロータリ血液ポンプ用のサーボ制御システムには、未だ開発の余地がある。ポンプと患者の状態を見守ることができるように、たいていの場合、技師が集中治療状態の患者を看視しなくてはならない。これは、現時点では、ポンプの回転数を制御するために人手が必要であるためである。
このロータリ血液ポンプを、左心補助人工心臓(LVAS)として用いる場合、圧力ヘッドが一定のポンプ回転数と伴に減少した際にはポンプ流量を増加しなければならない。なぜなら、ポンプインペラの一定した回転数ではなく、患者の生理的状態に合わせてこれらのパラメータが自動調整されるからである。しかし、生理的変化又は過大汲上げのため静脈還流が急に低くなるとポンプ入口に高い負圧が生じ、これが心房および静脈内で吸引状態を起こすことがある。この状態は患者に深刻な障害(痛手)を与え、死に至ることもある。
ロータリ血液ポンプは、養護施設及び保健医療環境など、病院環境の外で使用することが出来るので、ロータリ血液ポンプ用の人の監視及び介入が不要な制御用自動制御システムを備えることが必要である。このような制御システムにおいては、ポンプ動作状態の正常動作範囲から逸脱する急激な変化に応答して、ロータリ血液ポンプを自動的に効率的に動作させる必要がある。
本願発明において、血液ポンプの正常動作範囲が確定される。正常動作範囲には、正常ポンプ流量範囲及び正常圧力ヘッド範囲が含まれる。この正常動作範囲を基にポンプの目標回転数が設定出来る。また血液ポンプの現在動作状態を測定する。
現在動作状態には、現在ポンプ流量、現在圧力ヘッド、及びポンプの現在回転数が含まれる。この現在動作状態は正常動作範囲と比較することができ、その比較の結果に基づいて、複数の利用可能な制御アルゴリズムから適切な制御アルゴリズムを選択する。次いで、選択した制御アルゴリズムを用いてポンプの目標回転数を調節し、正常動作状態を維持又は回復することが出来る。
このロータリ血液ポンプは、左心補助人工心臓もしくは右心補助人工心臓として用いられる。この血液ポンプは、埋込み型装置もしくは外付け型とする。
現在ポンプ流量、現在圧力ヘッド、及び現在回転数の測定値を現在動作状態の判定に用いる。1つ以上のセンサを用いて、現在ポンプ流量、現在圧力ヘッド、及び現在回転数を測定する。当該センサは埋込み型センサであるが、代わりに外付け型センサであってもよい。
ポンプの目標回転数に関する目標動作点を決定することで、正常動作範囲が確定される。これにより、目標ポンプ流量及び目標圧力ヘッドも決まる。正常ポンプ流量範囲は目標ポンプ流量から偏差20%以内とし、正常圧力ヘッド範囲は目標圧力ヘッドから偏差25%以内とする。
正常動作範囲内にあるうちに正常動作状態制御アルゴリズムが選択される。この場合には、比例利得制御と微分利得制御を適用しポンプの目標回転数を維持する。比例利得制御と微分利得制御は下記の式に則って適用される。
u=Kp(Ytarget〜Y)
+Kd((d/dt)Ytarget〜(d/dt)Y)
uを前記ポンプの駆動信号とし、Yをポンプの回転数とし、Ytargetをポンプの目標回転数とし、Kp と比例利得、Kd を微分利得とする。Kp は約0.02に設定し、Kd
は約0.05に設定する。
現在動作状態が前記正常動作範囲を上回る場合は、第1異常動作状態制御アルゴリズムを選択する。正常動作範囲に回復するまで、このアルゴリズムが目標回転数を減少する。前記正常動作範囲に回復するまで、目標回転数を例えばt秒毎にxrpm分減少する。遠心ポンプに関しては、回転数を例えば5秒毎に約150rpm分減少することで正常動作範囲に回復すること、軸流ポンプに関しては、回転数を例えば5秒毎に約600rpm分減少することで正常動作範囲に回復することが研究により明らかになっている。
現在動作状態が前記正常動作範囲を下回る場合は、第2異常動作状態制御アルゴリズムを選択する。正常動作範囲に回復するまで、このアルゴリズムが目標回転数を増加する。前記正常動作範囲に回復するまで、目標回転数を例えば、t秒毎にxrpm分増加する。遠心ポンプに関しては、回転数を例えば5秒毎に約150rpm分増加することで正常動作範囲に回復すること、軸流ポンプに関しては、回転数を例えば5秒毎に約600rpm分増加することで正常動作範囲に回復することが研究により明らかになっている。
しかし、回転数を増加しても正常動作範囲に回復しないときは、(例えば、オーバポンピングのため)吸引状態があると判断し、吸引状態制御アルゴリズムを選択する。このアルゴリズムは、吸引およびオーバポンピングのないポンプ流を得るため、ポンプの目標回転数を連続して減少し、吸引状態を解除する。吸引状態が解除されると、ポンプの目標回転数を次第に増加して前記正常動作範囲に回復する。
吸引状態の解除に当たっては、目標回転数をt秒毎にx1rpm分連続して減少する。吸引状態が解除されたら、目標回転数をt秒毎にx2rpm分連続して増加し、正常動作状態を回復する。
遠心ポンプに関しては、ポンプの回転数を5秒毎に約150rpm分(即ち、x1が約150rpmでtが、約5)減少すると、吸引状態が解除されることが研究により明らかになっている。次いで、ポンプの回転数を5秒毎に約50rpm分(即ち、x2が約50rpmで、tが約5秒)増加することで正常動作範囲を回復する。
軸流ポンプに関しては、ポンプの回転数を5秒毎に約600rpm分(即ち、x1が約600rpmで、tが約5)減少すると、吸引状態が解除されることが研究により明らかになっている。次いで、ポンプの回転数を5秒毎に約200rpm分(即ち、x2が約200rpmで、tが約5秒)増加することで正常動作範囲に回復する。
本発明において、ポンプは、ポンプインペラに磁石を埋め込まれた遠心ポンプを含む。公知のホール効果を利用した1つ以上のホールセンサを用い、ポンプインペラ位置を検出する。ホールセンサは、ポンプインペラの垂直及び/又は水平位置の検出に用いる。インペラ位置を上部接触位置又はダイナミックサスペンション位置のうち1つに維持するため、ホールセンサが検出する位置に基づきインペラの回転数を調節する。例えばインペラ位置が底部接触位置又はその近くにあるとホールセンサが判定した場合、インペラ回転数を増加してインペラ位置をダイナミックサスペンション位置又は上部接触位置に移動するのが望ましい。インペラが底部接触位置に止まると凝血が形成されるからである。
本発明の追加の実施例におけるロータリ血液ポンプは、軸流ポンプを含む。このポンプは、インペラに埋込みまれた1つ以上の磁石を含む。このポンプを心室補助循環装置として用いるとき、自然心臓の拍動がインペラに影響を与える。例えば、インペラはインペラ懸垂装置の軸に沿って水平に前後に動く。凝血又は血栓の形成を防止するためには、インペラを支持構造体との間でダイナミックサスペンションの位置に保つのが望ましい。血栓の形成を防止するには、インペラと支持構造体との間に少なくとも100ミクロンの間隙が必要である。このような抗血栓位置(ダイナミックサスペンション位置)はポンプの正常動作状態と同じである。
定常流ロータリ血液ポンプを制御する方法及び装置において、ポンプ動作状態の正常動作範囲から逸脱する急激な変化に応答して、ロータリ血液ポンプを自動的に効率的に動作させることができる。
以下は好ましい実施形態を示すものであり、本発明の範囲、適用、又は構成の限定を意味するものではない。むしろ、以下の実施形態の詳細説明は、当業者に本発明を好適に具体化できる解説を提供するであろう。添付請求項に規定する本発明の精神と範囲を逸脱することなく、細部の機能及び配置に各種の変更を行うことができることは理解されるものである。
本発明は、ロータリ血液ポンプ用の制御手段を提供する。ポンプを耐久性のある血栓形成防止ロータリ血液ポンプとして動作させるため心不全用のパイバスとして埋め込む際、油圧的又は磁気的いずれかの手段を用いてポンプインペラを動的に懸垂しなければならない。このロータリ血液ポンプは、遠心ポンプ又は軸流ポンプなどを含む。
遠心ポンプに関して、インペラの回転数が自然心臓の拍動と同期するとき、インペラのダイナミックサスペンションが確立される。一定の回転数範囲内で、インペラがダイナミックサスペンションを達成する。一般的に、遠心ポンプに関しては、インペラの回転数範囲は約2,000±1.000RPMで4L/分±2L/分のポンプ流量を生じなくてはならない。インペラは、自然心臓が拡張期にあるときはポンプ上方に向かって動き、自然心臓が収縮期にあるときはポンプの下方に向かって移動する。雄と雌の軸受けの間に規定の間隙が、ダイナミックサスペンションを維持するのに必要である。一般的に、この間隙は、400ミクロン以上の値でなくてはならず、この間隙が400ミクロン以下であると(一般的には、80ミクロンまで)、血栓形成防止に有効なサスペンションが起こらない。上下ハウジング間のインペラの運動により、ポンプ内の血液滞留領域が周期的(一般的に約100拍動/分)に減少又は取り除かれる。したがって、血液ポンプ内の血栓生成領域も取り除かれる。
流入管が垂直でないか、又は、雄(小さい方)と雌(大きい方)の軸受け径が異なる血液ポンプ内の血栓生成領域の減少を更に促進するため、インペラの振り子運動を発生させて自然心臓と同期させなければならない。一般的に、インペラが血液ポンプ内部で上部接触モードにあるとき、この振り子運動が発生する。
また、軸流血液ポンプのインペラのダイナミックサスペンションも適切な条件下で可能である。インペラがインペラ懸垂システムの軸に沿って、水平に前後に運動するようにインペラのダイナミックサスペンションを、自然心臓の拍動と同期させなければならない。このようなインペラ運動によって、インペラとその前後の支持構造体との間の間隙に血栓が形成されるが防止されるのである。この形のダイナミックサスペンションに必要な間隙もまた約100ミクロン超である。
遠心ポンプに関して上述したように、インペラ運動を自然心臓の拍動と同期させることが、軸流ポンプ内での凝血形成を避けるのに不可欠である。
一般的に、軸流ポンプは臨床的に必要な4L/分±2L/分の血流を生じるため、10,000±4,000RPMの範囲内で動作する。心拍により起こるインペラの前後運動中、インペラとその支持構造体との間に少なくとも100ミクロンの間隙が維持されるように前記の回転数範囲内でインペラのダイナミックサスペンションが確立されなければならない。100ミクロンより大きい間隙が好ましいが、ポンプ構造によりかなり変化するものである。また、軸流ポンプ構造での間隙が余り大き過ぎると、例えばデカップリングが発生することもある。
また、磁気的にもインペラの懸垂をおこなうことができる。いかなる懸垂方法においても、軸流ポンプの軸に沿ったインペラの前後運動が耐久性があり、血栓の無い動作を実現するため必要である。
図1に図示した実施例において、確定済みの正常動作範囲を有するロータリポンプ10を備えている。正常動作範囲には、正常ポンプ流量範囲及び正常圧力ヘッド範囲が含まれる。また、正常動作範囲に基づく目標回転数でポンプ10を駆動できるモータドライバ12を、血液ポンプ10の現在動作状態を見極めることができる状態推定器14を備えている。現在動作状態には、現在ポンプ流量、現在圧力ヘッド、及びポンプの現在回転数が含まれる。(1)現在動作状態と正常動作範囲との比較を可能にし、(2)利用し得る複数の制御アルゴリズム18の中から、前記比較に基づいて適切な制御アルゴリズムを選択するのを可能にするプロセッサ16を備えている。前記正常動作範囲の維持又は回復のため、前記選択した制御アルゴリズムを用いて前記ポンプの目標回転数を調節することがコントローラ20により可能になる。
ロータリ血液ポンプ10は、左心補助人工心臓もしくは右心補助人工心臓として用いる。ロータリ血液ポンプ10は、埋込み型装置又は外付け型装置である。
現在動作状態を判定するため、現在ポンプ流量及び現在圧力ヘッドの測定値(合わせて22と示す)を状態推定器14に伝える。ポンプ10の目標回転数を維持するのに用いるため、現在回転数24の測定値をコントローラ20に伝える。現在ポンプ流量、現在圧力ヘッド、及び現在回転数は、1つ以上のセンサを用いて測定する。1つ以上のセンサは埋込み可能センサである。本発明を実行するため外付けセンサもまた用いられることを当業者は理解するであろう。
ポンプ10の目標回転数に関する目標動作点を決定することで、正常動作範囲が確定される。これにより、目標ポンプ流量及び目標圧力ヘッドも決まる。目標ポンプ流量から偏差20%で正常ポンプ流量範囲が設定され、目標圧力ヘッドから偏差25%で正常圧力ヘッド範囲が設定される。
ポンプ流量対圧力ヘッドのプロットが図2に示され、目標動作点を中心とした正常動作範囲の例が明らかになる。図2に示す例の目標動作点は、毎分5リットルで100mmHgである。正常ポンプ流量範囲は、目標動作点ポンプ流量から20%偏差以内、即ち毎分4〜6リットルの範囲内である。正常圧力ヘッドは目標動作点圧力ヘッドから25%偏差以内、即ち75〜125mmHgの範囲内である。正常動作範囲外では、異常状態又は吸引状態が検出される。
身体の循環リズム、身体の生理学的変化、及び測定ノイズの影響に基づいて、正常ポンプ流量範囲及び正常圧力ヘッド範囲を確定する。正常動作範囲内では、人体の自然な生理的コントロールメカニズムが、末梢抵抗などポンプ10への後負荷を変化させることで現在条件を調節すると想定される。このように、異常状態が検知されなければ、本発明の制御機構が身体の自律機能を妨害したり競合することはない。異常状態とは、現在のポンプ流量又は圧力ヘッドが正常動作範囲外にある状態である。そのような状態の下では、身体の生理的コントロールメカニズムの制御を超える異常な問題が生じる。
正常動作範囲にあるときは、プロセッサ16が、正常動作状態制御アルゴリズムを選択する。コントローラ20が、正常動作状態アルゴリズムに従いポンプ10に対し比例利得制御及び微分利得制御を適用することでポンプ10の目標回転数を維持する。比例利得制御及び微分利得制御は、下記の式に基づき適用される。
u=Kp(Ytarget〜Y)
+Kd((d/dt)Ytarget〜(d/dt)Y)
ここで、uはポンプ10の駆動信号、Yはポンプ10の回転数、Ytargetはポンプ10の目標回転数、Kpは比例利得で、Kdは微分利得である。一例として、Kpは約0.02に設定し、Kdは約0.05に設定する。
現在動作状態が前記正常動作範囲を上回る場合、プロセッサ16が第1異常動作状態制御アルゴリズムを選択する。正常動作範囲に回復するまで、第1異常動作状態制御アルゴリズムに基づき、コントローラは目標回転数を減少する。正常動作範囲に戻るまで、例えば目標回転数をt秒毎にxrpm分をコントローラが減少する。ポンプが遠心ポンプである実施例においては、xを約150rpmに設定し、tを約5秒に設定する。ポンプが軸流ポンプである実施例においては、xを約600rpmに設定し、tを約5秒に設定する。
現在動作状態が前記正常動作範囲を下回る場合、プロセッサ16が第2異常動作状態制御アルゴリズムを選択する。正常動作範囲に回復するまで、第2異常動作右状態制御アルゴリズムに基づき、コントローラは目標回転数を増加する。前記正常動作範囲に戻るまで、目標回転数を例えばt秒毎にx
rpm分をコントローラが増加する。ポンプが遠心ポンプである実施例においては、xを約150rpmに設定し、tを約5秒に設定する。ポンプが軸流ポンプである実施例においては、xを約600rpmに設定し、tを約5秒に設定する。
目標回転数を増加することによって正常動作範囲に回復しない場合は、吸引状態が存在する。現在動作状態が正常動作範囲を下回り、異常状態から回復しようとするときに吸引状態が生じる。上述のように、当該異常動作状態においては、正常動作状態に回復しようとして目標回転数を増加する。しかし、目標回転数を増加した後も異常状態が続くとオーバポンピングとなりその結果、心壁がポンプの吸込口に引きつけられる吸引状態が生じる。
当該吸引状態の場合、プロセッサ16が吸引状態制御アルゴリズムを選択する。コントローラ20がポンプ10の目標回転数を連続して減少し、吸引状態を解除し、吸引がなくオーバポンピングのないポンプ流を得る。吸引状態が解除されると、コントローラ20はポンプの目標回転数を次第に増加し、前記正常動作範囲に回復する。吸引状態を解除するとき、目標回転数を例えばt秒毎にx1rpm分連続して減少し、吸引状態が解除されたら、目標回転数をt秒毎にx2rpm分連続的に増加する。ポンプが遠心ポンプである実施例においては、x1を約150rpm、x2を約50rpm、tを約5秒に設定する。ポンプが軸流ポンプである実施例においては、x1を約600rpm、x2を約200rpm、tを約5秒に設定する。
図3は、本発明の実施例の流れ図を示す。現在ポンプ流量及び現在圧力ヘッドを含めて、現在動作状態を検出する110。現在動作状態を正常動作範囲と比較して、現在動作条件が許容範囲内にあるか否かを判定する120。現在動作条件が許容範囲にあるときは、正常動作状態制御アルゴリズムを選択して130、図1との関連で上述したように、ポンプの目標回転数を維持する。
現在動作条件が許容範囲内になければ、現在ポンプ流量を正常ポンプ流量範囲と比較して、現在ポンプ流量が許容範囲内にあるか否かを判定する140。現在ポンプ流量が正常ポンプ流量範囲を上回るときは、第1異常動作状態アルゴリズムを選択して150、図1との関連で上述したように、ポンプの目標回転数を減少して正常動作範囲に回復する。現在ポンプ流量が正常ポンプ流量範囲を下回るときは、第2異常動作状態アルゴリズムを選択して160、図1との関連で上述したように、ポンプの目標回転数を増加して正常動作範囲に回復する。現在ポンプ流量が正常ポンプ流量範囲内にあるときは、現在圧力ヘッドを正常圧力ヘッド範囲と比較し、現在圧力ヘッドが許容範囲内にあるか否かを判定する170。現在圧力ヘッドが正常圧力ヘッド範囲を上回るときは、第1異常動作状態アルゴリズムを選択し150、ポンプの目標回転数を減少する。現在圧力ヘッドが正常圧力ヘッド範囲を下回るときは、第2異常動作状態アルゴリズムを選択し160、ポンプの目標回転数を増加する。
第2異常状態制御アルゴリズムが選ばれると160、微分ポンプ流量を測定して吸引状態の有無を判定する180。微分ポンプ流量がゼロより大きいときは、吸引状態は存在しない。微分ポンプ流量がゼロ未満であれば吸引状態が存在するので、吸引状態制御アルゴリズムを選択し190、ポンプの目標回転数を先ず減少して吸引状態を解除し、次に増加して、図1との関連で上述したように正常動作範囲に回復する。
図4に示すように、ロータリ血液ポンプは遠心ポンプ10’であってもよい。この実施例において、遠心ポンプ10’はインペラ15に埋め込まれた磁石13を1つ以上有する。ポンプ10’を補助人工心臓として用いるとき、自然心臓の拍動がインペラ15に影響を与える。例えば、心臓拡張期においてインペラは上部接触位置に向かって運動し、心臓収縮期においてインペラ15は、底部接触位置に向かって運動する。また、インペラ15の左右の運動も自然心臓の拍動により生じる。凝血又は血栓の形成を防止するためには、インペラ15を、上部接触位置もしくはダイナミックサスペンション位置のいずれかに保つのが望ましい。当該血栓形成防止位置(上部接触位置又はダイナミックサスペンション位置)は、ポンプ10’の正常動作状態と同じである。
公知のホール効果を利用し、磁石13の位置からインペラ15の運動を検出するため、ホールセンサ11を用いる。ポンプ10’とポンプ動作装置17との間にホールセンサ11を置く。動作装置17とポンプ10’との間に(図4に示すように)置くための孔21が中心にある円盤19内に配置された多数のホールセンサ11a〜11fを含むホールセンサ11を図5に示す。各センサ11a〜11fは、図1のコントローラ20などに接続する導電線3を有する。
図5に、6個のホールセンサ11a〜11fを示す。当業者が本発明を実施するために、必要な読取り精度によって任意の数のホールセンサを使用してよいことが理解されるであろう。
ホールセンサ11を用いて、異常ポンプ状態を検出することができる。例えば、インペラ15が底部接触位置(この位置は血栓の形成を招きかねない)に向かって運動するとき、インペラ15の回転数をそれ相応に調節してこの運動を相殺し、インペラを抗血栓位置であるダイナミックサスペンション位置又は上部接触位置に回復することができる。図6のグラフに示すように、インペラ回転数の増加は、インペラ15を底部接触位置から上部接触位置(図6では1.6mm点で示す)に向かって移動する。したがって、血栓形成を防止するため、ホールセンサ11を制御機構の一部として用いて、インペラ15を上部接触位置又はダイナミックサスペンション位置のいずれかに保つことが出来る。
図7は、本発明の実施例の試験に用いるモデル左心臓循環回路の例を示す。示した例において、定常流ロータリ血液ポンプ10は、左心補助人工心臓として用い心尖(モデルではバッグ28として示す)と動脈室32との間に置く。動脈室32と左心房36の間に位置し、回転するクランプ装置34によって心臓の全抹消抵抗が与えられる。心臓は、拍動流ポンプ38として模擬することが出来る。モデルには、僧帽弁40及び大動脈弁42をもまた設ける。僧帽弁40の末梢端及び大動脈弁42の末梢端に、それぞれ圧力変換器44及び46を設ける。圧力変換器44及び46は、僧帽弁40と大動脈弁42との間の圧力を測定する。流量計48がポンプ10の出力側で流量を測定する。ポンプの回転数は、図1との関連で記述したように、モータドライバ12を用いて制御する。
試験に当たって、図7のモデル循環回路は水で満たす。バッグ28の容積は30mlで、心尖での吸入を模擬するため、ポンプ10の入口に取り付けられている。試験の際に使用する圧力ヘッドは、圧力変換器46で測定する大動脈血圧である。図7のモデルにおける左心補助人工心臓として遠心ポンプを使用して、実験を3回おこない、本発明のシステムの性能を試験した。
実験1:動作点制御に関するコントローラの評価 この実験においては、目標回転数を故意に上下に変化させたときのポンプ回転数の収斂の様子を評価した。この実験結果を図8に示す。
図8は、回転数対時間のグラフであって、正常動作状態アルゴリズムが加える比例制御及び微分制御に対する、ポンプ10の収斂応答時間の例を示す。図8に示す例において、ポンプ回転数の変化は5秒毎に150rpmと設定してある。ポンプの目標回転数(点線で示す)が、4秒目に150rpmだけ上向きに(1750rpmから1900rpmまで)調節されたことを示す。ポンプの実際回転数(実線で示す)は、比例制御及び微分制御に応答して、1900rpmの新目標速度に収斂するのに約5秒を要する。
実験2:異常状態からの回復に関するコントローラの評価 この実験においては、異常状態からの回復に当たってのコントローラ20の動作を評価するため、模擬循環回路の後負荷を増加することにより、正常状態を異常状態に変更する。後負荷は、クランプ装置34が提供する全抹消抵抗を増加することにより増加する。
図9(≡)〜9(≡)に、この実験結果を示す。図9(≡)に示すように、全抹消抵抗(後負荷)を増加することにより、ポンプ流量が減少する。ポンプ流量が許容範囲(図9(≡)に示すところでは4L/分など)以下に落ちると、異常状態が検出されるので、コントローラ20は、第2異常状態制御アルゴリズムを選択する。圧力ヘッドは、図9(≡)に示すように、許容範囲内に保たれている。図9(≡)は、正常ポンプ流量に回復するためポンプ10の目標回転数を増加する際の、第2異常状態制御アルゴリズムの動作を示す。図9(≡)において、ポンプの目標回転数は、図9(≡)に示すように、正常動作状態を回復するまで5秒毎に150rpm分増加する。
実験3:ポンプの吸引状態からの解放に関するコントローラの評価 吸引状態からの回復におけるコントローラ20を評価するため、ポンプ10の入口位置を変更して、後負荷を増加する。入口位置は、バッグ28の壁近くとする。
図10(≡)〜(≡)に、この実験結果を示す。図10(≡)に示すように、入口位置を変更して、後負荷を増加することにより、吸引状態を生じる。現在動作状態が、正常動作範囲の下に落ちると、図1との関連で記述したように、第2異常状態制御アルゴリズムを選択し、ポンプの目標回転数を増加する。図10(≡)に示すように、圧力ヘッドは、吸引状態惹起の間であっても、許容範囲内に維持されることがある。図10(≡)は、正常ポンプ流量範囲に回復するためのポンプの目標回転数が増加することを示す。
しかし、ポンプ流量が異常状態のままであると、吸引状態が検出される。このときは吸引状態制御アルゴリズムを選択するので、ポンプの目標回転数を先ず減少して吸引状態を解除し、次いで図10(≡)に示すように増加する。しかし、モデル循環回路の動作状態は変化しないので(即ち、吸引状態を生じた入口位置及び後負荷は、外部介入がないので定常のままである)、図9(≡)に示すように、モデル回路の正常動作状態を再建することは出来ない。
図10(≡)〜(≡)から分かるように、コントローラは吸引状態を解除することが出来るが、正常動作状態を再建することは出来ない。模擬循環回路は吸引状態に戻る。模擬循環回路の状態は、コントローラに応答して単独では変わらないからである。インビボ検査から、入口位置の変更が所定の回転数において、血流の急激な減少をもたらすことが推定される。身体自体の生理的コントロールメカニズムの適応性に起因する吸引状態から回復することが、本発明の制御系によって可能になる。
モデル環境において、正常動作状態を維持し及び回復するためのロータリ血液ポンプの制御に制御システムが有効であることが上述の実験で示される。
図11に示すように、ロータリ血液ポンプは軸流ポンプ200を含んでもよい。実施例において、軸流ポンプ200は、インペラ204に埋め込まれる1つ以上の磁石202を有する。インペラ202を駆動するため、モータ固定子を備えている。
ポンプ200を補助人工心臓として用いるとき、インペラ204は、自然心臓の拍動により影響を受ける。例えば、インペラ204はインペラ懸垂系の軸220に沿って水平に前後に運動する。軸受け228を用いて、インペラ204を機械的に懸垂する場合は、軸受け運動のため空間230が必要である。凝血又は血栓の形成を防止するため、インペラ204を、支持構造体222との間でダイナミックサスペンションの位置の保つこともまた望ましい。血栓の形成を防止するため、インペラ204と指示構造体222との間の間隙224には少なくとも100ミクロンが必要である。このような抗血栓位置(ダイナミックサスペンション位置)は、ポンプ200の正常動作状態と同じである。
図4及び5との関連で遠心ポンプについて記述したように、公知のホール効果を用いてインペラ204の位置を検出するため、ホールセンサ240もまた軸流ポンプ200に使用する。
インペラ202のダイナミックサスペンションもまた、機械的に代替して磁気的にも、空隙224を維持するよう、達成することができる。
本発明が、定常流ロータリ血液ポンプ制御のための有利な方法及び装置を提供することが、理解された筈である。
本発明を各種図解付き実施例との関連で記述したが、請求項に規定する本発明の精神と範囲を逸脱することなく、これに対し多数の変更及び翻案をおこなうことができる。
以下に、添付図面を参照して本発明を記述する。同種の参照番号は同種の要素を示す。
本発明の実施例のブロック図である。 本発明の実施例の動作状態に関する説明図である。 本発明の実施例の流れ図である。 本発明に記載のホールセンサを有する遠心ポンプの実施例を示す。 本発明に用いるためのホールセンサ構成例を示す。 図4のポンプのインペラ位置対回転数のグラフである。 本発明の実施例の試験に用いるモデル循環回路の例を示す。 本発明の実施例にしたがう定常流血液ポンプの収斂時間の図である。 (i)〜(iv)は、本発明の実施モデルにおいて異常状態から回復するときの実験結果を示す。 (i)〜10(iv)は、本発明の実施モデルにおいて吸引状態から回復するときの実験結果を示す。 本発明に記載の軸流ポンプの実施例を示す。

Claims (43)

  1. 軸流ロータリ血液ポンプを制御するための方法であって、
    正常ポンプ流量範囲と正常圧力ヘッド範囲とを含む血液ポンプの正常動作範囲を確定するステップと、
    前記正常動作範囲にしたがって、前記ポンプの目標回転数を選択するステップと、
    現在ポンプ流量と、現在圧力ヘッドと、ポンプの現在回転数とを含む血液ポンプの現在動作状態を判定するステップと、
    現在動作状態を正常動作範囲と比較するステップと、
    前記比較に基づいて、利用することの出来る複数の制御アルゴリズムから、適切な制御アルゴリズムを選択するステップと、
    前記正常動作範囲の維持又は回復のため、前記選択される制御アルゴリズムを用いて前記ポンプの目標回転数を調節するステップと、
    の各ステップを含む方法。
  2. 前記ロータリ血液ポンプを、左心補助人工心臓若しくは右心補助人工心臓のうち1つとして用いる、請求項1に記載の方法。
  3. 前記現在ポンプ流量と、前記現在圧力ヘッドと、前記現在回転数との測定値を、現在動作状態の決定に用いる、請求項1に記載の方法。
  4. 前記現在ポンプ流量と、前記現在圧力ヘッドと、前記現在回転数とを、1つ以上のセンサを用いて測定する、請求項3に記載の方法。
  5. 前記1つ以上のセンサが埋込み型センサである、請求項4に記載の方法。
  6. 前記正常動作範囲を確定するステップが、ポンプの目標回転数に関し、目標ポンプ流量と目標圧力ヘッドとを規定する目標動作点を確定するステップを含み、
    前記正常ポンプ流量範囲は、前記目標ポンプ流量から偏差20%以内であり、
    前記正常圧力ヘッド範囲は、前記目標圧力ヘッドから偏差25%以内である、
    請求項1に記載の方法。
  7. 前記正常動作範囲の間は、
    正常動作状態制御アルゴリズムを選択し、
    前記ポンプに対し比例利得制御と微分利得制御とを適用することにより、前記ポンプの前記目標回転数を維持する、
    請求項1に記載の方法。
  8. uを前記ポンプの駆動信号とし、
    Yをポンプの回転数とし、
    Ytargetをポンプの目標回転数とし、
    pを比例利得とし、
    dを微分利得とするとき、

    u=Kp(Ytarget−Y)
    +Kd((d/dt)Ytarget−(d/dt)Y)
    にしたがって、前記比例利得制御と微分利得制御とを適用する、請求項7に記載の方法。
  9. pを約0.02に設定し、
    dを約0.05に設定する、
    請求項8に記載の方法。
  10. 現在動作状態が前記正常動作範囲を上回る場合は、
    第1異常動作状態制御アルゴリズムを選択し、
    正常動作範囲に戻るまで、目標回転数を減少する、
    請求項1に記載の方法。
  11. 前記正常動作範囲に戻るまで、目標回転数をt秒毎にxrpm宛減少する、請求項10に記載の方法。
  12. xが約600rpmであり、
    tが約5秒である、
    請求項11に記載の方法。
  13. 現在動作状態が前記正常動作範囲を下回る場合は、
    第2異常動作状態制御アルゴリズムを選択し、
    正常動作範囲に戻るまで、目標回転数を増加する、
    請求項1に記載の方法。
  14. 前記正常動作範囲に戻るまで、目標回転数をt秒毎にx rpm宛増加する、請求項13に記載の方法。
  15. xが約600rpmであり、
    tが約5秒である、
    請求項14に記載の方法。
  16. 前記目標回転数を増加することによって正常動作範囲に回復しない場合に吸引状態が存在し、当該吸引状態の場合において、
    吸引状態制御アルゴリズムを選択し、
    吸引がなくオーバポンピングのないポンプ流を得るため、ポンプの目標回転数を連続的に減少することにより、吸引状態を解除し、
    前記吸引状態が解除されると、ポンプの目標回転数を次第に増加して前記正常動作範囲に回復する、
    請求項13に記載の方法。
  17. 吸引状態の解除に当たって、目標回転数をt秒毎にx1rpm宛連続的に減少し、
    吸引状態が解除されたら、目標回転数をt秒毎にx2rpm宛連続的に増加する、請求項16に記載の方法。
  18. 1が約600rpmであり、
    2が約200rpmであり、
    tが約5秒である、
    請求項17に記載の方法。
  19. 前記血液ポンプが、埋込み型ポンプ又は外付ポンプのうちの1つである、請求項1に記載の方法。
  20. 前記軸流ポンプが、ポンプインペラに埋込まれた磁石を有する、請求項1に記載の方法。
  21. 1つ以上のホールセンサを用いて前記ポンプインペラの位置を検出するステップを更に含む、請求項20に記載の方法。
  22. 1つ以上のホールセンサが、ポンプインペラの垂直又は水平運動のうち最低1つを検出する、請求項22に記載の方法。
  23. インペラの位置をダイナミックサスペンションの位置に保つため、前記検出ステップに基づいて、前記インペラの回転数を調節するステップを更に含む、請求項21に記載の方法。
  24. インペラと支持構造体との間の間隙を最低100ミクロンに維持するステップを更に含む、請求項23に記載の方法。
  25. 前記ダイナミックサスペンションを、磁気的に又は機械的に実現する、請求項23に記載の方法。
  26. 軸流ロータリ血液ポンプ制御用装置であって、
    正常ポンプ流量範囲と正常圧力ヘッド範囲とを含む確立された正常動作範囲を有する軸流ロータリ血液ポンプと、
    前記ポンプを、前記正常動作範囲にしたがって目標回転数で駆動することの出来るモータドライバと、
    ポンプの現在ポンプ流量と現在圧力ヘッドと現在回転数とを含む血液ポンプの現在動作状態を判定することの出来る状態推定器と、
    (1)現在動作状態と正常動作範囲との間の比較を可能にし、(2)利用することの出来る複数の制御アルゴリズムの中から、前記比較に基づいて適切な制御アルゴリズムを選択することを可能にするプロセッサと、
    前記正常動作範囲の維持又は回復のため、前記選択される制御アルゴリズムを用いて、前記ポンプの目標回転数を調節する能力のあるコントローラと、
    を含む装置。
  27. 前記ロータリ血液ポンプが、左心補助人工心臓若しくは右心補助人工心臓のうち1つとして用いられる、請求項26に記載の装置。
  28. 前記現在ポンプ流量と前記現在圧力ヘッドとの測定値が、現在動作状態判定のため状態推定器に供与され、
    前記現在回転数の測定値が、前記コントローラに供与される、
    請求項26に記載の装置。
  29. 前記現在ポンプ流量と、前記現在圧力ヘッドと、前記現在回転数とが、1つ以上のセンサを用いて測定される、請求項28に記載の装置。
  30. 前記1つ以上のセンサが埋込み型センサである、請求項29に記載の装置。
  31. 目標ポンプ流量と目標圧力ヘッドとを規定する前記正常動作範囲が、ポンプの目標回転数に関する目標動作点を決定するステップにより確定され、
    前記正常ポンプ流量範囲は、前記目標ポンプ流量から、偏差20%以内であり、
    前記正常圧力ヘッド範囲は、前記目標圧力ヘッドから、偏差25%以内である、
    請求項26に記載の装置。
  32. 前記正常動作範囲の間は、
    前記プロセッサが、正常動作状態制御アルゴリズムを選択し、
    前記コントローラが、前記ポンプに対し比例利得制御と微分利得制御とを適用することにより、前記ポンプの前記目標回転数を維持する、
    請求項26に記載の装置。
  33. uを前記ポンプの駆動信号とし、
    Y をポンプの回転数とし、
    Ytargetをポンプの目標回転数とし、
    pを比例利得とし、
    dを微分利得とするとき、

    u=Kp(Ytarget−Y)
    +Kd((d/dt)Ytarget−(d/dt)Y)
    にしたがって、前記比例利得制御と微分利得制御とを適用する、請求項32に記載の装置。
  34. pを約0.02に設定し、
    dを約0.05に設定する、
    請求項33に記載の装置。
  35. 現在動作状態が前記正常動作範囲を上回る場合は、
    前記プロセッサが、第1異常動作状態制御アルゴリズムを選択し、
    前記コントローラが、目標回転数を、正常動作範囲に回復するまで減少させ、
    請求項26に記載の装置。
  36. 前記正常動作範囲に回復するまで、目標回転数がt秒毎にx rpm宛減少する、請求項35に記載の方法。
  37. xが約600rpmであり、
    tが約5秒である、
    請求項36に記載の装置。
  38. 現在動作状態が前記正常動作範囲を下回る場合は、
    前記プロセッサが、第2異常動作状態制御アルゴリズムを選択し、
    前記コントローラが、目標回転数を、正常動作範囲に回復するまで増加させ、
    請求項26に記載の方法。
  39. 前記正常動作範囲に回復するまで、目標回転数がt秒毎にx rpm宛増加する、請求項38に記載の方法。
  40. xが約600rpmであり、
    tが約5秒である、
    請求項39に記載の方法。
  41. 前記目標回転数を増加することによって正常動作範囲に回復しない場合に吸引状態が存在し、当該吸引状態の場合とにおいて、
    前記プロセッサが、吸引状態制御アルゴリズムを選択し、
    前記コントローラが、吸引がなくオーバポンピングのないポンプ流を得るため、ポンプの目標回転数を連続的に減少することにより、吸引状態を解除し、
    前記吸引状態が解除されると、前記コントローラがポンプの目標回転数を次第に増加して前記正常動作範囲に回復させ、
    請求項38に記載の装置。
  42. 吸引状態の解除に当たって、目標回転数がt秒毎にx1rpm宛連続的に減少し、
    吸引状態が解除されたら、目標回転数がt秒毎にx2rpm宛連続的に増加する、請求項41に記載の方法。
  43. 1が約600rpmであり、
    2が約200rpmであり、
    tが、約5秒である、
    請求項42に記載の装置。
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