本発明は、信号帯域幅(例えばビットレート)の異なる光信号が波長分割多重された波長分割多重信号を信号帯域幅(ビットレート)に応じて分離し、それぞれ個別に処理する波長分割多重伝送システムおよび中継ノード(補償ノード)に関する。
近年、波長分割多重(WDM:Wavelength Division Multiplex)伝送システムの大容量化が進んでいる。大容量化の手法としては、多重化される波長数の増加および各波長の信号の伝送速度(ビットレート)の高速化の手法がとられる。このうち、ビットレートについては、現在、10Gbit/sのWDM伝送システムが既に実用化されており、40Gbit/sの光伝送システムの研究・開発が進められている。
しかしながら、40Gbit/sのWDM伝送システムの導入にあたっては、導入コストやインサービスでのアップグレードという観点から、多重化される波長の全てを一度に40Gbit/sのビットレートに切り替えるのではなく、既存の10Gbit/sのWDM伝送システムの一部の波長のビットレートを10Gbit/sから40Gbit/sに切り替えるか、あるいは、既存の10Gbit/sのWDM伝送システムの空いているチャネルに40Gbit/sのビットレートの光信号を増設するといった部分的なアップグレードが考えられている。つまり、10Gbit/sと40Gbit/sが混載されたシステムへのアップグレードが考えられている。
また、多重化される波長数の増加に伴い、光信号の波長間隔は高密度化され、現在、10Gbit/sのシステムでは、隣接する光信号の波長間隔(周波数間隔)が50GHzのシステムが製品化されており、40Gbit/sのシステムでは100GHzの波長間隔(周波数間隔)の利用が検討されている。
この高密度化においては、アレー導波路型回折格子(AWG:Arrayed Waveguide Grating)フィルタや多層膜フィルタによる1:Nチャネルの光合分波モジュールにて合分波された光を、インタリーバを用いてさらに合分波する方法が採られることが多い。この高密度化の指標には、単位周波数当たりのビットレートを示す周波数利用効率が用いられる。ビットレートが10Gbit/sで周波数間隔が50GHzのWDM伝送システムでは、周波数利用効率が0.2bit/s/Hz(=10Gbit/s÷50GHz)となり、ビットレートが40Gbit/sで周波数間隔が100GHzのWDM伝送システムでは、周波数利用効率は0.4bit/s/Hz(=40Gbit/s÷100GHz)となる。
なお、インタリーバとは、ある波長間隔の信号群を奇数チャネルと偶数チャネルとに分波して2倍の波長間隔を持つ信号群にするか、または、その逆に、奇数チャネルと偶数とを合波して1/2の波長間隔の信号群にする機能を有する光合分波器である(例えば、非特許文献1参照)。
アップグレード前のシステム、つまり50GHz間隔で10Gbit/sの光信号を波長分割多重して伝送するシステムにおいて、任意のチャネルを10Gbit/sから40Gbit/sに変更した場合、この波長分割多重信号(WDM信号)を、通常の50GHz/100GHz間隔のインタリーバにより合分波すると、伝送品質が劣化するという問題がある。これは、40Gbit/sの光信号のスペクトル幅(帯域幅)が10Gbit/sの光信号のそれよりも広い(例えば4倍広い)ため、40Gbit/sの信号成分が隣接チャネルにもれ込み(クロストーク)、また、40Gbit/sの信号のスペクトル自身もインタリーバによって帯域の制限を受けるからである。したがって、任意のチャネルを40Gbit/sにアップグレードすることは難しい。
また、40Gbit/s伝送で用いられる100GHz/200GHz間隔のインタリーバを用いた場合、クロストークや伝送品質の問題は生じないものの、10Gbit/sの光信号も100GHz間隔で伝送されるために、周波数利用効率が0.25bit/s/Hzと低くなり、アップグレードの効果がないという問題がある。
さらに、任意のチャネルを40Gbit/sにアップグレードするということは、どのチャネルが40Gbit/sに変更されても、十分な信号品質が確保されるようにするために、結局、10Gbit/sのチャネルを含む全チャネルに対して、40Gbit/s用のデバイス(例えば合分波器、インタリーバ、波長分散分散補償器、偏波分散補償器等)を設けておく必要があることとなる。
これらのデバイスについては、40Gbit/sの信号スペクトルが10Gbit/sに比べて通常4倍広がることから、10Gbit/s用デバイスよりも、40Gbit/s用デバイスの方が、要求されるスペック(透過特性、分散特性等)は厳しくなる。このため、40Gbit/s用デバイスの方が、高性能・高スペックのものが要求され、コストは高くなる。
例えば、図34.Aは、40Gbit/sの高速用合分波器および10Gbit/sの低速用合分波器の透過特性を示しているが、高速用合分波器の方が低速用合分波器よりも高い平坦性およびエッジの垂直性が求められ、その分、価格は高くなる。また、図34.Bは、高速用合分波器および低速分波器の双方に40Gbit/s信号(高速信号)を入力した場合の中心波長のズレに対するQ値(Q Factor)劣化を示しているが、高速用合分波器の方が低速用合分波器よりもQ値劣化が小さい。換言すると、高速用合分波器には、Q値劣化を小さくするための高性能・高スペックなものが使用されており、したがって、高速用合分波器の方がデバイスコストは高くなる。
したがって、全チャネルに対して、40Gbit/s用のデバイスを設けておくことは、コスト的に好ましくなく、また、10Gbit/s信号に対して、40Gbit/s用デバイスを使用することは、オーバースペックとなり、この点でも、余計なコストが発生することになる。
鬼頭他著 PLCフィルタ合成論とインターリーブ・フィルタへの応用、NTT R&D Vol.50 No.4, pp281-287, 2001
本発明は、高機能デバイスによるコスト上昇を抑制可能な、異なるビットレート光信号が混載された波長分割多重伝送システムを提供することを目的とする。また、本発明は、高機能デバイスおよび各種補償デバイスによるコスト上昇を抑制可能な、異なるビットレートの光信号が混載された波長分割多重伝送システムを提供することを目的とする。さらに、本発明は、それぞれのビットレートに最適な波長及び偏波モード分散補償方法を適用可能な、異なるビットレートの光信号が混載された波長分割多重伝送システムを提供することを目的とする。
本発明は、信号帯域幅(例えばビットレート)の異なる光信号が波長分割多重された波長分割多重信号を信号帯域幅(ビットレート)に応じて分離し、それぞれ個別に処理する波長分割多重伝送システムを提供する。
本発明による波長分割多重伝送システムは、偶数チャネル群および奇数チャネル群のいずれか一方の第1チャネル群と、他方の第2チャネル群とを有し、前記第1チャネル群の各チャネルには、信号帯域幅が相対的に大きい第1光信号が割り当て可能であり、前記第2チャネル群の各チャネルには、信号帯域幅が相対的に小さい第2光信号が割り当て可能であり、前記偶数チャネル群には前記第1光信号または第2光信号が割り当てられ、前記第2チャネル群には前記第2光信号が割り当てられる波長分割多重信号を伝送する波長分割多重伝送システムであって、分波モジュール部および合波モジュール部の少なくとも一方を有し、前記分波モジュール部は、入力される前記波長分割多重信号を前記第1チャネル群の光信号と前記第2チャネル群の光信号とに分波して出力する第1インタリーブフィルタ部と、前記第1インタリーブフィルタ部からの前記第1チャネル群の光信号を分波して出力する第1分波部と、を備え、前記合波モジュール部は、入力される複数の前記第1光信号または前記第2光信号を前記第1チャネル群の光信号に合波して出力する第1合波部と、前記第1合波部からの前記第1チャネル群の光信号と、複数の前記第2光信号が前記第2チャネル群に配置された光信号とを入力し、これら2つの光信号を合波して前記波長分割多重信号を生成し出力する第2インタリーブフィルタ部と、を備える。
本発明による中継ノードは、偶数チャネル群および奇数チャネル群のいずれか一方の第1チャネル群と、他方の第2チャネル群とを有し、前記第1チャネル群の各チャネルには、信号帯域幅が相対的に大きい第1光信号が割り当て可能であり、前記第2チャネル群の各チャネルには、信号帯域幅が相対的に小さい第2光信号が割り当て可能であり、前記偶数チャネル群には前記第1光信号または第2光信号が割り当てられ、前記第2チャネル群には前記第2光信号が割り当てられる波長分割多重信号を伝送する中継ノードであって、分波モジュール部および合波モジュール部を有し、前記分波モジュール部は、入力される前記波長分割多重信号を前記第1チャネル群の光信号と前記第2チャネル群の光信号とに分波して出力する第1インタリーブフィルタ部と、前記第1インタリーブフィルタ部からの前記第1チャネル群の光信号を分波して出力する第1分波部と、を備え、前記合波モジュール部は、前記第1分波部からの光信号を前記第1チャネル群の光信号に合波して出力する第1合波部と、前記第1合波部からの前記第1チャネル群の光信号と、複数の前記第2光信号が前記第2チャネル群に配置された光信号とを入力し、これら2つの光信号を合波して前記波長分割多重信号を生成し出力する第2インタリーブフィルタ部と、を備える。
本発明によると、第1チャネル群には、相対的に大きな信号帯域幅を有する第1光信号または相対的に小さな信号帯域幅を有する第2光信号が割り当てられる。例えば、第1光信号は、第2光信号よりも高速のビットレートの信号である。第2チャネル群には、第2光信号が割り当てられる。第1チャネル群の光信号および第2チャネル群の光信号は、第1インタリーブフィルタ部により分離され、第1チャネル群の光信号は、第1分波部により分波される。
したがって、第1分波部または第1分波のうち、第1チャネル群に含まれる第1光信号を処理する部分にのみ、第1光信号の処理に適したデバイス(例えば信号帯域が大きい(ビットレートが大きい)分、高性能ないし高機能なデバイスを使用することができ、第2チャネル群(および第1チャネルに含まれる第2光信号)を処理する部分には、第1光信号用とは異なる、第2光信号の処理に適したデバイスを使用することができる。これにより、コスト上昇を抑制した、異なるビットレート光信号が混載された波長分割多重伝送システムを提供することができる。また、高機能デバイスおよび各種補償デバイスによるコスト上昇を抑制した、異なるビットレートの光信号が混載された波長分割多重伝送システムを提供することができる。さらに、第1光信号および第2光信号を個別に処理できるので、それぞれのビットレートに最適な波長および偏波モード分散補償方法を適用できる。
以下に、本発明の実施例を図面に従い説明する。なお、以下に示す実施例は本発明の理解のためのものであり、本発明の適用は、これらの実施例に限定されるものではない。
図1は、本発明の第1の実施形態による光伝送ノードの構成を示すブロック図である。この光伝送ノードは、例えば、波長分割多重(WDM)伝送システムに設けられる中継ノードであり、分波モジュール1および合波モジュール2を有する。本実施形態では、一例として、中継ノードについて説明するが、本発明はWDM伝送システムの中継ノードだけでなく、WDM伝送システムの送信端局または受信端局に適用することもできる。例えば、送信端局では、合波モジュール2のみが設けられ、受信端局では、分波モジュール1のみが設けられる。この送信端局または受信端局に適用可能なことは、以下の第2の実施形態から第12の実施形態についても同様である。
分波モジュール1は、不等帯域幅インタリーバ(インタリーブフィルタ)10、低速分波部11、および高速分波部12を有する。低速分波部11は、低速信号用の分波器110を有する。高速分波部12は、高速信号用のインタリーバ(インタリーブフィルタ)121〜123および高速信号用の分波器120a〜120dを有する。合波モジュール2は、不等帯域幅インタリーバ(インタリーブフィルタ)20、低速合波部21、および高速合波部22を有する。低速合波部21は、低速信号用の合波器210を有する。高速合波部22は、高速信号用のインタリーバ(インタリーブフィルタ)221〜223および高速信号用の合波器220a〜220dを有する。
これら各構成要素について詳細に説明する前に、分波モジュール1に入力され、合波モジュール2から出力される波長分割多重された光信号(以下「WDM信号」という。)の一例としてのWDM信号W0について説明する。
図2は、WDM信号W0を構成する各波長の光信号の配置を示している。横軸は、周波数軸である。周波数f1、f2、…は、ITU−T勧告で規定された周波数間隔50GHz(F=50GHz)のグリッド(以下「ITU−Tグリッド」という。)である。
WDM信号W0は、低速信号(狭帯域信号)の一例としての10Gbit/s信号と、高速信号(広帯域信号)の一例としての40Gbit/s信号とが混載されたWDM信号である。10Gbit/s信号は、奇数チャネルに配置され、40Gbit/s信号は、偶数チャネルに配置されている。本実施形態では、一例として、偶数チャネルおよび奇数チャネルともに、44チャネル分が設けられている。チャネルch1の光信号が周波数f1に、チャネルch2の光信号が周波数f2に、それぞれ配置される。チャネルch3以降のチャネルも、順次周波数f3以降のITU−Tグリッドに配置される。
なお、ここでは、奇数チャネルに低速信号を割り当て、偶数チャネルに高速信号を割り当てているが、これとは逆に、奇数チャネルに高速信号を、偶数チャネルに低速信号を、それぞれ割り当ててもよい。
このWDM信号W0では、隣接する10Gbit/s信号と40Gbit/s信号が重ならないように、10Gbit/s信号の透過帯域幅(スペクトル幅)F1は25GHzに設定され、40Gbit/s信号の透過帯域幅(スペクトル幅)F2は75GHzに設定されている。
ここで、従来の技術の欄で説明したように、現在製品化されている10Gbit/sのWDM伝送システムでは、一般に、10Gbit/s信号の透過帯域幅が50GHzである。また、研究・開発が進められている40Gbit/sのWDM伝送システムでは、一般に、40Gbit/s信号の透過帯域幅として100GHzが検討されている。
一方、本実施形態では、10Gbit/s信号に25GHz、40Gbit/s信号に75GHzというように、より狭い帯域幅が与えられている。しかし、以下の理由(1)〜(3)により、この帯域幅でも、十分な品質の光信号を伝送することができる。
(1)40Gbit/sのNRZ(Non Return to Zero)変調方式の信号のスペクトル幅(帯域幅)は約60GHzであり、10Gbit/sのNRZ信号は約15GHzである。したがって、40Gbit/s信号の帯域幅を75GHzとし、10Gbit/s信号の帯域幅を25GHzとしても、これらの信号を、品質劣化の少ない状態で十分伝送することができる。
(2)図3.Aは、40Gbit/sのWDM伝送システムにおいて、光信号間の周波数間隔(波長間隔)を50GHz、75GHz、および100GHzに変化させた場合のフィルタ帯域幅とQ値(Quality Factor)との関係を示すグラフである。このグラフから分かるように、波長間隔およびフィルタ帯域幅がともに75GHzでは、隣接チャネルのクロストークおよびフィルタの帯域制限によるQ値劣化が、周波数間隔100GHzの場合に対して0.3dB以下である。したがって、周波数間隔が75GHzであっても、100GHzの場合と比べ遜色のない品質で信号を伝送することができる。
(3)例えば、Akira Miura他著の論文“25GHz-spaced 10Gbps x 160 channels, 3000 km E-LEAF transmission experiment by using dispersion management to mitigate XPM-induced waveform distortion”(WA2、OAA2003)では、25GHz間隔の10Gbit/sのNRZ方式のWDM信号の伝送が実現されている。
以上から、本実施形態では、10Gbit/sの光信号および40Gbit/sの光信号を、それぞれ25GHzおよび75GHzの帯域幅で伝送することとする。
一方、この信号配置によると、各光信号をITU−Tグリッドに配置して伝送できるという利点がある。また、WDM信号W0では、図3.Bに示すように、10Gbit/sと40Gbit/sとを混載することにより、周波数利用効率が0.5Gbit/s/Hzとなり、40Gbit/sの信号を100GHzの帯域幅で伝送した場合の周波数利用効率0.4Gbit/s/Hzよりも高い周波数利用効率を達成できるという利点もある。
なお、ITU−Tグリッド間隔(F=50GHz)≧{10Gbit/s信号の透過帯域幅(F1=25GHz)+40Gbit/s信号の透過帯域幅(F2=75GHz)}÷2の関係が成立するので、10Gbit/s信号と40Gbit/s信号とが隣接したITU−Tグリッドに配置されても、クロストークの問題は少ない。
また、図2から明らかなように、40Gbit/s信号が配置される偶数チャネルには、10Gbit/s信号を配置することもできる。すなわち、偶数チャネルには、40Gbit/s信号の信号帯域幅より小さな信号帯域幅を有する光信号を配置してもよい。したがって、偶数チャネルの全てに必ず40Gbit/s信号を配置しなければならないというものではなく、アップグレードの過渡段階には、偶数チャネルの一部に40Gbit/s信号が、残りに10Gbit/s信号が、それぞれ配置されてもよい。
図1に戻って、不等帯域幅インタリーバ10は、周波数間隔50GHzで配置された光信号群(例えばWDM信号W0)を偶数チャネルと奇数チャネルとに分波して2倍の周波数間隔100GHzで配置された2つの光信号群にする分波する分波器であって、出力ポートP1およびP2のそれぞれの透過帯域幅と不透過帯域幅とが等しくない(すなわち不等帯域幅の)分波器である。一般のインタリーバは、透過帯域幅と不透過帯域幅とが等しいが、不等帯域幅インタリーバ10の透過帯域幅と不透過帯域幅とは等しくない。
図4は、不等帯域幅インタリーバ10の透過特性およびWDM信号が不等帯域幅インタリーバ10によりフィルタリングされる様子を示している。図4の透過特性のグラフの凸部は、光が透過する周波数帯域(透過帯域)を示し、グラフの凹部は、光が透過しない周波数帯域(不透過帯域、濾過帯域)を示している。
出力ポートP1では、透過帯域が25GHzの帯域幅を有し、不透過帯域が75GHzの帯域幅を有し、ともに100GHzの周期で交互に繰り返される。透過帯域の中心周波数は、奇数チャネルの周波数と一致するように調整(設定)される。出力ポートP2では、透過帯域が75GHzの帯域幅を有し、不透過帯域が25GHzの帯域幅を有し、ともに100GHzの周期で交互に繰り返される。透過帯域の中心周波数は、偶数チャネルの周波数と一致するように調整(設定)される。
このような透過特性を有する不等帯域幅インタリーバ10により、出力ポートP1からは、WDM信号W0のうち、奇数チャネルの10Gbit/s信号からなる低速信号群W1が出力され、出力ポートP2からは、WDM信号W0のうち、偶数チャネルの40Gbit/s信号からなる高速信号群W2が出力される。すなわち、WDM信号W0は、低速信号群W1と高速信号群W2とに分波される。分波後の低速信号群W1の各光信号および高速信号群W2の各光信号は、ともに100GHzの周波数間隔を有する。
低速信号群W1は、低速分波部11の低速信号用の分波器110に入力される。分波器110は、周波数間隔100GHzの1対44チャネルの分波器であり、公知のAWG(Arrayed Waveguide Grating)フィルタや多層膜フィルタ等を使用することができる。分波器110により、低速信号群W1は、10Gbit/sの各波長の光信号に分波され、出力される。
一方、高速信号群W2は、高速分波部12の高速信号用のインタリーバ121に入力される。インタリーバ121は、公知の100GHz/200GHzインタリーバを使用することができ、入力される100GHzの周波数間隔の高速信号群W2を、200GHzの周波数間隔の奇数チャネルの信号群W21と偶数チャネルの信号群W22とに分波する。ここでの奇数チャネルは、図4におけるチャネルch2、ch6、ch10、…(すなわち、iを1以上の整数とすると、チャネルch[4i−2])であり、奇数チャネルは、チャネルch4、ch8、ch12、…(すなわちチャネルch[4i])である。信号群W21はインタリーバ122に入力され、信号群W22はインタリーバ123に入力される。
高速用のインタリーバ122および123は、ともに、公知の200GHz/400GHzインタリーバを使用することができる。インタリーバ122は、入力される200GHzの周波数間隔の信号群W21を、400GHzの周波数間隔の奇数チャネルの信号群W211と偶数チャネルの信号群W212とに分波する。ここでの奇数チャネルは、図4におけるチャネルch[8i−6]であり、偶数チャネルは、チャネルch[8i−2]である。
インタリーバ123も、同様にして、入力される200GHzの周波数間隔の信号群W22を、400GHzの周波数間隔の奇数チャネルの信号群W221と偶数チャネルの信号群W222とに分波する。ここでの奇数チャネルは、図4におけるチャネルch[8i−4]であり、偶数チャネルは、チャネルch[8i]である。
高速信号群W211、W212、W221、W222は、分波器120a、120b、120c、120dにそれぞれ入力される。分波器120a〜120dは、周波数間隔は400GHzの1対11チャネルの分波器であり、公知のAWG(Arrayed Waveguide Grating)フィルタや多層膜フィルタ等を使用することができる。分波器120a〜120dにより、高速信号群W211、W212、W221、W222は、それぞれ11チャネルずつの40Gbit/sの各波長の光信号に分波され、出力される。
なお、高速分波部12も、低速分波部11と同様にして、1つの高速用の分波器(周波数間隔100GHz)により構成することもできるが、より良い透過特性によって、各光信号の劣化を少なくして分波するには、図1のように複数のインタリーバにより構成することが好ましい。
分波モジュール1から出力された10Gbit/sおよび40Gbit/sの各波長の光信号は、この中継ノードが光ADM(Optical Add Drop Multiplexer)ノードの場合には、Add/Dropモジュール群3により、光信号のAddまたはDrop処理が行われた後、合波モジュール2に入力される。
低速合波部21の低速信号用の合波器210には、分波器110からの10Gbit/sの各波長の光信号が入力される。合波器210は、44対1チャネルの合波器であり、分波器110と入出力関係が逆になっているだけで、分波器110と同じデバイスを使用することができる。合波器210は、各波長の光信号を合波(多重)して、合波後の低速信号群W10を不等帯域幅インタリーバ20の一方の入力ポートP1に入力される。
一方、高速合波部22の高速信号用の合波器220a〜200dには、それぞれ、分波器120a〜120dからの40Gbit/sの各波長の光信号が入力される。合波器220a〜220dは、11対1チャネルの合波器であり、分波器120a〜120dと入出力関係が逆になっているだけで、分波器120a〜120dと同じデバイスを使用することができる。合波器220aおよび220bによりそれぞれ合波された光信号群は、インタリーバ222の2つの入力ポートにそれぞれ入力される。合波器220cおよび220dによりそれぞれ合波された光信号群はインタリーバ223の2つの入力ポートにそれぞれ入力される。
インタリーバ222は、インタリーバ122と入出力関係が逆になっているだけで、同じデバイスを使用することができる。したがって、インタリーバ222は、合波器220aから入力された光信号群を奇数チャネルとし、合波器220bから入力された光信号群を偶数チャネルとして、2つの光信号群を合波し、1つの光信号群として出力する。出力された光信号群は、インタリーバ221の一方の入力ポートに入力される。
同様にして、インタリーバ223は、インタリーバ123と入出力関係が逆になっているだけで、同じデバイスを使用することができる。したがって、インタリーバ223は、合波器220cから入力された光信号群を奇数チャネルとし、合波器220dから入力された光信号群を偶数チャネルとして、2つの光信号群を合波し、1つの光信号群として出力する。出力された光信号群は、インタリーバ221の他方の入力ポートに入力される。
インタリーバ221は、インタリーバ121と入出力関係が逆になっているだけで、同じデバイスを使用することができる。したがって、インタリーバ221は、インタリーバ222から入力された光信号群を奇数チャネルとし、インタリーバ223から入力された光信号群を偶数チャネルとして、2つの光信号群を合波し、1つの高速光信号群W20として出力する。出力された高速光信号群W20は、不等帯域幅インタリーバ20の他方の入力ポートP2に入力される。
不等帯域幅インタリーバ20は、不等帯域幅インタリーバ10と入出力関係が逆になっているだけで、同じ合分波特性を有する。すなわち、前述した図4に示すように、入力ポートP1の透過帯域幅および不透過帯域幅ならびに入力ポートP2の透過帯域幅および不透過帯域幅は、それぞれ不等間隔となり、入力ポートP1は、低速信号群W10の10Gbit/sの各波長の信号成分をフィルタリングし、入力ポートP2は、高速信号群W20の40Gbit/sの各波長の信号成分をフィルタリングする。そして、不等帯域幅インタリーバ20は、両信号群群を信号群W0と同様の信号群に合波して出力する。
このように、本実施形態では、WDM信号を低速信号群と高速信号群とに分けて、それぞれを合分波するので、低速信号群には低速信号に適した低速信号用デバイスを使用することができ、高速信号群には高速信号に適した高速信号用デバイスを使用することができる。これにより、すべての波長の信号に対して、高速信号用の高価なデバイスを設ける必要がなく、高速信号側にのみ高価なデバイスを設ければよいので、装置コストを抑制した10Gbit/sおよび40Gbit/sの混載した光伝送システムを実現することができる。また、低速信号に対してオーバースペックのデバイスを使用することを回避できる。
さらに、本構成を用いることにより、当初10Gbit/s、100GHz間隔の光伝送システムを導入し、それを50GHz間隔に増設する場合で、かつ、10Gbit/sと40Gbit/sどちらを増設するか初期導入時には未定の場合でも、10Gbit/sを増設する場合には低速用の光合分波器を用い、40Gbit/sを増設する場合にのみ高性能の高速用光合分波器を用いればよいので拡張性にも優れている。
図5は、本発明の第2の実施形態による光伝送ノードの構成を示すブロック図である。この光伝送ノードは、分波モジュール1aおよび合波モジュール2aを有する。
分波モジュール1aは、不等帯域幅インタリーバ10a、低速分波部11a、および高速分波部12aを有する。低速分波部11aは、低速信号用の分波器110aおよび110bを有する。高速分波部12aは、高速信号用のインタリーバ122および123ならびに高速信号用の分波器120a〜120dを有する。インタリーバ122および123ならびに分波器120a〜120dは、図1の同じ符号のものと同じである。
合波モジュール2aは、不等帯域幅インタリーバ20a、低速合波部21a、および高速合波部22aを有する。低速合波部21aは、低速信号用の合波器210aおよび210bを有する。高速合波部22aは、高速信号用のインタリーバ222および223ならびに高速信号用の合波器220a〜220dを有する。インタリーバ122および123ならびに分波器120a〜120dは、図1の同じ符号のものと同じである。
分波モジュール1aの不等帯域幅インタリーバ10aに入力されるWDM信号は、第1の実施形態と同じものであり、図2に示す信号配置を有する。
不等帯域幅インタリーバ10aは、前述した不等帯域幅インタリーバ10と同様に、出力ポートP1a〜P2bのそれぞれの透過帯域幅と不透過帯域幅とが異なる。図6.Aは、分波モジュール1aの不等帯域幅インタリーバ10aの一構成例を示すブロック図であり、図6.Bは、合波モジュール2aの不等帯域幅インタリーバ20aの一構成例を示すブロック図である。
図6.Aおよび図6.Bを比較すると明らかなように、分波モジュール1aの不等帯域幅インタリーバ10aと合波モジュール2aの不等帯域幅インタリーバ20aは、入出力関係を逆にすることで同様にして考えることができる。したがって、以下では、分波モジュール1aの不等帯域幅インタリーバ10aの構成について詳細に述べることとし、合波モジュール2aの不等帯域幅インタリーバ20aについては説明を省略する。
不等帯域幅インタリーバ10aは、インタリーバ51〜53を有する。インタリーバ51〜53は、公知のインタリーバを使用することができ、入力される100GHz間隔のWDM信号を、200GHz間隔の偶数チャネルの光信号群と奇数チャネルの光信号群とに分波(あるいは、入出力関係を逆にすることにより、200GHz間隔の偶数チャネルおよび奇数チャネルの光信号群を、100GHz間隔のWDM信号に合波)する機能を有する光合分波器である。
図7は、インタリーバ51を単体で使用した場合のポート(出力ポート)A1側の透過特性(グラフA1)、インタリーバ52を単体で使用した場合のポートB1側の透過特性(グラフB1)、インタリーバ2を単体で使用した場合のポートB2側の透過特性(グラフB2)、インタリーバ1のポートA1をインタリーバ2のポートB0に接続して使用した場合のインタリーバ2のポートB1側の透過特性(グラフA1∧B1)、およびインタリーバ1のポートA1をインタリーバ2のポートB0に接続して使用した場合のインタリーバ2のポートB2側の透過特性(グラフA1∧B2)を示している。各グラフにおいて、横軸は周波数を示し、縦軸は光の透過率を示している。
なお、図示は省略するが、インタリーバ53も、インタリーバ52と同じ透過特性を有する。
インタリーバ51〜53の透過帯域および不透過帯域は、ともに100GHzの帯域幅を有し、200GHzの周期で交互に繰り返される。
グラフB1およびB2から明らかなように、インタリーバ52の2つのポート(出力ポート)B1およびB2は、相互に逆の透過特性を有する。同様にして、インタリーバ51のポート(出力ポート)A1およびA2は、相互に逆の透過特性を有し、インタリーバ53のポートC1およびC2は、相互に逆の透過特性を有する。
グラフA1に示すように、インタリーバ51のポートA1側の透過帯域の中心周波数は、ITU−Tグリッドの周波数f2、f6、…(200GHz間隔)に対して、周波数の低い側に12.5GHz(すなわち−12.5GHz)だけシフトしている(換言すると、周波数f1、f5、…に対しては、周波数の高い側に37.5GHz(すなわち+37.5GHz)だけシフトしている)。ここで、シフト量Sは、−50GHz<S<50GHzとする。
同様にして、インタリーバ51のポートA1側の不透過帯域の中心周波数は、周波数f4、f8、…(200GHz間隔)に対して、−12.5GHzだけシフトしている(換言すると、周波数f3、f7、…に対しては、周波数の高い側に37.5GHz(すなわち+37.5GHz)だけシフトしている)。
一方、グラフB1に示すように、インタリーバ52のポートB1側の透過帯域の中心周波数は、ITU−Tグリッドの周波数f2、f6、…に対して+12.5GHzだけシフトしている。インタリーバ52のポートB1側の不透過帯域の中心周波数は、ITU−Tグリッドの周波数f4、f8、…に対して+12.5GHzシフトしている。
このような中心周波数の位置決めは、インタリーバ51〜53の、例えば温度を調整することにより行うことができる。インタリーバ51〜53の温度調整には、サーモスタット等を使用することができる。
グラフA1∧B1に示すように、インタリーバ51の出力ポートA1をインタリーバ52の入力ポートB0に接続することによって、出力ポートB1の透過帯域はインタリーバ51および52双方の透過帯域の重複部分となり、出力ポートB1の不透過帯域はインタリーバ51および52の少なくとも一方の不透過帯域の部分となる。
このため、グラフA1∧B1の透過帯域幅は75GHzとなり、不透過帯域幅は125GHzとなり、透過帯域の開始周波数(立ち上がりエッジ)がITU−Tグリッドの周波数f1、f5、…(200GHz間隔)に対して+12.5GHzシフトする。
また、グラフA1∧B2に示すように、インタリーバ51の出力ポートA1をインタリーバ52の入力ポートB0に接続することにより、出力ポートB2の透過帯域幅は25GHz、不透過帯域幅は175GHzとなり、透過帯域の開始周波数(立ち上がりエッジ)がITU−Tグリッドの周波数f1、f5、…(200GHz間隔)対して−12.5GHzシフトする。
このように、透過帯域(不透過帯域)の中心周波数をITU−Tグリッドからシフトさせたインタリーバを2つ直列に接続することにより、任意の開始周波数および任意の透過帯域幅を有するフィルタ(インタリーバ)を構成することができる。これにより、透過帯域幅と不透過帯域幅とが等しくない不等帯域幅インタリーバ(フィルタ)を構成することができる。
図8は、インタリーバ51〜53およびこれらインタリーバの組み合わせの透過特性ならびにインタリーバ51の入力ポートP0に入力されるWDM信号W0がインタリーバ51〜53によりフィルタリングされる様子を示している。図8において、横軸は周波数を示している。
図8の最上段には、WDM信号W0が示されている。
図8の第2段目のグラフA1、B1は、インタリーバ51の出力ポートA1側の透過特性を実線で、インタリーバ52のポートB1側の透過特性を破線で、それぞれ示している。第3段目のグラフA1∧B1は、図7を参照して説明したように、インタリーバ51のポートA1をインタリーバ52の入力ポートB0に接続した場合のインタリーバ52の出力ポートB1側の透過特性を示している。他の第5段目のグラフA1、B2、第6段目のグラフA1∧B2についても同様である。
グラフA1∧B1の透過帯域は、75GHzの帯域幅を有する40Gbit/sのチャネルch2、ch6、…(チャネルch[4i−2])が配置されたITU−Tグリッド(周波数f2、f6、…)を中心として75GHzの帯域幅を有する。また、グラフA1∧B2の透過帯域は、25GHzの帯域幅を有する10Gbit/sのチャネルch1、ch5、…(チャネルch[4i−3])が配置されたITU−Tグリッド(周波数f1、f5、…)を中心として25GHzの帯域幅を有する。
したがって、WDM信号W0がインタリーバ51および52を通過することにより、インタリーバ52の出力ポートB1からは、図8のWDM信号W2aに示すように、40Gbit/sのチャネルch[4i−2]の光信号のみが出力され、また、インタリーバ52の出力ポートB2からは、WDM信号W1aに示すように、10Gbit/sのチャネルch[4i−3]の光信号のみが出力される。
グラフA2∧C1の透過帯域は、25GHzの透過帯域幅を有する10Gbit/sのチャネルch3、ch7、…(チャネルch[4i−1])が配置されたITU−Tグリッド(周波数f3、f7、…)を中心として25GHzの帯域幅を有する。また、グラフA2∧C2の透過帯域は、75GHzの透過帯域幅を有する40Gbit/sのチャネルch4、ch8、…(チャネルch[4i])が配置されたITU−Tグリッド(周波数f4、f8、…)を中心として75GHzの帯域幅を有する。
したがって、WDM信号W0がインタリーバ1および3を通過することにより、インタリーバ3の出力ポートC1からは、WDM信号W1bに示すように、WDM信号W0のうち10Gbit/sのチャネルch[4i−1]の光信号のみが出力され、また、インタリーバ53の出力ポートC2からは、WDM信号W2bに示すように、40Gbit/sのチャネルch[4i]の光信号のみが出力される。
このように、40Gbit/sの光信号は、中心周波数がシフトした2つのインタリーバにより構成される通過帯域幅75GHzの不等間隔インタリーバによってフィルタリングされる。また、10Gbit/sの光信号は、中心周波数がシフトした2つのインタリーバの組み合わせにより構成される透過帯域幅25GHzの不等間隔インタリーバによりフィルタリングされる。したがって、40Gbit/sおよび10Gbit/sの各チャネルの信号は、いずれもクロストークや信号成分が除去される等の品質劣化の少ない状態で取り出される。
なお、図8の最下段には、グラフA1∧B1、A1∧B2、A2∧C1、およびA2∧C2を重ね合わせたグラフが示されている。
このように、インタリーバの中心周波数(中心波長)を調整することによって、10Gbit/sおよび40Gbit/s混載システムに柔軟に対応することができる。また、光信号のビットレートが変更される場合にも、インタリーバの中心周波数を調整することによって柔軟に対応することができる。
なお、光信号の変調方式(NRZ方式、RZ方式、CSRZ方式等)が変更される場合にも、光信号の帯域幅が変化するが、この場合にも、ビットレートが変更される場合と同様にして柔軟に対応することができる。
図5に戻って、不等帯域幅インタリーバ10aのポートB1(インタリーバ52のポートB1)、ポートC2(インタリーバ53のポートC2)からそれぞれ出力された高速信号群W2a、W2bは、インタリーバ122、123にそれぞれ入力される。不等帯域幅インタリーバ10aのポートB2(インタリーバ52のポートB2)、ポートC1(インタリーバ53のポートC1)からそれぞれ出力された低速信号群W1a、W1bは、分波器110a、100bにそれぞれ入力される。
分波器110aおよび110bは、周波数間隔200GHz間隔の1対N1(N1=22)の分波器であり、公知のAWG(Arrayed Waveguide Grating)フィルタや多層膜フィルタ等を使用することができる。分波器110aおよび100bにより、低信号群W1aおよびW1bは、それぞれ10Gbit/sの各波長の光信号に分波され、必要に応じてモジュール3を介して、合波モジュール2に入力される。
一方、高速信号群W2aおよびW2bは、インタリーバ122および123によりそれぞれ奇数チャネルと偶数チャネルとに分波された後、分波器120a〜120dに入力され、40Gbit/sの各波長の光信号に分波される。40Gbit/sの各波長の光信号は、必要に応じてモジュール3を介して、合波モジュール2に入力される。
合波モジュール2では、分波モジュール1とは入出力関係を逆にした処理が行われ、低速信号および高速信号がそれぞれ合波された後、不等帯域幅インタリーバ20aにより、低速信号および高速信号の混在したWDM信号に合波され、出力される。
本実施形態によっても、上記第1の実施形態と同様に、低速信号群には低速信号に適した低速信号用デバイスを使用することができ、高速信号群には高速信号に適した高速信号用デバイスを使用することができる。これにより、すべての波長の信号に対して、高速信号用の高価なデバイスを設ける必要がなく、高速信号側にのみ高価なデバイスを設ければよいので、装置コストを抑制した10Gbit/sおよび40Gbit/sの混載した光伝送システムを実現することができる。また、低速信号に対してオーバースペックのデバイスを使用することを回避できる。
さらに、本構成を用いることにより、当初10Gbit/s、100GHz間隔の光伝送システムを導入し、それを50GHz間隔に増設する場合で、かつ、10Gbit/sと40Gbit/sどちらを増設するか初期導入時には未定の場合でも、10Gbit/sを増設する場合には低速用の光合分波器を用い、40Gbit/sを増設する場合にのみ高性能の高速用光合分波器を用いればよいので拡張性にも優れている。
なお、高速分波部12は、周波数間隔200GHzの1対N1(ここではN1=22)の2つの分波器で構成することもできる。
また、不等帯域幅インタリーバ10a(20a)は、図9.A(9B)に示すように、カプラ61ならびに狭帯域インタリーバ62および63により構成することもできる。
カプラ61は、入力ポートP0に入力されたWDM信号W0を2つの出力ポートA11およびA12にそのまま出力する。出力されたWDM信号W0は、狭帯域インタリーバ62の入力ポートB10および狭帯域インタリーバ63の入力ポートC10に入力される。
狭帯域インタリーバ62および63は、100GHz間隔の光信号を偶数チャネルと奇数チャネルとに分離して、200GHz間隔のWDM信号にすると共に、内部に設けられた狭帯域フィルタにより所定の帯域幅の信号成分のみを通過させる(あるいは、入出力関係を逆にすることにより、該狭帯域フィルタにより所定の帯域幅の信号成分のみを通過させると共に、200GHz間隔の偶数チャネルおよび奇数チャネルのWDM信号を合波して100GHz間隔の光信号にする)インタリーバである。
このような狭帯域インタリーバは、例えば、入力されるWDM信号を構成する各光信号を所定の透過帯域幅でフィルタリングする狭帯域フィルタを公知のインタリーバに組み込むことにより構成することができる。
図10は、インタリーバ62および63の透過特性ならびにWDM信号W0がインタリーバ62および63によりフィルタリングされる様子を示している。
グラフB11は、狭帯域インタリーバ62の出力ポートB11側の透過特性を示し、グラフB12は、狭帯域インタリーバ62の出力ポートB12側の透過特性を示している。内部に設けられた狭帯域フィルタにより、狭帯域インタリーバ62の透過帯域の帯域幅は100GHzから25GHzに縮小され、不透過帯域の帯域幅は100GHzから175GHzに拡張されている。
ポートB11側の透過帯域の中心周波数は、ITU−Tグリッドの周波数f1、f5、…に設定される。ポートB12側の透過帯域の中心周波数は、ITU−Tグリッドの周波数f3、f7、…に設定される。
グラフC11は、狭帯域インタリーバ63の出力ポートC11側の透過特性を示し、グラフC12は、狭帯域インタリーバ63の出力ポートC12側の透過特性を示している。狭帯域インタリーバ63についても同様に、内部の狭帯域フィルタにより、出力ポートC11側およびC12側の透過帯域の帯域幅は100GHzから75GHzに縮小され、不透過帯域の帯域幅は100GHzから125GHzに拡大されている。ポートC11側の透過帯域の中心周波数は、ITU−Tグリッドの周波数f2、f6、…に設定される。ポートC12側の透過帯域の中心周波数は、ITU−Tグリッドの周波数f4、f8、…に設定される。
このようなインタリーバ62および63を使用することによっても、不等帯域幅インタリーバを構成することができる。そして、出力ポートB11(図5のポートB2)からはチャネルch[4i−3]のWDM信号W1aのみが出力され、出力ポートB12(図5のポートC1)からはチャネルch[4i−1]のWDM信号W1bのみが出力される。また、出力ポートC11(図5のポートB1)からはチャネルch[4i−2]のWDM信号W2aのみが出力され、出力ポートC12(図5のポートC2)からはチャネルch[4i]のWDM信号W2bのみが出力される。
図11は、本発明の第3の実施形態による光伝送ノードの構成を示すブロック図である。この光伝送ノードは、分波モジュール1bおよび合波モジュール2bを有する。
分波モジュール1bは、不等帯域幅インタリーバ10、低速分波部11b、および高速分波部12bを有する。低速分波部11bは、低速信号用の分波器110および111を有する。高速分波部12bは、高速信号用のインタリーバ121および123ならびに高速信号用の分波器120cおよび120dを有する。合波モジュール2bは、不等帯域幅インタリーバ20、低速合波部21b、および高速合波部22bを有する。低速合波部21bは、低速信号用の合波器210および211を有する。高速合波部22bは、高速信号用のインタリーバ221および223ならびに高速信号用の合波器220cおよび220dを有する。
ここで、不等帯域幅インタリーバ10および20、インタリーバ121,123、221、および223、分波器110、120c、および120d、ならびに合波器210、220c、および220dは、図1に示す同じ符号を有するものと同じであるので、ここでは、その詳細な説明を省略する。
図12は、分波モジュール1b(不等帯域幅インタリーバ10)に入力されるWDM信号W3の信号配置例を示している。横軸および周波数f1、f2、…の意味は、図2と同じである。WDM信号W3では、その3/4が10Gbit/s信号であり、1/4が40Gbit/s信号である点が、図2のWDM信号W0と異なる。このWDM信号W3では、40Gbit/s信号はチャネルch[4i]に配置され、10Gbit/s信号はそれ以外のチャネルに配置されている。第1の実施形態でも説明したように、偶数チャネルch[2i]のすべてに必ず40Gbit/s信号が配置されなければならないわけではなく、図12に示すように、偶数チャネルの一部に10Gbit/s信号が配置されてもよい。
WDM信号W3が分波モジュール1bの不等帯域幅インタリーバ10のポートP0に入力されると、ポートP1からは、奇数チャネルch[2i−1]の10Gbit/s信号群、すなわち低速信号群W1(図1の同じ符号の信号群と同じもの)が出力され、低速分波部11bの低速信号用の分波器110に入力される。分波器110は、低速信号群W1を各波長の光信号に分波して出力する。
一方、ポートP2からは、偶数チャネルch[2i]の信号群W4が出力される。この偶数チャネルの信号群W4は、チャネルch[4i−2]に10Gbit/s信号が含まれ、チャネルch[4i]に40Gbit/s信号が含まれた、高速信号および低速信号の混載した信号群である。不等帯域幅インタリーバのポートP2の透過帯域幅は75GHzであるので、この透過帯域幅以下の信号であれば、ポートP2から出力される。したがって、ポートP2からは、40Gbit/s信号および10Gbit/s信号の混載信号を出力することもできる。
この信号群W4は、高速分波部12bの高速信号用のインタリーバ121に入力され、10Gbit/s信号のみからなる奇数チャネルch[4i−2]の信号群と40Gbit/s信号のみからなる偶数チャネルch[4i]の信号群とに分波される。
奇数チャネルch[4i−2]の信号群は、低速分波部11bの低速信号用の分波器111に入力され、各波長の光信号に分波され出力される。偶数チャネルch[4i]の信号群は、インタリーバ123に入力され、さらに奇数チャネル[8i−4]および偶数チャネルch[8i]の信号群に分波される。これら奇数チャネルおよび偶数チャネルの信号群は、高速信号用の分波器120cおよび120dにそれぞれ入力される。分波器120cおよび120dでは、入力された信号群が各波長の光信号に分波され出力される。
分波器110および111から出力された各波長の10Gbit/s信号ならびに分波器120cおよび120dから出力された各波長の40Gbit/s信号は、必要に応じてモジュール3を経由して合波モジュール2bに入力される。合波モジュール2bでは、分波モジュール1bと入出力関係を逆にした合波処理が行われ、各波長の光信号が合波され、1つのWDM信号として出力される。
本実施形態の構成により、全チャネル数の最大1/4のチャネルを40Gbit/s信号へアップグレードする場合、または、最大1/4のチャネルまで40Gbit/s信号を増設する場合に、高速信号用の高性能光合分波器は40Gbit/s信号の合分波部にのみ適用すればよいので、コストを抑制した10Gbit/sおよび40Gbit/s混載の伝送システムを実現することができる。
本発明の第4の実施形態は、第3の実施形態の不等帯域幅インタリーバ10および20に、第2の実施形態で説明した不等帯域幅インタリーバ10aおよび20a(図5、図6.A、6B、図9.A、9B)をそれぞれ使用した場合の光伝送ノードの実施形態である。
図13は、本発明の第4の実施形態による光伝送ノードの構成を示すブロック図である。この光伝送ノードは、分波モジュール1cおよび合波モジュール2cを有する。
分波モジュール1cは、不等帯域幅インタリーバ10a、低速分波部11c、および高速分波部12cを有する。低速分波部11cは、3つの低速信号用の分波器111を有する。高速分波部12cは、高速信号用のインタリーバ123ならびに高速信号用の分波器120cおよび120dを有する。合波モジュール2cは、不等帯域幅インタリーバ20a、低速合波部21c、および高速合波部22cを有する。低速合波部21cは、3つの低速信号用の合波器211を有する。高速合波部22cは、高速信号用のインタリーバ223ならびに高速信号用の合波器220cおよび220dを有する。
不等帯域幅インタリーバ10aおよび20aは、図5に示す同じ符号のものと同じであり、図6.Aおよび6Bまたは図9.Aおよび9Bに示すものを使用することができる。また、インタリーバ123および223、分波器120cおよび120d、合波器220cおよび220dは、図1(図5、図11)の同じ符号のものと同じであり、合波器111は、図11の同じ符号のものと同じである。したがって、これらの詳細な説明は省略する。
この分波モジュール1cの不等帯域幅インタリーバ10aには、第3の実施形態と同様に、図12に示すWDM信号W3が入力される。不等帯域幅インタリーバ10aの出力ポートB2からは、チャネルch[4i−3]の10Gbit/s信号からなる低速信号群W1aが、出力ポートC1からは、チャネルch[4i−1]の10Gbit/s信号からなる低速信号群W1bが、それぞれ出力される。また、出力ポートB1からは、チャネルch[4i−2]の10Gbit/s信号からなる低速信号群W1cが出力される。これら3つの低速信号群W1a〜W1cは、低速分波部11cの3つの低速信号用の分波器111により、各波長の光信号に分波される。
出力ポートC2からは、チャネルch[4i]の40Gbit/s信号からなる高速信号群W2bが出力される。この高速信号群W2bは、高速分波部12cの高速信号用のインタリーバ123により、さらに奇数チャネルと偶数チャネルとに分波された後、高速信号用の分波器120cおよび120dにより、各波長の光信号に分波される。
3つの分波器111ならびに分波器120cおよび120dから出力される各波長の光信号は、必要に応じてモジュール3を経由した後、合波モジュール2cに入力される。合波モジュール2cでは、分波モジュール1cと入出力関係を逆にした合波処理が行われ、各波長の光信号は、1つのWDM信号に合波され出力される。
このように、不等帯域幅インタリーバ10aおよび20aを使用しても、低速信号群と高速信号群とに分けて、各信号群を、それぞれに適したデバイスで合分波することができる。その結果、上記第3の実施形態と同じ効果を得ることができる。
図14は、本発明の第5の実施形態による光伝送ノードの構成を示すブロック図である。図14と図1とを比較すると明らかなように、この第5の実施形態は、図1における低速信号群側の低速分波部11および低速合波部21を有しない点を除いて、他の部分は図1と同じである。
本実施形態の光伝送ノードは、例えば、10Gbit/s信号を長距離伝送させる一方、40Gbit/s信号をAdd/Dropする場合や、40Gbit/s信号のみに補償ノードが必要な場合に使用することができる。
本実施形態では、図14の分波モジュール1dの不等帯域幅インタリーバ10に、図1と同じWDM信号W0(図2参照)が入力される。したがって、本実施形態では、WDM信号W0が不等帯域幅インタリーバ10により低速信号群W1と高速信号群W2とに分波された後、高速信号群W2のみが高速分波部12により各波長の光信号に分波され、必要に応じてモジュール3を経由した後、高速合波部22により合波される。そして、合波モジュール2dの不等帯域幅インタリーバ20により、再び、低速信号群および高速信号群が合波され、1つのWDM信号として出力される。
本実施の形態によっても、高速信号群と低速信号群とを分波するので、高速信号群のみに高速信号に適した高性能デバイスを使用することができるので、コストを抑制した10Gbit/sおよび40Gbit/s混載の伝送システムを実現することができる。
図15は、本発明の第6の実施形態によるよる光伝送ノードの構成を示すブロック図である。この第6の実施形態は、上記第5の実施形態の不等帯域幅インタリーバ10および20を、第2の実施形態の不等帯域幅インタリーバ10aおよび20a(図5、図6.A,6B、図9.A,9B参照)にそれぞれ置き換えたものである。
したがって、第6の実施形態は、図5に示す第2の実施形態の低速信号群側の低速分波部11aおよび低速合波部21aが設けられていない点を除いて、他の部分は図5と同じである。
この光伝送ノードでは、分波モジュール1eの不等帯域幅インタリーバ10aにより低速信号群W1aおよびW1bならびに高速信号群W2aおよびW2bに分波された後、高速信号群W2aおよびW2bのみが高速分波部12aにより各波長の光信号に分波され、必要に応じてモジュール3を経由した後、高速合波部22aにより合波される。そして、合波モジュール2eの不等帯域幅インタリーバ20aにより、再び、低速信号群および高速信号群が合波され、1つのWDM信号として出力される。
本実施の形態によっても、上記第5の実施形態を同じ効果を得ることができる。
上記第3の実施の形態(図11参照)についても、上記第5および第6の実施形態と同様に、低速信号側の合分波器を省略することができる。図16は、上記第3の実施の形態において低速信号側の合分波器を省略した第7の実施形態による光伝送ノードの構成を示すブロック図である。分波モジュール1fにおいて図11の低速分波部11bが設けられていない点、および、合波モジュール2fにおいて図11の低速合波部21bが設けられていない点を除いて、他の部分は図11と同じである。
本実施形態においても、第5および第6の実施形態と同様に、WDM信号W3(図12参照)が、分波モジュール1fの不等帯域幅インタリーバ10により低速信号群および高速信号群に分波された後、高速信号群のみが高速分波部12bにより各波長の光信号に分波され、必要に応じてモジュール3を経由した後、高速合波部22bにより合波される。そして、合波モジュール2fの不等帯域幅インタリーバ20により、再び、低速信号群および高速信号群が合波され、1つのWDM信号として出力される。
本実施形態によっても、高速信号用の高性能光合分波器を、WDM信号全体の1/4である40Gbit/s信号の合分波部(伝送部)にのみ適用すればよいので、コストを抑制した10Gbit/sおよび40Gbit/s混載の伝送システムを実現できる。
上記第4の実施形態(図13参照)についても、低速信号側の合分波器を省略することができる。図17は、上記第4の実施の形態において低速信号側の合分波器を省略した第8の実施形態による光伝送ノードの構成を示すブロック図である。分波モジュール1gにおいて図13の低速分波部11cが設けられていない点、および、合波モジュール2gにおいて図11の高速分波部21cが設けられていない点を除いて、他の部分は図11と同じである。
本実施形態においても、WDM信号W3(図12参照)が、分波モジュール1gの不等帯域幅インタリーバ10aにより低速信号群W1a〜W1cおよび高速信号群W2bに分波された後、高速信号群W2bのみが高速分波部12cにより各波長の光信号に分波され、必要に応じてモジュール3を経由した後、高速合波部22cにより合波される。そして、合波モジュール2gの不等帯域幅インタリーバ20aにより、再び、低速信号群W1a〜W1cおよび高速信号群が合波され、1つのWDM信号として出力される。
本実施形態によっても、高速信号用の高性能光合分波器を、WDM信号全体の1/4である40Gbit/s信号の合分波部(伝送部)にのみ適用すればよいので、コストを抑制した10Gbit/sおよび40Gbit/s混載の伝送システムを実現できる。
本発明の第9の実施形態は、WDM信号を高速信号群と低速信号群に分波した後、高速信号側に可変分散補償器を配置したものである。
40Gbit/s信号は10Gbit/s信号よりも分散トレランスが1/16と非常に狭く、伝送路や分散補償ファイバの製造バラツキおよび/または温度変化によって40Gbit/s信号の分散が、その分散トレランスを超える場合がある。したがって、高速信号側には、可変分散補償器が必要となる。
図18から図22は、高速信号側に可変分散補償器を適用した本発明の第9の実施形態による光伝送ノードの構成を示すブロック図である。
図18は、図1と比較すると明らかなように、高速信号側に可変分散補償器5が設けられている点を除いて、他の部分は図1と同じである。図19は、図1と比較すると明らかなように、高速信号側に可変分散補償器5aおよび5bが設けられている点を除いて、他の部分は図1と同じである。図20は、図5と比較すると明らかなように、高速信号側に可変分散補償器5aおよび5bが設けられている点を除いて、他の部分は図5と同じである。図21は、図11と比較すると明らかなように、高速信号側に可変分散補償器5bが設けられている点を除いて、他の部分は図11と同じである。図22は、図13と比較すると明らかなように、高速信号側に可変分散補償器5bが設けられている点を除いて、他の部分は図13と同じである。したがって、これら図18から図22の同じ部分についての説明は省略することとする。
まず、図18を参照して、本実施形態では、WDM信号W0が、不等帯域幅インタリーバ10により、低速信号W1と高速信号群W2とに分波された後、高速信号群W2は、可変分散補償器5に入力される。可変分散補償器5は、高速信号群W2を一括して分散補償する。分散補償された高速信号群W2は、インタリーバ121等に分波された後、合波部2に送られる。
図18の構成を用いることにより40Gbit/s信号にのみ可変分散補償器を適用すればよいので、コストを抑制した10Gbit/sおよび40Gbit/s混載の伝送システムを実現できる。
また、図19では、高速信号群W2がインタリーバ121により奇数チャネルと偶数チャネルとに分波された後、可変分散補償器5aおよび5bによりそれぞれ分散補償される。この構成によっても、上記図18の構成と同様の作用効果を得ることができる。また、この構成では、可変分散補償器が図18よりも多く必要となるが、一方で、可変分散補償器5aおよび5bは、可変分散補償器5よりも、周波数間隔を大きくとれるので、その分、製造コストを下げることができる。
図20から図22についても、図18および図19と同様に、40Gbit/s信号にのみ可変分散補償器が適用され、これにより、コストを抑制した10Gbit/sおよび40Gbit/s混載の伝送システムを実現できる。
なお、図示は省略するが、図14から図17の構成についても、高速信号側に可変分散補償器を適用することができる。
これまでの実施形態では、一般的な中継ノードについて説明したが、第10の実施形態では、補償ノードについて説明する。図23から図27は、本発明の第10の実施形態による補償ノードの構成を示すブロック図である。
図23は、上記第9の実施形態の図18に対応し、図24から図27も、上記第9の実施形態の図19から図22にそれぞれ対応する。したがって、対応する図面において同じ構成要素には同じ符号を付し、その説明を省略することとする。
図23から図27において、符号6はゲインイコライザ(GEQ:Gain Equalizer)であり、各波長(各チャネル)の低速信号および各波長(各チャネル)の高速信号に対して設けられる。また、符号7は、偏波モード分散補償器(PMDC:Polarization Mode Dispersion Compensator)であり、本実施形態では、40Gbit/s信号に対してのみ設けられる。PMDC7は、各波長(各チャネル)に設ける必要があるため、分波モジュールと合波モジュールとの間において、分波器により各波長に分波された高速信号に対して適用される。
本実施形態により、40Gbit/s信号にのみ可変分散補償器と偏波モード分散補償器を適用するので、コストを抑制した10Gbit/s、40Gbit/sの混載伝送システムが実現できる。
なお、可変分散補償器は、省略されてもよい。また、GEQ6についても、40Gbit/s信号には、高速信号用のものを使用し、10Gbit/s信号には低速信号用のものを使用してもよい。これによって、それぞれのビットレートに適したデバイスを使用することができ、コストの抑制に寄与する。
第11の実施形態は、上記第9の実施形態において、低速信号側にも可変分散補償器を設けたものである。
10Gbit/s信号の分散トレランスは40Gbit/s信号のそれに比べて大きいが、長距離伝送される場合には、10Gbit/s信号も伝送路ファイバ、分散補償ファイバの製造ばらつきおよび/または温度変化の影響を受ける可能性がある。そのため、10Gbit/s信号に対しても可変分散補償器が必要になる場合がある。しかしながら、低速信号用可変分散補償器に要求される特性は、高速信号用に要求されるものほど厳しくないので、波長間隔を狭めることにより安価な可変分散補償器を使用でき、あるいは、高速信号と同じ波長間隔のものであれば、安価な可変分散補償器を使用できる。
図28から図30は、本発明の第11の実施形態による光伝送ノードの構成を示すブロック図である。図28は、図18の低速信号側に可変分散補償器8を設けたものであり、図29は、図19の低速信号側に可変分散補償器8を設けたものであり、図30は、図20の低速信号側に可変分散補償器8aおよび8bを設けたものである。これ以外に、図21から図23の低速信号側にも、可変分散補償器を設けることもできる。
本実施形態により、10Gbit/s信号および40Gbit/s信号とも、最適な分散補償を選択しつつ、コストを抑制した10Gbit/sおよび40Gbit/sの混載した光伝送システムを実現できる。
なお、図28から図30では、GEQ6が設けられているが、これらGEQ6は省略されてもよい。
第12の実施形態は、低速信号側にも、偏波モード分散を補償するPMDCを設けたものである。
10Gbit/s信号の伝送距離が短ければ偏波モード分散を補償する必要性は少ないが、10Gbit/s信号を長距離伝送させる場合には、偏波モード分散の補償を行うために、PMDCが必要となってくる。しかしながら、10Gbit/s信号用のPMDCも、40Gbit/s信号用のものに比べて要求される特性が厳しくないので、40Gbit/s用のものよりも安価である。
図31から図33は、本発明の第12の実施形態による光伝送ノードの構成を示すブロック図である。図31は、図23の低速信号側に可変分散補償器8およびPMDC9を設けたものであり、図32は、図24の低速信号側に可変分散補償器8およびPMDC9を設けたものであり、図33は、図25の低速信号側に可変分散補償器8aおよび8bならびにPMDC9を設けたものである。なお、図31から図33において、可変分散補償器8または8aおよび8bは省略することができる。
本実施の形態によっても、低速信号群には、低速信号用の比較的低スペックで安価なPMDC(および可変分散補償器)を使用し、高速信号群には、高速信号用の比較的高スペックのPMDC(および可変分散補償器)を使用することができる。これにより、10Gbit/sおよび40Gbit/sとも最適な分散補償および偏波モード分散補償を選択しつつ、コストを抑制した10Gbit/sおよび40Gbit/s混載の伝送システムを実現できる。
なお、これまで述べた実施形態は、10Gbit/sおよび40Gbit/sの2つの光信号を例に説明したが、本発明はこれらのビットレートに限定されるものではなく、他のビットレートにも適用可能である。
また、ビットレート以外に、変調方式(RZ、NRZ、CSRZ等)が異なる場合にも、各波長の光信号のスペクトル幅が異なるので、この場合にも、スペクトル幅の小さな信号と大きな信号を偶数チャネルと奇数チャネルとに交互に割り当てることにより、本発明を適用することができる。
さらに、上記可変分散補償器は、固定の分散補償器であってもよいし、可変または固定の分散スロープ補償器であってもよい。
(付記1)偶数チャネル群および奇数チャネル群のいずれか一方の第1チャネル群と、他方の第2チャネル群とを有し、前記第1チャネル群の各チャネルには、信号帯域幅が相対的に大きい第1光信号が割り当て可能であり、前記第2チャネル群の各チャネルには、信号帯域幅が相対的に小さい第2光信号が割り当て可能であり、前記偶数チャネル群には前記第1光信号または第2光信号が割り当てられ、前記第2チャネル群には前記第2光信号が割り当てられる波長分割多重信号を伝送する波長分割多重伝送システムであって、
分波モジュール部および合波モジュール部の少なくとも一方を有し、
前記分波モジュール部は、
入力される前記波長分割多重信号を前記第1チャネル群の光信号と前記第2チャネル群の光信号とに分波して出力する第1インタリーブフィルタ部と、
前記第1インタリーブフィルタ部からの前記第1チャネル群の光信号を分波して出力する第1分波部と、
を備え、
前記合波モジュール部は、
入力される複数の前記第1光信号または前記第2光信号を前記第1チャネル群の光信号に合波して出力する第1合波部と、
前記第1合波部からの前記第1チャネル群の光信号と、複数の前記第2光信号が前記第2チャネル群に配置された光信号とを入力し、これら2つの光信号を合波して前記波長分割多重信号を生成し出力する第2インタリーブフィルタ部と、
を備える波長分割多重伝送システム。
(付記2)付記1において、
前記分波モジュール部は、前記第1インタリーブフィルタ部からの前記第2チャネル群の光信号を各波長の光信号に分波して出力する第2分波部をさらに備える、波長分割多重伝送システム。
(付記3)付記1において、
前記合波モジュール部は、入力される複数の前記第2光信号を合波して、前記第2チャネル群の光信号を生成し出力する第2合波部をさらに備える、波長分割多重伝送システム。
(付記4)付記1において、
前記第1インタリーブフィルタ部は、前記第1チャネル群の光信号を出力する第1ポートおよび前記第2チャネル群の光信号を出力する第2ポートを有し、
前記第1ポートおよび第2ポートのそれぞれは、光を透過する透過帯域の帯域幅と光を透過しない不透過帯域の帯域幅とが異なり、前記第1ポートの透過帯域が前記第1光信号の信号帯域と略一致し、前記第2ポートの透過帯域が前記第2光信号の信号帯域と略一致するように設定されている、
波長分割多重伝送システム。
(付記5)付記4において、
前記第1チャネル群を構成する各チャネルには、前記第1光信号が配置され、
前記分波モジュール部は、前記第1インタリーブフィルタ部の前記第1ポートと前記第1分波部との間に可変もしくは固定の分散補償器または可変もしくは固定の分散スロープ補償器をさらに備える、
波長分割多重伝送システム。
(付記6)付記4において、
前記第1チャネル群を構成する各チャネルには、前記第1光信号が配置され、
前記第1分波部は、
前記第1インタリーブフィルタ部の前記第1ポートからの前記第1チャネル群の光信号を、該第1チャネル群を構成する偶数チャネル群の光信号と該第1チャネル群を構成する奇数チャネル群の光信号とに分波して出力する第1インタリーバと、
前記第1インタリーバからの前記偶数チャネル群の光信号をさらに偶数チャネル群の光信号と奇数チャネル群の光信号とに分波して出力する第2インタリーバと、
前記第1インタリーバからの前記奇数チャネル群の光信号をさらに偶数チャネル群の光信号と奇数チャネル群の光信号とに分波して出力する第3インタリーバと、
前記第2インタリーバからの偶数チャネル群および奇数チャネル群の光信号ならびに前記第3インタリーバからの偶数チャネル群および奇数チャネル群の光信号のそれぞれを各波長の光信号に分波する4つの分波器と、
を備える波長分割多重伝送システム。
(付記7)付記6において、
前記分波モジュール部は、前記第1インタリーバと前記第2インタリーバとの間および前記第1インタリーバと前記第3インタリーバとの間のそれぞれに、可変もしくは固定の分散補償器または可変もしくは固定の分散スロープ補償器をさらに備える、波長分割多重伝送システム。
(付記8)付記4において、
前記第1チャネル群を構成する偶数チャネル群および奇数チャネル群のいずれか一方には第1光信号が配置され、他方には第2光信号が配置され、
前記第1分波部は、
前記第1インタリーブフィルタ部の第1ポートからの前記第1チャネル群の光信号を、該第1チャネル群の前記偶数チャネル群の光信号と該第1チャネル群の前記奇数チャネル群の光信号とに分波して出力する第1インタリーバと、
前記第1インタリーバからの前記偶数チャネル群または前記奇数チャネル群のうち、前記第1光信号が配置されたチャネル群の光信号をさらに偶数チャネル群の光信号と奇数チャネル群の光信号とに分波して出力する第2インタリーバと、
前記第2インタリーバからの偶数チャネル群および奇数チャネル群の光信号のそれぞれを各波長の光信号に分波する2つの分波器と、
を備える波長分割多重伝送システム。
(付記9)付記8において、
前記分波モジュール部は、前記第1インタリーバからの前記偶数チャネル群または前記奇数チャネル群のうち、前記第2光信号が配置されたチャネル群の光信号を各波長の光信号に分波する分波器をさらに備える、波長分割多重伝送システム。
(付記10)付記8において、
前記分波モジュール部は、前記第1インタリーバと前記第2インタリーバとの間に、可変もしくは固定の分散補償器または可変もしくは固定の分散スロープ補償器をさらに備える、波長分割多重伝送システム。
(付記11)付記1において、
前記第2インタリーブフィルタ部は、前記第1チャネル群の光信号を入力する第1ポートおよび前記第2チャネル群の光信号を入力する第2ポートを有し、
前記第1ポートおよび第2ポートのそれぞれは、光を透過する透過帯域の帯域幅と光を透過しない不透過帯域の帯域幅とが異なり、前記第1ポートの透過帯域が前記第1光信号の信号帯域と略一致し、前記第2ポートの透過帯域が前記第2光信号の信号帯域と略一致するように設定されている、
波長分割多重伝送システム。
(付記12)付記11において、
前記第1チャネル群を構成する各チャネルには、前記第1光信号が配置され、
前記第1合波部は、
前記第1チャネル群を構成する偶数チャネル群の光信号と前記第1チャネル群を構成する奇数チャネル群の光信号とを入力し、これら両光信号を合波して前記第1チャネル群の光信号を生成し、前記第1インタリーブフィルタ部の前記第1ポートに出力する第4インタリーバと、
前記第1チャネル群の偶数チャネル群をさらに構成する偶数チャネル群の光信号と奇数チャネル群の光信号とを入力し、これら両光信号を合波して前記第1チャネル群の偶数チャネル群の光信号を生成し、前記第4インタリーバに出力する第5インタリーバと、
前記第1チャネル群の奇数チャネル群をさらに構成する偶数チャネル群の光信号と奇数チャネル群の光信号とを入力し、これら両光信号を合波して前記前記第1チャネル群の奇数チャネル群の光信号を生成し、前記第4インタリーバに出力する第6インタリーバと、
複数の第1光信号を合波し、前記第5インタリーバに入力される偶数チャネル群および奇数チャネル群の光信号をそれぞれ合波して生成する2つの合波器と、
複数の第1光信号を合波し、前記第6インタリーバに入力される偶数チャネル群および奇数チャネル群の光信号をそれぞれ合波して生成する2つの合波器と、
を備える波長分割多重伝送システム。
(付記13)付記1において、
前記第1チャネル群を構成する偶数チャネル群および奇数チャネル群のいずれか一方には第1光信号が配置され、他方には第2光信号が配置され、
前記第1合波部は、
前記第1チャネル群の前記偶数チャネル群の光信号と前記奇数チャネル群の光信号とを入力し、これら両光信号を合波して前記第1チャネル群の光信号を生成し、前記第1インタリーブフィルタ部の前記第1ポートに出力する第4インタリーバと、
前記第1チャネル群の前記偶数チャネル群および前記奇数チャネル群のうち、前記第1光信号が配置されたチャネル群をさらに構成する偶数チャネル群の光信号および奇数チャネル群の光信号を入力し、これら両光信号を合波して前記第4インタリーバに出力する第5インタリーバと、
複数の第1光信号を合波し、前記第5インタリーバに入力される前記偶数チャネル群および奇数チャネル群の光信号をそれぞれ生成する2つの合波器と、
を備える波長分割多重伝送システム。
(付記14)付記13において、
前記合波モジュール部は、複数の第2光信号を合波し、前記第1チャネル群の前記偶数チャネル群および前記奇数チャネル群のうち、前記第2光信号が配置されたチャネル群の光信号を生成し、前記第4インタリーバに出力する合波器をさらに備える、波長分割多重伝送システム。
(付記15)付記1において、
前記分波モジュール部は、前記第1インタリーブフィルタ部の前記第2チャネル群の光信号の出力側に可変もしくは固定の分散補償器または可変もしくは固定の分散スロープ補償器をさらに備える、波長分割多重伝送システム。
(付記16)付記1において、
前記第1インタリーブフィルタ部は、前記第1チャネル群の偶数チャネル群の光信号を出力する第1ポートと、前記第1チャネル群の奇数チャネル群の光信号を出力する第2ポートと、前記第2チャネル群の偶数チャネル群の光信号を出力する第3ポートと、前記第2チャネル群の奇数チャネル群の光信号を出力する第4ポートとを有し、
前記第1ポートから第4ポートのそれぞれは、光を透過する透過帯域の帯域幅と光を透過しない不透過帯域の帯域幅とが異なり、
前記第1ポートの透過帯域が、前記第1チャネル群の前記偶数チャネル群に配置された前記第1光信号の信号帯域と略一致し、前記第2ポートの透過帯域が、前記第1チャネル群の前記奇数チャネル群に配置された前記第1光信号の信号帯域と略一致し、前記第3ポートの透過帯域が、前記第2チャネル群の偶数チャネル群に配置された前記第2光信号の信号帯域と略一致し、前記第4ポートの透過帯域が、前記第2チャネル群の奇数チャネル群に配置された前記第2光信号の信号帯域と略一致するように設定されている、
波長分割多重伝送システム。
(付記17)付記16において、
前記分波モジュール部は、前記前記第1インタリーブフィルタ部の前記第3ポートおよび第4ポートのそれぞれに接続された可変もしくは固定の分散補償器または可変もしくは固定の分散スロープ補償器をさらに備える、波長分割多重伝送システム。
(付記18)付記16において、
前記第1チャネル群を構成する各チャネルには、前記第1光信号が配置され、
前記分波モジュール部は、前記第1インタリーブフィルタ部の前記第1ポートと前記第1分波部との間および前記第2ポートと前記第1分波部との間のそれぞれに、可変もしくは固定の分散補償器または可変もしくは固定の分散スロープ補償器をさらに備える、
波長分割多重伝送システム。
(付記19)付記16において、
前記第1チャネル群を構成する各チャネルには、前記第1光信号が配置され、
前記第1分波部は、
前記第1インタリーブフィルタ部の前記第1ポートからの光信号を、さらに偶数チャネル群の光信号と奇数チャネル群の光信号とに分波して出力する第1インタリーバと、
前記第1インタリーブフィルタ部の前記第2ポートからの光信号を、さらに偶数チャネル群の光信号と奇数チャネル群の光信号とに分波して出力する第2インタリーバと、
前記第1インタリーバからの偶数チャネル群および奇数チャネル群の光信号ならびに前記第2インタリーバからの偶数チャネル群および奇数チャネル群の光信号のそれぞれを各波長の光信号に分波する4つの分波器と、
を備える波長分割多重伝送システム。
(付記20)付記16において、
前記第1チャネル群の偶数チャネル群および奇数チャネル群のいずれか一方には第1光信号が配置され、他方には第2光信号が配置され、
前記第1分波部は、
前記第1インタリーブフィルタ部の前記第1ポートまたは前記第2ポートのうち、前記第1光信号が配置されたチャネル群の光信号を出力するポートからの光信号をさらに偶数チャネル群の光信号と奇数チャネル群の光信号とに分波して出力する第1インタリーバと、
前記第1インタリーバからの前記偶数チャネル群および前記奇数チャネル群の光信号のそれぞれを各波長の光信号に分波する2つの分波器と、
を備える波長分割多重伝送システム。
(付記21)付記20において、
前記第1分波部は、前記第1インタリーブフィルタ部の前記第1ポートまたは前記第2ポートのうち、前記第2光信号が配置されたチャネル群の光信号を出力するポートからの光信号を各波長の光信号に分波する分波器をさらに備える、波長分割多重伝送システム。
(付記22)付記20において、
前記分波モジュール部は、前記第1インタリーブフィルタ部と前記第1インタリーバとの間に可変もしくは固定の分散補償器または可変もしくは固定の分散スロープ補償器をさらに備える、波長分割多重伝送システム。
(付記23)付記1において、
前記第2インタリーブフィルタ部は、前記第1チャネル群の偶数チャネル群の光信号を入力する第1ポートと、前記第1チャネル群の奇数チャネル群の光信号を入力する第2ポートと、前記第2チャネル群の偶数チャネル群の光信号を入力する第3ポートと、前記第2チャネル群の奇数チャネル群の光信号を入力する第4ポートとを有し、
前記第1ポートから第4ポートのそれぞれは、光を透過する透過帯域の帯域幅と光を透過しない不透過帯域の帯域幅とが異なり、
前記第1ポートの透過帯域が、前記第1チャネル群の前記偶数チャネル群に配置された前記第1光信号の信号帯域と略一致し、前記第2ポートの透過帯域が、前記第1チャネル群の前記奇数チャネル群に配置された前記第1光信号の信号帯域と略一致し、前記第3ポートの透過帯域が、前記第2チャネル群の偶数チャネル群に配置された前記第2光信号の信号帯域と略一致し、前記第4ポートの透過帯域が、前記第2チャネル群の奇数チャネル群に配置された前記第2光信号の信号帯域と略一致するように設定されている、
波長分割多重伝送システム。
(付記24)付記23において、
前記第1チャネル群を構成する各チャネルには、前記第1光信号が配置され、
前記第1合波部は、
前記第1チャネル群の前記偶数チャネル群をさらに構成する偶数チャネル群および奇数チャネル群のそれぞれの光信号を入力し、これら両光信号を合波して前記第1チャネル群の前記偶数チャネル群の光信号を生成し、前記第1ポートに出力する第4インタリーバと、
前記第1チャネル群の前記奇数チャネル群をさらに構成する偶数チャネル群および奇数チャネル群のそれぞれの光信号を入力し、これら両光信号を合波して前記第1チャネル群の前記奇数チャネル群の光信号を生成し、前記第2ポートに出力する第5インタリーバと、
前記第1チャネル群の前記偶数チャネル群をさらに構成する偶数チャネル群の光信号と、前記第1チャネル群の前記偶数チャネル群をさらに構成する奇数チャネル群の光信号と、前記第1チャネル群の前記奇数チャネル群をさらに構成する偶数チャネル群の光信号と、前記第1チャネル群の前記奇数チャネル群をさらに構成する奇数チャネル群の光信号とを、各波長の複数の第1光信号を合波することによりそれぞれ生成する4つの合波器と、
を備える波長分割多重伝送システム。
(付記25)付記23において、
前記第2インタリーブフィルタ部の前記第3ポートに入力される前記第2チャネル群の偶数チャネル群の光信号を、複数の第2光信号を合波することにより生成し、前記第3ポートに出力する第1合波器と、
前記第2インタリーブフィルタ部の前記第4ポートに入力される前記第2チャネル群の奇数チャネル群の光信号を、複数の第2光信号を合波することにより生成し、前記第4ポートに出力する第2合波器と、
をさらに備える波長分割多重伝送システム。
(付記26)付記23において、
前記第1チャネル群の偶数チャネル群および奇数チャネル群のいずれか一方には第1光信号が配置され、他方には第2光信号が配置され、
前記第1合波部は、
前記第1チャネル群の前記偶数チャネル群および前記奇数チャネル群のうち、前記第1光信号が配置されたチャネル群をさらに構成する偶数チャネル群の光信号および奇数チャネル群の光信号を入力し、これら両光信号を合波して前記第2インタリーブフィルタ部に出力する第5インタリーバと、
複数の第1光信号を合波し、前記第5インタリーバに入力される前記偶数チャネル群および奇数チャネル群の光信号をそれぞれ生成する2つの合波器と、
を備える波長分割多重伝送システム。
(付記27)付記23において、
前記第1チャネル群の偶数チャネル群および奇数チャネル群のいずれか一方には第1光信号が配置され、他方には第2光信号が配置され、
前記合波モジュールは、前記1チャネル群の前記偶数チャネル群および前記奇数チャネル群のうち、前記第1光信号が配置されたチャネル群の光信号を、複数の第2光信号を合波して生成し、前記第2インタリーブフィルタ部に出力する合波器をさらに備える、波長分割多重伝送システム。
(付記28)付記23において、
前記分波モジュールは、前記第2インタリーブフィルタ部の前記第3ポートに入力される前記第2チャネル群の偶数チャネル群の光信号と、前記第4ポートに入力される前記第2チャネル群の奇数チャネル群の光信号とを、複数の第2光信号を合波することによりそれぞれ生成する2つの合波器をさらに備える、波長分割多重伝送システム。
(付記29)付記1において、
前記第1光信号は、透過帯域幅F1を有し、前記第2光信号は、透過帯域幅F2を有し、前記波長分割多重信号の各チャネルは周波数間隔F(F≧(F1+F2)/2)で配置され、
前記第1インタリーブフィルタ部は、
前記波長分割多重信号が入力され、帯域幅2Fの透過帯域および不透過帯域が交互に繰り返す透過特性により前記波長分割多重信号をフィルタリングして出力する第1ポートと、該第1ポートと逆の透過特性により前記波長分割多重信号をフィルタリングして出力する第2ポートとを有する第1インタリーバと、
前記第1ポートからの光信号が入力され、帯域幅2Fの透過帯域および不透過帯域が交互に繰り返す透過特性により前記第1ポートからの光信号をフィルタリングして出力する第3ポートと、該第3ポートと逆の透過特性により前記第1ポートからの光信号をフィルタリングして出力する第4ポートとを有する第2インタリーバと、
前記第2ポートからの光信号が入力され、帯域幅2Fの透過帯域および不透過帯域が交互に繰り返す透過特性により前記第2ポートからの光信号をフィルタリングして出力する第5ポートと、該第5ポートと逆の透過特性により前記第2ポートからの光信号をフィルタリングして出力する第6ポートとを有する第3インタリーバと、
を備え、
前記第1および第3ポートの透過帯域の重複部分が前記第1チャネル群の奇数チャネル群の光信号の信号帯域を含み、前記第1および第4ポートの透過帯域の重複部分が前記第2チャネル群の奇数チャネル群の光信号の信号帯域を含み、前記第2および第5ポートの透過帯域の重複部分が前記第2チャネル群の偶数チャネル群の光信号の信号帯域を含み、前記第2および第6ポートの透過帯域の重複部分が前記第1チャネル群の偶数チャネル群の光信号の信号帯域を含むように、前記第1、第2、および第3インタリーバの透過帯域の中心周波数が前記波長分割多重信号の各チャネルの周波数からシフトしている、
波長分割多重伝送システム。
(付記30)付記1において、
前記第1光信号は、透過帯域幅F1を有し、前記第2光信号は、透過帯域幅F2を有し、前記波長分割多重信号の各チャネルは周波数間隔F(F≧(F1+F2)/2)で配置され、
前記第1インタリーブフィルタ部は、
前記波長分割多重信号が入力され、該波長分割多重信号を2つのポートから出力するカプラと、
前記カプラからの前記波長分割多重信号が入力され、前記第1チャネル群の奇数チャネル群または偶数チャネル群の光信号の信号帯域の中心周波数を中心とした帯域幅F1の透過帯域が周期4Fで繰り返す透過特性により前記波長分割多重信号をフィルタリングして出力する第1ポートと、該第1ポートの透過帯域から周波数2Fだけシフトした帯域幅F1の透過帯域が周期4Fで繰り返す透過特性により前記波長分割多重信号をフィルタリングして出力する第2ポートとを有する第1インタリーバと、
前記カプラからの前記波長分割多重信号が入力され、前記第2チャネル群の奇数チャネル群または偶数チャネル群の光信号の信号帯域の中心周波数を中心とした帯域幅F2の透過帯域が周期4Fで繰り返す透過特性により前記波長分割多重信号をフィルタリングして出力する第3ポートと、該第3ポートの透過帯域から周波数2Fだけシフトした帯域幅F2の透過帯域が周期4Fで繰り返す透過特性により前記波長分割多重信号をフィルタリングして出力する第4ポートとを有する第2インタリーバと、
を備える波長分割多重伝送システム。
(付記31)偶数チャネル群および奇数チャネル群のいずれか一方の第1チャネル群と、他方の第2チャネル群とを有し、前記第1チャネル群の各チャネルには、信号帯域幅が相対的に大きい第1光信号が割り当て可能であり、前記第2チャネル群の各チャネルには、信号帯域幅が相対的に小さい第2光信号が割り当て可能であり、前記偶数チャネル群には前記第1光信号または第2光信号が割り当てられ、前記第2チャネル群には前記第2光信号が割り当てられる波長分割多重信号を伝送する中継ノードであって、
分波モジュール部および合波モジュール部を有し、
前記分波モジュール部は、
入力される前記波長分割多重信号を前記第1チャネル群の光信号と前記第2チャネル群の光信号とに分波して出力する第1インタリーブフィルタ部と、
前記第1インタリーブフィルタ部からの前記第1チャネル群の光信号を分波して出力する第1分波部と、
を備え、
前記合波モジュール部は、
前記第1分波部からの光信号を前記第1チャネル群の光信号に合波して出力する第1合波部と、
前記第1合波部からの前記第1チャネル群の光信号と、複数の前記第2光信号が前記第2チャネル群に配置された光信号とを入力し、これら2つの光信号を合波して前記波長分割多重信号を生成し出力する第2インタリーブフィルタ部と、
を備える中継ノード。
(付記32)付記31において、
前記第1分波部は、前記第1チャネル群の光信号を各波長の光信号に分波し、
前記第1合波部は、前記第1分波部からの各波長の光信号を合波し、
前記第1分波部と前記第1合波部との間に、前記第1チャネル群の各波長の光信号の少なくとも1つに対して、光信号をアッドまたはドロップする少なくとも1つのアッド/ドロップモジュールをさらに備える中継ノード。
(付記33)付記31において、
前記第1分波部は、前記第1チャネル群の光信号を各波長の光信号に分波し、
前記第1合波部は、前記第1分波部からの各波長の光信号を合波し、
前記第1分波部と前記第1合波部との間に、前記第1チャネル群の各波長の光信号の少なくとも1つに対して、等化処理を行う少なくとも1つのゲインイコライザをさらに備える中継ノード。
(付記34)付記31において、
前記第1分波部は、前記第1チャネル群の光信号を各波長の光信号に分波し、
前記第1合波部は、前記第1分波部からの各波長の光信号を合波し、
前記第1分波部と前記第1合波部との間に、前記第1チャネル群の各波長の光信号の少なくとも1つに対して、偏波モード分散補償を行う少なくとも1つの偏波モード分散補償器をさらに備える中継ノード。
(付記35)付記31において、
前記分波モジュール部は、前記第1インタリーブフィルタ部からの前記第2チャネル群の光信号を各波長の光信号に分波する分波器をさらに備え、
前記合波モジュール部は、前記分波モジュール部の前記分波器からの各波長の光信号を合波して前記第2インタリーブフィルタ部に出力する合波器をさらに備える、
中継ノード。
(付記36)付記35において、
前記分波器と前記合波器との間に、前記第2チャネル群の各波長の光信号の少なくとも1つに対して、光信号をアッドまたはドロップする少なくとも1つのアッド/ドロップモジュールをさらに備える中継ノード。
(付記37)付記35において、
前記分波器と前記合波器との間に、前記第2チャネル群の各波長の光信号の少なくとも1つに対して、等化処理を行う少なくとも1つのゲインイコライザをさらに備える中継ノード。
(付記38)付記35において、
前記分波器と前記合波器との間に、前記第2チャネル群の各波長の光信号の少なくとも1つに対して、偏波モード分散補償を行う少なくとも1つの偏波モード分散補償器をさらに備える中継ノード。
本発明は、WDM伝送システムに利用することができ、特に、WDM伝送システムの送信端局、中継ノード、受信端局、補償ノード等に利用することができる。
本発明によると、高機能デバイスによるコスト上昇を抑制した、異なるビットレート光信号が混載された波長分割多重伝送システムを提供することができる。また、本発明によると、高機能デバイスおよび各種補償デバイスによるコスト上昇を抑制した、異なるビットレートの光信号が混載された波長分割多重伝送システムを提供することができる。さらに、本発明によると、それぞれのビットレートに最適な波長及び偏波モード分散補償方法を適用可能な、異なるビットレートの光信号が混載された波長分割多重伝送システムを提供することができる。
本発明の第1の実施形態による光伝送ノードの構成を示すブロック図である。
WDM信号W0を構成する各波長の光信号の配置を示す。
40Gbit/sのWDM伝送システムにおいて、光信号間の周波数間隔を50GHz、75GHz、および100GHzに変化させた場合のフィルタ帯域幅とQ値(Quality Factor)との関係を示すグラフである。
ビットレートおよび波長間隔と周波数利用効率との関係を示す表である。
不等帯域幅インタリーバの透過特性およびWDM信号が不等帯域幅インタリーバによりフィルタリングされる様子を示す。
本発明の第2の実施形態による光伝送ノードの構成を示すブロック図である。
分波モジュールの不等帯域幅インタリーバの一構成例を示すブロック図である。
合波モジュールの不等帯域幅インタリーバの一構成例を示すブロック図である。
不等帯域幅インタリーバの透過特性およびWDM信号が不等帯域幅インタリーバによりフィルタリングされる様子を示す。
インタリーバの組み合わせの透過特性およびWDM信号が不等帯域幅インタリーバによりフィルタリングされる様子を示す。
分波モジュールの不等帯域幅インタリーバの一構成例を示すブロック図である。
合波モジュールの不等帯域幅インタリーバの一構成例を示すブロック図である。
図9.Aに示す2つのインタリーバの透過特性ならびにWDM信号が2つのインタリーバによりフィルタリングされる様子を示す。
本発明の第3の実施形態による光伝送ノードの構成を示すブロック図である。
本発明の第3の実施形態の分波モジュールに入力されるWDM信号の信号配置例を示す。
本発明の第4の実施形態による光伝送ノードの構成を示すブロック図である。
本発明の第5の実施形態による光伝送ノードの構成を示すブロック図である。
本発明の第6の実施形態によるよる光伝送ノードの構成を示すブロック図である。
本発明の第7の実施形態による光伝送ノードの構成を示すブロック図である。
本発明の第8の実施形態による光伝送ノードの構成を示すブロック図である。
高速信号側に可変分散補償器を適用した本発明の第9の実施形態による光伝送ノードの構成を示すブロック図である。
高速信号側に可変分散補償器を適用した本発明の第9の実施形態による光伝送ノードの構成を示すブロック図である。
高速信号側に可変分散補償器を適用した本発明の第9の実施形態による光伝送ノードの構成を示すブロック図である。
高速信号側に可変分散補償器を適用した本発明の第9の実施形態による光伝送ノードの構成を示すブロック図である。
高速信号側に可変分散補償器を適用した本発明の第9の実施形態による光伝送ノードの構成を示すブロック図である。
本発明の第10の実施形態による補償ノードの構成を示すブロック図である。
本発明の第10の実施形態による補償ノードの構成を示すブロック図である。
本発明の第10の実施形態による補償ノードの構成を示すブロック図である。
本発明の第10の実施形態による補償ノードの構成を示すブロック図である。
本発明の第10の実施形態による補償ノードの構成を示すブロック図である。
本発明の第11の実施形態による光伝送ノードの構成を示すブロック図である。
本発明の第11の実施形態による光伝送ノードの構成を示すブロック図である。
本発明の第11の実施形態による光伝送ノードの構成を示すブロック図である。
本発明の第12の実施形態による光伝送ノードの構成を示すブロック図である。
本発明の第12の実施形態による光伝送ノードの構成を示すブロック図である。
本発明の第12の実施形態による光伝送ノードの構成を示すブロック図である。
高速用光合分波器および低速用光合分波器の透過特性を示すグラフである。
高速用光合分波器および低速用光合分波器の中心波長のずれに対するQ値劣化を示すグラフである。
符号の説明
1 分波モジュール
2 合波モジュール
3 Add/Dropモジュール群
10、20 不等帯域幅インタリーバ
11 低速分波部
12 高速分波部
21 低速合波部
22 高速合波部
110 分波器
210 合波器
121−123、221−223 インタリーバ