JP2005063781A - 表示装置及びその製造方法 - Google Patents

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茂実 大津
Hidekazu Akutsu
英一 圷
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敬司 清水
Kazutoshi Tanida
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Abstract

【課題】 平坦性に優れ精細な画素を有するカラーフィルターの上に白色有機電界発光素子を形成することにより、白色有機電界発光素子における断線等がなく高精細な画像表示が可能な優れた表示装置及びその製造方法を提供すること。
【解決手段】 光透過性基板に光透過性導電膜と光半導体薄膜を設けた光電着基板の光半導体薄膜の上に、光電着法により形成するカラーフィルター、平坦化膜及び白色有機電界発光素子をこの順に有する表示装置、基板に光透過性導電膜と光半導体薄膜を設けた光電着基板に光電着法によりカラーフィルターを形成する工程、カラーフィルターの上に平坦化膜を形成する工程、及び平坦化膜の上に白色有機電界発光素子を形成する工程を有する表示装置の製造方法。
【選択図】 図1

Description

本発明は携帯電話やPDA等に利用される有機EL表示装置に関する。
フラットパネル型の表示装置としては、LCD表示装置、LED表示装置、PDP表示装置、有機EL表示装置等種々のものが知られているが、近年、視野角依存性がなく高速応答性の有機EL表示装置が提案され注目されている。
フルカラー方式有機EL表示装置は、おおまかに分けて、(1)R.G.B光をそれぞれ発光する発光層を画素に対応してパターニング形成した有機電界発光素子を用いるタイプ、(2)青色発光有機電界発光素子に、蛍光色素を含有する色変換フィルターを組合わせ青色光をより長波長の蛍光へ色変換してR.G.B画素を得るタイプ、(3)白色発光有機電界発光素子に、R.G.Bカラーフィルターを積層するタイプに分類される。
前記(1)のタイプは、各発光層の発光効率、発光強度、寿命等が均一のものを得るのが難しく、また各発光層のパターニングには通常フォトリソ法が用いられるが、これは煩瑣で高コストな方法である。したがって、前記1)のものは未だ実用化に至っていない。また、前記(2)のタイプ(例えば以下の特許文献1を参照)は各色の発光強度の調整が困難である。
一方、前記(3)のタイプは、単独の有機電界発光素子を用いるので、前記(1)及び(2)のごとき問題点を有していないが、カラーフィルター膜を顔料含有フォトレジスト層のフォトリソ法によるパターニングで形成すると、RGB画素とブラックマトリックスが境界領域で重なって生ずる段差(ブラックマトリックス表面とRGB画素表面との段差)は0.5μm以上に達し、表面の平坦性に劣るものとなり、その上に白色有機電界発光素子を形成すると断線が起きたりする問題があった。
この問題に対し以下の特許文献2及び3においては、蒸着法により薄いカラーフィルター膜を形成して段差を少なくすることが提案されている。しかしながら、蒸着法で形成したとしても、RGB画素とブラックマトリックスとの境界領域での重なりを回避することは難しく(蒸着法でも0.2μm程度の段差が発生する)、平坦性に優れたカラーフィルターは得にくく、前記の問題を完全に回避するには至っていないのが現状である。また、蒸着によりカラーフィルターを形成する際マスクを用いる必要があるので、得られるカラーフィルターは画素数が少なく、したがって高精細なものは得られず、更に混色も生ずるという問題もある。
特開2000−111721号公報 特開2001−196174号公報 特開2002−184575号公報
本発明は前記のごとき問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、平坦性に優れ精細な画素を有するカラーフィルターの上に白色有機電界発光素子を形成することにより、白色有機電界発光素子における断線等がなく高精細な画像表示が可能な表示装置及びその製造方法を提供することにある。
(1)光透過性基板に光透過性導電膜と光半導体薄膜を設けた光電着基板の光半導体薄膜の上に、光電着法により形成するカラーフィルター、平坦化膜及び白色有機電界発光素子をこの順に有する表示装置。
(2)前記基板が可撓性プラスチックフィルムであることを特徴とする前記(1)に記載の表示装置。
(3)平坦化膜と白色有機電界発光素子の間にバリアー層を設けることを特徴とする前記(1)に記載の表示装置。
(4)前記バリアー層がSiO2又はSiNO2よりなることを特徴とする前記(3)に記載の表示装置。
(5)カラーフィルターの上に設けた平坦化膜の平坦性が0.2μm以下であることを特徴とする前記(1)に記載の表示装置。
(6)前記白色有機電界発光素子が光透過性の陽電極、ホール注入輸送層、発光層、電子注入輸送層及び陰電極をこの順に有することを特徴とする前記(1)に記載の表示装置。
(7)光透過性の陽電極と陰電極が互いに直交するようにストライプ状に設けられていることを特徴とする前記(1)に記載の表示装置。
(8)前記白色有機電界発生素子がTFT駆動されることを特徴とする前記(1)に記載の表示装置。
(9)基板に光透過性導電膜と光半導体薄膜を設けた光電着基板に光電着法によりカラーフィルターを形成する工程、カラーフィルターの上に平坦化膜を形成する工程、及び平坦化膜の上に白色有機電界発光素子を形成する工程を有する表示装置の製造方法。
(10)平坦化膜形成時に120℃〜250℃の範囲の温度において平坦化膜を加熱処理することを特徴とする前記(9)に記載の表示装置の製造方法。
(11)前記光電着法によりカラーフィルターを形成する工程が、基板に光透過性導電膜と光半導体薄膜を設けた光電着基板を、pHの変化により水性液体に対する溶解性ないし分散性が低下する電着材料及び着色材を含むカラーフィルター形成用水系電着液に前記光半導体薄膜を接触させ、前記電着液中に置いた対向電極と前記導電膜を電気的に接続た状態で、前記光半導体薄膜の選択領域に光照射することにより該選択領域と対向電極との間に電圧を印加して前記光半導体薄膜上に電着膜を析出形成する工程であることを特徴とする前記(9)に記載の表示装置の製造方法。
本発明の表示装置においてはカラーフィルター層を光電着法で作製しているため、高解像度で高精細なカラーパターンが工程数少なくかつ制御性よく得られ、かつカラーフィルター層の平坦性をサブミクロン以下(0.2μm以下)に抑えることができる。そしてこのようなカラーフィルター層の上に平坦化膜を形成することによりその表面の平坦性を0.2μm、更には0.1μm以下にすることができ、この上に白色有機電界発光素子を形成すると断線が有効に防止でき、その結果、高精細な表示が可能な表示装置が得られる。
本発明の表示装置は、少なくとも、光透過性基板に光透過性導電膜と光半導体薄膜を設けた光電着基板の光半導体薄膜の上に光電着法により形成されたカラーフィルター、平坦化膜及び白色有機電界発光素子をこの順に有するもので、カラーフィルターを光電着法により形成することを特徴とする。
本発明の表示装置の1要素であるカラーフィルターは、光電着法により作製されるため、高解像度で高精細なカラーパターンが得られ、かつその平坦性に優れている。その詳細については後述する。
本発明におけるカラーフィルターは平坦性に優れているが、更にその上に平坦化膜を設けることにより、RGB画素部分とブラックマトリックス部分との段差をさらに小さくすることができる。白色有機電界発光素子を作るには、膜厚が100nm程度と非常に薄い電極膜の形成が必要であるため、白色有機電界発光素子形成面の平坦性が悪いと前記電極薄膜が断線する危険性が大きい。しかし、前記のごとくカラーフィルターの上に平坦化膜を設けることにより、白色有機電界発光素子形成面の平坦性を0.2μm以下、更には0.1μm以下にすることができ、前記のような危険性を回避することが可能となる。
白色有機電界発光素子は、白色光を取り出すことができる素子であり、発光層と該発光層に電圧を印可するための陽電極と陰電極を少なくとも有する。また、カラーフィルターに近い側の電極は発光光を透過させることが必要である。
また、陽電極に隣接してホール輸送性化合物を含むホール注入輸送層(ホール注入層とホール輸送層の2層にしてもよい)を設けてもよく、陰電極に隣接して電子注入輸送性化合物を含む電子注入輸送層(電子注入層と電子輸送層の2層にしてもよい)を設けてもよい。また、白色有機電界発光素子の上に水やガス等を遮断するパッシベーション膜を設けてもよい。
発光層、ホール注入輸送層、電子注入輸送層、陽電極、陰電極等に関しては以下で詳述する。
次に図を用いて本発明の表示装置について説明する。
図1は本発明の表示装置の一例を示す概念図で、図1中、10は光電着基板であり、12は光透過性基板を、14は光透過性導電膜を、16は光半導体薄膜を、18はRGB画素及びRGB画素の間を埋めるブラックマトリックスからなるカラーフィルター層をそれぞれ示し、20は平坦化膜を示す。30は白色有機電界発光素子であり、32はストライプ状に形成された陽電極(ITO等の光透過性電極)を、33はホール注入輸送層を、34は発光層を、35は電子注入輸送層を、37は32の陽電極ストライプと直交するストライプ状陰電極を、39はパッシベーション膜をそれぞれ示す。なお、駆動電源やスイッチング制御手段等は省略されている。
図1の表示装置において、選択された部分に駆動電圧を印可すると、白色有機電界発光素子から白色光が放射され、これがカラーフィルターを透過してフルカラー表示される。
図2はスイッチング素子としてTFT素子を用いる例を示す概念図であり、図2(A)は図2(B)のA−A断面図を示し、図2(B)は図2(A)においてTFT素子が現れるように発光層及びその上の層を取り除いた状態を示す図である。図2(A)中、10は光電着基板であり、12は光透過性基板を、14は光透過性導電膜は、16は光半導体薄膜を、18はRGB画素及びRGB画素の間を埋めるブラックマトリックスからなるカラーフィルター層をそれぞれ示し、20は平坦化膜を示す。また、40は白色有機電界発光素子であり、41はTFT素子、42はゲート電極、43はゲート絶縁膜、44はn+a−Si/a−Si、45はソース電極、46はドレイン電極、47は保護膜、48は画素電極(陽電極)、50は発光層(電子注入輸送層及びホール注入輸送層を含む)、52は全面に設けた陰電極、54はパッシベーション膜をそれぞれ示す。
また、図2(B)中、41はTFT素子、62はソース電極線、64はゲート電極線を示し、R、G、Bは、画素電極48を通して見えるカラーフィルター膜の各画素の色を示す。
スイッチング素子であるTFT素子を駆動することにより、選択領域に駆動電圧を印可し、発光層から白色光を放射させフルカラー表示する。
以下に、本発明の表示装置及びそのの製造方法について更に詳述する。
(光電着法によるカラーフィルター)
本発明で用いる光電着法の基本的構成は、光透過性の基板に光透過性の導電膜と光透過性の光半導体薄膜をこの順に設けた光電着基板を、pHの変化により水性液体に対する溶解性ないし分散性が低下する電着材料及び着色材を含むカラーフィルター形成用水系電着液に、前記光電着基板の光半導体薄膜が接触するように配置し、前記電着液中に置いた対向電極と前記導電膜を電気的に接続た状態で、光半導体薄膜の選択領域に光を照射し、その選択領域に光起電力を発生させて、電着に必要な電圧を選択領域と対向電極の間に印加し、光半導体薄膜近傍のpHを変化させ、電着液から高分子材料を光半導体薄膜上に析出させることを特徴とする。光起電力に基づく電圧が電着に必要な電圧を超えて十分大きい場合には、特にバイアス電圧を加える必要はないが、不充分な場合には、光起電力に加えてさらに導電膜にバイアス電圧を加える。
<pHの変化により水性液体に対する溶解性ないし分散性が低下する電着材料及び着色材を含むカラーフィルター形成用水系電着液>
前記水系電着液は、水系液(水又はこれに親水性有機溶媒を混合したもの、以下同じ)中にそれ自身が電着性を有する着色材を溶解又は分散させたもの、あるいは、水系液にそれ自体に電着性がない着色材を電着性高分子材料を用いて分散させたものを用いることができ、この場合には高分子材料が凝集・析出して着膜する際に、その膜に取り込まれて膜を着色する。ここで「電着性」とは、電着液に電流や電界を付与することに伴う電着液のpH変化により、電着液に対する溶解性あるいは分散性が低下して着色材や高分子材料が析出することを意味する。
前記のpH条件の変化により溶解性あるいは分散性が低下する染料としては、イオン性染料が挙げられる。またイオン性染料と顔料を組み合わせて使用することもできる。
イオン性染料としては、トリフェニルメタンフタリド系、フェノサジン系、フェノチアジン系、フルオレセイン系、インドリルフタリド系、スピロピラン系、アザフタリド系、ジフェニルメタン系、クロメノピラゾール系、ロイコオーラミン系、アゾメチン系、ローダミンラクタル系、ナフトラクタム系、トリアゼン系、トリアゾールアゾ系、チアゾールアゾ系、アゾ系、オキサジン系、チアジン系、ベンズチアゾールアゾ系、キノンイミン系の染料、及びカルボキシル基、アミノ基、又はイミノ基を有する親水性染料等が挙げられる。
酸性染料としては例えば、ゼネカ社製のPro Jet Farst Yellow 2は、純水(pH6〜8)に容易に溶解しアニオンとして水溶液中に存在しているが、pHが6以下になると不溶化して析出する性質を持つ。また、pH4以上では還元状態をとり水に溶解するが、pH4未満の領域では酸化されて中性状態となり析出、沈殿するフルオレセイン系の色素であるローズベンガルやエオシン、また、構造変化を伴わなくても溶液の水素イオン濃度(pH)によって溶解度が大きく変化するカルボキシル基をもった色素材料(具体的には、pH6以上では水に溶けるがそれ以下では沈殿する耐水性改良インクジェット染料)等が挙げられる。
塩基性染料としては、アミノ基またはその誘導基を有するものがあり、キノンイミン染料の一つであるオキサジン系の塩基性染料Cathilon Pure Blue 5GH(C.I.Basic Blue 3)や、チアジン系の塩基性染料メチレンブルー(C.I.Basic Blue 9)が挙げられ、これらはpHが10以下では酸化状態を取り発色しているがそれ以上になると還元されて不溶化し析出する。塩基性染料としてはこの他にビクトリアブル−B、ロ−ダミン6G等が挙げられる。
また、それ自体電着性をもたないが、電着性高分子材料により水系液に分散させて用いる着色材としては、公知の赤色、緑色、青色等の顔料を特に制限なく使用することができるが、顔料の粒子径が小さい程色相の再現性がよい。カラーフィルターを作製する場合には、カラーフィルター層の透明性及び分散性の観点からは、特に顔料の平均粒子径が200nm(0.2μm)好ましくは100nm(0.1μm)以下のものが好ましい。また、カラーフィルター用着色材としては、本発明者らが、光電着方法に適する材料として先に、特開平11−105418号公報、特開平11−157198号公報に記載の着色材なども用いることができる。
電着性高分子材料は、pHの変化により水性液体に対する溶解性ないし分散性が低下する材料をいう。前記電着性高分子材料としては、疎水性基を有するモノマーからの単位(疎水性単位)とイオン解離する基を有するモノマーからの単位(イオン解離単位)を含み、前記疎水性単位とイオン解離性単位の和に対する疎水性単位の割合が55〜70%である共重合体が好ましい。イオン解離する基としてはカルボキシル基、アミノ基、スルホ基、第4アンモニウム基等が挙げられる。
好ましい電着性高分子材料としては例えば、1)アルケン、スチレン及びその誘導体ならびにビニルナフタレン及びその誘導体から選ばれるモノマー(疎水性基を有するモノマー)の1種以上と、2)イオン解離する酸性基を含有するモノマーの1種以上からの各構成単位を含む共重合体が好ましく用いられる。また、前記モノマーの他にさらに他のモノマー、例えばα,β−エチレン性不飽和カルボン酸アルキルエステル(その他のモノマー)の1種以上からの各構成単位を含む共重合体が好ましく用いられる。
前記1)のモノマーである、アルケン、スチレン及びその誘導体ならびにビニルナフタレン及びその誘導体から選ばれるモノマーから構成される単位は疎水性が強く、顔料微粒子を強く吸着して顔料分散を安定化する。さらに前記構成単位はその疎水性により形成画像の耐水性に寄与し、また、画像部に堅牢性を与える。さらに前記構成単位は共重合体のイオン解離する酸性基を含有するモノマーのイオン解離機能の抑制にも影響を与える。
アルケンは炭素数が2〜20程度のものが好ましく、より好ましくは2〜10 であり、疎水性が大きく損なわれない限り他の置換基を有していてもよい。
スチレン及びこの誘導体としてはスチレン、α−メチルスチレン、α−エチルスチレンや、これらのスチレン及びその誘導体のベンゼン環に疎水性を大きく損なわない置換基あるいはさらに疎水性を増す置換基が置換したものなどを挙げることができる。また、ビニルナフタレン及びその誘導体としてはビニルナフタレンの他、ナフタレン環に疎水性を大きく損なわない置換基あるいはさらに疎水性を増す置換基が置換したビニルナフタレンが挙げられる。
中でも、アルケン、スチレン及びその誘導体は、共重合体製造時の制御性が高く有用な疎水性モノマ−である。
前記2)のモノマーである、イオン解離する酸性基を含有するモノマーからの構成単位は、共重合体をアルカリ性の水性媒体に溶解させる機能を有し、前記モノマーとしては、α,β−エチレン性不飽和カルボン酸が好ましく挙げられ、例えばメタクリル酸、アクリル酸、無水マレイン酸又はそのモノエステル、フマル酸又はそのモノエステル、イタコン酸又はそのモノエステル、クロトン酸などが挙げられる。特に、メタクリル酸、アクリル酸は前記機能の点からみて好ましい。
他のモノマーである、α,β−エチレン性不飽和カルボン酸アルキルエステルからの構成単位は共重合体に屈曲性を与える成分である。α,β−エチレン性不飽和カルボン酸アルキルエステルのアルキル基は炭素数1〜20が好ましく、より好ましくは2〜10である。例えば、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル等のメタクリル酸エステル類、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル等のアクリル酸エステル類、マレイン酸ジメチル、マレイン酸ジエチル等のマレイン酸エステル類、フマル酸ジメチル、フマル酸ジエチル等のフマル酸エステル類等が挙げられる。
また、前記のごときモノマーにさらに、架橋性基を有するモノマーを加えると、カラーフィルター膜の強度、耐熱性等を向上させることができる。
前記架橋性基を有するモノマーとしては、たとえばグリシジル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸アジド、メタクリル酸2−(O−〔1’−メチルプロピリデンアミノ〕カルボキシアミノ)エチル(昭和電工(株)製、商品名:カレンズMO1−BN)、4−((メタ)アクリロイルオキシメチル)エチレンカーボネート、(メタ)アクリロイルメラミン等が挙げられる。これらの架橋性モノマーは、用いるモノマーの種類によっても異なるが、一般的に電着性高分子化合物中1〜20モル%含まれる。
前記1)及び2)のモノマーから得られる共重合体は、液のpHを変化させることにより、良溶解状態(均一透明溶液液)から白濁状態(溶解から沈殿に至る過渡状態)を経て上澄みを生じる沈殿(2層分離)に至るが、前記共重合体は酸性基の他特定の構成単位を有するため、前記白濁液を生ずるpH領域が狭く、良溶解状態から沈殿析出への移行が急峻である。そのため、わずかなpHの低下、すなわち、微少電圧印加によっても共重合体の溶解性が劇的に減少し、電着膜が析出する。
共重合体の、溶解状態から上澄みを生じる沈殿の現象が、pH変化量が2以内、好ましくは1.0以内であることが好ましい。
前記共重合体のpH特性は、電気化学的現象解析法である「EQCM法」により評価することができる。EQCM測定装置は、容器の中にpH特性を測定すべき共重合体溶液を収納し、溶液中にセンサー(水晶振動子と作用電極を有する)、対向電極及び参照電極を置き、これらを電圧印加装置に連結したもので、対向電極と作用電極の間にかける印加電圧を変化させて、作用電極上への共重合体の付着量の変化を調べるものである。
共重合体溶液の、良溶解状態から上澄みを生じる沈殿の現象が、pH変化量が小さくても生ずることに加え、一旦沈殿した共重合体が、pHの上昇にもかかわらずその沈殿状態を維持して再溶解しないこと、すなわちヒステリシス特性を示すことが好ましい。この特性を示すものは、前記EQCM法による印加電圧−共重合体付着量の変化において、わずかに水素イオン濃度を高くした場合でも急激に共重合体膜の析出(例えば+1.8Vの陽極電極上)が生じ、液の水素イオン濃度をこれより低くした場合(例えば+1.0Vから+0.2Vへ電圧低下させた場合)や、更にpHが変化して高い水酸イオン濃度域(例えば−0.5Vから−1.5Vへ上昇させた場合)になった場合でも、陽極電極上に析出した共重合体膜が溶解することなく維持される。
本発明において用いる共重合体は前記のごとき構成単位を有するため、ヒステリシス特性を示し、この特性は微細パターンを精度よく作製することに大きく寄与する。
本発明の共重合体の酸性基がカルボキシル基の場合、このヒステリシス特性への寄与が大きい。
また、このようなヒステリシス特性を有する共重合体を含む電着液のpHが、その溶解状態から上澄みを発生して沈殿を生じるpH点(白濁開始pH点)から、好ましくは、0.5から4.0高いpH領域、より好ましくは、1.0から3.0高いpH領域にあることが好ましい。
また、前記共重合体の酸価が60から300の範囲にあることが好ましく、最適には、酸価が90から150の範囲にあることが、水系体への溶解性、適正な電着液の固形分濃度、耐水性、通電電気量に対する電着効率等の点から好ましい。
この共重合体の分子量は、電着膜の耐水性、堅牢性、水系液への溶解性等の観点から重量平均分子量が4,000から25,000のものが好ましく、9,000から20,000のものがより好適である。
次に溶液の導電率とpHについて述べる。導電率は電着スピードいいかえれば電着量に関連しており、導電率が高くなればなるほど一定時間に付着する電着膜の膜厚が厚くなり約10mS/cm2で飽和する。従って、色素イオンだけでは導電率が足りない場合には電着に影響を与えないイオン例えばNH4 +イオンやCl-イオンを加えてやることで電着スピードをコントロールすることができる。
<光電着基板>
次に本発明の光電着法において用いる光電着基板について説明する。
本発明で使用する光透過性の基板とは、可視光域の光を透過させるものをいい(基板側から露光する場合には露光光を透過させることが必要)、例えばガラス板、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルイミド、ポリエーテルケトン、ポリフェニレンスルフィド、ポリアリレート、ポリイミド、ポリカーボネート等の板、シートあるいは可撓性フィルムが挙げられる。
また、光透過性の基体の上に設けられる光透過性の導電薄膜には、たとえばITO膜、二酸化スズ、酸化インジュウム等が挙げられる。
さらに、光透過性の光半導体薄膜としては、基本的には、光照射により起電力を発生する透明薄膜半導体であれば全て使用できる。具体的には、前記半導体としてGaN、ダイヤモンド、c−BN、SiC、ZnSe、TiO2、ZnOなどがある。中でも酸化チタンが好ましく用いられる。
次に、半導体と電着膜形成能力のある材料との組合せであるが、これは使用する半導体の極性によって決まる。光起電力の形成には太陽電池として良く知られているように、半導体と接触した界面に生じたショトキーバリアやpnあるいはpin接合を利用する。一例としてn型半導体を例にとって説明する。n型半導体と溶液との間にショトキーバリアーがある時に、半導体側を負にした場合には電流が流れる順方向であるが、逆に半導体側を正にした時には電流が流れない。ところが、半導体側を正にして電流が流れない状態でも、光を照射するとエレクトロン・ホールペアが発生し、ホールが溶液側に移動して電流が流れる。この場合、半導体電極を正にするのであるから電着される材料は負イオンでなければならない。従って、n型半導体とアニオン性分子の組合せとなり、逆にp型半導体ではカチオンが電着されることになる。
特に、酸化チタンは吸収が400nm以下にしかなく、透明でありカラーフィルター作製用の光半導体薄膜としてはそのまま使用することが可能である。基板に酸化チタン光半導体薄膜を設ける方法としては、ゾル・ゲル法、スッパタリング法、電子ビーム蒸着法、イオンプレーティング法などの方法があり、これらの方法によりn型半導体として特性の良いものが得られる。
ただし、基板が耐熱性の低いもの、たとえば、フレキシブルなカラーフィルターを作製する場合に用いる可撓性プラスチックフィルムの場合には、プラスチックフィルムに悪影響を与えない成膜法を選択する必要がある。ゾル・ゲル法は、光半導体として光学活性が高い酸化チタンを形成できるが、500度で焼結させる必要があるため200℃程度の耐熱性しかもたないプラスチックフイルム基板を用いる場合に酸化チタン膜を作製することは困難である。
したがって、プラスチックフイルム基板を用いる場合には、なるべく低温で、できれば200度以下で製膜することが可能であり、また比較的基板に対するダメージが小さい成膜方法であるスパッタリング法が好ましく用いられる。(電子ビーム法やイオンプレーティング法は、200℃前後で基板を加熱するので好ましくない。)
また、光学活性の高いアナターゼ型の酸化チタン薄膜を形成するにはRFスパッタチング法を用いるのが好ましく、高い光起電力が得られる。
光触媒薄膜の厚みは、0.05μmから3μmの範囲が良好な特性が得られる範囲である。0.05μm未満では光の吸収が不充分となりやすく、また、3μmを超えると膜にクラックが生ずるなどの成膜性が悪くなりやすいので、前記範囲が適切である。
また、前記のように、光起電力だけでは電着膜を形成することができない場合には、足りない電圧はバイアス電圧を印加して補う必要がある。例えば、半導体の光起電力が0.6Vの場合、2.0Vで電着される材料であれば、1.5Vのバイアス電圧を印加して光を照射すると、総電圧が2.1Vとなり電着に必要な閾値電圧を越えて、光が照射された領域のみ光電着膜が形成される。印加できるバイアス電圧の上限は、ショトキーバリアーが維持される限界までである。ショトキーバリアーが壊れると、光が当たってない領域も電流が流れて、半導体基板の全領域に電着膜が形成され画像形成ができなくなる。
また、カラーフィルターにはブラックマトリクスを形成することが好ましい。従来より知られているブラックマトリックスの一般的な形成方法は、カラーフィルター層の形成と同様にフォトリソグラフィを用いる方法であるが、カラーフィルター層の無い部分を完全に遮蔽するための種々の工夫はコストアップの大きな要因となっている。
本発明の表示装置においては、ブラックマトリックスも(光)電着法により形成することが好ましく、RGB画素膜の形成の前又は後にブラックマトリックスを形成することができる。
特に、RGB画素膜を形成した後、電着液をブラックマトリックス用のものに替え、導電性薄膜と対向電極との間に電圧を印加して(この際全面に光照射してもよい)ブラックマトリックスを形成するのが好ましい。光電着法を用いてRGB画素膜を形成した場合にはRGB画素膜の未形成領域(画素間領域)には半導体が露出しており、また、一般にRGB画素膜は絶縁性が高く、この膜の上に積層して(光)電着膜を形成するのは難しいので、ブラックマトリックスを(光)電着法により形成すると、RGB画素膜とブラックマトリックスとの重なりが極めて小さく平坦性に優れ、かつ画素間の間隙を完全に埋めたブラックマトリックスが得られる。ここで前記「平坦性」とは、RGB画素表面とブラックマトリックス表面との段差の大小をいい、本発明の光電着法によるカラーフィルターでは、前記段差は0.2μm以下のサブミクロンオーダーである。
また、RGB画素膜を形成した後、全面に黒色の紫外線硬化樹脂あるいはネガ型フォトレジストを塗布した後、基板の裏側から紫外線等を照射しRGB画素膜未形成部分を硬化させる方法などによっても、簡便に、RGB画素膜の間の間隙を綺麗に埋めるブラックマトリックスが得られる。
<カラーフィルター製造装置>
次に、本発明の用いるカラーフィルターを製造装置について説明する。
本発明において、光半導体薄膜に選択的に光を照射する方法は特に限定されるものではないが、精度と取り扱いの点からみて、フォトマスクを用いることが好ましい。
図3は、フォトマスクを用い、光電着法により着色膜を形成するカラーフィルター製造装置を示す概念図である。図3で示すカラーフィルター製造装置は、紫外線を照射するための光源(図示せず)、第一の結像光学レンズ72と、第二の結像光学レンズ73を有する結像光学系、第一の結像光学レンズと第二の結像光学レンズの間に挿入したフォトマスク71、電着液を収納した電着漕80、ポテンショスタットのごとき電圧印可のための手段90、対向電極91、飽和カロメル電極のごときリファレンス電極92を備えている。そして、図3で示すように、前記装置に光電着基板を、電着漕に配置させて使用する。前記結像光学系の結像光学レンズと光透過性の基板面との距離を1mm〜50cmにすることが取り扱いの点からみて好ましく、結像光学系の焦点深度は±10〜±100μmの範囲であることが精度と取り扱いの点から好ましい。
また、前記のカラーフィルター製造装置において前記結像光学系に代え、ミラー反射光学系を使用することも可能である。さらに、前記光透過性の基板の厚みを0.2mm以下にするとともに平行光を照射すれば光の回折を抑えられるので、密着型の露光装置を利用することもできる。
露光光は光半導体薄膜に感度がある波長、即ち400nm以下の波長の光を放射する光源でなければならない。また基板としてプラスチックフイルムを用いる場合は、該フィルムによる光吸収を考慮しなければならないので、光源としては水銀灯や水銀キセノンランプなど、350nm〜400nmの波長の光が使われる。
(平坦化膜)
平坦化膜としては市販のものを適宜使用しうる。例えばJSR社製のオプトマーSSシリーズ等である。平坦化膜の膜厚は1〜3μm程度であり、1〜2μm程度がより好ましい。本発明においては、このような平坦化膜を形成することによりその表面(白色有機電界発光素子形成面)の平坦性を大きくすることができる。ここで平坦化膜の表面の平坦性とは、その下にRGB画素が存在する部分における平坦化膜の表面と、その下にブラックマトリックスが存在する部分における平坦化膜の表面との段差の大小をいう。本発明の平坦化膜表面の前記段差は、平坦化膜を光電着法によるカラーフィルターの上に設けることにより、0.2μm、更には0.1μmとすることができる。
また、平坦化膜形成時には架橋させて溶剤や水分を除去するために、平坦化膜を120〜250℃に加熱し、強固な膜にすることが好ましい。
(バリアー層)
有機電界発光素子の寿命に水等は大きく影響するため、前記平坦化膜の上にはバリアー層を設けることが好ましい。バリアー層はその層の下からの水、ガス等を遮断するだけでなく、バリアー層自体からの水の放出を避けなければならないので、該層の水の含水率及び吸収率を検出限界以下にする必要がある。そのためバリアー層は例えばSiO2やSiNO2などの酸化物を平坦化膜の上にスパッタリング法で形成することが好ましい。
(白色有機電界発光素子)
白色有機電界発光素子は、白色光を取り出すことができる素子であり、発光層と該発光層に電圧を印可するための陽電極と陰電極を少なくとも有する。
白色有機電界発光素子に用いる発光層としては、それぞれ異なる発光波長を有する有機電界発光材料の混合物(例えば赤色発光、緑色発光及び青色発光の有機電界発光材料混合物)を含む層や、それぞれ異なる発光波長を有する有機電界発光材料をそれぞれ含有する複数の層などであって、それぞれ異なる発光波長を有する有機電界発光材料の発光光を合成した場合白色光が得られる発光層を挙げることができる。また、単一の材料により白色光に発光する有機電界発光材料を用いてもよい。ここで、白色光とは、代表的な有機EL素子では、少なくとも波長450〜650nm、特に400〜700nmの連続した発光スペクトルが得られることをいう。
発光層は、ホール及び電子の再結合に応答して光を放射することができる蛍光物質を含有する。また、発光層は前記蛍光物質に加え、ホスト物質として、後述するようなホール輸送性化合物及び/又は電子注入輸送性化合物を含むことが好ましく、該ホスト物質自体が発光する化合物を用いることも好ましい。
前記蛍光物質としては、蛍光クマリン染料、蛍光ジシアノメチレン(チオ)ピラン系染料、ポリメチン蛍光染料(シアニン系染料等)、蛍光オキソベンズアンスラセン系染料、蛍光キサンテン染料(ローダミン染料、フルオレセイン染料、蛍光(チア)ピリリウム染料、蛍光セレナ(又はテルロ)ピリリウム染料、蛍光カルボスチリル染料等、特開昭63−264692号公報の8〜21頁に記載のものが挙げられる他、アントラセン系、ナフタセン系化合物(特開2001−196174号公報段落0040〜0065)、キナクリドン系化合物等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
前記ホール輸送性化合物を含むホール注入輸送層はホール注入層とホール輸送層の2層にして設けてもよく、また、電子注入輸送性化合物を含む電子注入輸送層は電子注入層と電子輸送層の2層にして設けてもよい。ホール注入輸送層をホール注入層とホール輸送層とに分けて積層する場合は、ホール注入輸送層用の化合物のなかから好ましい組合せを選択して用いることができる。また、電子注入輸送層を電子注入層と電子輸送層とに分けて積層する場合には、電子注入輸送層用の化合物の中から好ましい組み合わせを選択して用いることができる。
ホール輸送性化合物としては公知のものが特に制限なく用いられ、例えば、テトラアリールベンジシン化合物(トリアリールジアミンないしトリフェニルジアミン:TPD)、芳香族三級アミン、ヒドラゾン誘導体、カルバゾール誘導体、トリアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、アミノ基を有するオキサジアゾール誘導体、ポリチオフェンなどを挙げることができる。これらのうち、テトラアリールベンジシン化合物(トリアリールジアミンないしトリフェニルジアミン:TPD)、WO/98/30071号に記載されているトリアリールアミン多量体(ATP)が、特に好ましく使用することができる。
電子注入輸送性の化合物としては公知のものが特に制限なく用いられ、例えば、トリス(8−キノリノラト)アルミニウム(Alq3)などの8−キノリノールないしその誘導体を配位子とする有機金属錯体、オキサジアゾール誘導体、ペリレン誘導体、フェニルアントラセン誘導体、テトラアリールエテン誘導体、ピリジン誘導体、ピリミジン誘導体、キノキサリン誘導体などを挙げることができる。
前記ホスト物質としては前記ホール輸送性化合物及び電子注入輸送性化合物を用いることができる。前記電子注入輸送性化合物としてはキノリノラト錯体化合物が好ましく、具体的には、特開2001−196175号公報の段落0041〜0044に記載のものが挙げられる。また、前記ホール輸送性化合物としてはトリフェニルアミン系化合物が好ましく挙げられ、具体的には特開2001−196174号公報の段落0074〜0081に記載のものが挙げられる。
発光層の厚さは5〜500nm程度が適切であり、10〜300nm程度が好ましい。ホール注入層、ホール輸送層、電子注入輸送層等の厚さは、発光層の厚さと同程度でよい。
前記発光層、電子注入輸送層、ホール注入輸送層は蒸着により形成することができる。また、発光材料等をポリマーバインダーとともに分散させた溶液を塗布形成してもよい。
また、本発明における白色有機電界発光素子は、前記のごとき白色有機電界発光層と、前記発光層に電圧を印可する手段を少なくとも有する。前記電圧印加手段は、ストライプ状で互いに直交する陽電極及び極電極と、駆動電源、制御手段(走査電極駆動制御、データ電極駆動制御)が設けられる。また、スイッチング素子としてTFT素子等を用いることもできる。前記電極は常法により作製できる。
陽電極は例えば、錫ドープ酸化インジウム(ITO)、亜鉛ドープ酸化インジウム(IZO)、酸化インジウム(In23)、酸化スズ(SnO2)、酸化亜鉛(ZnO)等が好ましい。また陽電極の厚さは、50〜500nm程度が適切である。
また、前記のごとき陽電極は光透過性であるので、カラーフィルターに近い側に陽電極を配置することが好ましい。
陰電極としては例えば、K、Li、Na、Mg、La、Ce、Ca、Sr、Ba、Sn、Zn、Zr等の金属元素単体、または安定性を向上させるためにそれらを含む2成分、3成分の合金系、例えばAg・Mg(Ag:0.1〜50at%)、Al・Li(Li:0.01〜14at%)、In・Mg(Mg:50〜80at%)、Al・Ca(Ca:0.01〜20at%)等が挙げられる。通常膜厚は1〜500nm程度とすればよい。
さらに、白色有機電界発光素子の上には、水の吸収を除去し、白色有機電界発光素子の劣化を保護するため、パッシベーション膜を設けることが好ましい。パッシベーション膜の材料としては、前記バリアー層の材料と同様なものが用いられる。
以下に実施例を示し本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。
実施例1
(カラーフィルターの作製)
図1に示すように厚さ150μmのPESフィルム(住友ベークライト製)にスパッタ法でITOを75nm、次にアナターゼ型の酸化チタンを200nm形成して、光電着基板を作製した。
光電着装置として図3で示すような装置を用い、基板の裏側から紫外線を照射するようにした。紫外線照射には、ウシオ電気製のプロジェクション型露光装置を使用した(結像レンズと結像面との距離は10cm、焦点深度は±50μmとなるように調節した)。プロジェクション型露光装置は、フォトマスクに一旦結像し、更に光学レンズを介して基板の酸化チタン表面に結像するように調節した。電圧印可装置は、電気化学で一般的な3極式の装置を用い、カウンター電極には白金黒を利用した。また、飽和カロメル電極に対しTiO2膜を作用電極として用い、対向電極と作用電極の間にバイアス電圧を印可した。
<レッド着色膜の形成>
レッド着色膜形成のための電着液は、架橋性高分子電着材料であるスチレン・アクリル酸・メタクリル酸2−(O−〔1’−メチルプロピリデンアミノ〕カルボキシアミノエチル)共重合体(分子量13,000、スチレン/(スチレン+アクリル酸)のモル比65%、酸価150、メタクリル酸2−(O−〔1’−メチルプロピリデンアミノ〕カルボキシアミノ)エチル含有量3.3モル%)と、アゾ系赤色超微粒子顔料を固形分比率で1対1に分散させた電着液(固形分濃度7質量%、pH=7.8、導電率=8mS/cm)を調製した。
図3に示すように、光電着基板の光半導体薄膜(酸化チタン膜)が電着液に接触するように光電着基板を光電着装置にセットした。対向電極と作用電極の間に1.7Vのバイアス電圧を印可するとともに、基板の裏側から紫外線(波長365nm、光強度100mW/cm2)を5秒間露光したところ、酸化チタン膜表面に光が照射された領域だけレッドの赤色パターンが形成された。これを純水で洗浄した。
<グリーンの着色膜の形成>
顔料をフタロシアニングリーン系超微粒子顔料に変更し、架橋性高分子電着材料と前記顔料の比率を1対0.7に変更するほかは、レッド着色膜と同様にして電着液を調製し、同様にしてグリーンの着色膜を形成し、純水で洗浄した。
<ブルー着色膜の形成>
顔料をフタロシアニンブルー系超微粒子顔料に変更するほかは、レッド着色膜と同様にして電着液を調製し、同様にしてブルーの着色膜を形成し、純水で洗浄した。
<ブラックマトリックスの形成>
レッド着色膜形成の際の顔料に代え、カーボンブラック粉末(平均粒子径80nm)を用い、架橋性高分子電着材料とカーボンブラック粉末との比率を1対0.7に変更する他は、レッド着色膜形成の場合と同様にして、着色膜未形成の領域にブラックマトリックスを形成した。これを純水で洗浄した。
<ベーキング>
着色膜及びブラックマトリックスが形成された光電着基板に140℃で30分間の加熱を行った。
フレキシブルで耐溶剤性のあるカラーフィルターが作製された。また、RGB画素とブラックマトリックスとの段差は0.15μmであった。
(平坦化膜の形成)
次に、加熱硬化型の平坦化膜形成用樹脂(JSR(株)製)を、前記のようにして作製したカラーフィルターの上部に2.0μmの膜厚にスピンコートしたのち加熱硬化させた。画素及びブラックマトリックスとの間の段差は0.08μmになった。これを白色有機EL形成用の基板にした。
次に、白色有機ELを、ITO電極(130nm)/ホール注入輸送層(50nm)/白色発光層(30nm)/電子注入輸送層(10nm)/Mg:Ag電極(200nm)の順で形成し、最後に保護層を形成してフレキシブルなカラー有機発光素子とした。ITO電極とMg:Ag電極はストライプ状に形成した。
ホール注入輸送層にはジアミン誘導体を用い、発光層にはAlq3にRGB3種類の色素を共蒸着法で作製した物を用い、電子注入輸送層にはAlq3を用いた。これらの層は蒸着法により形成した。
実施例2
実施例1と同様にして作製したカラーフィルターの平坦化膜上に、SiNO2をスパッタ法で0.2μm形成した物を、白色有機EL用の基板にして発光素子を作製したところ、発光の寿命が、実施例1の場合に比較して5倍に向上した。
実施例3
実施例1と同様にして作製したカラーフィルターの平坦化膜上に、常法によりTFTスイッチング素子を形成し、この上に実施例1と同様なホール輸送層/白色発光層/電子輸送層を形成し、更に全面にMg:Ag電極を形成した。
本発明の表示装置の一例を示す概念図である。 本発明の表示装置の他の一例を示す概念図である。 カラーフィルター作製に用いる光電着装置の一例を示す概念図である。
符号の説明
10 光電着基板
18 カラーフィルター
20 平坦化膜
40、50 白色有機電界発光素子

Claims (11)

  1. 光透過性基板に光透過性導電膜と光半導体薄膜を設けた光電着基板の光半導体薄膜の上に、光電着法により形成するカラーフィルター、平坦化膜及び白色有機電界発光素子をこの順に有する表示装置。
  2. 前記基板が可撓性プラスチックフィルムであることを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
  3. 平坦化膜と白色有機電界発光素子の間にバリアー層を設けることを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
  4. 前記バリアー層がSiO2又はSiNO2よりなることを特徴とする請求項3に記載の表示装置。
  5. カラーフィルターの上に設けた平坦化膜の平坦性が0.2μm以下であることを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
  6. 前記白色有機電界発光素子が光透過性の陽電極、ホール注入輸送層、発光層、電子注入輸送層及び陰電極をこの順に有することを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
  7. 光透過性の陽電極と陰電極が互いに直交するようにストライプ状に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
  8. 前記白色有機電界発生素子がTFT駆動されることを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
  9. 基板に光透過性導電膜と光半導体薄膜を設けた光電着基板に光電着法によりカラーフィルターを形成する工程、カラーフィルターの上に平坦化膜を形成する工程、及び平坦化膜の上に白色有機電界発光素子を形成する工程を有する表示装置の製造方法。
  10. 平坦化膜形成時に120℃〜250℃の範囲の温度において平坦化膜を加熱処理することを特徴とする請求項9に記載の表示装置の製造方法。
  11. 前記光電着法によりカラーフィルターを形成する工程が、基板に光透過性導電膜と光半導体薄膜を設けた光電着基板を、pHの変化により水性液体に対する溶解性ないし分散性が低下する電着材料及び着色材を含むカラーフィルター形成用水系電着液に前記光半導体薄膜を接触させ、前記電着液中に置いた対向電極と前記導電膜を電気的に接続た状態で、前記光半導体薄膜の選択領域に光照射することにより該選択領域と対向電極との間に電圧を印加して前記光半導体薄膜上に電着膜を析出形成する工程であることを特徴とする請求項9に記載の表示装置の製造方法。
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