JP2005062312A - 投影スクリーン及び投影型表示装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 単一の投影装置からの投影された投影光を比較的範囲の狭い少なくとも2つの観察領域に集中的に拡散させて両眼で、あるは、2人以上の観察者が同じ映像を同時に観察可能にする投影スクリーンと投影型表示装置。
【解決手段】 複数のフレネル凹面鏡2L、2Rが相互に偏心して同一基板上に重畳して設けられてなり、その投影スクリーン1の投影光入射側あるいは反射側に拡散板が配置されている投影スクリーン。
【選択図】 図1

Description

本発明は投影スクリーン及び投影型表示装置に関し、特に、投影スクリーンに投影された1つの映像を同時に異なる2つ以上の方向から観察することができる投影型表示装置とそのための投影スクリーンに関すものである。
従来、1つの投影装置から投影された映像を同時に異なる複数の方向から観察可能にするために拡散角の大きな投影スクリーンを用いて広い範囲に投影光を拡散させ、その範囲内に異なる観察者や両眼を位置させてそれぞれに投影像が観察可能にするのが一般的である。
特開2003−177221号公報 特開平9−127312号公報 特開2000−171618号公報
しかしながら、拡散角の大きな投影スクリーンを用いると、単一の投影装置からの投影光は広い範囲に拡散されるため、個々の位置で明るい映像を観察可能にするには投影装置に強力な照明光源を用いなければならず、その結果、投影装置の大型化と大消費電力が避けられない。
本発明は従来技術のこのような問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、単一の投影装置からの投影された投影光を比較的範囲の狭い少なくとも2つの観察領域に集中的に拡散させて両眼で、あるは、2人以上の観察者が同じ映像を同時に観察可能にする投影スクリーンと投影型表示装置を提供することである。
上記目的を達成する本発明の投影スクリーンは、複数のフレネル凹面鏡が相互に偏心して同一基板上に重畳して設けられてなることを特徴とするものである。
この場合に、投影スクリーンの投影光入射側あるいは反射側に拡散板が配置されていることが望ましい。
その拡散板としては、透過型ホログラムからなる拡散板を用いるのが望ましい。
本発明は、映像を表示する表示素子と、前記表示素子に表示された映像を拡大投影する投影光学系と、前記投影光学系により投影された投影像近傍に配置された投影スクリーンとからなる投影型表示装置において、前記投影スクリーンが以上の何れかの投影スクリーンからなることを特徴とする投影型表示装置を含むものである。
本発明の投影スクリーンにおいては、複数のフレネル凹面鏡が相互に偏心して同一基板上に重畳して設けられてなるので、単一の投影装置からの投影された投影光を比較的範囲の狭い少なくとも2つの観察領域に集中的に向かわせて、両眼で、あるは、2人以上の観察者が同じ映像を同時に観察可能になる。
図1、図2に本発明の投影型表示装置と投影スクリーンの概念図を示す。ただし、図1はその投影型表示装置と投影スクリーンの斜視図、図2は図1の水平方向の光路図である。この投影型表示装置は、内部に映像を表示する表示素子と、その表示素子に表示された映像を拡大投影する投影光学系11とを備えた投影装置10と、投影装置10の投影光学系11により投影された投影像近傍に配置された投影スクリーン1とからなる投影型表示装置であって、この図の場合、投影スクリーン1は反射型スクリーンからなる。
投影スクリーン1は、投影光学系11で投影された映像近傍に配置された拡散板3と、投影光学系11の瞳を入射瞳13としてその入射瞳13を1つの観察方向、図の場合は観察者左眼EL近傍の1つの射出瞳20Lに投影する一方のフレネル凹面鏡2Lと、同じ入射瞳13を他の観察方向、図の場合は観察者右眼ER近傍の他の射出瞳20Rに投影する他方のフレネル凹面鏡2Rとからなる。拡散板3は、フレネル凹面鏡2L、2Rと密着するかその近傍に配置される。
図2では、フレネル凹面鏡2Lと2Rはそれぞれの中心OL、ORが相互に偏心した凹面鏡として図示してあるが、実際には、同一基板に円錐輪帯状の反射面をそれぞれ中心OL、ORに同心に連結してなる平面状のもので、後で説明するするように、2つのフレネル凹面鏡2Lと2Rは同一面上に同時に重畳して存在し、投影光学系11の瞳を入射瞳13としてその入射瞳13から投影スクリーン1の一点近傍に入射した光束は、2つのフレネル凹面鏡2L、2Rにより同時に異なる方向に反射され、それぞれ射出瞳20L、20Rに別れて入射する。
したがって、射出瞳20Lと20Rに観察者が左眼ELと右眼ERを位置させることにより投影装置10に表示された映像を両眼で同時に観察できる。
ここで、本発明の投影スクリーン1では、投影装置10による投影像近傍に共通の単一の拡散板3を配置している。そして、その拡散板3に狭い拡散特性を持たせている。これにより、図1に示すように、射出瞳20L、20Rの瞳径が小さい場合であっても、観察しやすい大きさの拡大射出瞳20L’、20R’に拡大することが可能となる。この結果、観察者の眼EL、ERの位置が射出瞳20L、20Rの位置から多少ずれても、拡大射出瞳20L’、20R’から外れない限り、投影像を観察することが可能になる。すなわち、観察しやすい投影型表示装置を提供することが可能となる。また、投影装置10からの投影光はこの2つの拡大射出瞳20L’、20R’に集中して入射するため、照明光を無駄なく投影に利用できるため、照明光源として低電力のものを用いても明るい映像が観察可能な投影型表示装置が得られる。
なお、以上では、フレネル凹面鏡2L、2Rを用いるものとしたが、フレネル凸レンズとその背面に配置した反射鏡を用いてもよい。また、以上では、投影スクリーン1を反射型スクリーンとしたが、透過型スクリーンとして構成してもよい。その場合は、フレネル凹面鏡2L、2Rの代わりに相互に偏心したフレネル凸レンズとして構成すればよい。この場合の拡散板3の作用は反射型スクリーンと同じである。また、フレネル凹面鏡2L、2Rあるいはフレネル凸レンズは相互に偏心した3つ以上のフレネル凹面鏡あるいはフレネル凸レンズとしてもよい。その場合は、1つの入射瞳13の像である射出瞳20L、20Rが3個以上形成され、それに伴って拡大射出瞳20L’、20R’も3個以上形成され、異なる3方向以上から同一の映像を同時に観察することが可能となる。
ここで、複数のフレネル凹面鏡又はフレネル凸レンズが相互に偏心して同一基板上に重畳して設けられている場合に、その一点近傍に入射した光束はそれぞれのフレネル凹面鏡又はフレネル凸レンズにより反射作用あるいは屈折作用を同時に受けて異なる複数の方向へ別れて進むことを説明する。図3は、フレネル凹面鏡又はフレネル凸レンズを構成する基板50の表面にバイト51を用いて第1のフレネル凹面鏡又はフレネル凸レンズの作用面Aと非作用面A’とからなる溝(畝)をミクロには略平行に刻んでいく様子を示している。通常、フレネル凹面鏡やフレネル凸レンズの作用面Aは基板50の表面に対して比較的大きく傾斜しており、非作用面A’は基板50の表面に対して略垂直に形成される。図4は、第1のフレネル凹面鏡又はフレネル凸レンズの溝(畝)を刻んだ後に、第2のフレネル凹面鏡又はフレネル凸レンズの作用面Bと非作用面B’とからなる溝(畝)をミクロには略平行に刻んでいく様子を示している。この第1のフレネル凹面鏡又はフレネル凸レンズの溝(畝)と第2のフレネル凹面鏡又はフレネル凸レンズの溝(畝)とは、図4に示すようにほとんどの領域で交差している。第2のフレネル凹面鏡又はフレネル凸レンズの溝(畝)を複数刻むと、図5(a)に示すように、4つの面A、B、A’、B’で囲まれる四角錐の集合が基板50の表面に並列に形成される。その平面図を図5(b)に示す。非作用面A’、非作用面B’は光束の入射側から見ると、線に見えるので、第1のフレネル凹面鏡又はフレネル凸レンズの作用面Aと第2のフレネル凹面鏡又はフレネル凸レンズの作用面Bとが図示のように2次元方向へ交互に密に並んでいるものとなるため、基板の一点(厳密には、ある程度の面積を有する領域)に入射した光束は、面積分割により、作用面Aに入射した成分は第1のフレネル凹面鏡又はフレネル凸レンズの作用を受け、作用面Bに入射した成分は第2のフレネル凹面鏡又はフレネル凸レンズの作用を受けるので、結果的に、第1のフレネル凹面鏡又はフレネル凸レンズによる反射作用あるいは屈折作用と第2のフレネル凹面鏡又はフレネル凸レンズによる反射作用あるいは屈折作用とを同時に受けて異なる2つの方向へ別れて進むことになり、図1、図2で説明したように、投影光学系11の瞳(入射瞳13)から投影スクリーン1の各点近傍に入射した光束は、2つのフレネル凹面鏡2L、2Rにより同時に異なる方向に反射され、それぞれ射出瞳20L、20Rに別れて略同じ光量で入射することになり、略同じ明るさの投影像が同時に観察可能になる。なお、以上の説明は2つのフレネル凹面鏡又はフレネル凸レンズが相互に偏心して同一基板上に重畳して設けられている場合であったが、3つ以上の場合でも同様に説明できる。
ここで、拡散板3としては、拡散特性に指向性のある微細な凹凸面又は粗面からなるものが用いられる。その場合の拡散板3の拡散角は、半値全幅で20°以下であることが好ましい。拡散板3の拡散角が半値全幅で20°を越えると、拡散角が大きくなりすぎる。この場合、観察視域は広がるが、観察像の明るさが暗くなり、観察物体を照明する照明装置が大掛かりになってしまう。さらに好ましくは、拡散板3の拡散角は、半値全幅で10°以上あるのが好ましい。
さて、以上のような条件を満足する拡散板3としては、特許文献1の作製方法で作製した拡散板が使用可能である。その拡散板としては、以下のものがある。
(1)サンドブラスト法により粒径が制限された球形ビーズを吹き付けて形成されたランダム配置の凹面群あるいはその凹面群に相似的な凹面群、又は、これら凹面群に相補的な凸面群を有する拡散板。
(2)金属基板に球形ビーズを吹き付けて形成されたランダム配置の凹面群を型として透明基板に複製することにより作製された(1)の拡散板。
(3)金属基板上に形成した加工層に球形ビーズを吹き付けて形成されたランダム配置の凹面群を金属基板表面に相似的に転写して形成されたランダム配置の凹面群を型として透明基板に複製することにより作製された(1)の拡散板。
(4)前記球形ビーズの粒径が0.01mmから2mmのガラスビーズからなる(1)から(3)の拡散板。
(5)前記球形ビーズを吹き付ける空気圧が0.5〜3.0kg/cm2 である(4)の拡散板。
(6)前記金属基板が真鍮からなる(2)、(4)、(5)の拡散板。
(7)前記金属基板が前記球形ビーズより硬度の高い金属からなる(3)、(4)、(5)の拡散板。
(8)前記金属基板の表面に形成された凹面群を射出成形あるいはプレス成形により透明基板に複製した(2)〜(7)の拡散板。
(9)基板上に樹脂の液滴を噴霧して付着させることにより形成されたランダム配置の凸面群を基板表面に相似的に転写して形成されたランダム配置の凸面群、又は、その凸面群に相補的な凹面群を有する拡散板。
さらに、特許文献2に記載されている拡散板を使うことができる。この拡散板は、透明基体の片面又は両面を粗面化して作製したものである。透明基体の片面又は両面を粗面化する方法としては、例えば以下の(1)〜(4)の方法がある。(1)透明基体の片面又は両面をエッチング処理する方法、(2)樹脂にフィラーを、必要に応じて、水や有機溶剤と共に分散した塗料又はインクをコーティングや印刷を行うことにより、透明基体の片面若しくは両面上に単層又は多層に分けて設ける方法、(3)樹脂やフィラー単体又はこの混合物からなる粉体を静電粉体コーティングや粉体電着コーティングにより、透明基体の片面又は両面に設ける方法、(4)有機又は無機のフィラーを樹脂と共に、熱と圧力を加えることにより溶融し、この溶融物を押し出し成形や射出成形等によりフィルム化して成形する方法。この場合に、この拡散板のHAZE値(JISK7105)が、10〜40の範囲にあることが好ましい。
また、特許文献3で作製した拡散板を使うこともできる。この拡散板を作製する方法は、基体上に直接又は他の層を介して結着層を積層する工程と、フィラーを加圧媒体によって結着層に埋め込む工程と、その工程で得た積層体に付着した余剰フィラーを除去する工程とを具備している。
また、拡散板3として、ホログラムからなる拡散板を本発明の投影スクリーン1に用いてもよい。ホログラムからなる拡散板としては、透過型ホログラムと反射型ホログラムとが考えられる。ここで、体積型感光材料中に記録されたホログラムの場合、透過型ホログラムは波長選択性が低く、反射型ホログラムは波長選択性が高い。カラー像を表示する投影型表示装置に用いる場合には、R(赤色)、G(緑色)、B(青色)3波長の光を拡散させるめに3つのホログラム干渉縞を多重記録する必要があるため、ホログラムとしては波長選択性が比較的低い透過型ホログラムを用いる方が望ましい。そして、投影型表示装置を小型に構成するには、フレネル凹面鏡又はフレネル凸レンズとこの透過型ホログラムからなる拡散板と組み合わせて構成することが望ましい。以下、簡単のため、このような透過型ホログラムからなる拡散板3’と1つだけのフレネル凹面鏡2とから投影スクリーンを構成する場合について説明するが、実際には、図1、図2と同様に、相互に偏心配置された左右2つあるいはそれ以上のフレネル凹面鏡2L、2Rの入射側に密着するかその近傍に透過型ホログラムからなる拡散板3’が配置される。
図6(a)に、その場合の投影型表示装置の光学系の概念図を、また、図6(b)に、その投影型表示装置の配置例を示す。なお、図6(a)において、フレネル凹面鏡2は凹面鏡として図示されており、また、投影装置10中の表示素子、照明光源等は図示が省かれている。図6(b)では、表示素子に表示された映像は、投影光学系11で拡大投影される。そして、その投影像近傍には透過型ホログラムからなる拡散板3’とフレネル凹面鏡2とが配置されている。フレネル凹面鏡2は投影光学系11の瞳13の像である射出瞳20を所定の位置に形成する。この所定の位置は、観察者Mの眼球Eと略一致している。投影光学系11のフレネル凹面鏡2により形成された射出瞳20は、拡散板3’によって観察しやすい大きさの拡大射出瞳20’に拡大される。これにより、観察者Mの眼Eの位置が射出瞳20の位置から多少ずれても、投影像を観察像として観察することが可能になる。この結果、図1、図2を用いて説明したように、投影装置10に表示された映像を複数の位置で同時に観察でき、観察しやすい投影型表示装置が得られる。
ここで、透過型ホログラムからなる拡散板3’の特徴は、図6(a)に示すように、この拡散板3’はフレネル凹面鏡2の入射側に配置されるため、投影光学系11から拡大射出瞳20’の位置に至る光線は、透過型ホログラム3’を往復で計2回透過する点にある。このような特徴を有するため、光は透過型ホログラム3’で2度回折されることになる。このことを踏まえて、本発明では1回目(フレネル凹面鏡2に入射する前)の透過型ホログラム3’を透過する角度と、2回目(フレネル凹面鏡2に入射した後)の透過型ホログラム3’を透過する角度とを積極的に異ならせて、そのホログラムの角度選択性により何れか一方での回折を避けるようにしている。そのための配置については、後記する。
そして、透過型ホログラムからなる拡散板3’は上記の拡散板3と同様に、その拡散角が、同様の理由で半値全幅で20°以下であることが好ましい。さらに好ましくは、拡散板3’の拡散角は、半値全幅で10°以上あるのが好ましい。
次に、透過型ホログラムからなる拡散板3’の屈曲作用と波長分散の関係、フレネル凹面鏡2と透過型ホログラムからなる拡散板3’の配置関係について説明する。透過型ホログラムからなる拡散板3’は、参照光と拡散光源(2次光源)からの物体光との干渉記録によって作製される。このとき、参照光と物体光が同軸(インライン)配置での記録であると、図7(a)に示したように、投影光学系11からの軸上主光線16は、拡散板3’に1回目の入射をして拡散板3’で屈曲されずに直通する。そして、拡散板3’を直通した主光線は、フレネル凹面鏡2で反射されて方向を変え、拡散板3’を裏面側から入射して拡散板3’を直通する。この際、1回目の入射の際に入射光の入射角度が、透過型ホログラム(拡散板3’)の再生光入射角度(回折効率がピーク近傍になる角度)を満足していれば、1回目の透過の際に直通する主光線の周りに回折による拡散光が分布し、2回目の透過の際にはその拡散光はほとんど直通する。一方、2回目の入射の際に入射光の入射角度が、再生光入射角度を満足していれば、1回目の透過の際には軸上主光線16は回折されずにほとんど直通し、2回目の透過の際に直通する主光線の周りに回折による拡散光が分布する。何れの場合も、0次光170 と主光線171 は同じ方向に進む。図7(a)はこの様子を示したものであり、拡散光は図示していない。この図では、拡散板3’で回折されない0次光170 と回折された拡散光中の主光線(中心光線)171 のみを図示してあり、0次光170 と主光線171 は同じ方向に進み、拡大射出瞳20’の中心に達する。したがって、図7(a)に示すように、透過型ホログラムからなる拡散板3’が拡散作用のみで、光路の屈曲作用を持たない場合は、拡散光だけでなく回折により拡散されない0次光170 が拡大射出瞳20’に達する。その結果、観察される映像中心に0次光170 のスポットが見えることになり望ましくない。
そこで、透過型ホログラムからなる拡散板3’として、参照光と物体光が相互に同軸でないオフライン配置の関係で記録したものを用いる。このようなオフライン配置で記録した拡散板3’は、再生光入射角度を満足して回折する場合に光線の屈曲と共に波長分散が生じる。その屈曲方向によって図7(b)、(c)のような光路と、図8(a)、(b)のような光路とをとる。ただし、図7(b)、(c)は拡散板3’の再生光入射角度条件が1回目の入射の際に満足する場合であり、図8(a)、(b)は2回目の入射の際に満足する場合である。図7(b)、図8(a)は、拡散板3’の屈曲方向が法線に対する入射角に対して回折角が小さくなる方向の場合であり、図7(c)、図8(b)は、入射角に対して回折角が大きくなる方向の場合である。各図中、拡散光の図示は省き、拡散板3’で回折して屈曲されたR、G、Bの波長の主光線(中心光線)をそれぞれ17R 、17G 、17B で示してある。各図から明らかなように、拡散板3’のとして光線の屈曲作用を持つ透過型ホログラムを用いると、ホログラムで回折されない0次光170 を回折光17R 、17G 、17B から分離できる。その結果、拡大射出瞳20’に入射しないように構成可能になる。具体的には、拡大射出瞳20’の位置で、拡大射出瞳20’の中心からその瞳径の2分の1以上離れて0次光170 が入射するように構成することが望ましい。
なお、透過型ホログラムでの屈曲角(偏角)を上記入射角と回折角の差の絶対値γで定義し、かつ、その屈曲角をd線(波長587.6nm)で測るとした場合、屈曲角γが小さすぎると、上記のように観察像中に0次光が入射する。逆に、大きすぎると、波長分散が大きくなりすぎて拡大射出瞳20’でR、G、Bの3波長が重なる範囲、すなわち色再現性良く観察できる射出瞳範囲が小さくなりすぎてしまう。
したがって、透過型ホログラムからなる拡散板3’のd線での屈曲角(偏角)γは、
γ>1° ・・・(1)
の関係を満たす必要がある。
さらに好ましくは、
γ>2° ・・・(1−1)
なる条件を満足することが好ましい。
さらに好ましくは、
γ>10° ・・・(1−2)
なる条件を満足することが望ましい。
また、
γ<45° ・・・(2)
の関係を満たす必要がある。
さらに好ましくは、
γ<20° ・・・(2−1)
なる条件を満足することが好ましい。
上記の条件(1−2)と(2−1)を組み合わせると、次の条件(3)となる。
10°<γ<20° ・・・(3)
この条件(3)についてさらに説明する。この条件の下限の10°を下回ると、0次光と表示像を観察可能にする正規観察光との分離が少なくなる。そのため、観察者が僅かに頭を動かすと、0次光が眼に入ってまぶしくなることが多くなる。また、この条件の上限の20°を越えると、透過型ホログラム3’による色分散が大きくなり、その結果観察範囲が狭くなってしまう。
さらに、Rを700nmの波長の光、Bを400nmの波長の光としたとき、回折光17R と17B の間の回折角の差は、小さい程望ましい。具体的には、18°以下であることが、上記のように色再現性良く観察できる射出瞳範囲が小さくなりすぎないために必要である。また、拡大射出瞳20’の位置では、Rを700nmの波長の光、Bを400nmの波長の光としたとき、回折光17R と17B の間の入射位置の差も小さい程望ましい。具体的には、拡大射出瞳20’の瞳径の2分の1以下であるように構成することが望ましい。
ところで、図7、図8においては、投影光学系11からの軸上主光線16あるいは0次光170 はフレネル凹面鏡2に斜め(フレネル凹面鏡2の入射位置での鏡面の法線に対して角度βをなす。)に入射することを考えていた。ここで、軸上主光線16あるいは0次光170 がフレネル凹面鏡2の鏡面に略直角(β≒0°)に入射すると、拡散板3’を2度通過した後にホログラムから射出する主光線17R 、17G 、17B は軸上主光線16と略反対方向に向かう。そのため、拡大射出瞳20’の位置と投影光学系11が干渉することになる。そこで、フレネル凹面鏡2に入射する投影光学系11からの軸上主光線16又はその0次光170 のフレネル凹面鏡2の鏡面への入射角βは、
0°<β<45° ・・・(4)
の関係を満たすことが望ましい。
さらに好ましくは、
5°<β<20° ・・・(4−1)
なる条件を満足することが好ましい。
この条件(4−1)についてさらに説明する。この条件の下限の5°を上回ると、フレネル凹面鏡2の偏心量が小さくなる。そのため、拡散板3’で共役再生が起こり、表示像観察に利用可能な光量が低下する。また、この条件の上限の20°を越えると、フレネル凹面鏡2の偏心量が大きくなりすぎる。そのため、投影される瞳収差が大きくなり、均一な明るさの像を観察することが困難になってしまう。
また、図7、図8においては、投影光学系11からの軸上主光線16が透過型ホログラムからなる拡散板3’及びその裏面側のフレネル凹面鏡2に入射する位置は、それぞれの略中心で、拡散板3’とフレネル凹面鏡2の間には偏心はないものとした。その場合、図7、図8から明らかなように、拡散板3’を2度通過した投影光(回折光)17R 、17G 、17B は拡散板3’に対して角度をなしており、拡大射出瞳20’は拡散板3’の正面には位置せず斜め方向から投影された映像を見ることになり、観察される像はアオリ像となって像歪みが発生する。そこで、図9(a)〜(c)に示すように、フレネル凹面鏡2を拡散板3’に対して偏心させて(何れの図も上方へ偏心させている。)、フレネル凹面鏡2で反射された主光線17R 、17G 、17B が拡散板3’を2度目に通過して拡散板3’に対して略直角をなすようにしている。なお、図9(a)〜(c)はそれぞれ図7(a)〜(c)に対応する場合である。
なお、投影光学系11からの拡散板3’上に斜め方向から投影像を入射させるので、拡散板3’上での投影像もアオリ像となって像歪みが発生する。そのため、投影光学系11はこのようなアオリ像の像歪みを補正する機能を持ったものと使用するのが望ましい。
また、拡大射出瞳20’を拡散板3’の正面(実際には、拡大射出瞳20’は図1、図2に示すように複数形成するようにするので、側面図で見て正面)に位置するようにし、かつ、投影光学系11からの軸上主光線16あるいは0次光170 はフレネル凹面鏡2に斜めに入射するようにすることにより、拡散板3’に入射する投影光学系11からの投影光がその表面で反射してノイズ光になる表面正反射光を拡大射出瞳20’に入射させないようにする効果も得られる。
なお、上記の屈曲角(偏角)γとフレネル凹面鏡2の鏡面への入射角βの比γ/βは、
0.01<γ/β<1000 ・・・(5)
の関係を満たすことが望ましい。
さらに好ましくは、
0.5<γ/β<2 ・・・(5−1)
なる条件を満足することが好ましい。
この条件(5−1)についてさらに説明する。この条件の下限の0.5を下回ると、透過型ホログラム3’の屈曲角が小さくなる。そのため、透過型ホログラム3’で回折しない0次光が拡大射出瞳20’に入射してしまい、観察像にスポットフレアーがのることになる。また、上限の2を越えると、フレネル凹面鏡2の偏心量が比較的小さくなる。この場合、透過型ホログラム3’に入射した後、フレネル凹面鏡2で反射してから、透過型ホログラム3’の裏面で極僅かではあるがフレネル反射により反射され、再度フレネル凹面鏡2で反射する光線が存在する。そして、その光線が拡大射出瞳20’に入射してしまう。この光線もスポットフレアーとして観察されてしまうので、好ましくない。
さらに好ましくは、
1<γ/β<1.5 ・・・(5−2)
なる条件を満足することが、スポットフレアーの点でより好ましい。
ところで、透過型ホログラムからなる拡散板3’を用いる場合は、投影装置10中の表示素子を照明する光源は、単色性の高いLEDやLDをRGB3色組み合わせてなる光源を用いることが望ましい。
次に、投影光学系11の瞳13を拡大投影するフレネル凹面鏡2L、2Rと透過型ホログラムからなる拡散板3’の組み合わせからなる投影スクリーン1の実施例1について説明する。この実施例において、光線追跡は、投影光学系11の瞳13を物体面とし、拡大射出瞳20L’、20R’を像面とし、投影光学系11の瞳13の中心から拡大射出瞳20L’、20R’までの順光線追跡で行っている。
実施例1のX−Z面への投影光路図を図10に、Y−Z面への投影光路図を図11に示す。また、図12にこの実施例の拡散板3’に用いる透過型ホログラムの撮影配置を示す。そして、図13にこの実施例における拡大射出瞳20L’(20R’)位置での波長450nm、波長550nm、波長650nmでの射出瞳像の重なり具合と、0次光及び表面反射光の入射位置を示す。なお、図12、図13中の数字はmm単位である。
実施例1は、図7(c)(図9(c))に対応して再生光入射角度条件が1回目の入射の際に満足し、2回目には回折せず、かつ、拡散板3’の屈曲方向が法線に対する入射角に対して回折角が大きくなる方向の場合の例ある。また、フレネル凹面鏡2L、2Rはフレネル裏面鏡で構成されており、そのフレネル裏面鏡のX方向、Y方向への偏心量をMX、MY、軸上主光線30(30L、30R)の透過型ホログラム3’による偏角量をγ、フレネル凹面鏡2L、2Rの鏡面への入射角をβとするとすると、
MX=20mm(フレネル凹面鏡2L)、−20mm(フレネル凹面鏡2R)
MY=157.23mm
γ=15.00°(屈折率1.4924の硝材中で)
β=12.57°(屈折率1.4924の硝材中で)
である。
また、この実施例の透過型ホログラム3’の露光条件は、図12(a)中に示す通り、露光の際の座標系を透過型ホログラム3’の面の軸上主光線30(30L、30R)の入射点を原点にして、ホログラム面をX−Y面とし、投影光学系11の瞳13から離れる方向をZ軸とするとき、ホログラムの寸法を、図12(b)に示すように、縦×横を190mm×250mmのものを用い、露光のための第1光源位置(X1,Y1,Z1)は以下の通りであり、点光源とする。
(X1,Y1,Z1)=(0,297.11,−578.12)
また、第2光源中心位置(X2,Y2,Z2)は以下の通りであり、図12(c)に示すように、縦×横が144.44mm×86.67mmの面積を持つ拡散面光源とする。
(X2,Y2,Z2)=(0,435.32,−482.72)
以上の露光条件で作製した透過型ホログラムを拡散板3’として使用することにより、拡散板3’により拡散された光束は、フレネル凹面鏡2L、2R反射された後、図13に一方の拡大射出瞳を示すように、観察者瞳面で色再現性良く観察できる射出瞳範囲が縦×横が60mm×60mmの正方形で、X方向への偏心量が以下のPXの拡大射出瞳20L’、20R’となり、それらの中にφ60の円形瞳が可能になる。この実施例の瞳の色収差(波長450nmの射出瞳像と波長650nmの射出瞳像とのズレ)は40mmとなる。
PX=34.87mm(拡大射出瞳20L’)、
−34.87mm(拡大射出瞳20R’)
以下に、上記実施例1の構成パラメータを示す。上記のように、実施例1においては、軸上主光線30L、30Rを、投影光学系11の瞳13の中心を出て透過型ホログラムからなる拡散板3’の中心を通り拡大射出瞳20L’、20R’中心に至る光線で定義する。
そして、実施例1においては、順光線追跡において、投影光学系11の瞳13の中心を原点とし、瞳面をX−Y面とし、フレネル凹面鏡2L、2Rの中心OL、ORを結ぶ方向をX軸方向とし、ORからOLに至る方向をX軸正方向とし、瞳に垂直な軸上主光線30L、30Rの進行方向をZ軸正方向としている。
そして、偏心面については、光学系の原点からその面の面頂位置の偏心量(X軸方向、Y軸方向、Z軸方向をそれぞれX,Y,Z)と、その面の中心軸(非球面については、下記(a)式のZ軸)のX軸、Y軸、Z軸それぞれを中心とする傾き角(それぞれα,β,γ(°))とが与えられている。その場合、αとβの正はそれぞれの軸の正方向に対して反時計回りを、γの正はZ軸の正方向に対して時計回りを意味する。なお、面の中心軸のα,β,γの回転のさせ方は、面の中心軸とそのXYZ直交座標系を、まずX軸の回りで反時計回りにα回転させ、次に、その回転した面の中心軸を新たな座標系のY軸の回りで反時計回りにβ回転させると共に1度回転した座標系もY軸の回りで反時計回りにβ回転させ、次いで、その2度回転した面の中心軸を新たな座標系の新たな座標系のZ軸の回りで時計回りにγ回転させるものである。
また、本発明で用いられる非球面は、以下の定義式で与えられる回転対称非球面である。
Z=(Y2 /R)/[1+{1−(1+K)Y2 /R2 1 /2
+AY4 +BY6 +CY8 +DY10+…… ・・・(a)
ただし、Zを光の進行方向を正とした光軸(軸上主光線)とし、Yを光軸と垂直な方向にとる。ここで、Rは近軸曲率半径、Kは円錐定数、A、B、C、D、…はそれぞれ4次、6次、8次、10次の非球面係数である。この定義式のZ軸が回転対称非球面の軸となる。
なお、データの記載されていない非球面に関する項は0である。屈折率については、d線(波長587.56nm)に対するものを表記してある。長さの単位はmmである。
以下に、上記実施例1の構成パラメータを示す。なお、以下の表中の“ASS”は非球面、“FL”はフレネル面、“RE”は反射面、“HOE”は透過型ホログラム、“PIM”は画像投影面をそれぞれ示す。

実施例1
面番号 曲率半径 面間隔 偏心 屈折率 アッベ数
物体面 ∞
1 HOE 偏心(1) 1.4924 57.6
2 ∞(PIM) 偏心(1) 1.4924 57.6
3 ASS(1) (RE,FL) 偏心(2) 1.4924 57.6
4 ∞ 偏心(1)
像 面 ∞ 偏心(3)
ASS(1)
R -407.45
K -5.8103×10
A -7.5130×10-7
B 7.5802×10-12
C -3.1478×10-17
偏心(1)
X 0.00 Y 0.00 Z 650.00
α 25.00 β 0.00 γ 0.00
偏心(2)
X MX Y MY Z 577.79
α 25.00 β 0.00 γ 0.00
偏心(3)
X PX Y -190.18 Z 242.16
α 25.00 β 0.00 γ 0.00 。
さて、このような本発明の投影スクリーンと投影型表示装置は、図14に示すように、例えば手術用立体観察システムに用いることができる。図14は、この手術用立体観察システムの1実施例を示す説明図であり、本実施例の製品は、キャスター105a付き支持部本体105に、自在アーム110が接続されている。そして、自在アーム110を介して、支持アーム104が取り付けられている。この支持アーム104は、3次元方向に移動自在で、360°回転自在になっている。また、その支持アーム104には、連結部104dを介して保持部材103が取り付けられている。この保持部材103も、移動自在、回転自在になっている。そして、保持部材103には、投影装置10と本発明のスクリーン1とが取り付けられている。
一方、支持アーム104先端には、手術用顕微鏡の画像入力部109が取り付けられている。画像入力部109にはカメラが内蔵され、患者Pの患部を撮影する。撮影された画像は、入力画像として投影型表示装置に送られる。より詳しくは、投影装置10に送られるように構成されている。
このように構成することで、図14の装置では、手術用顕微鏡で患者Pの患部の映像を両眼EL、ERで観察しながら手術を行うことができるようになっている。
また、本発明の投影スクリーンと投影型表示装置は、パソコン、電話、特に持ち運びに便利な携帯電話等の情報処理装置に用いることができる。そのような投影型表示装置としての例を図15に示す。図15は携帯電話の例である。
この携帯電話138には、マイク部139と、スピーカ部140と、アンテナ141と、142と、本発明の投影観察装置とが設けられている。ここで、マイク部139は、操作者の声を情報として入力する。スピーカ部140は、通話相手の声を出力する。アンテナ141は、通信電波の送信と受信を行う。操作ボタン142は、操作者が情報を入力するのに使われる。
本発明の投影スクリーンと投影型表示装置は、操作者自身や通話相手等の撮影像と、電話番号等の情報を投影表示するために用いられる。ここでは、投影装置10と本発明のスクリーン1を設けて、その拡大射出瞳20L’、20R’の位置でその表示映像を無理なく両眼で観察できるようにしている。
また、本発明の投影スクリーンと投影型表示装置は、以上のような携帯型の使用形態に限らず、図17に示すような手持ちビュワータイプの形態にも適用可能であり、この構成の場合、投影型表示装置の本体60に折り畳み可能に設けた投影装置10の支持部材61を、本体60に設けた本発明の投影スクリーン1の保護カバーの役目を兼用するようにすることにより、携帯時の防塵性を向上させることが可能となる。
以上、本発明の投影スクリーン及び投影型表示装置を実施例に基づいて説明してきたが、本発明はこれら実施例に限定されず種々の変形が可能である。
本発明の投影スクリーン及び投影型表示装置は例えば次のように構成することができる。
〔1〕 複数のフレネル凹面鏡が相互に偏心して同一基板上に重畳して設けられてなることを特徴とする投影スクリーン。
〔2〕 複数のフレネル凸レンズが相互に偏心して同一基板上に重畳して設けられその背面に反射鏡が配置されてなることを特徴とする投影スクリーン。
〔3〕 複数のフレネル凸レンズが相互に偏心して同一基板上に重畳して設けられてなることを特徴とする投影スクリーン。
〔4〕 前記複数のフレネル凹面鏡又はフレネル凸レンズは基板に設けられた角錐状の突起群又は穿孔群からなり、前記突起群又は穿孔群を構成する突起又は穿孔の少なくとも一部は、少なくとも2つの光学作用面と少なくとも2つの光学非作用面とからなる角錐状の突起又は穿孔からなることを特徴とする上記1から3の何れか1項記載の投影スクリーン。
〔5〕 前記投影スクリーンの投影光入射側あるいは反射側に拡散板が配置されていることを特徴とする上記1から4の何れか1項記載の投影スクリーン。
〔6〕 前記拡散板が透過型ホログラムからなる拡散板であることを特徴とする上記5記載の投影スクリーン。
〔7〕 前記拡散板が拡散特性に指向性のある微細な凹凸面又は粗面からなる拡散板であることを特徴とする上記5記載の投影スクリーン。
〔8〕 前記拡散板の拡散角は、半値全幅で20°以下であることを特徴とする上記5から7の何れか1項記載の投影スクリーン。
〔9〕 前記透過型ホログラムの1回目及び2回目透過時に回折されてない0次光が前記複数のフレネル凹面鏡又は複数のフレネル凸レンズで結像され前記透過型ホログラムで拡大された拡大射出瞳に入射しないように構成されていることを特徴とする上記6記載の投影スクリーン。
〔10〕 前記拡大射出瞳の位置で、前記透過型ホログラムの1回目及び2回目透過時に回折されてない0次光がその拡大射出瞳の中心からその瞳径の2分の1以上離れて入射するように構成されていることを特徴とする上記9記載の投影スクリーン。
〔11〕 前記透過型ホログラムからなる拡散板が、回折による屈曲作用を有することを特徴とする上記6、9、10の何れか1項記載の投影スクリーン。
〔12〕 前記透過型ホログラムからなる拡散板によるd線の光軸の屈曲角をγとするとき、
γ>1° ・・・(1)
の条件を満足することを特徴とする上記11記載の投影スクリーン。
〔13〕 前記透過型ホログラムからなる拡散板によるd線の光軸の屈曲角をγとするとき、
γ<45° ・・・(2)
の条件を満足することを特徴とする上記11記載の投影スクリーン。
〔14〕 前記透過型ホログラムからなる拡散板によるd線の光軸の屈曲角をγとするとき、
10°<γ<20° ・・・(3)
なる条件を満足することを特徴とする上記11記載の投影スクリーン。
〔15〕 前記透過型ホログラムからなる拡散板による波長700nmの光と波長400nmの光の間の光軸の回折角の差が18°以下であることを特徴とする上記6、9〜14の何れか1項記載の投影スクリーン。
〔16〕 前記拡大射出瞳の位置で、波長700nmの光軸と波長400nmの光軸の入射位置の差が射出瞳の瞳径の2分の1以下であることを特徴とする上記9〜15の何れか1項記載の投影スクリーン。
〔17〕 前記フレネル凹面鏡の鏡面へのd線の光軸の入射角をβとするとき、
0°<β<45° ・・・(4)
の関係を満たすことを特徴とする上記6、9、10の何れか1項記載の投影スクリーン。
〔18〕 前記フレネル凹面鏡の鏡面へのd線の光軸の入射角をβとするとき、
5°<β<20° ・・・(4−1)
の関係を満たすことを特徴とする上記6、9、10の何れか1項記載の投影スクリーン。
〔19〕 前記透過型ホログラムからなる拡散板によるd線の光軸の屈曲角をγ、前記フレネル凹面鏡の鏡面へのd線の光軸の入射角をβとするとき、
0.01<γ/β<1000 ・・・(5)
の関係を満たすことを特徴とする上記6、9〜18の何れか1項記載の投影スクリーン。
〔20〕 前記透過型ホログラムからなる拡散板によるd線の光軸の屈曲角をγ、前記フレネル凹面鏡の鏡面へのd線の光軸の入射角をβとするとき、
0.5<γ/β<2 ・・・(5−1)
の関係を満たすことを特徴とする上記6、9〜18の何れか1項記載の投影スクリーン。
〔21〕 映像を表示する表示素子と、前記表示素子に表示された映像を拡大投影する投影光学系と、前記投影光学系により投影された投影像近傍に配置された投影スクリーンとからなる投影型表示装置において、
前記投影スクリーンが上記1から20の何れか1項記載の投影スクリーンからなることを特徴とする投影型表示装置。
〔22〕 前記投影光学系はアオリ像の像歪みを補正する機能を持ったものであることを特徴とする上記21記載の投影型表示装置。
〔23〕 照明光源としてLED又はLDを用いたことを特徴とする上記21又は22記載の投影型表示装置。
本発明の投影型表示装置と投影スクリーンの概念を示す斜視図である。 本発明の図1の水平方向の光路図である。 フレネル凹面鏡又はフレネル凸レンズを構成する基板の表面にバイトを用いて第1のフレネル凹面鏡又はフレネル凸レンズの作用面と非作用面とからなる溝(畝)を刻んでいく様子を示す図である。 第1のフレネル凹面鏡又はフレネル凸レンズの溝(畝)を刻んだ後に第2のフレネル凹面鏡又はフレネル凸レンズの同様の溝(畝)を刻んでいく様子を示す図である。 図3と図4のプロセスを経て得られた基板表面の面形状を示す斜視図と平面図である。 透過型ホログラムからなる拡散板を用いた場合の投影型表示装置の光学系の概念図とその投影型表示装置の配置例を示す図である。 1回目の通過で屈曲される透過型ホログラムからなる拡散板とフレネル凹面鏡の組み合わせの光路図である。 2回目の通過で屈曲される透過型ホログラムからなる拡散板とフレネル凹面鏡の組み合わせの光路図である。 フレネル凹面鏡が偏心している場合の1回目の通過で屈曲される透過型ホログラムからなる拡散板とフレネル凹面鏡の組み合わせの光路図である。 本発明の実施例1のX−Z面への投影光路図である。 本発明の実施例1のY−Z面への投影光路図である。 本発明の実施例1の拡散板に用いる透過型ホログラムの撮影配置を示す図である。 本発明の実施例1の射出瞳位置でのRGBの射出瞳像の重なり具合と0次光及び表面反射光の入射位置を示す図である。 本発明の投影スクリーンと投影型表示装置を用いた手術用立体観察システムの例を示す図である。 本発明の投影型表示装置である携帯電話の例を示す図である。 本発明の投影型表示装置である手持ちビュワータイプの例を示す図である。
符号の説明
M…観察者
P…患者
EL、ER…観察者眼球
OL、OR…フレネル凹面鏡の中心
A、B…作用面
A’、B’…非作用面
1…投影スクリーン
2、2L、2R…フレネル凹面鏡
3…拡散板
3’…透過型ホログラムからなる拡散板
10…投影装置
11…投影光学系
13…入射瞳
16…投影光学系からの軸上主光線
170 …0次光
171 …拡散光中の主光線(中心光線)
17R 、17G 、17B …透過型ホログラムからなる拡散板で回折して屈曲されたR、G、Bの波長の主光線(中心光線)
20、20L、20R…射出瞳
20’、20L’、20R’…拡大射出瞳
30、30L、30R…軸上主光線
50…フレネル凹面鏡、フレネル凸レンズを構成する基板
51…バイト
60…投影型表示装置の本体
61…支持部材
103…保持部材
104…支持アーム
104d…連結部
105…支持部本体
105a…キャスター
109…画像入力部
110…自在アーム
138…携帯電話
139…マイク部
140…スピーカ部
141…アンテナ
142…操作ボタン

Claims (4)

  1. 複数のフレネル凹面鏡が相互に偏心して同一基板上に重畳して設けられてなることを特徴とする投影スクリーン。
  2. 前記投影スクリーンの投影光入射側あるいは反射側に拡散板が配置されていることを特徴とする請求項1記載の投影スクリーン。
  3. 前記拡散板が透過型ホログラムからなる拡散板であることを特徴とする請求項2記載の投影スクリーン。
  4. 映像を表示する表示素子と、前記表示素子に表示された映像を拡大投影する投影光学系と、前記投影光学系により投影された投影像近傍に配置された投影スクリーンとからなる投影型表示装置において、
    前記投影スクリーンが請求項1から3の何れか1項記載の投影スクリーンからなることを特徴とする投影型表示装置。
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