JP2005062282A - 撮影レンズ - Google Patents
撮影レンズ Download PDFInfo
- Publication number
- JP2005062282A JP2005062282A JP2003208052A JP2003208052A JP2005062282A JP 2005062282 A JP2005062282 A JP 2005062282A JP 2003208052 A JP2003208052 A JP 2003208052A JP 2003208052 A JP2003208052 A JP 2003208052A JP 2005062282 A JP2005062282 A JP 2005062282A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- lens
- focal length
- positive lens
- curvature
- object side
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Withdrawn
Links
Images
Classifications
-
- G—PHYSICS
- G02—OPTICS
- G02B—OPTICAL ELEMENTS, SYSTEMS OR APPARATUS
- G02B13/00—Optical objectives specially designed for the purposes specified below
- G02B13/001—Miniaturised objectives for electronic devices, e.g. portable telephones, webcams, PDAs, small digital cameras
- G02B13/0015—Miniaturised objectives for electronic devices, e.g. portable telephones, webcams, PDAs, small digital cameras characterised by the lens design
- G02B13/002—Miniaturised objectives for electronic devices, e.g. portable telephones, webcams, PDAs, small digital cameras characterised by the lens design having at least one aspherical surface
- G02B13/003—Miniaturised objectives for electronic devices, e.g. portable telephones, webcams, PDAs, small digital cameras characterised by the lens design having at least one aspherical surface having two lenses
-
- G—PHYSICS
- G02—OPTICS
- G02B—OPTICAL ELEMENTS, SYSTEMS OR APPARATUS
- G02B13/00—Optical objectives specially designed for the purposes specified below
- G02B13/18—Optical objectives specially designed for the purposes specified below with lenses having one or more non-spherical faces, e.g. for reducing geometrical aberration
-
- G—PHYSICS
- G02—OPTICS
- G02B—OPTICAL ELEMENTS, SYSTEMS OR APPARATUS
- G02B9/00—Optical objectives characterised both by the number of the components and their arrangements according to their sign, i.e. + or -
- G02B9/04—Optical objectives characterised both by the number of the components and their arrangements according to their sign, i.e. + or - having two components only
- G02B9/06—Optical objectives characterised both by the number of the components and their arrangements according to their sign, i.e. + or - having two components only two + components
- G02B9/08—Optical objectives characterised both by the number of the components and their arrangements according to their sign, i.e. + or - having two components only two + components arranged about a stop
Landscapes
- Physics & Mathematics (AREA)
- General Physics & Mathematics (AREA)
- Optics & Photonics (AREA)
- Lenses (AREA)
- Lens Barrels (AREA)
Abstract
【課題】前玉中心厚の成形誤差に伴うフランジバックの変動を小さくする。
【解決手段】撮影レンズ10は、物体側に凸面を向けたメニスカス形状の第1正レンズ11と、両凸面の第2正レンズ12とから構成される。第1正レンズ11の像側曲面と第2正レンズ12の像側曲面は非球面形状に形成されている。撮影レンズ10の有効口径と全系の合成焦点距離との比をF、第1正レンズ11の焦点距離をf1、第2正レンズ12の焦点距離をf2、第1正レンズ11の物体側球面の曲率半径をR1、第2正レンズ12の各面の曲率半径をR3、R4としたとき、
5.6≦F<8
f1>f2
0.39<f/f1≦0.5
0.15<R1/f<0.19
1.4<(f/R3)×F≦3.0
R3>|R4|
を満たすことにより誤差感度を軽減することが可能になる。
【選択図】 図1
【解決手段】撮影レンズ10は、物体側に凸面を向けたメニスカス形状の第1正レンズ11と、両凸面の第2正レンズ12とから構成される。第1正レンズ11の像側曲面と第2正レンズ12の像側曲面は非球面形状に形成されている。撮影レンズ10の有効口径と全系の合成焦点距離との比をF、第1正レンズ11の焦点距離をf1、第2正レンズ12の焦点距離をf2、第1正レンズ11の物体側球面の曲率半径をR1、第2正レンズ12の各面の曲率半径をR3、R4としたとき、
5.6≦F<8
f1>f2
0.39<f/f1≦0.5
0.15<R1/f<0.19
1.4<(f/R3)×F≦3.0
R3>|R4|
を満たすことにより誤差感度を軽減することが可能になる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、固定焦点カメラに好適な撮影レンズに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
固定焦点カメラは、絞りによって有効口径が小さく設定された比較的広画角の撮影レンズを備え、被写界深度を予め深くしておくことでピント調節機構が省略され、構造の簡略化により製造コストが抑えられている。固定焦点カメラの1つとして、本出願人より提供されているレンズ付きフイルムユニットは、未露光の写真フイルムを予め内蔵し、フイルムの巻上げ操作とシャッタ操作を行うだけで画質の良好な撮影を可能としている。
【0003】
レンズ付きフイルムユニットは、光学プラスチックを材料とする、例えば2枚の正レンズからなる撮影レンズを有し、内蔵されるフイルムの感度がISO400の場合、F11ないしF10の間に設定された固定絞りと、約1/100秒時にスピードが固定されたシャッタを標準として、明るい日中に適した撮影が行えるように設計されている。近年では、被写界の輝度に応じて切り替えられる径の異なる2種類の絞りを有する製品も知られている。また、レンズ付きフイルムユニットでは、写真フイルムを湾曲させて露光させるので、レンズ枚数の少なさから補正のできない像面湾曲による画質劣化が抑えられている。
【0004】
2枚構成の撮影レンズは残存収差が比較的大きく、従来より結像性能を高めるために様々な改良がなされている。ここで、特許文献1に記載された撮影レンズは、物体側の第1レンズの像側曲面と、像側の第2レンズの片面をそれぞれ非球面に形成し、明るさの改善と収差補正を両立させている。
【0005】
【特許文献1】
特開2002−23050号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記特許文献1に記載の撮影レンズは、設計性能が高められてはいるが、前玉である第1レンズの中心厚に0.01mmの製造誤差があると、フランジバック(レンズが取り付けられる位置からフイルムまでの理想的な距離を指す,バックフォーカスの大きさに等しい)の変動量が約10倍の約0.1mmに達し、撮影品質の劣化が大きくなるという欠点があった。すなわち、レンズの成形精度に対する誤差感度が大きく、設計性能を発揮できるレンズを製作するための手間がかかり、製造効率の低下を招くという問題があった。
【0007】
これは、メニスカス形状の第1レンズと、両凸形状の第2レンズから構成される撮影レンズでは、収差の補正が容易であるという利点を有する反面、第1レンズの両面の曲率半径が小さくなる傾向を有することが原因である。第1レンズの物体側曲面で光線が強く屈折すると、屈折後の光線と光軸となす角度が大きくなり、第1レンズの中心厚の誤差に対して、第1レンズから出射する光線の高さの変化が大きくなり、その結果としてフランジバックの変動が大きくなる。
【0008】
本発明は、上記問題点を考慮してなされたもので、第1レンズの中心厚に対する誤差感度が軽減でき、さらに、従来よりも明るさを向上させることができる撮影レンズを提供することがその目的である。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明の撮影レンズでは、焦点のズレが撮影品質の劣化に大きく影響するレンズの明るさ、すなわちFナンバーが5.6以上で8より小さいレンズに対して各条件を規定したものである。その特徴として、前玉である第1レンズの焦点距離f1が、後玉である第2レンズの焦点距離f2よりも大きいことを第1の条件とする。第2の条件として、レンズ全系の合成焦点距離fと第1レンズの焦点距離f1の比を
0.39<f/f1≦0.5
と規定し、従来よりも第1レンズの焦点距離を大きく、つまりは屈折力を小さくすることで誤差感度の軽減を図っている。第3の条件として、中心厚による誤差感度を軽減するとともに、第1レンズの屈折力変化に起因する像面湾曲を抑えるために、第1レンズの物体側曲面の曲率半径R1が
0.15<R1/f<0.19
を満足するように、第1レンズの構成を設定している。また、第1レンズの屈折力を小さくしたときに、全系の合成焦点距離を一定に保つためには第2レンズの焦点距離を小さくする必要がある。第2レンズの屈折力が変わることに伴い、結像性能の劣化を防ぐために、
1.4<(f/R3)×F≦3.0
とする第4の条件により、第2レンズの物体側曲面の曲率半径を適切な範囲内に設定し、レンズの明るさに対する良好な結像性能を確保している。第5の条件として、両凸形状を有する第2レンズにおいて、物体側の凸球面のパワーを弱く、像側の凸非球面のパワーを強くし、レンズ全長の短縮及びディストーションの補正を可能とした。
【0010】
請求項2に記載の撮影レンズは、第1レンズの像側に非球面を設けることで収差を軽減するものであるが、第1レンズの構成が上記条件式を満たす範囲にあることにより、第1レンズの屈折力が小さくなりすぎず、非球面による収差補正が最も効果的な作用を奏する。
【0011】
請求項3記載の撮影レンズは、光路中に出し入れ可能な第2絞りを、第1レンズと第1絞りとの間に設けることにより、絞り込みによる倍率の色収差の少ない範囲の光線を選択的に結像することが可能となり、効果的な絞り作用を得ることを可能とした。
【0012】
【発明の実施の形態】
図1において、撮影レンズ10は、物体側より順に配列された第1正レンズ11と第2正レンズ12とから構成されている。第1正レンズ11は、物体側の凸面と像側の凹面とを有するメニスカス形状をしている。第1正レンズ11の像側曲面と、第2正レンズ12の像側曲面は、ともに非球面に形成されている。第2正レンズ12は、物体側と像側とがそれぞれ凸の両凸形状を有する。第1正レンズ11と第2正レンズ12の間には、レンズ間隔を確保するスペーサー13と、被写体光量を制限する開放絞り(第1絞り)14とが設けられている。
【0013】
スペーサー13は、撮影画角の外から入射してフレアの原因となる有害光を遮るフレアトッパとしても作用する。開放絞り14は、スペーサー13よりも像面側に配置されており、撮影レンズ10の良好な結像性能が得られる最も明るい有効口径を決定する。スペーサー13は、物体側の一部が薄く形成されており、第1正レンズ11とスペーサー13の間には、可動小絞り(第2絞り)15が入り込める隙間が形成される。可動小絞り15は、撮影レンズ10を透過する被写体光の光路に入り込む位置と、被写体光の光路の外に退避する位置との間を移動する。
【0014】
可動小絞り15は、開放絞り14よりも小さい絞り径を有し、2つの位置間を移動するときには、例えば、被写界輝度を測定する測光回路に接続されたソレノイド等の駆動源によって駆動されたり、撮影者によって手動で切り替え操作される。可動小絞り15が光路内に入り込むことにより、被写界が明るい日中の撮影時等に露光オーバーになることが防止される。また、被写界が暗い夜間の撮影時等には、可動小絞り15が光路の外に退避し、露光アンダーになることが防止される。可動小絞り15は、開放絞り14よりも物体側に配置されることにより、第1正レンズ11を透過した被写体光が色ごとに大きく分散することが抑えられ、倍率の色収差に伴う撮影画質の劣化が防止される。以下、本発明のより具体的な実施例について説明する。
【0015】
(実施例1)
図2に第1実施例の構成を示し、以下の表にレンズデータ及び非球面係数を示す。なお、物体側から各レンズ曲面に付した番号をn、各面の曲率半径をRn、面間隔をDn、d線(587.56nm)に対する屈折率及び分散をNd、νdとする。これは他の実施例も同様である。また、第2面と第4面の非球面は、
を満たすように形成されている。なお、式中cは曲率半径の逆数(=1/Rn)、hは光軸から高さを表す。
【0016】
【表1】
【0017】
【表2】
【0018】
全系の合成焦点距離をf、第1レンズの焦点距離をf1、第2レンズの焦点距離をf2、開放絞り14による有効口径とfの比(Fナンバー)をF、撮影半画角をωとしたとき、
f=31.9mm
f1=71.93mm
f2=47.37mm
F=5.9
ω=34.8°
であり、
f/f1=0.44
R1/F=0.158
(f/R3)×F=2.83
となる。本実施例においては、第1正レンズ11の0.01mmの中心厚変動に対し、フランジバック変動は0.066mmとなり、誤差感度は6.6倍となる。図3及び図4に本実施例の収差図を示す。
【0019】
(実施例2)
図5に第2実施例の構成を示し、以下の表にレンズデータ及び非球面係数を示す。
【0020】
【表3】
【0021】
【表4】
【0022】
本実施例における全系の合成焦点距離をf、第1レンズの焦点距離をf1、第2レンズの焦点距離をf2、有効口径と焦点距離の比(Fナンバー)をF、撮影半画角をωは、それぞれ、
f=32mm
f1=70.49mm
f2=47.05mm
F=5.6
ω=34.8°
であり、
f/f1=0.45
R1/F=0.178
(f/R3)×F=1.5
となる。本実施例においては、第1正レンズ2の0.01mmの中心厚変動に対し、フランジバック変動は0.052mmとなり、誤差感度は5.2倍となる。図6及び図7に本実施例の収差図を示す。
【0023】
(実施例3)
図8に第3実施例の構成を示し、以下の表にレンズデータ及び非球面係数を示す。
【0024】
【表5】
【0025】
【表6】
【0026】
本実施例における全系の合成焦点距離をf、第1レンズの焦点距離をf1、第2レンズの焦点距離をf2、有効口径と焦点距離の比(Fナンバー)をF、撮影半画角をωは、それぞれ、
f=32mm
f1=67mm
f2=47.32mm
F=5.6
ω=34.8°
であり、
f/f1=0.48
R1/F=0.179
(f/R3)×F=1.41
となる。本実施例においては、第1正レンズ2の0.01mmの中心厚変動に対し、フランジバック変動は0.052mmとなり、誤差感度は5.2倍に抑えられる。また、図9及び図10に本実施例の収差図を示す。
【0027】
【発明の効果】
以上のように、本発明の撮影レンズによれば、物体側の第1レンズの中心厚変動に対するフランジバックの変動を従来よりも小さくできるとともに、従来の撮影レンズでは良好な結像性能の限界であったF6.4よりも明るさの向上を実現することができる。これにより、製造適性の良好なレンズが得られ、製造コストの上昇を伴うことなく撮影品質の向上を図ることができる。
【0028】
特に、条件式
0.39<f/f1≦0.5
により、全系の合成焦点距離と第1レンズの焦点距離の比が、誤差感度を抑えることができなくなる下限値と、レンズの明るさを高める際の性能確保が困難になる上限値との間に設定されることで、製造適性の向上と像面の明るさ向上を達成できる。また、条件式
0.15<R1/f<0.19
により、焦点距離を大きくした第1レンズに関し、その物体側球面の曲率半径が誤差感度が増加する下限値と、像面湾曲が増大する上限値との間に設定され、誤差感度の軽減と像面湾曲による性能劣化の防止を達成できる。また、条件式
1.4<(f/R3)×F≦3.0
により、第1レンズの中心厚に対する誤差感度を抑えるとともに、レンズの明るさを高めた際の諸収差のバランスが良好に保たれる。
【図面の簡単な説明】
【図1】鏡筒内に保持された撮影レンズの断面図である。
【図2】第1実施例の構成図である。
【図3】第1実施例の横収差図である。
【図4】第1実施例の縦収差図である。
【図5】第2実施例の構成図である。
【図6】第2実施例の横収差図である。
【図7】第2実施例の縦収差図である。
【図8】第3実施例の構成図である。
【図9】第3実施例の横収差図である。
【図10】第3実施例の縦収差図である。
【符号の説明】
10 撮影レンズ
11 第1正レンズ
12 第2正レンズ
13 スペーサー
14 開放絞り
15 可動小絞り
【発明の属する技術分野】
本発明は、固定焦点カメラに好適な撮影レンズに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
固定焦点カメラは、絞りによって有効口径が小さく設定された比較的広画角の撮影レンズを備え、被写界深度を予め深くしておくことでピント調節機構が省略され、構造の簡略化により製造コストが抑えられている。固定焦点カメラの1つとして、本出願人より提供されているレンズ付きフイルムユニットは、未露光の写真フイルムを予め内蔵し、フイルムの巻上げ操作とシャッタ操作を行うだけで画質の良好な撮影を可能としている。
【0003】
レンズ付きフイルムユニットは、光学プラスチックを材料とする、例えば2枚の正レンズからなる撮影レンズを有し、内蔵されるフイルムの感度がISO400の場合、F11ないしF10の間に設定された固定絞りと、約1/100秒時にスピードが固定されたシャッタを標準として、明るい日中に適した撮影が行えるように設計されている。近年では、被写界の輝度に応じて切り替えられる径の異なる2種類の絞りを有する製品も知られている。また、レンズ付きフイルムユニットでは、写真フイルムを湾曲させて露光させるので、レンズ枚数の少なさから補正のできない像面湾曲による画質劣化が抑えられている。
【0004】
2枚構成の撮影レンズは残存収差が比較的大きく、従来より結像性能を高めるために様々な改良がなされている。ここで、特許文献1に記載された撮影レンズは、物体側の第1レンズの像側曲面と、像側の第2レンズの片面をそれぞれ非球面に形成し、明るさの改善と収差補正を両立させている。
【0005】
【特許文献1】
特開2002−23050号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記特許文献1に記載の撮影レンズは、設計性能が高められてはいるが、前玉である第1レンズの中心厚に0.01mmの製造誤差があると、フランジバック(レンズが取り付けられる位置からフイルムまでの理想的な距離を指す,バックフォーカスの大きさに等しい)の変動量が約10倍の約0.1mmに達し、撮影品質の劣化が大きくなるという欠点があった。すなわち、レンズの成形精度に対する誤差感度が大きく、設計性能を発揮できるレンズを製作するための手間がかかり、製造効率の低下を招くという問題があった。
【0007】
これは、メニスカス形状の第1レンズと、両凸形状の第2レンズから構成される撮影レンズでは、収差の補正が容易であるという利点を有する反面、第1レンズの両面の曲率半径が小さくなる傾向を有することが原因である。第1レンズの物体側曲面で光線が強く屈折すると、屈折後の光線と光軸となす角度が大きくなり、第1レンズの中心厚の誤差に対して、第1レンズから出射する光線の高さの変化が大きくなり、その結果としてフランジバックの変動が大きくなる。
【0008】
本発明は、上記問題点を考慮してなされたもので、第1レンズの中心厚に対する誤差感度が軽減でき、さらに、従来よりも明るさを向上させることができる撮影レンズを提供することがその目的である。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明の撮影レンズでは、焦点のズレが撮影品質の劣化に大きく影響するレンズの明るさ、すなわちFナンバーが5.6以上で8より小さいレンズに対して各条件を規定したものである。その特徴として、前玉である第1レンズの焦点距離f1が、後玉である第2レンズの焦点距離f2よりも大きいことを第1の条件とする。第2の条件として、レンズ全系の合成焦点距離fと第1レンズの焦点距離f1の比を
0.39<f/f1≦0.5
と規定し、従来よりも第1レンズの焦点距離を大きく、つまりは屈折力を小さくすることで誤差感度の軽減を図っている。第3の条件として、中心厚による誤差感度を軽減するとともに、第1レンズの屈折力変化に起因する像面湾曲を抑えるために、第1レンズの物体側曲面の曲率半径R1が
0.15<R1/f<0.19
を満足するように、第1レンズの構成を設定している。また、第1レンズの屈折力を小さくしたときに、全系の合成焦点距離を一定に保つためには第2レンズの焦点距離を小さくする必要がある。第2レンズの屈折力が変わることに伴い、結像性能の劣化を防ぐために、
1.4<(f/R3)×F≦3.0
とする第4の条件により、第2レンズの物体側曲面の曲率半径を適切な範囲内に設定し、レンズの明るさに対する良好な結像性能を確保している。第5の条件として、両凸形状を有する第2レンズにおいて、物体側の凸球面のパワーを弱く、像側の凸非球面のパワーを強くし、レンズ全長の短縮及びディストーションの補正を可能とした。
【0010】
請求項2に記載の撮影レンズは、第1レンズの像側に非球面を設けることで収差を軽減するものであるが、第1レンズの構成が上記条件式を満たす範囲にあることにより、第1レンズの屈折力が小さくなりすぎず、非球面による収差補正が最も効果的な作用を奏する。
【0011】
請求項3記載の撮影レンズは、光路中に出し入れ可能な第2絞りを、第1レンズと第1絞りとの間に設けることにより、絞り込みによる倍率の色収差の少ない範囲の光線を選択的に結像することが可能となり、効果的な絞り作用を得ることを可能とした。
【0012】
【発明の実施の形態】
図1において、撮影レンズ10は、物体側より順に配列された第1正レンズ11と第2正レンズ12とから構成されている。第1正レンズ11は、物体側の凸面と像側の凹面とを有するメニスカス形状をしている。第1正レンズ11の像側曲面と、第2正レンズ12の像側曲面は、ともに非球面に形成されている。第2正レンズ12は、物体側と像側とがそれぞれ凸の両凸形状を有する。第1正レンズ11と第2正レンズ12の間には、レンズ間隔を確保するスペーサー13と、被写体光量を制限する開放絞り(第1絞り)14とが設けられている。
【0013】
スペーサー13は、撮影画角の外から入射してフレアの原因となる有害光を遮るフレアトッパとしても作用する。開放絞り14は、スペーサー13よりも像面側に配置されており、撮影レンズ10の良好な結像性能が得られる最も明るい有効口径を決定する。スペーサー13は、物体側の一部が薄く形成されており、第1正レンズ11とスペーサー13の間には、可動小絞り(第2絞り)15が入り込める隙間が形成される。可動小絞り15は、撮影レンズ10を透過する被写体光の光路に入り込む位置と、被写体光の光路の外に退避する位置との間を移動する。
【0014】
可動小絞り15は、開放絞り14よりも小さい絞り径を有し、2つの位置間を移動するときには、例えば、被写界輝度を測定する測光回路に接続されたソレノイド等の駆動源によって駆動されたり、撮影者によって手動で切り替え操作される。可動小絞り15が光路内に入り込むことにより、被写界が明るい日中の撮影時等に露光オーバーになることが防止される。また、被写界が暗い夜間の撮影時等には、可動小絞り15が光路の外に退避し、露光アンダーになることが防止される。可動小絞り15は、開放絞り14よりも物体側に配置されることにより、第1正レンズ11を透過した被写体光が色ごとに大きく分散することが抑えられ、倍率の色収差に伴う撮影画質の劣化が防止される。以下、本発明のより具体的な実施例について説明する。
【0015】
(実施例1)
図2に第1実施例の構成を示し、以下の表にレンズデータ及び非球面係数を示す。なお、物体側から各レンズ曲面に付した番号をn、各面の曲率半径をRn、面間隔をDn、d線(587.56nm)に対する屈折率及び分散をNd、νdとする。これは他の実施例も同様である。また、第2面と第4面の非球面は、
を満たすように形成されている。なお、式中cは曲率半径の逆数(=1/Rn)、hは光軸から高さを表す。
【0016】
【表1】
【0017】
【表2】
【0018】
全系の合成焦点距離をf、第1レンズの焦点距離をf1、第2レンズの焦点距離をf2、開放絞り14による有効口径とfの比(Fナンバー)をF、撮影半画角をωとしたとき、
f=31.9mm
f1=71.93mm
f2=47.37mm
F=5.9
ω=34.8°
であり、
f/f1=0.44
R1/F=0.158
(f/R3)×F=2.83
となる。本実施例においては、第1正レンズ11の0.01mmの中心厚変動に対し、フランジバック変動は0.066mmとなり、誤差感度は6.6倍となる。図3及び図4に本実施例の収差図を示す。
【0019】
(実施例2)
図5に第2実施例の構成を示し、以下の表にレンズデータ及び非球面係数を示す。
【0020】
【表3】
【0021】
【表4】
【0022】
本実施例における全系の合成焦点距離をf、第1レンズの焦点距離をf1、第2レンズの焦点距離をf2、有効口径と焦点距離の比(Fナンバー)をF、撮影半画角をωは、それぞれ、
f=32mm
f1=70.49mm
f2=47.05mm
F=5.6
ω=34.8°
であり、
f/f1=0.45
R1/F=0.178
(f/R3)×F=1.5
となる。本実施例においては、第1正レンズ2の0.01mmの中心厚変動に対し、フランジバック変動は0.052mmとなり、誤差感度は5.2倍となる。図6及び図7に本実施例の収差図を示す。
【0023】
(実施例3)
図8に第3実施例の構成を示し、以下の表にレンズデータ及び非球面係数を示す。
【0024】
【表5】
【0025】
【表6】
【0026】
本実施例における全系の合成焦点距離をf、第1レンズの焦点距離をf1、第2レンズの焦点距離をf2、有効口径と焦点距離の比(Fナンバー)をF、撮影半画角をωは、それぞれ、
f=32mm
f1=67mm
f2=47.32mm
F=5.6
ω=34.8°
であり、
f/f1=0.48
R1/F=0.179
(f/R3)×F=1.41
となる。本実施例においては、第1正レンズ2の0.01mmの中心厚変動に対し、フランジバック変動は0.052mmとなり、誤差感度は5.2倍に抑えられる。また、図9及び図10に本実施例の収差図を示す。
【0027】
【発明の効果】
以上のように、本発明の撮影レンズによれば、物体側の第1レンズの中心厚変動に対するフランジバックの変動を従来よりも小さくできるとともに、従来の撮影レンズでは良好な結像性能の限界であったF6.4よりも明るさの向上を実現することができる。これにより、製造適性の良好なレンズが得られ、製造コストの上昇を伴うことなく撮影品質の向上を図ることができる。
【0028】
特に、条件式
0.39<f/f1≦0.5
により、全系の合成焦点距離と第1レンズの焦点距離の比が、誤差感度を抑えることができなくなる下限値と、レンズの明るさを高める際の性能確保が困難になる上限値との間に設定されることで、製造適性の向上と像面の明るさ向上を達成できる。また、条件式
0.15<R1/f<0.19
により、焦点距離を大きくした第1レンズに関し、その物体側球面の曲率半径が誤差感度が増加する下限値と、像面湾曲が増大する上限値との間に設定され、誤差感度の軽減と像面湾曲による性能劣化の防止を達成できる。また、条件式
1.4<(f/R3)×F≦3.0
により、第1レンズの中心厚に対する誤差感度を抑えるとともに、レンズの明るさを高めた際の諸収差のバランスが良好に保たれる。
【図面の簡単な説明】
【図1】鏡筒内に保持された撮影レンズの断面図である。
【図2】第1実施例の構成図である。
【図3】第1実施例の横収差図である。
【図4】第1実施例の縦収差図である。
【図5】第2実施例の構成図である。
【図6】第2実施例の横収差図である。
【図7】第2実施例の縦収差図である。
【図8】第3実施例の構成図である。
【図9】第3実施例の横収差図である。
【図10】第3実施例の縦収差図である。
【符号の説明】
10 撮影レンズ
11 第1正レンズ
12 第2正レンズ
13 スペーサー
14 開放絞り
15 可動小絞り
Claims (3)
- 物体側に凸面を有するメニスカスの第1レンズと、この第1レンズより像側に配置された両凸面の第2レンズとからなり、前記第1レンズと第2レンズの間に第1絞りが設けられた撮影レンズにおいて、
前記第1絞りにより決まる有効口径と全系の合成焦点距離fの比をF、第1レンズの焦点距離をf1、第2レンズの焦点距離をf2、第1レンズの物体側球面の曲率半径をR1、第2レンズの物体側球面の曲率半径と像側非球面の基準球面の曲率半径とをそれぞれR3,R4としたとき、
5.6≦F<8
f1>f2
0.39<f/f1≦0.5
0.15<R1/f<0.19
1.4<(f/R3)×F≦3.0
R3>|R4|
を満たすことを特徴とする撮影レンズ。 - 前記第1レンズは、その像側曲面が非球面に形成されていることを特徴とする請求項1記載の撮影レンズ。
- 前記第1絞りよりも小さな絞り径を有し、前記第1レンズと第1絞りとの間で光路に出し入れされる第2絞りが設けられていることを特徴とする請求項1又は2記載の撮影レンズ。
Priority Applications (4)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003208052A JP2005062282A (ja) | 2003-08-20 | 2003-08-20 | 撮影レンズ |
EP04254728A EP1508828B1 (en) | 2003-08-20 | 2004-08-05 | Photographic lens |
DE602004001027T DE602004001027T2 (de) | 2003-08-20 | 2004-08-05 | Photoobjektiv |
US10/921,919 US7031080B2 (en) | 2003-08-20 | 2004-08-20 | Photographic lens |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003208052A JP2005062282A (ja) | 2003-08-20 | 2003-08-20 | 撮影レンズ |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2005062282A true JP2005062282A (ja) | 2005-03-10 |
Family
ID=34055953
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2003208052A Withdrawn JP2005062282A (ja) | 2003-08-20 | 2003-08-20 | 撮影レンズ |
Country Status (4)
Country | Link |
---|---|
US (1) | US7031080B2 (ja) |
EP (1) | EP1508828B1 (ja) |
JP (1) | JP2005062282A (ja) |
DE (1) | DE602004001027T2 (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
TWI479221B (zh) * | 2010-12-16 | 2015-04-01 | Hon Hai Prec Ind Co Ltd | 定焦鏡頭 |
CN113504631A (zh) * | 2021-07-22 | 2021-10-15 | 广东旭业光电科技股份有限公司 | 一种透镜组件及轻薄型摄像镜头 |
Families Citing this family (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US8016417B2 (en) * | 2008-07-02 | 2011-09-13 | Abraham Reichert | Eye model |
CN102236154B (zh) * | 2010-05-05 | 2013-03-13 | 大立光电股份有限公司 | 薄型化成像透镜组 |
WO2012100405A1 (en) | 2011-01-24 | 2012-08-02 | Ether Precision, Inc. | Two lens module including a plano-convex lens |
KR20150092458A (ko) * | 2014-02-05 | 2015-08-13 | 삼성전기주식회사 | 렌즈 모듈 |
CN113009675B (zh) * | 2021-03-24 | 2022-05-13 | 天津欧菲光电有限公司 | 光学系统、取像模组及电子设备 |
Family Cites Families (10)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US5327291A (en) * | 1992-03-30 | 1994-07-05 | Polaroid Corporation | Compact objective lens |
US5604639A (en) * | 1994-12-30 | 1997-02-18 | Eastman Kodak Company | Two-element optical system and camera and method of making a camera |
JPH1090597A (ja) * | 1996-09-17 | 1998-04-10 | Kiyousera Opt Kk | 撮影レンズ |
JP2848523B2 (ja) * | 1996-09-27 | 1999-01-20 | 株式会社日出 | 撮像用レンズ |
KR100506516B1 (ko) * | 1996-11-29 | 2005-08-05 | 쓰리엠 이노베이티브 프로퍼티즈 컴파니 | 전자 화상 시스템용 렌즈 |
JPH10161020A (ja) * | 1996-12-02 | 1998-06-19 | Olympus Optical Co Ltd | 回折光学素子を用いた撮影光学系 |
JP2000227626A (ja) * | 1999-02-05 | 2000-08-15 | Konica Corp | レンズ付きフィルムユニット |
JP2000227547A (ja) * | 1999-02-05 | 2000-08-15 | Fuji Photo Film Co Ltd | 撮影レンズおよびこれを用いるカメラ |
JP2002023050A (ja) * | 2000-07-06 | 2002-01-23 | Fuji Photo Film Co Ltd | 撮影レンズ |
JP2002296496A (ja) * | 2001-03-29 | 2002-10-09 | Fuji Photo Optical Co Ltd | 単焦点レンズ |
-
2003
- 2003-08-20 JP JP2003208052A patent/JP2005062282A/ja not_active Withdrawn
-
2004
- 2004-08-05 DE DE602004001027T patent/DE602004001027T2/de not_active Expired - Fee Related
- 2004-08-05 EP EP04254728A patent/EP1508828B1/en not_active Expired - Fee Related
- 2004-08-20 US US10/921,919 patent/US7031080B2/en not_active Expired - Fee Related
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
TWI479221B (zh) * | 2010-12-16 | 2015-04-01 | Hon Hai Prec Ind Co Ltd | 定焦鏡頭 |
CN113504631A (zh) * | 2021-07-22 | 2021-10-15 | 广东旭业光电科技股份有限公司 | 一种透镜组件及轻薄型摄像镜头 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
DE602004001027T2 (de) | 2006-11-09 |
US20050041309A1 (en) | 2005-02-24 |
DE602004001027D1 (de) | 2006-07-06 |
EP1508828A1 (en) | 2005-02-23 |
US7031080B2 (en) | 2006-04-18 |
EP1508828B1 (en) | 2006-05-31 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
TWI703367B (zh) | 光學成像系統 | |
US8934182B2 (en) | Lens system and optical apparatus | |
KR101431548B1 (ko) | 렌즈 광학계 | |
JP2000227547A (ja) | 撮影レンズおよびこれを用いるカメラ | |
KR101412627B1 (ko) | 왜곡이 보정된 광각 촬영 렌즈 시스템 | |
JP2008309810A (ja) | 撮像レンズ | |
US6891684B2 (en) | Image taking lens system | |
CN110441893B (zh) | 光学成像系统 | |
JP5972010B2 (ja) | 撮像装置 | |
TWI808084B (zh) | 光學成像系統 | |
JP4156828B2 (ja) | マクロレンズ及びそれを備えたカメラ | |
US20020075570A1 (en) | Inner-focus-type lens | |
US7342730B2 (en) | Zoom lens optical system | |
JP3925748B2 (ja) | 小型レンズ | |
TWI754169B (zh) | 光學成像系統 | |
JP2005062282A (ja) | 撮影レンズ | |
JP2002023050A (ja) | 撮影レンズ | |
JP2008191672A (ja) | マクロレンズ及びそれを備えたカメラ | |
JP3588517B2 (ja) | 結像レンズ | |
JPH05281465A (ja) | 広角レンズ | |
RU219032U1 (ru) | Светосильный объектив | |
JP2000266997A (ja) | 撮影レンズおよびこれを用いるカメラ | |
JPH0868935A (ja) | トリプレットレンズを有するカメラ | |
CN116774415B (zh) | 一种低呼吸效应大光圈摄影镜头 | |
TWI809431B (zh) | 光學成像系統 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20060228 |
|
A711 | Notification of change in applicant |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712 Effective date: 20061220 |
|
A761 | Written withdrawal of application |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A761 Effective date: 20090330 |