JP2005062263A - 発光表示パネルの駆動装置および駆動方法 - Google Patents

発光表示パネルの駆動装置および駆動方法 Download PDF

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Abstract

【課題】発光素子の発光特性を例えば走査ラインごとに制御することができる発光表示パネルの駆動装置を提供すること。
【解決手段】走査ドライバ3は、表示パネル1に配列された走査線K1 〜Km を所定の周期で順次走査して、走査状態の走査線に対応した発光素子E11〜Enmを点灯駆動させると共に、非走査状態の走査線には逆バイアス電圧Vk を供給するように作用する。前記逆バイアス電圧Vk は、発光素子の駆動波形に同期して、レベル変動がなされるように構成されている。これにより、非走査状態の走査線に接続された発光素子の寄生容量とドライブ線A1 〜An を介して、走査発光される発光素子に対して、前記レベル変動に応じた加算電流もしくは引き抜き電流が加えられ、走査ラインごとに発光素子の発光輝度を制御することが可能となる。
【選択図】 図4

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、発光素子として例えば有機EL(エレクトロルミネッセンス)素子を用いたパッシブマトリクス型表示パネルを対象とした駆動装置に関し、特に前記発光素子の発光特性を、例えば走査ラインごとに制御することができる発光表示パネルの駆動装置および駆動方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
発光素子をマトリクス状に配列して構成した表示パネルの開発が広く進められており、このような表示パネルに用いられる発光素子として、有機材料を発光層に用いた有機EL素子が注目されている。これは素子の発光層に、良好な発光特性を期待することができる有機化合物を使用することによって、実用に耐え得る高効率化および長寿命化が進んだことも背景にある。
【0003】
前記した有機EL素子は、電気的にはダイオード特性を有する発光エレメントと、この発光エレメントに並列に結合する寄生容量成分とによる構成に置き換えることができ、有機EL素子は容量性の発光素子であるということができる。
【0004】
この有機EL素子は、発光駆動電圧が印加されると、先ず、当該素子の電気容量に相当する電荷が電極に変位電流として流れ込み蓄積される。続いて当該素子固有の一定の電圧(発光閾値電圧)を越えると、一方の電極(ダイオード成分の陽極側)から発光層を構成する有機層に電流が流れ初め、この電流に比例した強度で発光すると考えることができる。
【0005】
一方、有機EL素子は電流・輝度特性が温度変化に対して安定しているのに対して、電圧・輝度特性が温度変化に対して不安定であること、また、有機EL素子は過電流を受けた場合に劣化が激しく、発光寿命を短縮させるなどの理由により、一般的には定電流駆動がなされる。かかる有機EL素子を用いた表示パネルとして、素子をマトリクス状に配列したパッシブ駆動型表示パネルが、すでに一部において実用化されている。
【0006】
図1には、従来のパッシブマトリクス型表示パネルと、その駆動回路の一例が示されている。このパッシブマトリクス駆動方式における有機EL素子のドライブ方法には、陰極線走査・陽極線ドライブ、および陽極線走査・陰極線ドライブの2つの方法があるが、図1に示された構成は前者の陰極線走査・陽極線ドライブの形態を示している。すなわち、n本のドライブ線としての陽極線A1 〜An が縦方向に配列され、m本の走査線としての陰極線K1 〜Km が横方向に配列され、各々の交差した部分(計n×m箇所)に、ダイオードおよびコンデンサのシンボルマークによる並列結合体で示した有機EL素子E11〜Enmが配置されて、表示パネル1を構成している。
【0007】
そして、画素を構成する各EL素子E11〜Enmは、縦方向に沿う陽極線A1 〜An と横方向に沿う陰極線K1 〜Km との各交点位置に対応して、一端(EL素子の等価ダイオードにおける陽極端子)が陽極線に、他端(EL素子の等価ダイオードにおける陰極端子)が陰極線に接続されている。さらに、各陽極線A1 〜An はデータドライバとしての陽極線ドライブ回路2に接続され、各陰極線K1 〜Km は走査ドライバとしての陰極線走査回路3に接続されてそれぞれ駆動される。
【0008】
前記陽極線ドライブ回路2には、図には示されていないが例えば昇圧型のDC−DCコンバータよりもたらされる駆動電圧VH を利用して動作する定電流源I1 〜In およびドライブスイッチSa1〜Sanが備えられており、ドライブスイッチSa1〜Sanが、前記定電流源I1 〜In 側に接続されることにより、定電流源I1 〜In からの電流が、陰極線に対応して配置された個々のEL素子E11〜Enmに対して駆動電流として供給されるように作用する。また、前記ドライブスイッチSa1〜Sanは、定電流源I1 〜In からの電流を個々のEL素子に供給しない場合には、当該陽極線を基準電位点としてのグランド側に接続できるように構成されている。
【0009】
一方、前記陰極線走査回路3には、各陰極線K1 〜Km に対応して走査スイッチSk1〜Skmが備えられ、主にクロストーク発光を防止するための一定の直流電圧値による逆バイアス電圧Vk または基準電位点としてのグランド電位のうちのいずれか一方を、対応する陰極線に接続するように作用する。これにより、各陰極線を所定の周期で順次基準電位点(グランド電位)に設定しながら、所望の陽極線A1 〜An に定電流源I1 〜In を接続することにより、前記各EL素子を選択的に発光させることができる。
【0010】
なお、前記した陽極線ドライブ回路2および陰極線走査回路3には、CPUを含む発光制御回路4よりコントロールバスが接続されており、表示すべき映像信号に基づいて、前記走査スイッチSk1〜SkmおよびドライブスイッチSa1〜Sanの切り換え操作がなされる。これにより、映像信号に基づいて前記したとおり陰極走査線を所定の周期でグランド電位に設定しながら所望の陽極線に対して定電流源I1 〜In が接続され、前記各発光素子が選択的に発光されることで、表示パネル1上に前記映像信号に基づく画像が表示される。
【0011】
なお、図1に示す状態は、第1の陰極線K1 がグランド電位に設定されて走査状態になされ、この時、非走査状態の各陰極線K2 〜Km には、前記した逆バイアス電圧Vk が印加される。したがって、ドライブされている陽極線と走査選択がなされていない陰極線との交点に接続された各EL素子がクロストーク発光するのが防止されるように作用する。
【0012】
以上、説明した図1に示す構成のパッシブ駆動型表示パネルと、その駆動回路の構成については、本件出願人がすでに出願した次に示す特許文献1に開示されている。
【0013】
【特許文献1】
特開2003−76328号公報(段落0007〜0020、図6)
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、有機EL素子は前記したように個々に寄生容量を有しており、これが陽極線と陰極線との交点位置にマトリクス状に配列されているがため、例えば1つの陽極線に数十個のEL素子が接続されている場合を例にすると、当該陽極線から見て各寄生容量の数百倍もしくはそれ以上の合成容量が負荷容量として陽極線に接続されることになる。この合成容量はマトリクスのサイズが大きくなるにしたがって顕著に増大する。
【0015】
したがって、走査期間の先頭においては、陽極線を介した前記定電流源からの電流は前記した合成負荷容量を充電するために費やされ、EL素子の発光閾値電圧を十分に超えるまでに負荷容量を充電するためには時間遅れが発生する。それ故、EL素子の発光の立ち上がりが遅れる(緩慢になる)という問題が発生する。特に、前記したようにEL素子の駆動源として定電流源I1 〜In を用いた場合においては、定電流源は動作原理上、ハイインピーダンス出力回路であるがため、電流が制限されてEL素子の発光立ち上がりの遅れが著しくなる。
【0016】
図2は、前記した現象を説明するものであり、図2(a)は、一走査ごとに陽極線を介して点灯されるべきEL素子に供給される駆動波形(換言すれば、一走査ごとにドライブスイッチが定電流源側に接続される走査点灯期間)を示しており、図2(b)は、その走査において点灯されるべきEL素子に流れる電流波形を示している。また、図2(c)は、走査対象外の陰極線に供給される逆バイアス電圧Vk の様子を示しており、この例における逆バイアス電圧Vk は前記したとおり一定の直流電圧値である。
【0017】
図2(a)に示すように、一つの走査においてEL素子に供給される駆動波形の立ち上がりに同期して、図2(b)に示すように点灯されるべきEL素子に流れる電流値は緩慢に上昇する。これは、前記したとおりマトリクス状に配列された各EL素子の合成寄生容量が大きく、これを定電流源により充電するためである。しかも、図2(c)に示す逆バイアス電圧Vk の値は、EL素子が定電流駆動された場合の順方向電圧VF よりも一般的に低電位になされている。それ故、逆バイアス電圧Vk の供給源側に一時的に電流が吸い込まれることで、前記したEL素子に流れる電流の立上がりを、さらに緩慢にさせる影響も無視できない。
そして、図2(b)に示すEL素子に流れる電流値は、定電流源によって制御される定電流値となり、その走査期間の終了と共に、当該素子に流れる駆動電流は遮断される。
【0018】
ここで、前記EL素子の発光動作による瞬時輝度は、図2(b)に示す電流値にほぼ比例することが知られており、また人間の視覚において感ずる素子の発光輝度は、前記電流値に比例する瞬時輝度と点灯時間の積分値、すなわち、図2(b)に示す面積にほぼ比例するものであるとされている。したがって、図2(b)に示すようにEL素子に流れる駆動電流の立上がりが緩慢になるほど、表示パネルの発光効率を低下させることになる。
【0019】
このような現象を避けるためには、EL素子を発光駆動する定電流源からの電流値の設定を上昇させることも考えられるが、EL素子は所定以上の電流値で駆動した場合には、前記したとおりその発光寿命を著しく短縮させるという問題を抱えており、EL素子の駆動電流を無闇に上げることは好ましくはない。
【0020】
一方、前記した発光表示パネルにおいては、走査ラインごとのEL素子の点灯率等に起因して水平クロストークが発生するという問題を抱えている。図3は前記した水平クロストークが発生し得る表示パネル1の点灯状態を模式的に示したものである。ここで、図3に示す表示パターンは、ダブルハッチングを付したA部分が不点灯状態に制御されている領域を示し、B部分およびC部分は点灯状態に制御されている領域を示している。
【0021】
図3にAとして示すように走査ラインごとに見て、不点灯素子の割合が多い場合には、表示パネル1に配列された各EL素子による合成寄生容量が大きくなり、したがって、各走査ラインごとの発光の立ち上がり特性が緩慢になるという現象が発生する。
【0022】
例えば、ドライブ線としての陽極線が128本、走査ラインが64本存在する表示パネルを例にし、1つのEL素子の寄生容量がCpであるとした場合、その走査において全てのEL素子が消灯される場合における逆バイアス電圧源側から見た表示パネルにおける合成寄生容量値は、1陽極線あたり63Cpとなる。これは非走査状態のEL素子の数に対応する。したがって、この状態の陽極線が前記したとおり128本存在するので、表示パネルにおける合成寄生容量値は、63Cp×128=8064Cpとなる。
【0023】
一方、その走査において全てのEL素子が点灯される場合における逆バイアス電圧源側から見た表示パネルにおける合成寄生容量値は、1陽極線においては63個のEL素子による並列寄生容量と、点灯対象となる1つのEL素子による寄生容量の直列回路となる。これは1陽極線あたりの寄生容量はほぼ1Cpであるということができる。この状態の陽極線が前記したとおり128本存在するので、この時の表示パネルにおける合成寄生容量値は、約128Cpとなる。したがって、全消灯時の合成寄生容量と全点灯時の合成寄生容量とを比較すると、8064Cp/128Cp=63となり、63倍の容量値の相違が発生する。
【0024】
したがって、走査時に不点灯に制御されるEL素子の数が多いほど、前記した理由により逆バイアス電圧源側から見た合成寄生容量値が大きくなり、同様にEL素子の発光の立上がり特性が緩慢になる。これは、前記したようにEL素子の発光効率を実質的に低下させる結果となり、図3におけるBで示す部分は、Cで示す部分よりも暗く発光するいわゆる“暗いクロストーク”が発生する。
【0025】
一方、不点灯部分が多いラインの走査時には、点灯対象となる陽極線の電位が上昇して、EL素子の瞬時輝度が上昇する現象が発生することも、本願の発明者は経験的に知見している。したがって、この場合にはEL素子の発光の立上がりが緩慢になされるとしても、点灯対象となる陽極線の電位が上昇することによる素子の瞬間輝度の上昇により、図3におけるCよりもBとして示す領域の方が明るく表示される“明るいクロストーク”が発生する場合もある。これらの“暗いクロストーク”および“明るいクロストーク”は、表示パネルにおける表示パターンや時定数等によって変化する。
【0026】
なお以上の説明は、表示パネルにおける走査線が水平方向に配列されている場合を例にしており、この場合において発生する前記現象を水平クロストークと称している。したがって、表示パネルにおける走査線が垂直方向に配列されている場合には、前記した現象によるクロストークは垂直方向に発生することになるが、以下の説明においては、これらをいずれも水平クロストークと称することにする。
【0027】
さらに、前記した発光表示パネルにおいては、走査線側の配線抵抗のばらつき、もしくはEL素子を成膜する蒸着等のプロセス上の影響を受けて、走査ラインごとにEL素子の発光の立上がり特性にばらつきを発生させる問題も出現する。
この走査ラインごとのEL素子の発光立上がり特性のばらつきは、走査線に直交する方向において明暗を発生させる面内輝度のばらつきとなる。
【0028】
この発明は、以上説明した発光表示パネルが抱える各技術的な問題点に着目してなされたものであり、表示パネルの合成容量による影響を受けて、実質的に発光効率を低下させる問題点、また、走査ラインごとの発光素子の点灯率等に起因して水平クロストークを発生させる問題点、さらに、走査線側の配線抵抗のばらつき等の影響を受けて面内輝度のばらつきを発生させる問題点に対して、それぞれ個々にもしくは同時に対処し得る発光表示パネルの駆動装置および駆動方法を提供することを目的とするものである。
【0029】
【課題を解決するための手段】
前記した目的を達成するためになされたこの発明にかかる発光表示パネルの駆動装置は、請求項1に記載のとおり、互いに交差する複数のドライブ線および複数の走査線と、前記各ドライブ線および各走査線との交差位置において、前記各ドライブ線と各走査線との間にそれぞれ接続されたダイオード特性を有する容量性の発光素子からなる発光表示パネルの駆動装置であって、前記ドライブ線を介して発光素子に供給される一走査ごとの駆動波形に同期して、レベル変動がなされる逆バイアス電圧を非走査状態にある走査線に対して与える逆バイアス電圧生成手段を備えた点に特徴を有する。
【0030】
また、前記した目的を達成するためになされたこの発明にかかる発光表示パネルの駆動方法は、請求項9に記載のとおり、互いに交差する複数のドライブ線および複数の走査線と、前記各ドライブ線および各走査線との交差位置において、前記各ドライブ線と各走査線との間にそれぞれ接続されたダイオード特性を有する容量性の発光素子からなる発光表示パネルの駆動方法であって、前記ドライブ線を介して発光素子に供給される一走査ごとの駆動波形に同期して、レベル変動がなされる逆バイアス電圧を非走査状態にある走査線に対して供給する点に特徴を有する。
【0031】
【発明の実施の形態】
以下、この発明にかかる発光表示パネルの駆動装置について、図4に示す実施の形態に基づいて説明する。なお、図4においてはすでに説明した図1に示す各構成要素に対応する部分を同一符号で示しており、したがって、その詳細な説明は省略する。この図4に示す実施の形態においては、変動電圧生成回路5が具備されており、この変動電圧生成回路5は、発光制御回路4からの制御信号を受けて、一走査ごとの駆動波形に同期したレベル変動分を含む電圧波形Vk1を生成するように構成されている。
【0032】
なお、前記発光制御回路4は、これに入力される映像信号に含まれる水平同期信号により、一走査ごとの動作タイミングを把握しており、この動作タイミングに基づいて、前記したレベル変動分を含む電圧波形Vk1を生成するように作用する。
【0033】
この変動電圧生成回路5により生成される前記電圧波形Vk1は、加算回路6に供給され、直流電圧源7から供給される一定レベルの直流電圧Vk0に対して加算される。この加算回路6によって加算された電圧波形、すなわちVk0+Vk1=Vk が、逆バイアス電圧として走査ドライバ3に供給され、この逆バイアス電圧Vk が非走査状態の陰極線に対して印加されるようになされる。なお、この実施の形態においては、前記変動電圧生成回路5には、例えばEEPROM等による不揮発性のデータメモリ8が付帯されており、このメモリ8には前記したレベル変動分を含む電圧波形Vk1のデータが格納されている。
【0034】
したがって、変動電圧生成回路5は前記発光表示パネルの点灯駆動動作に際して、前記メモリ8よりレベル変動データを読み出すことで、前記電圧波形Vk1を生成するように作用する。それ故、この実施の形態においては、前記した変動電圧生成回路5、加算回路6、直流電圧源7、およびデータメモリ8によって逆バイアス電圧生成手段を構成している。
【0035】
図5は、前記した作用を説明するものであり、図5(a)は、すでに説明した図2(a)と同様に、一走査ごとに陽極線を介して点灯されるべきEL素子に供給される駆動波形、換言すれば、一走査ごとにドライブスイッチが定電流源側に接続される走査点灯期間を示している。また図5(c)は、直流電圧源7からもたらされる一定レベルの直流電圧Vk0を示しており、さらに図5(d)は、変動電圧生成回路5からもたらされるレベル変動分を含む電圧波形Vk1の一例を示している。なお、図5(d)は電位レベルの変動状態を誇張して表したものであり、図5(c)とは電位レベルのスケールは異なる。
【0036】
この図5(d)に示す例においては、電圧波形Vk1には、時間経過と共に上昇するレベル変動分が含まれている。すなわち電圧波形Vk1は、図5(a)に示す駆動波形の立上がりに同期して立上がるように同期がとられている。したがって、図5(d)に示す電圧波形Vk1は非走査状態の各陰極線に供給され、駆動波形の立上がりに同期して非走査状態の各陰極線の電位レベルを押し上げるように作用する。これにより、各EL素子に印加される時間単位における電圧上昇量、すなわちdVk1/dtに概ね比例する瞬時電流を実質的に各陽極線に供給するように作用する。
【0037】
前記した作用は、走査ラインが64本存在する表示パネルを例にした場合には、1本の陽極線に対してEL素子の63個分の寄生容量を介して前記微分値に対応する正方向の瞬時電流が供給されることになり、この電流は前記した各定電流源I1 〜In からの電流にそれぞれ加えて走査点灯されるEL素子に供給される。この結果、走査点灯対象となるEL素子には、発光の立上がり時において図5(b)に示すハッチングで示したレベルの電流が加わることになり、走査点灯対象となるEL素子発光の立上がりを急峻にすることができる。換言すれば、EL素子の発光の立上がり時の瞬時輝度を上昇させることができ、実質的にEL素子の発光効率の低下を是正させることができる。
【0038】
次に図6は、すでに説明した水平クロストークの発生に対応して、走査ラインごとにEL素子の発光輝度を制御することができる制御形態を説明するものである。なお、この図6に示す制御形態は、すでに説明した図4に示すブロック構成により実現させることができる。
【0039】
図6(a)は、すでに説明した図2(a)と同様に、一走査ごとに陽極線を介して点灯されるべきEL素子に供給される駆動波形、換言すれば、一走査ごとにドライブスイッチが定電流源側に接続される走査点灯期間を示している。また図6(c)は、図4に示す直流電圧源7からもたらされる一定レベルの直流電圧Vk0を示しており、さらに図6(d)は、変動電圧生成回路5からもたらされるレベル変動分を含む電圧波形Vk1を示している。なお、図6(d)も電位レベルの変動状態を誇張して表しており、したがって図6(c)とは電位レベルのスケールは異なる。
【0040】
この図6(d)に示す例においては、電圧波形Vk1には、時間経過と共に上昇するレベル変動分V1 と、時間経過と共に下降するレベル変動分V2 とが含まれている。すなわち電圧波形Vk1は、図6(a)に示す駆動波形の立上がりに同期して立上がるように制御され、一走査期間のほぼ中間点において電圧波形Vk1は立下がるように制御される。このような電圧波形Vk1は、非走査状態の各陰極線に供給され、駆動波形の立上がりに同期して各陰極線の電位レベルを押し上げると共に、一走査期間のほぼ中間点以降においては、各陰極線の電位レベルを引き戻すように作用する。
【0041】
図6(d)に示す電圧波形Vk1の立上がり時においては、各EL素子に印加される時間単位における電圧上昇量、すなわちdV1/dtに概ね比例する正方向の瞬時電流が実質的に各陽極線に供給されるように作用する。この正方向の瞬時電流は前記した各定電流源I1 〜In からの電流にそれぞれ加えて走査点灯されるEL素子に供給される。この結果、走査点灯対象となるEL素子には、発光の立上がり時において図6(b)に示すハッチングで示したレベルの電流が加わることになり、走査点灯対象となるEL素子発光の立上がりを急峻にすることができる。
【0042】
一方、図6(d)に示す電圧波形Vk1の立下がり時においては、各EL素子に印加される時間単位における電圧下降量、すなわちdV2/dtに概ね比例する負方向の瞬時電流が各陽極線に作用して、各陽極線から実質的に電流を引き抜くように動作する。この負方向の瞬時電流は前記した各定電流源I1 〜In からの電流を吸い込むように作用し、結果として走査点灯されるEL素子への供給電流を低減させるように作用する。したがって、一走査期間のほぼ中間点以降においては、図6(b)に示すハッチングで示したレベルの電流が、EL素子の駆動電流から引き抜かれる。
【0043】
要するに、図6(d)に示したように、時間経過と共に上昇するレベル変動分V1 の微分値(dV1/dt)と、時間経過と共に下降するレベル変動分V2 の微分値(dV2/dt)とのいずれかを採用するか、もしくはこれらの波形を適宜組み合わせた電圧波形Vk1を採用することで、一走査ラインごとにおけるEL素子の発光輝度を調整することができることになる。
【0044】
したがって、走査ラインごとの点灯率等によって、すでに説明した“明るいクロストーク”および“暗いクロストーク”が発生する場合においては、図4に示すデータメモリ8に、図6(d)に示したよう電圧波形Vk1のデータを走査ラインごとに格納し、これを逐次読み出して適切な電圧波形Vk1を生成することで、前記した水平クロストークの発生を押さえることが可能となる。
【0045】
次に図7は、すでに説明した面内輝度のばらつきに対応して、走査ラインごとにEL素子の発光輝度を制御することができる制御形態を説明するものである。なお、この図7に示す制御形態も、すでに説明した図4に示すブロック構成により実現させることができる。
【0046】
図7(a)は、すでに説明した図2(a)と同様に、一走査ごとに陽極線を介して点灯されるべきEL素子に供給される駆動波形、換言すれば、一走査ごとにドライブスイッチが定電流源側に接続される走査点灯期間を示している。また図7(d)は例えば第1の走査ラインの走査時に、図4に示す変動電圧生成回路5よりもたらされるレベル変動分を含む電圧波形Vk1の例を示しており、さらに、7(e)は例えば第2の走査ラインの走査時に、同じく変動電圧生成回路5よりもたらされるレベル変動分を含む電圧波形Vk1の例を示している。
【0047】
これら図7(d)および(e)に示す電圧波形Vk1にかかるデータは、すでに説明したように、走査ラインに対応してデータメモリ8に格納しておき、これを表示動作中において変動電圧生成回路5が逐次読み出すことで、生成させるように動作する。そして、これらの図7(d)および(e)に示す各電圧波形Vk1は、図4に示す直流電圧源7から供給される一定レベルの直流電圧Vk0に重畳されて走査ドライバ3に供給され、非走査状態の各陰極線に供給される。
【0048】
図7(d)に示す電圧波形Vk1は、図7(a)に示す駆動波形の立上がりに同期してリニアに立上がるように制御され、一走査期間のほぼ中間点以降においては、そのレベルが一定に保たれるように制御される。このような電圧波形Vk1は、非走査状態の各陰極線に供給されることにより、駆動波形の立上がりに同期して各陰極線の電位レベルを一走査期間のほぼ中間点までの期間において、リニアに押し上げるように作用する。
【0049】
したがって、電圧波形Vk1がリニアに上昇する期間において、各EL素子に印加される時間単位おける電圧上昇量、すなわちdVk11/dtに概ね比例する正方向の電流が実質的に各陽極線に供給されるように作用する。この作用により第1の走査ラインの走査においては、図7(b)に示すように、立上がりが改善された駆動電流がEL素子に流れ、この電流に基づいてEL素子の発光動作がなされる。
【0050】
一方、図7(e)に示す電圧波形Vk1は、図7(a)に示す駆動波形の立上がりに同期してリニアに立上がるように制御され、この立上がり動作は一走査期間において継続される。しかも、その立上がりの傾斜は、図7(d)に示すリニアに上昇する期間の傾斜よりも大きい。このようになされた図7(e)に示す電圧波形Vk1は、非走査状態の各陰極線に供給されることにより、その走査期間において各陰極線の電位レベルを常にリニアに押し上げるように作用する。
【0051】
したがって、この走査期間においては、各EL素子に印加される時間単位おける電圧上昇量、すなわちdVk12/dtに概ね比例する正方向の電流が実質的に各陽極線に供給されるように作用する。この作用により第2の走査ラインの走査においては、点灯制御されるEL素子に対して図7(c)に示すハッチングで示したレベルの駆動電流がさらに加わることになり、EL素子の点灯輝度をより上昇させることができる。
【0052】
以上は、第1および第2の走査ラインの走査に対応したEL素子の発光輝度の調整動作について説明したが、各走査ラインの走査に対応して、図7(d)もしくは(e)に示す電圧波形、さらにはこれらの波形を適宜組み合わせた電圧波形を生成させて利用することで、各走査ラインごとにEL素子の発光輝度を調整することができる。
【0053】
したがって、すでに説明した図4に示すデータメモリ8に、図7(d)もしくは(e)、さらにはこれらの波形を適宜組み合わせた電圧波形を生成させる電圧波形Vk1のデータを走査ラインごとに格納し、これを逐次読み出して適切な電圧波形Vk1を生成することで、前記した走査ラインごとにEL素子の発光輝度を調整することが可能となる。これにより、走査線に直交する方向において明暗を発生させる面内輝度のばらつきを、効果的に是正させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来における表示パネルの駆動回路の例を示す結線図である。
【図2】図1に示す駆動回路において発光素子に流れる点灯駆動電流の様子を説明するタイミング図である。
【図3】水平クロストークの発生状況を説明する表示パネルの模式図である。
【図4】この発明にかかる表示パネルの駆動装置を示す結線図である。
【図5】図5に示す駆動装置においてなされる発光素子の発光効率を改善させる制御例を説明するタイミング図である。
【図6】同じく水平クロストークの発生を改善させる制御例を説明するタイミング図である。
【図7】同じく面内輝度のばらつきの発生を改善させる制御例を説明するタイミング図である。
【符号の説明】
1 発光表示パネル
2 データドライバ
3 走査ドライバ
4 発光制御回路
5 変動電圧生成回路
6 加算回路
7 直流電圧源
8 データメモリ
A1 〜An ドライブ線(陽極線)
E11〜Enm 発光素子(有機EL素子)
I1 〜In 定電流源
K1 〜Km 走査線(陰極線)
Sa1〜San ドライブスイッチ
Sk1〜Skm 走査スイッチ

Claims (10)

  1. 互いに交差する複数のドライブ線および複数の走査線と、前記各ドライブ線および各走査線との交差位置において、前記各ドライブ線と各走査線との間にそれぞれ接続されたダイオード特性を有する容量性の発光素子からなる発光表示パネルの駆動装置であって、
    前記ドライブ線を介して発光素子に供給される一走査ごとの駆動波形に同期して、レベル変動がなされる逆バイアス電圧を非走査状態にある走査線に対して与える逆バイアス電圧生成手段を備えたことを特徴とする発光表示パネルの駆動装置。
  2. 前記逆バイアス電圧生成手段より供給される逆バイアス電圧が、一定レベルの直流電圧値に対して、レベル変動分が重畳された電圧波形になされていることを特徴とする請求項1に記載の発光表示パネルの駆動装置。
  3. 前記発光素子の駆動波形の継続期間中において、時間経過と共に電圧値が上昇するレベル変動分を含むことを特徴とする請求項2に記載の発光表示パネルの駆動装置。
  4. 前記発光素子の駆動波形の継続期間中において、時間経過と共に電圧値が下降するレベル変動分を含むことを特徴とする請求項2または請求項3に記載の発光表示パネルの駆動装置。
  5. 前記レベル変動分が、各走査線の走査ごとに変更されるように制御されることを特徴とする請求項2ないし請求項4のいずれかに記載の発光表示パネルの駆動装置。
  6. 前記各走査線の走査ごとに利用されるレベル変動分のデータが、不揮発性のメモリに格納されていることを特徴とする請求項5に記載の発光表示パネルの駆動装置。
  7. 前記ドライブ線を介して発光素子を定電流駆動するように構成したことを特徴とする請求項1ないし請求項6のいずれかに記載の発光表示パネルの駆動装置。
  8. 前記発光表示パネルを構成する発光素子が、有機化合物を発光層に用いた有機EL素子であることを特徴とする請求項1ないし請求項7のいずれかに記載の発光表示パネルの駆動装置。
  9. 互いに交差する複数のドライブ線および複数の走査線と、前記各ドライブ線および各走査線との交差位置において、前記各ドライブ線と各走査線との間にそれぞれ接続されたダイオード特性を有する容量性の発光素子からなる発光表示パネルの駆動方法であって、
    前記ドライブ線を介して発光素子に供給される一走査ごとの駆動波形に同期して、レベル変動がなされる逆バイアス電圧を非走査状態にある走査線に対して供給することを特徴とする発光表示パネルの駆動方法。
  10. 前記逆バイアス電圧におけるレベル変動データが不揮発性のメモリに格納され、前記発光表示パネルの点灯駆動動作に際して、前記不揮発性のメモリよりレベル変動データを読み出す動作を実行することを特徴とする請求項9に記載の発光表示パネルの駆動方法。
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KR100750982B1 (ko) 2005-09-02 2007-08-22 주식회사엘디티 수동모드의 유기이엘 구동회로

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