JP2005062117A - 金属棒材の外径測定装置及び外径測定方法 - Google Patents

金属棒材の外径測定装置及び外径測定方法 Download PDF

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Abstract

【課題】丸棒鋼14の外径検査が容易に行われうる測定装置12の提供。
【解決手段】本発明に係る測定装置12は、矯正機16、センサ18、コントローラ20及びコンピュータ22を備えている。矯正機16は、第一ロール28及び第二ロール30を供えている。第一ロール28及び第二ロール30は、いずれもその軸方向が丸棒鋼14の進行方向に対して傾斜している。第一ロール28及び第二ロール30の回転により、丸棒鋼14は、回転しつつ進行する。センサ18は、投光部36と受光部38とを備えている。投光部36には、多数の可視光半導体レーザ素子及び投光レンズが設けられている。可視光半導体レーザ素子から放射されたレーザービームは、投光レンズにより、投光部36と受光部38とを結ぶ直線の方向と平行とされる。受光部38にはCCD素子が設けられており、このCCD素子がレーザービームの受光を検知する。
【選択図】図1

Description

本発明は、丸棒鋼、鋼管等の、長尺であって断面が実質的に円形である金属棒材の外径が測定されるための装置及び方法に関する。
丸棒鋼の製造方法として、圧延による方法が広く知られている。この製造方法では、まず精錬、造塊、分塊圧延等の工程を経て、ビレットが得られる。このビレットは、加熱炉によって加熱される。次に、このビレットに圧延が施される。通常は、タンデムに並べられた粗列圧延機、中間列圧延機及び仕上列圧延機による多段圧延が施される。この圧延によってビレットは徐々に細径化し且つ長尺化して、丸棒鋼が得られる。
丸棒鋼の断面が円形でない場合がある。偏径差(同一断面における最大径と最小径との差)が大きい丸棒鋼では、断面形状が矯正される。矯正には通常、ロールを供えた矯正機が用いられる。
矯正が施された丸棒鋼であっても、その外径が周方向においてばらつくことがある。また、長手方向において外径がばらつくこともある。丸棒鋼メーカーでは、出荷される丸棒鋼の外径を抜き取りで検査している。例えば、1つの束から5本の丸棒鋼がサンプリングされ、外径が測定される。測定は、定点(例えば端部から200mmの位置)で行われる。
ばらつきが大きな丸棒鋼は、寸法精度に対する要求が厳しい用途には適さない。丸棒鋼メーカーでは、特定の用途に向けて出荷する丸棒鋼の全数に対し、全長にわたる外径検査を行っている。
図3は、外径検査に用いられるセンサ2が丸棒鋼4と共に示された斜視図である。このセンサ2は、投光部6と受光部8とを備えている。丸棒鋼4は、投光部6と受光部8との間に位置している。投光部6からは、受光部8に向けて平行ビーム10が発せられる。ビーム10の一部は丸棒鋼4によって遮蔽され、遮蔽距離が受光部8で検知される。遮蔽距離は、丸棒鋼4の外径である。丸棒鋼4は、図示されない手段により、図3中の矢印Aで示される方向に進行する。この進行により、丸棒鋼4の長手方向における複数箇所で、遮蔽距離の測定がなされうる。投光部6及び受光部8は互いの相対的位置関係を維持しつつ、図示されない駆動手段によって図3中矢印Rで示される方向に回転させられる。この回転により、丸棒鋼4の周方向における複数箇所で、遮蔽距離の測定がなされうる。このセンサ2により、丸棒鋼4の全長及び全周にわたる外径検査がなされうる。
特開平8−141643号公報
図3に示されたセンサ2は回転するので、回転半径に応じたスペースが必要である。しかも、センサ2の回転のための駆動装置も必要である。このセンサ2が用いられた測定装置は大がかりであり、しかも高価である。本発明の目的は、金属棒材の外径検査が容易に行われうる測定装置及び測定方法の提供にある。
本発明に係る金属棒材の外径測定装置は、矯正ロールとセンサとを備えている。矯正ロールは、長尺であって断面が実質的に円形である金属棒材を長手方向に進行させつつ回転させてこの金属棒材の歪みを矯正する。センサは、センサ面の形成のためのビームを発する投光部及びこのビームを受ける受光部を備えており、金属棒材によるビームの遮蔽距離が受光部で検知されるように構成される。
好ましくは、センサは矯正ロールよりも下流側に位置する。このセンサの受光部で検知された遮蔽距離に基づき、矯正ロールが制御される。
好ましくは、測定装置は、遮蔽距離の検知の周期が金属棒材の回転の周期と同調するように構成される。
本発明に係る金属棒材の外径測定方法は、長尺であって断面が実質的に円形である金属棒材に歪取り矯正を施しつつ、投光部から発せられたビームの金属棒材による遮蔽距離を受光部で検知してこの金属棒材の外径を測定する工程を含む。
この測定装置では、金属棒材が進行しつつ遮蔽距離が検知されるので、金属棒材を進行させる手段が設けられなくても、全長にわたる外径検査がなされうる。この測定装置では、金属棒材が回転しつつ遮蔽距離が検知されるので、センサ位置が固定されたままでも、全周にわたる外径検査がなされうる。この測定装置により、容易かつ安価に、金属棒材の外径検査がなされうる。
以下、適宜図面が参照されつつ、好ましい実施形態に基づいて本発明が詳細に説明される。
図1は、本発明の一実施形態に係る測定装置12が丸棒鋼14とともに示された平面図である。この測定装置12は、矯正機16、センサ18、コントローラ20及びコンピュータ22を備えている。センサ18とコントローラ20とは、ケーブル24によって接続されている。コントローラ20とコンピュータ22とは、ケーブル26によって接続されている。丸棒鋼14は、図1中矢印Aで示されるように、左から右へと進行する。矯正機16は、センサ18よりも上流に位置している。コントローラ20はセンサ18を制御するとともに、センサ18からのデータを受け取る。このデータは、コンピュータ22に送られる。コンピュータ22は、このデータに基づく統計処理を行う。
矯正機16は、一対の矯正ロール(第一ロール28及び第二ロール30)を供えている。第一ロール28は凹状である。第一ロール28は軸32を供えており、この軸32は図示されない駆動手段(典型的にはモータ)に連結されている。この駆動手段により、第一ロール28が回転させられる。第二ロール30は凸状である。第二ロール30は軸34を供えており、この軸34は図示されない駆動手段(典型的にはモータ)に連結されている。この駆動手段により、第二ロール30が回転させられる。第一ロール28及び第二ロール30は、いずれもその軸方向が丸棒鋼14の進行方向に対して傾斜している。傾斜角度は、10°から30°である。
一対の矯正ロール28、30は、上流から見て中寄せ方向に回転する。換言すれば、第一ロール28の回転方向と第二ロール30の回転方向とは、逆である。第一ロール28及び第二ロール30の回転により、丸棒鋼14が進行させられる。前述のように第一ロール28及び第二ロール30の軸方向は丸棒鋼14の進行方向に対して傾斜しているので、第一ロール28及び第二ロール30の回転により丸棒鋼14が回転させられる。回転速度は、10rpmから50rpmである。第一ロール28と第二ロール30との間を回転しつつ丸棒鋼14が進行することで、丸棒鋼14の断面形状が矯正される。第一ロール28と第二ロール30との間を通過した後の丸棒鋼14の断面形状は、通過する前の丸棒鋼14の断面形状に比べて真円に近い。
図2は、図1の測定装置12のセンサ18が丸棒鋼14とともに示された斜視図である。このセンサ18は、投光部36と受光部38とを備えている。投光部36と受光部38とは、ベースプレート40の上に載置されている。センサ18は、丸棒鋼14が投光部36と受光部38との間を通過するように配置されている。
投光部36には、多数の可視光半導体レーザ素子及び投光レンズ(いずれも図示されず)が設けられている。これらの可視光半導体レーザ素子は上下方向にライン状に配列されており、上方から下方に向かって順次発光する。換言すれば、投光部36はスキャニングを行う。スキャニングの頻度は、1秒間あたり400回から3000回である。可視光半導体レーザ素子から放射されたレーザービーム42は、投光レンズにより、投光部36と受光部38とを結ぶ直線の方向と平行とされる。受光部38にはCCD素子(図示されず)が設けられており、このCCD素子がレーザービーム42の受光を検知する。スキャニングにより、レーザービーム42からなるセンサ面が形成される。センサ面と丸棒鋼14とは、ほぼ直交する。
センサ面の上部及び下部を形成するレーザービーム42は、受光部38に到達する。レーザービーム42が受光部38に到達すると、CCD素子は「ON」となる。一方、センサ面の中央部を形成するレーザービーム42は、丸棒鋼14に遮蔽されるので、受光部38に到達しない。レーザービーム42が受光部38に到達していない段階では、CCD素子は「OFF」となる。投光部36での1回のスキャニングにより、まずCCD素子が「ON」の状態が継続し、その後CCD素子が「OFF」に切り替わってこの状態が継続し、その後CCD素子が「ON」に切り替わってこの状態が継続する。「ON」の状態から「OFF」の状態に切り替わった時点は、センサ面における丸棒鋼14の最高位置に相当する。「OFF」の状態から「ON」の状態に切り替わった時点は、センサ面における丸棒鋼14の最低位置に相当する。「ON」の状態から「OFF」の状態に切り替わった時点から、「OFF」の状態から「ON」の状態に切り替わった時点までの時間が、コントローラ20によって計測される。この時間とスキャニング速度とから、レーザービーム42の遮蔽距離が検知される。この遮蔽距離は、丸棒鋼14の外径である。得られた遮蔽距離のデータはコンピュータ22に送られる。
遮蔽距離の検知は、間欠的に繰り返される。前述のように丸棒鋼14は回転するので、この測定装置12によって丸棒鋼14の全周にわたる外径検査がなされうる。前述のように丸棒鋼14は進行するので、この測定装置12によって丸棒鋼14の全長にわたる外径検査がなされうる。矯正機16が設けられたラインにこの測定装置12が設置されれば、丸棒鋼14を進行させる手段(モータ等)が新たに設けられる必要がない。この測定装置12では丸棒鋼14が回転するので、測定装置12が回転する必要がない。この測定装置12では、センサ18の回転のための駆動手段が新たに設けられる必要がない。この測定装置12は、コンパクトである。この測定装置12により、丸棒鋼14の検査が安価でなされうる。
矯正機16を通されることで、丸棒鋼14は振動する。この振動の振幅が大きいと、測定値に大きな誤差が生じる。振幅が大きいと、投光部36と受光部38との距離が大きく設定される必要もある。測定精度及びセンサ18のコンパクト化の観点から、振幅が30mm以下、特には20mm以下である地点にセンサ18が設置されるのが好ましい。矯正機16からの距離が大きいほど振幅が大きい傾向があるので、矯正ロール28、30の出口とセンサ18との距離は1000mm以下が好ましい。
遮蔽距離の検知の周期は、丸棒鋼14の回転の周期と同調される。具体的には、ある検知から次の検知までの時間がTsとされ、丸棒鋼14が1回転するのに要する時間がTrとされたとき、TrはTsの整数倍である。これにより、1周当たりのデータサンプリング回数が一定に保たれ、一周当たりの外径の最大値、最小値、ばらつき及び平均値が算出される。これらのデータが長手方向において多数得られるので、これらデータに基づいた統計処理がなされうる。この統計処理は、コンピュータ22が行う。統計処理により、丸棒鋼14の合否が判定されうる。
(Tr/Ts)が小さすぎると、合否判定の精度が不十分となる。この観点から、(Tr/Ts)は10以上が好ましく、30以上が特に好ましい。(Tr/Ts)の上限は、センサ18の性能、矯正機16の運転速度、矯正ロール28、30の径、矯正ロール28、30の傾斜角度、丸棒鋼14のサイズ等に依存する。通常は、(Tr/Ts)は100以下である。
この測定装置12では、センサ18によって得られたデータがフィードバックされ、矯正機16の運転条件(ロール間距離、圧力、運転速度等)がリアルタイムで制御されうる。この測定装置12により、品質に優れた丸棒鋼14が得られる。
矯正機16の上流及び下流のそれぞれにセンサ18が設けられてもよい。この場合は、上流のセンサ18から得られたデータと下流のセンサ18から得られたデータとが対比されることにより、矯正機16による矯正効果の定量化が可能である。
個々の可視光半導体レーザ素子に対応するCCD素子がライン状に並べられた受光部が設けられ、全ての可視光半導体レーザ素子から常時レーザービームが発せられるように、センサが構成されてもよい。この場合は、投光部におけるスキャニングは行われない。可視光半導体レーザ素子以外の手段により、ビームが得られてもよい。他の手段としては、ハロゲンランプが例示される。矯正機は、多ロールタイプであってもよい。
本発明は、丸棒鋼、鋼管等の、長尺であって断面が実質的に円形である金属棒材の検査に用いられうる。
図1は、本発明の一実施形態に係る測定装置が丸棒鋼とともに示された平面図である。 図2は、図1の測定装置のセンサが丸棒鋼とともに示された斜視図である。 図3は、従来の外径検査に用いられるセンサが丸棒鋼と共に示された斜視図である。
符号の説明
12・・・測定装置
14・・・丸棒鋼
16・・・矯正機
18・・・センサ
20・・・コントローラ
22・・・コンピュータ
28・・・第一ロール
30・・・第二ロール
36・・・投光部
38・・・受光部
42・・・レーザービーム

Claims (4)

  1. 長尺であって断面が実質的に円形である金属棒材を長手方向に進行させつつ回転させてこの金属棒材の歪みを矯正する矯正ロールと、
    センサ面の形成のためのビームを発する投光部及びこのビームを受ける受光部を備えており、上記金属棒材によるビームの遮蔽距離が受光部で検知されるように構成されたセンサと
    を備えた金属棒材の外径測定装置。
  2. 上記センサが矯正ロールよりも下流側に位置しており、受光部で検知された遮蔽距離に基づいて矯正ロールが制御される請求項1に記載の外径測定装置。
  3. 上記遮蔽距離の検知の周期が金属棒材の回転の周期と同調するように構成された請求項1又は2に記載の外径測定装置。
  4. 長尺であって断面が実質的に円形である金属棒材に歪取り矯正を施しつつ、投光部から発せられたビームの金属棒材による遮蔽距離を受光部で検知してこの金属棒材の外径を測定する工程を含む、金属棒材の外径測定方法。
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