JP2005062046A - 人工衛星の位置推定システム - Google Patents

人工衛星の位置推定システム Download PDF

Info

Publication number
JP2005062046A
JP2005062046A JP2003294022A JP2003294022A JP2005062046A JP 2005062046 A JP2005062046 A JP 2005062046A JP 2003294022 A JP2003294022 A JP 2003294022A JP 2003294022 A JP2003294022 A JP 2003294022A JP 2005062046 A JP2005062046 A JP 2005062046A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
satellite
time
value
observation data
carrier
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2003294022A
Other languages
English (en)
Inventor
Shoji Kasai
晶二 笠井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
KASAI DESIGN OFFICE KK
Original Assignee
KASAI DESIGN OFFICE KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by KASAI DESIGN OFFICE KK filed Critical KASAI DESIGN OFFICE KK
Priority to JP2003294022A priority Critical patent/JP2005062046A/ja
Publication of JP2005062046A publication Critical patent/JP2005062046A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Position Fixing By Use Of Radio Waves (AREA)

Abstract

【課題】 人工衛星の軌道を推定するにあたり、観測ノイズの分散を小さくし、高精度な位置推定を行うこと。
【解決手段】 人工衛星から周波数fi(波長λi)の搬送波で送信される測位信号を観測して得た擬似距離観測データPRis r(t)及び搬送波位相観測データCPis r(t)と、前記測位信号と同時に周波数fj(波長λj)の搬送波で送られる測位信号とを観測して得た擬似距離観測データPRjs r(t)及び搬送波位相観測データCPjs r(t)と、を下記数1に代入して第1の合成値及び第2の合成値を算出し、これら合成値に基づいて人工衛星の位置を推定する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、人工衛星から送信される測位信号の観測データから測位衛星等の人工衛星の位置を推定する人工衛星の位置推定システムに関する。
米国のGPS(Global Positioning System)、ロシアのGLONASS、ヨーロッパのGALIREO、更に日本で計画中の準天頂衛星システム等の測位衛星システムを利用して精密な測定位置及び時刻同期を行うには、測位衛星が地球の周りを周回する軌道及び測位衛星に搭載した時計の誤差を高精度に推定することが必要不可欠である。
測位衛星から送信される測位信号を利用して測位衛星の軌道及び測位衛星に搭載した時計誤差を推定する際に必要となるモデルは、測位衛星の運動を表す運動(力学)モデルと測位信号を受信した観測データに含まれる各種の誤差を表現する観測モデルとが必要である。この測位信号は測位衛星と観測点間との距離を測るために使用されるが、測位信号の観測データの中には測位衛星と観測点間との距離データの他に測位衛星に搭載された時計の時間誤差、電離層や対流圏による電波遅延、受信機ノイズなど様々なデータ誤差が含まれる。これらのデータ誤差を補正及び除去することが高精度の測位衛星の軌道及び測位衛星に搭載した時計誤差の推定では必要となる。
ここで図6を用いて測位衛星の軌道を推定する原理について説明する。地球の大気圏外領域を回っている測位衛星1からは測位信号Zと呼ばれる一定の信号形式を持つ電波が常時、測位衛星1に搭載された衛星時計11に同期して送信機12によって送信される。この測位信号Zは、地上のモニタ局2A〜2Cに設置された受信機3A〜3Cによって受信され、以下の原理で測位衛星1とモニタ局2A〜2C間との距離を測定する。
先ず、測位衛星1が測位信号Zを送信した時刻は、各モニタ局2A〜2Cで受信した信号を解読することにより知ることができる(送信時刻(t))。モニタ局2A〜2Cで測位信号Zを受信した時刻はモニタ局2A〜2Cに設置されたモニタ局時計4A〜4Cで知ることができる(受信時刻(T))。このことから測位信号Zが測位衛星1からモニタ局2A〜2Cまでの空間を伝播した時間(伝播時間(Δt))はΔt=T−tとなり、よって測位信号Zは光速cで空間を伝わることから測位衛星1とモニタ局2A〜2C間との距離DはD=Δt×cで表すことができる。
このように予め正確な位置が分っている複数のモニタ局2A〜2Cからモニタ局2A〜2Cと測位衛星1との各距離データD1〜D3を主管制局5に設けられた演算部51で演算することにより測位衛星1の位置を推定することができる。このシステムにより得られた測位衛星1の位置は、例えば地上の移動体のナビゲーションシステムにも適用される。
上述した測位衛星1の運動を表す運動(力学)モデルは、地球の引力等の物理法則に支配されており、ある時刻での位置、速度が分れば一定時間後の位置、速度を予測することができるので、測位衛星1の軌道推定では、測位信号Zを正確に測定することが重要となる。
そこで、測位信号Zを利用した測位衛星1とモニタ局2A〜2C間との距離を測定する方法には、測位信号Zの信号形式(一定の長さを持ったパターン)を利用した擬似距離を用いる方法と、測位信号Zの搬送波を数える搬送波位相を用いる方法とがある。
この擬似距離を用いる方法では、測位衛星1とモニタ局2A〜2C間との距離を直接測ることができるが、計測精度が信号パターンを構成するデータの単位長さに制限されるため距離の誤差が大きくなる。一方前記搬送位相を用いる方法では、計測精度は測位信号Zの波長以下となり測定精度を上げることができるが、受信電波の波を数えるため波長の整数倍の不確定性(アンビギュイティ)が残ってしまう。
また、前記測位衛星1からは、詳細には、異なった周波数で複数の測位信号Zが同時に送信されており、これら複数の測位信号Zにおいて、各々の測位信号Z毎に擬似距離及び搬送波位相が求められる。しかしながら、測位衛星1から送信された測位信号Zを地上のモニタ局2A〜2Cに設置された受信機3A〜3Cで受信すると測位衛星1と地上のモニタ局2A〜2C間との距離データD1〜D3の中には(表1)に示す各種誤差が混入する。
Figure 2005062046
これらのモニタ局2A〜2Cで観測された擬似距離観測データと、搬送波位相観測データと、に含まれる観測誤差を表した観測モデルは、一般的に数3のように表される。
Figure 2005062046
ここで、上述の数3を用いて測位衛星1の軌道決定のための推測処理をどのようにして行うのかを説明する。数3の式の左辺は観測値であり、例えば数3中のPRi (t)は擬似距離観測値である。この擬似距離観測値は次のようにして求められる。測位衛星1は、例えば地上から2万kmの高度の所を移動しており、この測位衛星1からパルスパターンを含む例えば長さ300〜500km程度のパルス列を地上に送る。このパルスパターンは、パルス列の先頭からの距離に対応したパターンとして配列され、例えばパルス列の先頭からAcmの位置にあればAcmを表すパルスパターンが形成される。つまり、このパルス列は測位衛星1からいわば長さ300〜500kmの物差しが飛来してくるのと同じである。
一方測位衛星1と地上のモニタ局2A〜2Cとにおいては、正確に時計合わせされたモニタ局時計4A〜4Cが夫々設けられ、測位衛星1からパルス列を発信するタイミング及びモニタ局2A〜2Cでこのパルス列を検出するタイミングが予め決められている。従ってモニタ局2A〜2Cの検出のタイミングでパルス列のあるパルスパターンを把握すれば、その物差しのいくつの値をどのタイミングで検出したかが分る。測位衛星1とモニタ局2A〜2Cとの距離は運動(力学)モデルにより概ね分っているので(例えば数mの誤差で分っているので)、この測位衛星1とモニタ局2A〜2Cとの距離に比べてパルス列の長さが短くても、当該パルス列の中のパルスパターンをある時刻で検出すれば、そのパルスパターンはパルス列を物差しと見立てたときのスケール値に相当するので、当該パルス列の先頭からどれだけの時間だけ遅れて送信されているかが分り、結局パルス列の先頭をモニタ局2A〜2Cが受信した時刻が分る。この結果、パルス列の先頭が飛来してくる時間((モニタ局2A〜2Cで受信した時刻)−(測位衛星1から送信された時刻))が検出され、この時間に光速cを掛けることで測位衛星1とモニタ局2A〜2Cとの距離を算出することができる。しかしながら、実際には数3から分るようにこの距離は、種々の誤差を含んでいる。
また上記の数3中のCPi (t)を用いても同様にして測位衛星1とモニタ局2A〜2Cとの距離ρ (t)を用いることができる。この場合には、擬似距離の観測データを用いる代わりに搬送波の位相を観測した観測データを用いている。この搬送波とは、測位衛星1から送られてくる既述のパルス列の搬送波であり、搬送波位相観測値CPi (t)とは、ある時刻tからある時刻tまでに地上のモニタ局2A〜2Cで搬送波をカウントし、搬送波をカウントした値から時刻tにおける測位衛星1の位置と時刻tにおける測位衛星1の位置とが変わることに基づいて搬送波の波数値を求めたものである。この搬送波位相による距離計測の原理について図7と数4を参照しながら詳しく説明する。
先ず図7で、モニタ局2に設けられた受信機3で搬送波を受信開始したモニタ局時計4の時刻をtとする。この時点で受信した搬送波が測位衛星1に設けられた送信機12から送信されたときの衛星時計1の時刻は、測位衛星1とモニタ局2間との距離をr(t)とするとt−{r(t)/c}となり、この時点では受信機3で受信した受信波数は0個である。この時点から同時に受信機3内部の図示されない局部発振機の波数積算も開始される。ここで搬送波の計測時刻をtとする。この時点で受信機3で受信した搬送波が測位衛星1に設けられた送信機12から送信されたときの衛星時計11の時刻は、測位衛星1とモニタ局2間との距離をr(t)とするとt−{r(t)/c}となり、受信開始時刻から計測時刻までに受信した波数Φ(t)は数4で表される。
Figure 2005062046
一般に静止系であれば、所定時間に受信する電波の数は一定であり、数4の右辺の前段の項である1/2πω・(t−t)だけで決定されるが、測位衛星1は移動しているため、後段の項である{r(t)/λ}−{r(t)/λ}が含まれてくる。この値が搬送波の波数値であり、CPi (t)に相当するものである。しかしながら、上述したようにこの搬送波の位相を利用する方法では、計測精度は測位信号Zの波長以下となり高精度であるが、受信電波の波数を数えるため波長の整数倍の不確定性(アンビギュイティ)が残ってしまう。
測位衛星1の軌道推定は、測位衛星1と地上のモニタ局2A〜2C間との距離データD1〜D3を利用して測位衛星1の位置、速度を求めることであるが、測位信号Zの観測データ中には測位衛星1とモニタ局2A〜2C間との距離以外の誤差が含まれているため、これらの誤差の値も同時に推定する必要が生じてくる。しかし、前記数3で表した観測モデルのままでは未知数が多く夫々の観測誤差を分離して推定することができない。そこで擬似距離観測データと搬送波位相観測データとを次のように合成した擬似的な観測データを利用して未知数を減らす方法が一般的な手法である(例えば、非特許文献1参照。)。この一般的な手法を図8と数5を参照しながら詳しく説明する。
Figure 2005062046
この方法は、図8に示すように2つのモニタ局r(r´)と二つの測位衛星s(s´)とを用い、更に各測位衛星s(s´)のいずれからも送信される周波数fの搬送波と周波数fの搬送波とを利用する方法(二重差観測データ)であり、先の数3で表される擬似距離観測値と搬送波位相の波数値とを数5のように定義する。これらの式においてCPi (t)は、モニタ局rにおいて、測位衛星sから送信される周波数fの搬送波について数4のように時刻t〜t間で搬送波をカウントし、数4中のωは既値であることから、後段の項を求めた値である。また、CPj r´(t)は、モニタ局r´において測位衛星sから送信される周波数fの搬送波について求めた値である。更にPRi (t)は、測位衛星sから周波数fの搬送波に乗せられて送られる既述のパルス列中のパルスパターンをモニタ局rについて検出し、その検出結果に基づいて得られた擬似距離観測値である。
そして、数5の右辺の各項に、数3で定義される値(右辺)を代入することにより測位衛星s(s´)と地上のモニタ局r(r´)間との距離以外の誤差要因(観測誤差)は時計誤差、電離層遅延及び周波数間バイアスが合成により打消されて、対流圏遅延、搬送波位相アンビギュイティ及び観測ノイズのみが残ることになる(数6)。
Figure 2005062046
もう少し詳しく説明すると、数5の右辺は、各モニタ局r(r´)における観測値を演算した値であるから、各モニタ局r(r´)における観測値{PRi (t)等}を地上回線で主管制局のコンピュータに取り込むことによって、数5の左辺であるICPijrss´ rr´(t)及びIAMijrss´ rr´(t)が求まる。
今、時刻tにおける擬似距離観測値と搬送波の波数値との各観測値を用いて数5を演算した結果を夫々ICPijrss´ rr´(t)及びIAMijrss´ rr´(t)とする。なお、時刻tにおける搬送波の波数値は、時刻tからの搬送波の積算値に基づいて求められるが、ω(t−t)の値は既にわかっているので、この値をキャンセルすることにより、結局、数4の{r(t)/λ}−{r(t)/λ}のみが波数値として求まることになる。
一方コンピュータは、時刻tよりも前の時刻tk−1において推定した数6の右辺の測位衛星s(s´)とモニタ局r(r´)間との距離及び推定状態量に基づいて時刻tの右辺の値を求める。ここで測位衛星s(s´)とモニタ局r(r´)間との距離であるρ (t)については初期値としては適当な値を用いる。但し、測位衛星s(s´)の軌道は予めかなりの精度で把握されているので、適当な値とはいっても高い精度を持つ値である。また、他の推定状態量のうちT (t)は信頼できる理論的モデル(時間の関数)を用い、時刻tk−1のときの対流圏遅延を用いて、時刻tのときの対流圏遅延(T (t))を求めることができる。またNi は連続して電波受信中は定数として考えることができ、更にEi (t)、ei (t)はいずれも平均値は0と仮定して取り扱うことができる。こうして数6を用いて、数5の右辺が求まる。先に求めたICPijss´ rr´(t)及びIAMijss´ rr´(t)は数5の左辺であるため、本来は左辺の観測値と右辺の演算値とは一致するはずであるが、実際にはモデルの誤差分や種々の仮定が含まれているため、また時刻tの値があくまでも推定値であるため、観測値と演算値とは異なってくる。
そこで、コンピュータは数5の夫々について左辺と右辺との差(偏差)を求める。そして、これら偏差に応じて時刻tにおけるρ (t)、T (t)及びNi (t)の値を修正する。実際には、主管制局では各モニタ局毎でこれらの推定値が求まり、時刻tにおける推定値としてメモリ内に格納され、次の時刻tk+1における推定に用いられる。また、推定初期値においては、誤差が大きい場合でも時間が経過するにつれて精度が高くなり前記誤差は小さくなっていく。時刻tにおける測位衛星の位置、速度は3ヶ所以上のモニタ局と測位衛星との距離から求まることになる。
Global Positioning System:Theory and Applications Volume1 Part2(American Institute of Aernautics and Astronautics 1996)
しかしながら、擬似距離観測データと搬送波位相観測データとを上述のように合成して未知数を減らす一般的な手法(二重差観測データ)では、二重差の使用により測位衛星の軌道は決定可能となる8つの観測データを合成することにより観測ノイズの分散は1つの観測データの場合に比べて8倍となり精密な軌道決定には不利である。また近年、この二重差の不利を補うためにGPSの軌道決定において、一般的に全世界の観測網を利用して長時間連続的に測位衛星の観測及び軌道推定を行うことで除々に高精度な軌道に収束させる方法が用いられているが、地上に多数のモニタ局が必要となるため、多大なコストが掛かるという問題がある。
本発明は係る事情に鑑みてなされたものであって、本発明の目的は、二重差を使用せずに、測位衛星から送信される測位信号に含まれる観測誤差(観測ノイズ)を小さく抑え、測位衛星等の人工衛星の位置の推定を可能とする人工衛星の位置推定システムを提供することにある。
本発明は、人工衛星から送信され、その先頭からの位置に対応する位置コードが配列された所定の長さのパルス列を搬送波に載せた測位信号を地上のモニタ局にて受信し、モニタ局にて検出した位置コードと光速とに基づいて人工衛星とモニタ局との擬似距離観測データを求めると共に、
モニタ局にて検出した前記搬送波の波数を所定の時刻t0から前記位置コードをサンプリングした時刻tkまでの時間をカウントし、そのカウント値と前記搬送波の周波数と前記カウントした時間とに基づいて、時刻t0におけるモニタ局及び人工衛星間の距離を搬送波の波長で割り算した値と時刻tkにおけるモニタ局及び人工衛星間の距離を搬送波の波長で割り算した値との差分である搬送波位相観測データを求め、
前記擬似距離観測データと前記搬送波位相観測データとに基づいて、人工衛星とモニタ局との距離を求め、当該人工衛星と複数のモニタ局の各々との距離に基づいて当該人工衛星の位置を求めるシステムにおいて、
イ. 人工衛星から送信される周波数fiの搬送波に前記パルス列を載せた測位信号を観測して得た擬似距離観測データPRis r(t)及び搬送波位相観測データCPis r(t)と、
前記測位信号と同時に送られる、周波数fjの搬送波に前記パルス列を載せた測位信号を観測して得た擬似距離観測データPRjs r(t)及び搬送波位相観測データCPjs r(t)と、
を下記数7に代入して第1の合成値及び第2の合成値を算出する合成値演算部と、
ロ. 時刻tkに観測した観測データに基づいて計算された第1の合成値及び第2の合成値と、
数7を変形して得られた下記数8と、
時刻tkのサンプリングよりも一つ前のサンプリングのタイミングtk-1にて観測した観測データを用いて計算された第1の合成値及び第2の合成値に基づいて推定した人工衛星の位置と、
に基づいて、時刻tkにおける人工衛星の位置を推定する推定部と、を備えたことを特徴とする人工衛星の位置推定システムである。
Figure 2005062046
ただし、λi及びλjは夫々周波数fiの搬送波の波長及び周波数fjの搬送波の波長である。
Figure 2005062046
ただし、ρs r (t)は人工衛星及びモニタ局の距離、Ts r(t)は電波の対流圏遅延に起因する誤差、Dtr(t)はモニタ局の時計誤差と当該モニタ局の受信機における周波数fiの搬送波及び周波数fjの搬送波の受信のタイミングの誤差との加算値に起因する誤差、Dts(t)は人工衛星の搭載時計の誤差と当該人工衛星における周波数fiの搬送波及び周波数fjの搬送波の発信のタイミングの誤差との加算値に起因する誤差、Ns r は搬送波位相アンビギュイティ、es r (t)は搬送波位相観測ノイズ、Es r (t)は擬似距離観測ノイズである。
前記推定部は、時刻tkのサンプリングよりも一つ前のサンプリングのタイミングtk−1にて観測した観測データを用いて計算された第1の合成値及び第2の合成値に基づいて推定した前記Dtr(t)及びDts(t)を更に用いて、時刻tkにおける人工衛星の位置を推定することが好ましい。また前記推定部は、第1の合成値及び第2の合成値の分散と、人工衛星の位置を含む状態量の各共分散と、を更に用いて、時刻tkにおける人工衛星の位置を推定することが好ましい。
ここで数7と数8との関係について説明しておく。数7の右辺の各項に数3の右辺を代入することにより数9が得られる。
Figure 2005062046
数9の{ }内を数10のように合成された1つの未知数として取り扱うと数8が得られる。
Figure 2005062046
数8において擬似距離観測ノイズEs r (t)は平均値がゼロと仮定することによりゼロとして取り扱うことができ、従って下段の式から搬送波位相アンビギュイティNs r の推定値が求まる。また搬送波位相観測ノイズes r (t)も平均値がゼロと仮定することによりゼロとして取り扱うことができる。このため残る状態量は、人工衛星とモニタ局との距離ps r (t)、電波の対流圏遅延に起因する誤差Ts r(t)、モニタ局の時計誤差と当該モニタ局の受信機における周波数fiの搬送波及び周波数fjの搬送波の受信のタイミングの誤差(周波数間バイアス)との加算値に起因する誤差Dtr(t)、人工衛星の搭載時計の誤差と当該人工衛星における周波数fiの搬送波及び周波数fjの搬送波の発信のタイミングの誤差(周波数間バイアス)との加算値に起因する誤差Dts(t)である。
これら状態量の中で対流圏遅延は例えば種々の周知の理論的モデルを用い、モニタ局と人工衛星との相対位置に応じた定数として取り扱うことができる。従って時刻tkにおける人工衛星の位置を推定する推定部においては、例えば人工衛星の位置(X,Y,Zの座標軸の各位置)、Dtr(t)及びDts(t)とこれら状態量の各々の分散(共分散)とにおいて、時刻tkのサンプリングよりも一つ前のサンプリングのタイミングtk-1に対応する値、つまりこれから状態量を推定するために行う今回の演算のサイクルの一つ前の演算サイクルにて推定された推定値を用い、更に時刻tkに観測した観測データに基づいて計算された第1の合成値及び第2の合成値とこれら合成値の分散を用いて、今回の演算サイクルにおける状態量及び分散を推定する。なお第1の合成値及び第2の合成値の分散は定数として扱うことができる。
また前記推定部は、人工衛星とモニタ局との組毎に各状態量を推定するので、推定演算の過程では例えば人工衛星とモニタ局との距離を推定し、各人工衛星の位置についてはその人工衛星と3つ以上のモニタ局との距離から計算することで推定している。こうして各人工衛星の位置を推定することができ、例えば推定された位置と一つ前の演算サイクルで求めた位置とから人工衛星の速度も推定できる。
GPSで行われている二重差による手法(数5の手法)では、擬似距離及び搬送波位相の各々について8つの観測データを合成していたが、本発明では2つの観測データを合成した合成値に基づいて測位衛星等の人工衛星の位置が推定でき、従って観測ノイズの分散は二重差の手法に比べて4分の1となり、高精度な位置推定を行うことができる。更に測位衛星等の人工衛星の時計誤差及びモニタ局の時計誤差の推定も高精度に行うことができる。
本発明の人工衛星の位置推定システムについて、図1〜図3に基づいて説明を行う。図1は本発明の実施の形態に係る人工衛星である測位衛星の位置測定システムを含む測位衛星の軌道推定システムの説明図である。図1中6は測位衛星であり、6A、6B、6Cは3機の測位衛星の夫々を指している。前記測位衛星6は搭載時計61、受信機62、測位信号生成部63及び送信機64を備えている。前記測位信号生成部63は、搭載時計61からクロック信号に基づいて、周波数f(例えば150GHz)の搬送波で送られる測位信号であるパルス列と周波数f(例えば170GHz)の搬送波で送られる測位信号であるパルス列とを作成して前記送信機64に受け渡す機能を備えている。これらパルス列は例えば300km〜500km程度の長さに作られており、パルス列からの先頭からの位置に対応するコードが配列されている。図2はパルス列を示すイメージ図であり、先頭には当該パルス列を発信する測位衛星6の識別コード(ID)が配置されると共に、その後には各位置に対応したコード(P、P、…P)が配置されている。各コードの長さは例えば20cm程度とされる。
なお、測位衛星6は後述の主管制局8から、X、Y、Z座標における自己の正確な位置(X、Y、Z)と速度(V、V、V)とを含む航法メッセージを受け取り、その航法メッセージを測位信号と共に一般ユーザ100の受信機101に配信する機能を備えている。前記一般ユーザ100は、例えば車両等の移動体であり、3機の測位衛星6A〜6Cから送られてくる航法メッセージと測位信号とに基づいて、各測位衛星6A〜6Cまでの各距離が分るので、当該一般ユーザ100(移動体)の位置を知ることができる。
また、図1中7は地上に設けられたモニタ局であり、7A〜7Cは3個のモニタ局を夫々示している。モニタ局7は受信機時計71及び受信機72を備えており、受信機時計71から出力されるクロック信号に基づいて測位衛星6から送られてくる測位信号(パルス列及び搬送波)を検出し、周波数fの測位信号に基づいて擬似距離観測データPRi (t)及び搬送波位相観測データCPi (t)を求め、また、周波数fの測位信号に基づいて擬似距離観測データPRj (t)及び搬送波位相観測データCPj (t)を求める機能を備えている。更に各測位衛星6の搭載時計61及び各モニタ局7の受信機時計71は正確に時刻が合わせられている。
擬似距離観測データPRi (t)の求め方については、背景技術で既に述べたように、サンプリングのタイミングで検出したパルス列のコードに基づいて測位衛星6とモニタ局7間との距離が分る。即ち各測位衛星6の軌道はかなり正確に分っていることから、パルス列の長さが測位衛星6とモニタ局7間との距離(例えば2万km程度)に比べて短くても、当該測位信号が何時に送信されたものであるかは把握されているので、パルス列の先頭からの長さを表すコードを検出した時刻と当該測位信号が送信された時刻との差分(時間)と光速とに基づいて測位衛星6とモニタ局7間との距離が計算できる。この距離は、既述のように数3で表されるいわば擬似距離である。これは種々の誤差を含むため、主管制局8に送られてデータ処理され、正確な距離が算出されることになる。
搬送波位相観測データCPi (t)は、背景技術で既に述べたよう所定の時刻tからカウントした周波数fの搬送波のカウント値を求め、このカウント値から{周波数f×(t−t)}を差し引いた値である。先の数4に示すように搬送波位相観測データCPi (t)は、その差分であるr(t)/λ−r(t)/λであり、仮に測位衛星6とモニタ局7との相対位置が変わらなければゼロである。時刻tは受信機71が搬送波と同調して検出を開始したタイミングであってもよいが、通常は測位信号は連続して発信されるため、受信機71側は連続して搬送波を検出しており、従ってある所定時刻をtとして、そこから積算した値を用いてもよい。更に搬送波位相観測データCPi (t)は受信機72内の図示されない局部発信器を用いて、前記局部発信器から出力される信号を利用してもよい。この場合、搬送波受信開始(カウント開始)から計測時刻までの間に局部発信器が発信する波数は次のΦ´(t)で表される。
Φ´=f´(t−t)={ω´(t−t)}/2πf´=ω´/2π但しω´は受信機72の局部発振器の角周波数、f´は受信機
72の局部発振器の周波数である。
また、計測時刻tにおける受信搬送波と受信機72の局部発振器が発生した信号との積は次のように表される。
Figure 2005062046
受信機72は下式の右辺の高周波部がフィルタで除去し、ω、ω´、t、tは既知であることから次の項を記録する。下式の右側の項であるr(t)/λ−r(t)/λが搬送波位相のアンビギュイティとなる。
また、カウント値を読み出すタイミングは、上記のパルス列のコードを検出するタイミングであり、例えばそのタイミングを時刻tとすると、時刻tにおける擬似距離観測データPRi (t)及び搬送波位相観測データCPi (t)が観測されたことになる。
図1中8は主管制局であり、この主管制局8は、観測データ記憶部81と、合成値演算部82と、合成値記憶部83と、状態量推定部84と、推定状態量記憶部85と、航法メッセージ作成部86と、送信機87と、を備えている。前記観測データ記憶部81は、各モニタ局7から送られてくる観測データを記憶する記憶部であり。各モニタ局7A〜7C毎に各測位衛星6A〜6Cからの観測データ(3×3=9組の観測データ)が記憶される。なお、ここでは説明の便宜上測位衛星とモニタ局との数を夫々「3つ」としているが、実際のシステムはこの数に限定されるものではない。前記合成値演算部82は、各観測データの組毎に、CPi (t)、CPj (t)、PRi (t)、PRj (t)を先の数7に代入して合成値IFCPijr (t)及びIFPAijr (t)を求め、合成値記憶部83に記憶される。
前記状態量推定部84は前記合成値に基づいて例えばカルマンフィルタにより状態量を求めるものであり、その入力値と出力値とは図3(a)に示す通りである。
ここでいう状態量とは、数7を変形して得られた既述の数8の右辺の項目である。この実施の形態では、当該右辺の項目のうち搬送波位相観測ノイズe (t)及び擬似距離観測ノイズE については平均値をゼロと仮定することによりゼロとして取り扱っている。このためN は数8の2段目の式から第2の合成値であるIFPAijr (t)の値になる。また、光速の対流圏遅延に基づく誤差であるT (t)は地上のモニタ局7に送られる測位信号の入射角に応じて変わってくるので、例えばモニタ局7に対する測位衛星6の相対位置に応じて決まる値として取り扱うことができ、観測の時間帯毎に割り当てられた定数として扱うようにしてもよい。このようなことから、演算サイクルで推定する状態量とは、図3(b)に示すように測位衛星6の位置(例えば、慣性座標系におけるX、Y、Z方向の座標)、測位衛星6の速度(X、Y、Z方向の各速度)、既述のモニタ局rの受信機時計誤差+周波数間バイアス(f、fの測位信号を検出するタイミングの僅かなずれ)に起因する観測データの誤差(Dt(t))、測位衛星sの搭載時計誤差+周波数間バイアス(f、fの測位信号を発信するタイミングの僅かなずれ)に起因する観測データの誤差Dt(t)である。測位衛星6A〜6Cの位置については、各モニタ局7A〜7C及び各測位衛星6A〜6Cの組み合わせ毎の観測データが主管制局8に取り込まれているので、各モニタ局7A〜7C及び各測位衛星6A〜6C間の距離の推定値が分り、これらの推定値から各測位衛星6A〜6Cの位置が推定できる。また、各測位衛星6A〜6Cの速度は、モニタ局7における観測のサンプリングの時間間隔と、相前後するサンプリングにおける測位衛星6の各位置とに基づいて推定することができる。
そして、例えば、モニタ局7において時刻tにて擬似距離及び搬送波位相を観測したとすると、この観測データに基づいて演算された時刻tにおける合成値IFCPijr (t)及びIFPAijr (t)が状態量推定部84に入力されるが、これら合成値の分散も入力される。この分散とは受信機等の性能に基づいて決められる合成値の正確性を示す値であり、この例では定数として取り扱っている。
更に前記状態量推定部84には、当該演算サイクルよりも前の演算サイクル、例えば1つ前の演算サイクルで推定した状態量とこれら状態量の推定値の各々に対する共分散(推定値の正確性を示す値)が入力される。一つ前の演算サイクルで推定した状態量とは、地上のモニタ局7において時刻tよりも一つ前のサンプリング時刻tk−1において観測した観測データに基づいて合成値を求め、その合成値と更に前の演算サイクルで求めた状態量推定値等に基づいて推定した状態量、つまり時刻tk−1における状態量推定値である。
こうして今回(時刻t)の合成値及びその分散と、前回(tk−1)の状態量の推定値及び各推定値の共分散とが状態量推定部84に入力され、カルマンフィルタによる演算が行われて、今回(時刻t)の状態量の推定値と各推定値の共分散とが求められて推定状態量記憶部85に記憶される。
ここでカルマンフィルタによる演算について簡単に述べておくと、前回(時刻tk−1)の演算サイクルで推定した測位衛星6の位置と速度とに基づいて今回(時刻t)の演算サイクル時における測位衛星6の位置を推定した測位衛星6の位置を推定し、また前回(時刻tk−1)のDt(t)と所定のモデルとに基づいて、今回(時刻t)のDt(t)を推定する。上述の所定のモデルとは、周波数間バイアスは一定であって定数であることから、定数+時計誤差のモデルで決まる値になるが、この時計誤差のモデルは時計の種別に応じて時間の関数として表される。そして前回(時刻tk−1)の状態量推定値に基づいて推定された今回(時刻t)の各状態量を数8の上段の式の右辺に代入して、今回(時刻t)の第1の合成値IFCPijr (t)を求め、得られた第1の合成値と観測データを数7に代入して得た第1の合成値とを比較してその差分を求めると共に、第2の合成値IFPAijr (t)についても同様にして差分を求め、これら差分に応じて今回(時刻t)の各状態量推定値を修正する。このよにして修正された各状態量が推定状態量記憶部85に記憶され、次の演算サイクルにて使用されると共に、航法メッサージ作成部86により航法メッセージの中に取り込まれ、この航法メッセージは送信機87によって各測位衛星6A〜6Cに送信される。
以上の説明から分るように、各モニタ局7A〜7Cにおける各測位衛星6A〜6Cから観測データに基づいて、そのときの各測位衛星6A〜6Cの位置、速度を含む既述の状態が推定できる。
上述の実施の形態によれば、擬似距離及び搬送波位相の観測データを用いて合成値を得るにあたって、擬似距離及び搬送波位相のいずれについても2つの観測データ(周波数f、fに対応する観測データ)を用いているので、GPSで使用されている二重差の方式(数5)に比べて観測ノイズの分散が4分の1となるので、各状態値を高精度に推定できる。従って測位衛星の軌道を高精度に推定でき、測位衛星を活用したアプリケーション、例えばナビゲーションシステムを信頼性の高いものとすることができる。
日本で計画中の準天頂衛星及びGPS衛星に本発明の測位衛星の位置検出システムを適用し、準天頂衛星及びGPS衛星の軌道をシュミレーションにより推定した結果例を図4及び図5に示す。図4の(a)、(b)及び(c)は、準天頂衛星の軌道推定において,(a)はX座標位置の推定誤差、(b)はY座標位置の推定誤差、(c)はZ座標位置の推定誤差を表したものである。ここでいう推定誤差とは、既述のように前回(tk−1)の状態値に基づいて今回(t)推定した状態値と、数8の左辺と右辺との誤差に基づいて状態値を修正して得られた今回(t)の状態値との差分である。縦軸はその座標での推定誤差(cm)であり、横軸は観測時間(h)である。図4の(a)、(b)及び(c)において、従来の測位衛星観測システムでは推定誤差が5mなのに対して、測定時間を通して推定誤差が0に近い値を示すことから、準天頂衛星の軌道を高精度に推定することができる。
また、図5は、GPS衛星の同様の誤差の推定を軌道推定シュミレーションにより求めたものである。図5の(a)はXYZ位置推定誤差であり、縦軸は推定誤差(cm)、横軸は観測時間(h)である。図5の(b)は時計誤差によるバイアス推定誤差であり、縦軸は推定誤差(cm)、横軸は観測時間(h)である。図5の(c)は地上のモニタ局から見たモニタ局とGPS衛星との測定角度であり、縦軸は仰角(℃)、横軸は観測時間(h)である。図5の(a)及び(b)の各推定誤差(cm)は図5の(c)に基づいて行っている。よってどの測定角度においても、(a)及び(b)は常に0に近い測定誤差であることがわかる。
本発明に係る人工衛星の位置推定システムの実施の構成を示す構成図である。 本発明に係る測位衛星から送られてくる測位データのパルス列を示すイメージ図である。 合成演算部及び状態量推定部の入力、出力の関係と、状態量とを説明する説明図である。 本発明のシステムを用いて準天頂衛星位置の推定誤差を示す推定図である。 本発明のシステムを用いてGPS衛星位置の推定誤差を示す推定図である。 従来の観測方法において測位衛星とモニタ局とを模式的に示す説明図である。 従来の観測方法において搬送波位相による距離計測の原理を説明した説明図である。 従来の観測方法において二重差による観測の様子を示す説明図である。
符号の説明
6 測位衛星
61 搭載時計
62 受信機
63 測位信号生成部
64 送信機
7 モニタ局
71 受信機時計
72 受信機
8 主管制局
81 観測データ記憶部
82 合成値演算部
83 合成値記憶部
84 状態量推定部
85 推定状態量記憶部
86 航法メッセージ
87 送信機
100 一般ユーザ
101 受信機

Claims (3)

  1. 人工衛星から送信され、その先頭からの位置に対応する位置コードが配列された所定長さのパルス列を搬送波に載せた測位信号を地上のモニタ局にて受信し、モニタ局にて検出した位置コードと光速とに基づいて人工衛星とモニタ局との擬似距離観測データを求めると共に、
    モニタ局にて検出した前記搬送波の波数を所定の時刻t0から前記位置コードをサンプリングした時刻tkまでの時間カウントし、そのカウント値と前記搬送波の周波数と前記カウントした時間とに基づいて、時刻t0におけるモニタ局及び人工衛星間の距離を搬送波の波長で割り算した値と時刻tkにおけるモニタ局及び人工衛星間の距離を搬送波の波長で割り算した値との差分である搬送波位相観測データを求め、
    前記擬似距離観測データと前記搬送波位相観測データとに基づいて、人工衛星とモニタ局との距離を求め、当該人工衛星と複数のモニタ局の各々との距離に基づいて当該人工衛星の位置を求めるシステムにおいて、
    イ. 人工衛星から送信される周波数fiの搬送波に前記パルス列を載せた測位信号を観測して得た擬似距離観測データPRis r(t)及び搬送波位相観測データCPis r(t)と、
    前記測位信号と同時に送られる、周波数fjの搬送波に前記パルス列を載せた測位信号を観測して得た擬似距離観測データPRjs r(t)及び搬送波位相観測データCPjs r(t)と、
    を下記数1に代入して第1の合成値IFCPijs r(t)及び第2の合成値IFPAijs r(t)を算出する合成値演算部と、
    ロ. 時刻tkに観測した観測データに基づいて計算された第1の合成値IFCPijs r(t)及び第2の合成値IFPAijs r(t)と、
    数1を変形して得られた下記数2と、
    時刻tkのサンプリングよりも一つ前のサンプリングのタイミングtk−1にて観測した観測データを用いて計算された第1の合成値IFCPijs r(t)及び第2の合成値IFPAijs r(t)に基づいて推定した人工衛星の位置と、
    に基づいて、時刻tkにおける人工衛星の位置を推定する推定部と、
    を備えたことを特徴とする人工衛星の位置推定システム。

    Figure 2005062046
    ただし、λi及びλjは夫々周波数fiの搬送波の波長及び周波数fjの搬送波の波長である。
    Figure 2005062046
    ただし、ps r (t)は人工衛星及びモニタ局の距離、Ts r(t)は電波の対流圏遅延に起因する誤差、Dtr(t)はモニタ局の時計誤差と当該モニタ局の受信機における周波数fiの搬送波及び周波数fjの搬送波の受信のタイミングの誤差との加算値に起因する誤差、Dts(t)は人工衛星の搭載時計の誤差と当該人工衛星における周波数fiの搬送波及び周波数fjの搬送波の発信のタイミングの誤差との加算値に起因する誤差、Ns r (t)は搬送波位相アンビギュイティ、es r (t)は搬送波位相観測ノイズ、Es r (t)は擬似距離観測ノイズである。
  2. 前記推定部は、時刻tkのサンプリングよりも一つ前のサンプリングのタイミングtk−1にて観測した観測データを用いて計算された第1の合成値IFCPijs r(t)及び第2の合成値IFPAijs r(t)に基づいて推定した前記Dtr(t)及びDts(t)を更に用いて、時刻tkにおける人工衛星の位置を推定することを特徴とする請求項1記載の人工衛星の位置検出システム。
  3. 前記推定部は、第1の合成値IFCPijs r(t)及び第2の合成値IFPAijs r(t)の分散と、人工衛星の位置を含む状態量の各分散と、を更に用いて、時刻tkにおける人工衛星の位置を推定することを特徴とする請求項1記載の人工衛星の位置推定システム。
JP2003294022A 2003-08-15 2003-08-15 人工衛星の位置推定システム Pending JP2005062046A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003294022A JP2005062046A (ja) 2003-08-15 2003-08-15 人工衛星の位置推定システム

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003294022A JP2005062046A (ja) 2003-08-15 2003-08-15 人工衛星の位置推定システム

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2005062046A true JP2005062046A (ja) 2005-03-10

Family

ID=34370692

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2003294022A Pending JP2005062046A (ja) 2003-08-15 2003-08-15 人工衛星の位置推定システム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2005062046A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010522874A (ja) * 2007-03-29 2010-07-08 セントル・ナショナル・デチュード・スパシアル 無線ナビゲーション信号を処理する方法
JP2014215167A (ja) * 2013-04-25 2014-11-17 古野電気株式会社 Gnss状況表示装置及びgnss状況表示方法

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010522874A (ja) * 2007-03-29 2010-07-08 セントル・ナショナル・デチュード・スパシアル 無線ナビゲーション信号を処理する方法
JP2015092185A (ja) * 2007-03-29 2015-05-14 セントル・ナショナル・デチュード・スパシアル 無線ナビゲーション信号を処理する方法
JP2014215167A (ja) * 2013-04-25 2014-11-17 古野電気株式会社 Gnss状況表示装置及びgnss状況表示方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP2816374B1 (en) Vehicle positioning in high-reflection environments
CN105806339B (zh) 一种基于gnss、ins和守时系统的组合导航方法和设备
JP4103926B1 (ja) 移動体用測位装置
EP1901088A1 (en) Integrated mobile-terminal navigation
JP5078082B2 (ja) 測位装置、測位システム、コンピュータプログラム及び測位方法
US8159393B2 (en) Systems and methods for synthesizing GPS measurements to improve GPS location availability
JP2010151725A (ja) Gnss受信装置及び測位方法
BR112013002383B1 (pt) Método e sistema para navegar um objeto em movimento
JP2009270927A (ja) 移動体間干渉測位装置及び方法
US20120306690A1 (en) Satellite positioning with assisted calculation
JP2008209227A (ja) 移動体測位装置
US8922426B1 (en) System for geo-location
JP2015068768A (ja) 測位システムと装置と方法並びにプログラム
JP2009025233A (ja) 搬送波位相式測位装置
JP6318523B2 (ja) 測位システムと装置と方法並びにプログラム
US12061275B2 (en) Enhancing sensitivity to reflected GNSS signals
CN100516900C (zh) 一种长波传播时延修正量的测量方法
US20170097422A1 (en) Method and system for positioning and timing of a radionavigation receiver
JP2008039690A (ja) 搬送波位相式測位装置
JP5077054B2 (ja) 移動体用測位システム
JP2008058164A (ja) 測位方法及び装置
JP7065277B2 (ja) 測位方法および測位端末
JP2010223684A (ja) 移動体用測位装置
JP4322829B2 (ja) サイクルスリップ検出装置及びサイクルスリップ検出方法
JP2010112759A (ja) 移動体位置測位装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20050318

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20061122

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20061219

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20070219

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20070410

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20070814