JP2005062018A - 異物検査用部材およびこれを用いた異物検査方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 基板処理装置内に存在する異物の同定検査を行う異物検査用部材において、搬送部材の少なくとも片面に実質的に粘着力を有しない異物捕集層が設けられていることを特徴とする異物検査用部材。とくに、上記の実質的に粘着力を有しない異物捕集層の引張弾性率(JIS K7127に準ずる)が1MPa以上である上記構成の異物検査用部材と、支持体の片面に実質的に粘着力を有しない異物捕集層を、反対面に粘着剤層を設けて、異物捕集シートを構成し、これを上記の粘着剤層を介して搬送部材の少なくとも片面に設けてなる上記構成の異物検査用部材。
【選択図】 なし
Description
また、ドライエッチング装置、CMP(ケミカルメカニカルポリッシング)装置、露光装置、スパッタリング装置などでは、装置内で反応ガスにより異物が生成したり、製膜時や回路形成などの際に装置内に異物が発生したりする。そのため、基板処理装置内には、異物が多数混在した状態となっている。
ここで、装置内の異物量や異物種をモニター検査するためには、装置内の異物を安定して捕集できる異物検査用部材が必要となる。通常はシリコンウエハなどの基板を基板処理装置内に搬送し、異物検査用部材として使用している。
また、装置を一度開放し、装置内の異物の確認を行うことも可能であるが、この場合は装置が一度開放されているため、異物の付着状態や外因からの汚染の可能性があり、異物が初期の付着状態と変化している可能性が高く、どのような種類の異物がどのような形状で存在していたかまでは検査できない問題があった。
とくに、本発明は、上記の実質的に粘着力を有しない異物捕集層の引張弾性率(JIS K7127に準ずる)が1MPa以上である上記構成の異物検査用部材と、支持体の片面に実質的に粘着力を有しない異物捕集層を、反対面に粘着剤層を設けて、異物捕集シートを構成し、これを上記の粘着剤層を介して搬送部材の少なくとも片面に設けてなる上記構成の異物検査用部材とを提供できるものである。
また、本発明は、基板処理装置内に上記各構成の異物検査用部材を搬送し、装置内に存在する異物を捕集して異物の同定検査を行うことを特徴とする異物検査方法に係るものである。さらに、本発明は、上記の異物検査方法により装置内に存在する異物が同定検査されてなる基板処理装置を提供できるものである。
またより好ましくは、支持体を用い、この支持体の片面に上記した実質的に粘着力を有しない異物捕集層を、反対面に粘着剤層を設けて、異物捕集シートとし、これを上記の粘着剤層を介して搬送部材の少なくとも片面に設けて、異物検査用部材とする。この場合、支持体の厚さは通常10〜100μm、異物捕集層の厚さは通常5〜100μm、粘着剤層の厚さは通常5〜100μm、とくに10〜50μmであるのがよい。
保護フィルムの材質についてはとくに限定はなく、たとえば、シリコーン系、長鎖アルキル系、フッ素系、脂肪酸アミド系、シリカ系の剥離剤などで剥離処理されたポリ塩化ビニル、塩化ビニル共重合体、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリウレタン、エチレン酢酸ビニル共重合体、アイオノマー樹脂、エチレン・(メタ)アクリル酸共重合体、エチレン・(メタ)アクリル酸エステル共重合体、ポリスチレン、ポリカーボネートなどからなるプラスチックフィルムが挙げられる。また、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリブタジエン、ポリメチルペンテンなどのポリオレフィン系のフィルムについては、離型処理剤を用いなくとも離型性を有するので、それ単体を保護フィルムとして使用することもできる。
基板処理装置はとくに限定されず、たとえば、露光装置、レジスト塗布装置、現像装置、アッシング装置、ドライエッチング装置、イオン注入装置、PVD装置、CVD装置、外観検査装置、ウエハプローバなどが挙げられる。
本発明においては、上記の異物検査方法により装置内に存在する異物が同定検査されてなる基板処理装置を提供できるものである。
ただし、本発明は、以下の実施例に限定されるものではない。
また、以下において、部とあるのは重量部を意味するものとする。
実施例1
アクリル酸2−エチルへキシル75部、アクリル酸メチル20部およびアクリル酸5部からなるモノマー混合物から得たアクリル系ポリマー(重量平均分子量70万)100部に、ポリエチレングリコール200ジメタクリレート(新中村化学社製の商品名「NKエステル4G」)200部、ポリイソシアネート化合物(日本ポリウレタン工業社製の商品名「コロネートL」)3部、エポキシ系化合物(三菱瓦斯化学社製の商品名「テトラッドC」)2部および光重合開始剤としてベンジルジメチルケタール(チバ・スペシヤリティケミカルズ社製の商品名「イルガキュアー651」)3部を、均一に混合して、紫外線硬化型の樹脂組成物Aを調製した。
つぎに、上記異物捕集シートAの粘着剤層側の保護フィルムを剥がし、8インチシリコンウエハのミラー面にハンドローラで貼り付けて、異物検査用部材Aを作製した。なお、上記粘着剤層のシリコンウエハ(ミラー面)に対する180°引き剥がし粘着力は1.5N/20mmであった。
まず、異物検査部材Aの異物捕集層側の保護フィルムを剥離し、半導体製造装置の1つであるドライエッチング装置(東京エレクトロン社製の「TE8500」)に、ミラー面を下にして搬送し、異物検査部材Aによる異物検査を行った。
上記の搬送に際し、異物検査部材Aは問題なく搬送できた。搬送後の異物検査部材Aについて、異物捕集層表面の異物観察を行った。異物測定は、光学顕微鏡および電子顕微鏡(SEM:日立製作所社製の「S−3200N」)による形態観察とXMA(Kevex社製のSigmaレベル2、検出器:カンタムドライmark5)による元素分析を行った。これらの結果は、表1に示されるとおりであった。
┌────┬────┬────┬────┬───┬────┬───────┐
│ │ 異物1│ 異物2│ 異物3│異物4│ 異物5│ 異物6 │
├────┼────┼────┼────┼───┼────┼───────┤
│サイズ │ 1 │ 0.5│ 30 │400│1000│ 100 │
│(μm)│ │ │ │ │ │ │
├────┼────┼────┼────┼───┼────┼───────┤
│組 成 │シリコン│有機系 │金属系 │有機系│シリコン│エッチング成分│
│ │系 Si│C,O │ Al │C,O│系 Si│ C,F │
├────┼────┼────┼────┼───┼────┼───────┤
│発生原因│ウエハ │レジスト│配線材料│ウエス│ウエハ │エッチング残渣│
└────┴────┴────┴────┴───┴────┴───────┘
このように異物発生原因の特定ができたので、装置の汚染対策が可能となり、定期的なクリーニングを行うことで、装置の稼働率が向上した。
異物捕集シートAを用いず、8インチシリコンウエハ単独を異物検査用部材Bとした。この異物検査用部材Bを実施例1と同様にドライエッチング装置に投入して、異物検査と異物測定を行つた。結果は、表2に示されるとおりであった。
┌────┬────┬────┬────┬────┬────┬────┐
│ │ 異物1│ 異物2│ 異物3│ 異物4│ 異物5│ 異物6│
├────┼────┼────┼────┼────┼────┼────┤
│サイズ │ 1.0│ 0.2│ 0.5│ 1.5│ 1.2│1.7 │
│(μm)│ │ │ │ │ │ │
├────┼────┼────┼────┼────┼────┼────┤
│組 成 │シリコン│有機系 │シリコン│有機系 │シリコン│有機系 │
│ │系 Si│C,O │系 Si│C,O │系 Si│C,O │
├────┼────┼────┼────┼────┼────┼────┤
│発生原因│ウエハ │レジスト│ウエハ │レジスト│ウエハ │レジスト│
└────┴────┴────┴────┴────┴────┴────┘
また、これら異物のXMAによる組成分析により、異物の組成としては、有機系異物、シリコン系異物が確認された。また、有機系異物はレジスト、シリコン系異物はシリコンウエハであることが、形状観察および組成分析から確認できたが、これら以外の組成は観察されなかった。したがって、装置内の汚染の一部しか異物を同定できていないことがわかり、装置の汚染状況の確認が十分でないことがわかった。
このため、その後に製品ウエハを投入したところ、吸着ミスが発生し、装置の稼動を停止せざるを得ず、稼働率が大きく低下した。
Claims (5)
- 基板処理装置内に存在する異物の同定検査を行う異物検査用部材において、搬送部材の少なくとも片面に実質的に粘着力を有しない異物捕集層が設けられていることを特徴とする異物検査用部材。
- 実質的に粘着力を有しない異物捕集層は、引張弾性率(JIS K7127に準ずる)が1MPa以上である請求項1に記載の異物検査用部材。
- 支持体の片面に実質的に粘着力を有しない異物捕集層を、反対面に粘着剤層を設けて、異物捕集シートを構成し、これを上記の粘着剤層を介して搬送部材の少なくとも片面に設けてなる請求項1または2に記載の異物検査用部材。
- 基板処理装置内に請求項1〜3のいずれかに記載の異物検査用部材を搬送し、装置内に存在する異物を捕集して異物の同定検査を行うことを特徴とする異物検査方法。
- 請求項4に記載の異物検査方法により装置内に存在する異物が同定検査されてなる基板処理装置。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2003293292A JP2005062018A (ja) | 2003-08-14 | 2003-08-14 | 異物検査用部材およびこれを用いた異物検査方法 |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2014044135A (ja) * | 2012-08-28 | 2014-03-13 | Ntt-At Creative Corp | 検出対象物の測定方法 |
-
2003
- 2003-08-14 JP JP2003293292A patent/JP2005062018A/ja active Pending
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