JP2005060758A - マスキング機能を備えた被処理物品支持装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】
1個の治具にて複数の被処理物品(ピストン等)をマスキングすることができると共に、それらの被処理物品を1回の動作にて表面処理を容易に施すことができ、しかも表面処理後の被処理物品の品質のバラツキを小さく抑えることができるようなマスキング機能を備えた被処理物品支持装置を提供する。
【解決手段】
表面処理時に被処理物品(例えば、ピストン2)を支持すると共に、被処理物品の表面処理不要部(例えば、ピストンヘッド面S)を覆うマスキング機能を備えた被処理物品支持装置1において、被処理物品を支持する支持部5を複数設けた取付け部3と、マスキング部材8を設けたマスキング部4とを備え、取付け部3とマスキング部3とを互いに近づけることにより、支持部5に装着した複数の被処理物品の表面処理不要部をマスキング部材8に圧着してマスキングする。
【選択図】 図1

Description

本発明は、マスキング機能を備えた被処理物品に関し、特に、内燃機関(エンジン)用ピストンに表面処理を施す際に使用されるピストンのマスキング治具に関する。
金属製のピストン、特に内燃機関(エンジン)用ピストンは、シリンダ及びピストンピンとの初期なじみ性,耐摩耗性,及び耐焼付き性が要求される。この要求に対して、現在、ピストンに陽極酸化処理,Snめっき処理,Niめっき処理,BFコート処理(ブラック フルオロ−コンパウンド コーティング処理)等の表面処理が行われている。
しかし、ピストンヘッド面(ピストンヘッドの頂面)は、シリンダ及びピストンピンとの摺動が無いため、上記性能は要求されない。また、ピストンヘッド面にまで表面処理を行うと、その分だけ処理面積の増大になり、結果として処理液の寿命を縮めてしまうデメリットが発生する。そのため、従来より、ピストンヘッド面のマスキング治具についての検討がなされてきた(例えば、特許文献1参照)。
特開平10−102296号(特許文献1)において提案されている「ピストンのマスキング用治具」にあっては、ピストンヘッド面の周縁を凹状の弾性材料で被覆する構造をとることによって、ピストンヘッド面のマスキングを可能としている。
特開平10−102296号公報
特開平10−102296号に開示されている「ピストンのマスキング用治具」では、ピストン1個をマスキングするのに1つの治具が必要であり、かつ、ピストン1個をマスキングするのにそれぞれ個々に1回の動作が必要になるため、部品点数が多くなる上に作業が煩雑になる等の問題点がある。さらに、ピストンの各々についてのマスキング治具装着状態によって、表面処理後のピストンの品質に大きなバラツキが生じる懸念がある。
本発明は、上述の如き不具合を解消すべくなされたものであって、その目的は、1個の治具にて複数の被処理物品(ピストン等)をマスキングすることができると共に、それらの被処理物品を1回の動作にて表面処理を容易に施すことができ、しかも表面処理後の被処理物品の品質のバラツキを小さく抑えることができるようなマスキング機能を備えた被処理物品支持装置を提供することにある。
上述の目的を達成するために、本発明では、表面処理時に被処理物品を支持すると共に、前記被処理物品の表面処理不要部を覆うマスキング機能を備えた被処理物品支持装置において、前記被処理物品を支持する支持部を複数設けた取付け部と、マスキング部材を設けたマスキング部とを備え、前記取付け部と前記マスキング部とを互いに近づけることにより、前記支持部に装着した複数の前記被処理物品の表面処理不要部を前記マスキング部材に圧着してマスキングするようにしている。
また、本発明では、前記支持部は、前記マスキング部のマスキング部材に向けて前記被処理物品を付勢する弾性機能を有するようにしている。
また、本発明では、前記支持部に装着した複数の前記被処理物品の表面処理不要部を前記マスキング部材に圧着した状態の下で、前記取付け部と前記マスキング部との相対位置を固定する係止機構を設けるようにしている。
また、本発明では、前記取付け部と前記マスキング部とを互いに回動可能に連結するようにしている。
また、本発明では、前記マスキング部を板状に形成すると共に、前記マスキング部の両面にマスキング部材を設け、前記マスキング部の両面に対して、前記支持部に装着した複数の前記被処理物品の表面処理不要部を圧着するようにしている。
また、本発明では、前記マスキング部は、両面のマスキング部材の間に金属板を備えて成るものとしている。
また、本発明では、前記マスキング部に設けられるマスキング部材の表面のうち前記被処理物品の表面処理不要部が圧着される箇所に、前記表面処理不要部が嵌合可能な凹形状部を設けるようにしている。
また、本発明では、前記マスキング部に設けられるマスキング部材の表面のうち前記被処理物品の表面処理不要部が圧着される箇所に、凸形状部を設けるようにしている。
また、本発明では、前記被処理物品はピストンであり、前記表面処理不要部はピストンヘッド面であるようにしている。
請求項1に記載の本発明は、被処理物品を支持する支持部を複数設けた取付け部と、マスキング部材を設けたマスキング部とを互いに近づけることにより、支持部に装着した複数の被処理物品の表面処理不要部をマスキング部材に圧着してマスキングするようにしたものであるから、複数の被処理物品に対して1つのマスキング部で表面処理不要部をマスキング可能となるため、表面処理に必要な被処理物品支持装置(マスキング治具)の部品点数の削減が可能となると共に、複数の被処理物品のマスキングを1回の動作で行うことが可能となる。さらに、取付け部とマスキング部とを互いに接近させて、被処理物品の表面処理不要部をマスキング部材に圧着するだけの簡単な操作により、表面処理不要部のマスキングを確実にしかも極めて容易かつ能率良く行うことができる。また、本発明の被処理物品支持装置によれば、複数の被処理物品のマスキング状態を同じにすることが可能となるため、処理状態ひいては処理品質のバラツキを小さく抑えることができる。
また、請求項2に記載の本発明は、マスキング部のマスキング部材に向けて被処理物品を付勢する弾性機能を支持部に具備せしめるようにしたものであるから、マスキングに必要な面圧を被処理物品(例えば、ピストン等)の表面処理不要部(例えば、ピストンヘッド面)に付与することが可能となり、より確実なマスキングを行うことが可能となる。
また、請求項3に記載の本発明は、支持部に装着した複数の被処理物品の表面処理不要部をマスキング部材に圧着した状態の下で、取付け部とマスキング部との相対位置を固定する係止機構を設けたものであるから、被処理物品の表面処理不要部をマスキング部材に圧着(密着)した状態を継続的に維持することができ、これにより確実なマスキングが可能となる。
また、請求項4に記載の本発明は、取付け部とマスキング部とを互いに回動可能に連結するようにしたものであるから、簡易な回動操作のみにより被処理物品の表面処理不要部をマスキング部材に確実に圧着することが可能となり、操作性の向上を図ることが可能となる。
また、請求項5に記載の本発明は、板状に形成されたマスキング部の両面にマスキング部材を設け、マスキング部の両面に対して、支持部に装着した複数の被処理物品の表面処理不要部を圧着するようにしたものであるから、コンパクトでかつ簡素な形状のマスキング部により、多くの被処理物品を同時にマスキングすることが可能となる。
また、請求項6に記載の本発明は、両面のマスキング部材の間に金属板を備えて成るマスキング部を用いるようにしたものであるから、身材(芯材)として金属板を設けることにより、両面から付勢力を受けても平面を確保することが可能となり、確実なマスキングを行うことができる。
また、請求項7に記載の本発明は、マスキング部に設けられるマスキング部材の表面のうち被処理物品の表面処理不要部が圧着される箇所に、表面処理不要部が嵌合可能な凹形状部を設けるようにしたものであるから、この凹形状部による位置決め作用によりマスキング部材に対する表面処理不要部の位置ズレを防止することができ、確実なマスキングが可能となる。
また、請求項8に記載の本発明は、マスキング部に設けられるマスキング部材の表面のうち被処理物品の表面処理不要部が圧着される箇所に、凸形状部を設けるようにしたものであるから、この凸形状部分に表面処理不要部を押付けることにより圧着面の面圧(凸形状部分への表面処理不要部の圧着時の面圧)を高めることが可能となり、確実なマスキングが可能となる。
また、請求項9に記載の本発明は、ピストンを被処理物品とし、ピストンヘッド面を表面処理不要部とするようにしたものであるから、ピストンの表面処理に際してピストンヘッド面のマスキングを確実かつ簡易に行うことができると共に、複数のピストンのピストンヘッド面を1つの被処理物品支持装置(マスキング治具)にて同時にマスキングすることができ、表面処理の作業能率を向上させることができる。
以下、本発明の一実施形態について図1〜図4を参照して説明する。
図1(a)〜(d)は、本発明の一実施形態に係るマスキング機能を備えた被処理物品支持装置1の構成及び動作手順を示すものである。この被処理物品支持装置1は、表面処理時に被処理物品としての複数のピストン2を同時に支持すると共に、これら複数のピストン2の表面処理不要部を覆うマスキング機能を備えた装置である。本装置1は、複数のピストン2を取付けることができるように構成されたピストン取付け部3と、ピストンヘッド面Sをマスキングする板状のピストンヘッド面マスキング部4とを備えており、後述の如くピストン取付け部3に取付けられた複数のピストン2のピストンヘッド面Sがピストンヘッド面マスキング部4に圧着され得るように構成されている。
さらに具体的に述べると、本装置1は、被処理物品であるピストン2を支持する支持部5を支持板6上に複数設けて成る左右一対のピストン取付け部3と、金属板7の両面にマスキング部材(軟質樹脂板)8を接着して全体として板状に形成して成る1つのピストンヘッド面マスキング部4とを備えている。なお、金属板7の材質は、耐久性に優れたTi材或いはSUS材であるのが望ましく、マスキング部材8の材質は、軟質ゴム,ウレタン,シリコンであるのが望ましい。一方、上述のピストンヘッド面マスキング部4は、基台9上に上下方向に沿って縦置きに固定配置されており、上述のピストン取付け部3は、ピストンヘッド面マスキング部4の下部の左右対称位置に配設されると共に、基台9の左右両部に設けられたヒンジ10を中心に回動可能に連結されている。
また、ピストン2を支持する支持部5は、既述の支持板6と、この支持板6上に所定間隔を隔てた位置に固定保持された複数のピストンチャック手段11とから構成されている。また、ピストンヘッド面マスキング部4の上部箇所には、ピストン取付け部3とピストンヘッド面マスキング部4との相対位置を継続的に固定するために、ヒンジ10を中心に回動可能に構成された左右一対の係止機構12(一対のストッパ13を備える機構)が配設されている。なお、上述のピストンチャック手段11は金属製或いは樹脂製等の複数のばね部材14から成り、これら複数のばね部材14は、後述のように係止機構12にてピストン取付け部3を係止した際に、ピストンヘッド面マスキング部4の軟質樹脂製マスキング部材8に向けてピストン2を付勢する弾性機能を有するように設置されている。すなわち、ピストンチャック手段11を構成する複数のばね部材14は、ピストンヘッド面Sをマスキングする際にピストンヘッド面マスキング部4の軟質樹脂製マスキング部材8に対してピストンヘッド面Sを垂直に、かつ、均等に押圧することができる弾性機能を有ように配設されている。なお、本実実施形態で用いられるばね部材14は、例えば1本の線材(針金)を1平面上において凹形状屈曲部と凸形状屈曲部とが交互に形成されるように屈曲させて成るものである(図1(a)参照)。
ここで、上述の如き構成の被処理物品支持装置1を用いてピストン2の表面処理(例えば、BFコート処理)を行う際の操作手順について述べると、以下の通りである。まず始めに、図1(a)及び(b)に示すように、表面処理すべき複数のピストン2をピストン取付け部3にある複数のピストンチャック手段11のばね部材14にそれぞれ1個ずつ装着する。具体的には、ピストン2のピストンヘッド部2aと円筒状周壁部2bとで画成されたピストン凹部2c(図3(a)参照)内にばね部材14を押し込み、ピストン2の円筒状周壁部2bに対するばね部材14の弾性復元力(図1(a)及び(b)において左右方向への拡開力)により、ピストン2をばね部材14に被せた状態でチャッキングして固定保持する。なお、この際、装着された複数のピストン2のピストンヘッド面Sは、図1(b)に示すようにピストンヘッド面マスキング部4のマスキング部材8に対してほぼ垂直の位置の水平面上に整列配置される。
次に、左右一対のピストン取付け部3をヒンジ10を中心にピストン面マスキング部4に近づく方向(図1(b)において矢印α,βで示す方向)に例えば両手で回動させることによって(図外の機械的回動手段を用いて回動させてもよい)、上述の如く固定保持された複数のピストン2のピストンヘッド面Sを図1(c)に示すようにピストンヘッド面マスキング部4の左右一対のマスキング部材8にそれぞれ圧着させる。この際の圧着方法は、ピストンヘッド面マスキング部4が直立した状態で、ヒンジ10を中心とするピストン取付け部3の回動に伴ってピストンヘッド面Sをピストンヘッド面マスキング部4の左右一対のマスキング部材8にばね部材14の弾性復元力(ピストン2をマスキング部材8に向けて付勢する弾性力)に抗して押付けることにより可能である。
次いで、ピストンヘッド面Sをピストンヘッド面マスキング部4の左右一対のマスキング部材8に左右両側から押付けた状態の下で、左右一対の係止機構12にそれぞれ設けられたストッパ13を図1(d)に示すようにピストン取付け部3の支持板6に係着することにより、複数のピストンヘッド面Sを前記マスキング部材8に圧着せしめた状態を維持する。これに伴い、ピストンヘッド面Sのマスキングが完了される。
かくして、本実施形態の被処理物品支持装置1は、ピストン取付け部3とピストンヘッド面マスキング部4とを互いに近づけることにより、支持部5に装着した複数のピストン2のピストンヘッド面S(すなわち、表面処理不要部)をマスキング部材8に圧着することによって、前記ピストンヘッド面Sをマスキングすることができるようになっている。
次に、このように構成した被処理物品支持装置1を使用してピストン2の化成処理(BFコート処理)を行った実施例について述べる。
実施例
本発明の被処理物品支持装置(マスキング治具)1を使用して、直径68mm、及び、直径77mmのピストン2についてピストンヘッド面Sをマスキングした状態で化成処理(BFコート処理)を行い、形成される皮膜の硬さがビッカース硬さ250Hv以下、つまり処理液が劣化されたと認められるに至るまでの処理回数を、ピストンヘッド面Sをマスキングしない治具を使用して化成処理した場合と比較した。また、1回に処理するピストンは16個とし、処理液は25リットルとした。その結果は、図2に示す如くとなった。
図2からわかるように、ピストンヘッド面Sをマスキングしない冶具を使用した場合には、4回目で処理液が劣化したのに対して、本発明に係る被処理物品支持装置1を使用した場合には、処理液は5回目で劣化した。よって、本発明に係る被処理物品支持装置1を使用した場合には、ピストンヘッド面Sをマスキングしない冶具を使用した場合と比較して処理液の寿命が25%ほど延長した。これにより、本発明の被処理物品支持装置1によるピストンヘッド面のマスキング効果が確認できた。
上述の如き被処理物品支持装置1によれば、チャックした全てのピストン2についてピストンヘッド面Sを1個の治具にてマスキングすることができるため、従来のようにピストン1個をマスキングするのに1つの治具を必要とすることがなくなり、従って部品点数の削減が可能である。
その上、被処理物品支持装置1によれば、チャックした全てのピストン2を1回の動作にてピストンヘッド面Sのマスキング作業を行うことができ、かつ、その作業自体がピストンヘッド面Sをピストンヘッド面マスキング部4のマスキング部材8に圧着するだけの簡単な作業で済むため、作業性が極めて良好となる。
さらに、被処理物品支持装置1では、ピストンヘッド面Sをマスキングするときに各々のピストンヘッド面Sに均等な面圧(圧着力)が加わるような機構であるため、処理後のピストン品質のバラツキを小さく抑えることができる。特に、耐久性に優れたTi材或いはSUS材から成る金属板7の両面に、軟質ゴム,ウレタン,シリコン等の軟質樹脂から成るマスキング部材8を接着するようにした場合には、このマスキング部材8に対するピストンヘッド面Sの密着性が向上し、マスキングをより確実なものとすることができる。これに加えて、マスキング部材8へのピストンヘッド面Sの押付け時には、ばね部材14の弾性機能による付勢力(弾性復元力)によりピストンヘッド面Sの面圧が一定(均一)となるため、マスキングをより確実なものとすることができる。その結果、この場合には、処理後のピストン品質のバラツキをより一層小さく抑えることができる。
図3(a)〜(e)は、ばね部材14の変形例をそれぞれ示すものであって、このようなばね部材14a〜14eをピストンチャック手段11として代替可能である。これらのばね部材14の構成を簡単に説明すると、図3(a)に示すばね部材14aは、2本の金属板若しくは針金をU字状に屈曲加工し、ピストン2の確実なチャックとマスキングに必要な面圧をピストンヘッド面Sに付与することができるようにしたものである。また、図3(b)に示すばね部材14bは、1本の金属板若しくは針金を逆U字状に屈曲加工し、ピストン2の確実なチャックとマスキングに必要な面圧をピストンヘッド面Sに付与することができるようにしたものである。なお、このばね部材14bは、既述のばね部材14aよもピストン2の側面方向に接点面積がより多く取れるため、ロングスカート形状のピストンのチャックに適している。また、図3(c)に示すばね部材14cは、金属板若しくは針金を「く」の字状に屈曲加工し、ピストン2の確実なチャックとマスキングに必要な面圧をピストンヘッド面Sに付与することができる。なお、このばね部材14cの場合、「く」の字状に加工することにより、マスキング部材8に対してピストンヘッド面Sを垂直に押付ける力が増大するため、より確実なマスキングを行うことが可能となる。また、図3(d)に示すばね部材14dは、金属板若しくは針金から成るコイル状ばねの最上部にピストン2を保持するための例えば球状の樹脂部材(望ましくは、軟質の球状樹脂部材)20,21を配置し、これらの樹脂部材20,21をピストン内側の角部に挟み込むようにしたものである。このようなばね部材14dによれば、ピストン2の確実なチャックとマスキングに必要な面圧をピストンヘッド面Sに付与することができる。さらに、コイル状ばねを使用することによりマスキング部材8に対してピストンヘッド面Sを垂直に押付ける力が増大するため、より確実なマスキングを行うことが可能となる。また、図3(e)に示すばね部材14eは、金属板若しくは針金をV字状に屈曲加工し、その端部をピストン2のピン穴22にチャックするようにしたものである。このようなばね部材14eによれば、ピストン2の確実なチャックとマスキングに必要な面圧をピストンヘッドSに付与することができる。
また、図4(a)〜(c)は、軟質樹脂製のマスキング部材8の例をそれぞれ示すものであって、このようなマスキング部材8a〜8cをマスキング部材8として使用可能である。図4(a)に示すマスキング部材8aは、軟質樹脂を平板状に加工してその平面Pをマスキング面とし、ピストンヘッド面Sとの密着性を確保するようにしたものである。また、図4(b)に示すマスキング部材8bは、図4(a)に示す平板状の軟質樹脂の表面(平面P)に対して、ピストンヘッド面Sの圧着部位に、ピストンヘッド面Sを被覆するための深さ1〜10mmの凹形状部23を形成するようにしたものである。このようなマスキング部材8bによれば、凹形状部23を加えることに伴って、マスキング部材8bへのピストンヘッド面Sの圧着時に、図4(a)に示す平板状のマスキング部材8aの場合と比べてピストンヘッド面Sのマスキング部材8bへの位置決め作用が付加できる。また、図4(c)に示すマスキング部材8cは、図4(a)に示す平板状の軟質樹脂の表面(平面P)に対して、ピストンヘッド面Sの圧着部位に、高さ1〜10mmの凸形状部24を形成するようにしたものである。このようなマスキング部材8cによれば、凸形状部24を加えることに伴って、ピストンヘッド面Sからマスキング部材8に対して加わる面圧が図4(a)に示す平板状のマスキング部材8aの場合よりも増加するため、ピストンヘッド面Sとの密着性がより向上する。
以上、本発明の一実施形態について述べたが、本発明はこの実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想に基づいて各種の変形及び変更が可能である。例えば、本発明に係る被処理物品支持装置を表面処理に対して適用できる範囲は、従来技術の陽極酸化処理に限定されず、電気めっき,無電解めっき,BFコート処理をはじめとする化成処理にも応用が可能である。但し、陽極酸化処理、電気めっき等の電解処理については、ピストン取付け部位、又は、ピストンヘッド面をマスキングするマスキング部材に電気接点を設ける必要があり、具体的にはピストン取付け部とチャック筒所を金属製の部材とすることによって電気接点を確保する構造、或いは、ピストンヘッド面をマスキングするマスキング部材の一部若しくは全体に金属製の電気接点を設けてピストンヘッド面から電気接点を確保する構造を採用すればよい。また、本発明に係る被処理物品支持装置は、ピストン2以外の各種の部品を表面処理する際に支持装置として用いることができると共に、ピストンヘッド面S以外の各種の表面処理不要部のマスキングにも適用可能である。
図1(a)は本発明の一実施形態に係る被処理物品支持装置の構成を示す正面図、図1(b)は被処理物品支持装置のピストン取付け部に複数のピストンを取付けた状態を示す正面図、図1(c)はピストン取付け部を回動させてピストンヘッド面をマスキング部材に圧着した状態を示す正面図、図1(d)はマスキング部材へのピストンヘッド面の圧着を維持するために係止機構(ストッパ)にてピストン取付け部を係止した状態を示す正面図である。 本発明の一実施形態に係る被処理物品支持装置を使用してピストンを化成処理(BFコート処理)した場合の処理回数における皮膜の硬さ推移を示すグラフである。 図3(a)〜(e)は、ピストンチャック手段を構成するばね部材の変形例をそれぞれ示す断面図である。 図4(a)は、平面状の表面を有する軟質樹脂製マスキング部材を示す斜視図、図4(b)は、ピストンヘッド面が圧着される箇所に凹形状部を設けて成るマスキング部材を示す斜視図、図4(c)は、ピストンヘッド面が圧着される箇所に凸形状部を設けて成るマスキング部材を示す斜視図である。
符号の説明
1 被処理物品支持装置
2 ピストン
3 ピストン取付け面
4 ピストンヘッド面マスキング部
5 支持部
6 支持板
7 金属板
8,8a〜8c マスキング部材(軟質樹脂板)
10 ヒンジ
11 ピストンチャック手段
12 係止機構
13 ストッパ
14,14a〜14e ばね部材
20,21 樹脂部材
22 ピン穴
23 凹形状部
24 凸形状部
S ピストンヘッド面






Claims (9)

  1. 表面処理時に被処理物品を支持すると共に、前記被処理物品の表面処理不要部を覆うマスキング機能を備えた被処理物品支持装置において、前記被処理物品を支持する支持部を複数設けた取付け部と、マスキング部材を設けたマスキング部とを備え、前記取付け部と前記マスキング部とを互いに近づけることにより、前記支持部に装着した複数の前記被処理物品の表面処理不要部を前記マスキング部材に圧着してマスキングすることを特徴とするマスキング機能を備えた被処理物品支持装置。
  2. 前記支持部は、前記マスキング部のマスキング部材に向けて前記被処理物品を付勢する弾性機能を有することを特徴とする請求項1に記載のマスキング機能を備えた被処理物品支持装置。
  3. 前記支持部に装着した複数の前記被処理物品の表面処理不要部を前記マスキング部材に圧着した状態の下で、前記取付け部と前記マスキング部との相対位置を固定する係止機構を設けたことを特徴とする請求項1又は2に記載のマスキング機能を備えた被処理物品支持装置。
  4. 前記取付け部と前記マスキング部とを互いに回動可能に連結したことを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載のマスキング機能を備えた被処理物品支持装置。
  5. 前記マスキング部を板状に形成すると共に、前記マスキング部の両面にマスキング部材を設け、前記マスキング部の両面に対して、前記支持部に装着した複数の前記被処理物品の表面処理不要部を圧着することを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項に記載のマスキング機能を備えた被処理物品支持装置。
  6. 前記マスキング部は、両面のマスキング部材の間に金属板を備えて成るものであることを特徴とする請求項5に記載のマスキング機能を備えた被処理物品支持装置。
  7. 前記マスキング部に設けられるマスキング部材の表面のうち前記被処理物品の表面処理不要部が圧着される箇所に、前記表面処理不要部が嵌合可能な凹形状部を設けたことを特徴とする請求項1乃至6の何れか1項に記載のマスキング機能を備えた被処理物品支持装置。
  8. 前記マスキング部に設けられるマスキング部材の表面のうち前記被処理物品の表面処理不要部が圧着される箇所に、凸形状部を設けたことを特徴とする請求項1乃至6の何れか1項に記載のマスキング機能を備えた被処理物品支持装置。
  9. 前記被処理物品はピストンであり、前記表面処理不要部はピストンヘッド面であることを特徴とする請求項1乃至8の何れか1項に記載のマスキング機能を備えた被処理物品支持装置。




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