JP2005059471A - 樹脂被覆アルミニウム材、及びその製造方法、並びに樹脂被覆缶蓋、及びアルミニウム容器 - Google Patents

樹脂被覆アルミニウム材、及びその製造方法、並びに樹脂被覆缶蓋、及びアルミニウム容器 Download PDF

Info

Publication number
JP2005059471A
JP2005059471A JP2003294332A JP2003294332A JP2005059471A JP 2005059471 A JP2005059471 A JP 2005059471A JP 2003294332 A JP2003294332 A JP 2003294332A JP 2003294332 A JP2003294332 A JP 2003294332A JP 2005059471 A JP2005059471 A JP 2005059471A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
film
resin
resin film
coated
thermoplastic resin
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2003294332A
Other languages
English (en)
Inventor
Keitaro Yamaguchi
恵太郎 山口
Hajime Nakada
一 中田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
MA Aluminum Corp
Original Assignee
Mitsubishi Aluminum Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Aluminum Co Ltd filed Critical Mitsubishi Aluminum Co Ltd
Priority to JP2003294332A priority Critical patent/JP2005059471A/ja
Publication of JP2005059471A publication Critical patent/JP2005059471A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C23COATING METALLIC MATERIAL; COATING MATERIAL WITH METALLIC MATERIAL; CHEMICAL SURFACE TREATMENT; DIFFUSION TREATMENT OF METALLIC MATERIAL; COATING BY VACUUM EVAPORATION, BY SPUTTERING, BY ION IMPLANTATION OR BY CHEMICAL VAPOUR DEPOSITION, IN GENERAL; INHIBITING CORROSION OF METALLIC MATERIAL OR INCRUSTATION IN GENERAL
    • C23CCOATING METALLIC MATERIAL; COATING MATERIAL WITH METALLIC MATERIAL; SURFACE TREATMENT OF METALLIC MATERIAL BY DIFFUSION INTO THE SURFACE, BY CHEMICAL CONVERSION OR SUBSTITUTION; COATING BY VACUUM EVAPORATION, BY SPUTTERING, BY ION IMPLANTATION OR BY CHEMICAL VAPOUR DEPOSITION, IN GENERAL
    • C23C28/00Coating for obtaining at least two superposed coatings either by methods not provided for in a single one of groups C23C2/00 - C23C26/00 or by combinations of methods provided for in subclasses C23C and C25C or C25D

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Materials Engineering (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Metallurgy (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Laminated Bodies (AREA)
  • Other Surface Treatments For Metallic Materials (AREA)

Abstract

【課題】 優れた成形加工性及び優れたバリア性を奏すべく両面の樹脂フィルムの特性が最適化され、かつ加熱用途に用いた場合にも、良好な樹脂フィルムの密着性を得ることができる樹脂被覆アルミニウム材、及びその製造方法を提供する。
【解決手段】 表面処理を施されたアルミニウム基材の両面に、熱可塑性樹脂フィルムを被覆した樹脂被覆アルミニウム材において、前記アルミニウム基材の表面に、有孔率20%以下、膜厚5nm以上300nm以下の陽極酸化皮膜が形成され、該陽極酸化皮膜が、Si,B,P,S,Cから選択される1種以上の元素を含有してなり、前記アルミニウム基材の一方の面に被覆された熱可塑性樹脂フィルムの結晶化率が30%以上であり、他方の面に被覆された熱可塑性樹脂フィルムの結晶化率が30%未満である構成とした。
【選択図】 なし

Description

本発明は、飲料缶の缶蓋等に用いて好適な樹脂被覆アルミニウム材、及びその製造方法、並びに樹脂被覆缶蓋、アルミニウム容器に関するものである。
アルミニウム材料は軽量であるとともに成形性及び耐食性に優れる特性を有することから、飲料缶、日用品、建材あるいは電気製品の側板などとして広く使用されており、飲料缶の缶蓋材や缶胴材としても好適な材料である。
従来、飲料缶の缶蓋材等に用いられているアルミニウム材は、クロメート処理を下地処理として行い、この処理面に対してエポキシ系などの塗料を塗装した構成が一般的であるが、このように表面に塗膜を形成した場合、塗膜に飲料のフレーバー成分が吸着したり、塗膜中の成分が微量ながらも溶出することによって、飲料の風味に若干の変化を生じさせるおそれがあった。また、上記塗装処理は、焼き付け処理などの加熱に伴い排出される二酸化炭素が多く、環境への配慮の点でも好ましい方法とは言えない。
そこで、近年では、アルミニウム基材に樹脂フィルムを加熱圧着する、いわゆるラミネート法を用いて製造される樹脂被覆アルミニウム材に移行しつつある。このラミネート法を用いることで、内容物に対する良好なバリア性、及びフレーバー性が得られるアルミニウム材を提供することができ、また焼き付け処理の必要がないため、環境性にも優れている。
樹脂被覆缶蓋材においては、開缶に際しての樹脂フィルムの密着性も重要である。樹脂フィルムとアルミニウム基材との密着性が不足すると、開缶した際に樹脂フィルムが缶内面に剥がれて残ったり(フェザーリング)、場合によっては樹脂フィルムが切れずに開缶口を塞いで内容物が取り出せなくなる可能性もある。
そこで本発明者らは、樹脂フィルムとの良好な密着性を得ることができる表面処理アルミニウム材として、Si,B,P,Cを合計50ppm以上含有する陽極酸化皮膜を有する表面処理アルミニウム材を、下記特許文献1にて開示している。
特開2002−53996号公報
特許文献1に記載の技術を用いれば、上記陽極酸化皮膜の作用により、基材表面に被覆する樹脂フィルムとの密着性を改善することができると考えられる。しかしながら、係る特許文献1に記載の表面処理アルミニウム材を用いて所定形状の缶蓋を作製し、巻き締め工程で缶胴との組み付けを行ったところ、巻き締め加工装置のロールにより缶蓋外周部の縮径を行って缶胴に組み付ける際に、ロールとの接触により缶蓋の樹脂フィルムに傷が付くという問題が生じることが判明した。
また、樹脂被覆アルミニウム材を缶蓋材として用いる場合、表裏面に被覆された樹脂フィルムの各々で重視される特性が異なっている。すなわち、樹脂被覆缶蓋材においては、上記巻き締め加工時のフィルムの傷を防止するために、缶外面側の樹脂フィルムに高い耐削れ性が要求されるのみならず、缶内面側の樹脂フィルムに、内容物に対する高いバリア性、及びフレーバー性が要求される。従って、上記特許文献1に記載の技術を用いた樹脂被覆アルミニウム材においても、上記缶の内外面における要求を満たすべく被覆する樹脂フィルムの最適化を行う必要がある。
さらに、飲料缶や食缶では、加熱装置(ホットベンダー)により保温されて販売されたり、高温のレトルト処理に供される場合もあり、加熱により陽極酸化皮膜に含まれる電解質や水分が放出されて樹脂フィルムの密着性を低下させるおそれがある。そして、密着性が低下するとフェザーリング等の不具合が生じ易くなるため、これらの用途に用いるには、加熱された場合にも良好な密着性を保持し得る樹脂被覆アルミニウム材が望ましい。
本発明は、上記従来技術の問題点に鑑み成されたものであって、優れた成形加工性及び優れたバリア性を奏すべく両面の樹脂フィルムの特性が最適化され、かつ加熱用途に用いた場合にも、良好な樹脂フィルムの密着性を得ることができる樹脂被覆アルミニウム材、及びその製造方法を提供することを目的の一つとしている。
また本発明は、用いる飲料缶等の缶蓋材や缶胴材として用いた場合に加熱保持されても樹脂フィルムの密着性や、フレーバー性、開缶性を良好に維持することができる樹脂被覆アルミニウム材を提供することを目的の一つとしている。
本発明は、上記課題を解決するために、表面処理を施されたアルミニウム基材の両面に、熱可塑性樹脂フィルムを被覆した樹脂被覆アルミニウム材であって、前記アルミニウム基材の表面に、有孔率20%以下、膜厚5nm以上300nm以下の陽極酸化皮膜が形成され、該陽極酸化皮膜が、Si,B,P,S,Cから選択される1種以上の元素を含有してなり、前記アルミニウム基材の一方の面に被覆された熱可塑性樹脂フィルムの結晶化率が30%以上であり、他方の面に被覆された熱可塑性樹脂フィルムの結晶化率が30%未満であることを特徴とする樹脂被覆アルミニウム材を提供する。
この構成によれば、有孔率及び膜厚を適切に制御され、かつ皮膜中にSi,B,P,S,Cから選ばれる1種以上の元素が含まれる陽極酸化皮膜を下地として熱可塑性樹脂フィルムを接着したことで、樹脂フィルムとアルミニウム基材とが高い密着性を有して接着された樹脂被覆アルミニウム材が得られる。そして、係る密着性は、アルミニウム材が高温に加熱された場合にも損なわれることが無く、ホットベンダー保管やレトルト処理に供される飲料缶や食缶に好適なものである。
また、アルミニウム基材の一面側の熱可塑性樹脂フィルムの結晶化率が30%以上とされていることで、この熱可塑性樹脂フィルムでは良好なバリア性やフレーバー性を得ることができ、かつ他面側の熱可塑性樹脂フィルムの結晶化率が30%未満とされていることで、この熱可塑性樹脂フィルムでは優れた耐フィルム削れ性を得ることができる。従って、缶蓋として用いた場合に、缶胴へ組み付ける際の巻き締め加工で傷つくことなく、また、良好な開缶性、フレーバー性を得ることができる。
本発明の樹脂被覆アルミニウム材では、前記陽極酸化皮膜に含まれるSi,B,P,S,Cの含有量の合計が、10ppm以上8000ppm以下であることが好ましい。この構成によれば、上記添加元素による樹脂フィルムと皮膜との密着性向上効果を必要十分に得ることができる。
本発明の樹脂被覆アルミニウム材では、前記熱可塑性樹脂フィルムと、陽極酸化皮膜との間に、シラン系カップリング剤塗布層が形成されており、該シラン系カップリング剤塗布層におけるシラン系カップリング剤の塗布量が、0.1mg/m以上500mg/m以下であることが好ましい。この構成によれば、上記シラン系カップリング剤の作用により陽極酸化皮膜と熱可塑性樹脂フィルムとの密着性をさらに向上させることができ、缶蓋として用いた場合に、より良好な開缶性を得ることができる。
本発明の樹脂被覆アルミニウム材では、前記熱可塑性樹脂フィルムが、共重合成分の添加により溶融温度を低下させた単層構造、又は溶融温度の異なる複数の樹脂層を積層した複層構造を有している構成とすることができる。この構成によれば、当該アルミニウム材の製造に際して、アルミニウム基材への熱可塑性樹脂フィルムの貼り合わせに際して、基材の加熱温度を低下させることができるため、樹脂フィルムの貼り合わせが容易になるとともに、先のシラン系カップリング剤が塗布されている場合に、シラン系カップリング剤の熱分解が生じないようにすることができる。
次に、本発明は、先に記載の樹脂被覆アルミニウム材の製造方法であって、pH8以上のアルカリ性電解液を用いた電解処理により、前記アルミニウム基材の前記陽極酸化皮膜を形成することを特徴とする樹脂被覆アルミニウム材の製造方法を提供する。
このようにアルカリ性電解液を用いて陽極酸化処理を行うことで、電解処理により形成される陽極酸化皮膜中にアルカリ成分が取り込まれ、皮膜の耐アルカリ性を向上させる効果を得ることができる。
次に、本発明は、先に記載の樹脂被覆アルミニウム材を成形加工してなることを特徴とする樹脂被覆缶蓋を提供する。この樹脂被覆缶蓋によれば、上記本発明の樹脂被覆アルミニウム材を用いたことで、良好な開缶性を得られるとともに、内容物に対する良好なバリア性、フレーバー性を得ることができる。
次に、本発明は、先に記載の樹脂被覆アルミニウム材を成形加工してなる部材を有することを特徴とするアルミニウム容器を提供する。このアルミニウム容器によれば、上記本発明の樹脂被覆アルミニウム材を用いたことで、樹脂フィルムの良好な密着性を得られるとともに、内容物に対する良好なバリア性、フレーバー性を得ることができる。
本発明によれば、樹脂フィルムとアルミニウム基材との間に形成された特性元素を含む陽極酸化皮膜により優れた密着性を得ることができ、かつ一面側に被覆された樹脂フィルムの一方は、成形加工性に優れ、他方の面に被覆された樹脂フィルムはバリア性に優れる樹脂被覆アルミニウム材を得ることができ、特に缶蓋材や缶胴材等のアルミニウム容器の構成材に用いた場合に、優れた加工性、開缶性、バリア性、及びフレーバー性を得ることができる樹脂被覆アルミニウム材を提供することができる。
また本発明によれば、陽極酸化皮膜の形成に際して、pH8以上のアルカリ性電解液を用いることを特徴とする樹脂被覆アルミニウム材の製造方法により、上記アルミニウム容器の構成材として好適な樹脂被覆アルミニウム材を、容易かつ効率的に、再現性よく製造することが可能な製造方法が提供される。
さらに本発明によれば、内容物に対するバリア性及びフレーバー性に優れ、加熱用途に用いた場合にも樹脂フィルムの密着性が低下することが無く、良好な開缶性を得ることができる樹脂被覆缶蓋が提供される。
以下、本発明に係る樹脂被覆アルミニウム材、及びその製造方法の実施形態について説明する。
<樹脂被覆アルミニウム材>
本発明の樹脂被覆アルミニウム材に使用するアルミニウム基材としては、目的とする用途により純アルミニウム系のJIS1000番系、Al−Mn系のJIS3000番合金、Al−Mg系のJIS5000番合金等が使用できるが、飲料缶等の缶蓋材として用いる場合には、耐ブローアップ性の点から、前記JIS5000番系合金を用いることが好ましい。このアルミニウム基材としては、この合金等の表面に付着した油脂分を除去し、基材表面の不均質な酸化皮膜などを除去するための前処理が施されたものも好ましく使用できる。
そして、これらのアルミニウム基材の表面には、耐食性や樹脂フィルムとの接着性の向上を目的として、陽極酸化処理が施されており、この陽極酸化皮膜の表面に熱可塑性樹脂フィルムが接着されて本発明の樹脂被覆アルミニウム材は構成されている。
上記陽極酸化処理は、基材を構成するアルミニウム又はアルミニウム合金を電解液に浸漬して陽極処理を行う陽極酸化処理によって陽極酸化皮膜を形成するものである。この陽極酸化皮膜は、有孔率20%以下の無孔質の陽極酸化皮膜からなる。ここで、有孔率とは、陽極酸化皮膜表面の測定領域において孔の形成されている部分の面積を全測定面積で除算した値、すなわち、有孔率={(孔のあいている面積)/(全測定面積)}×100の関係式で示されるものである。
また、陽極酸化皮膜の膜厚は5〜300nmとされる。これは、5nmより薄ければ耐食性が得られず、一方、300nmよりも厚いと、皮膜が多孔質化しやすくなり、無孔質膜とすることが困難になるからである。なお、より望ましい膜厚の範囲は10nm〜200nmである。
アルミニウム基材の表面に有孔率及び膜厚を上記範囲に制御された陽極酸化皮膜を形成することで、リン酸クロムを含むクロム水酸化物からなるクロメート皮膜のように、加熱による脱水で皮膜が脆化することも無く、加熱時にも皮膜と樹脂フィルムとが優れた密着性を奏する樹脂被覆アルミニウム材となっている。これは、本発明に係る陽極酸化皮膜は、一般の陽極酸化皮膜に比して表面に形成される孔が少なくなるよう調整されており、これにより、加熱によって脱離して皮膜を脆化させる水分や硫酸等の成分が孔中に吸着する量を少なくすることができ、樹脂フィルムの被覆工程や使用時の加熱等により皮膜が脆化し、密着性が低下するのを効果的に防止することができるからである。陽極酸化皮膜表面の孔の部分は、樹脂フィルムと密着しない部位、すなわちアルミニウム基材と樹脂フィルムとの密着面積を低下させている部位であり、陽極酸化皮膜を表面側から見た孔の面積率である有孔率は、低い方が良好な密着性を得ることができ、また孔から放出される水分等の密着性を低下させる成分の放出が少なく好ましい。
さらに、アルミニウム基材の両面には、樹脂フィルムが被覆されているものの、わずかな水分は樹脂フィルムを透過して陽極酸化皮膜に到達する。このとき、多くの孔を有する陽極酸化皮膜では上記樹脂フィルムを透過した水分を十分に遮断することができず、この水分による腐食を生じて密着性が低下するおそれがある。従って、皮膜の耐食性の観点からも上記有孔率は低い方が好ましい。
そして、本実施形態に係るアルミニウム基材では、上記陽極酸化皮膜が、Si,B,P,S,Cから選ばれる1種以上の元素を含むものとなっている。これらの元素を含む陽極酸化皮膜とすることで、樹脂フィルムを透過して陽極酸化皮膜に到達した水分による水和反応が抑制され、多湿環境においても良好な密着性を保持できることが本発明者により確認されている。さらに、後述のシラン系カップリング剤を陽極酸化皮膜上に塗布する場合において、シラン系カップリング剤塗布層と、陽極酸化皮膜との結合を促進させる作用が本発明者により確認されている。このように陽極酸化皮膜として、上記に挙げた元素のうち1種以上を含むものをアルミニウム基材の表面に形成しておくことで、陽極酸化皮膜上に被覆される樹脂フィルムの密着性を向上させることができ、ホットベンダー保管やレトルト処理に供される飲料缶等の構成材として用いた場合にも、加熱による樹脂フィルムの密着性低下を効果的に防止でき、良好なバリア性や開缶性を得られるようになっている。
陽極酸化皮膜中における上記各元素の含有量は、それらの合計で10〜8000ppmの範囲とすることが好ましい。上記含有量が10ppm未満では、樹脂フィルムと陽極酸化皮膜との接着力を増進させる効果を十分に得られないおそれがある。また、8000ppmを超えて含有させても、接着力の増進効果は、8000ppm以下のものと変わらないため、上記範囲を超えて多量に含有させる必要はない。
本発明に係る樹脂被覆アルミニウム材では、アルミニウム基材上に形成された陽極酸化皮膜と、熱可塑性樹脂フィルムとの間にシラン系カップリング剤塗布層が介在している構成とすることができる。
シラン系カップリング剤としては、特に限定されないが、アミノ基、ビニル基、エポキシ基、メタクリル基、アクリル基等の有機官能基を有するものが好ましく、アミノ基を有するものは水溶液化し易いことから好ましく用いることができる。シラン系カップリング剤は陽極酸化皮膜と熱可塑性樹脂フィルムとの架橋を促進する作用を奏するため、両者の密着性を向上させる。シラン系カップリング剤の塗布方法は、浸漬法、スプレー法、ロールコート法等が利用できる。また、シラン系カップリング剤の塗布量としては、0.1〜500mg/m、好ましくは1.0〜100mg/mとするのがよい。
本発明において、使用する熱可塑性樹脂フィルムには、特に限定はないが、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエチレン樹脂、共重合ポリエステル樹脂等からなる樹脂フィルムを挙げることができる。具体的には、ポリエチレンテレフタレート(PET)等のポリエステル系樹脂からなる樹脂フィルムや、ポリエステル系樹脂に共重合成分や共重合ポリエステル樹脂を混入することで融点を低下させたポリエステル系樹脂からなる樹脂フィルムを例示できる。ポリエステル系樹脂フィルムは、缶の内容物のフレーバー成分が吸着し難く、また水分の遮断性にも優れるため、好適である。上記共重合成分等の混入により樹脂フィルムの融点を低下させることで、被覆工程における樹脂フィルムの接着を容易に行うことができ、特に、シラン系カップリング剤を用いた場合に、被覆工程における加熱によりシラン系カップリング剤が熱分解されるのを防止できるという利点が得られる。
これらの熱可塑性樹脂フィルムは、公知の製造方法によってフィルム状に2軸延伸されて製造されたものを使用するのがよい。また熱可塑性樹脂フィルムの厚さは、耐食性、成形加工性、生産コスト等を考慮して、6〜30μm程度とするのが好ましい。
さらに、上記熱可塑性樹脂フィルムは、複層フィルムとすることができる。この場合、アルミニウム基材に接する接合部分は融点が低く溶着し易い材質とし、アルミニウム基材に接しない最外層には耐フィルム削れ性に富む材質、またはバリア性やフレーバー性に優れた材質の樹脂フィルムを積層して使用すれば、両面で互いに異なる特性を具備した樹脂被覆アルミニウム材を得ることが可能となる。具体的には、共重合成分又は共重合ポリエステル樹脂を混入することにより融点を低下させたポリエステル系樹脂からなる層をアルミニウム基材と接する側の面に積層した複層構造の樹脂フィルムを挙げることができる。
本発明の樹脂被覆アルミニウム材においては、一方の面は奇麗に加工できる耐フィルム削れ性が高い熱可塑性樹脂フィルムを被覆し、もう一方の面はバリア性やフレーバー性に優れた熱可塑性樹脂フィルムを被覆していることが要求される。同質の熱可塑性樹脂フィルムを使用してこのように相異なる性質を持たせるためには、双方の面の熱可塑性樹脂フィルムの結晶化率を変化させることにより達成することができる。熱可塑性樹脂フィルムの結晶化率は成形加工性、バリア性、フレーバー性等に大きく影響する。すなわち、奇麗に加工するための耐フィルム削れ性を満足させるためには、熱可塑性樹脂フィルムの結晶化率を30%未満とする必要があり、好ましくは10%以下とするのがよい。一方、バリア性やフレーバー性を満足させるためには熱可塑性樹脂フィルムの結晶化率を30%以上とする必要がある。
本発明の樹脂被覆アルミニウム材においては、両面に被覆する熱可塑性樹脂フィルムを同質の熱可塑性樹脂フィルムとすることが好ましい。「同質の熱可塑性樹脂フィルム」とは同じ成分を同じ割合で含有する樹脂フィルムを指す。この構成により、被覆樹脂フィルムの熱処理条件を調整して結晶化率を変えることによって、耐フィルム削れ性あるいは、バリア性やフレーバー性に優れた樹脂フィルムを各面に被覆形成することができるとともに、熱可塑性樹脂フィルムの製造工程の単一化が可能となり、フィルムの被覆工程も単純化されるので低コストで製造することが可能となる。
上記構成を備えた本発明の樹脂被覆アルミニウム材は、有孔率及び膜厚を適切な範囲に制御され、かつSi,B,P,S,Cから選ばれる1種以上の元素を含有する陽極酸化皮膜を介して前記熱可塑性樹脂フィルムとアルミニウム基材とが接着されているので、樹脂フィルムとアルミニウム基材との高い密着性を得ることができる。これにより、飲料缶等の構成材として用いた場合のように、ホットベンダー保管や高温のレトルト処理等に供される用途においても、樹脂フィルムとアルミニウム基材との良好な密着性を保持することができる。
特に、飲料缶や食缶等の缶蓋として使用した場合には、良好な開缶性を得ることができる。すなわち、開缶に際して樹脂フィルムと基材との間に部分的に剥離を生じて、樹脂フィルムが部分的に残ってしまうこと(フェザーリング)や、アルミニウム基材のみが剥脱されて樹脂フィルムが缶を閉栓した状態となってしまうのを効果的に防止することができる。
また、アルミニウム基材の両面に、それぞれ耐フィルム削れ性に優れる樹脂フィルムと、フレーバー性、バリア性に優れる樹脂フィルムとを備えているため、缶胴への組み付け時の巻き締め加工により樹脂フィルムが傷つくのを防止できるととも、内容物に対する高いバリア性、フレーバー性を得ることができ、飲料缶等の構成材(缶蓋、缶胴等)として特に好適に用いることができる樹脂被覆アルミニウム材となっている。
<アルミニウム容器>
図1は、本発明に係るアルミニウム容器の一例である飲料缶の斜視構成図である。同図に示す飲料缶1は、タブ13が設けられた缶蓋11を、有底円筒状の缶胴12の開口端に組み付けた、いわゆる2ピース缶である。この飲料缶1は、その缶蓋11及び缶胴12に、上記実施の形態の樹脂被覆アルミニウム材が用いられており、その缶蓋11においては、タブ13によるスコア加工部14の開口を良好に行うことが可能であり、その良好な開缶性は、ホットベンダー保管やレトルト処理等の加熱用途においても損なわれることはない。
また、缶胴12に対する組み付け加工時にも、外側の樹脂フィルムに傷が付くことがなく、美観を損なうことなく製造が可能になっている。また、缶蓋11及び缶胴12のいずれにおいても、内容物に対する優れたバリア性、フレーバー性を有しており、飲料等の食品の提供に好適な缶となっている。
また、本発明に係るアルミニウム容器の形態は、上記2ピース缶に限られず、ボトル缶や缶詰容器等の形態にも適用できるのは勿論である。
<樹脂被覆アルミニウム材の製造方法>
次に、本発明の熱可塑性樹脂被覆アルミニウム材の製造方法について説明する。
本実施の形態の樹脂被覆アルミニウム材の製造方法は、アルミニウム又はアルミニウム合金からなるアルミニウム基材の表面を電解処理することにより陽極酸化皮膜を形成し、この陽極酸化皮膜の表面にシラン系カップリング剤を塗布し、さらにその表面に熱可塑性樹脂フィルムを被覆形成することにより製造する方法である。
上記陽極酸化皮膜として有孔率20%以下の無孔質又は微孔質の酸化皮膜を形成するには、陽極酸化皮膜が多孔質化する前の段階で電解を停止し、多孔質皮膜が成長する前の段階の皮膜を得ることにより行う方法が好ましい。
そして、本発明に係る製造方法においては、上記電解液としてpH8以上のアルカリ性電解液が用いられる。このようにアルカリ性電解液を用いて陽極酸化処理を行うことで、電解処理により形成される陽極酸化皮膜中にアルカリ成分が取り込まれ、皮膜の耐アルカリ性を向上させる効果を得ることができる。電解液のpHが8未満の場合には、皮膜に取り込まれるアルカリ成分が少なく、耐アルカリ性を向上させる効果が顕著でない。また、電解液のpHが12を超えると、皮膜の溶解性が増すことにより陽極酸化皮膜の形成効率が低下し、所望の膜厚を得るための処理時間が長くなり、製造効率が低下する。上記理由から、耐アルカリ性に優れる陽極酸化皮膜を効率よく形成するために、pH8〜12の範囲とする。より好ましくはpH9.5〜11.5の範囲とするのが良い。
上記のアルカリ性電解液としては、生成する陽極酸化皮膜を溶解しにくく、かつ無孔質の陽極酸化皮膜を生成する電解質である炭酸塩、アルカリ金属の水酸化物、珪酸塩、ホウ酸塩、リン酸塩、アジピン酸塩、フタル酸塩、安息香酸塩、酒石酸塩、クエン酸塩などの群から選ばれる1種または2種以上を溶解した水溶液が用いられる。これらの水溶液を用いることで、形成される陽極酸化皮膜にSi,B,P,S,Cから選ばれる1種以上の元素を導入することができ、これにより、陽極酸化皮膜の水和反応の抑止作用やシラン系カップリング剤と陽極酸化皮膜との結合促進作用を得ることができ、高温環境においても脆化し難く、シラン系カップリング剤と併用することで特に優れた密着性を得られる陽極酸化皮膜を形成することができる。
また、上記電解質のなかでも珪酸塩、リン酸塩が酸化皮膜の性状、コストなどの点で好ましい。電解液のpH調整は、例えば電解液に適量のNaOHやKOHを添加することにより容易に調整することが可能である。また、陽極酸化皮膜の膜厚の調整は、電解時間により調整することができ、本実施形態の場合、陽極酸化皮膜の膜厚を5〜300nmの範囲とする。
尚、電解液中の電解質濃度は2重量%からその電解質の飽和濃度の範囲で選ばれる。電解浴の浴温は15〜50℃の範囲で十分であり、50℃を越える高温とする必要はほとんどない。
これらの電解液を用いてアルミニウム基材を陽極酸化すると、電解の初期段階において無孔質のバリア層と称される陽極酸化皮膜が成長し、この無孔質の陽極酸化皮膜の成長が所定の段階まで進むと、この無孔質の皮膜上に多孔質層が急激に成長して多孔質の陽極酸化皮膜が生成される。ここで多孔質の陽極酸化皮膜とは、無孔質の薄いバリア層の上に多孔質層が成長したものを意味する。
次に、上記陽極酸化処理を施したアルミニウム基材に、浸漬法、スプレー法、ロールコート法等を利用してシラン系カップリング剤を塗布する。塗布量は0.1〜500mg/m、好ましくは1〜100mg/mが適当である。このシラン系カップリング剤の塗布順序としてはアルミニウム基材の両面に同時に塗布する方法と、片面のみに塗布する方法が採用できる。
次いで、アルミニウム基材の片面に熱可塑性樹脂フィルムを圧着するフィルム被覆工程を行う。この際シラン系カップリング剤を片面に塗布した場合には、シラン系カップリング剤を塗布していない面に、先に熱可塑性樹脂フィルムを圧着する。先に圧着する熱可塑性樹脂フィルムは、結晶化率を低くして耐フィルム削れ性の良い方の熱可塑性樹脂フィルムとする。
フィルム被覆工程において、アルミニウム基材は、通常はコイルの状態で供される。樹脂フィルムの接着を容易にするため、アルミニウム基材は先ず予備加熱装置で予備加熱する。加熱装置としては、加熱ロール、電気炉、ガスオーブン、誘導加熱装置、赤外線加熱装置などが適宜利用できる。予備加熱温度は、アルミニウム基材と接する部分の熱可塑性樹脂フィルムのガラス転移温度(Tg)以上で、かつアルミニウム基材と接しない最外層の熱可塑性樹脂フィルムの(融点−10℃)以下の温度とするのが望ましい。具体的には、予備加熱温度は100℃〜170℃が適当である。
予備加熱温度が前記(Tg)未満ではアルミニウム基材に熱可塑性樹脂フィルムを接合することができず、また前記(融点−10℃)を越える温度に予熱すると溶融した熱可塑性樹脂フィルムに加圧ロールの表面形状が転写されて外観が悪化し、商品価値の無いものとなる。
上記予備加熱を行ったならば、耐フィルム削れ性の良い方の熱可塑性樹脂フィルムを被覆する。樹脂フィルムはコイル状にして加圧ロール近傍に配置されている。予備加熱されたアルミニウム基材は樹脂フィルムと共に加圧ロールに送られ、先ずアルミニウム基材の片面のみに樹脂フィルムを加圧圧着する。
次いで、片面に熱可塑性樹脂フィルムを圧着したアルミニウム基材を後加熱装置に送り、アルミニウム基材に接しない最外層の樹脂フィルムの(融点−10℃)以上の温度に加熱した後、冷却する。この工程により最外層の樹脂フィルムの結晶状態が調整される。上記後加熱装置による加熱温度が最外層の樹脂フィルムの(融点−10℃)未満の温度では、熱可塑性樹脂フィルムの製造工程で2軸延伸される際に生成した配向結晶が多く残存して、耐フィルム削れ性を向上させる効果が得られない。耐巻締摩耗性の向上には、巻締工具と接する最外層の配向結晶をなくすことが重要であり、これを達成するためには最外層の樹脂フィルムの(融点−10℃)以上の温度に加熱した後冷却することが必要である。
この後加熱により、アルミニウム基材に被覆した熱可塑性樹脂フィルムの結晶化率を30%未満、好ましくは20%以下とする。
ここで、熱可塑性樹脂フィルムの結晶化率は、以下の手順で算出する。
先ず、圧着前の熱可塑性樹脂フィルムのフィルム密度ρ(g/cm)を密度勾配管によって測定し、次の(式1)に代入して圧着前の熱可塑性樹脂フィルムの結晶化率(C)を求める。
(式1)
C=[(ρ−1.335)/(1.455−1.335)]×100(%)
次いで、圧着前後の熱可塑性樹脂フィルムをX線回折法にて測定し、回折角度2θ=26度近辺に現れる(100)結晶の回折ピーク強度を測定する。圧着前の熱可塑性樹脂フィルムのピーク強度をIa、圧着後の熱可塑性樹脂フィルムのピーク強度をIbとし、次式(2)から圧着後の熱可塑性樹脂フィルムの結晶化率C’を求める。
(式2)
C’=(Ib/Ia)×C
加熱後の冷却速度は特に制限はないが、遅すぎると生産効率が低下するし、熱可塑性樹脂フィルム中に配向を持たない結晶が過度に成長して樹脂フィルムが脆化する場合があるので好ましくない。従って、冷却速度はある程度以上とする必要がある。ただし、このような配向を持たない結晶は、過度に成長しない場合には耐フィルム削れ性を害せず、むしろ耐フィルム削れ性を向上させる作用を奏する場合もある。従って、あえて急速に冷却する必要も無いが、このような配向を持たない結晶を有する熱可塑性樹脂フィルムの外観は若干白く変色する場合があり、このような着色を嫌う用途向けにはエアー冷却装置、ミスト冷却装置、水冷却装置等を使用して冷却速度を調整すると良い。
尚、冷却後の温度が高すぎる場合には、以降の工程でデフレクタロール、テンションロール、加圧ロール等のライン設備と接触する際に、それら設備の表面形状が転写されて外観が悪化し、商品価値の無いものとなる。この転写模様発生の原因は、配向結晶が失われることによりフィルム表面の高温強度が低下するためであり、冷却後の温度を170℃以下、好ましくは150℃以下とすることにより、転写模様の発生を効果的に防止することができる。
上記の後加熱装置としては、加熱ロール、電気炉、ガスオーブン、誘導加熱装置、赤外線加熱装置などが適宜組み合わせて利用できる。但し、後加熱工程では最外層の被覆樹脂フィルムの(融点−10℃)以上の温度に加熱するので、加熱により樹脂フィルムが溶融軟化した状態で加熱装置や支持ロール等の設備と接触すると、樹脂フィルム表面にそれら設備の表面形状の転写模様が発生する。従って、電気炉、ガスオーブン、誘導加熱装置、あるいは赤外線加熱装置等が適している。
上述の手順に従って片方の面に熱可塑性樹脂フィルムを被覆したアルミニウム基材には、引き続き反対側の面にも熱可塑性樹脂フィルムを被覆して、バリア性やフレーバー性に優れたものとする。片面に熱可塑性樹脂フィルムを被覆したアルミニウム基材は再び予備加熱装置に送り、アルミニウム基材に接する部分の熱可塑性樹脂フィルムのガラス転移点(Tg)以上で、かつ170℃以下、好ましくは150℃以下の温度に予備加熱する。
予備加熱温度がTg未満では熱可塑性樹脂フィルムをアルミニウム基材に接合することができず、また170℃を越えて加熱すると前工程で貼り合わせた熱可塑性樹脂フィルム表面に、加圧ロールの表面形状が転写されて外観が悪化し、商品価値の無いものとなる。
予備加熱装置としては、加熱ロール、電気炉、ガスオーブン、誘導加熱装置、赤外線加熱装置などが適宜組み合わせて利用できる。ただし、前工程で被覆した熱可塑性樹脂フィルムは配向結晶が失われ、高温強度が低下しているため、加熱装置の部材に接触すると転写模様が発生する。従って、予備加熱の間も熱可塑性樹脂フィルムが設備と接触しないような配慮が必要である。
予備加熱をしたアルミニウム基材は、コイル状の巻回体にて供給される熱可塑性樹脂フィルムと共に加圧ロールに送り、アルミニウム基材のもう一方の表面に熱可塑性樹脂フィルムを加圧圧着する。アルミニウム基材に圧着された熱可塑性樹脂フィルムの密着性は、予備加熱温度が170℃以下と低温であるため不十分である。このため熱可塑性樹脂フィルムの密着性を高めるために、再度後加熱工程に送る。
後加熱工程では、後から圧着した熱可塑性樹脂フィルムの(融点−10℃)未満の温度に加熱する。この後加熱によって、後から圧着した熱可塑性樹脂フィルムの結晶化率を30%以上とすることができる。熱可塑性樹脂フィルムの(融点−10℃)以上の温度に加熱すると、樹脂フィルム製造時の2軸延伸工程で導入されている配向結晶が失われ、フレーバー性が低下する。後加熱装置としては、加熱ロール、電気炉、ガスオーブン、誘導加熱装置、赤外線加熱装置などを適宜組み合わせて利用できる。
このように、上記の工程により製造される本発明の樹脂被覆アルミニウム材は、飲料缶や食缶等の缶蓋に使用する缶蓋材として好適であると同時に、低コストで提供することができるので経済的にも有用である。
以下に本発明の実施例と比較例を挙げて説明する。
アルミニウム基材の両面にそれぞれ2層構造ポリエステル樹脂フィルム(あるいは、ポリアミドフィルム、単層ホモPETフィルム、単層共重合PETフィルム)を被覆した樹脂被覆アルミニウム材を製造した。本例において作製した実施例1〜37、比較例1〜8の各試料の製造条件を、それぞれ表1、表2に示す。
母材となるアルミニウム基材としては、厚さ0.28mmのJIS5182(Mn;0.3wt%、Mg;4.5wt%)硬質アルミニウム合金板を使用した。使用に際して、各アルミニウム基材は、10%NaOH溶液による脱脂処理(液温50℃、10秒間)、水洗処理(10秒間)、5%HNO溶液による中和処理(液温は室温)、水洗処理(10秒間)の各処理工程を順次行う洗浄工程に供した。
そして、上記洗浄工程の後、アルミニウム基材を陽極側に電気的に接続し、対極をカーボン板として陽極酸化処理した。係る陽極酸化処理では、表1、表2に示すように、形成する陽極酸化皮膜の特性に応じて適宜選択した電解液(硫酸、ホウ酸塩、リン酸塩、珪酸塩、アジピン酸塩)を用いることで、陽極酸化皮膜中に所定の元素が取り込まれるようにするとともに、各電解液のpH、濃度、電解時間、電解温度等の調整により、膜厚、有孔率、及び皮膜中の元素(Si,B,P,S,C)含有量の調整を行った。また、陽極酸化処理を行った後、各基材に対して、水洗処理(10秒間)及び乾燥処理(80℃)を施した。
尚、アルミニウム基材の表面にクロメート処理を施した試料(表2、比較例6,7)の作製に際しては、上記洗浄工程の後、アルミニウム合金板の両側表面に、クロム付着量が15mg/mとなるように常法によるリン酸クロメート処理を施した。
また、シラン系カップリング剤を塗布した試料の作製に際しては、ロールコーターで、有機官能基がアミノ基のアミノ系シラン系カップリング剤を表1及び表2に示す塗布量にて塗布した。
そして、上記下地処理の後、熱可塑性樹脂フィルムの被覆を行った。アルミニウム合金板に被覆する樹脂フィルムとしては、表1及び表2に示すように、(A)2層PETフィルム、(B)ポリアミドフィルム、(C)単層ホモPETフィルム、(D)単層共重合PETフィルム、を用いた。また、本実施例において、アルミニウム基材の両面には、同一種類の熱可塑性樹脂フィルムを被覆した。これらの熱可塑性樹脂フィルムの詳細を以下に示しておく。
次いで、上記各熱可塑性樹脂フィルムを、フィルムの融点より10℃低い温度以上の温度に加熱して貼り合わせた。続いて、アルミニウム基材の反対側の面に、先に圧着した樹脂フィルムより高い所定の結晶化率が得られる温度により、熱可塑性樹脂フィルムを貼り合わせた。
尚、熱可塑性樹脂フィルムを被覆せず、下地処理の後塗膜を形成した試料(比較例7)については、エポキシ系樹脂の塗膜を5μm厚にて形成した。
表1及び表2に示すA〜Dの樹脂フィルムの具体的構成を以下に説明する。
(A)2層PETフィルム:テレフタル酸とエチレングリコールを重合したポリエチレンテレフタレート(PET)からなるベース層を主体とし、このベース層の片面側にイソフタル酸を20%共重合した接着層を有する2層構造の2軸延伸フィルム。本実施例では、ベース層厚10μm、接着層厚3μm、延伸比3.5×3.5とした。
(B)ポリアミドフィルム:単層6ナイロンフィルム。本実施例では、10μm厚、延伸比3.5×3.5のものを用いた。
(C)単層ホモPETフィルム:テレフタル酸とエチレングリコールを重合した単層ポリエチレンテレフタレートフィルム。本実施例では10μm厚のものを用いた。
(D)単層共重合PETフィルム:テレフタル酸とエチレングリコールにイソフタル酸を20%共重合した単層ポリエチレンテレフタレートフィルム。本実施例では、10μm厚のものを用いた。
本例で作製した各サンプルについては、陽極酸化処理後、以下の方法にて陽極酸化皮膜の有孔率及び膜厚、並びに元素含有量(Si,B,P,S,Cの含有量)を測定しており、その測定結果は、他の製造条件とともに表1及び表2に併記している。
(有孔率の測定方法)
形成した陽極酸化皮膜の表面を5万倍の電子顕微鏡で観察し、任意に選択した10カ所の視野領域(但し、2μm×2μm以上の領域)において、各領域における孔の面積率を測定するとともに、その平均値を有孔率として導出した。但し、前記視野領域において金属間化合物などが存在して表面状態の変化が観察された場所は除外した。
また、この有孔率の導出方法としては、陽極酸化皮膜を縦断面方向で細断した試料を作製し、この試料について、透過型電子顕微鏡により上記方法と同様の倍率及び測定箇所にて観察を行い、陽極酸化皮膜の最表面における孔が形成された部位と、孔が形成されていない部位との比率から導出することもできる。この場合、深さが3nm以上で、大きさが円相当径で3nm以上の凹みを孔と見なして上記比率を導出する。
Figure 2005059471
Figure 2005059471
以上のような工程により作製した各樹脂被覆アルミニウム材について、その特性を以下のようにして評価した。その結果は、表1ないし表4に示した。
(1)結晶化率
先ず、フィルム圧着前のフィルム密度ρ(g/cm )を密度勾配管によって測定し、次式(1)に代入して圧着前の樹脂フィルムの結晶化率(C)を求めた。
(式1)
C=[(ρ−1.335)/(1.455−1.335)]×100(%)
次いで、圧着前後の樹脂フィルムをX線回折にかけ、回折角度2θ=26度近辺に現れる(100)結晶の回折ピーク強度を測定した。圧着前の樹脂フィルムのピーク強度をIa、圧着後の樹脂フィルムのピーク強度をIbとし、下記(式2)から圧着後の樹脂フィルムの結晶化率C’を求めた。測定結果を表1及び表2に併記した。
(式2)
C’=(Ib/Ia)×C
(2)巻き締め性(成形加工性)
熱可塑性樹脂被覆アルミニウム材を缶蓋にシェル成形加工した後、缶胴に巻締加工を100枚連続して行った。巻締加工後の外面側巻締め部を目視及び光学顕微鏡により観察し、樹脂フィルムの削れの有無を調べ、成形加工性を評価した。樹脂フィルムに傷(削れ)が全く認められない場合には◎印を、局部的な点状の軽微な傷のみである場合には○印を、局部的に樹脂フィルムに線状の傷があるが、実用上問題ないと判断できる場合には△印を、さらに巻締め部全周に渡る傷がある場合には×印を付して評価した。評価結果を表3及び表4に示した。
(3)開缶性(フィルム密着性)
熱可塑性樹脂フィルムを被覆したアルミニウム合金板を幅30mm、長さ100mmの短冊状に切り出して、70℃の温水中に30分間浸漬した。次いで、その温水中でアルミニウム部分のみを切断して折り曲げて引っ張り、成形体に加工した際に内面側となる面の樹脂フィルムの剥離長さを測定した。剥離の全く認められないものには◎印を、剥離が2mm以下のものには○印を、剥離が2mmを超え6mm未満のものには△印を、さらに剥離が6mm以上の場合には×印を付して評価した。測定結果を表3及び表4に併記した。
(4)フレーバー性
作製した各樹脂被覆アルミニウム材の内面側の樹脂フィルム(後から圧着した方の樹脂フィルム)の表面100mmに、フレーバー疑似水(リモネン 50ppm、エタノール 10%の水溶液)を接触させ、37℃の恒温器中に入れて30日間保管した。その後フレーバー疑似水を除去して、ジエチルエーテルに接触させて室温で3日間保持し、上記内面側の樹脂フィルムに吸着したリモネンを抽出し、吸光分析により抽出量を測定した。抽出されたリモネン量を面積100cm当たりの抽出量に換算し、リモネン量が15μg/100cm以下の場合には◎印を、15μg/100cmを超え20μg/100cm以下の場合には○印を、20μg/100cmを超え30μg/100cm以下の場合には△印を、さらに30μg/100cmを超える場合には×印を付して評価した。評価結果を表3及び表4に併記する。
表3の結果から、本発明の樹脂被覆アルミニウム材は、フィルムの密着性に優れ、フレーバー性、成形加工性のいずれにも優れた材料であることが判る。特に、陽極酸化皮膜の有孔率を5%以下の範囲としたもの(実施例4,5)、及び塗布量2〜100mg/mの範囲でシラン系カップリング剤を塗布したもの(実施例19〜21)、電解液のpHを9.5〜11.5の範囲としたもの(実施例26,27)、並びに、樹脂フィルムとして共重合PETを用いたもの(実施例31)において、より良好な開缶性が得られている。また、内面側の熱可塑性樹脂フィルムの結晶化率を40%以上としたもの(実施例12,13,32)において、より良好なフレーバー性が得られている。また、外面側の熱可塑性樹脂フィルムの結晶化率を5〜10%としたもの(実施例15,16,33)において、より良好な巻き締め性(耐フィルム削れ性)が得られている。
これに対して、比較例1は、陽極酸化皮膜の有孔率が不適正であり、比較例2,3は、同、膜厚が不適正であるため、樹脂フィルムの密着性が悪く、十分な開缶性が得られていない。比較例4では、内面側の熱可塑性樹脂フィルムの結晶化率が低すぎるため、フレーバー性に劣るものとなっている。比較例5では、外面側の熱可塑性樹脂フィルムの結晶化率が高すぎるため、巻き締め性に劣るものとなっている。比較例6は、樹脂フィルム被覆の下地処理としてクロメート処理を行ったものであるが、十分な密着性が得られず、その結果開缶性に劣るものとなっている。比較例7は、クロメート下地処理上に塗装を施したものであるが、開缶性、及びフレーバー性のいずれにおいても目的の特性が得られていない。比較例8は、Si,B,P,S,Cのいずれも含有しない陽極酸化皮膜上に樹脂フィルムを接着したものであるが、十分な密着性が得られず、その結果開缶性に劣るものとなっている。
このように、缶蓋として好適に用いるために重要視される、巻き締め性、開缶性、フレーバー性の全てにおいて優れた特性を有し、かつホットベンダー保管やレトルト処理等の加熱用途にも耐える樹脂被覆アルミニウム材を得るためには、本発明に係る樹脂被覆アルミニウム材の要件(下地層として20%以下の有孔率を有し、かつ膜厚が5〜300nmであって、Si,B,P,S,Cから選ばれる1種以上の元素を含有する陽極酸化皮膜を用い、被覆される樹脂フィルムの結晶化率が、一方の面で30%以上であり、他方の面で30%未満である構成)を満たすことが必須であり、表4に示す比較例の評価結果から明らかなように、これらの要件のいずれかが不適正である場合、良好な特性を有する樹脂被覆アルミニウム材を得られないことが分かる。
Figure 2005059471
Figure 2005059471
本発明によれば、樹脂フィルムの下地層としてその有孔率及び膜厚、並びに添加元素(Si,B,P,S,C)を適切に制御された陽極酸化皮膜を用い、かつ基材両面に被覆した樹脂フィルムの結晶化率が各々適切に調整された構成により、優れた密着性、バリア性、フレーバー性等を得ることができ、飲料缶や食缶等の構成材として好適な樹脂被覆アルミニウム材が提供される。特に、本発明に係る樹脂被覆アルミニウム材では、加熱条件下においても良好な密着性が得られるので、ホットベンダー保管やレトルト処理に好適である。
図1は、本発明に係るアルミニウム容器の一例である飲料缶の斜視構成図。
符号の説明
1 飲料缶(アルミニウム容器)
11 缶蓋
12 缶胴
13 タブ
14 スコア加工部

Claims (7)

  1. 表面処理を施されたアルミニウム基材の両面に、熱可塑性樹脂フィルムを被覆した樹脂被覆アルミニウム材であって、
    前記アルミニウム基材の表面に、有孔率20%以下、膜厚5nm以上300nm以下の陽極酸化皮膜が形成され、該陽極酸化皮膜が、Si,B,P,S,Cから選択される1種以上の元素を含有してなり、
    前記アルミニウム基材の一方の面に被覆された熱可塑性樹脂フィルムの結晶化率が30%以上であり、他方の面に被覆された熱可塑性樹脂フィルムの結晶化率が30%未満であることを特徴とする樹脂被覆アルミニウム材。
  2. 前記陽極酸化皮膜に含まれるSi,B,P,S,Cの含有量の合計が、10ppm以上8000ppm以下であることを特徴とする請求項1に記載の樹脂被覆アルミニウム材。
  3. 前記熱可塑性樹脂フィルムと、陽極酸化皮膜との間に、シラン系カップリング剤塗布層が形成されており、該シラン系カップリング剤塗布層におけるシラン系カップリング剤の塗布量が、0.1mg/m以上500mg/m以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載の樹脂被覆アルミニウム材。
  4. 前記熱可塑性樹脂フィルムが、共重合成分の添加により溶融温度を低下させた単層構造、又は溶融温度の異なる複数の樹脂層を積層した複層構造を有していることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の樹脂被覆アルミニウム材。
  5. 請求項1ないし4のいずれか1項に記載の樹脂被覆アルミニウム材の製造方法であって、
    pH8以上のアルカリ性電解液を用いた電解処理により、前記アルミニウム基材の前記陽極酸化皮膜を形成することを特徴とする樹脂被覆アルミニウム材の製造方法。
  6. 請求項1ないし4のいずれか1項に記載の樹脂被覆アルミニウム材を成形加工してなることを特徴とする樹脂被覆缶蓋。
  7. 請求項1ないし4のいずれか1項に記載の樹脂被覆アルミニウム材を成形加工してなる部材を有することを特徴とするアルミニウム容器。
JP2003294332A 2003-08-18 2003-08-18 樹脂被覆アルミニウム材、及びその製造方法、並びに樹脂被覆缶蓋、及びアルミニウム容器 Pending JP2005059471A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003294332A JP2005059471A (ja) 2003-08-18 2003-08-18 樹脂被覆アルミニウム材、及びその製造方法、並びに樹脂被覆缶蓋、及びアルミニウム容器

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003294332A JP2005059471A (ja) 2003-08-18 2003-08-18 樹脂被覆アルミニウム材、及びその製造方法、並びに樹脂被覆缶蓋、及びアルミニウム容器

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2005059471A true JP2005059471A (ja) 2005-03-10

Family

ID=34370932

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2003294332A Pending JP2005059471A (ja) 2003-08-18 2003-08-18 樹脂被覆アルミニウム材、及びその製造方法、並びに樹脂被覆缶蓋、及びアルミニウム容器

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2005059471A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014528029A (ja) * 2011-09-12 2014-10-23 ローレンス リバモア ナショナル セキュリティー, エルエルシー 制御されたレーザ駆動式の爆着の方法及びシステム
CN105874106A (zh) * 2013-10-31 2016-08-17 东洋钢钣株式会社 表面处理钢板的制造方法、表面处理钢板和有机树脂覆盖的金属容器

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014528029A (ja) * 2011-09-12 2014-10-23 ローレンス リバモア ナショナル セキュリティー, エルエルシー 制御されたレーザ駆動式の爆着の方法及びシステム
CN105874106A (zh) * 2013-10-31 2016-08-17 东洋钢钣株式会社 表面处理钢板的制造方法、表面处理钢板和有机树脂覆盖的金属容器
CN105874106B (zh) * 2013-10-31 2018-04-06 东洋钢钣株式会社 表面处理钢板的制造方法、表面处理钢板和有机树脂覆盖的金属容器

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5467719B2 (ja) 表面処理鋼板の製造方法
WO2008123632A1 (ja) 缶用めっき鋼板及びその製造方法
US6099953A (en) Thermoplastic resin-coated aluminum alloy plate, and process and apparatus for producing the same
JP2008296439A (ja) 樹脂被覆アルミニウム合金板及びそれを用いた成形体
JP2007239004A (ja) 缶用めっき鋼板
WO2013099563A1 (ja) ラミネート金属板および食品用缶詰容器
WO2012036202A1 (ja) 容器用鋼板およびその製造方法
FR2692835A1 (fr) Procédé de production d'une tôle métallique stratifiée avec du polyéthylène.
KR20230169412A (ko) 캔 뚜껑 원료를 라미네이트하기 위한 시스템 및 방법
JP4869976B2 (ja) 缶用めっき鋼板及びその製造方法
JP4977875B2 (ja) 容器用樹脂被覆金属板
US6500558B2 (en) Surface-treated aluminum material with superior adhesive properties and production method therefor
JPH01249331A (ja) 加工性に優れたポリエステル樹脂被覆金属板の製造方法
JP4339046B2 (ja) 樹脂被覆アルミニウム材の製造方法
JP2005059471A (ja) 樹脂被覆アルミニウム材、及びその製造方法、並びに樹脂被覆缶蓋、及びアルミニウム容器
FR2650779A1 (fr) Procede de production d'une tole d'acier stratifiee avec un film de resine polyester
JP4233943B2 (ja) 樹脂被覆缶蓋材の製造方法
JP2007030404A (ja) 容器用樹脂被覆金属板
FR2653703A1 (fr) Feuille metallique stratifiee avec un film de resine copolyester et procede pour sa production.
JP5772845B2 (ja) 表面処理鋼板の製造方法
JP2004018906A (ja) 表面処理アルミニウム材、その製造方法、アルミニウム成形体及びアルミニウム缶
JP2010255065A (ja) 表面処理鋼板およびその製造方法
WO2000058087A1 (fr) Tole de metal enduite de resine de polyester, et boite de conserve utilisant cette tole
JP3826450B2 (ja) 製缶加工用フィルム被覆金属板の製造方法及び印刷缶の製造方法
JP2803837B2 (ja) ポリエステル樹脂フィルム積層鋼板の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20060322

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20080902

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20081104

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20090113

A02 Decision of refusal

Effective date: 20090526

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02