JP2005058949A - 生石灰粉末からなる吸湿剤 - Google Patents
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Abstract
【課題】 吸湿速度が速く、かつ吸湿効率が高い吸湿剤を提供すること。
【解決手段】 比表面積が10m2/g以上の消石灰粉末を、300Pa以下の圧力下、325〜500℃の温度にて1時間以上焼成して製造した生石灰粉末からなる吸湿剤。
【選択図】 なし
【解決手段】 比表面積が10m2/g以上の消石灰粉末を、300Pa以下の圧力下、325〜500℃の温度にて1時間以上焼成して製造した生石灰粉末からなる吸湿剤。
【選択図】 なし
Description
本発明は、生石灰粉末からなる吸湿剤に関するものである。
生石灰粉末(酸化カルシウム粉末)は、従来より、吸湿剤、脱水剤、塩基性炉材、セメント材料などに利用されている。特に、最近では、有機ELディスプレイなどの電子機器用の吸湿剤として利用することが検討されている。例えば、非特許文献1には、有機ELディスプレイ用の吸湿剤として、PTFE樹脂と生石灰粉末との混合物をシート状に成形した吸湿性シート(水分ゲッター)が開示されている。この非特許文献では、生石灰粉末の吸湿速度を上げるためには、生石灰粉末の比表面積を大きくすることが有効であると記載されている。
比表面積の大きい生石灰粉末を製造する方法としては、炭酸カルシウム粉末あるいは消石灰粉末(水酸化カルシウム粉末)を真空下で焼成する方法が知られている。例えば、非特許文献2には、消石灰粉末を真空下にて300〜390℃の温度で焼成して製造した比表面積が110〜133m2/gの生石灰粉末が記載されている。
月刊ディスプレイ、2002年、第10月号、第78〜81頁
ジャーナル・オブ・ジ・アメリカン・セラミック・ソサエティ(J.Am.Ceramic Soc.)、第64巻、第2号、第74〜80頁
吸湿剤として用いる生石灰粉末は、上記のように吸湿速度が速いことが望まれる。一方、有機ELディスプレイなどの電子機器では、その内部の吸湿剤の設置スペースが一般に狭いため、その吸湿剤として用いる生石灰粉末は吸湿速度のみではなく、吸湿効率が高い、すなわち単位量当たりの吸湿量が多いことも必要となる。
従って、本発明の目的は、吸湿剤として有用な湿吸速度が速く、かつ吸湿効率の高い生石灰粉末を提供することにある。
従って、本発明の目的は、吸湿剤として有用な湿吸速度が速く、かつ吸湿効率の高い生石灰粉末を提供することにある。
本発明者は、特定の比表面積を有する消石灰粉末を特定の圧力下にて焼成して製造した生石灰粉末は、吸湿速度が速く、かつ高い吸湿効率を示すことを見出して、本発明に到達した。
従って、本発明は、比表面積が10m2/g以上の消石灰粉末を、300Pa以下の圧力下、325〜500℃の温度にて1時間以上焼成して製造した生石灰粉末からなる吸湿剤にある。
本発明の好ましい態様を下記に示す。
(1)消石灰粉末の比表面積が15〜60m2/gの範囲にある。
(2)圧力が1〜200Paの範囲にある。
(3)温度25℃、相対湿度42%RHの雰囲気下に1時間放置したときの水和率が95質量%以上である。
(1)消石灰粉末の比表面積が15〜60m2/gの範囲にある。
(2)圧力が1〜200Paの範囲にある。
(3)温度25℃、相対湿度42%RHの雰囲気下に1時間放置したときの水和率が95質量%以上である。
比表面積が10m2/g以上の消石灰粉末を、300Pa以下の圧力下、325〜500℃の温度にて1時間以上焼成して製造した生石灰粉末は、吸湿速度が速く、かつ吸湿効率も大きい。従って、この生石灰粉末は、特に有機ELディスプレイ用の吸湿剤として有利に使用することができる。
本発明において生石灰粉末の製造原料として用いる消石灰粉末は、比表面積が10m2/g以上であり、好ましくは15〜60m2/gの範囲、さらに好ましくは40〜60m2/gの範囲にある。消石灰粉末の純度は、95質量%以上であることが好ましく、97質量%以上であることがより好ましい。消石灰粉末の炭酸カルシウムの含有量は5質量%以下であることが好ましく、3質量%以下であることがより好ましく、2質量%以下であることが特に好ましい。
本発明では、上記の消石灰粉末を300Pa以下、好ましくは1〜200Paの範囲、より好ましくは1〜150Paの範囲の圧力下にて焼成することによって生石灰粉末を製造する。消石灰粉末の焼成温度は325〜500℃の範囲、好ましくは400〜500℃の範囲である。消石灰粉末の焼成時間は1時間以上、好ましくは20時間以下である。
以上のようにして製造した本発明の生石灰粉末は、吸湿速度が極めて速く、空気中に放置すると水和が速やかに進行するため、その比表面積を測定することは困難である。なお、本発明の生石灰粉末を、温度25℃、相対湿度42%RHの雰囲気下に1時間放置したときの水和率は、通常、95質量%以上であり、そのほとんどが水和する。
本発明の生石灰粉末は、そのまま粉末の状態で吸湿剤として利用することができる。また、生石灰粉末を樹脂と混合し、この混合物をシート状、ペレット状、板状、フィルム状に形成して吸湿剤として利用することもできる。樹脂には、ポリオレフィン樹脂、ポリアクリル樹脂、ポリアクリトニトリル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ポリカーボネート樹脂、フッ素樹脂を用いることができる。
[実施例1]
比表面積が16.1m2/gの消石灰粉末(純度:98.21質量%、炭酸カルシウムの含有量:1.20質量%)を管状炉に入れ、真空ポンプを用いて管状炉内の圧力を1×102Paとした後、425℃の温度にて6時間焼成して、生石灰粉末を製造した。
比表面積が16.1m2/gの消石灰粉末(純度:98.21質量%、炭酸カルシウムの含有量:1.20質量%)を管状炉に入れ、真空ポンプを用いて管状炉内の圧力を1×102Paとした後、425℃の温度にて6時間焼成して、生石灰粉末を製造した。
[実施例2]
実施例1において、消石灰粉末に比表面積が49.4m2/gの消石灰粉末(純度:96.75質量%、炭酸カルシウムの含有量:1.68質量%)を用いる以外は、実施例1と同じ操作を行なって生石灰粉末を製造した。
実施例1において、消石灰粉末に比表面積が49.4m2/gの消石灰粉末(純度:96.75質量%、炭酸カルシウムの含有量:1.68質量%)を用いる以外は、実施例1と同じ操作を行なって生石灰粉末を製造した。
[比較例1]
実施例1において、管状炉内の圧力を6×102Paとした以外は、実施例1と同じ操作を行なって生石灰粉末を製造した。
実施例1において、管状炉内の圧力を6×102Paとした以外は、実施例1と同じ操作を行なって生石灰粉末を製造した。
[比較例2]
実施例1において、管状炉内の圧力を4×104Paとした以外は、実施例1と同じ操作を行なって生石灰粉末を製造した。
実施例1において、管状炉内の圧力を4×104Paとした以外は、実施例1と同じ操作を行なって生石灰粉末を製造した。
[比較例3]
実施例1において、管状炉内の圧力を1×105Paとした以外は、実施例1と同じ操作を行なって生石灰粉末を製造した。
実施例1において、管状炉内の圧力を1×105Paとした以外は、実施例1と同じ操作を行なって生石灰粉末を製造した。
[吸湿性の評価]
実施例1、2及び比較例1〜3にて製造した生石灰粉末の吸湿性を、次の方法により評価した。
試料の生石灰粉末0.1gを、温度25℃、相対湿度42%RH(調湿剤:塩化マグネシウム・六水和物)に調整したグローブボックスに入れ、所定時間毎に生石灰粉末の重量を測定し、下記の式(1)により水和率を算出した。その結果を図1に示す。
式(1):
水和率(質量%)={生石灰粉末の重量(g)−0.1(g)}/0.0321(g)×100
[但し、0.0321(g)は、0.1gの生石灰粉末が完全に水和したと仮定した時の重量増加量である。]
実施例1、2及び比較例1〜3にて製造した生石灰粉末の吸湿性を、次の方法により評価した。
試料の生石灰粉末0.1gを、温度25℃、相対湿度42%RH(調湿剤:塩化マグネシウム・六水和物)に調整したグローブボックスに入れ、所定時間毎に生石灰粉末の重量を測定し、下記の式(1)により水和率を算出した。その結果を図1に示す。
式(1):
水和率(質量%)={生石灰粉末の重量(g)−0.1(g)}/0.0321(g)×100
[但し、0.0321(g)は、0.1gの生石灰粉末が完全に水和したと仮定した時の重量増加量である。]
図1において、横軸は、生石灰粉末をグローブボックスに入れてからの経過時間を表し、縦軸は、生石灰粉末の水和率を表す。図1の結果から、1×102Paの圧力下にて製造した生石灰粉末(実施例1、2)は、6×102Pa以上の圧力下にて製造した生石灰粉末(比較例1〜3)と比べて吸湿速度が速いことが分かる。また、比表面積が49.4m2/gの消石灰粉末から製造した生石灰粉末(実施例2)は、約40分で水和率がほぼ100質量%に達しており、比表面積が16.1m2/gの消石灰粉末から製造した生石灰粉末(実施例1)と比べて、その吸湿速度が速いことが分かる。なお、実施例1及び実施例2にて製造した生石灰粉末は、純度が100質量%以下であるにもかかわらず、その水和率がほぼ理論値に達しているのは、生石灰粉末の重量増加量に生成した消石灰粉末の物理的な水分付着量が含まれているためであると考えられる。
本発明の吸湿剤は、少ない量でも長期期間にわたって高い吸湿性を示すことから、例えば、有機ELディスプレイなどの吸湿剤の設置スペースの狭い電子機器に有利に使用することができる。
Claims (4)
- 比表面積が10m2/g以上の消石灰粉末を、300Pa以下の圧力下、325〜500℃の温度にて1時間以上焼成して製造した生石灰粉末からなる吸湿剤。
- 消石灰粉末の比表面積が15〜60m2/gの範囲にある請求項1に記載の吸湿剤。
- 圧力が1〜200Paの範囲にある請求項1に記載の吸湿剤。
- 温度25℃、相対湿度42%RHの雰囲気下に1時間放置したときの水和率が95質量%以上である請求項1に記載の吸湿剤。
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JP2003294585A JP2005058949A (ja) | 2003-08-18 | 2003-08-18 | 生石灰粉末からなる吸湿剤 |
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Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006169062A (ja) * | 2004-12-17 | 2006-06-29 | Ube Material Industries Ltd | 酸化カルシウム含有多孔質粒状物 |
JP2008001534A (ja) * | 2006-06-20 | 2008-01-10 | Ube Material Industries Ltd | 酸化カルシウム粉末及びその製造方法 |
KR101511371B1 (ko) | 2013-10-25 | 2015-04-09 | 군산대학교산학협력단 | 굴패각을 이용한 공조 시스템 및 공조 방법 |
KR101758704B1 (ko) * | 2016-09-27 | 2017-07-18 | 김경열 | 천연 황성분의 항균기능을 갖춘 비가역적 흡습제 및 그 제조방법 |
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2003
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