JP2005058099A - 果実圃場の鳥類撃退装置 - Google Patents

Abstract

【課題】 本発明は果実圃場１等の果実を烏等の害鳥類の突きから守るため害鳥追払装置を得ることを目的とする。
【解決手段】 果実圃場１の外郭線２に沿ってほぼ等間隔に柵柱３を立設し、これらの柵柱３を経緯線条４，４’で接続して上記圃場１の上方水準に経緯交差線条４，４’を張設し、上記外郭線２附近に立設した竹竿６の上端部から、上記経緯交差線条４，４’の複数位置を潜って複数の動作線条５を上記柵柱３に接続し、上記竹竿６の繰返し擺動によって上記動作線条５を緊張させて、該動作線条５及び経緯交差線条４，４’の急激緊張音を発生させることを特徴とする果実圃場の鳥類撃退装置。
【選択図】 図１

Description

本発明は果実に嘴で穴をあける鳥類の撃退に関する技術である。

従来、畠（圃場）に実った西瓜等の果実を鳥類特に烏が嘴で突き、穴をあけるため果実は全滅した。

これを避けるため害鳥撃退装置が開発され、烏が天敵や罠に捕獲された時に発生するけたたましい悲鳴（デイストレスコール）を予め録音して烏を追払うものであった（例えば特許文献１）。

又各種猛禽類を模した模型で烏を威嚇する装置が開発された（例えば特許文献２）。

しかし上記悲鳴による追払い装置や模型威嚇装置は効果狭小であり、かつ再度飛来する確立が高いという問題があった。

特開平６−３４３３７８号公報 特開平１１−２６２３５３号公報

本発明は広範囲例えば１〜６反（３００〜１８００坪）に亘る西瓜畠等の圃場や果樹園等に烏等の害鳥を近づけることのない自衛装置を得ることを目的とする。

上記の目的を達成するため本発明は
第１に果実圃場の外郭線に沿ってほぼ等間隔に柵柱を立設し、これらの柵柱を経緯線条で接続して上記圃場の上方水準に経緯交差線条を張設し、上記外郭線附近に立設した竹竿の上端部から、上記経緯交差線条の複数位置を潜って複数の動作線条を上記柵柱に接続し、上記竹竿の繰返し擺動によって上記動作線条を緊張させて、該動作線条及び経緯交差線条の急激緊張音を発生させることを特徴とする果実圃場の鳥類撃退装置、
第２に地面に機枠を支持し、機枠の頂部に水平軸によって枢支した竹竿保持杆を垂下し、該杆に保持した竹竿を発条の力でほぼ直立状態に支持し、該保持杆の下端に設けた横腕の先端に２股案内杆を垂設し、上記案内杆の直下に無端回動チエンの上側水平移行部を配置し、該無端チエンの外側に突設した軸受金具の両側に上記２股案内杆に接するローラを遊支し、上記チエンの回動によって該ローラで２股案内杆を竹竿保持杆側に押圧して上記発条に抗して該保持杆及び竹竿を傾斜させ、上記無端チエンの終端部で上記ローラが２股案内杆から離れることにより、上記発条の力で上記保持杆及び竹竿を直立側に復元する動作を繰返して竹竿を擺動させることを特徴とする果実圃場の鳥類撃退装置、
第３に経条がテグス又は釣糸等であり、果実圃場が果樹園である上記第１発明記載の果実圃場の鳥類撃退装置、
第４に竹竿保持杆の中程と竹竿傾斜側機枠との間に弾性ゴムを介在し、該保持杆の上記傾斜によって該弾性ゴムを牽引する上記第２発明記載の果実圃場の鳥類撃退装置、
によって構成される。

従って烏等の害鳥が経緯交差線条の目を通過して果実圃場又は果樹園内に飛来すると、繰返し擺動する竹竿によって上記動作線条を急激緊張させ、
それによって経緯交差線条を緊張させるため、これらの共動緊張による急振動音即ち「シュッ」又は「ヒュー」と言う刺激音を圃場全域に発生する。

地面に降りている上記害鳥は勿論上記交差線条の上空又は近辺にいる害鳥は上記刺激音によって驚いて圃場全域から飛散する。

本発明は上述のように構成したので広範囲に亘って果実圃場や果樹園内に烏等の害鳥の飛来を防ぎ、果実を防衛することができる。

１〜６反に亘る広い西瓜等の果実圃場１又は柿、梨、リンゴ等の果実圃場（果樹園）の外郭線２（図１では方形外郭線２であるが、必ずしも方形である必要はなく、法面を少なくとも一辺とする外郭線であっても差支えない）に沿って約５ｍ間隔毎に高さ約２ｍの竹による柵柱３を立設する。

図１では柵柱３，３の上端にテグス又は釣糸等による経緯の線条４，４’の両端を結線し、地面７又は畝の上方約２ｍ水準位置に該線条４，４’を経緯に網状又は碁盤目状に張設する。

上記外郭線２の附近に２段台形機枠８を地面７に立設し脚足の透孔からアンカー１８を地面７に打込んで上記機枠８を地面７に固定する。

上段台形機枠８’は両側方形傾斜枠１９，１９の上下端を中央及び両側水平枠１９’，１９”で接続して頂部及び底部に長方形枠２０，２１を形成し、頂部長方形枠２０の中央上面に台形軸受板２２，２２を設ける（図３）。

下段台形機枠８”は上記底部の長方形枠２１の両側水平枠２３，２３の中央部に両側の傾斜脚２４，２４の上端を溶着固定し、該脚２４，２４の下端に上記脚足２４’を溶着してなる。

上記台形軸受板２２，２２の間にアングル形鋼による竹竿保持杆１０を挿入垂下し、該保持杆１０の上部に固定した水平軸９を上記軸受板２２，２２に穿設した水平透孔９’，９’に遊動自在に軸支し、該保持杆１０の本体を下方に揺動自在に垂下する。

上記保持杆１０の下端には一側に向う横腕１２の基端を溶着固定し、その先端に２股案内杆１３，１３を垂設固定する。

上記保持杆１０はアングル形鋼（Ｌ形鋼）であるため竹竿６の下端部をＬ形鋼内に嵌合し、Ｕ形ボルト５’で該下端部の外側を支持し、該Ｕ形ボルト５’をＬ形鋼（竹竿保持杆１０）の両側に穿設したボルト孔に挿入しナットで締付けて長さ約５ｍの竹竿６の下端部を竹竿保持杆１０に固定する。

下段の中央水平枠１９’，１９’には支持板を設け、該支持板２５，２５に大小のスプロケット２６，２７を軸支し、両スプロケット２６，２７に無端チエン１４を掛回し、小スプロケット２７の支軸２７’に設けた従動歯車と直流駆動電動機の出力軸に設け駆動歯車とを噛合させて減速モータ２８を形成して小スプロケット２７を回動し、無端チエン１４及び大スプロケット２６を矢印ａの方向に緩速回動することができる。

電源は農家用軽トラック等のエンジン用バッテリーであって上記下段中央水平枠１９’に設けた収容函２９内に収容される。

上記無端チエン１４の上側移行部１４’は水平に保持され、該上側水平移行部１４’は上記２股案内杆１３の直下に、かつ上記２股案内杆１３の揺動面内に揺動幅に亘って設けられ、
上側移行部１４’には２個の軸受金具１５，１５をチエン１４の外側に等間隔に設け、該軸受金具１５の両側に上記２股案内杆１３，１３にそれぞれ接する押圧ローラ１６，１６を軸支し、該ローラによって該案内杆を押圧して竹竿を図５（ロ）図実線位置から仮想線位置に傾斜させる。

上記無端チエン１４の回動により、押圧ローラ１６，１６で上記案内杆１３，１３を押圧して竹竿保持杆１０をその上部の水平軸９を中心に傾斜し、竹竿６を圃場側に傾斜し、
上記押圧ローラ１６，１６が上記案内杆１３，１３から外れることにより、上記発条１１及び弾性ゴム１７の力により、上記保持杆１０及び竹竿６を直立位置に戻し、ストッパ３０（図５（ロ）図）により直立位置に停止し竹竿６は振動する。

上記無端チエン１４が１回動すると上記２組の押圧ローラ１６，１６が上記案内杆１３，１３を押圧分離して上記保持杆１０は２回擺動し、竹竿６は２回揺動する。

竹竿６の上記１回毎の傾斜・直立擺動によって複数の上記動作線条５が緊張し、該緊張によって経緯交差線条４，４’が同時に緊張し、ヒューという緊張音が全圃場１に鳴動するから地面７又は畝に降りて果実を突く烏等の鳥類は驚いて経緯交差線条４，４’の間から上空に飛散する。

飛散に際し、緊張した経緯交差線条４，４’に引掛って羽根を痛める烏も多く、命からがら上空に飛散した烏は恐怖で二度と圃場１に寄り付かないことになる。

上記直流減速モーター２８は上記中央水平枠１９’に設けた収容函２９に収容した１個又は２個の上記バッテリーを電源とし、該バッテリーは農家用軽トラックに用いられるバッテリーである。

竹竿６及びその保持杆１０は図４（イ）図に示す直立状態となるように上段台形機枠８’の上部中央水平枠１９’に竹竿保持杆１０のストッパ３０を固定し（図５（ロ）図）、該保持杆１０の垂直衝撃停止時に竹竿６の上部を振動させ、振動音により烏を威嚇し、追払うことができる。

尚図２中３１で示すものは上記減速モーター２８のスイッチボックスである。

本発明は園芸による果実が烏等の鳥類から突かれて損傷する被害を防止することができるし、電源には農家用の軽トラックの小形バッテリーを利用し得るため大規模な設備を要せず小形バッテリーを利用し得て簡便に広範囲の圃場に利用することができる。

本発明の撃退装置を備えた果実圃場の斜視図である。 機枠及び竹竿を示す正面図である。 図２の分解斜視図である。 （イ）図は機台及び直立竹竿の正面図、（ロ）図は機台及び傾斜竹竿の正面図である。 （イ）図は竹竿保持杆、竹竿及び無端チエンの拡大側面図、（ロ）図は（イ）図の正面図である。

符号の説明

１ 果実圃場
２ 外郭線
３ 柵柱
４，４’ 経緯交差線条
５ 動作線条
６ 竹竿
７ 地面
８ 機枠
９ 水平軸
１０ 竹竿保持杆
１１ 発条
１２ 横腕
１３ ２股案内杆
１４ 無端回動チエン
１４’ 上側水平移行部
１５ 軸受金具
１６ ローラ
１７ 弾性ゴム

Claims (4)

1. 果実圃場の外郭線に沿ってほぼ等間隔に柵柱を立設し、これらの柵柱を経緯線条で接続して上記圃場の上方水準に経緯交差線条を張設し、
   上記外郭線附近に立設した竹竿の上端部から、上記経緯交差線条の複数位置を潜って複数の動作線条を上記柵柱に接続し、
   上記竹竿の繰返し擺動によって上記動作線条を緊張させて、該動作線条及び経緯交差線条の急激緊張音を発生させることを特徴とする果実圃場の鳥類撃退装置。
2. 地面に機枠を支持し、機枠の頂部に水平軸によって枢支した竹竿保持杆を垂下し、該杆に保持した竹竿を発条の力でほぼ直立状態に支持し、該保持杆の下端に設けた横腕の先端に２股案内杆を垂設し、
   上記案内杆の直下に無端回動チエンの上側水平移行部を配置し、該無端チエンの外側に突設した軸受金具の両側に上記２股案内杆に接するローラを遊支し、上記チエンの回動によって該ローラで２股案内杆を竹竿保持杆側に押圧して上記発条に抗して該保持杆及び竹竿を傾斜させ、上記無端チエンの終端部で上記ローラが２股案内杆から離れることにより、上記発条の力で上記保持杆及び竹竿を直立側に復元する動作を繰返して竹竿を擺動させることを特徴とする果実圃場の鳥類撃退装置。
3. 経条がテグス又は釣糸等であり、果実圃場が果樹園である請求項１記載の果実圃場の鳥類撃退装置。
4. 竹竿保持杆の中程と竹竿傾斜側機枠との間に弾性ゴムを介在し、該保持杆の上記傾斜によって該弾性ゴムを牽引する請求項２記載の果実圃場の鳥類撃退装置。

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