JP2005056617A - アダプタ - Google Patents
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Abstract
【課題】構造を複雑化させることなく中央コンタクトピンの折れ曲がりを防止することが可能なアダプタを提供する。
【解決手段】このアダプタ10では、樹脂製ケース1と、筒状の外側コンタクト部2と、樹脂製ケース1の表面から筒状の外側コンタクト部2の中心部に直立するように設けられた中央コンタクトピン3とを備えたアダプタ10において、筒状の外側コンタクト部2の内部に、絶縁性材料からなるとともに、中央コンタクトピン3を保護するためのピン保護部材4をさらに備える。ピン保護部材4は、ピン保護部材4が縮む際に中央コンタクトピン3を逃がす穴部4bを有する天面部4aと、天面部4aと一体的に形成され、伸縮可能で、かつ、バネ性を有する筒状の蛇腹状側面部4cと、蛇腹状側面部4cに一体的に設けられた抜け止め部4dとを含む。
【選択図】図4
【解決手段】このアダプタ10では、樹脂製ケース1と、筒状の外側コンタクト部2と、樹脂製ケース1の表面から筒状の外側コンタクト部2の中心部に直立するように設けられた中央コンタクトピン3とを備えたアダプタ10において、筒状の外側コンタクト部2の内部に、絶縁性材料からなるとともに、中央コンタクトピン3を保護するためのピン保護部材4をさらに備える。ピン保護部材4は、ピン保護部材4が縮む際に中央コンタクトピン3を逃がす穴部4bを有する天面部4aと、天面部4aと一体的に形成され、伸縮可能で、かつ、バネ性を有する筒状の蛇腹状側面部4cと、蛇腹状側面部4cに一体的に設けられた抜け止め部4dとを含む。
【選択図】図4
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、アダプタに関し、特に、相手方コネクタの内側端子に挿入される中央コンタクトピンを備えたアダプタに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、相手方コネクタの内側端子に挿入される中央コンタクトピンを備えたマッチングアダプタなどのアダプタが知られている。
【0003】
図11は、従来のアダプタの一例を示した斜視図である。図12は、図11に示した従来の一例によるアダプタの接続部分の部分断面図である。図13は、図11に示した従来の一例によるアダプタと接続するチューナパックを示した斜視図である。図14は、図12に示した従来の一例によるアダプタの接続部分に、チューナパックのコネクタ部を接続した状態を示した部分断面図である。図11〜図14を参照して、まず、従来の一例によるアダプタ100の構造について説明する。
【0004】
従来のアダプタ100は、図11に示すように、樹脂製ケース101と、樹脂製ケース101の表面から突出するように設けられた金属製で筒状の外側コンタクト部102と、樹脂製ケース101の表面から筒状の外側コンタクト部102の中心部に直立するように設けられた金属製の中央コンタクトピン103とを備えている。樹脂製ケース101は、図11および図12に示すように、表面に環状に突出した基礎部101aを含んでいる。また、外側コンタクト部102の筒状の周面には、図11に示すように、軸線と平行に延びる切り欠き部102aが設けられている。また、外側コンタクト部102は、図12に示すように、樹脂製ケース101の基礎部101aの内側から突出するように設けられている。また、中央コンタクトピン103は、筒状の外側コンタクト部102の中心部から突出するとともに、外側コンタクト部102の上面よりも若干低い高さを有する。また、中央コンタクトピン103は、外側コンタクト部102と合わせて1対の端子の機能を有する。
【0005】
また、従来のアダプタ100は、図13に示すようなチューナパック150と接続される。このチューナパック150は、図13に示すように、本体部151と、アダプタ100と接続する部分であるコネクタ部152とを備えている。コネクタ部152は、図14に示すように、コネクタ部152の外周面を構成する外側端子152aと、内側端子152bと、絶縁部材152cと、穴部152dとを含んでいる。外側端子152aは、ネジ形状を有している。また、外側端子152aは、アダプタ100との接続時には、アダプタ100の外側コンタクト部102に嵌め込まれるとともに、外側コンタクト部102の内面と電気的な接触点を有する。また、内側端子152bは、コネクタ部152の内部に設けられており、接続時には、アダプタ100の中央コンタクトピン103と電気的な接触点を有する。また、絶縁部材152cは、コネクタ部152の端面に設けられている。この絶縁部材152cは、アダプタ100の中央コンタクトピン103とコネクタ部152の外側端子152aとの短絡を防止する機能を有する。また、穴部152dは、図13および図14に示すように、絶縁部材152cの中心部に設けられている。この穴部152dは、アダプタ100の中央コンタクトピン103をコネクタ部152の内部の内側端子152bに接続するための挿入部となっている。
【0006】
また、従来の他の例として、コンセントやプラグ、コネクタなどを保護する部材を設けた構造が提案されている(たとえば、特許文献1、2および3参照)。
【0007】
上記特許文献1には、雄端子を有するコンセントの周囲をその軸線方向に伸縮可能な保護部材としてのコンセントカバーで覆うとともに、雌端子を有するソケットとの接続時には、そのコンセントカバーにより隙間を外部から遮断するコンセントが開示されている。
【0008】
また、上記特許文献2には、外側筒状部材の内側に、先端にコイルスプリング用係止部を形成した保護部材としての内側筒状部材を進退自在に配置し、コイルスプリングが延びた状態で端子部の先端が内側筒状部材に埋没状態となる丸形プラグが開示されている。
【0009】
また、上記特許文献3には、相手方コネクタが挿入されるフード部内に突出したピン状のターミナルを設け、ターミナル貫通孔を備えた保護部材としての蓋板をフード部内にコイルスプリングの復元力により移動可能に設けたコネクタが開示されている。この特許文献3に開示されたコネクタでは、相手方コネクタが接続されていない時に、保護部材としての蓋板が、フード部の開口端側からピン状のターミナルを覆うことにより保護する。
【0010】
【特許文献1】
特開2000−12150号公報
【特許文献2】
特開平11−297399号公報
【特許文献3】
特開平6−290826号公報
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、図11〜図14に示した従来のアダプタ100では、図15に示すように、筒状の外側コンタクト部102の中心部に設けられた中央コンタクトピン103は、細いので曲がりやすいという不都合があった。そして、図15に示した状態から、図16に示すように、アダプタ100とチューナパック150のコネクタ部152とを接続するために、外側コンタクト部102の内径部分とコネクタ部152の外径部分とを合わせると、中央コンタクトピン103の先端部がコネクタ部152の穴部152dの位置よりも外側にずれる場合があった。この場合、コネクタ部152の端面を中央コンタクトピン103が曲がった状態で無理に押し込むと、図17に示すように、中央コンタクトピン103の折れ曲がりが生じるという問題点があった。
【0012】
また、上記特許文献1に開示されたコンセントの構造では、コンセントをソケットに差し込んでいない状態(コンセントの非接続状態)では、コンセントの雄端子はコンセントカバーにより保護されていないため、コンセントの非接続状態では、コンセントの雄端子が曲がりやすいという問題点がある。このため、上記特許文献1に開示されたコンセントの構造では、図11〜図17に示した従来のアダプタ100の構造と同様、端子の折れ曲がり防止機能を持たせることが困難であるという問題点がある。
【0013】
また、上記特許文献2に開示された丸形プラグの構造では、端子を保護するための機構として、端子の保護部材としての内側筒状部材とその内側筒状部材を伸縮させるためのコイルスプリングとの2つの部品が余分に必要であるため、構造が複雑になるという問題点がある。
【0014】
また、上記特許文献3に開示されたコネクタの構造では、端子を保護するための機構として、端子の保護部材としての蓋板とその蓋板を伸縮させるためのコイルスプリングとの少なくとも2つの部品が余分に必要であるため、上記特許文献2と同様、構造が複雑になるという問題点がある。
【0015】
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、この発明の1つの目的は、構造を複雑化させることなく中央コンタクトピンの折れ曲がりを防止することが可能なアダプタを提供することである。
【0016】
【課題を解決するための手段および発明の効果】
上記目的を達成するために、この発明の第1の局面におけるアダプタでは、樹脂製ケースと、樹脂製ケースの表面から突出するように設けられ、相手方コネクタの外側端子を覆うように嵌め込まれる筒状の外側コンタクト部と、樹脂製ケースの表面から筒状の外側コンタクト部の中心部に直立するように設けられ、相手方コネクタの内側端子に挿入される中央コンタクトピンとを備えたアダプタにおいて、筒状の外側コンタクト部の内部に、中央コンタクトピンの直立する方向に伸縮可能でかつ中央コンタクトピンの直立する方向と直交する方向の移動が実質的に抑制された状態で収納され、絶縁性材料からなるとともに、中央コンタクトピンを保護するためのピン保護部材をさらに備え、ピン保護部材は、ピン保護部材が伸縮する際に、中央コンタクトピンを、中央コンタクトピンの直立する方向に相対移動可能に逃がすとともに、中央コンタクトピンが中央コンタクトピンの直立する方向と直交する方向に移動するのを抑制するための穴部を有する天面部と、天面部と一体的に形成され、伸縮可能で、かつ、バネ性を有する筒状の蛇腹状側面部と、蛇腹状側面部に一体的に設けられ、外側コンタクト部の内径よりも大きい部分を有する抜け止め部とを含む。
【0017】
この発明の第1の局面におけるアダプタでは、上記のように、筒状の外側コンタクト部の内部に、絶縁性材料からなるとともに、中央コンタクトピンを保護するためのピン保護部材を設けることによって、相手方コネクタが接続されていない時に、外部から中央コンタクトピンに触れることがないように中央コンタクトピンを保護することができる。これにより、中央コンタクトピンの折れ曲がりを防止することができる。また、1つのピン保護部材に、中央コンタクトピンの保護機能とバネの機能との両方の機能を持たせることができるので、別々に設けられた保護部材とバネ部材とにより中央コンタクトピンを保護する場合と比較して、部品点数を削減することができる。これにより、構造を複雑化させることなく、中央コンタクトピンの折れ曲がりを防止することができる。また、ピン保護部材を、中央コンタクトピンの直立する方向に伸縮可能で、かつ、バネ性を有する筒状の蛇腹状側面部を含むように構成することによって、その蛇腹状側面部により、相手方コネクタが接続される際には、ピン保護部材を縮ませて中央コンタクトピンを相手方コネクタの内側端子に挿入することができる。また、相手方コネクタが取り外される際には、蛇腹状側面部のバネ性による復元力によりピン保護部材を伸ばして中央コンタクトピンを保護することができる。これにより、中央コンタクトピンを保護しながら、相手方コネクタとの接続を行うことができる。また、ピン保護部材を、筒状の外側コンタクト部の内部に、中央コンタクトピンの直立する方向と直交する方向の移動が実質的に抑制された状態で収納し、かつ、ピン保護部材に、ピン保護部材が伸縮する際に中央コンタクトピンを中央コンタクトピンの直立する方向に相対移動可能に逃がすとともに、中央コンタクトピンが中央コンタクトピンの直立する方向と直交する方向に移動するのを抑制するための穴部を有する天面部を設けることによって、天面部の穴部は、ピン保護部材の伸縮時に、中央コンタクトピンの直立する方向と直交する方向の移動が抑制された状態で、中央コンタクトピンの直立する方向に移動するので、天面部の穴部は、ピン保護部材の伸縮時に、中央コンタクトピンのガイドとして機能する。これにより、ピン保護部材の伸縮時に、中央コンタクトピンが所定の角度以上に曲がるのを抑制することができる。
【0018】
また、第1の局面では、蛇腹状側面部に、蛇腹状側面部と一体的に設けられ、外側コンタクト部の内径よりも大きい部分を有する抜け止め部を設けることによって、抜け止め部と外側コンタクト部の内面との間に、摩擦力による抜け止め効果を得ることができる。これにより、アダプタを相手方コネクタに接続する際および相手方コネクタから取り外す際に、アダプタの外側コンタクト部の内側から、ピン保護部材が脱落するのを防止することができる。また、上記した蛇腹状側面部と天面部と抜け止め部とを一体的に設けることによって、部品点数が増加するのを抑制することができるので、抜け止め部を設けたとしても、構造が複雑化することがない。
【0019】
この発明の第2の局面におけるアダプタでは、樹脂製ケースと、樹脂製ケースの表面から突出するように設けられ、相手方コネクタの外側端子を覆うように嵌め込まれる筒状の外側コンタクト部と、樹脂製ケースの表面から筒状の外側コンタクト部の中心部に直立するように設けられ、相手方コネクタの内側端子に挿入される中央コンタクトピンと、筒状の外側コンタクト部の内部に、中央コンタクトピンの直立する方向に伸縮可能でかつ中央コンタクトピンの直立する方向と直交する方向の移動が実質的に抑制された状態で収納され、絶縁性材料からなるとともに、バネ性を有する伸縮部を含み、中央コンタクトピンを保護するためのピン保護部材とを備える。
【0020】
この発明の第2の局面におけるアダプタでは、上記のように、筒状の外側コンタクト部の内部に、絶縁性材料からなるとともに、中央コンタクトピンを保護するためのピン保護部材を設けることによって、相手方コネクタが接続されていない時に、外部から中央コンタクトピンに触れることがないように中央コンタクトピンを保護することができる。これにより、中央コンタクトピンの折れ曲がりを防止することができる。また、1つのピン保護部材に、中央コンタクトピンの保護機能とバネの機能との両方の機能を持たせることができるので、別々に設けられた保護部材とバネ部材とにより中央コンタクトピンを保護する場合と比較して、部品点数を削減することができる。これにより、構造を複雑化させることなく、中央コンタクトピンの折れ曲がりを防止することができる。また、ピン保護部材を、中央コンタクトピンの直立する方向に伸縮可能で、かつ、バネ性を有する伸縮部を含むように構成することによって、その伸縮部により、相手方コネクタが接続される際には、ピン保護部材を縮ませて中央コンタクトピンを相手方コネクタの内側端子に挿入することができる。また、相手方コネクタが取り外される際には、伸縮部のバネ性による復元力によりピン保護部材を伸ばして中央コンタクトピンを保護することができる。これにより、中央コンタクトピンを保護しながら、相手方コネクタとの接続を行うことができる。
【0021】
上記第2の局面によるアダプタにおいて、好ましくは、ピン保護部材の伸縮部は、伸縮可能で、かつ、バネ性を有する蛇腹状側面部を含む。このように構成すれば、伸縮部の蛇腹部分により、ピン保護部材の伸縮をより容易にすることができる。これにより、アダプタの相手方コネクタに対する接続および相手方コネクタからの取り外しをより容易に行うことができる。
【0022】
上記第2の局面によるアダプタにおいて、好ましくは、ピン保護部材は、伸縮する際に、中央コンタクトピンを、中央コンタクトピンの直立する方向に相対移動可能に逃がすとともに、中央コンタクトピンが中央コンタクトピンの直立する方向と直交する方向に移動するのを抑制するための穴部を有する天面部を含む。このように構成すれば、天面部の穴部は、ピン保護部材の伸縮時に、中央コンタクトピンの直立する方向と直交する方向の移動が抑制された状態で、中央コンタクトピンの直立する方向に移動するので、天面部の穴部は、ピン保護部材の伸縮時に、中央コンタクトピンのガイドとして機能する。これにより、ピン保護部材の伸縮時に、中央コンタクトピンが所定の角度以上に曲がるのを抑制することができる。
【0023】
上記第2の局面によるアダプタにおいて、好ましくは、ピン保護部材は、外側コンタクト部の内径よりも大きい部分を有する抜け止め部を含む。このように構成すれば、抜け止め部と外側コンタクト部の内面との間に、摩擦力による抜け止め効果を得ることができる。これにより、アダプタを相手方コネクタに接続する際および相手方コネクタから取り外す際に、アダプタの外側コンタクト部の内側から、ピン保護部材が脱落するのを防止することができる。また、上記した伸縮部と天面部と抜け止め部とを一体的に設けることによって、部品点数が増加するのを抑制することができるので、抜け止め部を設けたとしても、構造が複雑化することがない。
【0024】
上記第2の局面によるアダプタにおいて、好ましくは、樹脂製ケースは、外側コンタクト部の内側部分に、外側コンタクト部の基端面より凹んだ凹部を含み、相手方コネクタとの接続時には、ピン保護部材が凹部に収納されるように構成されている。このように構成すれば、相手方コネクタの端子とアダプタの端子との接触長さがピン保護部材の収縮時の厚み分だけ短くなることがないので、相手方コネクタとアダプタの端子との十分な接触長さを得るために、外側コンタクト部の突出長さを大きくする必要がない。これにより、ピン保護部材を設けたとしても、外形寸法を大きくする必要がないので、アダプタの外形寸法を大きくすることなく、中央コンタクトピンの折れ曲がりを抑制することができる。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0026】
(第1実施形態)
図1は、本発明の第1実施形態によるアダプタを示した斜視図である。図2は、図1に示した第1実施形態によるアダプタのピン保護部材を示した側面図である。図3は、図2に示した第1実施形態によるアダプタのピン保護部材の上面図である。図4は、図1に示した第1実施形態によるアダプタの接続部分の部分断面図である。図5は、図4に示した第1実施形態によるアダプタの接続部分に、チューナパックのコネクタ部を接続した状態を示した部分断面図である。
【0027】
まず、図1〜図5を参照して、本発明の第1実施形態によるアダプタ10の構造について説明する。
【0028】
第1実施形態によるアダプタ10は、図1に示すように、樹脂製ケース1と、樹脂製ケース1の表面から突出するように設けられた金属製で筒状の外側コンタクト部2と、樹脂製ケース1の表面から筒状の外側コンタクト部2の中心部に直立するように設けられた金属製の中央コンタクトピン3とを備えている。
【0029】
ここで、第1実施形態のアダプタ10は、さらに、絶縁性の樹脂材料で伸縮可能に形成されるとともに、外側コンタクト部2の内側部分に挿入されるピン保護部材4を備えている。
【0030】
樹脂製ケース1は、図1および図4に示すように、表面に環状に突出した基礎部1aを含んでいる。また、外側コンタクト部2は、筒状の周面に、軸線と平行に延びる切り欠き部2aを含んでいる。また、外側コンタクト部2は、樹脂製ケース1の基礎部1aの内側から突出するように設けられている。また、図5に示すように、外側コンタクト部2の軸方向の長さは、従来のアダプタ100(図12参照)の外側コンタクト部102よりもピン保護部材4の収縮時の厚み分だけ長く形成されている。
【0031】
また、外側コンタクト部2は、図5に示すように、チューナパック150のコネクタ部152との接続時には、コネクタ部152の外側端子152aを覆うように外側端子152aに嵌め込まれる。これにより、外側コンタクト部2とコネクタ部152の外側端子152aとは電気的な接触点を有する。また、中央コンタクトピン3は、図4および図5に示すように、筒状の外側コンタクト部2の中心部から突出するとともに、外側コンタクト部2の上面よりも若干低い高さを有する。また、中央コンタクトピン3は、図5に示すように、チューナパック150のコネクタ部152との接続時には、コネクタ部152の内側端子152bに穴部152dを介して挿入される。これにより、中央コンタクトピン3とコネクタ部152の内側端子152bとは電気的な接触点を有する。この中央コンタクトピン3は、外側コンタクト部2と合わせて1対の端子の機能を有する。
【0032】
ここで、第1実施形態では、図1に示すように、樹脂製のピン保護部材4は、外側コンタクト部2の内側部分に挿入されている。このピン保護部材4は、図2に示すように、天面部4aと、蛇腹状側面部4cと、抜け止め部4dとが一体的に形成された構造を有している。天面部4aは、図1および図3に示すように、外側コンタクト部2の内側部分を覆うような円板状の形状を有している。また、天面部4aの中心部分には、穴部4bが設けられている。この穴部4bは、図4および図5に示すように、中央コンタクトピン3の外径より若干大きい内径を有するように形成されており、ピン保護部材4の伸縮時に、中央コンタクトピン3を逃がすとともに、中央コンタクトピン3のガイドとなる。また、蛇腹状側面部4cは、図2および図4に示すように、天面部4aの円周部分を基端として、円筒状に延びている。この蛇腹状側面部4cは、天面部4aと一体的に形成されるとともに、軸方向に伸縮可能でかつバネ性を有するように形成されている。また、蛇腹状側面部4cは、図4に示すように、外側コンタクト部2の軸方向長さとほぼ同じ長さを有する。また、抜け止め部4dは、図2に示すように、蛇腹状側面部4cの天面部4a側と反対側の端部に一体的に設けられ、全周に渡って外側コンタクト部2の内径よりも径が大きくなるように形成されている。この抜け止め部4dは、図4に示すように、ピン保護部材4を外側コンタクト部2の内側に挿入した際に、外側コンタクト部2の基端部の内面に所定の押圧力で当接される。
【0033】
また、外側コンタクト部2の内側部分に挿入されたピン保護部材4は、図4および図5に示すように、外側コンタクト部2の内面2bとピン保護部材4の蛇腹状側面部4cの外周面とによって、ピン保護部材4の軸方向と直交する方向の移動が抑制されている。これにより、ピン保護部材4の天面部4aに設けられた穴部4bの軸方向と直交する方向の移動も抑制されるので、穴部4bにガイドされる中央コンタクトピン3の軸方向と直交する方向の移動が抑制される。このように、穴部4bは、中央コンタクトピン3の曲がりを抑制するように機能する。
【0034】
また、チューナパック150とアダプタ10とを接続していない状態では、図4に示すように、ピン保護部材4の天面部4aは、外側コンタクト部2の上面とほぼ同じ高さに位置するとともに、中央コンタクトピン3を完全に覆うように構成されている。この状態では、外部から中央コンタクトピン3に触れることはできず、中央コンタクトピン3は保護されている。
【0035】
そして、図5に示すように、チューナパック150とアダプタ10とを接続した状態では、ピン保護部材4の天面部4aに荷重が加えられて蛇腹状側面部4cが収縮した状態になる。この場合、天面部4aの穴部4bから中央コンタクトピン3が露出するとともに、中央コンタクトピン3の先端部がチューナパック150のコネクタ部152の内側端子152bに挿入された状態になる。また、アダプタ10とコネクタ部152との接続が完了した状態では、蛇腹状側面部4cの蛇腹部分が完全に折りたたまれた状態になる。また、この状態でチューナパック150のコネクタ部152をアダプタ10から取り外すと、ピン保護部材4は、バネ性を有する蛇腹状側面部4cの復元力によって伸びて元の状態(図4の状態)まで復帰するので、中央コンタクトピン3は、ピン保護部材4により覆われた状態に戻る。
【0036】
第1実施形態では、上記のように、筒状の外側コンタクト部2の内部に、絶縁性の樹脂材料からなるとともに、中央コンタクトピン3を保護するためのピン保護部材4を設けることによって、チューナパック150のコネクタ部152が接続されていない時に、外部から中央コンタクトピン3に触れることがないように中央コンタクトピン3を保護することができる。これにより、中央コンタクトピン3の折れ曲がりを防止することができる。また、ピン保護部材4を、中央コンタクトピン3の直立する方向に伸縮可能で、かつ、バネ性を有する円筒状の蛇腹状側面部4cを含むように構成することによって、その蛇腹状側面部4cにより、チューナパック150のコネクタ部152が接続される際には、ピン保護部材4を縮ませて中央コンタクトピン3をチューナパック150のコネクタ部152の内側端子152bに挿入することができる。
【0037】
また、第1実施形態では、1つのピン保護部材4に、中央コンタクトピン3の保護機能とバネの機能との両方の機能を持たせることができるので、別々に設けられた保護部材とバネ部材とにより中央コンタクトピン3を保護する場合と比較して、部品点数を削減することができる。これにより、構造を複雑化させることなく、中央コンタクトピン3の折れ曲がりを防止することができる。
【0038】
また、第1実施形態では、チューナパック150のコネクタ部152が取り外される際には、蛇腹状側面部4cのバネ性による復元力によりピン保護部材4を伸ばして中央コンタクトピン3を保護することができる。これにより、中央コンタクトピン3を保護しながら、チューナパック150のコネクタ部152との接続を行うことができる。
【0039】
また、第1実施形態では、蛇腹状側面部4cに、蛇腹状側面部4cと一体的に設けられ、外側コンタクト部2の内径よりも大きい部分を有する抜け止め部4dを設けることによって、抜け止め部4dと外側コンタクト部2の内面との間に、摩擦力による抜け止め効果を得ることができる。これにより、アダプタ10をチューナパック150のコネクタ部152に接続する際およびチューナパック150のコネクタ部152から取り外す際に、アダプタ10の外側コンタクト部2の内側から、ピン保護部材4が脱落するのを防止することができる。また、上記した天面部4aと蛇腹状側面部4cと抜け止め部4dとを一体的に設けることによって、部品点数が増加するのを抑制することができるので、抜け止め部4dを設けたとしても、構造が複雑化することがない。
【0040】
(第2実施形態)
図6は、本発明の第2実施形態によるアダプタのピン保護部材を示した側面図である。図7は、図6に示した第2実施形態によるアダプタのピン保護部材の上面図である。図8は、第2実施形態によるアダプタの接続部分の部分断面図である。図6〜図8を参照して、この第2実施形態では、上記第1実施形態とピン保護部材の抜け止め部の形状が異なる例について説明する。なお、第2実施形態のピン保護部材の抜け止め部以外の構成は、上記第1実施形態と同様である。
【0041】
すなわち、第2実施形態では、図6に示すように、アダプタ10の外側コンタクト部2の内側に挿入されるピン保護部材14は、天面部14aと、蛇腹状側面部14cと、抜け止め部14dとを含んでいる。また、天面部14aには、穴部14bが設けられている。天面部14a、穴部14bおよび蛇腹状側面部14cは、それぞれ、第1実施形態のピン保護部材4の天面部4a、穴部4bおよび蛇腹状側面部4cと同一の形状を有する。
【0042】
ここで、第2実施形態では、抜け止め部14dは、図6および図7に示すように、蛇腹状側面部14cの天面部14a側と反対側の端部に、平面的に見て90度の等間隔で蛇腹状側面部14cから突出するように4つ設けられている。この蛇腹状側面部14cから突出した4つの抜け止め部14dは、蛇腹状側面部14cと一体的に形成されている。この4つの抜け止め部14dのうち、向かい合う2つの外面部間の距離(外径)は、外側コンタクト部2の内径よりも大きくなるように形成されている。また、図8に示すように、ピン保護部材14を外側コンタクト部2の内側に挿入した際には、4つの抜け止め部14dは、外側コンタクト部2の基端部の内面に所定の押圧力で当接する。
【0043】
第2実施形態では、上記のように、蛇腹状側面部14cと一体的に設けられ、外側コンタクト部2の内径よりも大きい部分を有する4つの抜け止め部14dを設けることによって、抜け止め部14dの外面と外側コンタクト部2の内面との間に、第1実施形態と同様、摩擦力による抜け止め効果を得ることができる。これにより、アダプタ10をチューナパック150のコネクタ部152に接続する際およびチューナパック150のコネクタ部152から取り外す際に、アダプタ10の外側コンタクト部2の内側から、ピン保護部材14が脱落するのを防止することができる。また、蛇腹状側面部14cと抜け止め部14dとを一体的に設けることによって、部品点数が増加するのを抑制することができるので、抜け止め部14dを設けたとしても、構造が複雑化することがない。
【0044】
(第3実施形態)
図9は、本発明の第3実施形態によるアダプタの接続部分の部分断面図である。図10は、図9に示した第3実施形態によるアダプタの接続部分に、チューナパックのコネクタ部を接続した状態を示した部分断面図である。図9および図10を参照して、この第3実施形態では、上記第1実施形態とは、樹脂製ケースおよび外側コンタクト部の形状が異なる例について説明する。なお、第3実施形態の樹脂製ケースおよび外側コンタクト部以外の構成は、上記第1実施形態と同様である。
【0045】
すなわち、この第3実施形態では、図9に示すように、円筒状の外側コンタクト部12は、第1実施形態と異なり、従来のアダプタ100(図12参照)の外側コンタクト部102と同じ軸方向の長さを有するように形成されている。また、第3実施形態では、樹脂製ケース11は、基礎部11aと、凹部11bとを含んでいる。凹部11bは、外側コンタクト部12の内側部分に、外側コンタクト部12の基端面より円筒状に凹んだ形状に形成されている。ピン保護部材4は、図9に示すように、この凹部11bの底面を基端面とするように配置されている。また、アダプタ10とチューナパック150のコネクタ部152とが接続された状態では、ピン保護部材4は、図10に示すように、凹部11bに収納されるように構成されている。
【0046】
第3実施形態では、上記のように、樹脂製ケース11を、外側コンタクト部12の内側部分に、外側コンタクト部12の基端面より凹んだ凹部11bを含むように構成するとともに、チューナパック150のコネクタ部152との接続時には、ピン保護部材4が凹部11bに収納されるように構成することによって、チューナパック150のコネクタ部152の端子とアダプタ10の端子との接触長さがピン保護部材4の収縮時の厚み分だけ短くなることがないので、チューナパック150のコネクタ部152とアダプタ10の端子との十分な接触長さを得るために、外側コンタクト部12の突出長さを大きくする必要がない。これにより、ピン保護部材4を設けたとしても、外形寸法を大きくする必要がないので、アダプタ10の外形寸法を大きくすることなく、中央コンタクトピン3の折れ曲がりを抑制することができる。
【0047】
なお、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
【0048】
たとえば、上記第3実施形態では、ピン保護部材として、第1実施形態のピン保護部材4を用いたが、本発明はこれに限らず、第3実施形態のピン保護部材として、第2実施形態のピン保護部材14を用いてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態によるアダプタを示した斜視図である。
【図2】図1に示した第1実施形態によるアダプタのピン保護部材を示した側面図である。
【図3】図2に示した第1実施形態によるアダプタのピン保護部材の上面図である。
【図4】図1に示した第1実施形態によるアダプタの接続部分の部分断面図である。
【図5】図4に示した第1実施形態によるアダプタの接続部分に、チューナパックのコネクタ部を接続した状態を示した部分断面図である。
【図6】本発明の第2実施形態によるアダプタのピン保護部材を示した側面図である。
【図7】図6に示した第2実施形態によるアダプタのピン保護部材の上面図である。
【図8】第2実施形態によるアダプタの接続部分の部分断面図である。
【図9】本発明の第3実施形態によるアダプタの接続部分の部分断面図である。
【図10】図9に示した第3実施形態によるアダプタの接続部分に、チューナパックのコネクタ部を接続した状態を示した部分断面図である。
【図11】従来のアダプタの一例を示した斜視図である。
【図12】図11に示した従来の一例によるアダプタの接続部分の部分断面図である。
【図13】図11に示した従来の一例によるアダプタと接続するチューナパックを示した斜視図である。
【図14】図12に示した従来の一例によるアダプタの接続部分に、チューナパックのコネクタ部を接続した状態を示した部分断面図である。
【図15】図11に示した従来の一例によるアダプタの問題点を説明するためのアダプタの接続部分の部分断面図である。
【図16】図15に示した従来の一例によるアダプタの接続部分に、チューナパックのコネクタ部を接続した初期状態を示した部分断面図である。
【図17】図15に示した従来の一例によるアダプタの接続部分に、チューナパックのコネクタ部を接続した状態を示した部分断面図である。
【符号の説明】
10 アダプタ
1、11 樹脂製ケース
11b 凹部
2、12 外側コンタクト部
3 中央コンタクトピン
4、14 ピン保護部材
4a、14a 天面部
4b、14b 穴部
4c、14c 蛇腹状側面部
4d、14d 抜け止め部
【発明の属する技術分野】
この発明は、アダプタに関し、特に、相手方コネクタの内側端子に挿入される中央コンタクトピンを備えたアダプタに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、相手方コネクタの内側端子に挿入される中央コンタクトピンを備えたマッチングアダプタなどのアダプタが知られている。
【0003】
図11は、従来のアダプタの一例を示した斜視図である。図12は、図11に示した従来の一例によるアダプタの接続部分の部分断面図である。図13は、図11に示した従来の一例によるアダプタと接続するチューナパックを示した斜視図である。図14は、図12に示した従来の一例によるアダプタの接続部分に、チューナパックのコネクタ部を接続した状態を示した部分断面図である。図11〜図14を参照して、まず、従来の一例によるアダプタ100の構造について説明する。
【0004】
従来のアダプタ100は、図11に示すように、樹脂製ケース101と、樹脂製ケース101の表面から突出するように設けられた金属製で筒状の外側コンタクト部102と、樹脂製ケース101の表面から筒状の外側コンタクト部102の中心部に直立するように設けられた金属製の中央コンタクトピン103とを備えている。樹脂製ケース101は、図11および図12に示すように、表面に環状に突出した基礎部101aを含んでいる。また、外側コンタクト部102の筒状の周面には、図11に示すように、軸線と平行に延びる切り欠き部102aが設けられている。また、外側コンタクト部102は、図12に示すように、樹脂製ケース101の基礎部101aの内側から突出するように設けられている。また、中央コンタクトピン103は、筒状の外側コンタクト部102の中心部から突出するとともに、外側コンタクト部102の上面よりも若干低い高さを有する。また、中央コンタクトピン103は、外側コンタクト部102と合わせて1対の端子の機能を有する。
【0005】
また、従来のアダプタ100は、図13に示すようなチューナパック150と接続される。このチューナパック150は、図13に示すように、本体部151と、アダプタ100と接続する部分であるコネクタ部152とを備えている。コネクタ部152は、図14に示すように、コネクタ部152の外周面を構成する外側端子152aと、内側端子152bと、絶縁部材152cと、穴部152dとを含んでいる。外側端子152aは、ネジ形状を有している。また、外側端子152aは、アダプタ100との接続時には、アダプタ100の外側コンタクト部102に嵌め込まれるとともに、外側コンタクト部102の内面と電気的な接触点を有する。また、内側端子152bは、コネクタ部152の内部に設けられており、接続時には、アダプタ100の中央コンタクトピン103と電気的な接触点を有する。また、絶縁部材152cは、コネクタ部152の端面に設けられている。この絶縁部材152cは、アダプタ100の中央コンタクトピン103とコネクタ部152の外側端子152aとの短絡を防止する機能を有する。また、穴部152dは、図13および図14に示すように、絶縁部材152cの中心部に設けられている。この穴部152dは、アダプタ100の中央コンタクトピン103をコネクタ部152の内部の内側端子152bに接続するための挿入部となっている。
【0006】
また、従来の他の例として、コンセントやプラグ、コネクタなどを保護する部材を設けた構造が提案されている(たとえば、特許文献1、2および3参照)。
【0007】
上記特許文献1には、雄端子を有するコンセントの周囲をその軸線方向に伸縮可能な保護部材としてのコンセントカバーで覆うとともに、雌端子を有するソケットとの接続時には、そのコンセントカバーにより隙間を外部から遮断するコンセントが開示されている。
【0008】
また、上記特許文献2には、外側筒状部材の内側に、先端にコイルスプリング用係止部を形成した保護部材としての内側筒状部材を進退自在に配置し、コイルスプリングが延びた状態で端子部の先端が内側筒状部材に埋没状態となる丸形プラグが開示されている。
【0009】
また、上記特許文献3には、相手方コネクタが挿入されるフード部内に突出したピン状のターミナルを設け、ターミナル貫通孔を備えた保護部材としての蓋板をフード部内にコイルスプリングの復元力により移動可能に設けたコネクタが開示されている。この特許文献3に開示されたコネクタでは、相手方コネクタが接続されていない時に、保護部材としての蓋板が、フード部の開口端側からピン状のターミナルを覆うことにより保護する。
【0010】
【特許文献1】
特開2000−12150号公報
【特許文献2】
特開平11−297399号公報
【特許文献3】
特開平6−290826号公報
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、図11〜図14に示した従来のアダプタ100では、図15に示すように、筒状の外側コンタクト部102の中心部に設けられた中央コンタクトピン103は、細いので曲がりやすいという不都合があった。そして、図15に示した状態から、図16に示すように、アダプタ100とチューナパック150のコネクタ部152とを接続するために、外側コンタクト部102の内径部分とコネクタ部152の外径部分とを合わせると、中央コンタクトピン103の先端部がコネクタ部152の穴部152dの位置よりも外側にずれる場合があった。この場合、コネクタ部152の端面を中央コンタクトピン103が曲がった状態で無理に押し込むと、図17に示すように、中央コンタクトピン103の折れ曲がりが生じるという問題点があった。
【0012】
また、上記特許文献1に開示されたコンセントの構造では、コンセントをソケットに差し込んでいない状態(コンセントの非接続状態)では、コンセントの雄端子はコンセントカバーにより保護されていないため、コンセントの非接続状態では、コンセントの雄端子が曲がりやすいという問題点がある。このため、上記特許文献1に開示されたコンセントの構造では、図11〜図17に示した従来のアダプタ100の構造と同様、端子の折れ曲がり防止機能を持たせることが困難であるという問題点がある。
【0013】
また、上記特許文献2に開示された丸形プラグの構造では、端子を保護するための機構として、端子の保護部材としての内側筒状部材とその内側筒状部材を伸縮させるためのコイルスプリングとの2つの部品が余分に必要であるため、構造が複雑になるという問題点がある。
【0014】
また、上記特許文献3に開示されたコネクタの構造では、端子を保護するための機構として、端子の保護部材としての蓋板とその蓋板を伸縮させるためのコイルスプリングとの少なくとも2つの部品が余分に必要であるため、上記特許文献2と同様、構造が複雑になるという問題点がある。
【0015】
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、この発明の1つの目的は、構造を複雑化させることなく中央コンタクトピンの折れ曲がりを防止することが可能なアダプタを提供することである。
【0016】
【課題を解決するための手段および発明の効果】
上記目的を達成するために、この発明の第1の局面におけるアダプタでは、樹脂製ケースと、樹脂製ケースの表面から突出するように設けられ、相手方コネクタの外側端子を覆うように嵌め込まれる筒状の外側コンタクト部と、樹脂製ケースの表面から筒状の外側コンタクト部の中心部に直立するように設けられ、相手方コネクタの内側端子に挿入される中央コンタクトピンとを備えたアダプタにおいて、筒状の外側コンタクト部の内部に、中央コンタクトピンの直立する方向に伸縮可能でかつ中央コンタクトピンの直立する方向と直交する方向の移動が実質的に抑制された状態で収納され、絶縁性材料からなるとともに、中央コンタクトピンを保護するためのピン保護部材をさらに備え、ピン保護部材は、ピン保護部材が伸縮する際に、中央コンタクトピンを、中央コンタクトピンの直立する方向に相対移動可能に逃がすとともに、中央コンタクトピンが中央コンタクトピンの直立する方向と直交する方向に移動するのを抑制するための穴部を有する天面部と、天面部と一体的に形成され、伸縮可能で、かつ、バネ性を有する筒状の蛇腹状側面部と、蛇腹状側面部に一体的に設けられ、外側コンタクト部の内径よりも大きい部分を有する抜け止め部とを含む。
【0017】
この発明の第1の局面におけるアダプタでは、上記のように、筒状の外側コンタクト部の内部に、絶縁性材料からなるとともに、中央コンタクトピンを保護するためのピン保護部材を設けることによって、相手方コネクタが接続されていない時に、外部から中央コンタクトピンに触れることがないように中央コンタクトピンを保護することができる。これにより、中央コンタクトピンの折れ曲がりを防止することができる。また、1つのピン保護部材に、中央コンタクトピンの保護機能とバネの機能との両方の機能を持たせることができるので、別々に設けられた保護部材とバネ部材とにより中央コンタクトピンを保護する場合と比較して、部品点数を削減することができる。これにより、構造を複雑化させることなく、中央コンタクトピンの折れ曲がりを防止することができる。また、ピン保護部材を、中央コンタクトピンの直立する方向に伸縮可能で、かつ、バネ性を有する筒状の蛇腹状側面部を含むように構成することによって、その蛇腹状側面部により、相手方コネクタが接続される際には、ピン保護部材を縮ませて中央コンタクトピンを相手方コネクタの内側端子に挿入することができる。また、相手方コネクタが取り外される際には、蛇腹状側面部のバネ性による復元力によりピン保護部材を伸ばして中央コンタクトピンを保護することができる。これにより、中央コンタクトピンを保護しながら、相手方コネクタとの接続を行うことができる。また、ピン保護部材を、筒状の外側コンタクト部の内部に、中央コンタクトピンの直立する方向と直交する方向の移動が実質的に抑制された状態で収納し、かつ、ピン保護部材に、ピン保護部材が伸縮する際に中央コンタクトピンを中央コンタクトピンの直立する方向に相対移動可能に逃がすとともに、中央コンタクトピンが中央コンタクトピンの直立する方向と直交する方向に移動するのを抑制するための穴部を有する天面部を設けることによって、天面部の穴部は、ピン保護部材の伸縮時に、中央コンタクトピンの直立する方向と直交する方向の移動が抑制された状態で、中央コンタクトピンの直立する方向に移動するので、天面部の穴部は、ピン保護部材の伸縮時に、中央コンタクトピンのガイドとして機能する。これにより、ピン保護部材の伸縮時に、中央コンタクトピンが所定の角度以上に曲がるのを抑制することができる。
【0018】
また、第1の局面では、蛇腹状側面部に、蛇腹状側面部と一体的に設けられ、外側コンタクト部の内径よりも大きい部分を有する抜け止め部を設けることによって、抜け止め部と外側コンタクト部の内面との間に、摩擦力による抜け止め効果を得ることができる。これにより、アダプタを相手方コネクタに接続する際および相手方コネクタから取り外す際に、アダプタの外側コンタクト部の内側から、ピン保護部材が脱落するのを防止することができる。また、上記した蛇腹状側面部と天面部と抜け止め部とを一体的に設けることによって、部品点数が増加するのを抑制することができるので、抜け止め部を設けたとしても、構造が複雑化することがない。
【0019】
この発明の第2の局面におけるアダプタでは、樹脂製ケースと、樹脂製ケースの表面から突出するように設けられ、相手方コネクタの外側端子を覆うように嵌め込まれる筒状の外側コンタクト部と、樹脂製ケースの表面から筒状の外側コンタクト部の中心部に直立するように設けられ、相手方コネクタの内側端子に挿入される中央コンタクトピンと、筒状の外側コンタクト部の内部に、中央コンタクトピンの直立する方向に伸縮可能でかつ中央コンタクトピンの直立する方向と直交する方向の移動が実質的に抑制された状態で収納され、絶縁性材料からなるとともに、バネ性を有する伸縮部を含み、中央コンタクトピンを保護するためのピン保護部材とを備える。
【0020】
この発明の第2の局面におけるアダプタでは、上記のように、筒状の外側コンタクト部の内部に、絶縁性材料からなるとともに、中央コンタクトピンを保護するためのピン保護部材を設けることによって、相手方コネクタが接続されていない時に、外部から中央コンタクトピンに触れることがないように中央コンタクトピンを保護することができる。これにより、中央コンタクトピンの折れ曲がりを防止することができる。また、1つのピン保護部材に、中央コンタクトピンの保護機能とバネの機能との両方の機能を持たせることができるので、別々に設けられた保護部材とバネ部材とにより中央コンタクトピンを保護する場合と比較して、部品点数を削減することができる。これにより、構造を複雑化させることなく、中央コンタクトピンの折れ曲がりを防止することができる。また、ピン保護部材を、中央コンタクトピンの直立する方向に伸縮可能で、かつ、バネ性を有する伸縮部を含むように構成することによって、その伸縮部により、相手方コネクタが接続される際には、ピン保護部材を縮ませて中央コンタクトピンを相手方コネクタの内側端子に挿入することができる。また、相手方コネクタが取り外される際には、伸縮部のバネ性による復元力によりピン保護部材を伸ばして中央コンタクトピンを保護することができる。これにより、中央コンタクトピンを保護しながら、相手方コネクタとの接続を行うことができる。
【0021】
上記第2の局面によるアダプタにおいて、好ましくは、ピン保護部材の伸縮部は、伸縮可能で、かつ、バネ性を有する蛇腹状側面部を含む。このように構成すれば、伸縮部の蛇腹部分により、ピン保護部材の伸縮をより容易にすることができる。これにより、アダプタの相手方コネクタに対する接続および相手方コネクタからの取り外しをより容易に行うことができる。
【0022】
上記第2の局面によるアダプタにおいて、好ましくは、ピン保護部材は、伸縮する際に、中央コンタクトピンを、中央コンタクトピンの直立する方向に相対移動可能に逃がすとともに、中央コンタクトピンが中央コンタクトピンの直立する方向と直交する方向に移動するのを抑制するための穴部を有する天面部を含む。このように構成すれば、天面部の穴部は、ピン保護部材の伸縮時に、中央コンタクトピンの直立する方向と直交する方向の移動が抑制された状態で、中央コンタクトピンの直立する方向に移動するので、天面部の穴部は、ピン保護部材の伸縮時に、中央コンタクトピンのガイドとして機能する。これにより、ピン保護部材の伸縮時に、中央コンタクトピンが所定の角度以上に曲がるのを抑制することができる。
【0023】
上記第2の局面によるアダプタにおいて、好ましくは、ピン保護部材は、外側コンタクト部の内径よりも大きい部分を有する抜け止め部を含む。このように構成すれば、抜け止め部と外側コンタクト部の内面との間に、摩擦力による抜け止め効果を得ることができる。これにより、アダプタを相手方コネクタに接続する際および相手方コネクタから取り外す際に、アダプタの外側コンタクト部の内側から、ピン保護部材が脱落するのを防止することができる。また、上記した伸縮部と天面部と抜け止め部とを一体的に設けることによって、部品点数が増加するのを抑制することができるので、抜け止め部を設けたとしても、構造が複雑化することがない。
【0024】
上記第2の局面によるアダプタにおいて、好ましくは、樹脂製ケースは、外側コンタクト部の内側部分に、外側コンタクト部の基端面より凹んだ凹部を含み、相手方コネクタとの接続時には、ピン保護部材が凹部に収納されるように構成されている。このように構成すれば、相手方コネクタの端子とアダプタの端子との接触長さがピン保護部材の収縮時の厚み分だけ短くなることがないので、相手方コネクタとアダプタの端子との十分な接触長さを得るために、外側コンタクト部の突出長さを大きくする必要がない。これにより、ピン保護部材を設けたとしても、外形寸法を大きくする必要がないので、アダプタの外形寸法を大きくすることなく、中央コンタクトピンの折れ曲がりを抑制することができる。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0026】
(第1実施形態)
図1は、本発明の第1実施形態によるアダプタを示した斜視図である。図2は、図1に示した第1実施形態によるアダプタのピン保護部材を示した側面図である。図3は、図2に示した第1実施形態によるアダプタのピン保護部材の上面図である。図4は、図1に示した第1実施形態によるアダプタの接続部分の部分断面図である。図5は、図4に示した第1実施形態によるアダプタの接続部分に、チューナパックのコネクタ部を接続した状態を示した部分断面図である。
【0027】
まず、図1〜図5を参照して、本発明の第1実施形態によるアダプタ10の構造について説明する。
【0028】
第1実施形態によるアダプタ10は、図1に示すように、樹脂製ケース1と、樹脂製ケース1の表面から突出するように設けられた金属製で筒状の外側コンタクト部2と、樹脂製ケース1の表面から筒状の外側コンタクト部2の中心部に直立するように設けられた金属製の中央コンタクトピン3とを備えている。
【0029】
ここで、第1実施形態のアダプタ10は、さらに、絶縁性の樹脂材料で伸縮可能に形成されるとともに、外側コンタクト部2の内側部分に挿入されるピン保護部材4を備えている。
【0030】
樹脂製ケース1は、図1および図4に示すように、表面に環状に突出した基礎部1aを含んでいる。また、外側コンタクト部2は、筒状の周面に、軸線と平行に延びる切り欠き部2aを含んでいる。また、外側コンタクト部2は、樹脂製ケース1の基礎部1aの内側から突出するように設けられている。また、図5に示すように、外側コンタクト部2の軸方向の長さは、従来のアダプタ100(図12参照)の外側コンタクト部102よりもピン保護部材4の収縮時の厚み分だけ長く形成されている。
【0031】
また、外側コンタクト部2は、図5に示すように、チューナパック150のコネクタ部152との接続時には、コネクタ部152の外側端子152aを覆うように外側端子152aに嵌め込まれる。これにより、外側コンタクト部2とコネクタ部152の外側端子152aとは電気的な接触点を有する。また、中央コンタクトピン3は、図4および図5に示すように、筒状の外側コンタクト部2の中心部から突出するとともに、外側コンタクト部2の上面よりも若干低い高さを有する。また、中央コンタクトピン3は、図5に示すように、チューナパック150のコネクタ部152との接続時には、コネクタ部152の内側端子152bに穴部152dを介して挿入される。これにより、中央コンタクトピン3とコネクタ部152の内側端子152bとは電気的な接触点を有する。この中央コンタクトピン3は、外側コンタクト部2と合わせて1対の端子の機能を有する。
【0032】
ここで、第1実施形態では、図1に示すように、樹脂製のピン保護部材4は、外側コンタクト部2の内側部分に挿入されている。このピン保護部材4は、図2に示すように、天面部4aと、蛇腹状側面部4cと、抜け止め部4dとが一体的に形成された構造を有している。天面部4aは、図1および図3に示すように、外側コンタクト部2の内側部分を覆うような円板状の形状を有している。また、天面部4aの中心部分には、穴部4bが設けられている。この穴部4bは、図4および図5に示すように、中央コンタクトピン3の外径より若干大きい内径を有するように形成されており、ピン保護部材4の伸縮時に、中央コンタクトピン3を逃がすとともに、中央コンタクトピン3のガイドとなる。また、蛇腹状側面部4cは、図2および図4に示すように、天面部4aの円周部分を基端として、円筒状に延びている。この蛇腹状側面部4cは、天面部4aと一体的に形成されるとともに、軸方向に伸縮可能でかつバネ性を有するように形成されている。また、蛇腹状側面部4cは、図4に示すように、外側コンタクト部2の軸方向長さとほぼ同じ長さを有する。また、抜け止め部4dは、図2に示すように、蛇腹状側面部4cの天面部4a側と反対側の端部に一体的に設けられ、全周に渡って外側コンタクト部2の内径よりも径が大きくなるように形成されている。この抜け止め部4dは、図4に示すように、ピン保護部材4を外側コンタクト部2の内側に挿入した際に、外側コンタクト部2の基端部の内面に所定の押圧力で当接される。
【0033】
また、外側コンタクト部2の内側部分に挿入されたピン保護部材4は、図4および図5に示すように、外側コンタクト部2の内面2bとピン保護部材4の蛇腹状側面部4cの外周面とによって、ピン保護部材4の軸方向と直交する方向の移動が抑制されている。これにより、ピン保護部材4の天面部4aに設けられた穴部4bの軸方向と直交する方向の移動も抑制されるので、穴部4bにガイドされる中央コンタクトピン3の軸方向と直交する方向の移動が抑制される。このように、穴部4bは、中央コンタクトピン3の曲がりを抑制するように機能する。
【0034】
また、チューナパック150とアダプタ10とを接続していない状態では、図4に示すように、ピン保護部材4の天面部4aは、外側コンタクト部2の上面とほぼ同じ高さに位置するとともに、中央コンタクトピン3を完全に覆うように構成されている。この状態では、外部から中央コンタクトピン3に触れることはできず、中央コンタクトピン3は保護されている。
【0035】
そして、図5に示すように、チューナパック150とアダプタ10とを接続した状態では、ピン保護部材4の天面部4aに荷重が加えられて蛇腹状側面部4cが収縮した状態になる。この場合、天面部4aの穴部4bから中央コンタクトピン3が露出するとともに、中央コンタクトピン3の先端部がチューナパック150のコネクタ部152の内側端子152bに挿入された状態になる。また、アダプタ10とコネクタ部152との接続が完了した状態では、蛇腹状側面部4cの蛇腹部分が完全に折りたたまれた状態になる。また、この状態でチューナパック150のコネクタ部152をアダプタ10から取り外すと、ピン保護部材4は、バネ性を有する蛇腹状側面部4cの復元力によって伸びて元の状態(図4の状態)まで復帰するので、中央コンタクトピン3は、ピン保護部材4により覆われた状態に戻る。
【0036】
第1実施形態では、上記のように、筒状の外側コンタクト部2の内部に、絶縁性の樹脂材料からなるとともに、中央コンタクトピン3を保護するためのピン保護部材4を設けることによって、チューナパック150のコネクタ部152が接続されていない時に、外部から中央コンタクトピン3に触れることがないように中央コンタクトピン3を保護することができる。これにより、中央コンタクトピン3の折れ曲がりを防止することができる。また、ピン保護部材4を、中央コンタクトピン3の直立する方向に伸縮可能で、かつ、バネ性を有する円筒状の蛇腹状側面部4cを含むように構成することによって、その蛇腹状側面部4cにより、チューナパック150のコネクタ部152が接続される際には、ピン保護部材4を縮ませて中央コンタクトピン3をチューナパック150のコネクタ部152の内側端子152bに挿入することができる。
【0037】
また、第1実施形態では、1つのピン保護部材4に、中央コンタクトピン3の保護機能とバネの機能との両方の機能を持たせることができるので、別々に設けられた保護部材とバネ部材とにより中央コンタクトピン3を保護する場合と比較して、部品点数を削減することができる。これにより、構造を複雑化させることなく、中央コンタクトピン3の折れ曲がりを防止することができる。
【0038】
また、第1実施形態では、チューナパック150のコネクタ部152が取り外される際には、蛇腹状側面部4cのバネ性による復元力によりピン保護部材4を伸ばして中央コンタクトピン3を保護することができる。これにより、中央コンタクトピン3を保護しながら、チューナパック150のコネクタ部152との接続を行うことができる。
【0039】
また、第1実施形態では、蛇腹状側面部4cに、蛇腹状側面部4cと一体的に設けられ、外側コンタクト部2の内径よりも大きい部分を有する抜け止め部4dを設けることによって、抜け止め部4dと外側コンタクト部2の内面との間に、摩擦力による抜け止め効果を得ることができる。これにより、アダプタ10をチューナパック150のコネクタ部152に接続する際およびチューナパック150のコネクタ部152から取り外す際に、アダプタ10の外側コンタクト部2の内側から、ピン保護部材4が脱落するのを防止することができる。また、上記した天面部4aと蛇腹状側面部4cと抜け止め部4dとを一体的に設けることによって、部品点数が増加するのを抑制することができるので、抜け止め部4dを設けたとしても、構造が複雑化することがない。
【0040】
(第2実施形態)
図6は、本発明の第2実施形態によるアダプタのピン保護部材を示した側面図である。図7は、図6に示した第2実施形態によるアダプタのピン保護部材の上面図である。図8は、第2実施形態によるアダプタの接続部分の部分断面図である。図6〜図8を参照して、この第2実施形態では、上記第1実施形態とピン保護部材の抜け止め部の形状が異なる例について説明する。なお、第2実施形態のピン保護部材の抜け止め部以外の構成は、上記第1実施形態と同様である。
【0041】
すなわち、第2実施形態では、図6に示すように、アダプタ10の外側コンタクト部2の内側に挿入されるピン保護部材14は、天面部14aと、蛇腹状側面部14cと、抜け止め部14dとを含んでいる。また、天面部14aには、穴部14bが設けられている。天面部14a、穴部14bおよび蛇腹状側面部14cは、それぞれ、第1実施形態のピン保護部材4の天面部4a、穴部4bおよび蛇腹状側面部4cと同一の形状を有する。
【0042】
ここで、第2実施形態では、抜け止め部14dは、図6および図7に示すように、蛇腹状側面部14cの天面部14a側と反対側の端部に、平面的に見て90度の等間隔で蛇腹状側面部14cから突出するように4つ設けられている。この蛇腹状側面部14cから突出した4つの抜け止め部14dは、蛇腹状側面部14cと一体的に形成されている。この4つの抜け止め部14dのうち、向かい合う2つの外面部間の距離(外径)は、外側コンタクト部2の内径よりも大きくなるように形成されている。また、図8に示すように、ピン保護部材14を外側コンタクト部2の内側に挿入した際には、4つの抜け止め部14dは、外側コンタクト部2の基端部の内面に所定の押圧力で当接する。
【0043】
第2実施形態では、上記のように、蛇腹状側面部14cと一体的に設けられ、外側コンタクト部2の内径よりも大きい部分を有する4つの抜け止め部14dを設けることによって、抜け止め部14dの外面と外側コンタクト部2の内面との間に、第1実施形態と同様、摩擦力による抜け止め効果を得ることができる。これにより、アダプタ10をチューナパック150のコネクタ部152に接続する際およびチューナパック150のコネクタ部152から取り外す際に、アダプタ10の外側コンタクト部2の内側から、ピン保護部材14が脱落するのを防止することができる。また、蛇腹状側面部14cと抜け止め部14dとを一体的に設けることによって、部品点数が増加するのを抑制することができるので、抜け止め部14dを設けたとしても、構造が複雑化することがない。
【0044】
(第3実施形態)
図9は、本発明の第3実施形態によるアダプタの接続部分の部分断面図である。図10は、図9に示した第3実施形態によるアダプタの接続部分に、チューナパックのコネクタ部を接続した状態を示した部分断面図である。図9および図10を参照して、この第3実施形態では、上記第1実施形態とは、樹脂製ケースおよび外側コンタクト部の形状が異なる例について説明する。なお、第3実施形態の樹脂製ケースおよび外側コンタクト部以外の構成は、上記第1実施形態と同様である。
【0045】
すなわち、この第3実施形態では、図9に示すように、円筒状の外側コンタクト部12は、第1実施形態と異なり、従来のアダプタ100(図12参照)の外側コンタクト部102と同じ軸方向の長さを有するように形成されている。また、第3実施形態では、樹脂製ケース11は、基礎部11aと、凹部11bとを含んでいる。凹部11bは、外側コンタクト部12の内側部分に、外側コンタクト部12の基端面より円筒状に凹んだ形状に形成されている。ピン保護部材4は、図9に示すように、この凹部11bの底面を基端面とするように配置されている。また、アダプタ10とチューナパック150のコネクタ部152とが接続された状態では、ピン保護部材4は、図10に示すように、凹部11bに収納されるように構成されている。
【0046】
第3実施形態では、上記のように、樹脂製ケース11を、外側コンタクト部12の内側部分に、外側コンタクト部12の基端面より凹んだ凹部11bを含むように構成するとともに、チューナパック150のコネクタ部152との接続時には、ピン保護部材4が凹部11bに収納されるように構成することによって、チューナパック150のコネクタ部152の端子とアダプタ10の端子との接触長さがピン保護部材4の収縮時の厚み分だけ短くなることがないので、チューナパック150のコネクタ部152とアダプタ10の端子との十分な接触長さを得るために、外側コンタクト部12の突出長さを大きくする必要がない。これにより、ピン保護部材4を設けたとしても、外形寸法を大きくする必要がないので、アダプタ10の外形寸法を大きくすることなく、中央コンタクトピン3の折れ曲がりを抑制することができる。
【0047】
なお、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
【0048】
たとえば、上記第3実施形態では、ピン保護部材として、第1実施形態のピン保護部材4を用いたが、本発明はこれに限らず、第3実施形態のピン保護部材として、第2実施形態のピン保護部材14を用いてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態によるアダプタを示した斜視図である。
【図2】図1に示した第1実施形態によるアダプタのピン保護部材を示した側面図である。
【図3】図2に示した第1実施形態によるアダプタのピン保護部材の上面図である。
【図4】図1に示した第1実施形態によるアダプタの接続部分の部分断面図である。
【図5】図4に示した第1実施形態によるアダプタの接続部分に、チューナパックのコネクタ部を接続した状態を示した部分断面図である。
【図6】本発明の第2実施形態によるアダプタのピン保護部材を示した側面図である。
【図7】図6に示した第2実施形態によるアダプタのピン保護部材の上面図である。
【図8】第2実施形態によるアダプタの接続部分の部分断面図である。
【図9】本発明の第3実施形態によるアダプタの接続部分の部分断面図である。
【図10】図9に示した第3実施形態によるアダプタの接続部分に、チューナパックのコネクタ部を接続した状態を示した部分断面図である。
【図11】従来のアダプタの一例を示した斜視図である。
【図12】図11に示した従来の一例によるアダプタの接続部分の部分断面図である。
【図13】図11に示した従来の一例によるアダプタと接続するチューナパックを示した斜視図である。
【図14】図12に示した従来の一例によるアダプタの接続部分に、チューナパックのコネクタ部を接続した状態を示した部分断面図である。
【図15】図11に示した従来の一例によるアダプタの問題点を説明するためのアダプタの接続部分の部分断面図である。
【図16】図15に示した従来の一例によるアダプタの接続部分に、チューナパックのコネクタ部を接続した初期状態を示した部分断面図である。
【図17】図15に示した従来の一例によるアダプタの接続部分に、チューナパックのコネクタ部を接続した状態を示した部分断面図である。
【符号の説明】
10 アダプタ
1、11 樹脂製ケース
11b 凹部
2、12 外側コンタクト部
3 中央コンタクトピン
4、14 ピン保護部材
4a、14a 天面部
4b、14b 穴部
4c、14c 蛇腹状側面部
4d、14d 抜け止め部
Claims (6)
- 樹脂製ケースと、前記樹脂製ケースの表面から突出するように設けられ、相手方コネクタの外側端子を覆うように嵌め込まれる筒状の外側コンタクト部と、前記樹脂製ケースの表面から前記筒状の外側コンタクト部の中心部に直立するように設けられ、前記相手方コネクタの内側端子に挿入される中央コンタクトピンとを備えたアダプタにおいて、
前記筒状の外側コンタクト部の内部に、前記中央コンタクトピンの直立する方向に伸縮可能でかつ前記中央コンタクトピンの直立する方向と直交する方向の移動が実質的に抑制された状態で収納され、絶縁性材料からなるとともに、前記中央コンタクトピンを保護するためのピン保護部材をさらに備え、
前記ピン保護部材は、
前記ピン保護部材が伸縮する際に、前記中央コンタクトピンを、前記中央コンタクトピンの直立する方向に相対移動可能に逃がすとともに、前記中央コンタクトピンが前記中央コンタクトピンの直立する方向と直交する方向に移動するのを抑制するための穴部を有する天面部と、
前記天面部と一体的に形成され、伸縮可能で、かつ、バネ性を有する筒状の蛇腹状側面部と、
前記蛇腹状側面部に一体的に設けられ、前記外側コンタクト部の内径よりも大きい部分を有する抜け止め部とを含む、アダプタ。 - 樹脂製ケースと、
前記樹脂製ケースの表面から突出するように設けられ、相手方コネクタの外側端子を覆うように嵌め込まれる筒状の外側コンタクト部と、
前記樹脂製ケースの表面から前記筒状の外側コンタクト部の中心部に直立するように設けられ、前記相手方コネクタの内側端子に挿入される中央コンタクトピンと、
前記筒状の外側コンタクト部の内部に、前記中央コンタクトピンの直立する方向に伸縮可能でかつ前記中央コンタクトピンの直立する方向と直交する方向の移動が実質的に抑制された状態で収納され、絶縁性材料からなるとともに、バネ性を有する伸縮部を含み、前記中央コンタクトピンを保護するためのピン保護部材とを備えた、アダプタ。 - 前記ピン保護部材の前記伸縮部は、伸縮可能で、かつ、バネ性を有する蛇腹状側面部を含む、請求項2に記載のアダプタ。
- 前記ピン保護部材は、伸縮する際に、前記中央コンタクトピンを、前記中央コンタクトピンの直立する方向に相対移動可能に逃がすとともに、前記中央コンタクトピンが前記中央コンタクトピンの直立する方向と直交する方向に移動するのを抑制するための穴部を有する天面部を含む、請求項2または3に記載のアダプタ。
- 前記ピン保護部材は、前記外側コンタクト部の内径よりも大きい部分を有する抜け止め部を含む、請求項2〜4のいずれか1項に記載のアダプタ。
- 前記樹脂製ケースは、前記外側コンタクト部の内側部分に、前記外側コンタクト部の基端面より凹んだ凹部を含み、前記相手方コネクタとの接続時には、前記ピン保護部材が前記凹部に収納されるように構成されている、請求項2〜5のいずれか1項に記載のアダプタ。
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-
2003
- 2003-08-08 JP JP2003206676A patent/JP2005056617A/ja active Pending
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