JP2005056000A - 不法運転取締装置、不法運転取締方法、不法運転取締プログラム及び不法運転取締プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体 - Google Patents
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Abstract
【課題】携帯電話機を手で持って通話しながら運転している不法運転者を取り締まる。
【解決手段】電波受信部4、速度計測部5、車両特定部6、撮影部7及び画像認識部8などを用いて、携帯電話機の電波が発信されている走行中の車両を監視し、携帯電話機を手で持って通話しているのが運転者または同乗者のいずれであるのか、あるいは、運転者のハンズフリー通話であるのかを認識して不法運転者を取り締まる。さらに、携帯電話機を手で持って通話しながら運転している不法運転者に関する詳細情報を取締センターから取得して不法運転証拠を作成する。
【選択図】図1
【解決手段】電波受信部4、速度計測部5、車両特定部6、撮影部7及び画像認識部8などを用いて、携帯電話機の電波が発信されている走行中の車両を監視し、携帯電話機を手で持って通話しているのが運転者または同乗者のいずれであるのか、あるいは、運転者のハンズフリー通話であるのかを認識して不法運転者を取り締まる。さらに、携帯電話機を手で持って通話しながら運転している不法運転者に関する詳細情報を取締センターから取得して不法運転証拠を作成する。
【選択図】図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、携帯電話機を手に持って通話しながら運転している不法運転者を取り締まる不法運転取締装置及び不法運転取締方法、並びに、不法運転取締プログラム及び不法運転取締プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、自動車運転中の携帯電話機の使用による交通事故が増加し、社会的な問題となっている。
【0003】
そこで、運転中における安全性を確保することを目的として、例えば、走行中の車中での携帯電話機の使用を車速に応じて警報を出し、所定車速以上の場合には、警報と共に通話を遮断する携帯電話機が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
【0004】
また、通話中の運転事故を未然に回避する通話技術として、例えば、携帯電話機を手に持たずに、ハンドルを握った状態で通話することができるハンズフリー装置が知られている。しかしながら、ハンズフリー着信を実行するに際して、あらかじめ携帯電話機をハンズフリー装置に接続する必要があるので、ユーザにとっては、その操作が面倒であるという問題がある。そのため、実際には、ハンズフリー装置を自動車に搭載している場合でも、携帯電話機をハンズフリー装置に接続することがなく、携帯電話機を手に持って通話しながら運転するという状況が頻繁に発生している。
【0005】
このような問題を改善する従来技術として、例えば、ユーザが携帯電話機を車内に持ち込むと、携帯電話機との間の電波状況により、携帯電話端末が車内に存在していることを検出し、また、ユーザが運転すると、運転中にあることを検出し、電波を着信するに際しては、ハンズフリー装置がハンズフリー着信を実行するように制御する無線通信端末の着信制御装置が提案されている(例えば、特許文献2参照。)。
【0006】
【特許文献1】
特開平10−234076号公報(段落番号[0004]、第2図)
【特許文献2】
特開2001−103547号公報(段落番号[0003]−[0005]、第2図)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特許文献1に記載の携帯電話機では、運転中における安全性を確保できるが、低速度の走行中は通話を遮断しないので安全性は十分ではない。
【0008】
また、特許文献2に記載の無線通信端末の着信制御装置によると、自動でハンズフリー通話に切り替えられるので、携帯電話機を手に持って通話しながら運転するという状況を未然に回避することができるが、この特許文献2及び上記特許文献1に記載の技術では、いずれも、携帯電話機の通話規制を実施するための装置をユーザ側に求めるものであり、法律で走行中の通話規制機能を有する携帯電話機やハンズフリー装置の利用を義務付けない限り現実的でない。
【0009】
一方、携帯電話機を手に持った通話中の運転事故を未然に回避するための法律として、自動車または原動機付自転車を運転する場合には、当該自動車などが停止している場合を除き、携帯電話機などで通話することを禁止する法律が施行された(道路交通法第71条第1項第5号の5参照)。
【0010】
しかしながら、例えば、助手席や後部座席に同乗している人が携帯電話機で通話することや、人命にかかわるような場合に携帯電話機で緊急連絡することを規制することは適切でない。
【0011】
このような例外を除いて、携帯電話機を利用するすべての運転者にこの道路交通法を遵守させることは難しいが、上記道路交通法に違反する運転者を監視し、その不法運転者に不法運転証拠書を発行して取り締まることが望まれる。
【0012】
本発明は以上の事情を考慮してなされたものであり、例えば、携帯電話機を手で持って通話しながら運転している不法運転者を監視し、その不法運転者に対して不法運転証拠書を発行して取り締まることができる不法運転取締装置及び不法運転取締方法、並びに、不法運転取締プログラム及び不法運転取締プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明の不法運転取締装置は、携帯電話機から発信される電波を受信する電波受信部と、走行中の車両の速度を計測する速度計測部と、前記電波受信部により受信される電波及び前記速度計測部により計測される車両の走行速度に基づいて、携帯電話機で通話しながら走行している車両を特定する車両特定部と、前記車両特定部により特定された車両が所定の撮影領域に達したときに、その特定車両の運転席を含む画像を撮影する撮影部と、前記撮影部により撮影された運転席の画像から運転者が携帯電話機を手で持って通話しているか否かを認識する画像認識部とを備えていることを特徴としている。
【0014】
本発明の不法運転取締装置によれば、携帯電話機の電波が発信されている走行中の車両を監視し、携帯電話機を手で持って通話しているのが運転者または同乗者のいずれであるのか、あるいは、運転者のハンズフリー通話であるのかを認識して不法運転者を取り締まることができる。
【0015】
本発明の不法運転取締装置において、前記撮影部がナンバープレートを含む画像を撮像し、その撮影されたナンバープレートの画像から前記画像認識部が車体番号を認識するように構成されているとともに、予め指定された取締センターの端末装置と通信接続する通信部を備え、前記通信部が、前記画像認識部にて認識された車体番号に関連する運転免許証情報及び車両の車体番号を含む情報を取締センターに要求する要求信号を送信するように構成してもよい。
【0016】
このように構成すれば、携帯電話機を手で持って通話しながら運転している不法運転者に関する詳細情報を取締センターから取得することができる。
【0017】
本発明の不法運転取締装置において、前記撮影部により撮影された画像の撮影時刻を計時する計時部と、前記撮影部により撮影された画像、前記計時部により計時された撮影時刻及び前記速度計測部により計測された車両の走行速度を含む車両情報を記憶する車両情報記憶部と、前記画像認識部による認識結果と前記取締センターから取得した運転免許証情報及び車両の車体番号とに基づいて不法運転証拠を作成する証拠作成部とを備えた構成としてもよい。
【0018】
このように構成すれば、携帯電話機を手で持って通話しながら運転している不法運転者の不法運転証拠を作成することができる。
【0019】
本発明の不法運転取締装置において、前記電波受信部が、所定の受信領域において発信される電波を受信する指向性の鋭い指向性アンテナと、受信した電波の周波数及びレベルを解析する電波解析部と、走行中の車両から発信される電波が携帯電話機から発信された電波であるか否かを判定する電波判定部とを備えた構成としてもよい。
【0020】
このように構成すれば、所定の受信領域において発信される電波だけを受信し、携帯電話機から発信される電波であるか否かを判定することができる。
【0021】
本発明の不法運転取締装置において、前記電波判定部が、走行中の車両から発信された電波が携帯電話機から発信される電波でないとき、無線タクシーから発信される電波であるか、または、不法移動局から発信される電波であるのかを判定するように構成にしてもよい。
【0022】
このように構成すれば、走行中の車両から発信された電波の種類に応じて取り締まることもできる。
【0023】
本発明の不法運転取締装置において、前記速度計測部は、走行中の車両から発信する電波のドップラーシフトによる周波数変動に基づいて車両の走行速度を計測する構成にしてもよい。
【0024】
このように構成すれば、速度計測部にドップラーレーダやカメラを用いないで電波を発信している車両の走行速度を計測することができる。
【0025】
本発明の不法運転取締装置において、前記車両特定部は、携帯電話機で通話しながら走行している車両を特定し、特定した車両の走行方向と走行領域を検知しその検知した情報を前記撮影部に出力する構成にしてもよい。
【0026】
このように構成すれば、撮影部を特定された車両の運転席(及びナンバープレート)を含む画像を撮影する準備状態に設定することができる。
【0027】
本発明の不法運転取締装置において、前記撮影部は、全方位、広角度または赤外線で撮影できるカメラを備え、カメラを予め所定の撮影領域にフォーカスするとともに、前記車両特定部から出力される情報に基づいてカメラを制御し、所定の撮影領域に達した特定の車両の運転席(及びナンバープレート)を含む画像を順次撮影する構成にしてもよい。
【0028】
このように構成すれば、全方位、広角度または赤外線で撮影できるカメラを用いて、特定された車両の運転席(及びナンバープレート)を含む画像を順次撮影することができる。
【0029】
本発明の不法運転取締装置において、前記電波受信部は、前記指向性アンテナと前記電波判定部とを用いて、高速道路料金自動払い機能を有するETC(Electric Toll Collection)装置、または、運転免許証情報及び車体番号を示すIDを通信により外部に送信することができるICチップを組み込んだ電子ナンバープレートを取り付けた特定の車両から車体番号信号を受信する構成にしてもよい。
【0030】
このように構成すれば、携帯電話機で通話しながら走行している特定の車両から通話の電波を受信するとともに、IDを含む電波を受信して車体番号を取得することができる。
【0031】
本発明の不法運転取締方法は、電波受信部を用いて、携帯電話機から発信される電波を受信する処理と、速度計測部を用いて、走行中の車両の速度を計測する処理と、車両特定部を用いて、前記電波受信部により受信される電波及び前記速度計測部により計測される車両の走行速度に基づいて携帯電話機で通話しながら走行している車両を特定する処理と、撮影部を用いて、前記車両特定部により特定された車両が所定の撮影領域に達したときに、その特定車両の運転席を含む画像を撮影する処理と、画像認識部を用いて、前記撮影部により撮影された運転席の画像から運転者が携帯電話機を手で持って通話しているか否かを認識する処理とを含むことを特徴としている。
【0032】
本発明の不法運転取締方法によれば、携帯電話機の電波が発信されている走行中の車両を監視し、携帯電話機を手で持って通話しているのが運転者または同乗者のいずれであるのか、あるいは、運転者のハンズフリー通話であるのかを認識して不法運転者を取り締まることができる。
【0033】
本発明の不法運転取締プログラムは、電波受信部を制御して、携帯電話機から発信される電波を受信するステップと、速度計測部を制御して、走行中の車両の速度を計測するステップと、車両特定部を制御して、前記電波受信部により受信される電波及び前記速度計測部により計測される車両の走行速度に基づいて携帯電話機で通話しながら走行している車両を特定するステップと、撮影部を制御して、前記車両特定部により特定された車両が所定の撮影領域に達したときに、その特定車両の運転席を含む画像を撮影するステップと、画像認識部を制御して、前記撮影部により撮影された運転席の画像から運転者が携帯電話機を手で持って通話しているか否かを認識するステップとをコンピュータに実行させるためのプログラムであることを特徴としている。
【0034】
本発明の不法運転取締プログラムによれば、携帯電話機の電波が発信されている走行中の車両を監視し、携帯電話機を手で持って通話しているのが運転者または同乗者のいずれであるのか、あるいは、運転者のハンズフリー通話であるのかを認識する処理をコンピュータに実行させることができる。
【0035】
本発明の記録媒体は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体であって、前記した特徴をもつ不法運転取締プログラムを記録していることを特徴としている。
【0036】
本発明の記録媒体によれば、携帯電話機の電波が発信されている走行中の車両を監視し、携帯電話機を手で持って通話しているのが運転者または同乗者のいずれであるのか、あるいは、運転者のハンズフリー通話であるのかを認識することが可能な不法運転取締方法の汎用性を高めることができる。
【0037】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0038】
図1は本発明の不法運転取締装置の実施形態の構成を示すブロック図である。
【0039】
本実施形態の不法運転取締装置100は、制御部1、プログラムメモリ2、バッファメモリ3、電波受信部4(指向性アンテナ4a、電波解析部4b、電波判定部4c)、速度計測部5、車両特定部6、撮影部7(カメラ7a、カメラ駆動部7b、画像処理部7c)、画像認識部8、通信部9、計時部10、車両情報記憶部11、証拠作成部12、印刷部13、操作部14、表示部15、及び、バス16などによって構成されている。
【0040】
制御部1は、例えば、コンピュータのCPU、MPUなどで構成され、プログラムメモリ2に記憶された制御プログラムにより、バス16を介して、装置内の各部をそれぞれ制御する。
【0041】
プログラムメモリ2は、例えば、ROM、EPROM、EEPROM、フロッピーディスク、ハードディスクなどで構成され、制御部1がバス16を介して各部を制御するための各種制御プログラムを記憶している。
【0042】
例えば、プログラムメモリ2は、電波受信部4を制御して、携帯電話機から発信される電波を受信するステップと、速度計測部5を制御して、走行中の車両の速度を計測するステップと、車両特定部6を制御して、電波受信部4により受信される電波及び速度計測部5により計測される車両の走行速度に基づいて携帯電話機で通話しながら走行している車両を特定するステップと、撮影部7を制御して、車両特定部6により特定された車両が所定の撮影領域F2に達したときに、その特定車両の運転席及びナンバープレートを含む画像を撮影するステップと、画像認識部8を制御して、撮影部7により撮影された運転席の画像から運転者が携帯電話機を手で持って通話しているか否かを認識するステップとをコンピュータに実行させる不法運転取締プログラムを記憶している。
【0043】
バッファメモリ3は、例えば、RAM、EPROM、EEPROM、フロッピーディスク、ハードディスクなどで構成され、制御部1の制御中の各種データを記憶する。
【0044】
電波受信部4は、例えば、所定の受信領域F1(図2参照)において発信される電波を受信する指向性の鋭い指向性アンテナ4aと、受信した電波の周波数及びレベルを解析する電波解析部4bと、走行中の車両から発信される電波が携帯電話機から発信された電波であるか否かを判定する電波判定部4cとから構成されている。
【0045】
また、電波判定部4cは、走行中の車両から発信された電波が携帯電話機からの電波でないとき、無線タクシーから発信される電波であるのか、または、不法移動局から発信される電波であるのかを判定するように構成されている。
【0046】
速度計測部5は、例えば、速度計測プログラムで構成され、走行中の車両から発信する電波のドップラーシフトによる周波数変動に基づいて車両の走行速度を計測するように構成されている。なお、速度計測部5は、ドップラーレーダやカメラで構成して、公知の方法で車両の走行速度を計測するようにしてもよい。
【0047】
車両特定部6は、例えば車両検知プログラムで構成され、電波受信部4により受信される電波及び速度計測部5により計測される車両の走行速度に基づいて、携帯電話機で通話しながら走行している特定の車両の走行方向と走行領域とを検知し、その検知した情報を撮影部7に出力するように構成されている。
【0048】
撮影部7は、例えば全方位、広角度または赤外線で撮影できるカメラ7a、カメラ駆動部7b、画像処理部7c、撮影プログラムなどで構成され、カメラ7aを予め所定の撮影領域F2にフォーカスするとともに、車両特定部6から出力される情報に基づいてカメラ7aを制御し、車両特定部6により特定された車両が所定の撮影領域F2に達したときに、その特定車両の運転席及びナンバープレートを含む画像を順次撮影するように構成されている。
【0049】
また、撮影部7は、携帯電話機で通話しながら走行している特定の車両が所定の撮影領域F2に達したかどうかを判定するための画像、ナンバープレートの画像及び運転席の画像をそれぞれ撮影できるように、カメラ7aのフォーカス及びシャッターを連続制御する構成にしてもよい。
【0050】
なお、カメラ7aは、CCDやCMOSなどの撮像デバイスで構成され、電子フォーカス及び電子シャッター、電子露出機能などを備えている。また、カメラ7aは、撮影領域F2を広範囲に撮影できるように放物面状または双曲面状等の凸型回転体ミラーを組み込み、この凸型回転体ミラーから反射する映像を撮影する構成にしてもよい。
【0051】
さらに、撮影部7は、撮影領域F2において撮影された画像データをフレーム単位で記憶し、相前後して記憶されたフレーム単位の画像のパターンマッチングにより、位置ずれの画像を検知することによって走行中の不法運転車両を追尾するように構成されている。この構成により、携帯電話機で通話しながら運転している不法運転者を明確に撮影することができる。
【0052】
画像認識部8は、例えば、不法運転認識プログラムで構成され、撮影部7により撮影された運転席の画像から、携帯電話機を手で持って通話しているのが運転者であるか否かを認識するとともに、ナンバープレートの画像から車体番号を認識するように構成されている。より詳しく説明すると、画像認識部8は、撮影部7のカメラ7aのシャッター制御と連動して、フレーム単位の画像データから特定された車両のナンバープレートのナンバーと、運転席の運転者がハンズフリー装置を利用しているのかどうかを順次認識するように構成されている。その際、不法運転認識プログラムは、撮影部7により撮影された画像からハンドルの位置を認識し、これをもとに、運転席の位置を特定して運転者と同乗者の区別を認識する。さらに、運転者が携帯電話機を手で持って通話しているか否かを認識し、運転者が携帯電話機を手に持って通話していない場合はハンズフリー装置を利用していると判断する。
【0053】
通信部9は、例えば、無線信号を送信するアンテナ、モデム(信号変復調装置)、無線信号変換回路、通信回線接続回路などで構成され、予め指定された取締センターの端末装置(図示せず)と通信接続し、画像認識部8による認識結果情報と取締センターのデータベースに記憶された運転免許証情報及び車両の車体番号を含む情報の転送要求信号を送信するように構成されている。
【0054】
なお、以上の電波受信部4及び撮影部7は、取締対象となる道路の電柱や高所に設置されるので、通信部9と通信接続可能な構成にして、制御部1が通信部9を介して電波受信部4及び撮影部7を遠隔制御するように構成してもよい(図2参照)。
【0055】
計時部10は、例えば、クロックカウンタなどで構成され、撮影部7により撮影された画像の撮影時刻を計時する。
【0056】
車両情報記憶部11は、例えば、ROM、EPROM、EEPROM、フロッピーディスクまたはハードディスクなどで構成され、撮影部7により撮影された画像、計時部10により計時された撮影時刻、及び、速度計測部5により計測された車両の走行速度を含む車両情報を記憶するように構成されている。なお、車両情報記憶部11はバッファメモリ3に含めてもよい。
【0057】
証拠作成部12は、例えば、証拠作成プログラムで構成され、画像認識部8により認識した認識結果と取締センターから取得した運転免許証情報及び車両の車体番号とに基づいて不法運転証拠を作成するように構成されている。
【0058】
印刷部13は、例えば、インクジェットプリンタやレーザープリンタが用いられ、携帯電話機を手で持って通話しながら運転した運転者の氏名、違反日時、違反場所、車体番号、住所などを記載した不法運転証拠書を不法運転証拠に基づいて印刷する。さらに、不法運転証拠書として、撮像部7により撮影した運転者やナンバープレートの画像を追加してもよい。
【0059】
操作部14は、例えば、キーボード、キースイッチ、タッチパネルなどで構成され、撮影部7の撮影範囲や各種機能を設定するように構成されている。
【0060】
表示部15は、例えば、LCD(液晶ディスプレイ)、PD(プラズマ・ディスプレイ)、またはELD(エレクトロ・ルミネンス・ディスプレイ)などで構成され、操作部14により設定した機能や撮影部7により撮影された画像を画面に表示するように構成されている。
【0061】
ここで、今後、例えば、高速道路料金自動払い機能を有するETC装置を組み込んだ車両、あるいは、車両盗難防止システムとして、運転免許証情報及び車両の車体番号を示すIDを通信により外部に送信することができるICチップを組み込んだ電子ナンバープレートを取り付けた車両が増加していく傾向にある。
【0062】
このようなETC装置や電子ナンバープレートを搭載した車両が携帯電話機で通話しながら走行している場合には、電波受信部4により車両から車体番号信号を受信するように構成してもよい。このような車両については、撮影部7によりナンバープレートの画像を撮影する必要がない。
【0063】
次に、この実施形態の不法運転取締装置の道路への設置例を図2を参照しながら説明する。
【0064】
まず、不法運転取締装置100の電波受信部4の指向性アンテナ4aは、予め取締対象となる道路Rの電柱や高所に設置されている。ここでは、2組の撮像部7のカメラ7a及びカメラ駆動部7bが、車両Cの走行方向に対応し、指向性アンテナ4aの受信領域F1に近接して設定された撮影領域F2を撮影できるように対向車線Lを介して設置されている。また、受信領域F1と撮影領域F2とは一部が重なり合うように設定されている。
【0065】
指向性アンテナ4aは、所定の受信領域F1から発信される電波を受信し、受信した電波信号を、装置本体101に組み込まれている制御部1に無線または有線(例えばバス16)により送信するように構成されている。
【0066】
カメラ7aは、カメラ駆動部7bにより予め所定の撮影領域F2にフォーカスされるとともに、車両特定部6により特定された車両Cが所定の撮影領域F2に達したとき、その特定された車両Cの運転席St及びナンバープレートNを含む画像を順次撮影し、撮影した画像信号を装置本体101に組み込まれている制御部1に無線または有線により送信するように構成されている。
【0067】
次に、この実施形態で実行する不法運転取締動作の手順を図3のフローチャートを参照しながら説明する。なお、図3に示す動作において不法運転取締装置100は起動しているものとする。
【0068】
ステップS1:電波を発信している車両Cが指向性アンテナ4aの受信領域F1に入ると、電波受信部4が受信領域F1において電波を受信したか否かを判定し、「電波を受信した」場合はステップS2に進み、「電波を受信していない」場合は電波受信待ち状態を保持する。
【0069】
ステップS2:電波解析部4bが、電波をしばらくモニターし、受信中の電波の周波数及びレベルを解析してステップS3に進む。
【0070】
ステップS3:速度計測部5が、走行中の車両Cから発信する電波のドップラーシフトによる周波数変動に基づいて車両Cの走行速度を計測する。
ステップS4:速度計測部5が、計測した走行速度から電波を発信している車両は走行中であるか否かを判定し、「電波発信している車両が走行中である」場合はステップS5に進み、「電波発信している車両が走行していない」場合は処理を終了する。
【0071】
ステップS5:電波判定部4cが、走行中の車両Cから発信される電波が携帯電話機から発信された電波であるか否かを判定し、「携帯電話機から発信された電波である」場合はステップS6に進み、「携帯電話機から発信された電波でない」場合はステップS16に進む。
【0072】
ステップS6:車両特定部6が、電波判定部4cの判定結果及び速度計測部5の計測結果から、携帯電話機で通話しながら走行している車両Cを特定するとともに、その特定した車両Cの走行方向と走行領域とを検知し、この検知した情報を撮影部7に出力してステップS7に進む。
【0073】
ステップS7:撮影部7が、カメラ7aを予め所定の撮影領域F2にフォーカスするとともに、車両特定部6から出力される情報に基づいてカメラ7aを制御し、車両特定部6にて特定された車両Cが所定の撮影領域F2に達したときに、その特定された車両Cの運転席St及びナンバープレートNを含む画像を順次撮影する。
【0074】
ステップS8:計時部10が、撮影部7により撮影された画像の撮影時刻を計時する。
【0075】
ステップS9:撮影部7にて撮影された画像、計時部10により計時された撮影時刻、及び、速度計測部5にて計測された車両Cの走行速度を含む車両情報を車両情報記憶部11に記憶する。
【0076】
ステップS10:画像認識部8が、撮影部7にて撮影された画像を車両情報記憶部11から読み出し、ハンドルの位置を認識する(右ハンドル車または左ハンドル車のいずれであるかを認識する)。この認識結果を基づいて運転席Stの位置を特定して運転者を認識する。
【0077】
ステップS11:運転者が携帯電話機を手に持って通話しているか否かを認識し、「携帯電話機を手に持って通話している」場合はステップS12に進み、「携帯電話機を手に持って通話していない」場合は、ハンズフリー装置を利用していると判定して処理を終了する。
【0078】
ステップS12:画像認識部8が、車両情報記憶部11から車両情報を読み出してナンバープレートNの画像から車体番号を認識する。
【0079】
ステップS13:通信部9が、予め指定された取締センターの端末装置(図示せず)との通信接続を行い、画像認識部8において認識した車体番号に関連する運転免許証情報及び車両Cの車体番号を含む情報を要求する要求信号を、取締センターに送信した後、ステップS14に進む。
【0080】
ステップS14:証拠作成部12が、画像認識部8により認識した認識結果と取締センターから取得した運転免許証情報及び車両Cの車体番号とに基づいて不法運転証拠を作成する。
【0081】
ステップS15:印刷部13が、証拠作成部12にて作成された不法運転証拠に基づいて不法運転証拠書を印刷する。
【0082】
ステップS16:ステップS5において、車両Cから発信された電波が「携帯電話機から発信される電波でない」と判定された場合、電波判定部4cは、無線タクシーから発信される電波か否かを判定する。その判定結果が「無線タクシーから発信される電波でない」場合はステップS17に進み、「無線タクシーから発信される電波である」場合は処理を終了する。
【0083】
ステップS17:受信した電波が、携帯電話機から発信された電波」及び「無線タクシーから発信される電波」のいずれでもない場合、不法移動局から発信された電波か否かを判定し、「不法移動局から発信された電波である」場合はステップS18に進み、「不法移動局から発信された電波でない」場合は処理を終了する。
【0084】
ステップS18:不法移動局の取締処理を実行して処理を終了する。
【0085】
以上のように、本実施形態では、携帯電話機の電波が発信されている走行中の車両を監視し、携帯電話機を手で持って通話しているのが運転者または同乗者のいずれであるのか、あるいは、運転者のハンズフリー通話であるのかを認識して不法運転者を取り締まることができる。
【0086】
また、携帯電話機を手で持って通話しながら運転している不法運転者に関する詳細情報を取締センターから取得しているので、携帯電話機を手で持って通話しながら運転している不法運転者の不法運転証拠を作成することができる。
【0087】
さらに、走行中の車両から発生された電波が、「携帯電話機から発信される電波」、「無線タクシーから発信される電波」または「不法移動局から発信される電波」のいずれであるのかを判定することができるので、走行中の車両から発信された電波の種類に応じて不法運転の取締を行うことができる。
【0088】
ここで、以上の実施形態で説明した不法運転取締方法(処理)は、パーソナルコンピュータやワークステーションなどの汎用的なコンピュータに、不法運転取締プログラムを実行させることにより実現するようにしてもよい。また、そのような不法運転取締プログラムはコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録されていてもよい。
【0089】
記録媒体としては、メモリ、例えばROMのように、そのもの自体がプログラムメディアであってもよいし、また、外部記憶装置としてコンピュータプログラム読取装置が設けられ、そこに記録媒体を挿入することで読み取り可能なプログラムメディアであってもよい。
【0090】
コンピュータ本体と分離可能に構成される記録媒体としては、磁気テープやカセットテープ等のテープ系、FD(フレキシブルディスク)/HD(ハードディスク)等の磁気ディスク系、CD−ROM/MO/MD/DVD等の光ディスク系、ICカード(メモリカードを含む)/光カード等のカード系、あるいは、マスクROM、EPROM、EEPROM、フラッシュROM等による半導体メモリを含めた固定的にプログラムを担持する媒体であってもよい。
【0091】
また、記録媒体としては、インターネットを含む通信ネットワークからプログラムをダウンロードするように流動的にプログラムを担持する媒体であってもよい。なお、このように通信ネットワークからプログラムをダウンロードする場合には、そのダウンロード用プログラムは予めコンピュータ本体に格納しておくか、あるいは別の記録媒体からインストールされるものであってもよい。なお、記録媒体に格納されている内容としてはプログラムに限定されず、データであってもよい。
【0092】
さらに、本発明では、プログラム自体として、図1に示されている制御部1で実行される処理そのものであってもよいし、あるいはインターネットを含む通信ネットワークとアクセスすることで取り込める、あるいは取り込んだものであってもよいし、こちらから送り出すものであってもよい。さらには、この取り込んだプログラムに基づいて、上記システム内で処理された結果、つまり生成されたものであってもよい。あるいは、こちらから送り出す際に上記システム内で処理された結果、つまり生成されたものであってもよい。なお、これらのものはプログラムに限定されず、データであってもよい。
【0093】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、携帯電話の電波が発信されている走行中の車両を監視し、携帯電話機を手で持って通話しているのが運転者または同乗者のいずれであるのか、あるいは、運転者のハンズフリー通話であるのかを認識しているので、不法運転者を取り締まることができる。また、不法運転者に関するデータを取締センターから取得するようにしているので、不法運転者の不法運転証拠を作成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態の構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の実施形態を道路に設置した状態で示す図である。
【図3】本発明の実施形態で実行する不法運転取締動作の手順を示すフローチャートである。
【符号の説明】
100 不法運転取締装置
101 装置本体
1 制御部
2 プログラムメモリ
3 バッファメモリ
4 電波受信部
4a 指向性アンテナ
4b 電波解析部
4c 電波判定部
5 速度計測部
6 車両特定部
7 撮影部
7a カメラ
7b カメラ駆動部
7c 画像処理部
8 画像認識部
9 通信部
10 計時部
11 車両情報記憶部
12 証拠作成部
13 印刷部
14 操作部
15 表示部
16 バス
F1 受信領域
F2 撮影領域
R 道路
L 対向車線
C 車両
St 運転席
N ナンバープレート
【発明の属する技術分野】
本発明は、携帯電話機を手に持って通話しながら運転している不法運転者を取り締まる不法運転取締装置及び不法運転取締方法、並びに、不法運転取締プログラム及び不法運転取締プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、自動車運転中の携帯電話機の使用による交通事故が増加し、社会的な問題となっている。
【0003】
そこで、運転中における安全性を確保することを目的として、例えば、走行中の車中での携帯電話機の使用を車速に応じて警報を出し、所定車速以上の場合には、警報と共に通話を遮断する携帯電話機が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
【0004】
また、通話中の運転事故を未然に回避する通話技術として、例えば、携帯電話機を手に持たずに、ハンドルを握った状態で通話することができるハンズフリー装置が知られている。しかしながら、ハンズフリー着信を実行するに際して、あらかじめ携帯電話機をハンズフリー装置に接続する必要があるので、ユーザにとっては、その操作が面倒であるという問題がある。そのため、実際には、ハンズフリー装置を自動車に搭載している場合でも、携帯電話機をハンズフリー装置に接続することがなく、携帯電話機を手に持って通話しながら運転するという状況が頻繁に発生している。
【0005】
このような問題を改善する従来技術として、例えば、ユーザが携帯電話機を車内に持ち込むと、携帯電話機との間の電波状況により、携帯電話端末が車内に存在していることを検出し、また、ユーザが運転すると、運転中にあることを検出し、電波を着信するに際しては、ハンズフリー装置がハンズフリー着信を実行するように制御する無線通信端末の着信制御装置が提案されている(例えば、特許文献2参照。)。
【0006】
【特許文献1】
特開平10−234076号公報(段落番号[0004]、第2図)
【特許文献2】
特開2001−103547号公報(段落番号[0003]−[0005]、第2図)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特許文献1に記載の携帯電話機では、運転中における安全性を確保できるが、低速度の走行中は通話を遮断しないので安全性は十分ではない。
【0008】
また、特許文献2に記載の無線通信端末の着信制御装置によると、自動でハンズフリー通話に切り替えられるので、携帯電話機を手に持って通話しながら運転するという状況を未然に回避することができるが、この特許文献2及び上記特許文献1に記載の技術では、いずれも、携帯電話機の通話規制を実施するための装置をユーザ側に求めるものであり、法律で走行中の通話規制機能を有する携帯電話機やハンズフリー装置の利用を義務付けない限り現実的でない。
【0009】
一方、携帯電話機を手に持った通話中の運転事故を未然に回避するための法律として、自動車または原動機付自転車を運転する場合には、当該自動車などが停止している場合を除き、携帯電話機などで通話することを禁止する法律が施行された(道路交通法第71条第1項第5号の5参照)。
【0010】
しかしながら、例えば、助手席や後部座席に同乗している人が携帯電話機で通話することや、人命にかかわるような場合に携帯電話機で緊急連絡することを規制することは適切でない。
【0011】
このような例外を除いて、携帯電話機を利用するすべての運転者にこの道路交通法を遵守させることは難しいが、上記道路交通法に違反する運転者を監視し、その不法運転者に不法運転証拠書を発行して取り締まることが望まれる。
【0012】
本発明は以上の事情を考慮してなされたものであり、例えば、携帯電話機を手で持って通話しながら運転している不法運転者を監視し、その不法運転者に対して不法運転証拠書を発行して取り締まることができる不法運転取締装置及び不法運転取締方法、並びに、不法運転取締プログラム及び不法運転取締プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明の不法運転取締装置は、携帯電話機から発信される電波を受信する電波受信部と、走行中の車両の速度を計測する速度計測部と、前記電波受信部により受信される電波及び前記速度計測部により計測される車両の走行速度に基づいて、携帯電話機で通話しながら走行している車両を特定する車両特定部と、前記車両特定部により特定された車両が所定の撮影領域に達したときに、その特定車両の運転席を含む画像を撮影する撮影部と、前記撮影部により撮影された運転席の画像から運転者が携帯電話機を手で持って通話しているか否かを認識する画像認識部とを備えていることを特徴としている。
【0014】
本発明の不法運転取締装置によれば、携帯電話機の電波が発信されている走行中の車両を監視し、携帯電話機を手で持って通話しているのが運転者または同乗者のいずれであるのか、あるいは、運転者のハンズフリー通話であるのかを認識して不法運転者を取り締まることができる。
【0015】
本発明の不法運転取締装置において、前記撮影部がナンバープレートを含む画像を撮像し、その撮影されたナンバープレートの画像から前記画像認識部が車体番号を認識するように構成されているとともに、予め指定された取締センターの端末装置と通信接続する通信部を備え、前記通信部が、前記画像認識部にて認識された車体番号に関連する運転免許証情報及び車両の車体番号を含む情報を取締センターに要求する要求信号を送信するように構成してもよい。
【0016】
このように構成すれば、携帯電話機を手で持って通話しながら運転している不法運転者に関する詳細情報を取締センターから取得することができる。
【0017】
本発明の不法運転取締装置において、前記撮影部により撮影された画像の撮影時刻を計時する計時部と、前記撮影部により撮影された画像、前記計時部により計時された撮影時刻及び前記速度計測部により計測された車両の走行速度を含む車両情報を記憶する車両情報記憶部と、前記画像認識部による認識結果と前記取締センターから取得した運転免許証情報及び車両の車体番号とに基づいて不法運転証拠を作成する証拠作成部とを備えた構成としてもよい。
【0018】
このように構成すれば、携帯電話機を手で持って通話しながら運転している不法運転者の不法運転証拠を作成することができる。
【0019】
本発明の不法運転取締装置において、前記電波受信部が、所定の受信領域において発信される電波を受信する指向性の鋭い指向性アンテナと、受信した電波の周波数及びレベルを解析する電波解析部と、走行中の車両から発信される電波が携帯電話機から発信された電波であるか否かを判定する電波判定部とを備えた構成としてもよい。
【0020】
このように構成すれば、所定の受信領域において発信される電波だけを受信し、携帯電話機から発信される電波であるか否かを判定することができる。
【0021】
本発明の不法運転取締装置において、前記電波判定部が、走行中の車両から発信された電波が携帯電話機から発信される電波でないとき、無線タクシーから発信される電波であるか、または、不法移動局から発信される電波であるのかを判定するように構成にしてもよい。
【0022】
このように構成すれば、走行中の車両から発信された電波の種類に応じて取り締まることもできる。
【0023】
本発明の不法運転取締装置において、前記速度計測部は、走行中の車両から発信する電波のドップラーシフトによる周波数変動に基づいて車両の走行速度を計測する構成にしてもよい。
【0024】
このように構成すれば、速度計測部にドップラーレーダやカメラを用いないで電波を発信している車両の走行速度を計測することができる。
【0025】
本発明の不法運転取締装置において、前記車両特定部は、携帯電話機で通話しながら走行している車両を特定し、特定した車両の走行方向と走行領域を検知しその検知した情報を前記撮影部に出力する構成にしてもよい。
【0026】
このように構成すれば、撮影部を特定された車両の運転席(及びナンバープレート)を含む画像を撮影する準備状態に設定することができる。
【0027】
本発明の不法運転取締装置において、前記撮影部は、全方位、広角度または赤外線で撮影できるカメラを備え、カメラを予め所定の撮影領域にフォーカスするとともに、前記車両特定部から出力される情報に基づいてカメラを制御し、所定の撮影領域に達した特定の車両の運転席(及びナンバープレート)を含む画像を順次撮影する構成にしてもよい。
【0028】
このように構成すれば、全方位、広角度または赤外線で撮影できるカメラを用いて、特定された車両の運転席(及びナンバープレート)を含む画像を順次撮影することができる。
【0029】
本発明の不法運転取締装置において、前記電波受信部は、前記指向性アンテナと前記電波判定部とを用いて、高速道路料金自動払い機能を有するETC(Electric Toll Collection)装置、または、運転免許証情報及び車体番号を示すIDを通信により外部に送信することができるICチップを組み込んだ電子ナンバープレートを取り付けた特定の車両から車体番号信号を受信する構成にしてもよい。
【0030】
このように構成すれば、携帯電話機で通話しながら走行している特定の車両から通話の電波を受信するとともに、IDを含む電波を受信して車体番号を取得することができる。
【0031】
本発明の不法運転取締方法は、電波受信部を用いて、携帯電話機から発信される電波を受信する処理と、速度計測部を用いて、走行中の車両の速度を計測する処理と、車両特定部を用いて、前記電波受信部により受信される電波及び前記速度計測部により計測される車両の走行速度に基づいて携帯電話機で通話しながら走行している車両を特定する処理と、撮影部を用いて、前記車両特定部により特定された車両が所定の撮影領域に達したときに、その特定車両の運転席を含む画像を撮影する処理と、画像認識部を用いて、前記撮影部により撮影された運転席の画像から運転者が携帯電話機を手で持って通話しているか否かを認識する処理とを含むことを特徴としている。
【0032】
本発明の不法運転取締方法によれば、携帯電話機の電波が発信されている走行中の車両を監視し、携帯電話機を手で持って通話しているのが運転者または同乗者のいずれであるのか、あるいは、運転者のハンズフリー通話であるのかを認識して不法運転者を取り締まることができる。
【0033】
本発明の不法運転取締プログラムは、電波受信部を制御して、携帯電話機から発信される電波を受信するステップと、速度計測部を制御して、走行中の車両の速度を計測するステップと、車両特定部を制御して、前記電波受信部により受信される電波及び前記速度計測部により計測される車両の走行速度に基づいて携帯電話機で通話しながら走行している車両を特定するステップと、撮影部を制御して、前記車両特定部により特定された車両が所定の撮影領域に達したときに、その特定車両の運転席を含む画像を撮影するステップと、画像認識部を制御して、前記撮影部により撮影された運転席の画像から運転者が携帯電話機を手で持って通話しているか否かを認識するステップとをコンピュータに実行させるためのプログラムであることを特徴としている。
【0034】
本発明の不法運転取締プログラムによれば、携帯電話機の電波が発信されている走行中の車両を監視し、携帯電話機を手で持って通話しているのが運転者または同乗者のいずれであるのか、あるいは、運転者のハンズフリー通話であるのかを認識する処理をコンピュータに実行させることができる。
【0035】
本発明の記録媒体は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体であって、前記した特徴をもつ不法運転取締プログラムを記録していることを特徴としている。
【0036】
本発明の記録媒体によれば、携帯電話機の電波が発信されている走行中の車両を監視し、携帯電話機を手で持って通話しているのが運転者または同乗者のいずれであるのか、あるいは、運転者のハンズフリー通話であるのかを認識することが可能な不法運転取締方法の汎用性を高めることができる。
【0037】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0038】
図1は本発明の不法運転取締装置の実施形態の構成を示すブロック図である。
【0039】
本実施形態の不法運転取締装置100は、制御部1、プログラムメモリ2、バッファメモリ3、電波受信部4(指向性アンテナ4a、電波解析部4b、電波判定部4c)、速度計測部5、車両特定部6、撮影部7(カメラ7a、カメラ駆動部7b、画像処理部7c)、画像認識部8、通信部9、計時部10、車両情報記憶部11、証拠作成部12、印刷部13、操作部14、表示部15、及び、バス16などによって構成されている。
【0040】
制御部1は、例えば、コンピュータのCPU、MPUなどで構成され、プログラムメモリ2に記憶された制御プログラムにより、バス16を介して、装置内の各部をそれぞれ制御する。
【0041】
プログラムメモリ2は、例えば、ROM、EPROM、EEPROM、フロッピーディスク、ハードディスクなどで構成され、制御部1がバス16を介して各部を制御するための各種制御プログラムを記憶している。
【0042】
例えば、プログラムメモリ2は、電波受信部4を制御して、携帯電話機から発信される電波を受信するステップと、速度計測部5を制御して、走行中の車両の速度を計測するステップと、車両特定部6を制御して、電波受信部4により受信される電波及び速度計測部5により計測される車両の走行速度に基づいて携帯電話機で通話しながら走行している車両を特定するステップと、撮影部7を制御して、車両特定部6により特定された車両が所定の撮影領域F2に達したときに、その特定車両の運転席及びナンバープレートを含む画像を撮影するステップと、画像認識部8を制御して、撮影部7により撮影された運転席の画像から運転者が携帯電話機を手で持って通話しているか否かを認識するステップとをコンピュータに実行させる不法運転取締プログラムを記憶している。
【0043】
バッファメモリ3は、例えば、RAM、EPROM、EEPROM、フロッピーディスク、ハードディスクなどで構成され、制御部1の制御中の各種データを記憶する。
【0044】
電波受信部4は、例えば、所定の受信領域F1(図2参照)において発信される電波を受信する指向性の鋭い指向性アンテナ4aと、受信した電波の周波数及びレベルを解析する電波解析部4bと、走行中の車両から発信される電波が携帯電話機から発信された電波であるか否かを判定する電波判定部4cとから構成されている。
【0045】
また、電波判定部4cは、走行中の車両から発信された電波が携帯電話機からの電波でないとき、無線タクシーから発信される電波であるのか、または、不法移動局から発信される電波であるのかを判定するように構成されている。
【0046】
速度計測部5は、例えば、速度計測プログラムで構成され、走行中の車両から発信する電波のドップラーシフトによる周波数変動に基づいて車両の走行速度を計測するように構成されている。なお、速度計測部5は、ドップラーレーダやカメラで構成して、公知の方法で車両の走行速度を計測するようにしてもよい。
【0047】
車両特定部6は、例えば車両検知プログラムで構成され、電波受信部4により受信される電波及び速度計測部5により計測される車両の走行速度に基づいて、携帯電話機で通話しながら走行している特定の車両の走行方向と走行領域とを検知し、その検知した情報を撮影部7に出力するように構成されている。
【0048】
撮影部7は、例えば全方位、広角度または赤外線で撮影できるカメラ7a、カメラ駆動部7b、画像処理部7c、撮影プログラムなどで構成され、カメラ7aを予め所定の撮影領域F2にフォーカスするとともに、車両特定部6から出力される情報に基づいてカメラ7aを制御し、車両特定部6により特定された車両が所定の撮影領域F2に達したときに、その特定車両の運転席及びナンバープレートを含む画像を順次撮影するように構成されている。
【0049】
また、撮影部7は、携帯電話機で通話しながら走行している特定の車両が所定の撮影領域F2に達したかどうかを判定するための画像、ナンバープレートの画像及び運転席の画像をそれぞれ撮影できるように、カメラ7aのフォーカス及びシャッターを連続制御する構成にしてもよい。
【0050】
なお、カメラ7aは、CCDやCMOSなどの撮像デバイスで構成され、電子フォーカス及び電子シャッター、電子露出機能などを備えている。また、カメラ7aは、撮影領域F2を広範囲に撮影できるように放物面状または双曲面状等の凸型回転体ミラーを組み込み、この凸型回転体ミラーから反射する映像を撮影する構成にしてもよい。
【0051】
さらに、撮影部7は、撮影領域F2において撮影された画像データをフレーム単位で記憶し、相前後して記憶されたフレーム単位の画像のパターンマッチングにより、位置ずれの画像を検知することによって走行中の不法運転車両を追尾するように構成されている。この構成により、携帯電話機で通話しながら運転している不法運転者を明確に撮影することができる。
【0052】
画像認識部8は、例えば、不法運転認識プログラムで構成され、撮影部7により撮影された運転席の画像から、携帯電話機を手で持って通話しているのが運転者であるか否かを認識するとともに、ナンバープレートの画像から車体番号を認識するように構成されている。より詳しく説明すると、画像認識部8は、撮影部7のカメラ7aのシャッター制御と連動して、フレーム単位の画像データから特定された車両のナンバープレートのナンバーと、運転席の運転者がハンズフリー装置を利用しているのかどうかを順次認識するように構成されている。その際、不法運転認識プログラムは、撮影部7により撮影された画像からハンドルの位置を認識し、これをもとに、運転席の位置を特定して運転者と同乗者の区別を認識する。さらに、運転者が携帯電話機を手で持って通話しているか否かを認識し、運転者が携帯電話機を手に持って通話していない場合はハンズフリー装置を利用していると判断する。
【0053】
通信部9は、例えば、無線信号を送信するアンテナ、モデム(信号変復調装置)、無線信号変換回路、通信回線接続回路などで構成され、予め指定された取締センターの端末装置(図示せず)と通信接続し、画像認識部8による認識結果情報と取締センターのデータベースに記憶された運転免許証情報及び車両の車体番号を含む情報の転送要求信号を送信するように構成されている。
【0054】
なお、以上の電波受信部4及び撮影部7は、取締対象となる道路の電柱や高所に設置されるので、通信部9と通信接続可能な構成にして、制御部1が通信部9を介して電波受信部4及び撮影部7を遠隔制御するように構成してもよい(図2参照)。
【0055】
計時部10は、例えば、クロックカウンタなどで構成され、撮影部7により撮影された画像の撮影時刻を計時する。
【0056】
車両情報記憶部11は、例えば、ROM、EPROM、EEPROM、フロッピーディスクまたはハードディスクなどで構成され、撮影部7により撮影された画像、計時部10により計時された撮影時刻、及び、速度計測部5により計測された車両の走行速度を含む車両情報を記憶するように構成されている。なお、車両情報記憶部11はバッファメモリ3に含めてもよい。
【0057】
証拠作成部12は、例えば、証拠作成プログラムで構成され、画像認識部8により認識した認識結果と取締センターから取得した運転免許証情報及び車両の車体番号とに基づいて不法運転証拠を作成するように構成されている。
【0058】
印刷部13は、例えば、インクジェットプリンタやレーザープリンタが用いられ、携帯電話機を手で持って通話しながら運転した運転者の氏名、違反日時、違反場所、車体番号、住所などを記載した不法運転証拠書を不法運転証拠に基づいて印刷する。さらに、不法運転証拠書として、撮像部7により撮影した運転者やナンバープレートの画像を追加してもよい。
【0059】
操作部14は、例えば、キーボード、キースイッチ、タッチパネルなどで構成され、撮影部7の撮影範囲や各種機能を設定するように構成されている。
【0060】
表示部15は、例えば、LCD(液晶ディスプレイ)、PD(プラズマ・ディスプレイ)、またはELD(エレクトロ・ルミネンス・ディスプレイ)などで構成され、操作部14により設定した機能や撮影部7により撮影された画像を画面に表示するように構成されている。
【0061】
ここで、今後、例えば、高速道路料金自動払い機能を有するETC装置を組み込んだ車両、あるいは、車両盗難防止システムとして、運転免許証情報及び車両の車体番号を示すIDを通信により外部に送信することができるICチップを組み込んだ電子ナンバープレートを取り付けた車両が増加していく傾向にある。
【0062】
このようなETC装置や電子ナンバープレートを搭載した車両が携帯電話機で通話しながら走行している場合には、電波受信部4により車両から車体番号信号を受信するように構成してもよい。このような車両については、撮影部7によりナンバープレートの画像を撮影する必要がない。
【0063】
次に、この実施形態の不法運転取締装置の道路への設置例を図2を参照しながら説明する。
【0064】
まず、不法運転取締装置100の電波受信部4の指向性アンテナ4aは、予め取締対象となる道路Rの電柱や高所に設置されている。ここでは、2組の撮像部7のカメラ7a及びカメラ駆動部7bが、車両Cの走行方向に対応し、指向性アンテナ4aの受信領域F1に近接して設定された撮影領域F2を撮影できるように対向車線Lを介して設置されている。また、受信領域F1と撮影領域F2とは一部が重なり合うように設定されている。
【0065】
指向性アンテナ4aは、所定の受信領域F1から発信される電波を受信し、受信した電波信号を、装置本体101に組み込まれている制御部1に無線または有線(例えばバス16)により送信するように構成されている。
【0066】
カメラ7aは、カメラ駆動部7bにより予め所定の撮影領域F2にフォーカスされるとともに、車両特定部6により特定された車両Cが所定の撮影領域F2に達したとき、その特定された車両Cの運転席St及びナンバープレートNを含む画像を順次撮影し、撮影した画像信号を装置本体101に組み込まれている制御部1に無線または有線により送信するように構成されている。
【0067】
次に、この実施形態で実行する不法運転取締動作の手順を図3のフローチャートを参照しながら説明する。なお、図3に示す動作において不法運転取締装置100は起動しているものとする。
【0068】
ステップS1:電波を発信している車両Cが指向性アンテナ4aの受信領域F1に入ると、電波受信部4が受信領域F1において電波を受信したか否かを判定し、「電波を受信した」場合はステップS2に進み、「電波を受信していない」場合は電波受信待ち状態を保持する。
【0069】
ステップS2:電波解析部4bが、電波をしばらくモニターし、受信中の電波の周波数及びレベルを解析してステップS3に進む。
【0070】
ステップS3:速度計測部5が、走行中の車両Cから発信する電波のドップラーシフトによる周波数変動に基づいて車両Cの走行速度を計測する。
ステップS4:速度計測部5が、計測した走行速度から電波を発信している車両は走行中であるか否かを判定し、「電波発信している車両が走行中である」場合はステップS5に進み、「電波発信している車両が走行していない」場合は処理を終了する。
【0071】
ステップS5:電波判定部4cが、走行中の車両Cから発信される電波が携帯電話機から発信された電波であるか否かを判定し、「携帯電話機から発信された電波である」場合はステップS6に進み、「携帯電話機から発信された電波でない」場合はステップS16に進む。
【0072】
ステップS6:車両特定部6が、電波判定部4cの判定結果及び速度計測部5の計測結果から、携帯電話機で通話しながら走行している車両Cを特定するとともに、その特定した車両Cの走行方向と走行領域とを検知し、この検知した情報を撮影部7に出力してステップS7に進む。
【0073】
ステップS7:撮影部7が、カメラ7aを予め所定の撮影領域F2にフォーカスするとともに、車両特定部6から出力される情報に基づいてカメラ7aを制御し、車両特定部6にて特定された車両Cが所定の撮影領域F2に達したときに、その特定された車両Cの運転席St及びナンバープレートNを含む画像を順次撮影する。
【0074】
ステップS8:計時部10が、撮影部7により撮影された画像の撮影時刻を計時する。
【0075】
ステップS9:撮影部7にて撮影された画像、計時部10により計時された撮影時刻、及び、速度計測部5にて計測された車両Cの走行速度を含む車両情報を車両情報記憶部11に記憶する。
【0076】
ステップS10:画像認識部8が、撮影部7にて撮影された画像を車両情報記憶部11から読み出し、ハンドルの位置を認識する(右ハンドル車または左ハンドル車のいずれであるかを認識する)。この認識結果を基づいて運転席Stの位置を特定して運転者を認識する。
【0077】
ステップS11:運転者が携帯電話機を手に持って通話しているか否かを認識し、「携帯電話機を手に持って通話している」場合はステップS12に進み、「携帯電話機を手に持って通話していない」場合は、ハンズフリー装置を利用していると判定して処理を終了する。
【0078】
ステップS12:画像認識部8が、車両情報記憶部11から車両情報を読み出してナンバープレートNの画像から車体番号を認識する。
【0079】
ステップS13:通信部9が、予め指定された取締センターの端末装置(図示せず)との通信接続を行い、画像認識部8において認識した車体番号に関連する運転免許証情報及び車両Cの車体番号を含む情報を要求する要求信号を、取締センターに送信した後、ステップS14に進む。
【0080】
ステップS14:証拠作成部12が、画像認識部8により認識した認識結果と取締センターから取得した運転免許証情報及び車両Cの車体番号とに基づいて不法運転証拠を作成する。
【0081】
ステップS15:印刷部13が、証拠作成部12にて作成された不法運転証拠に基づいて不法運転証拠書を印刷する。
【0082】
ステップS16:ステップS5において、車両Cから発信された電波が「携帯電話機から発信される電波でない」と判定された場合、電波判定部4cは、無線タクシーから発信される電波か否かを判定する。その判定結果が「無線タクシーから発信される電波でない」場合はステップS17に進み、「無線タクシーから発信される電波である」場合は処理を終了する。
【0083】
ステップS17:受信した電波が、携帯電話機から発信された電波」及び「無線タクシーから発信される電波」のいずれでもない場合、不法移動局から発信された電波か否かを判定し、「不法移動局から発信された電波である」場合はステップS18に進み、「不法移動局から発信された電波でない」場合は処理を終了する。
【0084】
ステップS18:不法移動局の取締処理を実行して処理を終了する。
【0085】
以上のように、本実施形態では、携帯電話機の電波が発信されている走行中の車両を監視し、携帯電話機を手で持って通話しているのが運転者または同乗者のいずれであるのか、あるいは、運転者のハンズフリー通話であるのかを認識して不法運転者を取り締まることができる。
【0086】
また、携帯電話機を手で持って通話しながら運転している不法運転者に関する詳細情報を取締センターから取得しているので、携帯電話機を手で持って通話しながら運転している不法運転者の不法運転証拠を作成することができる。
【0087】
さらに、走行中の車両から発生された電波が、「携帯電話機から発信される電波」、「無線タクシーから発信される電波」または「不法移動局から発信される電波」のいずれであるのかを判定することができるので、走行中の車両から発信された電波の種類に応じて不法運転の取締を行うことができる。
【0088】
ここで、以上の実施形態で説明した不法運転取締方法(処理)は、パーソナルコンピュータやワークステーションなどの汎用的なコンピュータに、不法運転取締プログラムを実行させることにより実現するようにしてもよい。また、そのような不法運転取締プログラムはコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録されていてもよい。
【0089】
記録媒体としては、メモリ、例えばROMのように、そのもの自体がプログラムメディアであってもよいし、また、外部記憶装置としてコンピュータプログラム読取装置が設けられ、そこに記録媒体を挿入することで読み取り可能なプログラムメディアであってもよい。
【0090】
コンピュータ本体と分離可能に構成される記録媒体としては、磁気テープやカセットテープ等のテープ系、FD(フレキシブルディスク)/HD(ハードディスク)等の磁気ディスク系、CD−ROM/MO/MD/DVD等の光ディスク系、ICカード(メモリカードを含む)/光カード等のカード系、あるいは、マスクROM、EPROM、EEPROM、フラッシュROM等による半導体メモリを含めた固定的にプログラムを担持する媒体であってもよい。
【0091】
また、記録媒体としては、インターネットを含む通信ネットワークからプログラムをダウンロードするように流動的にプログラムを担持する媒体であってもよい。なお、このように通信ネットワークからプログラムをダウンロードする場合には、そのダウンロード用プログラムは予めコンピュータ本体に格納しておくか、あるいは別の記録媒体からインストールされるものであってもよい。なお、記録媒体に格納されている内容としてはプログラムに限定されず、データであってもよい。
【0092】
さらに、本発明では、プログラム自体として、図1に示されている制御部1で実行される処理そのものであってもよいし、あるいはインターネットを含む通信ネットワークとアクセスすることで取り込める、あるいは取り込んだものであってもよいし、こちらから送り出すものであってもよい。さらには、この取り込んだプログラムに基づいて、上記システム内で処理された結果、つまり生成されたものであってもよい。あるいは、こちらから送り出す際に上記システム内で処理された結果、つまり生成されたものであってもよい。なお、これらのものはプログラムに限定されず、データであってもよい。
【0093】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、携帯電話の電波が発信されている走行中の車両を監視し、携帯電話機を手で持って通話しているのが運転者または同乗者のいずれであるのか、あるいは、運転者のハンズフリー通話であるのかを認識しているので、不法運転者を取り締まることができる。また、不法運転者に関するデータを取締センターから取得するようにしているので、不法運転者の不法運転証拠を作成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態の構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の実施形態を道路に設置した状態で示す図である。
【図3】本発明の実施形態で実行する不法運転取締動作の手順を示すフローチャートである。
【符号の説明】
100 不法運転取締装置
101 装置本体
1 制御部
2 プログラムメモリ
3 バッファメモリ
4 電波受信部
4a 指向性アンテナ
4b 電波解析部
4c 電波判定部
5 速度計測部
6 車両特定部
7 撮影部
7a カメラ
7b カメラ駆動部
7c 画像処理部
8 画像認識部
9 通信部
10 計時部
11 車両情報記憶部
12 証拠作成部
13 印刷部
14 操作部
15 表示部
16 バス
F1 受信領域
F2 撮影領域
R 道路
L 対向車線
C 車両
St 運転席
N ナンバープレート
Claims (12)
- 携帯電話機から発信される電波を受信する電波受信部と、走行中の車両の速度を計測する速度計測部と、前記電波受信部により受信される電波及び前記速度計測部により計測される車両の走行速度に基づいて、携帯電話機で通話しながら走行している車両を特定する車両特定部と、前記車両特定部により特定された車両が所定の撮影領域に達したときに、その特定車両の運転席を含む画像を撮影する撮影部と、前記撮影部により撮影された運転席の画像から運転者が携帯電話機を手で持って通話しているか否かを認識する画像認識部とを備えていることを特徴とする不法運転取締装置。
- 前記撮影部がナンバープレートを含む画像を撮像し、その撮影されたナンバープレートの画像から前記画像認識部が車体番号を認識するように構成されているとともに、予め指定された取締センターの端末装置と通信接続する通信部を備え、前記通信部が、前記画像認識部にて認識された車体番号に関連する運転免許証情報及び車両の車体番号を含む情報を取締センターに要求する要求信号を送信することを特徴とする請求項1記載の不法運転取締装置。
- 前記撮影部により撮影された画像の撮影時刻を計時する計時部と、前記撮影部により撮影された画像、前記計時部により計時された撮影時刻及び前記速度計測部により計測された車両の走行速度を含む車両情報を記憶する車両情報記憶部と、前記画像認識部による認識結果と前記取締センターから取得した運転免許証情報及び車両の車体番号とに基づいて不法運転証拠を作成する証拠作成部とを備えていることを特徴とする請求項2記載の不法運転取締装置。
- 前記電波受信部は、所定の受信領域において発信される電波を受信する指向性の鋭い指向性アンテナと、受信した電波の周波数及びレベルを解析する電波解析部と、走行中の車両から発信される電波が携帯電話機から発信された電波であるか否かを判定する電波判定部とを備えていることを特徴とする請求項1記載の不法運転取締装置。
- 前記電波判定部は、走行中の車両から発信された電波が携帯電話機からの電波でないとき、無線タクシーから発信される電波であるのか、または、不法移動局から発信される電波であるのかを判定することを特徴とする請求項4記載の不法運転取締装置。
- 前記速度計測部は、走行中の車両から発信する電波のドップラーシフトによる周波数変動に基づいて車両の走行速度を計測することを特徴とする請求項1記載の不法運転取締装置。
- 前記車両特定部は、携帯電話機で通話しながら走行している車両を特定し、この特定した車両の走行方向と走行領域を検知し、その検知した情報を前記撮影部に出力することを特徴とする請求項1記載の不法運転取締装置。
- 前記撮影部は、全方位、広角度または赤外線で撮影できるカメラを備え、そのカメラを予め所定の撮影領域にフォーカスするとともに、前記車両特定部から出力される情報に基づいて前記カメラを制御することにより、所定の撮影領域に達した特定の車両の運転席を含む画像を順次撮影することを特徴とする請求項7記載の不法運転取締装置。
- 前記電波受信部は、前記指向性アンテナと前記電波判定部とを用いて、高速道路料金自動払い機能を有するETC装置、または、運転免許証情報及び車体番号を示すIDを通信により外部に送信することができるICチップを組み込んだ電子ナンバープレートを取り付けた特定の車両から車体番号信号を受信することを特徴とする請求項4記載の不法運転取締装置。
- 電波受信部を用いて、携帯電話機から発信される電波を受信する処理と、速度計測部を用いて、走行中の車両の速度を計測する処理と、車両特定部を用いて、前記電波受信部により受信される電波及び前記速度計測部により計測される車両の走行速度に基づいて携帯電話機で通話しながら走行している車両を特定する処理と、撮影部を用いて、前記車両特定部により特定された車両が所定の撮影領域に達したときに、その特定車両の運転席を含む画像を撮影する処理と、画像認識部を用いて、前記撮影部により撮影された運転席の画像から運転者が携帯電話機を手で持って通話しているか否かを認識する処理とを含むことを特徴とする不法運転取締方法。
- 電波受信部を制御して、携帯電話機から発信される電波を受信するステップと、速度計測部を制御して、走行中の車両の速度を計測するステップと、車両特定部を制御して、前記電波受信部により受信される電波及び前記速度計測部により計測される車両の走行速度に基づいて携帯電話機で通話しながら走行している車両を特定するステップと、撮影部を制御して、前記車両特定部により特定された車両が所定の撮影領域に達したときに、その特定車両の運転席を含む画像を撮影するステップと、画像認識部を制御して、前記撮影部により撮影された運転席の画像から運転者が携帯電話機を手で持って通話しているか否かを認識するステップとをコンピュータに実行させるための不法運転取締プログラム。
- 請求項11記載の不法運転取締プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
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JP2003206507A JP2005056000A (ja) | 2003-08-07 | 2003-08-07 | 不法運転取締装置、不法運転取締方法、不法運転取締プログラム及び不法運転取締プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体 |
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