JP2005055385A - 多回路電力量計 - Google Patents

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Abstract

【課題】 本発明は、より測定精度を向上させた多回路電力量計を提供することである。
【解決手段】 本発明に係る、測定対象である交流回路100の複数の計測点における電力量を各々計測する多回路電力量計1は、交流回路100の電圧が複数の計測点における共通電圧として入力される共通電圧入力ポートと、複数の計測点の電流がそれぞれ入力される複数の電流入力ポートとを備え、複数の電流入力ポートの各入力を順次に切替えつつ共通電圧入力ポートの入力及び複数の電流入力ポートの入力を交互に切替えて出力する切替処理を一単位として、該一単位の切替処理を交流回路100に流れる交流周期の半分以下の時間間隔で繰り返す入力回路切替部20と、入力回路切替部20から出力された共通電圧及び計測点の電流に基づいて電力を演算する電力計測部30と、電力計測部30の出力に基づいて複数の計測点ごとに電力量を演算する回路毎電力量演算部40とを備える。
【選択図】 図1

Description

本発明は、測定対象である交流回路の複数の計測点における電力量をそれぞれ計測する多回路電力量計に関し、特に、測定精度を向上させた多回路電力量計に関する。
オフィスビルや小売店舗等では、一般電気事業者の配電系統から受電設備で受電した電気を配電盤や分電盤で複数の屋内配線に分岐し、分岐した屋内配線を介して各負荷に電力を供給しているが、近年、省エネルギー等のために、様々な箇所の交流回路における消費電力量を知りたいという要請がある。この要請に応えるために、例えば、特許文献1に開示されているように、複数の交流回路の電力量をそれぞれ計測する多回路電力計と呼ばれる計測機器がある。
図12は、特許文献1に記載の多回路電力量計の構成を示すブロック図である。図12において、特許文献1に記載の多回路電力量計500は、電圧電流検出手段501と、入力回路切替手段502と、電力量計測手段503と、回路毎電力量演算手段504とを備えて構成される。
電圧電流検出手段501は、測定対象である複数の交流回路のそれぞれについて設けられた電圧検出手段501a及び電流検出手段501bから成る回路である。入力回路切替手段502は、電圧電流検出手段501からの複数の入力を交流回路ごとに交流の特定整数周期を単位時間として順次に切替えて出力する回路である。
電力量計測手段503は、時分割手段5031と、時分割データ読取手段5032と、時分割電力量演算手段5033とを備えて構成され、入力回路切替手段502からの出力に基づいて単位時間における電力量を周期的に計測する。なお、時分割データ読取手段5032は、計測対象の複数の交流回路別に設けた電圧サンプルホールド回路5034a及び電流サンプルホールド回路5034bから成る電圧電流サンプルホールド回路5034と、マルチプレクサ5035と、アナログ/ディジタル変換器5036と、メモリ5037とを備えて構成される。回路毎電力量演算手段504は、電力量計測手段503で計測した単位時間における電力量を連続計測した場合の電力量に換算して交流回路ごとについての電力量を演算する回路である。
このような構成の多回路電力量計500は、各交流回路について順次に、当該交流回路の電圧及び電流を交流の特定整数周期(単位時間)で検出して単位時間の電力量を演算すると共に、他交流回路の電圧及び電流を検出している間における当該交流回路の電力量がこの検出した単位時間の電力量であると擬制して連続計測した場合における電力量に換算している。例えば、第1乃至第3の3個の交流回路における各電力量を計測する場合には、多回路電力量計500は、第1単位時間で第1交流回路の電圧及び電流を検出して電力量を計測し、第2単位時間で第2交流回路の電圧及び電流を検出して電力量を計測し、第3単位時間で第3交流回路の電圧及び電流を検出して電力量を計測する。第4単位時間では第1交流回路に戻り、以下同様に各交流回路の電力量を順次に周期的に計測する。そして、第2及び第3単位時間における第1交流回路の電力量は、第1単位時間で計測した電力量であるとみなし、第1交流回路の第1乃至第3単位時間における電力量を得ている。
特開平10−026641号公報
ところで、背景技術に係る多回路電力量計では、上述のように、各交流回路の電力量を間歇的に交流の特定整数周期で計測し、当該交流回路について計測していない期間における電力量をその計測した期間における電力量で補間することによって得ている。このため、良好な精度で各交流回路の電力量を検出するためには、交流回路の電力における変動等を考慮するために、交流の特定整数周期を交流周期の一定回数以上に亘る長期間にする必要があった。
本発明は、上述の事情に鑑みて為された発明であり、長期間に亘って1の交流回路の電力量を検出しなくても充分な精度で交流回路の各計測点における電力量を計測し得る多回路電力量計を提供することを目的とする。
さらに、本発明は、背景技術に係る多回路電力量計に較べて、より簡単な構成で、より低廉に、また、低力率であっても充分な精度で各計測点の電力量を計測し得る多回路電力量計を提供することを目的とする。
上述の目的を達成するために、本発明の第1の手段に係る、測定対象である交流回路の複数の計測点における電力量をそれぞれ計測する多回路電力量計は、各計測点の電流を順次に計測しつつ前記交流回路の電圧及び前記計測点の電流を交互に測定する測定処理を一単位として、該一単位の測定処理を前記交流回路に流れる交流周期の半分以下の時間間隔で繰り返す。そして、本発明の第2の手段に係る、測定対象である交流回路の複数の計測点における電力量をそれぞれ計測する多回路電力量計は、前記交流回路の電圧が前記複数の計測点における共通電圧として入力される共通電圧入力ポートと、前記複数の計測点の電流がそれぞれ入力される複数の電流入力ポートとを備え、前記複数の電流入力ポートの各入力を順次に切替えつつ前記共通電圧入力ポートの入力及び前記複数の電流入力ポートの入力を交互に切替えて出力する切替処理を一単位として、該一単位の切替処理を前記交流回路に流れる交流周期の半分以下の時間間隔で繰り返す入力回路切替部と、前記入力回路切替部から出力された共通電圧及び計測点の電流に基づいて電力を演算する電力計測部と、前記電力計測部の出力に基づいて前記複数の計測点ごとに電力量を演算する回路毎電力量演算部とを備える。
また、上述の多回路電力量計において、前記電力計測部は、計測点の電流、及び、該計測点の電流が前記入力回路切替部より出力された時刻に隣接する時刻で出力された共通電圧に基づいて電力を演算する。
さらに、上述の多回路電力量計において、前記電力計測部は、計測点の電流、及び、該計測点の電流が前記入力回路切替部より出力された時刻より前に隣接する時刻で出力された共通電圧に基づいて第1電力を演算し、該計測点の電流、及び、前記計測点の電流が前記入力回路切替部より出力された時刻より後に隣接する時刻で出力された共通電圧に基づいて第2電力を演算し、前記回路毎電力量演算部は、前記第1電力及び前記第2電力の平均をさらに演算することによって前記複数の計測点ごとに電力量を演算する。
そして、上述の多回路電力量計において、前記電流入力ポートには、測定点において変流器を用いて電流を測定する電流測定回路が接続され、前記測定点に前記変流器の電流定格に相当する電流が流れた場合に前記入力回路切替部の出力が前記電力計測部の入力ダイナミックレンジ一杯に入力されるように前記入力回路切替部の出力を増幅する増幅部をさらに備える。
また、上述の多回路電力量計において、前記電流入力ポートには、測定点において変流器を用いて電流を測定する電流測定回路が接続され、前記測定点に前記変流器の電流定格に相当する電流が流れた場合に前記入力回路切替部の出力の半波が前記電力計測部の入力ダイナミックレンジ一杯に入力されるように前記入力回路切替部の出力を増幅する増幅部と、前記増幅部の出力の絶対値を出力する絶対値化部とをさらに備える。
さらに、上述の多回路電力量計において、前記電流入力ポートには、測定点において変流器を用いて電流を測定する電流測定回路が接続され、前記入力回路切替部の出力の絶対値を出力する絶対値化部と、前記測定点に前記変流器の電流定格に相当する電流が流れた場合に前記絶対値化部の出力が前記電力計測部の入力ダイナミックレンジ一杯に入力されるように前記入力回路切替部の出力を増幅する増幅部とをさらに備える。
そして、上述の多回路電力量計において、前記回路毎電力量演算部は、前記複数の計測点ごとに前記電力計測部の出力の和を演算し、演算した和が所定値になると所定の一単位の電力量に達したとして前記所定の一単位だけ計測点の電力量をカウントアップすることによって電力量を演算する。
また、上述の多回路電力量計において、一定期間における電力量と他の一定期間における電力量との比を前記各測定点ごとに演算し、演算結果が一定の範囲内である場合には、前記一定期間を単位として間歇的に前記入力回路切替部、前記電力計測部及び前記回路毎電力量演算部を駆動させる制御部をさらに備える。
このような構成の多回路電力量計は、各計測点の電流を順次に計測しつつ交流回路の電圧及び計測点の電流を交互に測定する測定処理を一単位として、この一単位の測定処理を交流回路に流れる交流周期の半分以下の時間間隔で繰り返すので、背景技術で説明したように長期間に亘って1の計測点の電力量を検出しなくても充分な精度で各計測点の電力量を計測し得る。
以下、本発明に係る実施形態を図面に基づいて説明する。なお、各図において同一の符号を付した構成は、同一の構成であることを示し、その説明を省略する。
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態に係る多回路電力量計の構成を示すブロック図である。図2は、共通電圧測定回路の構成を示す図である。図3は、各交流回路の電流測定回路の構成を示す図である。図4は、入力回路切替部の切替動作を説明するための図である。図5は、回路毎電力量演算部の演算原理を説明するための図である。
図1において、多回路電力量計1は、入力回路切替部20と、電力計測部30と、回路毎電力量演算部40とを備えて構成され、入力回路切替部20には、測定対象の交流回路100における共通電圧が共通電圧測定回路10から入力され、交流回路100の各計測点における電流が複数の電流測定回路11(第1電流測定回路11−1〜第N電流測定回路11−N、Nは2以上の整数)から入力される。
共通電圧測定回路10は、測定対象の交流回路100における共通の電圧を測定し、測定した共通電圧を入力回路切替部20に出力する回路である。共通電圧測定回路10は、例えば、図2に示すように、交流回路100に接続される変成器101と、電圧検出部102とを備えて構成され、電圧検出部102で検出した電圧が入力回路切替部20の共通電圧入力ポートに出力される。
電流測定回路11は、測定対象の交流回路100における各計測点の電流を測定し、測定した各電流を入力回路切替部20に出力する回路である。電流測定回路11は、例えば、図3に示すように、交流回路100に取り付けられる変流器111と、入力インピーダンス112と、電流検出部113とを備えて構成され、電流検出部113で検出した電流が入力回路切替部20の電流入力ポートに出力される。
入力回路切替部20は、複数の入力ポート(共通電圧入力ポート及び第1乃至第N電流入力ポート)、出力及び入力ポートと出力とを切替える切替回路を備え、複数の入力ポートからの入力を所定の順番により所定の時間間隔で切替回路によって切替えて電力計測部30に出力する出力処理を一単位としてこの一単位の出力処理を交流回路100の交流周期Tの半分以下の時間間隔(T/2以下)で繰り返す回路である。即ち、入力回路切替部20は、複数の電流入力ポートからの入力を順次に切替えて出力しつつ共通電圧入力ポートからの入力及び電流入力ポートからの入力を交互に切替えて出力する出力処理を一単位としてこの一単位の出力処理を交流回路100の交流周波数fの2倍以上の周波数(2×f以上)で繰り返す回路である。交流回路100の交流周期Tの半分以下の時間間隔(T/2以下)で切替えるのは、標本化定理に依る。交流回路100の周期は、例えば交流回路100が商用である場合には、東日本では1/50秒(商用周波数50Hz)であり、西日本では1/60秒(商用周波数60Hz)である。従って、この場合において、繰り返しの時間間隔は、東日本では1/100秒以下であり、西日本では1/120秒以下である。
入力回路切替部20は、図4に示すように、まず、共通電圧を測定するために(図4の(1))、共通電圧入力ポートからの入力に切替え、次に、第1電流測定回路11−1の電流を測定するために(図4の(2))、第1電流測定回路11−1が接続する電流入力ポートからの入力に切替える。そして、再び、共通電圧を測定するために(図4の(3))、共通電圧入力ポートからの入力に切替え、次に、第2電流測定回路11−2の電流を測定するために(図4の(4))、第2電流測定回路2が接続する電流入力ポートからの入力に切替える。そして、再び、共通電圧を測定するために(図4の(5))、共通電圧入力ポートからの入力に切替え、次に、第3電流測定回路3の電流を測定するために(図4の(6))、第3電流測定回路11−3が接続する電流入力ポートからの入力に切替える。以下、同様に、第N電流測定回路11−Nの電流を測定するために、第N電流測定回路11−Nが接続する電流入力ポートからの入力に切替えるまで、電流入力ポートからの入力を順次に切替えつつ共通電圧入力ポートからの入力と電流入力ポートからの入力とを交互に切替えて出力する。そして、共通電圧の測定と第1電流測定回路11−1の電流の測定とに戻る。
このように入力回路切替部20は、入力を切替えて出力するので、交流回路100における各計測点の電流を順次に測定しつつ交流回路100の共通電圧及び各計測点の電流を電力計測部30に交互に出力する。
ここで、共通電圧の測定時刻(図4の(1))、第1電流測定回路11−1の電流の測定時刻(図4の(2))、共通電圧の測定時刻(図4の(3))、第2電流測定回路11−2の電流の測定時刻(図4の(4))、共通電圧の測定時刻(図4の(5))、第3電流測定回路11−3の電流の測定時刻(図4の(6))、・・・、共通電圧の測定時刻、そして、第N電流測定回路11−Nの電流の測定時刻における各測定時刻の時間間隔は、所定の時間、例えば約5μS(マイクロ秒)であり、共通電圧の測定(図4の(1))から第N電流測定回路11−Nの電流の測定に至るまでを測定処理の一単位として、この一単位の繰り返しにおける時間間隔は、例えば交流回路100の交流周期Tにおける十六分の一の時間T/16である。
電力計測部30は、入力回路切替部20から出力された共通電圧及び計測点の電流に基づいて電力を演算する回路であり、データ読取部301と、電力演算部302とを備えて構成される。
データ読取部301は、入力回路切替部20から出力された共通電圧及び計測点の電流をディジタル値に変えて一時的に記憶する回路であり、入力回路切替部20の出力を一定時間保持する電圧電流サンプルホールド回路(以下、「電圧電流S/H」と略記する。)3011と、電圧電流S/H3011でホールドされているアナログ量をディジタル値に変換するA/D変換器3012と、A/D変換器3012の出力を記憶するメモリ3013とを備えて構成される。
電力演算部302は、メモリ3013に記憶されている測定した共通電圧(計測共通電圧)と、該計測共通電圧の測定時刻に隣接する時刻で測定された電流(計測電流)とに基づいて電力を演算する回路である。電力演算部302は、例えば、マイクロコンピュータ等である。例えば、図4に示す例では、或る時刻における第1電流測定回路11−1の電力は、図4の(1)の測定時刻に測定された共通電圧と図4の(2)の測定時刻に測定された第1電流測定回路11−1の電流とに基づいて演算される。
ここで、本実施形態では、或る時刻における或る電流測定回路11の電力を演算する場合に、先に共通電圧を測定した後にこの或る電流測定回路11の電流を測定するように構成したが、先に或る電流測定回路11の電流を測定した後に共通電圧を測定するように構成し、これら電流及び共通電圧に基づいてこの電流測定回路11の電力を演算するように構成してもよい。このように共通電圧の測定時刻に隣接する時刻で測定された電流とに基づいて電力を演算するので、位相ずれによる誤差を低減することができる。特に、低力率時の誤差への影響を小さくすることができる。
また、測定した電流と該測定した電流の測定時刻に隣接する時刻で計測された両共通電圧(電流計測前共通電圧及び電流計測後共通電圧)とを用いて、測定した電流と電流計測前共通電圧とに基づく電力A、及び、測定した電流と電流計測後共通電圧とに基づく電力B、の平均値を求め、求めた平均値を或る時刻における或る電流測定回路11の電力Wとしてもよい。例えば、図4の(2)に示す計測時刻における第1電流測定回路11−1の電力Wは、図4の(2)で計測した電流と図4の(1)で測定した共通電圧(電流計測前共通電圧)とに基づく電力A、及び、図4の(2)で測定した電流と図4の(1)で測定した共通電圧(電流計測後共通電圧)とに基づく電力B、の平均値とする。なお、このように平均して電力を求める場合には、例えば、電力演算部302によって、これら電力A、Bを求め、回路毎電力量演算部40によって平均を求めるように構成する。このように平均の電力を求めることによって上述よりもさらに位相ずれによる誤差を低減することができる。特に、低力率時の誤差への影響を原理上無くすことができる。
回路毎電力量演算部40は、電力計測部30の出力に基づいて交流回路100の各計測点ごとに電力量を演算する回路である。回路毎電力量演算部40は、例えば、マイクロコンピュータ等である。図5に示すように、回路毎電力量演算部40は、まず、電力演算部302の出力があるたびに交流回路100の各計測点ごとにその和を演算する。次に、回路毎電力量演算部40は、演算した和が所定値△Wであるか否かを判断する。判断の結果、回路毎電力量演算部40は、演算した和が所定値△W未満である場合には電力演算部302の出力の和を演算する処理を続け、一方、演算した和が所定値△Wになるとカウントの単位電力Wの電力量が当該測定点における交流回路100で消費されたとして、電力量を表示するカウンタ(不図示)を1カウントだけカウントアップすると共に、演算した和から所定値△Wを減算してから、電力演算部302の出力の和を演算する処理を続ける。このように回路毎電力量演算部40は、除算を行うことなく和算及び減算によって電力計測部30の出力に基づいて交流回路100の各計測点ごとに電力量を演算するので、除算機能のないローコストなマイクロコンピュータで多回路電力量計1を構成することができる。
所定値△Wは、カウントの単位電力W、変流器の電流定格、交流回路100の当該測定点におけるサンプリング周期t、A/D変換器3012の分解能(ビット数)によって決定される。例えば、カウントの単位電力W=1Ws、変流器の電流定格50A、交流回路100の当該測定点におけるサンプリング周期t=500[μs/sample]、A/D変換器3012の分解能(ビット数)=10ビット=1024段階(0〜1023)とし、交流回路100にはAC100Vの交流電圧が印加されているとすると、1ビット当たりの電流は50/1023[A/bit]、1ビット当たりの電圧は100/1023[V/bit]から1ビット当たりの電力は(50/1023)×(100/1023)[V・A/bit・bit]、1サンプリング当たりの電力量は(50/1023)×(100/1023)×500[μWs/sample・bit・bit]となる。よって、△Wは、1000000/((50/1023)×(100/1023)×500)=418611である。従って、この場合において、回路毎電力量演算部40は、電力演算部302の出力の和が418611になるたびに、1Wsの電力量が当該測定点における交流回路100で消費されたとする。
なお、多回路電力量計1は、共通電圧測定回路10及び変流器111を除く電流測定回路11が組み込まれるように構成されてもよい。
次に、本実施形態の動作について説明する。
図6は、第1の実施形態に係る多回路電力量計の動作を示すフローチャートである。
図4及び図6において、多回路電力量計1は、例えば、計測開始押しボタンスイッチ(不図示)等によって、交流回路100の各計測点における電力量の計測開始が指示されると、入力回路切替部20は、共通電圧を測定すべく、共通電圧入力ポートの出力が電力計測部30に入力されるように入力を切替える(S11)。共通電圧入力ポートに切替えられると、電力計測部30における電圧電流S/H3011で共通電圧がサンプルホールドされ(S12)、そして、共通電圧がA/D変換器3012でディジタル化され、メモリ3013に記憶される(S13、図4の(1))。
所定の時間、例えば約5μSが経過すると、入力回路切替部20は、第1電流測定回路11−1の電流を測定すべく、第1電流入力ポートの出力が電力計測部30に入力されるように入力が切替わる(S14)。第1電流入力ポートに切替えられると、電力計測部30における電圧電流S/H3011で第1電流測定回路11−1の電流がサンプルホールドされ(S15)、そして、第1電流測定回路11−1の電流がA/D変換器3012でディジタル化され、メモリ3013に記憶される(S16、図4の(2))。
次に、所定の時間(約5μS)が経過すると、入力回路切替部20は、共通電圧を測定すべく、共通電圧入力ポートの出力が電力計測部30に入力されるように入力が切替わる(S17)。共通電圧入力ポートに切替えられると、電力計測部30における電圧電流S/H3011で共通電圧がサンプルホールドされ(S18)、そして、共通電圧がA/D変換器3012でディジタル化され、メモリ3013に記憶される(S19、図4の(3))。
次に、所定の時間(約5μS)が経過すると、入力回路切替部20は、第2電流測定回路11−2の電流を測定すべく、第2電流入力ポートの出力が電力計測部30に入力されるように入力が切替わる(S20)。第2電流入力ポートに切替えられると、電力計測部30における電圧電流S/H3011で第2電流測定回路11−2の電流がサンプルホールドされ(S21)、そして、第2電流測定回路11−2の電流がA/D変換器3012でディジタル化され、メモリ3013に記憶される(S22、図4の(4))。
以下、同様に、第N電流測定回路11−Nの電流がA/D変換器3012でディジタル化され、メモリ3013に記憶されるまで、共通電圧の測定及び当該電流測定回路11の電流の測定が順次に実行される(Sm)。
そして、電力演算部302は、電力計測部30のメモリ3013に記憶されている共通電圧と各電流測定回路11の電流とから各電流測定回路11が測定する計測点における交流回路100の電力をそれぞれ演算し、演算した第1電流測定回路11−1の電力乃至第N電流測定回路11−Nの電力を回路毎電力量演算部40に出力する(S(m+1))。回路毎電力量演算部40は、入力された各電力に基づいて第1電流測定回路11−1の電力量乃至第N電流測定回路11−Nの電力量を上述のようにそれぞれ積算し(S(m+2))、処理をS11に戻す。
ここで、この第1電流測定回路11−1の測定(S11)から第1乃至第N電流測定回路11の電力量の演算(S(m+2))が終了し、再び、第1電流測定回路11−1の測定(S11)に戻る繰り返しの周期は、交流回路100の交流周期Tの半分以下、例えば、T/16となるように設定される。このように周期的に繰り返えされることによって、第1電流測定回路11−1から第N電流測定回路11−Nまでの電力量がそれぞれ計測される。
このように第1の実施形態に係る多回路電力量計1は、各計測点の電流を順次に計測しつつ交流回路100の電圧及び計測点の電流を交互に測定する測定処理を一単位として、この一単位の測定処理を交流回路100に流れる交流周期Tの半分以下の時間間隔で繰り返すので、背景技術で説明したように長期間に亘って1の計測点における電力量を検出しなくても充分な精度で各計測点の電力量を計測し得る。そして、第1の実施形態に係る多回路電力量計1は、このように測定されるので、背景技術で説明したような複数の電圧電流S/Hを備える必要はなく、1個の電圧電流S/H3011でよい。さらに、第1の実施形態に係る多回路電力量計1は、背景技術で説明したような時分割手段やマルチプレクサも不要である。このため、第1の実施形態に係る多回路電力量計1は、背景技術で説明した多回路電力量計に較べて、より簡易な構成で、より低廉に製造することができる。
また、共通電圧の測定、第1電流測定回路11−1の電流の測定、第1電流測定回路11−1の電力の演算、及び、第1電流測定回路11−1の電力量の積算を行い、次に、共通電圧の測定、第2電流測定回路11−2の電流の測定、第2電流測定回路11−2の電力の演算、及び、第2電流測定回路11−2の電力量の積算を行い、・・・、そして、共通電圧の測定、第N電流測定回路11−Nの電流の測定、第N電流測定回路11−Nの電力の演算、及び、第N電流測定回路11−Nの電力量の積算を行うように各計測点ごとに共通電圧の測定、電流測定回路11の電流の測定、電流測定回路11の電力の演算、及び、電流測定回路11の電力量の積算を行う構成でもよいが、より略同時に各計測点における電力及び電力量を測定し得る観点から、本実施形態では、まず先に共通電圧及び各計測点における電流を測定し、その後に纏めて電力及び電力量を演算するように構成している。
ここで、例えば、交流回路100の各計測点付近における負荷の動作状態が定常的である場合等には、計測点における一定期間の電力量に変動があまり生じない場合がある。このような場合には、各計測点における電力を連続的に計測しなくても各計測点の電力量を比較的精度よく計測することができ、また、各計測点における電力消費の傾向も知ることができる。そこで、第1の実施形態に係る多回路電力量計1を一定期間で間歇的に動作させるように構成してもよい。このような間歇動作の多回路電力計は、上述した多回路電力量計1に図1に破線で示す駆動制御部60をさらに備えて構成される。
駆動制御部60は、回路毎電力量演算部40の出力に基づいて、一定期間における電力量と他の一定期間における電力量との比を各測定点ごとに演算し、全ての演算結果が一定の範囲内である場合には、一定期間を単位として間歇的に入力回路切替部20、電力計測部30及び回路毎電力量演算部40を駆動させる回路である。一定期間は、交流回路100に接続されている負荷の特性等を勘案して決定され、例えば、交流回路100の交流周期の整数倍、例えば30倍や60倍等であり、一定の範囲は、計測する電力量に求められる精度等を勘案して決定され、例えば、一定期間における電力量と他の一定期間における電力量との比が±2%程度(普通級電力量計の基本精度(力率1、定格))である。駆動制御部60は、例えば、マイクロコンピュータ等で構成され、もちろん、電力演算部302及び回路毎電力量演算部40として機能するマイクロコンピュータと兼用されてもよい。この場合において、マイクロコンピュータは、電力演算部302及び回路毎電力量演算部40としての機能は、間歇的に動作するので、電力演算部302及び回路毎電力量演算部40として機能していない間は、例えば不図示の表示装置に各計測点毎の電力量を表示する場合にその更新を行う等の他の処理を行うことができる。
次に、別の実施形態について説明する。
(第2の実施形態)
第1の実施形態に係る多回路電力量計1は、或る定格Cの変流器が電流測定回路11に用いられると想定して、この想定した定格Cの変流器が電流測定回路11に用いられた場合に、電圧電流S/H3011の出力レンジがA/D変換器3012の入力レンジに略一杯となるように、共通電圧測定回路10、電流測定回路11、入力回路切替部20及び電圧電流S/H3011を構成する回路素子の定数が設計される。この場合に、想定した定格Cの変流器が電流測定回路11に用いられる場合には、A/D変換器3012の分解能をフルに利用することができ、多回路電力量計1は、交流回路100の各計測点における電力量を高精度に計測することができる。しかしながら、現実には、想定外の定格Dの変流器が電流測定回路11に用いられる場合もある。第2の実施形態に係る多回路電力量計は、このような場合でも高精度に各電力量を計測することができる多回路電力計である。
図7は、第2の実施形態に係る変流器任意電流定格型の多回路電力量計の構成を示すブロック図である。図8は、第2の実施形態に係る変流器任意電流定格型の多回路電力量計の原理を説明するための図である。図8(A)は、電流定格50Aの変流器が電流測定回路に用いられる場合におけるゲイン変更前後のA/D変換器の入力波形を示し、図8(B)は、電流定格100Aの変流器が電流測定回路に用いられる場合におけるA/D変換器の入力波形を示す。
図7において、第2の実施形態に係る変流器任意電流定格型の多回路電力量計2は、入力回路切替部20と、電力計測部30と、回路毎電力量演算部40と、ゲイン設定部50とを備えて構成され、入力回路切替部20には、測定対象の交流回路100における共通電圧が共通電圧測定回路10から入力され、交流回路100の各計測点における電流が複数の電流測定回路11(第1電流測定回路11−1〜第N電流測定回路11−N、Nは2以上の整数)から入力される。そして、電力計測部30は、ゲイン可変増幅部303と、データ読取部301と、電力演算部302とを備えて構成される。
即ち、変流器任意電流定格型の多回路電力量計2は、第1の実施形態に係る多回路電力量計1に対し、入力を所定のゲイン(利得)で増幅して出力すると共にこの所定のゲインを変更することができるゲイン可変増幅部303と、ゲイン可変増幅部303のゲインを設定するゲイン設定部50とをさらに備え、入力回路切替部20の出力がゲイン可変増幅部303を介して電力計測部30の電圧電流S/H3011に入力されるように構成されている。ゲイン設定部50は、例えば、テンキーで構成され、テンキーから入力された電流定格に対応するゲインとなるように制御信号がゲイン可変増幅部303に出力される。また、例えば、ゲイン設定部50は、所定の電流定格がそれぞれ割り当てられた複数のスイッチ、例えば電流定格25A、50A、100Aがそれぞれ割り当てられた第1乃至第3スイッチで構成され、操作されたスイッチに割り当てられた電流定格に対応するゲインとなるように制御信号がゲイン可変増幅部303に出力される。また、例えば、ゲイン設定部50は、ディップスイッチで構成され、ディップスイッチに設定された電流定格に対応するゲインとなるように制御信号がゲイン可変増幅部303に出力される。
このような変流器任意電流定格型の多回路電力量計2の作用効果について説明する。まず、電流定格100Aの変流器を電流測定回路11に接続するために、ゲイン設定部50から電流定格100Aが設定されると電流定格100Aに対応するゲインGain(100)となるようにゲイン可変増幅部303が設定され、図8(B)の右側に示すように、変流器の1次側に電流定格の100Aが通電された場合に、A/D変換器3012には、入力波形の正ピーク(入力の最大値)が略100%FS(フルスケール)となる。このため、多回路電力量計2は、高精度に各電力量を計測することができる。即ち、A/D変換器3012が例えば10ビットである場合には、正側512段階の分解能で負側512段階の分解能であり略100%FSであるので、正側512段階のうち全512段階が利用される。
仮にこのゲイン設定部50から電流定格100Aが設定されている状態で、電流測定回路11に電流定格が半分の50Aである変流器が接続されたとすると、図8(A)の中央に示すように、変流器の1次側に電流定格の50Aが通電された場合に、A/D変換器3012には、入力波形の正ピーク(入力の最大値)が略75%FS(フルスケール)となってしまう(変流器の変流比は同一)。このため、多回路電力量計2は、A/D変換器3012の量子化のために精度が劣化してしまう。即ち、A/D変換器3012が例えば10ビットである場合には、正側512段階の分解能で負側512段階の分解能であるが、略75%FSであるので、正側512段階のうち略256段階しか利用されておらず、精度が劣化してしまう。
そこで、ゲイン設定部50から電流定格50Aを設定し、ゲイン設定部50からの制御信号によって電流定格50Aに対応するゲインGain(50)となるようにゲイン可変増幅部303が設定され、図8(A)の右側に示すように、変流器の1次側に電流定格の50Aが通電された場合に、A/D変換器3012には、入力波形の正ピークが略100%FS(フルスケール)となる。このため、第2の実施形態に係る多回路電力量計2は、電流定格100Aの変流器が電流測定回路11に接続された場合と略同様な高精度で各電力量を計測することができる。
このようにゲイン可変増幅部303のゲインは、変流器に電流定格の電流が通電された場合に、入力波形の正ピークがA/D変換器3012の略100%FS(フルスケール)となるように設定される。つまり、入力回路切替部20の出力が電力計測部30の入力ダイナミックレンジ一杯に入力されるようにゲイン可変増幅部303のゲインが決定される。例えば、上述の例では、Gain(50)=2×Gain(100)とすると、入力波形の正ピークが略100%FS(フルスケール)となり、A/D変換器3012が例えば10ビットである場合には、正側512段階の分解能で負側512段階の分解能であり略100%FSであるので、正側512段階のうち全512段階が利用される。
次に、別の実施形態について説明する。
(第3の実施形態)
第1及び第2の実施形態では、A/D変換器3012の入力波形の振幅における中心をA/D変換器3012の50%FSとしているので、A/D変換器3012の入力波形の正側及び負側は、A/D変換器3012の半分のビット数でしか分解されない。即ち、A/D変換器3012が例えば10ビットである場合には、正側512段階の分解能で負側512段階の分解能である。そこで、より高精度に電力量を計測するために、第3の実施形態に係る多回路電力量計は、A/D変換器3012の入力波形の正側及び負側がA/D変換器3012の全ビット数の1024段階で分解されるように構成される。
図9は、第3の実施形態に係るフル分解能型の多回路電力量計の構成を示すブロック図である。図10は、ゲイン可変増幅部の出力波形、絶対値化部の出力波形及び波形極性判定部の出力における相互関係を示す図である。図11は、フル分解能型の多回路電力量計の原理を説明するための図である。図11(A)は、フル分解能型の多回路電力量計(絶対値化部ありの場合)におけるA/D変換器の入力波形を示し、図11(B)は、図1や図7に示した多回路電力計(絶対値化部なしの場合)におけるA/D変換器の入力波形を示す。
図9において、第3の実施形態に係るフル分解能型の多回路電力量計3は、入力回路切替部20と、電力計測部30と、回路毎電力量演算部40と、ゲイン設定部50とを備えて構成され、入力回路切替部20には、測定対象の交流回路100における共通電圧が共通電圧測定回路10から入力され、交流回路100の各計測点における電流が複数の電流測定回路11(第1電流測定回路11−1〜第N電流測定回路11−N、Nは2以上の整数)から入力される。そして、電力計測部30は、ゲイン可変増幅部303と、絶対値化部304と、波形極性判定部305と、データ読取部301と、電力演算部302’とを備えて構成される。
即ち、フル分解能型の多回路電力量計3は、第1の実施形態に係る多回路電力量計1に対し、ゲイン可変増幅部303と、ゲイン設定部50と、絶対値化部304と、波形極性判定部305とをさらに備え、入力回路切替部20の出力がゲイン可変増幅部303及び絶対値化部304を介して電力計測部30の電圧電流S/H3011に入力されるように、そして、ゲイン可変増幅部303の出力が波形極性判定部305に入力されるように構成されている。
絶対値化部304は、図10(A)及び図10(B)を見ると分かるように、入力波形、即ち、ゲイン可変増幅部303の出力波形のうち正側をそのままにしゲイン可変増幅部303の出力波形のうち負側を正側に折り返して入力波形の絶対値の波形を形成する回路である。絶対値化部304は、例えば、ダイオードを用いた全波整流回路で構成される。
波形極性判定部305は、図10(A)及び図10(C)を見ると分かるように、入力波形、即ち、ゲイン可変増幅部303の出力波形における電気的な極性(正(+)か負(−)か)を判定する回路であり、判定結果を電力演算部302’に出力する。波形極性判定部305は、例えば、コンパレータICによって構成される。
電力演算部302’は、波形極性判定部305から出力される判定結果を勘案して、メモリ3013に記憶されている計測共通電圧と、該計測共通電圧の計測時刻に上述の時間間隔で隣接する時刻における計測電流とに基づいて電力量を演算する回路である。
このようなフル分解能型の多回路電力量計2の作用効果について説明する。入力回路切替部20の出力は、ゲイン可変増幅部303で増幅され、絶対値化部304で図10(B)や図11(A)に示すような絶対値の波形となって電圧電流S/H3011に出力される。このゲイン可変増幅部303のゲインは、ゲイン設定部50で設定された電流定格に対応するゲインGainであるが、絶対値化部304で負側が正側に折り返された絶対値の波形となるので、第2の実施形態に係る変流器任意電流定格型の多回路電力量計2の場合に較べて2倍である。即ち、ゲイン設定部50で電流定格100Aが設定されるとゲイン可変増幅部303のゲインは、2×ゲインGain(100)に設定され、ゲイン設定部50で電流定格50Aが設定されるとゲイン可変増幅部303のゲインは、4×ゲインGain(100)(=2×Gain(50))に設定される。
図11(A)と図11(B)とを比較すると分かるように、ゲイン可変増幅部303で第2の実施形態に係る多回路電力量計2のように電流定格に対応するゲインGainで増幅する場合には、変流器の1次側に定格電流が通電された場合に、図11(B)に示すように、正側の分解能及び負側の分解能は、A/D変換器3012のビット数における半分のビット数である。例えば、A/D変換器3012が10ビットである場合には、入力波形は、正側512段階の分解能でディジタル化(量子化)され、負側512段階の分解能でディジタル化される。一方、本第3の実施形態に係る多回路電力量計3では、第2の実施形態に係る多回路電力量計2の場合に較べて2倍のゲインでゲイン可変増幅部303が増幅するので、変流器の1次側に定格電流が通電された場合に、図11(A)に示すように、入力波形は、A/D変換器3012のビット数の分解能で分解される。例えば、A/D変換器3012が10ビットである場合には、入力波形は、1024段階のフル分解能でディジタル化(量子化)される。
従って、第3の実施形態に係る多回路電力量計3は、交流電流の正側及び負側に対してA/D変換器3012の全ビット数の段階の分解能でそれぞれディジタル化するので、第1及び第2の実施形態に係る多回路電力量計1、2に較べて、A/D変換器3012に同じビット数の回路を用いたとしても、より高精度に電力量を計測することができる。
なお、第3の実施形態では、入力回路切替部20の出力をゲイン可変増幅部303で増幅した後に絶対値化部304で絶対値化するように構成したが、入力回路切替部20の出力を絶対値化部で絶対値化した後にゲイン可変増幅部で増幅するように構成してもよい。この場合では、波形極性判定部305には、入力回路切替部20の出力が入力されるように構成される。
また、第3の実施形態では、電力測定回路11に接続される変流器に電流定格の点で汎用性を持たせるために、ゲイン可変増幅部303及びゲイン設定部50を備える場合について説明したが、電力測定回路11に接続される変流器の電流定格を固定とする場合には、ゲイン可変増幅部303に代えて所定のゲインで入力を増幅する増幅回路でもよく、そのため、ゲイン設定部50は不要となる。
本発明は、測定対象である複数の交流回路における電力量をより簡易な構成であって充分な精度でそれぞれ計測することができる多回路電力量計に関する。
第1の実施形態に係る多回路電力量計の構成を示すブロック図である。 共通電圧測定回路の構成を示す図である。 各交流回路の電流測定回路の構成を示す図である。 入力回路切替部の切替動作を説明するための図である。 回路毎電力量演算部の演算原理を説明するための図である。 第1の実施形態に係る多回路電力量計の動作を示すフローチャートである。 第2の実施形態に係る変流器任意電流定格型の多回路電力量計の構成を示すブロック図である。 第2の実施形態に係る変流器任意電流定格型の多回路電力量計の原理を説明するための図である。 第3の実施形態に係るフル分解能型の多回路電力量計の構成を示すブロック図である。 ゲイン可変増幅部の出力波形、絶対値化部の出力波形及び波形極性判定部の出力における相互関係を示す図である。 フル分解能型の多回路電力量計の原理を説明するための図である。 特許文献1に記載の多回路電力量計の構成を示すブロック図である。
符号の説明
1、2、3 多回路電力量計
10 共通電圧測定回路
11 電流測定回路
20 入力回路切替部
30 電力量計測部
40 回路毎電力量演算部
50 ゲイン設定部
60 駆動制御部
100 交流回路
301 データ読取部301
302、302’ 電力量演算部
303 ゲイン可変増幅部
304 絶対値化部
305 波形極性判定部
3011 電圧電流サンプルホールド回路
3012 アナログ/ディジタル変換器
3013 メモリ

Claims (9)

  1. 測定対象である交流回路の複数の計測点における電力量をそれぞれ計測する多回路電力量計において、
    各計測点の電流を順次に計測しつつ前記交流回路の電圧及び前記計測点の電流を交互に測定する測定処理を一単位として、該一単位の測定処理を前記交流回路に流れる交流周期の半分以下の時間間隔で繰り返すこと
    を特徴とする多回路電力量計。
  2. 測定対象である交流回路の複数の計測点における電力量をそれぞれ計測する多回路電力量計において、
    前記交流回路の電圧が前記複数の計測点における共通電圧として入力される共通電圧入力ポートと、前記複数の計測点の電流がそれぞれ入力される複数の電流入力ポートとを備え、前記複数の電流入力ポートの各入力を順次に切替えつつ前記共通電圧入力ポートの入力及び前記複数の電流入力ポートの入力を交互に切替えて出力する切替処理を一単位として、該一単位の切替処理を前記交流回路に流れる交流周期の半分以下の時間間隔で繰り返す入力回路切替部と、
    前記入力回路切替部から出力された共通電圧及び計測点の電流に基づいて電力を演算する電力計測部と、
    前記電力計測部の出力に基づいて前記複数の計測点ごとに電力量を演算する回路毎電力量演算部とを備えること
    を特徴とする多回路電力量計。
  3. 前記電力計測部は、計測点の電流、及び、該計測点の電流が前記入力回路切替部より出力された時刻に隣接する時刻で出力された共通電圧に基づいて電力を演算すること
    を特徴とする請求項2に記載の多回路電力量計。
  4. 前記電力計測部は、計測点の電流、及び、該計測点の電流が前記入力回路切替部より出力された時刻より前に隣接する時刻で出力された共通電圧に基づいて第1電力を演算し、該計測点の電流、及び、前記計測点の電流が前記入力回路切替部より出力された時刻より後に隣接する時刻で出力された共通電圧に基づいて第2電力を演算し、
    前記回路毎電力量演算部は、前記第1電力及び前記第2電力の平均をさらに演算することによって前記複数の計測点ごとに電力量を演算すること
    を特徴とする請求項3に記載の多回路電力量計。
  5. 前記電流入力ポートには、測定点において変流器を用いて電流を測定する電流測定回路が接続され、
    前記測定点に前記変流器の電流定格に相当する電流が流れた場合に前記入力回路切替部の出力が前記電力計測部の入力ダイナミックレンジ一杯に入力されるように前記入力回路切替部の出力を増幅する増幅部をさらに備えること
    を特徴とする請求項2乃至請求項4の何れか1項に記載の多回路電力量計。
  6. 前記電流入力ポートには、測定点において変流器を用いて電流を測定する電流測定回路が接続され、
    前記測定点に前記変流器の電流定格に相当する電流が流れた場合に前記入力回路切替部の出力の半波が前記電力計測部の入力ダイナミックレンジ一杯に入力されるように前記入力回路切替部の出力を増幅する増幅部と、
    前記増幅部の出力の絶対値を出力する絶対値化部とをさらに備えること
    を特徴とする請求項2乃至請求項4の何れか1項に記載の多回路電力量計。
  7. 前記電流入力ポートには、測定点において変流器を用いて電流を測定する電流測定回路が接続され、
    前記入力回路切替部の出力の絶対値を出力する絶対値化部と、
    前記測定点に前記変流器の電流定格に相当する電流が流れた場合に前記絶対値化部の出力が前記電力計測部の入力ダイナミックレンジ一杯に入力されるように前記入力回路切替部の出力を増幅する増幅部とをさらに備えること
    を特徴とする請求項2乃至請求項4の何れか1項に記載の多回路電力量計。
  8. 前記回路毎電力量演算部は、前記複数の計測点ごとに前記電力計測部の出力の和を演算し、演算した和が所定値になると所定の一単位の電力量に達したとして前記所定の一単位だけ計測点の電力量をカウントアップすることによって電力量を演算すること
    を特徴とする請求項2乃至請求項7の何れか1項に記載の多回路電力量計。
  9. 一定期間における電力量と他の一定期間における電力量との比を前記各測定点ごとに演算し、演算結果が一定の範囲内である場合には、前記一定期間を単位として間歇的に前記入力回路切替部、前記電力計測部及び前記回路毎電力量演算部を駆動させる制御部をさらに備えること
    を特徴とする請求項2乃至請求項8の何れか1項に記載の多回路電力量計。
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