JP2005052142A - Rna単離用の装置及び方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】
核酸を単離するための装置及び方法が開示される。詳細には、細胞トータルRNAの単離について検討されている。さらに、有害な汚染物質を導入せず且つ比較的時間を要さず、生物学的サンプル内のゲノミックDNAを低減させる方法を提供する。
【解決手段】
一実施形態では、サンプル内のRNAの完全性を維持しつつ、相当量のgDNAを除去する方法が開示される。この実施形態では、ガラスファイバー又はホウケイ酸ファイバーからなる少なくとも1つの層が充填されている予備濾過カラムが使用される。この実施形態では、組織/細胞溶解調製物が調製され、該調製物は予備濾過カラムに導入される。予備濾過カラム中をホモジェネートが通過する際、gDNAを含む細胞汚染物質はカラム内に残り、一方、流出物には部分的にtcRNAが含まれる。一態様では、サンプルに対してさらなる精製プロセス又は後段のプロセスを実施する前に、予備濾過カラムを使用することができる。
【選択図】なし

Description

本発明は、概して、核酸のような生体物質を単離するための装置と方法に関する。より詳細には、本発明は、生体物質から細胞トータルRNAを単離することに関する。
ハイブリダイゼーションアレイなどの遺伝子発現技術、逆転写ポリメラーゼ連鎖反応(RT−PCR)、クローニング、制限分析、配列決定をはじめとする多くの分子生物学的技術では、高純度の完全なRNAを投入する必要がある。RNAは、実験手順に干渉する可能性のある汚染物質を実質的に含まないものでなければならない。このような汚染物質としては、分子生物学で採用される、核酸もしくはタンパク質のハイブリダイゼーション、酵素触媒反応、及びその他の化学反応を阻害又は抑制する物質、目的の核酸又は他の生体物質の分解もしくは解重合を触媒する物質、分析されているサンプルに実際には存在していないのに、一定量のターゲット生体物質(例えば核酸)がサンプル内に存在すると示す、「バックグラウンド」を与える物質、が挙げられる。他の汚染物質としては、酵素、他の種類のタンパク質、多糖、ポリヌクレオチド、及び脂肪、又は低分子量酵素阻害剤、オリゴヌクレオチドなどの低分子量物質を挙げることができる。汚染物質はまた、対象とする物質を単離するために用いる化学物質又は他の物質からも系内に導入され得る。この種の汚染物質としては、微量金属、染料、有機溶媒が挙げられる。さらに典型的には、核酸は、組織、体液、培養物中の細胞、ターゲット核酸の増幅を行ったアガロースゲル、ポリアクリルアミドゲル又は溶液などの複雑系内に存在するため、核酸の単離は困難である。
従って、後段の分子生物学的技術で使用できる程度に高純度且つ完全なRNAを調製するためには、多くの場合、ステップ数の多い大変なプロセスを必要とし、且つ従来の核酸単離プロセスには重大な欠点がある。このような欠点とは、フェノール(既知の発がん性物質)などの毒性のある化学物質、クロロホルム(非常に揮発性が高く毒性且つ可燃性である)などの揮発性の試薬などを使用する有機抽出ステップが含まれていること、並びに現在の方法は、オートメーション化又は高スループット化が困難なことである。さらに、有機溶媒抽出法を使用する場合には、規制対象であり、環境に配慮した方法で廃棄しなければならない有機性廃棄物が生じる。他の欠点は、所与の核酸材料を単離するために必要とされる抽出ステップの数が多く、時間を要すことである。従って、理想的な環境及び条件下であっても、ほとんどの従来の核酸単離方法は、時間を要し、危険で、しかも単離される核酸物質の収率が比較的低いといった問題を有していた。
上述のような従来の単離技術に取って代わるものとして、又は従来の単離技術を補足するものとして開発された市販の単離システムにおいては、多くの場合、核酸結合基材として珪酸ファイバー又はガラスファイバーからなるフィルタが使用されている。核酸は、ガラススラリーや珪藻土などのシリコン含有物質に結合することがよく知られている。これらの物質のいくつかが抱える問題点は、必要な珪酸材料が常に適切な形態で市販されているわけではないこと、また、多くの場合、オンサイトで調製しなければならないため、核酸単離手順に時間と手間を要すことである。
少なくとも数種の生体物質からトータルRNAを単離するために使用し得る、シリカベースのシステム及び方法もまた、ここ数年の間に、既に開発されている。それら既知のシリカベースのRNA単離技術では、同一の基本的な一連のステップに基づいて、任意の所与の生体材料からターゲットRNAが単離される。とはいえ、各手順で用いられる種々の溶液の濃度及び量は、使用するシリカベースの材料組成によって変更される。一般に、それら既知の全てのシリカベースRNA単離プロセスにおいて用いられる基本的な一連のステップには、溶解バッファー存在下で生体物質を分解するステップ、核酸(複数可)と「シリカベースの基質」との複合体を形成するステップ、得られた複合体から溶解バッファー混合液を除去し複合体を洗浄するステップ、複合体からターゲットの核酸を溶出させるステップが包含される。一般に、「シリカベース」という用語は、SiO化合物、及びこれと同類の水和酸化物を記述するために用いられる。
近年、核酸をシリコンカーバイド粒子に結合するステップ、次いで核酸をシリコンカーバイドから溶出させるステップを含む、DNA及びRNAの精製方法も開発されている。ここで、シリコンカーバイドは、上記のような「シリカベース」ではなく、「シリカベース」として定義されるどの組成物にも含まれないことに注意されたい。
市販の種々のキットによって、種々の生体物質からDNA又はRNAを単離する比較的迅速な手段がもたらされるが、特にRNAを生体源から単離する場合には、シリカベースの核酸単離キットを使用することには限界のあることが知られている。特に少数の細胞からのサンプルを処理する場合、又は、哺乳類の膵臓組織、脾臓組織、肺組織など一部の困難な組織からRNAを単離する場合などには、それら複雑な生体サンプル内のRNA純度は低く、完全なRNAの回収は困難である。
RNA単離における一般的な汚染物質は、ゲノミックDNA(gDNA)である。一部の市販のRNA単離キットは、デオキシリボヌクレアーゼI(DNase I)を用いて、選択的に汚染物質であるgDNAを酵素の働きにより除去するプロトコルを提供している。しかしながら、DNaseI処理を実施すると、商業生産されているDNaseIにはリボヌクレアーゼ(RNase)が混在している可能性があるため、RNAの収率が低下し、RNAの質が低下し得る。また、DNaseI処理を用いると、実験時間が長くなり、処理に必要な時間が延長される。さらに、DNaseI処理は、後段のプロセスと干渉しかねない金属イオンの添加を必要とする。
よって、実施手順全体に要する時間があまり長くなく、特殊な処理が必要となる危険な廃棄物を生成せず、タンパク質、脂質、gDNA、又は後段の処理もしくは解析を阻害、干渉する可能性のある任意の化学物質などの汚染物質を実質的に含まない単離RNAをもたらす、容易で、迅速で、安全な方法及び装置が必要とされている。さらに、非シリカベース材料を用いて核酸を捕捉及び単離する方法であって、現在の非シリカベースの方法よりも高いRNA収率をもたらす、容易で、迅速で、安全で、効果的な方法が必要とされている。
一実施形態では、サンプル内のRNAの完全性を維持しつつ、相当量のgDNAを除去する方法が開示される。この実施形態では、ガラスファイバー又はホウケイ酸ファイバーからなる少なくとも1つの層が充填されている予備濾過カラムが使用される。この実施形態では、組織/細胞溶解調製物が調製され、該調製物は予備濾過カラムに導入される。予備濾過カラム中をホモジェネートが通過する際、gDNAを含む細胞汚染物質はカラム内に残り、一方、流出物には部分的にtcRNAが含まれる。一態様では、サンプルに対してさらなる精製プロセス又は後段のプロセスを実施する前に、予備濾過カラムを使用することができる。
他の実施形態では、複雑なサンプル基質から核酸を単離する方法が開示される。本発明の特定の実施形態では、核酸はRNAである。この方法では、カオトロピック剤によりサンプル基質が破壊される。次いで、tcRNA単離をはじめとする後段のプロセスを最適化するため、有機溶媒がサンプルに加えられる。次に、この調製物を、例えばシリコンカーバイドカラムなどの本発明のカラムに導入することができる。特定の実施形態では、カラムはシリコンカーバイドウィスカー(「SiCw」)カラムである。調製物がカラムを通過して流出した後に、その流出調製物を洗浄することによって、カラム内に残留することなく流出物中に混在している汚染物質を流出調製物から除去し得る。最終的に、所望の核酸製品をカラムから溶出させ単離することができる。
他の実施形態では、予備濾過カラムと、SiCw又は「シリカベース」カラムなどの単離カラムとを共に用いて、核酸を単離する。本実施形態では、組織/細胞溶解物を調製し、次いで予備濾過を実施する。この予備濾過ステップでは、予備濾過スピンカラムを使用する。予備濾過スピンカラムの例としては、限定はしないが、ガラスファイバーカラム又はホウケイ酸カラムが挙げられる。この実施形態の一態様では、gDNAが予備濾過カラム基材中に残り、RNAが流出する。さらに、流出物中のRNAをDNaseを用いて処理し、予備濾過ステップで完全に除去されなかったDNAを分解することができる。RNA含有流出物を単離カラムにかけ、流出物からRNAを精製する。次いで、RNAを少量溶出させることができる。
さらに別の実施形態では、本発明はシリコンカーバイドからなる装置に関する。特定の態様では、サンプル基質から核酸を単離するための核酸結合カラムとしてSiCwカラムを用いる。一態様ではSiCwがRNAと結合する。
本発明によれば、核酸、特に細胞トータルRNA(tcRNA)を単離する装置及び方法を提供することができる。さらに、本発明によれば、有害な汚染物質を導入することなく、またサンプルに対して実施する手順全体に要する時間をそれほど延長させることなく、生体サンプル内のgDNAを低減させる、装置及び方法を提供することができる。
本発明は、核酸を単離するために使用される装置及び方法に関する。特に、本発明はtcRNAの単離に関する。関連する方法では、本発明は、有害な汚染物質を導入することなく、また、サンプルに対して実施する手順全体に必要となる時間をそれほど延長させることなく、生体サンプル内のgDNAを低減させる、装置及び方法に関する。
本発明は、複雑なサンプル基質から核酸を単離する方法に関する。本発明の特定の態様では、核酸はRNAである。別の態様では、RNAはtcRNAである。本発明の生体サンプルには、限定はしないが、動物、植物、バクテリアなどの真核生物又は原核生物から得られる細胞及び組織が含まれる。一態様では、動物は哺乳類であってもよく、さらに別の態様では、哺乳類はヒトであってもよい。例えば、植物、イースト菌、真菌、ウィルスなど他のサンプルも考え得る。さらに、サンプルは、例えばポリメラーゼ連鎖反応又は酵素重合反応などの実験プロトコル由来の生成物、アガロースゲルなどの培地に存在する核酸などであってもよい。サンプル基質は、単一鎖又は二重鎖のRNA及びDNAなど、単一鎖又は二重鎖の核酸を含んでいてもよい。また、変性された核酸も本発明の範囲に包含される。
本発明の予備濾過法及び装置では、gDNA汚染物質を除去するだけではなく、同時にサンプルをホモゲナイズ(均質化)する。gDNA除去とホモゲナイズとを同時に実施することは、通常は溶解とホモゲナイズとが、パワーホモゲナイズ処理などの単一ステップでは完了しないサンプルにとって、特に有利である。例えば、細胞培養物は、典型的には、当分野で既知の溶解溶液により、細胞培養容器又はチューブ内で溶解する。溶解した細胞培養液サンプルのホモゲナイズに失敗すると、サンプルの粘性が高まり、RNAの収率が低下又は変化し得る。従って、本発明の溶解とホモゲナイズとを同時に行う処理によって、他のホモゲナイズステップの必要性、並びにホモゲナイズステップの不実施に伴う問題、を回避することができる。
本発明の方法により、高度に精製された完全な細胞トータルRNA(tcRNA)が得られる。精製されたtcRNAとは、サンプル基質由来の汚染物質、並びにプロセス由来の汚染物質が本質的に完全に除去されたtcRNAと定義される。これらの汚染物質には、カオトロピック塩、非カオトロピック塩、アルコール、gDNA、タンパク質、脂質、糖質、その他の細胞の残骸が含まれる。汚染物質の検出アッセイとしては、限定はしないが、電気泳動法、分光光度法、PCR又は逆転写などの機能アッセイが挙げられる。
一般に、核酸単離の最初のステップは、当分野で周知の方法を用いてサンプルを破壊し、サンプル内に含まれる細胞を溶解させることである。本発明の一態様では、単離すべき核酸は、tcRNAである。高純度の完全なRNAの例には、P.ChomczynskiとN.Sacciによる、「Single−step Method of RNA Isolation by Acid Guanidinium Thiocyanate−Phenol−Chloroform Extraction」,Anal.Biochem.;162(1):156−9(1987年4月)、及び、Chomczynskiによる米国特許第4,843,155号において説明されている方法が含まれる。これらの内容は、参照することで、本明細書に取り入れることとする。その他の方法として、F.Ausubel他編、「Current Protocols in Molecular Biology」,Wiley−Interscience,New York(1993年)の第2章(DNA)、第4章(RNA)に説明されている方法を挙げることができる。参照することで、その内容の全てを本明細書に取り入れることとする。
種々の種類の生体材料からトータルRNAを単離する溶解及び有機抽出法の例に関しては、Sambrookらによる、「Molecular Cloning」,2nd edition,Cold Spring Harbor Laboratory Press,P.7.3以下参照(1989);Promega Corporationによる、「Protocols and Applications Guide」,3rd edition,p.93以下参照(1996);Chirgwin J.M.らによる、18 Biochemistry 5294(1979)参照。また、従来の技術及びシリカベースの技術に関しては、米国特許第6,218,531号を参照されたい。参照することで、これらの教示内容の全てを本明細書に取り入れることとする。
本発明では、1つ又は複数のカオトロピック塩を使用する。カオトロープには、例えば、グアニジンイソチオシアネート、アンモニウムイソチオシアネート、グアニジン塩酸塩を用いることができる。当業者であれば、他のカオトロープも本発明の範囲内で使用できることが理解されよう。典型的には、カオトロープの濃度は、約0.5M〜約5.0Mの範囲である。重ねて、これらの濃度は、当業者には既知の、サンプル基質などの要因に応じて変更することができる。カオトロピック剤は、例えば、タンパク質を変性させるために、又は、分子間の相互作用を抑制するために、又は、重要なことには、ヌクレアーゼ(存在すると、対象とする核酸を劣化させてしまう)の作用を抑制するために、用いられる。いくつかの方法を用いて、プロセス全体にわたる核酸の完全性をモニタリングすることができ、その最も一般的な方法は、電気泳動法やRT−PCRアッセイである。
ホモジェネートは、当業者に周知の方法によりサンプル基質を破壊し、サンプル基質に含まれる細胞を溶解させることで形成される。当該ホモジェネートは、さらに処理することができる。
さらなる処理の例には、シリコンカーバイド粒子を用いて核酸を単離する方法に関して説明している、Haj−Ahmadによる米国特許第6,177,278号及び第6,291,248号に記載の処理が含まれる。参照することで、これらの特許の記載内容の全てを本明細書に取り入れることとする。Haj−Ahmadが説明している、核酸単離法では、比較的低い比表面積(m/g)のシリコンカーバイド粒状物、即ち、無孔性の、不規則な形状を有する粒子が使用されている。
シリコンカーバイドの代替物として、ガラス粒子、ガラス粉末、シリカ粒子、ガラスマイクロファイバー、珪藻土、及びこれらの化合物の混合物、のようなシリカ材料を、カオトロピック塩水溶液と組み合わせて使用することで、核酸を単離する。
Haj−Ahmadが開示した方法とは対照的に、本発明の方法は、溶解調製物を予備濾過スピンカラムに導入し、精製ホモジェネートを得るステップを包含する。溶解溶液は、好ましくは、カオトロピック塩、及び/又はターゲット核酸の分解や収率低下を防止する添加物を含む。一態様では、予備濾過カラムは、ガラスファイバー又はホウケイ酸ファイバーカラムである。一態様では、本発明のファイバーには、結合剤は含まれない。結合剤を含まないファイバの例は、「純ホウケイ酸」である。別の態様では、使用するファイバーは結合剤を含んでいてもよい。結合剤を用いることで、固相の濾過剤の取り扱いが容易になる。結合剤はまた、複合材料の特性を変性させるために採用されたプロセスの結果存在することもある。このようなプロセス要素は、ターゲット核酸の最適収率及び純度にとの適合性に応じて選択しなければならない。このような結合剤の例として、限定はしないが、アクリル、アクリル様物質、又はプラスチック様物質が挙げられる。結合剤は、典型的には、ファイバーフィルタ重量の5%を占めるが、この割合は変更し得る。
本発明の他の態様では、有機溶媒が添加される。例えば、エタノール、メタノール、イソプロパノールなどの低分子量アルコールを、容積で約50%〜80%添加する。当該有機溶媒によって、ターゲット核酸の純度が向上したり、及び/又は回収率が向上する。
予備濾過ステップでは、gDNA及び他の汚染物質がスピンカラム中に残留し、所望のRNAは流出物中に含まれる。任意に、この流出物をDNaseで処理することで、カラム内に残留することなく流出物中に混在しているDNAが分解される。
本発明のファイバーフィルタ材は、約0.1μm〜約10μmの直径に相当する粒子保持能を有する。本発明のファイバー材の厚さは、約50μm〜約2000μmの範囲とし得る。例えば、典型的なファイバーフィルタの厚さは、計約500μmである。ファイバーフィルタの比重は、典型的には、約75g/m〜約300g/mの範囲である。複数のファイバー層からなる実施形態もまた、本発明の範囲内である。
図1に、本発明の典型的なSiCwカラムの一例を示している。この図には、中にフリット22が配置されているスピンカラム20を示している。フリット22上には、シリコンカーバイドウィスカー24が配置されている。材料を固定するために、また、シリコンカーバイドウィスカー24が過剰に膨潤するのを防ぐために、シリコンカーバイドウィスカーの土台に隣接して固定リング26が配置されている。
当該シリコンカーバイドウィスカーは、核酸を単離するために、比較的高い比重を有する。表面窒素吸着法で測定した場合、本発明に用いているSiCwは、3.9m/gであり、一方、Haj−Ahmadの材料は0.4m/gである。ウィスカー技術は、複雑なサンプルから、特にRNAなどの核酸を単離することに関して効果的に機能する。本発明の方法と、Haj−Ahmadにより開示された方法との重要な差異は、Haj−Ahmadが開示したRNA単離プロセスでは、完全なRNAは得られず、gDNAを除去する方法も包含されていないことである。
上述のように、SiCwスピンカラムにサンプルが導入されると、次いで、当該カラムを、遠心分離されることになる収集管内に配置するか、又は真空マニホールド上に乗せることができる。次いで、スピンカラムをマイクロ遠心分離機で遠心分離するか、又はマニホールドを真空にすることで、サンプル調製液がスピンカラム内のSiCwフィルタを通過し、そして収集チャンバに入る。このとき、予備濾過プロセスで除去されなかった殆どの核酸、即ちRNA及びgDNAは、SiCwスピンカラム領域に残留する。実施例セクション中の表1及び表2を参照されたい。
任意に、サンプル調製物をスピンカラムに導入するステップの後段ステップとして、汚染物質を除去する洗浄処理と任意選択の酵素処理を実施することができる。例えば、このような処理は、DNase(DNaseI又はII)を用いて実施することができる。サンプル結合後のDNase処理により、残りのgDNA汚染物質を除去することができるが、このような処理が必要とされない場合もある。DNaseIが最も一般的に使用されるDNaseであるが、DNaseIIもまた使用できる。DNaseIIは、脾臓から単離される酵素であって、膵臓から単離されるDNaseIと比較すると、見掛けの分子量、最適pHなどにおいて幾分異なる性質を有しており、異なる塩基を認識し切断するものと考えられる。しかしながら、どちらの酵素も、RNaseフリーにて市販されており、このことは、DNase消化後に完全なRNAを得るために重要である。DNase処理を実施する場合は、ホモジェネートをカラムに通過させた後、カラムは、例えば少なくとも0.5Mの濃度のグアニジンイソチオシアネート、アンモニウムイソチオシアネート、グアニジン塩酸塩などのカオトロピック塩と、約5%〜約10%のメタノール、エタノール、イソプロパノールなどの低分子量アルコールを含む洗浄バッファー#1により1回洗浄し、次いで、約6〜約9のpHに中和することができる。例えば、RNaseフリーDNase含有中和溶液(pH6〜9、塩化カルシウム及び塩化マグネシウム(又は硫酸塩、塩化マンガン)を含有している)を、サンプルが結合している基材に添加し、約25℃〜約37℃の温度で少なくとも5分間培養する。
この培養の後、洗浄バッファー#1をカラム内のホモジェネートに添加する。次いで、カラムを遠心分離するか、及び/又はカラムを真空にする。
洗浄バッファー#1により洗浄した後、25mM、pH7のトリス塩化水素(米国テキサス州オースティン、アンビオン社)と、70%エタノール(米国ミズーリ州セントルイス、シグマ社)とを含んで成る洗浄バッファー#2により2回続けて洗浄することができる。典型的には、洗浄バッファー#2は、例えば、エタノール、メタノール、イソプロパノールなどの低分子量アルコールを、約50vol%〜80vol%含んでいる。
上記のように、遠心分離及び/又は真空除去のいずれにおいても、洗浄溶液を除去することができる。遠心分離及び/又は真空手順により、カラム材料からアルコールの大部分が除去される。
DNase消化を実施しない場合は、サンプルを濾過カラムに通過させた後、洗浄バッファー#1によりカラムを少なくとも1回洗浄し、次いで洗浄バッファー#2を用いて洗浄する。洗浄後、カラムから対象物質を溶出させる。例えば、SiCwカラムを使用する場合には、最後のステップは、単離され精製された核酸、例えばtcRNAを、SiCwカラムから溶出させることである。SiCwカラムから溶出させるのに用いる溶液は、一般に低いイオン強度を有し、100mM未満であり、pHは約6.0〜約8.5である。このような溶液の2つの例として、10mMのEDTA及び10mMのクエン酸ナトリウムを挙げることができる。
さらに、2回目の単離を実施することができる。SiCw(又は他の結合)カラムからの全溶出液に、DNase消化を実施することができる。次いで、異なるカラムを用いて、洗浄ステップを含む精製を実施することができる。溶出後に、DNase消化を実施する場合は、全サンプルを用いて同じ収集管内で実施することができ、又はアリコートを除去することができる。典型的には、類似のバッファー条件下では、溶出後に実施されるDNase反応では、より少ない量のDNase酵素を使用する。溶出後のDNase消化は、37℃にて、溶出前に実施する15分間のDNase消化よりも短い時間実施することができる。EDTAにより反応を終了させることができ、酵素を例えば65℃の熱で不活性化したり、及び/又はフェノール/クロロホルム抽出などをはじめとする追加の精製手順を実施することができる。
図2は、本発明の予備濾過スピンカラム10の典型的な実施形態を示している。本発明の特定の態様では、予備濾過カラムは、ファイバーフィルタ材12からなる少なくとも1つの層(この図では複数の層が図示されている)と、ファイバーフィルタ材の第1の面に隣接して配置されている固定リング14とを備える。固定リング14は、ファイバーフィルタ材12の層を固定し、サンプルを加えたときにファイバーフィルタ材12が過剰に膨張するのを防止する。図2には、ファイバーフィルタ材12の第2の面に隣接して配置されているフリット16もまた描かれている。一態様では、フリット16は、細孔径が約90μm、厚さが1.5mmのポリエチレンから構成される。フリット16は、ファイバーフィルタ12材が変形しないように機械的支持をもたらす機能を有する。
本発明の別の態様では、流出調製物を、例えば本発明のシリコンカーバイドウィスカーカラム(図1)をはじめとするシリコンカーバイドカラムなどの濾過カラムを用いて、さらに精製する。サンプルを本発明のファイバーフィルタを用いて予備濾過した後に、サンプルに対して任意の手順を実施することができる。次いで、ホモジェネートを導入したSiCwカラムを遠心分離ユニット内の収集管に入れるか、及び/又は真空マニホールド上に配置することができる。シリコンカーバイドウィスカーカラムをマイクロ遠心分離で遠心分離するか(16000×Gにて〜2分)、及び/又はマニホールドを真空にすることができ、流出物をSiCwフィルタを通過させて収集チャンバに入れる。目的のターゲット核酸はほとんどシリコンカーバイドウィスカーと結合しカラム内に残留する。特定の態様では、目的の核酸はRNAである。より特定の態様では、RNAはtcRNAである。
本発明の方法及び装置を利用するRNA単離用キットの、予めパッケージ化された構成要素又は個別に入手可能な構成要素も、本発明の範囲内である。典型的なキットとして、収集管と共にパックされたファイバー予備フィルタ、収集管と共にパックされたSiCwスピンカラム、又はプラスチック製品(実験者がスピンカラムをパックするのに用いられる)と共にパックされたSiCwスラリー、又は実験者がスラリー化させパックするための乾燥SiCw、洗浄バッファー#1及び#2を含む試薬、エタノールとβメトカプトエタノールなどのアルコール、溶出用収集管を挙げることができる。キットはまた、DNase及び/又はプロテイナーゼKと共に準備又は組み立てることができ、キットを構成する構成要素は、別々に入手できるようにすることもできる。
構成要素の作製
(a)シリコンカーバイドウィスカーカラムの作製
サーメット社(米国ニューヨーク州バッファロー)のシリコンカーバイドウィスカーを、水溶液中でスラリー化させた。スピンカラム装置(オロケム社、米国イリノイ州ウェストモント)を真空マニホールド上に乗せ、細孔径が約7μmのポリエチレンフリット(ポレックス社、米国ジョージア州フェアバーン)をスピンカラム内に配置した。次いで、SiCwスラリーをスピンカラム内の前記フリット上に配置し、真空にした。カラムを真空でわずかに乾燥させた。プラスチック固定リングをシリコンカーバイドウィスカー層上に配置し、スピンカラムを固定した。
(b) ファイバーフィルタカラムの作製
この特定の例では、ファイバーフィルタ材としてWhatman GF/F Glass Fiber Filter(cat番号1825−915)をフィッシャーサイエンティフィック社(米国ジョージア州アトランタ)から購入した。(購入した大きなシート又はディスク状の)多数の層を、9/32”ハンドパンチ(マックマスターカー社、米国イリノイ州シカゴ)を用いてパンチし、本発明の予備フィルタを形成し、それを、90μmのポリエチレンフリット(ポレックス社、米国ジョージア州フェアバーン)を備えるスピンカラム(オロケム社、米国イリノイ州ウェストモント)内に配置した(その場合、ファイバーフィルタ材は、ポリエチレンフリット上に配置した)。フィルタ材上にしっかりと固定した固定リングを用いてファイバー材をカラムに固定し、ファイバー(オロケム社、イリノイ州ウェストモント)が過剰に膨らむのを防いだ。例として図2を参照されたい。
(c) 試薬の調製
以下の溶液を調製し、又は市販されているものを入手し、後述する実施例に記載される方法において使用した。調製した試薬は全て、ヌクレアーゼフリーのHO内で調製し、溶解溶液、DNaseI及びプロテイナーゼK以外は、室温で保存した。βメルカプトエタノールを含む溶解溶液は4℃で保存し、DNaseI及びプロテイナーゼKは−20℃で保存した。
溶解バッファー/溶液ストック
4M グアニジンチオシアネート(シグマ社、米国ミズーリ州セントルイス)
25mM トリス、pH7(アンビオン社、米国テキサス州オースティン)
実際の溶液の調製では、βメルカプトエタノールを加えて143mMの濃度にした。
洗浄バッファー#1
1M グアニジンチオシアネート(シグマ社、米国ミズーリ州セントルイス)
25mM トリス、pH7(アンビオン社、米国テキサス州オースティン)
10% エタノール(シグマ社、米国ミズーリ州セントルイス)
洗浄バッファー#2
25mM トリス、pH7(アンビオン社、米国テキサス州オースティン)
70% エタノール(シグマ社、米国ミズーリ州セントルイス)
QIAGEN(登録商標)試薬
RLT、RW1、RPEバッファーは、製造業者の指示に従って調製した(RNeasy Mini Kit、部品番号74104、米国カリフォルニア州バレンシア)。
DNase I
RNaseフリーDNaseIは、フェルメンタス社(米国メリーランド州ハノーバー)から入手した。
プロテイナーゼKは、フェルメンタス社(米国メリーランド州ハノーバー)から入手した。
DNase消化バッファー10X
1M トリス、pH8(アンビオン社、米国テキサス州オースティン)
100mM MgSO(シグマ社、米国ミズーリ州セントルイス)
100mM CaCl(シグマ社、米国ミズーリ州セントルイス)
1mg/mL ウシ血清アルブミン(シグマ社、米国ミズーリ州セントルイス)
溶出バッファー
溶出バッファーの3つの例は、pH6〜9の、10mMのEDTA及び10mMのクエン酸ナトリウム、並びにヌクレアーゼフリー水である。
マウス組織からのRNAの単離
次に、マウスの種々の組織及び細胞からRNAを単離する実験に関して説明する。RNAは、SiCwカラム(図1)を用いて単離した。RNAは、製造業者の指示に従って、Bioanalyzer 2100(アジレントテクノロジーズ社、カリフォルニア州パロアルト、部品番号G2938B)において、RNA6000 Nano Assay(アジレントテクノロジーズ社、部品番号5065−4476)を用いて、分析した。図3及び表1に、多数のアッセイから得られた結果を示している。即ち、図3に示している全てのアッセイが同一のチップ上で実施されたわけではない。図3記載の記号を説明すると、Lはアンビオン社RNA6000 Ladder(部品番号7152)のLadderであり、レーン1〜2はSiCwカラムにより単離した脳のRNA、レーン3〜4はSiCwカラムにより単離した肝臓のRNA、レーン5〜6はSiCwカラムにより単離した腎臓のRNA、レーン7〜8はSiCwカラムにより単離した膵臓のRNA、レーン9〜10はSiCwにより単離した脾臓のRNAである。表1には、RNA収率をまとめている。
採取直後に液体窒素で急速冷凍したマウスの臓器は、ペルフリーズバイオロジカル社(米国アーカンソー州ロジャーズ)から入手した。あるいはまた、マウスの臓器は、採取後すぐに用いることもできるし、RNA Later(アンビオン社、米国テキサス州オースティン)溶液中で保存することもできる。
サンプルの重さを量り、約4〜約8のpHを有する過剰な溶解溶液(出願者の方法、典型的には20倍過剰)中で、OMNI TH組織ホモジナイザ(オムニ社、米国バージニア州ワレントン)を用いて15000rpmにて30秒間パワーホモゲナイズを実施した。
細胞株は、American Type Tissue Collection(ATCC 米国バージニア州20108マナサス)から入手し、提供された指示に従って成長させた(表1を参照)。細胞をトリプシン処理(tripsinize)し、培養容器から分離し、再び懸濁させ、血球計算器を用いてカウントした。懸濁液を1000×gにて10分間遠心分離した。得られたペレットを溶解溶液内に再び懸濁させ、最終的な濃度を8.3×10細胞/mLにして、1分にわたって強力に渦動混合した。あるいはまた、細胞を細胞培養容器内に溶解させることもできる。
組織又は細胞のホモジェネート(典型的には300μL〜600μL)を、スピンカラム内のガラスファイバー予備フィルタに加え、Eppendorf5415Dマイクロ遠心分離機(ブリンクマン社、米国ニューヨーク州ウェストベリー)内で16000×gにて3分間遠心分離した。
各組織ホモジェネートに、等量の70%エタノールを加え混合した。シリコンカーバイドウィスカー(SiCw)15mgを含むスピンカラムを、キャップのない2mLの収集管内に配置し、エタノール含有ホモジェネートを当該スピンカラムに加えた。スピンカラムを16000×gにて少なくとも10秒間スピンさせた。フロースルー(カラムに吸着しなかった物質)を収集管からデカントし、スピンカラムを収集管に戻した。
スピンカラムを500μLの洗浄バッファー#1で洗浄し、16000×gにて少なくとも10秒間遠心分離した。遠心分離後、スピンカラムに対してDNase消化を実施することができる。DNase消化を実施しない場合は、さらに洗浄バッファー#2を、それぞれの回で500μL及び250μL加えて、16000×gにて少なくとも10秒間2回遠心分離する。次いで、スピンカラムを16000×gにて2分間遠心分離し、最後の少量の洗浄バッファー#2を除去した。スピンカラムを2mLの収集管から取り出して、1.5mLのヌクレアーゼフリーマイクロ遠心分離管内に配置した。
ヌクレアーゼフリー水50μLでRNAを2回溶出させ、それぞれ、15秒間及び2分間遠心分離した。次いで、RNAを−70℃で保存することができる。
260nm及び280nmにおける吸光度を、アジレントテクノロジーズ社の8453UV/VIS分光光度計を用いて測定し、溶出したRNAの存在を確認した。
本実験で得たRNAを、RNA 6000 Nano Assay(アジレントテクノロジーズ社、米国カリフォルニア州パロアルト)を用いて、製造業者の指示に従って、アッセイを実施した。ソフトウェアにより生成された画像を図3に示している。
表1及び図3から見てとれるように、本発明による方法及び装置を用いて精製したRNAは、高い収率、純度、完全性を有する。
表1:SiCwカラムを用いた場合のRNA収率(実施例2及び3参照)
Figure 2005052142
以下の実験では、種々の種類のガラスファイバーフィルタ材を用いて、RNA単離を実施した。以下、それを並べて示す。
予備濾過装置及びそれに関連する方法に関しては、種々の種類の16層からなるガラスファイバーフィルタを構成した。Whatman Types GF/F(カタログ番号1825〜915)及びGF/D(部品番号1823−150)は、フィッシャーサイエンティフィック社(米国ジョージア州アトランタ)から入手した。Pall Life Sciences Types A/B(部品番号66211)及びTypes A/D(部品番号66227)は、VWR社(米国ペンシルベニア州ピッツバーグ)から入手した。DNase消化を実施するサンプルに関しては、後に概説するオンカラムDNase消化法を用いた。
以下のサンプルの精製は、製造業者の指示に従ってQIAGEN(登録商標)シリカベースの方法によって、又は、本発明のシリコンカーバイドウィスカー法と装置を用いて実施した。さらに、オンカラムDNase消化法を用いた。得られたRNAは、アジレントテクノロジーズ社のBioanalyzer 2100(アジレントテクノロジーズ社、米国カリフォルニア州パロアルト、部品番号G2938B)を用いて、同社のRNA 6000 Nano Assay(部品番号5065−4476)により、製造業者の指示に従って、アッセイした。図3は、ソフトウェアにより生成された電気泳動アッセイの結果を示している。
採取後すぐに液体窒素で急速冷凍したマウスの脾臓を、ペルフリーズバイオロジカル社(米国アーカンソー州ロジャーズ)から入手した。脾臓には大量のgDNAが存在するため、脾臓組織は、RNAを単離するのがもっとも困難な組織の1つである。そのため、本明細書で示す実施例では、脾臓組織を採用した。予備濾過後、シリコンカーバイドウィスカー(SiCw)及び/又はシリカベース(QIAGEN)単離法を用いて、脾臓RNAを単離した。
サンプルの重さを量り、約4〜約8のpHを有する過剰の溶解バッファー(上記のもの)又はキアゲン社のRLT(典型的には20倍過剰)中で、OMNI TH組織ホモジナイザ(オムニ社、米国バージニア州ワレントン)を用いて、30秒間15000rpmにてパワーホモジナイズした。
組織ホモジェネート(典型的には約300μL〜600μL)は、16000×gにて3分間遠心分離することにより前処理して、QIAGENカラムに使用した。又は、本発明のガラスファイバー予備フィルタに加え、次いでEppendorf 5415Dマイクロ遠心分離機(ブリンクマン社、米国ニューヨーク州ウェストベリー)を用いて16000×gにて3分間遠心分離することにより前処理して、SiCwカラムに使用した。
各組織ホモジェネートに、等量の70%エタノールを加え混合した。次いで、エタノール含有ホモジェネートを、キアゲン社のRNeasy Mini Kit(米国カリフォルニア州バレンシア、部品番号74104)からのミニスピンカラムか、又は本明細書で説明したSiCwに加えた。
次いで、スピンカラムを16000×gにて少なくとも10秒間遠心分離した。各々から得られた流出物を収集し、2mLの収集管からデカントし、スピンカラムを収集管の中に戻した。
次いで、スピンカラムを700μLのRW1(キアゲン社 RNeasyカラム)又は700μLの洗浄バッファー#1で洗浄し、16000×gにて少なくとも10秒間遠心分離した。SiCwスピンカラムを使用したサンプルに関しては、SiCwスピンカラム内容物に対して、以下に説明するように、DNase消化を実施するか、又は洗浄バッファー#2による洗浄を実施した。
DNase消化を実施しないカラムに関しては、上記のように、500μL(一回目)及び250μL(2回目)のRPE(キアゲン社 RNeasyカラムバッファー)又は洗浄バッファー#2を加えて、カラムを、上記のように2回遠心分離した(少なくとも10秒間、16000×g)。2回目の遠心分離を16000×gにて2分間へと延長し、最終的に微量のRPE又は洗浄バッファー#2を除去した。各カラムを、2mLの収集管から取り出し、1.5mLのヌクレアーゼフリーマイクロ遠心分離管内に配置した。50μLのヌクレアーゼフリーHOを用いて、RNAを2回溶出させた。次いで、RNAを−70℃で保存した。
上記のように、例えば、洗浄バッファー#2を加える前に、サンプルを任意にDNase処理することができる。DNase処理を実施するカラムに関しては、DNaseIを、最終的には100μLの容積になるように、1XDNaseバッファー中で0.5μg/μLの濃度にまで希釈し、SiCwのカラムに加えた。(本明細書に記載する本発明の方法においては、DNaseバッファーとして、例えば100mM程度の低濃度の塩を使用しているが、殆どの従来の方法では高濃度の塩を必要とすることに注意されたい。例えば、オンカラム消化用の一部の市販のDNaseバッファーには、1Mもの塩化ナトリウムが使用されている)。DNaseは、高濃度のイオンに非常に敏感であるため、本発明の方法では、イオン強度を強めたり、結合を保持したりする塩を使用しない(上記実施例1において列挙されている試薬を参照されたい)。例えば、本実施例では、10mMの塩化カルシウムしか使用しない。次いで、25℃にて15分間カラムを培養した。洗浄バッファー#1を500μL加え、16000×gにて少なくとも10秒間遠心分離して消化を終了させた。次いで、洗浄バッファー#2で洗浄し、最終的に微量の洗浄バッファー#2を除去した後に、上記のように溶出を実施した。QIAGEN法を利用するサンプルに関しては、DNase消化は実施しなかった。
Applied Biosystems Prism 7000 Sequence Detection System(アプライドバイオシステムズ社、米国カリフォルニア州フォスターシティ)を用いて、5’ヌクレアーゼアッセイ又は「リアルタイム」PCRアッセイ実施して、ゲノミックDNAの汚染物質を定量化した。この種のアッセイでは、各PCRサイクルで蓄積されるPCR生成物の量がモニタリングされる。これは、PCR生成物を検出するための、非常に高感度で再現性の高いアッセイである。
マウス脾臓から単離したtcRNA(〜20ng)を、マウスに特異的なプライマとプローブを含有する反応混合物(Genbank Accession NM_008084)グリセラアルデヒド−3−フォスフェート デヒドロゲナーゼ(glyceraldehyde−3−phosphate dehydrogenase、GAPDH)に加えた。全てのサンプルを、500nMの両プライマ、200nMの蛍光プローブ、及び1X Taqman Universal Master Mix(部品番号43044437)から構成される反応混合物内で、当分野で周知の条件下で実施した。マウスのゲノミックDNA(プロメガ社、米国ワイオミング州マディソン)を倍々希釈して、標準曲線を作った。全てのサンプル、標準サンプル、非鋳型対照サンプルに関して、2回実施した。
マウスのGAPDHアッセイにより、エクソン内で78塩基対のフラグメントが増幅された。GAPDHアッセイのプライマとプローブは、プライマ発現ソフトウェアパッケージ(アプライドバイオシステム社、米国カリフォルニア州フォスターシティ、部品番号4329442)において使用されるように設計されている。プライマは脱塩され、また、プローブ(5’が6−FAMにより、3’がBHQ−1により標識化されている)は、陰イオン交換、それに次ぐ逆位相HPLC(バイオサーチテクノロジーズ社、米国カリフォルニア州ナバト)により、精製された。
両アッセイに関するアッセイサイクリングパラメータ(assay cycling parameter)は、製造業者によって設定されたデフォルト条件(即ち、50℃にて2分間、95℃にて10分間、次いで95℃にて15秒間と60℃にて1分間を40サイクル)であった。単離されたtcRAN中のgDNAの定量は、マウスのgDNA標準曲線から計算し実施した。
表2は、遠心分離、予備濾過、DNase消化、QIAGEN法、本発明のSiCw法などを種々に組み合わせて、予備濾過及び/又はオンカラムDNase消化を施した際の、gDNAの低減を示す、定量的PCRアッセイの結果である。表2は、図3に示す脾臓tcRNA実験に関するRNA収率及びgDNA汚染を示すものである。gDNA汚染が高いサンプルについては収率を示していない。gDNAの量は、上記実施例で説明したリアルタイムPCRアッセイにより決定した。
図4は、Agilent RNA6000 Nano Assayで検出されたgDNA汚染物質濃度を示している。gDNA濃度は、レーン1〜3、10〜12、16〜18、19〜21では高レベルであるが、例えばレーン4〜6では低レベルである。図4の凡例は、以下の通りである。Lは、Ambion RNA6000 Ladder(部品番号7152)のラダー、レーン1〜3は、精製した(遠心分離した)ホモジェネートをSiCwカラムで単離した脾臓RNA、レーン4〜6は、GF/Fで予備濾過したホモジェネートをSiCwカラムで単離した脾臓RNA、レーン7〜9は、GF/Fで予備濾過したホモジェネートをオンカラムDNase消化処理しSiCwカラムで単離した脾臓RNA、レーン10〜12は、GF/Dで予備濾過したホモジェネートをSiCwカラムで単離した脾臓RNA、レーン13〜15は、A/Bで予備濾過したホモジェネートをSiCwカラムで単離した脾臓RNA、レーン16〜18は、A/Dで予備濾過したホモジェネートをSiCwカラムで単離した脾臓RNA、レーン19〜21は、精製した(遠心分離)ホモジェネートをRNeasy mini columnで単離した脾臓RNA、レーン22〜24は、GF/Fで予備濾過しRNeasycolumnで単離した脾臓RNAである。
このアッセイによって、特定の種類のファイバーとフィルタだけが、総gDNA汚染物を効果的に除去できることが実証された。例えば、レーン4、5及び6からわかるように、Whatman GF/Fフィルタ材を使用することが効果的であった。この場合、最終的な溶出サンプルには、gDNA汚染物質はほとんど含まれておらず、DNase消化は実施しなかった。同様に、本発明のガラスファイバーフィルタを使用した予備濾過法によってQIAGEN法を補足したレーン22〜24では、QIAGEN法を使用した他の全サンプル/レーンと比較して、存在するgDNA汚染物がはるかに少なかった。
対照的に、レーン10〜12及び16〜18では、かなり多くのgDNAが存在した。レーン10〜12では、約3μmの粒子を保持する能力を有するフィルタ材を使用し、また、レーン16〜18では、約1μmの粒子を保持する能力を有するフィルタ材を使用したが、一方、レーン4〜6及び22〜24で使用したフィルタ材は約0.7μmの粒子を保持する能力を有するものであった。従って、フィルタの種類、組成、性能を最適化する必要がある。
表2及び図4を参照すると、DNase消化を実施しないレーン1〜3、10〜12、16〜18、19〜21では、RNA定量化が本質的に無意味になるほど多くのgDNA汚染物質の存在することが観察された。しかしながら、レーン4〜6及び22〜24の結果から、本発明の予備濾過法及び装置は、本質的に無視できる量のgDNA汚染に帰着することが確認された。実際、予備濾過では、DNase処理を実施しなくても、DNase処理後に残存するgDNAとほとんど同程度のgDNAしか残さずに、DNase処理とほぼ同じRNA収率が得られる。本発明の予備濾過法と装置を使用したレーン4〜6のRNA収率及びgDNA量と、従来のDNase処理と予備濾過法を組み合わせて実施したレーン7〜9のRNA収率及びgDNA量を比較されたい。予備濾過とDNase消化を組み合わせると、除去されるgDNAはやや多くなるが、本発明の方法及び装置だけで、全てのgDNAを実質的に除去することができ、実験者は、特定の用途において望まれる場合には、DNase処理を回避することができる。
QIAGEN法に関しては、これらの方法で使用するDNase消化はプロメガ社によって説明されており、そのプロトコルはQIAGENキットに採用されている。しかしながら、DNase消化の使用は、常に、最終用途に依存する。例えば、QIAGENキットを使用しても、ノーザンハイブリダイゼーションではDNase消化はおそらく不必要であろう。従って、DNase消化を使用するかしないか、また必要であるかないかは、RNAを単離する最終用途に依存する。
本発明の方法及び装置によって、RNAを単離する元のサンプルから効果的にgDNAを除去し、DNase消化を不必要にし(しかし必要な場合はDNase消化と両立できる)、特にシリカベースのキットである市販のRNA単離キット(例えばキアゲン社のRNeasy kit)と共に機能し、それらの効果を高めることが確認された。
表2:図3に示す単離tcRNAに関する、RNA収率及びgDNA汚染量
Figure 2005052142
マウス肝臓ホモジェネート
マウス肝臓ホモジェネートを上記のように調合し、RNA単離に用いた。実施例2で示した、濾過したホモジェネートに70%エタノールを加える手順の代わりに、等量のRNaseフリー水、70%イソプロパノール又はメタノールを加えた。この混合液をSiCwスピンカラムに加え、次いで、上記のようなRNA単離を実施した。
260nm及び280nmにおける吸光度を、Agilent Technologies 8453UV/VIS分光光度計で測定し、溶出したRNAの存在を確認した。
この結果を表3に示している。
表3:RNA収率
Figure 2005052142
植物組織からのRNA単離
シロイヌナズナの葉の重さを量り、OMNI TH組織ホモジナイザ(オムニ社、米国バージニア州ワレントン)を用いて、過剰の溶解バッファー内で15000rpmにて30秒間パワーホモジナイズした。採取後に葉の組織を冷凍し、上記のようにホモジナイズすることもできる。
組織ホモジェネート(典型的には約300μL〜600μL)を、16000×gにて2分間遠心分離することにより前処理した。又は、本発明のガラスファイバー予備フィルタに加え、Eppendorf 5415Dマイクロ遠心分離機(ブリンクマン社、米国ニューヨーク州ウェストベリー)を用いて、16000×gにて2分間遠心分離することにより前処理した。
各組織ホモジェネートに、等量の70%エタノール(結合促進剤の一例)を加え混合した。次いで、スピンカラムを16000×gにて少なくとも10秒間遠心分離した。各サンプルからの流出物を収集し、それぞれ2mLの収集管からデカントし、スピンカラムを収集管に戻した。
次いで、500μLの洗浄バッファー#1を用いてスピンカラムを洗浄し、16000×gにて少なくとも10秒間遠心分離した。次いで、上記のように各カラムに、1回目は500μL、2回目は250μLの洗浄バッファー#2を加えて、16000×gにて少なくとも10秒間2回遠心分離した。2回目の遠心分離を16000×gにて2分間に延長して、最終的に微量の洗浄バッファー#2を除去した。次いで、各カラムを2mLの収集管から取り出し、1.5mLのマイクロ遠心分離管内に配置した。次いで、50μlのヌクレアーゼフリーHOを用いて、RNAを2回溶出させた。次いで、RNAを−20℃又は−70℃で保存した。
植物組織のRNA単離の結果を図5に示す。得られたRNAについて、Bioanalyzer 2100(アジレントテクノロジーズ社、米国カリフォルニア州パロアルト、部品番号G2938B)において同社のRNA 6000 Nano Assay(部品番号5065−4476)を用いて、製造業者の指示に従ってアッセイを実施した。図5は、コンピュータで生成した、電気泳動アッセイ結果のプリントアウトである。図5の凡例は、以下の通りである。Lは、Ambion RNA6000 Ladder(部品番号7152)のラダー、レーン1〜3は、GF/Fで予備濾過したホモジェネートをSiCwカラムで単離したシロイヌナズナのRNA、レーン4〜6は、精製した(遠心分離した)ホモジェネートをSiCwカラムで単離したシロイヌナズナのRNAである。
図4及び表2に示す動物組織と同様に、レーン1〜3に示す結果から、本発明の予備濾過方法と装置を使用することで、植物組織サンプルからもほとんどのgDNAを除去し得ることが理解されよう。実際、予備濾過後に存在するgDNA濃度は、高感度アッセイを使用しても検出できなかった。
ゲノミックDNA汚染物質は、Applied Biosystems Prism 7000 Sequence Detection System(アプライドバイオシステムズ社、米国カリフォルニア州フォスターシティ)において、5’ヌクレアーゼアッセイ、又は「リアルタイム」PCRアッセイにより定量化した。この種のアッセイでは、PCRサイクル毎に蓄積するPCR生成物の量がモニタリングされる。これはPCR生成物を検出するための、非常に高感度で再現性の高いアッセイである。
シロイヌナズナの葉から単離したtcRNA(200ng)を、18SリボソームRNAに対して特異的なプライマ及びプローブを含む反応混合物に添加した。製造業者の基準によれば、全サンプルを、500nMの両プライマ、200nMの蛍光プローブ、1X Taqman Universal Master Mix(部品番号43044437)から構成される反応混合液内で実施した。シロイヌナズナの葉から精製したゲノミックDNAを倍々希釈して標準曲線を作った。全サンプル、標準サンプル、非鋳型対照サンプルについて2回実施した。
このアッセイによって、エクソン内で187塩基対のフラグメントが増幅される。プライマ及びプローブは、プライマ発現ソフトウェアパッケージ(アプライドバイオシステムズ社、米国カリフォルニア州フォスターシティ、部品番号4329442)を使用して設計した。プライマは脱塩され、また、プローブ(5’が6−FAMにより、3’がBHQ−1により標識化されている)は、陰イオン交換、及びそれに次ぐ逆位相HPLC(バイオサーチテクノロジーズ社、米国カリフォルニア州ナバト)により精製した。両アッセイのアッセイサイクリングパラメータは、製造業者が設定したデフォルト条件であった。即ち、50℃にて2分間、95℃にて10分間、次いで95℃にて15秒間から60℃にて1分間を40サイクル実施した。
単離したtcRNA中のgDNAの定量は、シロイヌナズナgDNA標準曲線から計算して実施した。この結果を表4に示す。図5及び表4に示す結果によって、本発明のガラスファイバー予備濾過法と装置が、植物組織においても使用できる汎用性を有することを示している。
表4:図5に示す単離RNAに関する、RNA収率及びgDNA汚染量
Figure 2005052142
他の組織の単離
上記の単離精製法に加え、皮膚、心臓及び筋肉のような、結合組織及び構造タンパク質の多い組織からのRNAの単離もまた、プロテイナーゼK処理により容易になる。この場合、まず始めに、そのような組織を上記のようにホモジナイズし、等量の水をサンプルに加える。次いで、プロテイナーゼKを加えて、最終的な濃度を1ユニット/100μLにし、混合し、55℃にて10分間培養することができる。次いで、本発明の予備フィルタカラムを用いてホモジェネートを遠心分離することができる(さらなる処理を実施してもしなくてもよい)。この場合、上記のDNase処理を実施してもよいし実施しなくてもよい。
また、固相抽出(SPE)カラム及び真空ポンプと共に使用するよう設計されている真空マニホールドを用いて、多くのサンプルからのRNA調製を容易にすることができる。サンプルは上記のようにホモジナイズし、精製し、エタノールなどの低分子量アルコールと混合する。本発明のSiCwカラムを使用する場合には、SiCwスピンカラムを真空マニホールドに乗せ、コックを閉じた位置にする。次いで、エタノールを含むホモジェネートをカラムに加え、コックを開いてホモジェネートを流すことができる。次いで、コックを閉じて、洗浄バッファー#1を500μL加え、再びコックを開く。先述のように、500μL及び250μLの洗浄バッファー#2を用いて、このプロセスを繰り返す。次いで、コックを2分間開いたままにしてスピンカラムを乾燥させ、次にスピンカラムを1.5mLマイクロ遠心分離管内に配置して、先述の最終溶出を実施する。
特定の実施形態を参照して本発明を具体的に例示し、説明してきたが、当業者であれば、添付の特許請求の範囲によって定義される本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく、形態及び詳細について種々の変更が可能であることが理解されよう。
本発明のSiCwカラムの概略図 本発明の予備フィルタカラムの概略図 本発明の種々のガラスファイバーフィルタを用いて種々の哺乳類の組織及び細胞培養物からRNAを単離した結果 本発明の種々のガラスファイバーフィルタを用いて種々の哺乳類の組織及び細胞培養物から単離されたRNA中のgDNA汚染物質濃度 本発明の種々のガラスファイバーフィルタを用いて植物細胞からRNAを単離した結果
符号の説明
10 予備濾過スピンカラム
12 ファイバーフィルタ材
14、26 固定リング
16、22 フリット
20 スピンカラム
24 シリコンカーバイドウィスカー

Claims (23)

  1. ゲノミックDNAを実質的に含まないサンプルを調製する方法であって、
    (a)生体サンプルから組織/細胞溶解物を形成するステップと、
    (b)ガラスファイバー又はホウケイ酸ファイバーからなる少なくとも1つの層を有するフィルタ材12を備える予備濾過カラム10に、前記溶解物を接触させるステップと、
    (c)前記予備濾過カラム10から前記ゲノミックDNAを実質的に含まない流出物を収集するステップと、
    を包含する方法。
  2. 前記溶解物が、カオトロピック剤を含む溶解バッファーを用いて形成される、請求項1に記載の方法。
  3. 前記生体サンプルが、動物及び植物の組織及び/又は細胞からなる群から選択される、請求項1に記載の方法。
  4. 前記動物組織及び/又は細胞が、血液、尿、毛髪、皮膚、筋肉、骨、体液、臓器抽出物などからなる群から選択される、請求項3に記載の方法。
  5. 前記フィルタ材12が、約0.1μm〜約10μmの範囲の粒子を保持する能力を有する、請求項1に記載の方法。
  6. 前記フィルタ材12が、約50μm〜約2000μmの範囲の厚さを有する、請求項1に記載の方法。
  7. 前記フィルタ材12が、約75g/m〜約300g/mの範囲の比重を有する、請求項1に記載の方法。
  8. サンプル基質から核酸を単離する方法であって、
    (a)溶解バッファーを用いて前記サンプル基質に含まれる組織及び細胞を破壊して、サンプル調合物を形成するステップと、
    (b)前記(a)のサンプル調合液を、シリコンカーバイドカラムに接触させるステップと、
    (c)前記シリコンカーバイドカラムから核酸を溶出させるステップと、
    を包含する方法。
  9. 前記ステップ(a)が、DNA消化を含む、請求項8に記載の方法。
  10. サンプル基質から核酸を単離する方法であって、
    (a)溶解バッファーを用いてサンプル基質から組織/細胞溶解物を形成するステップと、
    (b)ガラスファイバー又はホウケイ酸ファイバーからなる少なくとも1つの層を有するフィルタ材12を備える予備濾過カラム10に、前記溶解物を接触させるステップと、
    (c)前記カラムから前記ゲノミックDNAを実質的に含まない流出物を収集するステップと、
    (d)前記(c)の前記流出物を、シリコンカーバイドカラムに接触させるステップと、
    (e)前記シリコンカーバイドカラムから核酸を溶出させるステップと、
    を包含する方法。
  11. 前記核酸が、RNAである、請求項10に記載の方法。
  12. 前記ステップ(c)が、DNA消化を含む、請求項10に記載の方法。
  13. 1つ又は複数のカオトロピック剤が前記溶解バッファーにおいて使用されている、請求項2、8又は10の何れか一項に記載の方法。
  14. 前記カオトロピック剤が、グアニジンイソチオシアネート、アンモニウムイソチオシアネート、グアニジン塩酸塩、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項13に記載の方法。
  15. 前記カオトロピック剤の濃度が、約0.5M〜約5.0Mの範囲である、請求項13に記載の方法。
  16. 前記ステップ(a)に、1つ又は複数の有機溶媒結合促進剤が含まれる、請求項8又は10の何れか一項に記載の方法。
  17. 前記有機溶媒結合促進剤が、メタノール、エタノール、イソプロパノール、及びこれらの組み合わせからなる群から選択されるアルコールである、請求項16に記載の方法。
  18. 前記シリコンカーバイドカラムが、シリコンカーバイドウィスカーカラム20であり、該シリコンカーバイドウィスカーカラムがフリット22を有しており、シリコンカーバイドウィスカー24が前記フリット22に隣接している、請求項8又は10の何れか一項に記載の方法。
  19. 前記溶解バッファーが、βメルカプトエタノールを含む、請求項2、8又は10の何れか一項に記載の方法。
  20. 前記溶解バッファーが、約4〜約8の範囲のpHを有する、請求項2、8又は10の何れか一項に記載の方法。
  21. 前記溶出ステップが、ヌクレアーゼフリーHO、EDTA、クエン酸ナトリウムからなる群から選択される溶出バッファーを用いて実施される、請求項8又は10の何れか一項に記載の方法。
  22. 前記溶出バッファーが、約6〜約9の範囲のpHを有する、請求項21に記載の方法。
  23. 前記溶出ステップから得られた溶出液に、DNA消化に適する条件でデオキシリボヌクレアーゼを加えるステップをさらに包含する、請求項8又は10の何れか一項に記載の方法。
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