JP2005049569A - 光コネクタの接続損失計算方法及びそれを用いた光コネクタの接続損失計算シミュレータ - Google Patents

光コネクタの接続損失計算方法及びそれを用いた光コネクタの接続損失計算シミュレータ Download PDF

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Abstract

【課題】多大な工数と経費を要しないで容易に接続損失の分布データを得ることが出来る。
【解決手段】長手方向に貫通孔を有するフェルール1に光ファイバ3を挿入固定した光コネクタにおいて、少なくとも上記フェルール1の寸法パラメータの分布データと、少なくとも上記光ファイバ3の寸法パラメータの分布データから軸ずれ量を計算し、該軸ずれ量から接続損失値を計算し、該接続損失値の分布をシミュレーションする。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明が属する技術分野】
本発明は、光通信に用いられる光コネクタの接続損失値の分布データをシミュレーションにより推定する方法及びその方法を用いたシミュレータに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、通信における情報量の増大に伴い、光ファイバを用いた光通信が使用されている。この光通信において、光ファイバ同士の接続には光コネクタが用いられている。
【0003】
該光コネクタに用いられるプラグ10は、図9及び図10に示すように円筒形のフェルール1に光ファイバ保護具2が予め固定されており、フェルール1に形成された貫通孔1aに被覆を除去した光ファイバ3の先端部分を挿入し、接着剤4により保持固定し、一対のフェルール1をスリーブ5の両端から挿入して、該スリーブ5の内部で凸球面状に研磨加工した先端面1b同士を当接させるようにした構造となっている。
【0004】
上記光コネクタでは、低損失でかつ低反射の光接続を保障するため、光コネクタの組立後、光学特性の測定が行われる。測定項目としては、光コネクタの接続部での光の透過率を示す接続損失と、光の反射率を示す反射減衰量とがあり、現在はこれらの接続損失と反射減衰量とを人手により個別に測定している。
【0005】
図11(a)及び(b)は光コネクタのランダム接続損失の測定法を説明する図である。この図において、LD光源11、リファレンス光コード12、光コネクタ12a、リファレンス光コネクタ12b、アダプタ13、被測定用である両端に光コネクタ付きの光コード14、測定対象である光コネクタ14a、終端側の光コネクタ14b、受光ユニット15、パワーメータ16から構成されている。
【0006】
ここでリファレンス光コネクタ12bとは、測定対象である光コネクタ14a、14bと同一の仕様の光コネクタであり、通常は製造上の被測定用光コネクタと同一ロットからランダムに抽出されたものを用いる。
【0007】
まず、光コネクタの接続損失の測定に先立ち、図11(a)に示す測定系において、接続損失の基準設定を行う。リファレンス光コード12の一端の光コネクタ12aをLD光源11に接続し、リファレンス光コネクタ12bを受光ユニット15に接続する。リファレンス光コネクタ12bからの出射光は、空気層を介して受光ユニット15により受光される。このリファレンス光コネクタ12bから出射パワーP0をパワーメータ16により読み取り、この値を接続損失測定における基準値(接続損失を0dB)と規定する。
【0008】
次に、測定対象である光コネクタ14aの接続損失を測定するため、リファレンス光コネクタ12bを受光ユニット15から取外した後、図11(b)に示すように、アダプタ13を介して被測定用の光コード14と接続し、光コネクタ14bからの出射光は、基準値測定の時と同様に、空気層を介して受光ユニット15により受光される。この時の出射パワーP1をパワーメータ16により測定する(特許文献1参照)。
【0009】
光コネクタの接続部での接続損失ILは、前記出射パワーP0、前記出射パワーP1、光ファイバの伝送損失α(dB/Km)、光コネクタの端面での反射損失βを用いて次式で表される。
【0010】
【数1】
Figure 2005049569
【0011】
ここで、光コネクタの端面での反射は、通常0.01%以下であり、反射損失βは測定器の分解能以下となるため考えなくてもよい。また、シングルモード光ファイバの場合は、伝送損失αは0.35dB/Km以下である。従って、測定対象とする光コードの長さが30m以下の場合は、伝送損失αは測定器の分解能にほぼ等しい0.01dB程度となるため無視して差し支えなく、30m以上の場合も光ファイバの伝送損失(α/m)を予め測定もしくは計算しておけば、いずれの場合も数1より光コネクタの接続損失ILを簡単に求めることができる。
【0012】
光コネクタにおける接続損失の要因としては、光ファイバのコア相互の軸ずれ、光ファイバ相互の角度ずれ、光コネクタ間の端面間隙、光ファイバ相互の構造不一致等があるが、通常の単一モード光コネクタでは、光ファイバのコア間の軸ずれ(以下、「軸ずれ」と称する)が主要因である。
【0013】
軸ずれの主要因は、フェルール1の貫通孔1aの加工精度である。しかし、通常の単一モード光コネクタで要求される偏心量が約0.7μm以下の領域では、貫通孔1aの偏心測定値と実際の接続損失値との間には殆ど相関は認められない。これは、光ファイバのコアの偏心と貫通孔1aの偏心とは必ずしも一致しないためである。即ち、光コネクタの貫通孔1aと、該貫通孔1aに挿入される光ファイバとの間には約1μm程度のクリアランスが必要であり、更に、光ファイバ自身も外径中心に対してコアが僅かに偏心しているため、貫通孔1aに偏心がない場合であっても、軸ずれが生ずることがある。
【0014】
ここで、光コネクタにおいて光ファイバ3のコアのフェルール1の外周面の中心に対する偏心量を測定することにより、単一モード光ファイバの光コネクタ接続において、光ファイバ間の軸ずれdによる挿入損失IL(dB)は次式で与えられる。
【0015】
【数2】
Figure 2005049569
【0016】
ここで、ωは光ファイバのモードフィールド半径である。この式を展開すると次式となる。
【0017】
【数3】
Figure 2005049569
【0018】
ここで、ω=4.7μmと仮定すると、光ファイバ間の軸ずれdによる挿入損失ILΔ(dB)は、軸ずれdが0.5μmの場合には約0.05dB、1μmで約0.20dB、2μmで約0.79dBになる。したがって、光ファイバ間の軸ずれが大きくなるにしたい、接続損失の変化量が増大する。
【0019】
次に、光ファイバ相互の角度ずれ(以下、「角度ずれ」と称する)の主要因はフェルール1の貫通孔1aの外周面1cに対する角度ずれである。ここで、光コネクタにおいて、光ファイバ3の出射角の外周面1cに対する角度ずれをθとすると、挿入損失ILθ(dB)は次式で表される。
【0020】
【数4】
Figure 2005049569
【0021】
ここで、nは光ファイバの屈折率であり、λは真空中の光の波長を表す。ここで、λに光ファイバの一般的な屈折率1.46を代入し展開すると次式となる。
【0022】
【数5】
Figure 2005049569
【0023】
ここで、光ファイバ間の角度ずれθによる挿入損失ILθ(dB)は、角度ずれθが0.2°の場合には約0.014dB、0.5°の場合には約0.089dBとなり、角度ずれθが大きくなるにしたがい、接続損失の変化量が増大する。しかし、軸ずれdに対する接続損失に比べて影響が少ない。
【0024】
上記数1及び数2より図12に示すように、軸ずれと角度ずれと接続損失を示したグラフが簡易的に用いられ、個別の光コネクタの角度ずれ及び軸ずれから大まかな接続損失を推定していた(非特許文献1参照)。
【0025】
【特許文献1】
特許3323919号公報(段落0003〜0008)
【0026】
【非特許文献1】
研究実用化報告第32巻第3号(1983)P675、「単一モードファイバ用光回路」3.1項
【0027】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、従来の接続損失を推定する方式では、軸ずれはフェルールの偏心量、フェルールの貫通孔1aと光ファイバの外径差及び光ファイバのコアの同芯度等が複雑に絡み合うために、光ファイバをフェルールに接着固定した後の光ファイバのコアの位置が外周面の中心に対して、どれだけ偏心しているかを測定しなければならず、また、角度ずれについても同様に光ファイバをフェルールに接着固定した後の光ファイバの長手方向の角度が外周面に対して、どれだけ傾いているのかを、光を光ファイバの先端から出射させて出射角を測定してからでないと、接続損失を推定できなかった。
【0028】
つまり、全てサンプルを実際に製造してそれから、測定しなければならなかったので、サンプル作成上及び軸ずれ、角度ずれの測定上多大な工数を要した。
【0029】
また、実際にサンプルを作成するのであれば、出射角や軸ずれを一々測定しなくとも、直接接続損失を測定すれば実測値を得ることが出来たが、いずれにしても接続損失を測定するために多大な工数を要した。
【0030】
更には、従来の方法で測定した軸ずれおよび角度ずれは、光ファイバ及びフェルールの寸法パラメータが複雑に絡み合っているために、どのパラメータがどのように接続損失に影響を与えているかを類推することは困難であった。
【0031】
【課題を解決するための手段】
そこで本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、長手方向に貫通孔を有するフェルールに光ファイバを挿入固定した光コネクタにおいて、少なくとも上記フェルールの寸法パラメータの分布データと、少なくとも上記光ファイバの寸法パラメータの分布データから軸ずれ量を計算し、該軸ずれ量から接続損失値を計算し、該接続損失値の分布をシミュレーションすることを特徴とする。
【0032】
また、少なくともフェルールの寸法パラメータの分布データと、少なくとも光ファイバの寸法パラメータの分布データから、ランダムに特定のデータを抽出し、それらの組み合わせにより軸ずれ量を計算し、該軸ずれ量から接続損失値を計算し、該接続損失値のデータを複数得ることにより、接続損失値の分布をシミュレーションすることを特徴とする。
【0033】
更には、上記接続損失計算シミュレータにおいて、フェルール貫通孔の外周部に対しての角度ずれである角度パラメータの分布データを組み合わせることを特徴とする。
【0034】
しかも、上記接続損失計算シミュレータにおいて、割スリーブの寸法パラメータもしくは角度パラメータの分布データ、または、割スリーブの接続損失値の分布データを組み合わせることを特徴とする。
【0035】
そして、フェルールの内径と光ファイバ外径から生じる隙間と、フェルールの外周部と貫通孔との同芯度と、光ファイバのコアとクラッドとの同芯度から軸ずれ量を求めることを特徴とする。
【0036】
更には、フェルールの内径と光ファイバ外径から生じる隙間と、フェルールの外周部と貫通孔との同芯度と、光ファイバのコアとクラッドとの同芯度から軸ずれ量を求めて単一のプラグの軸ずれ量とし、該単一のプラグの軸ずれ量のデータを2個と、フェルールの外径差による軸ずれを加味して求めたペア化した軸ずれ量から接続損失値を計算することにより、接続損失値の分布をシミュレーションすることを特徴とする。
【0037】
また、ペア化した軸ずれから算出した接続損失値と、ペア化した角度ずれから算出した接続損失値と、割スリーブの接続損失値を合計することにより総合接続損失値とすることにより、接続損失値の分布をシミュレーションすることを特徴とする。
【0038】
そして、光コネクタの接続損失計算シミュレータにおいて、上記の光コネクタの接続損失計算方法の少なくともいずれかを用いたことを特徴とする。
【0039】
【発明の実施の形態】
以下本発明の実施形態を説明する。
【0040】
本発明は、長手方向に貫通孔を有するフェルールに光ファイバを挿入固定した光コネクタにおいて、少なくとも上記フェルールの寸法パラメータの分布データと、少なくとも上記光ファイバの寸法パラメータの分布データから軸ずれ量を計算し、該軸ずれ量から接続損失値を計算し、該接続損失値の分布をシミュレーションすることを特徴とする。
【0041】
本発明の一例として、モンテカルロ法にて円筒形の単心フェルールを用いた光コネクタの接続損失値の分布をシミュレーションする方法について図1に示す。
【0042】
まず、予め用意した光ファイバ外径の分布データから1個のデータを抽出する。抽出方法は、乱数を発生させてデータの抽出を行う。乱数を用いることから、賭け事の街で有名なモナコのモンテカルロの名前がつけられている。具体的には、乱数表を用いるか、もしくはパーソナルコンピュータを用いて、例えばマイクロソフト社の表計算ソフトウェアである「Excel」での乱数発生関数RAND()やRANDBETWEEN()を用いることにより、比較的容易に得ることが出来る。データの抽出方法の詳細については後述する。
【0043】
次に、フェルール内径の分布のデータから上記同様にランダムに1個のデータを抽出する。ここで、フェルール先端面において光ファイバの外周面はフェルールの内周面に少なくとも1箇所で必ず当接するので、フェルール内径と光ファイバ外径の隙間つまりフェルール内径から光ファイバ外径を引いた値の半値が軸ずれとなる。
【0044】
次にフェルール同芯度の分布のデータから上記同様にランダムに1個のデータを抽出する。更には、光ファイバコア同芯度の分布のデータから上記同様にランダムに1個のデータを抽出する。
【0045】
以上のフェルール内径から光ファイバ外径を引いた値の半値及びフェルール同芯度及び光ファイバコア同芯度から単一プラグの総軸ずれを計算する。
【0046】
図2(a)は貫通孔1aを有するフェルール1に光ファイバ保護具2が固定されており、光ファイバ3を光ファイバ保護具2の開口部から挿入固定してプラグ10が形成される。軸ずれはフェルール先端面1bでの外周部1cの中心からの位置のずれを意味するので、A視した図を図2(b)に示す。
【0047】
ここで、外周部1Cの中心をOとする。フェルールの貫通孔の中心をOとすると、Oの位置ずれが同芯度の半値となる。次に、光ファイバの中心位置がOであり、OとOの距離はフェルール内径から光ファイバ外径を引いた値の半値となる。更に、光ファイバコアの中心位置はOとなり、OとOの距離は光ファイバコアの同芯度の半値となる。最終的にOとOの距離がフェルール外周部1cに対する総軸ずれdとなる。
【0048】
この様に、各パラメータにおける単一の軸ずれは軸ずれしている360°方向の角度に依存するので、各パラメータにおける軸ずれが大きければ総軸ずれが大きくなるとは限らない。
【0049】
以上により、単一プラグの軸ずれを求めたが、光コネクタとしては一対2個のプラグを当接させた条件で計算する必要があり、図3を用いてペア化した軸ずれの計算方法について説明する。
【0050】
図3(a)はフェルール1にフェルール1´が当接した状態を示しており、割スリーブ5によって先端面1bと1b´が接触している。
【0051】
ここで図3(b)に示すように、割スリーブ5のスリット5aの対向部5bの内周面がフェルール1とフェルール1´の位置基準点となり、大径のフェルール1´がスリット5aの方向へ位置ずれを生じることとなる。小径フェルール1の外周部の中心Oに対する総軸ずれの中心をOとし、大径フェルール1´の外周部の中心O´に対する総軸ずれの中心をOとしたときに、OとO´の距離d分スリット5aの方向へ位置ずれを生じる。ここでOとO´の距離dは大径フェルール1´の外径と小径フェルール1の外径との差の半値である。
【0052】
従って、ペア化した最終的な軸ずれの中心はOとなりOとOとの距離dがペア化した軸ずれとなる。
【0053】
ここで、大径フェルール1´と小径フェルール1の外径は図1に示す様にフェルール外径の分布データからランダムに抽出しておく。
【0054】
次に、角度ずれであるが、これも上記同様に角度ずれの分布データから、ランダムに2個のデータを抽出して、ペア化した角度ずれを計算する。
【0055】
図4(a)はフェルール1、1´が割スリーブ5内部で先端面1b、1b´にて当接している状態の断面図であり、図4(b)はその立体図である。
【0056】
貫通孔1a、1a´は断面上、外周部1c、1c´に対してθ°、θ´°傾いている。しかしながら、接触面を基準として360°方向にφ、φ´傾斜していることも考慮に入れる必要があり、最終的にフェルール1の角度ずれのベクトルrとフェルール1´のベクトルr´との相対的な角度がペア化した角度ずれとなる。
【0057】
なお、本発明のシミュレータでは各パラメータの分布データの数は多ければ多いほど良い。データ数が少なければ出力される接続損失値の精度が悪くなるが、少なくとも32データ程あればよい。
【0058】
ここで、分布データから乱数を用いて一様なランダムに1個のデータを抽出する方法について図5を用いて説明する。
【0059】
データには1番からn番まで整数で連番をつけておく。この場合、データXnは並べておく必要は特にない。次に乱数を発生させてi番目のデータ番号を抽出し、そのデータXiを抽出する。具体的には一例として、前出の表計算ソフト「Excel」ではRANDBETWEEN(1、n)の関数を与えて1〜nまでの整数を発生させて、その得られた単一の乱数からデータの入力されているi番目のセルのデータを抽出することにより得ることが出来る。
【0060】
次に、図6に360方向の角度を乱数を用いて一様なランダムに1個のデータを抽出する方法について図6を用いて説明する。
【0061】
角度は0°〜359.9999・・・°まであるが、接続損失の計算上は1°単位で十分なので、0〜359°としてδ°を抽出する。これも前記同様に表計算ソフト「Excel」ではRANDBETWEEN(0、359)の関数を与えて0〜359までの整数を発生させて、その得られた単一の乱数を角度とすることにより得ることが出来る。
【0062】
以上によりペア化した軸ずれとペア化した角度ずれを算出することができた。
【0063】
次に図1に戻り説明するが、ペア化した軸ずれから数3より軸ずれによる接続損失値ILΔを求める。更にはペア化した角度ずれから数5より角度ずれによる接続損失値ILθを求める。そして、割スリーブの接続損失分布データから前記同様に乱数を発生させて1個の接続損失値ILを抽出する。
【0064】
なお、割スリーブは接続損失分布データから乱数を発生させて接続損失値ILを抽出するとしているが、割スリーブの寸法の分布データからランダムにデータを抽出して接続損失を算出する方法を用いてもよい。
【0065】
以上の軸ずれによる接続損失値ILΔと角度ずれによる接続損失値ILθと割スリーブの接続損失値ILを合計したものが、トータル接続損失となる。該トータル接続損失はペア化した一対のフェルールの組み合わせなので、次に上記同様に複数の接続損失値を計算する。これらの複数の接続損失値から分布データを得ることが出来る。
【0066】
接続損失の分布データを求める方法は図7に示すようにプラグのサンプル数をn個として、各プラグのフェルールの内径、同芯度、外径、角度ずれ、光ファイバの同芯度、外径の6パラメータをランダムに抽出しておき、総当りで組み合わせる方法である。各組み合わせにおいて、割スリーブの接続損失値はランダムに抽出して加算していく。
【0067】
例えば、サンプル1とサンプル2では接続損失値をX12とし、サンプル1とサンプルiでは接続損失値をX1i、サンプルn−1とサンプルnとでは接続損失値をXn−1nとして、総数量が0.5×(n−n)のデータから、各データの平均値、ばらつき、最大値を求めて分布データとしてまとめ、更にはそれをヒストグラム化することが望ましい。
【0068】
なお、最大値はシミュレーション上は、確率の僅かなところまで算出されてくる可能性があるので、現実的な値とはならない。そこでIEC61755−2−1で規定されているように97%最大値を用いることでもよい。
【0069】
本発明の接続損失のデータ数は少なくとも100個のデータがあることが望ましく、特に望ましくは500個以上のデータがあることがよい。これは、データ数が多ければ多いほど、ヒストグラム化した際に滑らかな曲線の分布とすることができるからである。
【0070】
また、上記総当り方式でなくとも、IEC61300−3−34に規定されているような、両端にプラグを有した10本のパッチコードと、割スリーブを有した10個のアダプタを用いて、パッチコードとアダプタとで10組とした各組み合わせにより、総数量が380個のデータを求めて、各データの平均値、ばらつき、最大値を求めて分布データとしてまとめる方法1を用いてもよい。
【0071】
更に、IEC61300−3−34の方法2に規定されているように、両端にプラグを有した10本のパッチコードと、アダプタとパッチコードを一対としたに5本のリファレンスプラグを用いて、総数量が100個のデータを求めて、各データの平均値、ばらつき、最大値を求めて分布データとしてまとめる方法を用いてもよい。
【0072】
以上、モンテカルロ法を用いた例で説明してきたが、モンテカルロ法に限ることなくフェルールを有した光コネクタの少なくともフェルールの寸法パラメータの分布データと、少なくとも光ファイバの寸法パラメータの分布データから軸ずれ量を計算し、該軸ずれ量から接続損失値を計算し、該接続損失値の分布をシミュレーションする方法であれば、いかなる方法を用いてもよく、本発明の効果である、多大な工数と経費を要しないで容易に接続損失の分布データを得ることが出来る。
【0073】
また、上記説明は本発明の一例として円筒形の単心フェルールを用いて説明したが、これに限ることはなく、円筒形の多心フェルールに用いることでもよいし、また矩形のフェルールに用いることでも、本発明の同等の効果を奏することができる。
【0074】
光コネクタの接続損失を小さくするために、軸ずれの方向をある一定方向に合わせこむ、調芯技術が導入されているが、本発明の光コネクタの接続損失計算方法を用いることも可能である。
【0075】
なお、本発明の光コネクタの接続損失計算シミュレータは、上記説明した光コネクタの接続損失計算方法を用いたシミュレーションソフトウェアであり、更には該シミュレーションソフトウェアをインストールしたパーソナルコンピュータ等の機器をいう。
【0076】
前記、パーソナルコンピュータの総合型表計算ソフト「Excel」で作成する方法が、簡便、低価格でしかももっとも一般的に使い慣れた方法であるために特に望ましいが、Basic、Fortran、C言語等を用いて作成することでも、同様に本発明の効果を奏することができる。
【0077】
本発明の光コネクタの接続損失計算方法及びそれを用いたシミュレータは、シングルモ−ド光ファイバで説明してきたが、マルチモード用光ファイバにも適用することができる。
【0078】
【実施例】
以下本発明の実施例を説明する。
【0079】
図1に示す本発明の光コネクタの接続損失計算シミュレータを用いて、フェルール内径をφ152.2〜125.7μm、同芯度を0〜0.8μm、外径をφ2.4989〜2.4992mm、角度ずれを0.02〜0.14°、光ファイバの同芯度を0〜0.4μm、外径を124.8〜125.3μmの分布データとして、シミュレーションを行った。図7の方法にて、50個のプラグとして、総当りで1,225個の接続損失のデータ数を得た後、ヒストグラムを描いた。
【0080】
そのヒストグラムを図8に示す。
【0081】
ここで、ヒストグラムの縦軸をデータ総数2475で除した確率で示した。
【0082】
以上より、接続損失値の平均値が0.154dB、ばらつきが0.096dB、最大値が0.68dB、97%最大値が0.37dBという結果となった。
【0083】
次に比較として、上記シミュレータにて使用した分布データをもつフェルール内径をφ152.2〜125.7μm、同芯度を0〜0.8μm、外径をφ2.4989〜2.4992mm、角度ずれを0.02〜0.14°、光ファイバの同芯度を0〜0.4μm、外径を124.8〜125.3μmの分布データをもつサンプルを50個作成して、接続損失を図11に示す方法にて実測し、図7の方法にて、総当りで1,225個の接続損失のデータ数を得た。
【0084】
このとき、研磨後損失測定前のフェルール先端面は光学顕微鏡にてごみ、きず等のなきことを確認してから測定した。
【0085】
その結果は、接続損失の平均値が0.163dB、ばらつきが0.112dB、最大値が0.64dBとなった。
【0086】
以上より、本発明のフェルールの寸法パラメータの分布データと、少なくとも光ファイバの寸法パラメータの分布データから軸ずれ量を計算し、該軸ずれ量から接続損失値を計算し、該接続損失値の分布をシミュレーションする方法は、サンプルを作成し接続損失を実測する方法とほぼ同等の値が得られることが確認できた。
【0087】
なお、所要時間は、本発明はデータ入力を含めて数十分であったのに対して、比較例の実測する方法では、サンプル作成、測定、データまとめ含めて数十時間かかり、本発明では多大な工数と経費を要しないで容易に接続損失の分布データを得ることが出来た。
【0088】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、長手方向に貫通孔を有するフェルールに光ファイバを挿入固定した光コネクタにおいて、少なくとも上記フェルールの寸法パラメータの分布データと、少なくとも上記光ファイバの寸法パラメータの分布データから軸ずれ量を計算し、該軸ずれ量から接続損失値を計算し、該接続損失値の分布をシミュレーションすることにより、多大な工数と経費を要しないで容易に接続損失の分布データを得ることが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の接続損失計算シミュレータの流れを示すフローチャートである。
【図2】(a)及び(b)は本発明の単一プラグの軸ずれを説明する図である。
【図3】(a)及び(b)は本発明のペア化した軸ずれを説明する図である。
【図4】(a)及び(b)は本発明のペア化した角度ずれを説明する図である。
【図5】本発明の分布データから乱数を発生してランダムにデータを抜き取る方法を説明する図である。
【図6】本発明の360°から乱数を発生して一様にランダムに角度を抜き取る方法を説明する図である。
【図7】本発明の複数データを組み合わせる方法を説明する図である。
【図8】本発明の接続失計算シミュレータにて推定した実施例を示すグラフである。
【図9】一般的なプラグを示す断面図である。
【図10】一般的な光コネクタを示す断面図である。
【図11】光コネクタの接続損失の測定方法を示す図である。
【図12】軸ずれと角度ずれと接続損失を表す線図である。
【符号の説明】
1:フェルール
1´:フェルール
1a:貫通孔
1b:先端面
1c:外周部
1d:先端面
1e:面取部
2:ファイバ保護具
3:光ファイバ
3a:コア
3b:クラッド
4:接着剤
5:スリーブ
10:プラグ
11:LD光源
12:リファレンス光コード
12a:光コネクタ
12b:光コネクタ
13:アダプタ
14:被測定用光コード
14a:光コネクタ
14b:光コネクタ
15:受光ユニット
16:パワーメータ
IL:接続損失

Claims (8)

  1. 長手方向に貫通孔を有するフェルールに光ファイバを挿入固定した光コネクタにおいて、少なくとも上記フェルールの寸法パラメータの分布データと、少なくとも上記光ファイバの寸法パラメータの分布データから軸ずれ量を計算し、該軸ずれ量から接続損失値を計算し、該接続損失値の分布をシミュレーションすることを特徴とする光コネクタの接続損失計算方法。
  2. 少なくともフェルールの寸法パラメータの分布データと、少なくとも光ファイバの寸法パラメータの分布データから、ランダムに特定のデータを抽出し、それらの組み合わせにより軸ずれ量を計算し、該軸ずれ量から接続損失値を計算し、該接続損失値のデータを複数得ることにより、接続損失値の分布をシミュレーションすることを特徴とする請求項1記載の光コネクタの接続損失計算方法。
  3. 上記接続損失計算方法において、フェルール貫通孔の外周部に対しての角度ずれである角度パラメータの分布データを組み合わせることを特徴とする請求項1または2記載の光コネクタの接続損失計算方法。
  4. さらに、割スリーブの寸法パラメータもしくは角度パラメータの分布データ、または割スリーブの接続損失値の分布データを組み合わせることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の光コネクタの接続損失計算方法。
  5. フェルールの内径と光ファイバ外径から生じる隙間と、フェルールの外周部と貫通孔との同芯度と、光ファイバのコアとクラッドとの同芯度から軸ずれ量を求めることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の光コネクタの接続損失計算方法。
  6. フェルールの内径と光ファイバ外径から生じる隙間と、フェルールの外周部と貫通孔との同芯度と、光ファイバのコアとクラッドとの同芯度から軸ずれ量を求めて単一のプラグの軸ずれ量とし、該単一のプラグの軸ずれ量のデータを2個と、フェルールの外径差による軸ずれを加味して求めたペア化した軸ずれ量から接続損失値を計算することにより、接続損失値の分布をシミュレーションすることを特徴とする請求項1〜5のいずかに記載の光コネクタの接続損失計算方法。
  7. ペア化した軸ずれから算出した接続損失値と、ペア化した角度ずれから算出した接続損失値と、割スリーブの接続損失値を合計することにより総合接続損失値とすることにより、接続損失値の分布をシミュレーションすることを特徴とする請求項6に記載の光コネクタの接続損失計算方法。
  8. 請求項1〜7のいずれかに記載した光コネクタの接続損失計算方法を用いたことを特徴とする光コネクタの接続損失計算シミュレータ。
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