JP2005048287A - 原材料の蒸発のためのるつぼ - Google Patents

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Abstract

【課題】るつぼを均一に加熱するための解決策として改良されたるつぼに関し、それは蒸着のための原材料の蒸発プロセスに使用するために好適にする。
【解決手段】底部と、互いに対して対向して設けられた側壁の外部部位に電極クランプを与えられた周囲側壁とを有するるつぼであって、前記部位が前記側壁でリップとして延び、前記クランプが前記るつぼを加熱するための電極と接続可能であるるつぼにおいて、るつぼ壁と電極クランプの間の前記リップの各々の横断面積が各リップに穿孔を与えることによって少なくとも5%減少されていることを特徴とするるつぼ。
【選択図】図1

Description

本発明はるつぼを均一に加熱するための解決策として改良されたるつぼに関し、それは蒸着のための原材料の蒸発プロセスに使用するために好適である。
例えば光刺激性燐光体の製造のための物理蒸着(PVD)はWO 01/03156に記載されている。貯蔵スクリーン又はパネルにおけるアルカリ金属ハロゲン化物燐光体の使用は貯蔵燐光体放射線の分野では良く知られており、これらの燐光体の高い結晶対称性は構造化されたスクリーン及び結合剤のないスクリーンを与えることができる。
アルカリハロゲン化物燐光体を有する結合剤のないスクリーンが製造されるとき、燐光体結晶を幾つかの種類のパイル、針、タイルなどのように蒸着させることが有益であることが開示されている。US−A 4769549では結合剤のない燐光体スクリーンの像品質は燐光体層が微細な柱で形成されたブロック構造を有するときに改良されうることが開示されている。US−A 5055681では例えばパイル状構造でアルカリハロゲン化物燐光体を含む貯蔵燐光体スクリーンが開示されている。表面のレベリングがシャープネスを増大するように粗さを減少することによって柱状燐光体でかかるスクリーンの像品質を改良するための手段が開発され、例えばUS−A 5874744では柱状燐光体の針状物を有する貯蔵燐光体を製造するために使用される燐光体の反射率に注意が向けられている。良好な品質を有するX線像に対する必要性、高いシャープネスを有する像を有する記録システムのスピード(即ち、できるだけ低い患者線量)と低いノイズの間の良好な妥協に対する必要性を満たすためのさらなる開発はEP−A 1113458及び1217633に記載されている。
結合剤のないスクリーンは物理蒸着、熱蒸着、化学蒸着、電子線蒸着、無線周波数蒸着及びパルス化レーザ蒸着からなる群から選択されるいずれかの方法によって支持体上に完成した燐光体をもたらすことによって作られてもよい。EP−A 1113458及び1217633に述べられているように、原材料の混合物としてアルカリハロゲン化金属及びドーパントを一緒にるつぼにもたらし、アルカリ金属燐光体がスクリーンの製造中にドープされるような方法でそれらの両方を支持体上に蒸着することによって付着することができる。そこには結合剤のないスクリーンは物理蒸着、熱蒸着、化学蒸着、電子線蒸着、無線周波数蒸着及びパルス化レーザ蒸着からなる群から選択されるいずれかの方法によって支持体上に完成した燐光体をもたらすことによって作られるものとして記載されている。また、アルカリ金属ハロゲン化物及びドーパントを一緒にもたらし、アルカリ金属燐光体がスクリーンの製造中ドープされるような方法でそれらの両方を支持体に蒸着することもできる。従って、燐光体スクリーンを製造するための方法が記載されており、前記方法はCsX:Eu刺激性燐光体(式中、XはBr及びClからなる群から選択されるハロゲン化物を表す)を与え、前記方法は前記CsXと、EuX′,EuX′及びEuOX′(式中X′はF,Cl,Br及びIからなる群から選択されるハロゲン化物である)からなる群から選択されるユウロピウム化合物の多数の容器を蒸着のための状態にもたらし、物理蒸着、化学蒸着、電子線蒸着、無線周波数蒸着及びパルス化レーザ蒸着からなる群から選択される方法によって蒸着し、前記CsX及び前記ユウロピウム化合物の両方がユウロピウムの10−3〜5mol%でドープされたCsX燐光体が形成されるような割合で支持体上に蒸着されることを特徴とする。
るつぼの電気加熱によって細長いるつぼから原材料の最適化された蒸発を得るための全ての考えられる手段がとられたとしても、蒸着が行われる冷却された支持体又は基体上にドープされたアルカリ金属ハロゲン化物燐光体の均一な付着を得ることは難しいままであることが示されている。
本発明の第一目的は蒸発された原材料からの層の均一な付着を得るために外部部位に位置づけられた導電性クランプによってるつぼのより均一な電気抵抗加熱を与える細長い耐火るつぼを提供することである。より一般に適用可能であるけれども、特に冷却された支持体上へのドープされたアルカリハロゲン化物燐光体の均一な蒸着が考えられる。
本発明のさらなる目的は燐光体スクリーン、より好ましくはX線記録システムに有用な刺激性燐光体スクリーンを提供することであり、前記スクリーンは燐光体層組成の優れた均一性及び(患者線量をできるだけ低い量に減少するための)記録システムの極めて良好かつ一定のスピード、及びスクリーン又はパネル表面全体にわたって低い一定のノイズ及び高い一定のシャープネスを有する像を示す。
均一な燐光体組成を有する刺激性燐光体スクリーンを与える上述の目的は請求項1に規定されたようなるつぼに対する特別な特徴を考慮しながら、原材料の混合物から前記層を作ることによって、及び冷却された支持体上に物理蒸着によって新しく設計された耐火るつぼにおいて前記混合物を蒸発することによって実現される。本発明の好ましい例の特別な特徴は従属請求項に開示されている。
本発明のさらなる利点及び具体例は以下の記述及び図面から明らかになるだろう。
図面の簡単な記述
図1は二つのるつぼを示し、そのうちの一つはノッチのない従来技術を示し、一方本発明の細長いるつぼはかかるノッチの存在を特徴とし、るつぼ壁と電極クランプの間の前記リップの各々の横断面積が少なくとも5%減少されている。
引用された従来技術から良く知られているように、出発材料を有する容器又はるつぼは通常、出発原材料の溶融温度を超える温度まで加熱されるが、本発明では限定されない。温度は均一な蒸着に導く蒸着状態を得るための条件によって高くなったり低くなったりしてもよい。
るつぼの材料組成は物理的影響に対して抵抗性を有するべきであり、その材料は耐火材料であるべきであることは明らかである。それゆえ望ましい耐火材料はMo,Nb,Ta及びWからなる材料の群から選択される。耐火材料として使用するために好適な材料の究極の選択はほとんどその操作性(manutention)に依存する。なぜならばるつぼは蒸発される原材料の容器として使用するために所望の形にもたらされるべきだからである(例えばいわゆる“ニップ領域”又はローラ又は他の“平滑化手段”における所望の厚さのプレートの折り曲げ又は弯曲による変形)。冷却された支持体上へ後で蒸発及び蒸着されるために設計したプロセス温度でるつぼ又はボートに含有される原材料だけが溶融すべきであることは明らかである。
例えばるつぼに含まれる原材料及びるつぼ材料の混合溶融結晶の形成は望ましくない汚染の源として明らかに認識されるべきではない。物理的に不活性であることに加えて、るつぼ材料は化学的に不活性であるべきであること、接触する原材料とるつぼ材料の間の化学反応が不可能であるべきであることは明らかであり、そうでなければ冷却された支持体上への蒸着化合物の組成は制御できないだろうし、かかる制御できない組成に加えて、蒸着された層の均一性も制御外であるだろう。
物理的及び化学的見地からその所望の不活性特性を別として、もし原材料又はその混合物を担持するるつぼ又はボートからの加熱された原材料の吐き出しを避けるためのあらゆる手段がとられたとしても、るつぼ中の原材料の不均一な加熱は少なくとも部分的に気を使わなければならない重要な要因であることが示された。さらにその問題は使用されるボート又はるつぼの形態及び加熱方法に依存する。細長いボートはほとんどの場合において電気的に加熱されているので、本発明がかかる細長いるつぼの均一な加熱を起こすための手段をとるための研究と関連していることは明らかである。
予期せぬことに本発明において各リップに穿孔を与えることによってるつぼ壁と電極クランプの間のリップの横断面積を少なくとも5%減少するための手段が前記るつぼの均一な電気抵抗加熱を起こすための能力を与えることが見い出された。本発明によるるつぼのための一つの例では、各リップは二つのノッチを有し、るつぼ壁と電極クランプの間の横断面積、リップの幅を少なくとも5%、より好ましくは少なくとも10%減少する。
さらに本発明によるるつぼは電極クランプを有し、前記クランプは各上部リップの10%〜100%の範囲の表面積が各クランプによってカバーされるように前記上部リップをクランプしている。クランプの外部部位との接触(前記部位は(細長いるつぼの場合)前記るつぼの最小側壁において上部リップとして延びている)は一つの例では各上部リップの少なくとも1/2が各クランプによってカバーされるように前記クランプが前記上部リップをクランプすること及び各リップが二つのノッチを有し、前記最小側壁の各々の上の各上部リップの接触をクレームしたような範囲に減少することを与える。
上述の手段によって達成されるこの効果は高い局部的な温度の創成によるものとして解釈されてもよく、一方従来技術のように設計されたるつぼでは温度の損失又は望ましくない局部的な勾配は物理的蒸着状態において望ましくない不均一(局部的な乱れ)を生じるかもしれず、その結果として冷却された支持体での蒸着において材料は蒸着されなければならない。この文章を支持するための実験的証拠は側壁の上部のるつぼからの“クリープする(creeping)”“原材料”のない“本発明るつぼ”の観察において見い出され、一方これは側壁と電極クランプの間の横断面積が減少しない“従来技術るつぼ”に対して明らかに観察された。
本発明によれば、底部と、互いに対して対向して設けられた側壁の外部部位に電極クランプを与えられた周囲側壁とを有するるつぼであって、前記クランプが前記るつぼを加熱するための電極と接続可能であるるつぼにおいて、るつぼ壁と電極クランプの間の前記リップの横断面積が少なくとも10%減少されていることを特徴とするるつぼが提供される。横断面積における本発明によるより好ましい例では、るつぼのリップの幅はノッチの存在によって少なくとも5%、より好ましくは少なくとも10%減少される。
本発明によれば、一つの例ではるつぼは正方形である。この場合において、前記るつぼの底部を包囲する側壁間の比は1:1である。
本発明によれば、別の例では、るつぼは前記るつぼの底部を包囲する最大側壁と最小側壁の間の比が1:1〜100:1、より好ましくは少なくとも1.5:1であるような寸法を有する。
より好ましくは本発明による前記るつぼに対して前記るつぼの底部を包囲する最大側壁と最小側壁の間の比は2:1〜50:1の範囲であり、より好ましくは前記比率は2:1〜10:1の範囲である。
実際にはるつぼはるつぼが使用される蒸着ユニットに適応された寸法を有することは明らかである。例えばEP出願No.03100723(2003年3月20日出願)及び04101138(2004年3月19日出願)に開示されているように、そこのるつぼの寸法は0.97m(長さ)×4.5cm(幅)×6.8cm(深さ)、3mmの壁厚であり、99.5重量%/0.5重量%のCsBr/EuOBrのCsBr及びEuOBrの混合物の4kgは蒸発される原材料として存在する。
本発明によれば、前記るつぼは電気伝導性の耐火材料から構成される。
好ましい例では本発明によるるつぼはタンタル(Ta)、モリブデン(Mo)、ニオブ(Nb)、タングステン(W)及び耐熱性ステンレス鋼からなる群から選択される金属又は金属合金である耐火材料から構成され、前記耐火材料は前記金属又は金属合金のシリサイド層又はカーバイド層でカバーされる。
この層は加熱中、(電気及び熱の)低下した伝導性を避けるために(マイクロメータのオーダで)極めて薄くすべきであることは明らかである。
本発明によるるつぼは3mm以下の厚さを有する側壁をさらに有する。より好ましくはるつぼは2mm以下の厚さを有する側壁を有する。実際には前記厚さは(小さいるつぼに対して)0.1mmから(極めて大きいるつぼに対して、例えば強度に照らして細長いるつぼに対して)3mmまでの範囲であるが、より好ましくは(その内容物の迅速な均一加熱に照らして)0.1mm〜2mm、さらに最も好ましい例では1.5mm以下である。
本発明によるるつぼに対して、前記クランプは銅から作られる。なぜならば銅は実際には熱及び電気に対する極めて良好な伝導性を持つものとして良く知られた金属だからである。
本発明によるるつぼの電気抵抗加熱による蒸発方法がさらに開示され、そこでは前記るつぼはその全体積の最大80%まで、より好ましくは最大50%までの原材料で満たされ、前記体積はその底部の内部表面積とその内部側壁の高さによって決定され、電気加熱は前記原材料の溶融温度の少なくとも10℃上で前記原材料の溶融温度を超える温度まで行う。
本発明による蒸発方法は電気加熱が前記原材料の溶融温度の上に20℃から100℃の範囲で前記原材料の溶融温度を超える温度まで行うように実施されることが好ましい。この場合において前記るつぼは(特に例えば噴き出しを避けるために)その全体積の最大50%まで原材料で満たされる。
本発明による蒸発方法はさらに、アルカリハロゲン化物、アルカリ土類ハロゲン化物、ハロゲン化物、アルカリ土類金属のオキシド又はオキシハライド;ランタナイド系の元素の群のオキシド又はオキシハライド及びそれらの組合せからなる群から選択される原材料で実施される。
蒸発は所望の割合の出発化合物の混合物を含有する単一容器から又は(“るつぼ”という言葉に対する類義語として使用される用語として)一連の容器、トレー、ボート又はEP出願No.03100723(2003年3月20日出願)及び04101138(2004年3月19日出願)に記載されているようなるつぼから行うことができる。その発明では燐光体又はシンチレータ層を可撓性支持体上に被覆するための方法が蒸着工程によって真空条件下で維持された封止された領域内で与えられ、前記燐光体又はシンチレータ層は連続的に又は不連続的に前記支持体上へ蒸着され、前記支持体は少なくとも前記蒸着工程前、中又は後に変形され、極めて高い収率のプロセスによって製造者に一定スピード及び像品質特性を有する大きな蒸着された燐光体又はシンチレータシートを与え、さらにコンピュータ放射線写真、スクリーン/フィルム放射線写真及び直接放射線写真における走査装置で使用準備のできたスクリーン、プレート又はパネルに対して望まれるような全てのフォーマットの利用可能性を与える。この場合において燐光体又はシンチレータ層で被覆された大きな表面積の製造が考えられるので、それらの大きな表面積にわたる燐光体組成及び厚さの均一性が最も重要であることは明らかである。
真空圧力(真空条件は少なくとも10−1mbarに相当し、かかる構成において達成可能なら10−4mbar以下まで低下される)下での封止された領域内の一般的な配置では、容器は細長い“ボート”の形であることが好ましい。別の例では、完成した支持体(ほとんどの場合においてアルミニウム支持体、さらにより好ましくは陽極酸化アルミニウム層である)を被覆するために配置された複数のるつぼから構成される。容器中の原材料の組成は望むような組成を与えるために選択され、前記組成は存在する原材料の比率によって決定されることは明らかである。原材料の比率は蒸発された原材料の蒸着後に所望の化学的燐光体又はシンチレータ組成を与えるために選択される。固体粉末、粒子又は顆粒の形でるつぼ中の均一な原料混合物を得るために原材料を混合することが望ましく、又は移動する支持体材料上に被覆された所望の燐光体を与えるために原材料の所望の比率に相当する組成を有する芳香剤(pastilles)として存在させることが望ましい。微粉砕法は蒸発前に高度の均一性を与えるために有利であり、それゆえ推奨される。様々な成分が前述したように一連に又は平行に又は組合わされた配置で配置された様々なるつぼから蒸発されてもよい。但し、均一な蒸気クラウドは蒸気流によって可撓性支持体に与えられ、前記支持体上への凝縮によって蒸着されることが条件である。同じ又は異なる原材料含有物又は原材料混合物を有する二つの細長いワンパートのボートは例えばウェブの移動方向に連続して存在させてもよい。別の例では、もしより均一な被覆プロファイルを与えるなら、ボートは支持体の移動方向に垂直な一つの軸又はより多くの軸に平行に配置されてもよい。但し、重なり合う蒸気クラウドは燐光体又はシンチレータの均一な厚さ、組成及び被覆量を有する燐光体又はシンチレータ層において支持体上に蒸着される蒸気流を与えることが条件である。一つより多いるつぼの存在は単位時間あたりに蒸着される燐光体又はシンチレータ材料の量をより多く供給する能力のために有利であるかもしれない。支持体の極めて高い温度増加を避けるために十分に高い速度で可撓性支持体が蒸気流を通過すべきであるときはさらにそうである。EP出願No.03100723(2003年3月20日出願)及び04101138(2004年3月19日出願)に述べられたオンライン蒸着手順で述べたように支持体が容器を通過する速度は十分な冷却手段が凝縮のために存在しない限り、蒸着を不可能にする支持体の望ましくない局部的な加熱に照らしてあまり遅すぎないようにすべきである。支持又は被支持の支持体はそれゆえ所望の最適な特性を有する蒸着された燐光体又はシンチレータ層を得るために50℃〜300℃の温度を有することが好ましい。
既に前述したように一以上のるつぼにエネルギーを供給すべきであり、かくしてそこに存在する原材料の均一な蒸気流(又は蒸気)を起こし、それは封止された真空領域において蒸発される。既に述べたように電気エネルギーは一般に本発明によるるつぼを利用する抵抗加熱によって与えられ、それによって容器又はるつぼに及び蒸発されるべき原材料である内容物に均一な熱伝達を与える。実際にはエネルギーは容器又はるつぼを450℃以上、好ましくは550℃以上、より好ましくは550℃〜900℃の範囲まで加熱するために供給される。
ターゲット原材料から生じる蒸発された材料のクラウドは支持体の方向に容器又はるつぼからの流れ又は蒸気の形のクラウドとして逃避し、そこで被覆された層は凝縮によって形成され、それはもし支持体の温度が凝縮を起こすために低下されるなら適用されるにすぎない。上の記載から、考えられるような均一な被覆プロファイルを得るために、均一性が液化された原材料の本体に与えられるときのみ均一なクラウドが実現されることは明らかである。結果として、容器上に供給されるエネルギーの均一な分布は厳しい要求である。それは本発明によるるつぼの使用によって有利に実現される。好ましい例では、均一性のために、るつぼは支持体の幅と一致する最大寸法を有する単一の細長い“ボート”の形であり、“オンライン蒸着”の場合には可撓性支持体は本発明による前記るつぼ上を動き、その表面領域の各点において瞬間的な速度の大きさが一定である。
支持体が一回より多く原材料容器を通過する可能性を与えるいかなる構成においても、もし望むなら、一つより多い燐光体又はシンチレータ層が所望により蒸着される。蒸着プロセスで蒸着されるシンチレータの化学組成を決定し、所望によりそれを変える原材料のるつぼへの添加は蒸着された層の厚さ方向の燐光体又はシンチレータ組成を徐々に変える可能性を与える。
厚さ方向における組成の変化が全くないことが望ましいときであっても、るつぼ中に含有される原材料が前述のように物理蒸着工程中に使い尽くされることは明らかである。それゆえ、るつぼの“補給”はさらなる蒸発工程中に均一性を維持するために、例えば粉末の形で、粒子又は結晶の形で又はケークとなった粉末又は粒子混合物を含有する芳香剤の形で原材料成分を添加することによって与えられるべきである。そうでなければドーパント(ユウロピウム)濃度の差は被覆工程がさらに続いている間に現れるかもしれない。るつぼを“補給する”ための方法は例えばUS−A 4430366,DE−A 19852362及びUS−A 2003/0024479 A1に記載されている。
二つの蒸着工程の間又は燐光体蒸着の終わりのアニール工程は有益であるかもしれない。かかるアニール工程中、燐光体又はシンチレータ層を(例えば室温まで)冷却し、前記燐光体又はシンチレータ層を80〜200℃の温度までもたらし、それをその温度で10分から15時間維持することは公開された米国出願2003/0104121 A1に開示されているように行われてもよい。
層の均一な燐光体又はシンチレータ被覆組成及び厚さの蒸着を与える要因は本発明によるるつぼの使用に加えて可撓性支持体の位置における蒸気クラウドのプロファイルを決定する距離と関連する。るつぼと支持体の最短距離の平均値は5〜10cmの範囲であることが好ましい。大きすぎる距離は材料の損失及び方法の減少した収率に導き、一方少なすぎる距離は支持体の温度の過度の上昇に導くだろう。
加熱された容器、トレー又はボートに存在する液化された原材料の飛びはねによって、燐光体又はシンチレータの不均一な蒸着を生じる“スポットエラー”又は“ピット”を避けることに関してさらに注意を払うべきである。動くウェブ又は支持体に到達するスポットを避ける一つの方法は容器の周囲縁によって支持されかつ少なくとも部分的に容器をカバーする金属ラスタを容器に与えることである。これらのスポット欠陥を避けるための最も有利な解決策を得るために様々な構成が利用可能である。極めて小さな穴が本発明によるるつぼをカバーするパネルに存在するときであっても、“スポットエラー”又は“ピット”は蒸着された層のパターンの均一性をなお妨げるかもしれない。そのための解決策はるつぼから遠い距離に(表面上に同一穴パターンを有する又は有さない)小さな穴を有する第二カバーを装着することによって達成され、両表面に穴パターンを有する両カバーを装着した後、両カバーは最外カバーの表面に垂直な方向から見たときに穴が互いに完全に重ならないように位置され、より好ましくはるつぼの底部又はその内容物が観察できないように位置される。
原材料を“定常状態”流れで原材料を蒸発するために最適で一定の高い温度が達成される前にるつぼを加熱している間最外カバーとして存在することが好ましい、穴のないカバーを別として、支持体の方へ一以上の蒸気流を案内するガイドプレートは燐光体又はシンチレータ材料が蒸着されるべきである領域をよりシャープに規定するために存在させてもよい。かくして、そらせ板の存在は支持体上の蒸着領域を小さな区域に有利に制限し、例えば蒸着チャンバーの壁上のようにシンチレータ材料の望ましくない蒸着を防止する。
蒸着されるアルカリ金属貯蔵型の好ましい燐光体は例えばUS−A 5736069に記載されているものである。そこには以下に与えられる一般式を有する燐光体が開示されている:
1+X.aM2+X′.bM3+X″:cZ
式中、M1+はLi,Na,K,CsおよびRbからなる群から選択される少なくとも一つの構成要素であり、
2+はBe,Mg,Ca,Sr,Ba,Zn,Cd,Cu,Pb及びNiからなる群から選択される少なくとも一つの構成要素であり、
3+はSc,Y,La,Ce,Pr,Nd,Pm,Sm,Eu,Gd,Tb,Dy,Ho,Er,Tm,Yb,Lu,Al,Bi,In及びGaからなる群から選択される少なくとも一つの構成要素であり、
ZはGa1+,Ge2+,Sn2+,Sb3+及びAs3+からなる群から選択される少なくとも一つの構成要素であり、
X,X′及びX″は同じであっても異なってもよく、各々はF,Br,Cl,及びIからなる群から選択されるハロゲン原子を表わし、0≦a≦1,0≦b≦1及び0<c≦0.2である。
前述のような組成を有する燐光体層を持つスクリーン又はパネルに加えて、CsX:Eu刺激性燐光体(XはBr及びClからなる群から選択されるハロゲン化物を表す)を含有する燐光体スクリーンが特に望ましい。
かかるスクリーン又はパネルを製造するための製造工程はWO 01/03156に記載されている。像シャープネスのためには針状Eu活性化アルカリ金属ハロゲン化物燐光体、特にEP−A 1113458に記載されたようなEu活性化CsBr燐光体スクリーンが好ましく、改良された感度のためにはEP−A 1217633のような前記燐光体のアニールが有利に実施され、前記アニール工程は支持体上に蒸着されるような冷却された蒸着された混合物を80〜220℃の温度にもたらし、それをその温度で10分〜15時間維持することからなる。
高い結晶化度はEP−A 1113458に示されたように特定のXRDスペクトルを与えるX線回折技術によって容易に分析される。それゆえCsBrとEuOBrの混合物はるつぼ中の原材料混合物として与えられ、そこでは両原材料間の割合は通常約90重量%である。高い結晶化度はEP−A 1113458に示されたように特定のXRDスペクトルを与えるX線回折技術によって容易に分析される。それゆえCsBrとEuOBr又はEuBrの混合物はるつぼ中の原材料混合物として与えられ、両原材料間の割合は約90重量%の安いCsBrと約10重量%の高価なEuOBrである。しかしながら、被覆(蒸発)温度の関数として組成に変化を生じずに低い材料及び製造コストに有利なように割合を適応できることが示された:99.5重量%のCsBr及び0.5重量%のEuOBrの割合の原材料混合物のための高い蒸発温度は(スピードに関して)前と同じ結果を与える。かかる方法はより均一に分割された燐光体層及びより低い量のEuドーパントに明らかに導く。少なくとも500−800p.p.m.(EP−A 1113458参照−本発明によるるつぼの不存在下で作られた燐光体層)に対して低量(即ち、100−200p.p.m.の範囲)のユウロピウムドーパントを有するCsBr:Eu2+燐光体のスクリーンがかくして利用可能になった。これらのデータは低量のユウロピウムドーパントの存在が同じスクリーンスピードに導くにもかかわらず、ドーパントのより均一な分布及び/又はより効率的な組み込みを示すことを示唆している。それに対して1000p.p.m.から3000p.p.m.の範囲のドーパントの量を要求するスクリーンはドーパントが効率的に組み込まれているようではないことを示している。EP−A 1113458の実施例CsBr:Euから、スクリーンがCsBr及びEuOBr(及び/又はEuBr)の熱蒸着によって作られること及び蒸着プロセスにおける変数が支持体温度とArガス圧であり、それはXRDスペクトルにおける[100]結晶面に対して特徴的に高い強度を有する針状結晶に導くことが認識される。
実施例
本発明をその好ましい例と関連して以下に記載するが、本発明をそれらの例に限定することを意図しないことは理解されるだろう。
“従来技術のるつぼ”はるつぼの側壁と電極クランプの間の上部リップの横断面積領域においてノッチを与えられない。さらに各リップは穿孔を与えられない。これらのるつぼはあまり均一に加熱されない。なぜならば一旦原材料の蒸発のプロセスが開始されると、クランプ部分間のクランプ部位においてその温度がるつぼの他の全ての部位に対してより低いからである。これは平衡が達成される場合であってもそうであり、明らかなようにるつぼの不均一な加熱並びに蒸発された原材料の不均一な蒸着が現れる。さらに、液化された原材料の“吐き出し”に対する増大した危険が存在する。
それに対して前述したノッチ及び穿孔を有する本発明のるつぼはより均一な方法で加熱される:ノッチ及び穿孔の存在はクランプによる冷却を避ける。なぜならばそれらの素材と関連した効果はノッチ及び穿孔の存在によって有意に低下されるからであり、また等しい量のエネルギー(電力)は小さなるつぼ断面を通過するからである。
両るつぼ(従来技術及び本発明)に対する電気抵抗は以下のように表すことができる:
R=L×φ

式中、R=抵抗(Ω)
L=導電部の長さ(m)
A=横断面の面積(mm
φ=比抵抗(Ωmm/m)
この横断面における発熱は以下の式によって表される:
H=U×I×t=I×R×t
式中、H=発熱(ジュール)
U=電圧(ボルト)
I=電流(アンペア)
t=時間(秒)
(図1に示されているように)側壁と電極クランプの間の横断面の減少のない“従来技術のるつぼ”において液化された原材料が側壁の上部でるつぼから外へクリープすることが実験的に観察された。“本発明のるつぼ”においては(原材料の損失及び蒸着プロセスの収率の見地から)かかる望ましくない現象が全く観察されず、望ましい予め決められた蒸発方向が保証される。
本発明の好ましい例を詳細に記載したが、特許請求の範囲に規定された本発明の範囲から逸脱せずに多数の変更をなしうることは当業者に明らかであるだろう。
ノッチのある本発明のるつぼとノッチのない従来技術のるつぼを示す。

Claims (6)

  1. 底部と、互いに対して対向して設けられた側壁の外部部位に電極クランプを与えられた周囲側壁とを有するるつぼであって、前記部位が前記側壁でリップとして延び、前記クランプが前記るつぼを加熱するための電極と接続可能であるるつぼにおいて、るつぼ壁と電極クランプの間の前記リップの各々の横断面積が各リップに穿孔を与えることによって少なくとも5%減少されていることを特徴とするるつぼ。
  2. 前記横断面積が各リップにノッチをさらに与えることによって減少されている請求項1に記載のるつぼ。
  3. 前記クランプは各上部リップの10%〜100%の範囲の表面積が各クランプによってカバーされるように前記上部リップをクランプしている請求項1又は2に記載のるつぼ。
  4. 前記るつぼの底部を包囲する側壁間の比が1:1〜100:1の範囲である請求項1〜3のいずれかに記載のるつぼ。
  5. 前記るつぼが電気伝導性の耐火材料から構成され、前記耐火材料が金属又は金属合金であり、前記金属又は金属合金のシリサイド層又はカーバイド層でカバーされる請求項1〜4のいずれかに記載のるつぼ。
  6. 前記るつぼがその底部のその内部表面積とその内部側壁の高さによって決定されるその全体積の最大80%まで原材料で満たされており、前記原材料の溶融温度を少なくとも10℃を越える温度まで電気加熱が行われる請求項1〜5のいずれかに記載のるつぼ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN113201715A (zh) * 2020-01-31 2021-08-03 肯纳金属公司 蒸发舟
EP4219787A1 (en) * 2022-01-28 2023-08-02 Essilor International Physical vapor deposition machine with a thermal evaporator having a cup heated-up by electric current

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