この出願の発明は上記のとおりの特徴をもつものであるが、以下にその実施の形態について説明する。
この出願の発明において、その原理的な特徴点は、皮膚用光化学美容組成物として、光を照射した際にフラーレンに活性酸素を発生させ、それによって皮膚の全体または皮膚組織の一部を破壊し皮膚のターンオーバー等の自然な再生力を利用して皮膚の美容を行うことにある。
皮膚用光化学美容組成物に含有されるフラーレン類としては、光触媒活性により活性酸素を発生することができるものであれば任意のものを使用することができ、フラーレン誘導体や水溶性高分子と複合化したもの等を用いることもできる。
皮膚用光化学美容組成物に含有するフラーレン類の添加量は、皮膚用光化学美容組成物の全体量に対して0.0001〜80重量%の範囲で使用され、好ましくは0.01〜20重量%の範囲である。0.0001重量%より添加量が少ないと期待される美容効果が低下し、80重量%の濃度を超えると光照射の条件にもよるが副作用が増加したり、コスト的に組成物が使用しにくくなる。
この出願の発明の皮膚用光化学美容組成物に使用される有効成分としてのフラーレン類は、フラーレンまたはその誘導体が、前記の化学式、すなわち、
Cn−Rm
(式中のCnは、n個の炭素数で構成されるフラーレンまたはナノチューブフラーレンを示し、nは60以上の整数であり、Rは、m個のものが各々前記Cnに結合する、同一または別異の水素原子、有機基および官能基のうちの少くとも1種を示し、mは、0または1以上n以下の整数を示す。)
で表わされるものであるか、このフラーレン誘導体の塩のいずれかであり、さらには水溶性高分子と複合化されていてもよい。
ここで、符号Rは、例えば、有機基を有していてもよいアミノ基、そのアミノ基により形成されるアミド基、カーバメート基、またはウレア基;水酸基、その水酸基により形成されるエーテル基、もしくは無機酸または有機酸とのエステル基、糖との配糖体基、ケトンとのケタール基またはアルデヒドとのアセタール基;またはこれらの塩の群のうちの少くとも1種とすることができる。
さらには、前記のように、符号Rについては、
−NHkR1 l
−OR2
のものであってよく、なかでも、−NH−R1や−OR2が、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドンおよびその他のポリエーテルまたはポリアルコール系非イオン性水溶性合成高分子;デキストラン、プルラン、デンプン、ヒドロキシエチルデンプン、ヒドロキシプロピルデンプンおよびその他のデンプン誘導体非イオン性水溶性高分子;アルギン酸、ヒアルロン酸、キトサン、キチン誘導体、およびこれらの高分子のアニオン性またはカチオン性誘導体の一種以上の共重合体から選択される水溶性高分子の少くとも1種により形成されたものであることを好適な形態の一つとしている。
例えば、具体的な例としてはC60フラーレンに、片端にアミノ基を有し、もう一方の端にメトキシ基を有するポリエチレングリコールを結合させたものが使用できる。フラーレン:Cnに結合できるその他の官能基としては、例えば、置換基を有していてもよいアミノ基または置換基を有していてもよいアルコキシル基でもよく、このアルコキシル基には、炭素数1乃至10の(ポリ)メチレンであってもよい。
フラーレン:Cnに結合できるその他の官能基としては、置換基を有していてもよい鎖状もしくは環状アルキルアミノ基、置換基を有していてもよい環式アミノ基、または置換基を有していてもよい鎖状もしくは環状アルコキシル基であってもよい。さらにその他の官能基としては、モルホリノ基、アルコキシカルボニル(水酸基を有する)アルキルアミノ基、水酸基を有するアルキルアミノ基、水酸基を有していてもよいピペリジノ基、水酸基を有していてもよいアルコキシアルキルアミノ基、スルホン酸基を有するアルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基を有するアルキルアミノ基、フェニル基及び水酸基を有するアルキルアミノ基、水酸基を有するアルキルアミノカルボニル(フェニル基及び水酸基を有する)アルキルアミノ基(水酸基及びアルコキシカルボニル基を有する)アルキルアミノカルボニル(フェニル基及び水酸基を有する)アルキルアミノ基、グルコサミノ基、(アルコキシカルボニル基、フェニル基及び水酸基を有する)アルキルアミノ基、アルキル基を有していてもよいピペラジノ基、アミノ基又は水酸基を有する抗生物質残基、アルコキシル基、アルコキシポリアルキレングリコールアミノ基、アルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基、モルホリノ基、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、t−ブトキシ基、シクロペンチルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基、メトキシメトキシ基、エトキシエトキシ基、メトキシメトキシ基、プロポキシプロポキシ基、ブトキシエトキシ基、ブトキシブトキシ基等が挙げられる。又、スルホン酸基を有する(C1−C4)アルコキシル基、リン酸基を有する(C1−C4)アルコキシル基も挙げられ、具体的にはスルホエトキシ基、スルホブトキシ基、ホスホノエトキシ基、ホスホノブトキシ基、2−ヒドロキシ−1−メトキシカルボニルエチルアミノ基、1−エトキシカルボニル−2−ヒドロキシエチルアミノ基、2−ヒドロキシ−1−メトキシカルボニル−プロピルアミノ基、2−ヒドロキシエチルアミノ基、3−ヒドロキシプロピルアミノ基、4−ヒドロキシブチルアミノ基、2−ヒドロキシプロピルアミノ基、1−イソブチル−2−ヒドロキシエチルアミノ基、1−エチル−2−ヒドロキシエチルアミノ基、2,3−ジヒドロキシエチルアミノ基、ピペリジノ基、3−ヒドロキシピペリジノ基、4−ヒドロキシピペリジノ基等、2−メトキシエチルアミノ基、2−エトキシエチルアミノ基、3−メトキシプロピルアミノ基、3−プロポキシプロピルアミノ基、2−(2−ヒドロキシエトキシ)エチルアミノ基、3−(3−ヒドロキシプロポキシ)プロピルアミノ基、スルホメチルアミノ基、スルホエチルアミノ基、2−ジメチルアミノエチルアミノ基、2−ジエチルアミノエチルアミノ基、3−ジメチルアミノプロピルアミノ基、3−ジエチルアミノプロピルアミノ基等、1−ヒドロキシ−2,3−ジフェニルプロピルアミノ基、1−ベンジル−2−(2,3−ジヒドロキシプロピルアミノカルボニル)−2−ヒドロキシエチルアミノ基、1−ベンジル−2−ヒドロキシ−2−(2−ヒドロキシ−1−メトキシカルボニル)エチルアミノ基等、メトキシポリエチレングリコールアミノ基、メチルアミノ基、エチルアミノ基、n−プロピルアミノ基、イソプロピルアミノ基、n−ブチルアミノ基、イソブチルアミノ基、t−ブチルアミノ基、シクロプロピルアミノ基、シクロペンチルアミノ基、シクロヘキシルアミノ基等、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジ(n−プロピル)アミノ基、ジイソプロピルアミノ基、ジ(n−ブチル)アミノ基、ジイソブチルアミノ基、ジ(t−ブチル)アミノ基、メトキシカルボニルメチルアミノ基、メトキシカルボニルエチルアミノ基、メトキシカルボニルブチルアミノ基、エトキシカルボニルメチルアミノ基、エトキシカルボニルプロピルアミノ基、エトキシカルボニルブチルアミノ基、カルボキシメチルアミノ基、カルボキシエチルアミノ基、カルボキシブチルアミノ基、カルボキシメチルアミノ基、カルボキシプロピルアミノ基、カルボキシブチルアミノ基、ホスホノメチルアミノ基、ホスホノエチルアミノ基、ホスホノブチルアミノ基、ホスホノメチルアミノ基、ホスホノプロピルアミノ基、ホスホノブチルアミノ基、グルコサミノ基、ガラクトサミノ基、マンノサミノ基等が挙げられる。
フラーレン:Cnに結合できるその他の官能基としては、糖類残基も挙げられ、具体的には例えば、グルコース残基、ガラクトース残基、マンノース残基、マンニトール残基、グルシトール残基等であってもよい。
フラーレン:Cnに結合できるその他の官能基としては、前記のとおり、置換基を有していてもよいアミン化合物または置換基を有していてもよいアルコール化合物と脱水縮合反応させることによって生成する化合物であってもよい。
この出願の発明のフラーレン及びその誘導体は、その安全性上許容しうる塩であってもよく、その具体的な例としては、分子内の電荷を中和するのに必要なアニオン又はカチオンとの塩である。カチオンの例には、アルカリ金属イオン(例、ナトリウムイオン、カリウムイオン、リチウムイオン)、無機又は有機アンモニウムイオン(例、トリエチルアンモニウムイオン、テトラエチルアンモニウムイオン)、及びピリジニウムイオン等が挙げられる。又、アルキルアミン(例、メチルアミン)、アミノアルコール(例、エタノールアミン)及びアミノ酸類(例、グリシンメチルエステル、セリンエチルエステル)等のアミン類のアンモニウムイオンも挙げることができる。アニオンの場合、アニオンは1価、2価どちらでも良い。1価のアニオンとしては、例えば有機酸1価アニオン、無機1価アニオン等が挙げられる。有機酸1価アニオンとしては、例えば酢酸イオン、乳酸イオン、トルフルオロ酢酸イオン、プロピオン酸イオン、安息香酸イオン、シュウ酸イオン、コハク酸イオン、ステアリン酸イオン等の有機カルボン酸イオン、メタンスルホン酸イオン、トルエンスルホン酸イオン、ナフタレンモノスルホン酸イオン、クロロベンゼンスルホン酸イオン、ニトロベンゼンスルホン酸イオン、ドデシルベンゼンスルホン酸イオン、ベンゼンスルホン酸イオン、エタンスルホン酸イオン、トリフルオロメタンスルホン酸イオンなどの有機スルホン酸イオン、テトラフェニルホウ酸イオン、ブチルトリフェニルホウ酸イオン等の有機ホウ酸イオン等が挙げられる。無機1価アニオンとしては、例えば水酸化物イオン、フッ素イオン、塩素イオン、臭素イオン、ヨウ素イオン等のハロゲンイオン、チオシアン酸イオン、ヘキサフルオロアンチモン酸イオン、過ヨウ素酸イオン、硝酸イオン、テトラフルオロホウ酸イオン、ヘキサフルオロリン酸イオン、モリブデン酸イオン、タングステン酸イオン、チタン酸イオン、バナジン酸イオン、リン酸イオン、ホウ酸イオン等が挙げられる。
2価のアニオンとしては、例えばナフタレン−1,5−ジスルホン酸、R酸、G酸,H酸、ベンゾイルH酸、p−クロルベンゾイルH酸、p−トルエンスルホニルH酸、カルボニルJ酸、4,4′−ジアミノスチルベン−2,2′−ジスルホン酸、ジJ酸、ナフタル酸、ナフタリン−2,3−ジカルボン酸、ジフェン酸、スチルベン−4,4′−ジカルボン酸、6−スルホ−2−オキシ−3−ナフトエ酸、アントラキノン−1,8−ジスルホン酸、1,6−ジアミノアントラキノン−2,7−ジスルホン酸等の2価の有機酸のイオンが挙げられる。これらのカチオンあるいはアニオンとの塩のうち好ましいものとしては、薬学的に許容しうるカチオンあるいはアニオンとの塩であって、例えば塩酸塩、硝酸塩、リン酸塩、クエン酸塩、p−トルエンスルホン酸塩等の塩や、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属塩、カルシウム等のアルカリ土類金属塩、メチルアミン、エチレンジアミン等の有機塩基との塩及びグルシンメチルエステル、セリンエチルエステル等のアミノ酸類との塩が挙げられる。
そしてまた、この出願の発明においては、フラーレンまたはその誘導体もしくはその誘導体の塩が、水溶性高分子と複合化されていることも好適な形態として例示される。
水溶性高分子と複合化されたフラーレン類は、本来水に不溶性であるフラーレン等を、水溶性高分子と化学結合、又は分子間力による物理的結合により複合化したものであり、水溶性高分子と複合化させることによって水溶性を付与することもできる。
水溶性を付与するために複合化される水溶性高分子としてはその種類が特に限定されるものではなく、市販されている各種水溶性高分子を使用することができる。なかでも、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドンのような非イオン性水溶性合成高分子;デキストラン、プルラン、デンプン、ヒドロキシエチルデンプン及びヒドロキシプロピルデンプンのようなデンプン誘導体を含む非イオン性水溶性高分子;アルギン酸、ヒアルロン酸、キトサン、キチン誘導体;並びにこれらの高分子のアニオン性またはカチオン性誘導体、及びこれらの高分子の2成分又は3成分の共重合体を用いることができる。なかでもフラーレンと共通溶媒を持ち、フラーレンとの複合化反応に関与する官能基が分子末端のみにあり、化学結合様式が単純であるなどの理由から、ポリエチレングリコールを好ましく用いることができる。
これらの水溶性高分子の分子量は、特に限定されるものではないが、1,000〜1,000,000のもの、好ましくは5,000〜50,000のものを用いることができる。
水溶性高分子としては、分子量1,000〜1,000,000、特に5,000〜15,000のポリエチレングリコールを用いるのが特に好ましい。
皮膚用光化学美容組成物において複合化させるために使用しうる水溶性高分子は、複合化させるための官能基を有しており、水溶性高分子は、官能基を介してフラーレン類と複合化している。このような官能基としては、フラーレン類との複合化を可能とするようないかなる官能基も用いることができ、アミノ基、水酸基、シアノ基、カルボキシル基などの求核置換反応性を有する官能基を挙げることができる。なかでもアミノ基を好ましく使用することができる。例えばアミノ基を用いてフラーレンを化学結合により水溶性高分子と結合させる場合は、フラーレンの二重結合へのアミノ基の付加反応により、フラーレンが水溶性高分子と結合する。このような官能基は、フラーレンとの複合化に適した箇所であれば水溶性高分子の分子内のいかなる箇所に存在してもよいが、複合化のしやすさを考慮して、水溶性高分子の末端に位置するのが好ましい。このような官能基を有しない水溶性高分子を用いる場合には、フラーレンとの複合化の前にまず官能基を導入しておくことが必要である。また、フラーレンと複合化させるために使用しうる水溶性高分子は、アミノ基などの官能基に加えて、フラーレンと反応しない官能基、なかでもメトキシのようなC1−6アルコキシ基を更に有しているのが望ましい。水溶性高分子の片端にアミノ基のような官能基がある場合、もう一方の末端にもフラーレンと結合する官能基が存在すると、水溶性高分子の両端がフラーレンと複合化することにより、フラーレンと水溶性高分子の集合体が生成してしまうが、このような集合体は、分子量が大きくなるために十分な水溶性を有しなくなる。したがって、フラーレンと複合化させるために使用しうる水溶性高分子は、アミノ基などの官能基に加えて、メトキシのようなフラーレンと反応しない官能基を更に有しているのが望ましい。また、両端にアミノ基などの官能基を有するポリエチレングリコールであっても、生成されるフラーレンと水溶性高分子の集合体が、十分な水溶性を有する場合であれば、使用することができる。
水溶性高分子は増感剤としての性格を有しており、皮膚用光化学美容組成物に増感剤として含まれる水溶性高分子と複合化したフラーレン類は、生体への投与が可能な程度の水溶性を有していればよい。水溶性が低い場合、水溶性高分子と複合化したフラーレンは、凝集塊を形成するが、その塊の粒径は、がんなどの組織への移行と集積のし易さを考慮すると、400nm以下である必要があるため、これ以上の凝集塊を形成しない程度の水溶性を有する必要がある。このような溶解度を達成するために必要なフラーレン:水溶性高分子の配合モル比は、用いる水溶性高分子の種類、水溶性高分子中のアミノ基などの官能基の含有率によっても異なる。例えば1分子当たり1個のアミノ基を有する分子量5,000〜15,000のポリエチレングリコールを用いる場合には1:0.1〜1:150の範囲であるのが好ましい。なかでも良好な水溶性を得るためには、1:50〜1:150のモル比が特に好ましい。
皮膚用光化学美容組成物に含有することのできるフラーレン:Cnとしては、その種類は特に限定されるものではなく、活性酸素を発生するものであればいかなる種類のものも使用できるが、n=60の純炭素物質C60フラーレンをはじめ、C70フラーレン、やはり純炭素物質であるナノチューブフラーレン、そして各種高次フラーレンなどを用いることができる。なかでも供給及び取り扱いの容易さの点から、ナノチューブ及びC60フラーレンを用いるのが好ましい。特に、従来の炭素線維よりも細く、ほぼ完全にグラファイト化し(グラファイトの各層が入れ子構造的に積層している)、先端部は五員環が入ることにより閉じており、それぞれの層は、螺旋構造を有しているナノチューブ(フラーレンの化学と物理、篠原他著、名古屋大学出版界)を好ましく使用することができる。これらの各種フラーレンは、市販されており、例えば本荘ケミカル、三菱商事、東京化成工業などから入手可能である(商品名:C60フラーレン、C70フラーレン、マルチウオールナノチューブ、シングルウオールチューブなど)。
もちろん使用できるフラーレン類とは、C60、C70、C72、C80などの炭素同素体、及び該炭素同素体に他の元素を導入したものでもよい。
そして、この出願の発明の皮膚用光化学美容組成物には、フラーレン類以外の光触媒であるMo〔IV〕O(tpp)等の金属酸化物やメソ多孔体を添加して光触媒活性を高めることもできる。メソ多孔体とは、1〜100nmの細孔を有する多孔質物質であり、FSM−16、MCM−41等の層状のSiO2、Al2O3などが挙げられる。FSM−16とは、株式会社豊田中央研究所の商品名であり、結晶性層状ケイ酸塩の板状のシート層が複数積層し、該結合点の間においては拡幅して微孔を形成しているハニカム状多孔構造の層状シリカ多孔体であって、該結晶性層状ケイ酸塩中に含まれるアルカリ金属イオンの含有量が0.2重量%でかつ比表面積が1000m2/g以上である特徴を有している。
Mo〔IV〕O(tpp)とは、4価のモリブデンに酸素とtppが配位した錯体であり、Mo〔IV〕O(tpp)とは、4価のモリブデンに酸素とttpが配位した錯体である。ここで、tppは、5,10,15,20−テトラフェニルポルフィリネートジアニオンを示し,ttpは5,10,15,20−テトラ−p−トルイルポルフィリネートジアニオンを示す。
この出願の発明のフラーレン類による活性酸素の作用による皮膚組織の破壊は1ミクロンという巨大な黒鉛粒子の破壊によらないために高出力レーザーを必要とせず、周囲の皮膚に対して最小限の副作用で効果的な作用を及ぼすことができる。
そして、皮膚用光化学美容組成物には、薬学的、毒性学的に人体に許容しうる担体であればいずれの物質も附加することができる。この出願の発明の皮膚用光化学美容組成物は光化学的活性酸素発生剤であってもよい。
皮膚用光化学美容組成物にはフラーレン類の他に、前記のような光触媒活性剤、光増感剤、光吸収剤のうちいずれか1つ以上を光触媒活性の活性増殖剤として添加することもできる。
添加可能な光触媒活性剤、光増感剤、光吸収剤の量は、皮膚用光化学美容組成物の全体量に対して0.0001〜80重量%の範囲で使用され、好ましくは0.01〜20重量%の範囲である。0.0001重量%より添加量が少ないと期待される光触媒活性の増加作用が低下し、80重量%を超える濃度であると光照射の条件にもよるが副作用が増加したり、コスト的に組成物が使用しにくくなる。
使用できる光増感剤としては、ポルフィリン及びポルフィリン誘導体、水溶性高分子結合したポルフィリン誘導体等を考慮することができる。また、光吸収剤としては、カーボンブラック、グラファイト、鉄黒、ベンガラなどの無機発色団およびメラニン、インドシアニングリーン、染料、またはその他の特定波長において、十分な光吸収性を有する不活性化学物質などの有機発色団から選ばれる光吸収剤を使用することができる。
光触媒活性剤としては、さらに、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化鉄、酸化タングステン、酸化鉛、チタン酸鉄、チタン酸ストロンチウム、チタン酸ニッケル、ガリウム燐、炭化珪素などが挙げられる。
光増感剤としても、各種ポルフィリン誘導体のほか、従来光増感剤として使用されている、アクリジン、ローズベンガル、アクリジンオレンジ、硫酸ベルペリン、フルオレセイン、テトラサイクリン、エオシンY、NTS、プロラレン、ボネリン、フェオフォルミド、クロリンe6、メソテトラ(ヒドロキシフェニル)クロリン、フタロシアニン、プリプリン、5−アミノレブリン酸(ALA)、HAT−DO1(マグネシウム塩素−塩素二量体)など各種の光増感剤を挙げることができる。
光増感剤としてのポルフィリン誘導体については、ポルフィマーナトリウム(フォトフリン(登録商標))ヘマトポルフィリン、メタロポルフィリン、硫酸テトラフェニルポルフィリン、プロトプルフィリン、ウロポルフィリン、コプロポルフィリン、ジヘマトポルフィリンエーテル(DHE)、ベンゾポリフィリン(BPS)、ATX−70(ガリウム−プロフィリン錯体)、ATX−S10(four-formyloximethylidene-3-hydroxy-2-vinyl-deuterio porphynyl(IX)-6-7-bisaspartic acid)などを挙げることができる。各種ポリフィリン誘導体のなかでも、特にポルフィマーナトリウムを好ましく使用することができる。
なお、ポルフィリン誘導体とはポルフィリン化合物を配位子に持つ錯体化合物であり、ポルフィリン化合物は、ポリフィリン骨格を有する限り特に制限されずその側鎖の種類も任意に選択することができる。また、ポルフィリン骨格の側鎖に結合する順次により位置異性体(I)〜(IV)が存在するが、いずれの異性体であってもよい。ポリフィリン化合物の好ましい具体例としては、4個のフェニル基で装飾されたポルフィリンであるテトラフェニルポルフィリン、4個のトリメチルフェニル基で装飾されたポルフィリンであるテトラ(トリメチルフェニル)ポルフィリンなどが挙げられ、これらの合成方法は、例えば、J. Chem. Soc., Chem. Commun., (1993)1436、Chem. Lett., (1988)257などに記載されている。
また、この出願の発明の皮膚用光化学美容組成物においては、多孔質物質の担体を添加してフラーレンの分散性を高めてもよい。多孔質物質としては、特に制限されないが、代表的には、チャバサイト、モルデナイト、エイオナイト、ホージャサイト、クリノプチロライト、A型ゼオライト、X型ゼオライト、Y型ゼオライト、L型ゼオライト、オメガ型ゼオライトなどの天然または合成のゼオライトが挙げられる。なお、ゼオライトの商品としては、VPI−5、ALPO−5,MCM−41などがある。多孔質物質は、多くの細孔を持つが、本発明の選択酸化光触媒の担体に用いる多孔物質の細孔の内径に制限はなく、ミクロ細孔(内径1nm以下)、メソ細孔(内径1〜100nm)及びマクロ細孔(内径100〜数百nm)が使用でき、内径100nm以下が好ましく、内径1〜100nmがさらに好ましく、内径10〜100nmが最も好ましい。本発明の選択酸化光触媒において、担体にフラーレン類および/またはポルフィリン錯体を担持する方法としては、公知の方法を用いることができる。例えば、減圧条件下に加熱処理する方法で好適に行うことができる。この方法の条件としては、例えば約1×10-5mmHgの減圧下、担体とフラーレンおよび/またはポルフィリン錯体とを封管して、約300℃で加熱すればよい。
皮膚用光化学美容組成物には、光吸収剤などを添加することができる。例えばこれらの光吸収剤の役割は、これらを含む組成物にレーザーの発光波長において、皮膚中に透過した光エネルギーが好ましくない不可逆的組織損傷あるいは細胞損傷を生じさせないような吸光度を付与するような光吸収剤となる。使用できる光吸収剤の具体例としては、カーボンブラック、グラファイト、鉄黒、ベンガラなどの無機発色団や、メラニン、インドシアニングリーン、染料、その他問題に対する波長において十分な吸光度を有する不活性化学物質(たとえば1064nmにおいては、ケイ素誘導体、コレステロール誘導体、リン酸塩、硫酸塩など)などの有機発色団の使用などが考えられる。これらの光吸収剤は、油性および/または水性支持体(エマルジョン、ゲル、軟膏、ポリマーを分散した物、泡状物、エアゾール、懸濁物などが液体媒質中に含まれた形態で、成膜性を有してもよく、エアゾールの形態で存在していてもよい)中に分散させるまたは任意のタイプの生理学的に許容可能なキャリヤー中に溶解させることができる。
この出願の発明においては、皮膚用光化学美容組成物における有効成分がフラーレン類であって、なかでも、このフラーレンは、フラーレン:Cnに水溶性高分子を結合しているもの、あるいはフラーレン類:Cn−Rmが水溶性高分子と複合化されたものを好ましい形態としている。ここで、水溶性高分子は、水溶性を確保する役割を果たしている。さらには光増感剤としての機能の発明も可能としている。
このような皮膚用光化学美容組成物を製造するには、遮光条件下にて、所望の溶解度を達成するのに必要なモル比のフラーレン及び官能基を有する水溶性高分子を、有機溶媒に溶解し、攪拌し、フラーレン:Cnと水溶性高分子を官能基を介して結合させることによって得ることができる。有機溶媒としては、ベンゼン、ジメチルスルホキシド、テトラヒドロフラン、N,N−ジメチルホルムアミドなど、なかでもベンゼンを好ましく用いることができる。反応温度は、約4〜40℃、好ましくは約25℃であり、反応時間は、約6〜48時間、好ましくは約24時間である。得られた反応生成物は、疎水性又はアフィニティクロマトグラフィーなどによる精製後、凍結乾燥することにより回収することができる。もちろん、この場合の反応原料は、フラーレン:Cnそのものでもよいし、フラーレンまたはその誘導体:Cn−Rmでもよい。
また、水溶性高分子と分子間力により物理的に結合したフラーレンを含有する皮膚用光化学美容組成物を製造するには、所望の溶解度を達成するのに必要なモル比のフラーレン及び官能基を有する水溶性高分子を混合すればよい。この場合も混合することにより得られた凝集塊は、組織への移行のし易さなどの点から、400nm以下の粒径を有しているのが望ましい。
皮膚用光化学美容組成物を製造するために使用する水溶性高分子は、前記のとおり、フラーレンまたはその誘導体との複合化を可能とするように、アミノ基などの官能基を有していることが望ましい。官能基を有しない水溶性高分子を用いる場合には、フラーレンとの複合化の前にまず官能基を導入することが望ましい。例えば水酸基のみを有する水溶性高分子にアミノ基を導入するには、過ヨウ素酸酸化法、塩化シアヌル法、臭化シアン法、又はエピクロロヒドリン法などにより水溶性高分子の水酸基と、アルキルジアミン、リシン、リシンのエステル化合物のような一分子中にアミノ基を2個以上有するアミノ化合物との間に化学結合を形成させ、高分子側鎖にアミノ基を導入する。またカルボキシル基を有する水溶性高分子においては、N−ヒドロキシスクシンイミド・カルボジイミド、カルボジイミド、クロロ炭酸エチルなどを用いたカルボキシル基とアミノ化合物との間の結合反応によりアミノ基を高分子側鎖に導入する。例えばポリエチレングリコールにアミノ基を導入するには、両末端COOHを有するポリエチレングリコールをpH5.0のリン酸緩衝液(10重量%)に溶解させ、そこへ水溶性カルボジイミドをCOOHに対して3倍モル量投入し、室温で1時間攪拌することにより、カルボキシル基を活性化する。その後、エチレンジアミンをCOOHに対して10倍モル量加え、更に室温で6時間反応させる。得られた反応液を水に対して透析することにより両末端にアミノ基が導入されたポリエチレングリコールを得ることができる。また、片端にアミノ基が、もう一方の片端にメトキシ基が導入されたポリエチレングリコールは、日本油脂株式会社から入手可能である。
上記のようにして得られた光増感剤としての水溶性高分子を結合した、もしくは複合化したフラーレン類を含有する皮膚用光化学美容組成物は、フラーレンが水溶性高分子と複合化しているため、生体に投与するのに十分な水溶性を有すると共に、がん組織や炎症組織への高い移行性、滞留性を有する。
フラーレン類とこのような光増感剤は、生体への投与を可能とする程度の水溶性を有しているが、水溶性高分子と複合化したフラーレン以外のフラーレンと光増感剤も、必要に応じて水溶性高分子と結合させることによって、がん組織や炎症組織への移行性、滞留性を高めることができる。この場合は、フラーレンと複合化させた水溶性高分子について例示したのと同じ各種水溶性高分子を使用することができる。これらのフラーレンと光増感剤は、有機化学の分野において従来使用されている方法で水溶性高分子と結合させることができる。
この出願の発明の皮膚用光化学美容組成物では、光照射により惹起されたソルミネッセンスによって発生する光により水性媒体中で一重項酸素などの活性酸素を発生させることにより細胞毒性を示すため、がんを含む各種疾患の治療に使用することができる。照射する光の具体例としては、周波数約100KHz〜20MHz、特に約1〜3MHzのものを好ましく使用することができる。照射は、約0.1〜5Watt/cm2、なかでも約2Watt/cm2の出力で行うこともできる。Duty cycleは、約1〜100%、好ましくは約10%でもよい。照射時間は、用いる周波数、照射出力によっても異なるが、約5〜300秒、好ましくは約30〜120秒であってもよい。
レーザーの発光波長に吸光度をもったこの組成物とその塗布厚は、皮膚中に透過する光エネルギーにより好ましくない不可逆的な組織損傷あるいは組織損傷を生じさせないようなものであることが好ましい。
この出願の発明の皮膚用光化学美容組成物により活性酸素で組織が破壊されると、より若々しい、および/または優美さに欠ける点の改善された新生の皮膚の形成が可能となり、このことは皮膚を滑らかにすることに相当する。さらに具体的にいうと、この組成物は、皮膚の非美的特性、たとえば皮膚の色素沈着、ニキビ、ほくろ、いぼ、油肌、乾燥肌、脂漏症、表皮の肥厚、シワ、水虫、感染症、過角化症、皮膚過増殖、乾癬斑、光線性角化症、ケロイド、老化、スジ、イボ、萎縮した傷跡および/または肥大化した傷跡等の非美的特定の美容方法、もしくはその補完法として使用することができる。
さらにまた、美容的処置法、特にシワやスジを減少させる美容的処置法であって、(1)生理学的に許容可能なキャリヤー中に1つ以上の発色団を含有する組成物を上記皮膚表面に塗布し、その際、この組成物および同組成物の塗布厚が、レーザーの発光波長において、皮膚中に透過した光エネルギーが組織や細胞に好ましくない不可逆的損傷を生じさせないような吸光度を有するものであり、(2)レーザー放射線が上記皮膚表面に照射され、同レーザーにより生じた照射により、光エネルギーの熱エネルギーへの変換が塗布された組成物において局所的に達成されることを可能にし、かつこの熱エネルギーにより、上記表面の下にある皮膚部分の組織切除を達成することを可能にすることを特徴とする美容的処置法にも使用される。
この出願の発明の皮膚用光化学美容組成物に使用する光は、100〜11000nmの波長の光、より好ましくは400〜1100nm、さらに好ましくは可視領域から赤外線領域の400〜1100nmものが安全でフラーレンの光触媒活性を短時間で発現できるため好ましい。これらの光は光化学的にフラーレンを励起させて活性酸素を発生させ古い皮膚組織を破壊することができる。皮膚用光化学美容組成物に使用する光は、レーザー光であっても無くともよく、又、パルス光であってもよいが、レーザー光は、光の照射範囲や強度を精密に特定できるので望ましく、またパルス光は、最小限のエネルギーで最大限の効果を引き出し痛みや副作用を軽減するためにも望ましい。有効成分としてのフラーレン類の投与量と、光の照射の回数との組合せは、フラーレンの光触媒活性を発現させるのに十分な程度であればよい。パルス光の場合は、1パルス幅が1ns(ナノ秒)以上1秒以下、1パルス当たり30mJ/平方センチメートル以上で、ショット回数は1〜10000回であるのが望ましい。
投与量は年齢、体重、病態、治療効果、投与方法、投与時期、投与日数、投与期間により異なるが、通常1回10〜1000mgを2ないし4週間毎に、3〜6回、好ましくは、100〜500mgを4週間毎に5回投与する。
投与方法は、外用であり、通常、液剤、ゲル剤、乳剤等の外用製剤として皮膚表面に塗布する。
利用できる光源としては、有効成分としてのフラーレン類において光触媒活性を発現することができれば特に限定されず太陽光や一般の可視光ランプを使用することもでき、白熱灯、蛍光灯、ブラックランプ、ハロゲンランプ、メタルハライドランプ、又はキセノンランプ、紫外線蛍光灯、発光ダイオード、ケミカルライト等も使用することができ極めて簡便である。
用いられる光は、前記のように、レーザー光でもよく、好適なレーザ光は特に限定されないが、パルス化色素レーザー、アレクサンドライトレーザー、Ti:サイファイヤレーザーおよびGa:Asダイオードレーザー等の半導体レーザー、CO2レーザー、Er:YAGレーザー、Ho:YAGレーザー、ルビーレーザー、Nd:YAGレーザー光でもよい。この出願の発明でレーザー光は、脱毛用途のように高い光触媒活性を発揮させ組織を完全に破壊したいときや皮膚の局部に光触媒活性を限定させたいときなどに使用することができる。
本発明で使用できるレーザーとしてより具体的には、例えば、可視光線スペクトル領域で発光するレーザーにはパルス化色素レーザー(585nm)、ルビーレーザー(694nm)および二重Nd:YAGレーザー(532nm)があり、赤外線スペクトル領域で発光するレーザーとしては、CO2(10.6μm)、Er:YAG(2.94μm)、Hc:YAG(2.12μm)、Nd:YAG(1.06μm)レーザーなどがあるがこれらに限定されることはない。
この出願の発明の皮膚用光化学美容組成物の塗布後の光照射までの時間は、フラーレンと光増感剤の分布の時間変化などによって異なるが、一般的には塗布直後に光照射を行うのが好ましい。もちろん、これに限定されることはない。ヒトに照射するには、前述したような周波数の光を、前述したような出力、時間で照射する。したがって、投与量、及び投与/照射の頻度、回数などは、患者の年令、体重、性別、疾患の種類及び状態などに応じて決定することができる。
また、水溶性高分子と複合化又は結合していないフラーレンと光増感剤を含有する皮膚用光化学美容組成物の場合には、特異的に移行、蓄積されるわけではないが、目標とする組織や細胞へ皮膚用光化学美容組成物を送達する任意の方法、例えばドラッグデリバリーシステムにより特異的に送達する方法を用いることにより、目標とする組織や細胞でその細胞毒性作用を示させることが可能である。このような方法としては、目標とする組織や細胞に対する抗体、レクチン、細胞接着因子、糖鎖などの細胞認識因子をフラーレンに結合させ本発明の皮膚用光化学美容組成物を塗布する方法などを挙げることができる。また、本発明の皮膚用光化学美容組成物に塗布後、フラーレン類と光増感剤に活性酸素を発生させたい箇所のみに光照射をすることにより、所望の箇所でのみ活性酸素を発生させて細胞毒性を示させることもできる。また、光をフォーカシングすることによって、細胞毒性発現部位の選択性を向上させることも可能である。
照射される光は、熱効果が好ましくは放射照0.001〜1000W/cm2であればよい。より好ましくは0.001〜0.3J/平方センチメートルであればよい。患部を冷却するために冷却ガス、または冷却空気あるいは冷却水を発生させる装置もしくはペルチェ素子を具備してもよい。患部の冷却方法として冷却ジェル等を表皮に塗布して冷却してもよいし、前述冷却装置と併用してもよい。
この出願の発明に用いられる光源には干渉フィルタ等のフィルタを用いて光源の特徴を変化させた光を用いることもできる。通過帯域特性として、400nmを中心として380乃至420nmの波長域を採用してもよい。また、フィルタの通過帯域特性として、例えば440乃至700nmの通過波長を有するロングパスカラーフィルタ又はダイクロイックカラーフィルタのイエロータイプ、あるいは600乃至700nmの通過波長域を有するロングパスカラーフィルタ又はダイクロイックカラーフィルタのレッドタイプを採用することもできる。このようなカラーフィルタは、比較的安価で入手することができる。
さらにまた、光源には、様々な反射ミラー、レンズや光ファイバーを使用して照射部位の集中化や特定化を行うこともでき、レンズの位置を変えることによって投撮像の拡大率を変えることもでき又照射位置を素早く変化させたりトレースすることもできる。
光の照射量は、フラーレンが活性酸素を発生する強度であれば特に限定されないが、標的の種類、状態、年齢、性別、体重、体質及び用いた化合物の種類等により異なるが、例えば10〜500J/cm2の範囲で用ることもできる。また、照射光は、単一の波長又は波長帯のもの1種のみ用いてもよいが、異なる波長又は異なる波長帯の2種以上を用いてもよい。
この出願の発明の組成物が脱毛に利用される場合は、880〜930nmの波長を有するレーザー光が望ましい。その理由は、この波長の光が、フラーレンを光触媒的に活性化させ活性酸素を放出させるだけではなく、血液、血液成分、及び、メラニンによる最小限の吸収だけで皮膚を通過し、全色の毛の主な成分であるタンパク質ケラチンによって容易に吸収されるためである。この波長のレーザー光においては、ケラチンによる光エネルギーの吸収は熱を生成させ、この熱は毛幹及び毛根に損傷を与え、乳頭状突起物を囲う血管及び組織を光凝固させ、結果として毛を末梢させ、毛の再成長を防止させるためである。光を毛穴に伝達するために毛布のプローブを使用することもできる。
この出願の発明の皮膚用光化学美容組成物の対象とする疾患等は、皮膚の色素沈着症、ニキビ、ほくろ、いぼ、脂漏症、表皮の肥厚、シワ、腫瘍、感染症、鼻咽腫(rhinophymal)、過角化症、皮膚過増殖、乾癬斑、皮膚癌、光線性角化症、ケロイドなどの皮膚疾患の治療及び老化、スジ、イボ、萎縮した傷跡および/または肥大化した傷跡等の非美学的特性の治療方法であるのが望ましい。またこの出願の発明の皮膚用光化学美容組成物は、脱毛に対しても効果を有する。
この出願の発明における組成物の使用方法としては、組成物有効成分を透明性の高いグリセリンやオイルなどの基材に0.001%〜90%重量の範囲で分散させ使用する皮膚の全体又は一部に塗布することもできる。
塗布後、好ましくは1cm2につき0.01〜10wで作動する音波又は光ユニットによって拡散浸透させることもできる。具体的には、ナノケア社のソニックナノケアやヒューレットパッカード社のモデル3325Aパルス発生器およびモデルA5525パラメーター変換器を使用してもよい。これらの器具により音波又は光浸透処理を行うことによって、多量のフラーレン類が皮膚に浸透しやすくなる。
さらには、化粧品あるいは医薬品、特に皮膚科学的活性薬剤の浸透を増大させることを可能にする。この場合、照射後かつ新生皮膚の完全形成前に、1種類以上の活性薬剤を含有する化粧品または医薬品組成物を塗布することもできる。活性薬剤の実例としては、局所および/または全身投与を目的とした医薬品として経皮的に使用される活性薬剤、特に、レチノイン酸、同酸誘導体(レチノイド類)、過酸化ベンゾイル、抗生物質、コルチコステロイド、抗菌剤、ビタミンD3、D2およびその誘導体が挙げられる。
この出願の発明の皮膚用光化学美容組成物には通常の化粧品、医薬部外品、医薬品に添加できる副剤を添加して分散性、使用感、安定性等の物性を良好に改善することができる。
例えばこの出願の発明に使用できる副剤の分散剤としては、例えば水、生理食塩水、5%ブドウ糖又はマンニトール液、水溶性有機溶媒、グリセリン、エタノール、ジメチルスルホキシド、N−メチルピロリドン、ブチレングリコール、ポリエチレングリコール、クレモフォア等及びそれらの混合液、並びに水と該水溶性有機溶媒の混合液等が挙げられる。
この出願の発明の皮膚用光化学美容組成物は、常法に従い、上記の各成分を通常の皮膚用光化学美容組成物として知られる種々の形態の基剤に配合して調製することができる。例えば、乳液、クリーム、化粧水、美容液、パック、オイル、ネイルケアプロダクト、リップクリーム、育毛剤、養毛剤、入浴剤、制汗剤等の基礎化粧料、シャンプー、リンス等の洗顔料や全身洗浄料、ファンデーション、白粉、メーキャップ用下地等のメーキャップ化粧料、軟膏、分散液等の外用医薬品等とすることができ、液状、多層状、乳液状、ペースト状、ゲル状、固形状、粉末状、顆粒状等種々の形態を選択することができる。
また、上記各成分以外に、発明の効果を損なわない範囲で、通常、化粧料や医薬部外品、外用医薬品等の製剤に使用される成分、すなわち水(精製水、温泉水、深層水等)、油剤、界面活性剤、金属セッケン、ゲル化剤、粉体、アルコール類、水溶性高分子、皮膜形成剤、樹脂、包接化合物、保湿剤、抗菌剤、香料、消臭剤、塩類、pH調整剤、清涼剤、動物・微生物由来抽出物、植物抽出物、ビタミン類、アミノ酸類、核酸、ホルモン類、細胞賦活剤、血行促進剤、収歛剤、抗脂漏剤、活性酸素消去剤、角質溶解剤、酵素等を適宜一種又は二種以上を0.001から90%重量の範囲でさらに好ましくは0.01から50%重量の範囲で添加することができる。
油剤としては、通常の化粧料に使用されるものであれば、天然系油であるか、合成油であるか、或いは、固体、半固体、液体であるか等の性状は問わず、炭化水素類、ロウ類、脂肪酸類、高級アルコール類、エステル油、シリコーン油類、フッ素系油類等、いずれの油剤も使用することができる。例えば、オゾケライト、スクワラン、スクワレン、セレシン、パラフィン、パラフィンワックス、流動パラフィン、プリスタン、ポリイソブチレン、マイクロクリスタリンワックス、ワセリン等の炭化水素類、ミツロウ、カルナウバロウ、キャンデリラロウ、鯨ロウ等のロウ類、牛脂、牛脚脂、牛骨脂、硬化牛脂、硬化油、タートル油、豚脂、馬脂、ミンク油、肝油、卵黄油等の動物油、ラノリン、液状ラノリン、還元ラノリン、ラノリンアルコール、硬質ラノリン、酢酸ラノリン、ラノリン脂肪酸イソプロピル、リン脂質、ホスファジルコリン、POEラノリンアルコールエーテル、POEラノリンアルコールアセテート、ラノリン脂肪酸ポリエチレングリコール、POE水素添加ラノリンアルコールエーテル等のラノリン誘導体、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、ウンデシレン酸、オレイン酸、リノール酸、アラキドン酸、エイコサペンタエン酸(EPA)、ドコサヘキサエン酸(DHA)、イソステアリン酸、12−ヒドロキシステアリン酸等の脂肪酸類、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、パルミチルアルコール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、ヘキサデシルアルコール、オレイルアルコール、イソステアリルアルコール、ヘキシルドデカノール、オクチルドデカノール、セトステアリルアルコール−2−デシルテトラデシノール、コレステロール、フィトステロール、シトステロール、ラノステロール、POEコレステロールエーテル、モノステアリルギリセリンエーテル(バチルアルコール)等の高級アルコール、アジピン酸ジイソブチル、アジピン酸2−ヘキシルデシル、アジピン酸ジ−2−ヘプチルウンデシル、モノイソステアリン酸N−アルキルグリコール、イソステアリン酸イソセチル、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン、ジ−2−エチルヘキサン酸エチレングリコール−2−エチルヘキサン酸セチル、トリ−2−エチルヘキサン酸トリメチロールプロパン、テトラ−2−エチルヘキサン酸ペンタエリスリトール、オクタン酸セチル、オクチルドデシルガムエステル、オレイン酸オレイル、オレイン酸オクチルドデシル、オレイン酸デシル、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、クエン酸トリエチル、コハク酸2−エチルヘキシル、酢酸アミル、酢酸エチル、酢酸ブチル、ステアリン酸イソセチル、ステアリン酸ブチル、セバシン酸ジイソプロピル、セバシン酸ジ2−エチルヘキシル、乳酸セチル、乳酸ミリスチル、パルミチン酸イソプロピル、パルミチン酸2−エチルヘキシル、パルミチン酸2−ヘキシルデシル、パルミチン酸2−ヘプチルウンデシル、12−ヒドロキシステアリル酸コレステリル、ジペンタエリスリトール脂肪酸エステル、ミリスチン酸イソプロピル、ミリスチン酸オクチドデシル、ミリスチン酸2−ヘキシルデシル、ミリスチン酸ミリスチル、ジメチルオクタン酸ヘキシルデシル、ラウリン酸エチル、ラウリン酸ヘキシル、N−ラウロイル−L−グルタミン酸2−オクチルドデシルエステル、リンゴ酸ジイソステアリル等のエステル油、アセトグリセライド、トリイソオクタン酸グリセライド、トリイソステアリン酸グリセライド、トリイソパルミチン酸グリセライド、トリ−2−エチルヘキサン酸グリセライド、モノステアリン酸グリセライド、ジ−2−ヘプチルウンデカン酸グリセライド、トリミリスチン酸グリセライド等のグリセライド油、ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、メチルハイドロジェンポリシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサシロキサン、テトラメチルテトラハイドロジェンシクロテトラシロキサン、ステアロキシシリコーン等の高級アルコキシ変性シリコーン、高級脂肪酸変性シリコーン、シリコーン樹脂、シリコンゴム、シリコーンレジン等のシリコーン油、パーフルオロポリエーテル、パーフルオロデカリン、パーフルオロオクタン等のフッ素系油剤が挙げられる。
界面活性剤としては、アニオン性、カチオン性、非イオン性及び両性の活性剤があるが、非イオン界面活性剤が好適に使用できる。
但し、保存安定化剤やキレート効果を有する有機酸またはその塩類が配合された場合は、アニオン性、カチオン性、及び両性の活性剤を0.01から10%の範囲で使用することができる。このとき使用できるアニオン性界面活性剤としては、ステアリン酸ナトリウムやパルミチン酸トリエタノールアミン等の脂肪酸セッケン、アルキルエーテルカルボン酸及びその塩、アミノ酸と脂肪酸の縮合等のカルボン酸塩、アルキルスルホン酸、アルケンスルホン酸塩、脂肪酸エステルのスルホン酸塩、脂肪酸アミドのスルホン酸塩、アルキルスルホン酸塩とそのホルマリン縮合物のスルホン酸塩、アルキル硫酸エステル塩、第二級高級アルコール硫酸エステル塩、アルキル及びアリルエーテル硫酸エステル塩、脂肪酸エステルの硫酸エステル塩、脂肪酸アルキロールアミドの硫酸エステル塩、ロート油等の硫酸エステル塩類、アルキルリン酸塩、エーテルリン酸塩、アルキルアリルエーテルリン酸塩、アミドリン酸塩、N−アシルアミノ酸系活性剤等;カチオン性界面活性剤としては、アルキルアミン塩、ポリアミン及びアミノアルコール脂肪酸誘導体等のアミン塩、アルキル四級アンモニウム塩、芳香族四級アンモニウム塩、ピリジウム塩、イミダゾリウム塩等;非イオン性界面活性剤としては、ソルビタン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンプロピレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンヒマシ油、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンフィトスタノールエーテル、ポリオキシエチレンフィトステロールエーテル、ポリオキシエチレンコレスタノールエーテル、ポリオキシエチレンコレステリルエーテル、ポリオキシアルキレン変性オルガノポリシロキサン、ポリオキシアルキレン・アルキル共変性オルガノポリシロキサン、アルカノールアミド、糖エーテル、糖アミド等;両性界面活性剤としては、ベタイン、アミノカルボン酸塩、イミダゾリン誘導体等が挙げられるがこれらに限定されない。
金属セッケンとしては、12−ヒドロキシステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、ミリスチン酸亜鉛、ミリスチン酸マグネシウム、セチルリン酸亜鉛、セチルリン酸カルシウム、セチルリン酸亜鉛ナトリウム、ラウリン酸亜鉛、ウンデシレン酸亜鉛等が挙げられる。
ゲル化剤としては、N−ラウロイル−L−グルタミン酸、α,γ−ジ−n−ブチルアミン等のアミノ酸誘導体、デキストリンパルミチン酸エステル、デキストリンステアリン酸エステル、デキストリン2−エチルヘキ酸パルミチン酸エステル等のデキストリン脂肪酸エステル、ショ糖パルミチン酸エステル、ショ糖ステアリン酸エステル等のショ糖脂肪酸エステル、モノベンジリデンソルビトール、ジベンジリデンソルビトール等のソルビトールのベンジリデン誘導体、ジメチルベンジルドデシルアンモニウムモンモリロナイトクレー、ジメチルジオクタデシルアンモニウムモンモリロナイトクレー等の有機変性粘土鉱物等が挙げられる。
粉体としては、通常の化粧料に使用されるものであれば、その形状(球状、針状、板状、等)や粒子径(煙霧状、微粒子、顔料級等)、粒子構造(多孔質、無孔質等)を問わず、いずれのものも使用することができ、例えば、無機粉体としては、酸化マグネシウム、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、硫酸マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、タルク、合成雲母、マイカ、カオリン、セリサイト、白雲母、合成雲母、金雲母、紅雲母、黒雲母、リチア雲母、ケイ酸、無水ケイ酸、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸バリウム、ケイ酸ストロンチウム、タングステン酸金属塩、ヒドロキシアパタイト、バーミキュライト、ハイジライト、モンモリロナイト、ゼオライト、セラミックスパウダー、第二リン酸カルシウム、アルミナ、水酸化アルミニウム、窒化ホウ素、窒化ボロン等;有機粉体としては、ポリアミドパウダー、ポリエステルパウダー、ポリエチレンパウダー、ポリプロピレンパウダー、ポリスチレンパウダー、ポリウレタン、ベンゾグアナミンパウダー、ポリメチルベンゾグアナミンパウダー、テトラフルオロエチレンパウダー、ポリメチルメタクリレートパウダー、セルロース、シルクパウダー、ナイロンパウダー、12ナイロン、6ナイロン、スチレン・アクリル酸共重合体、ジビニルベンゼン・スチレン共重合体、ビニル樹脂、尿素樹脂、フェノール樹脂、フッ素樹脂、ケイ素樹脂、アクリル樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、ポリカーボネート樹脂、微結晶繊維粉体、ラウロイルリジン等;有色顔料としては、酸化鉄、水酸化鉄、チタン酸鉄の無機赤色顔料、γ−酸化鉄等の無機褐色系顔料、黄酸化鉄、黄土等の無機黄色系顔料、黒酸化鉄、カーボンブラック等の無機黒色顔料、マンガンバイオレット、コバルトバイオレット等の無機紫色顔料、水酸化クロム、酸化クロム、酸化コバルト、チタン酸コバルト等の無機緑色顔料、紺青、群青等の無機青色系顔料、タール系色素をレーキ化したもの、天然色素をレーキ化したもの、及びこれらの粉体を複合化した複合粉体等・パール顔料としては、酸化チタン被覆雲母、酸化チタン被覆マイカ、オキシ塩化ビスマス、酸化チタン被覆オキシ塩化ビスマス、酸化チタン被覆タルク、魚鱗箔、酸化チタン被覆着色雲母等;金属粉末材料としては、アルミニウムパウダー、カッパーパウダー、ステンレスパウダー等;タール色素としては、赤色3号、赤色104号、赤色106号、赤色201号、赤色202号、赤色204号、赤色205号、赤色220号、赤色226号、赤色227号、赤色228号、赤色230号、赤色401号、赤色505号、黄色4号、黄色5号、黄色202号、黄色203号、黄色204号、黄色401号、青色1号、青色2号、青色201号、青色404号、緑色3号、緑色201号、緑色204号、緑色205号、橙色201号、橙色203号、橙色204号、橙色206号、橙色207号;天然色素としては、カルミン酸、ラッカイン酸、カルサミン、ブラジリン、クロシン等から選ばれる粉体で、これらの粉体を複合化したり、油剤やシリコーン、又はフッ素化合物で表面を処理を行なった粉体でもよい。
アルコール類としては、エタノール、イソプロパノール等の低級アルコール、グリセリン、ジグリセリン、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ソルビトール、エリスリトール、マルチトール、マルトース、キシリトール、キシロース、トレハロース、イノシトール、グルコース、マンニトール、ポリエチレングリコール等の多価アルコール等がある。
水溶性高分子としては、コンドロイチン硫酸、ヒアルロン酸、ムチン、デルマタン硫酸、ヘパリン及びケラタン硫酸から選ばれるムコ多糖類及びその塩、アラビアゴム、トラガカント、ガラクタン、キャロブガム、グアーガム、カラヤガム、カラギーナン、ペクチン、寒天、クインスシード、アルゲコロイド、トラントガム、ローカストビーンガム、ガラクトマンナン等の植物系高分子、キサンタンガム、デキストラン、サクノグルカン、プルラン等の微生物系高分子、コラーゲン、カゼイン、アルブミン、ゼラチン等の動物系高分子、デンプン、カルボキシメチルデンプン、メチルヒドロキシプロピルデンプン等のデンプン系高分子、メチルセルロース、エチルセルロース、メチルヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ニトロセルロース、セルロース硫酸ナトリウム、カルボキシメチルセルロースナトリウム、結晶セルロース、セルロース末のセルロース系高分子、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸プロピレングリコールエステル等のアルギン酸系高分子、ポリビニルメチルエーテル、カルボキシビニルポリマー、アルキル変性カルボキシビニルポリマー等のビニル系高分子、ポリオキシエチレン系高分子、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン共重合体系高分子、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリエチルアクリレート、ポリアクリルアミド等のアクリル系高分子、ポリエチレンイミン、カチオンポリマー、ベントナイト、ラポナイト、ヘクトライト等の無機系水溶性高分子等がある。また、この中には、ポリビニルアルコールやポリビニルピロリドン等の皮膜形成剤も含まれる。
抗菌剤としては、安息香酸、安息香酸ナトリウム、サリチル酸、石炭酸、ソルビン酸、ソルビン酸カリウム、パラオキシ安息香酸エステル、パラクロルメタクレゾール、ヘキサクロロフェン、塩化ベンザルコニウム、塩化クロルヘキシジン、トリクロロカルバニリド、感光素、ビス(2−ピリジルチオ−1−オキシド)亜鉛、ペンタジオール、アイチュリン、サーファクチン、ポリグリシン、エタノール、フェノキシエタノール、イソプロピルメチルフェノール等が挙げられる。
PH調整剤としては、乳酸、クエン酸、グリコール酸、コハク酸、酒石酸、リンゴ酸、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素アンモニウム等、清涼剤としては、L−メントール、カンフル等が挙げられる。
動物由来及び微生物由来の抽出物としては、例えば、ブタ、ウシ等の血液抽出液、血清除蛋白抽出物、脾臓抽出物、トリの卵成分、鶏冠抽出物、魚肉抽出部、イカスミ、キチン、キトサン、貝殻抽出物、貝肉抽出物、ローヤルゼリー、シルクプロテイン及びその分解物又はそれらの誘導体、ヘモグロビン又はその分解物、牛乳、カゼイン及びその誘導体又はそれらの分解物、ラクトフェリン又はその分解物、コラーゲン及びその誘導体又はそれらの加水分解物、エラスチン及びその誘導体又はそれらの加水分解物、ケラチン及びその誘導体又はそれらの分解物等、哺乳類、鳥類、魚類、軟体動物類、甲殻類、貝類、昆虫類等の動物由来抽出物;酵母代謝物、醗酵代謝産物、酵母抽出物、乳酸菌抽出物、ビフィズス菌抽出物等の微生物由来の抽出物が挙げられる。
外用剤に添加可能な天然抽出物としては、グラブリジン、グラブレン、リクイリチン、イソリクイリチン及びこれらを含有するカンゾウ抽出物、胎盤抽出物、カロチノイド類及びこれらを含有する動植物抽出物、ネオアガロビオース、アガロースオリゴサッカライド、アスパラガス抽出物、イブキトラノオ抽出物、エンドウ豆抽出物、エイジツ抽出物、オウゴン抽出物、オノニス抽出物、海藻抽出物、キイチゴ抽出物、クジン抽出物、ケイケットウ抽出物、ゴカヒ抽出物、リノール酸を含有する植物油、サイシン抽出物、サンザシ抽出物、サンペンズ抽出物、シラユリ抽出物、シャクヤク抽出物、センプクカ抽出物、ソウハクヒ抽出物、大豆抽出物、茶抽出物、トウキ抽出物、糖蜜抽出物、ビャクレン抽出物、ブナノキ抽出物、ブドウ種子抽出物、フローデマニータ抽出物、ホップ抽出物、マイカイカ抽出物、モッカ抽出物、ユキノシタ抽出物、ヨクイニン抽出物及び羅漢果抽出物、アスパラガス、アカネ、アカブドウ、アカメガシワ、アケビ、アサ、アサガオ、アズキ、アセンヤク、アマチャ、アマチャヅル、イタドリ、イチジク、イチョウ、イランイラン、ウツボグサ、ウメ、ウワウルシ、ウンシュウミカン、エゾウコギ、エビスグサ、エンジュ、エンドウ、オオバコ、オクラ、オグルマ、オニグルミ、オミナエシ、オランダイチゴ、カキ、カキドウシ、カシュウ、カシュー、カノコソウ、カラスウリ、カリン、ガラナ、キキョウ、キク、キササゲ、ギシギシ、ギムネマ・シルベスタ、キンミズヒキ、グアバ、クコ、クズ、クスノキ、クリ、ケイケットウ、ゲッケイジュ、ケイヒ、ゴショイチゴ、コショウ、コーヒー、ゴマノハグサ、コロンボ、サザンカ、サンショウ、サフラン、サクラ、ザクロ、サンズコン、サンペンズ、シオン、ショウブ、スイカ、ステビア、スモモ、セイヨウキズタ、セイヨウナシ、セイヨウノコギリソウ、セイヨウネズ、セイヨウワサビ、セキショウ、セリ、セネガ、センナ、ダイオウ、ダイダイ、タマリンド、タラノキ、タンポポ、チコリ、チョウジ、チョウセンゴミシ、チョレイ、ツキミソウ、ツボクサ、ツユクサ、ツルナ、テウチグルミ、トウガン、トチュウ、トロロアオイ、ナズナ、ナツミカン、ナンテン、ニガキ、ノゴギリソウ、パイナップル、ハイビスカス、パパイヤ、バジル、ハス、ハダカムギ、ヒオウギ、ピーナツ、ヒキオコシ、ヒシ、ピスタチオ、ヒバ、ヒメマツタケ、ビャクシ、ビワ、フキタンポポ、フシノキ、フジバカマ、ブルーベリー、ボウフウ、ホオズキ、ホオノキ、ボケ、マイカイ、マオウ、マンゴー、マンネンタケ、ミシマサイコ、ミソハギ、ミツバ、ミモザ、メリロート、メロン、モクレン、モモルディカ・グロスベノリィ、モロヘイヤ、モヤシ、ヤクチ、ヤクモソウ、ガグルマソウ、ヤシ、ヤシャジツ、ヤドリギ、ヤナギタデ、ヤマゴボウ、ヤマモモ、ユズリハ、ヨモギ、ライムギ、ラン、リュウガン、リンゴ、レイシ、レンギョウ等が挙げられる。
ビタミン類としては、リノレン酸及びその誘導体等のビタミンF類;フィトナジオン、メナキノン、メナジオン、メナジオール等のビタミンK類;エリオシトリン、ヘスペリジン等のビタミンP類;その他、ビオチン、カルチニン、フェルラ酸等が挙げられる。
アミノ酸類としては、グリシン、アラニン、バリン、イソロイシン、セリン、スレオニン、アスパラギン酸、グルタミン酸、アスパラギン、グルタミン、リジン、ヒドロキシリジン、アルギニン、シスチン、メチオニン、フェニルアラニン、チロシン、プロリン、ヒドロキシプロリン、オルチニン、シトルリン、テアニン等のアミノ酸及びそれらの誘導体並びにそれらの塩、あるいはピロリドンカルボン酸等のアミノ酸誘導体またはその誘導体等が挙げられる。核酸関連物質としては、デオキシリボ核酸及びその塩、アデノシン三リン酸、アデノシン二リン酸、アデノシン一リン酸から選ばれるアデニル酸誘導体及びそれらの塩、リボ核酸及びその塩、サイクリックAMP、サイクリックGMP、フラビンアデニンヌクレオチド、グアニン、アデニン、シトシン、チミン、キサンチン及びそれらの誘導体であるカフェイン、デオフィリン並びにそれらの塩、ホルモンとしては、エストラジオール、エテニルエストラジオール等が挙げられる。酵素としては、リパーゼ、パパイン等が挙げられる。
血行促進剤としては、ノニル酸ワレニルアミド、カプサイシン、ジンゲロン、カンタリスチンキ、イクタモール、α−ボルネオール、イノシトールヘキサニコチネート、シクランデレート、シンナリジン、トラゾリン、アセチルコリン、バラパミル、セファランチン、γ−オリザノール等、皮膚収斂剤としては、タンニン酸等が挙げられ、抗脂漏剤としては、イオウ、チアントロール等が挙げられる。
そこで、以下に実施例を示し、皮膚用光化学美容組成物の製造方法、及びその美容効果等について具体的に説明する。もちろんこれら例によって発明が限定されることはない。