JP2005047807A - カルボン酸化合物の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】容積効率が改善された式(3)
(式中、R1およびR2はそれぞれ同一または相異なって、置換されていてもよい低級アルキル基等を表わす。R3は低級アルキル基等を表わす。)
で示されるカルボン酸化合物の製造方法を提供すること。
【解決手段】溶媒中で、式(1)
(式中、R1、R2およびR3は上記と同一の意味を表わし、R4は低級アルキル基を表わす。)
で示される化合物と水酸化カリウムを反応させて、式(2)
(式中、R1、R2およびR3は上記と同一の意味を表わす。)
で示されるカリウム塩を得、該カリウム塩を水抽出し、得られるカリウム塩を含む水層を酸性化処理することを特徴とするカルボン酸化合物の製造方法。
【選択図】なし
(式中、R1およびR2はそれぞれ同一または相異なって、置換されていてもよい低級アルキル基等を表わす。R3は低級アルキル基等を表わす。)
で示されるカルボン酸化合物の製造方法を提供すること。
【解決手段】溶媒中で、式(1)
(式中、R1、R2およびR3は上記と同一の意味を表わし、R4は低級アルキル基を表わす。)
で示される化合物と水酸化カリウムを反応させて、式(2)
(式中、R1、R2およびR3は上記と同一の意味を表わす。)
で示されるカリウム塩を得、該カリウム塩を水抽出し、得られるカリウム塩を含む水層を酸性化処理することを特徴とするカルボン酸化合物の製造方法。
【選択図】なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、カルボン酸化合物の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
式(3)
(式中、R1およびR2はそれぞれ同一または相異なって、水素原子、ハロゲン原子、置換されていてもよい低級アルキル基または置換されていてもよい低級アルコキシ基を表わす。R3は水素原子または低級アルキル基を表わす。)
で示されるカルボン酸化合物は、例えば医薬品活性成分、医薬中間体等として有用な化合物である(例えば特許文献1参照。)。
【0003】
かかる式(3)で示されるカルボン酸化合物の製造方法としては、式(1)
(式中、R1およびR2はそれぞれ同一または相異なって、水素原子、ハロゲン原子、置換されていてもよい低級アルキル基または置換されていてもよい低級アルコキシ基を表わす。R3は水素原子または低級アルキル基を表わす。R4は低級アルキル基を表わす。)
で示される化合物と水酸化ナトリウムを反応させ、式(4)
(式中、R1、R2およびR3は上記と同一の意味を表わす。)
で示されるナトリウム塩を得、該ナトリウム塩を酸性化処理する方法が知られていた(例えば特許文献1参照。)。しかしながら、式(4)で示されるナトリウム塩の水に対する溶解度が低いため、式(4)で示されるナトリウム塩を溶解させる水が大量に必要となり、容積効率の面で改善が望まれていた。
【0004】
【特許文献1】
国際公開第02/10131号パンフレット
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
このような状況のもと、本発明者らは、容積効率が改善された式(3)で示されるカルボン酸化合物の製造方法を開発すべく検討したところ、式(1)で示される化合物と水酸化カリウムとを反応させて得られる式(2)
(式中、R1、R2およびR3は上記と同一の意味を表わす。)
で示されるカリウム塩の水に対する溶解度が、式(4)で示されるナトリウム塩の水に対する溶解度よりも大きく、より少ない水の量で式(2)で示されるカリウム塩を水抽出することができ、容積効率を向上させることができることを見出し、本発明に至った。
【0006】
【課題を解決するための手段】
すなわち本発明は、溶媒中で、式(1)
(式中、R1およびR2はそれぞれ同一または相異なって、水素原子、ハロゲン原子、置換されていてもよい低級アルキル基または置換されていてもよい低級アルコキシ基を表わす。R3は水素原子または低級アルキル基を表わす。R4は低級アルキル基を表わす。)
で示される化合物と水酸化カリウムを反応させて、式(2)
(式中、R1、R2およびR3は上記と同一の意味を表わす。)
で示されるカリウム塩を得、該カリウム塩を水抽出し、得られるカリウム塩を含む水層を酸性化処理することを特徴とする式(3)
(式中、R1、R2およびR3は上記と同一の意味を表わす。)
で示されるカルボン酸化合物の製造方法を提供するものである。
【0007】
【発明の実施の形態】
まず、式(1)
で示される化合物(以下、化合物(1)と略記する。)について説明する。化合物(1)の式中、R1およびR2はそれぞれ同一または相異なって、水素原子、ハロゲン原子、置換されていてもよい低級アルキル基または置換されていてもよい低級アルコキシ基を表わす。R3は水素原子または低級アルキル基を表わす。R4は低級アルキル基を表わす。
【0008】
ハロゲン原子としては、例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられる。
【0009】
低級アルキル基としては、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基等の炭素数1〜4のアルキル基が挙げられる。かかる低級アルキル基は、例えばフッ素原子、低級アルコキシ基、ジアルキルアミノ基、環状アミノ基等の置換基で置換されていてもよい。低級アルコキシ基としては、例えばメトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、イソブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基等の炭素数1〜4のアルコキシ基が挙げられる。ジアルキルアミノ基としては、例えばジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基等の二つの前記低級アルキル基で置換されたアミノ基が挙げられ、環状アミノ基としては、例えば1−ピロリジニル基、1−ピペリジル基、4−モルホリニル基等の酸素原子を環の構成原子として含んでいてもよい五〜七員環のアミノ基が挙げられる。かかる置換基で置換された低級アルキル基としては、例えばトリフルオロメチル基、メトキシメチル基、エトキシメチル基、ジメチルアミノメチル基、(1−ピロリジニル)メチル基、2−(4−モルホリニル)エチル基等が挙げられる。
【0010】
置換されていてもよい低級アルコキシ基としては、前記低級アルコキシ基および前記置換基で置換された低級アルコキシ基が挙げられ、例えばトリフルオロメトキシ基、メトキシメトキシ基、エトキシメトキシ基、ジメチルアミノメトキシ基、(1−ピロリジニル)メトキシ基、2−(4−モルホリニル)エトキシ基等が挙げられる。
【0011】
かかる化合物(1)としては、例えば2−[(1E)−3−(2−ベンゾイルピロール−1−イル)プロペン−1−イル]安息香酸エチル、2−[(1E)−3−[2−(4−メチルベンゾイル)ピロール−1−イル]プロペン−1−イル]安息香酸メチル、2−[(1E)−3−[2−(4−メトキシベンゾイル)−4−メチルピロール−1−イル]プロペン−1−イル]安息香酸メチル、5−クロロ−2−[(1E)−3−[2−(4−メチルベンゾイル)ピロール−1−イル]プロペン−1−イル]安息香酸エチル、5−クロロ−2−[(1E)−3−[2−(4−メトキシベンゾイル)ピロール−1−イル]プロペン−1−イル]安息香酸メチル、5−クロロ−2−[(1E)−3−[2−(4−メトキシベンゾイル)−4−メチルピロール−1−イル]安息香酸メチル、5−クロロ−2−[(1E)−3−[2−(4−モルホリニル)エトキシベンゾイル]−4−メチルピロール−1−イル]プロペン−1−イル]安息香酸メチル等が挙げられる。
【0012】
かかる化合物(1)は、例えば国際公開第02/10131号パンフレットに記載の方法等に準じて製造することができる。
【0013】
溶媒としては、例えばn−ヘキサン、n−ヘプタン、シクロヘキサン等の脂肪族炭化水素系溶媒、例えばトルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶媒、例えばクロロベンゼン、ジクロロベンゼン、ジクロロメタン、クロロホルム等のハロゲン化炭化水素系溶媒、例えばメタノール、エタノール、イソプロパノール、エチレングリコール、ポリエチレングリコール等のアルコール系溶媒、例えばジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,2−ジメトキシエタン等のエーテル系溶媒、例えばアセトン、メチルイソブチルケトン等のケトン系溶媒、例えばN,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等のアミド系溶媒等の単独もしくは混合溶媒、前記溶媒と水の混合溶媒等が挙げられる。かかる溶媒の使用量は、化合物(1)に対して、通常0.5重量倍以上、好ましくは2重量倍以上であり、その上限は特にないが、多すぎると容積効率が悪くなるため、実用的には30重量倍以下である。
【0014】
水酸化カリウムの使用量は、化合物(1)に対して、通常0.7モル倍以上、好ましくは0.9モル倍以上であり、その上限は特にないが、多すぎると、後述する酸性化処理の際に必要な酸の使用量が多くなるため、実用的には20モル倍以下、好ましくは10モル倍以下である。
【0015】
水酸化カリウムは、そのまま用いてもよいし、水溶液として用いてもよい。また前記溶媒の溶液もしくは懸濁液として用いてもよい。
【0016】
化合物(1)と水酸化カリウムの反応は、通常化合物(1)と溶媒の混合液中に、水酸化カリウムを加えることにより実施される。反応温度は、通常0〜150℃、好ましくは20〜100℃である。
【0017】
溶媒として、水と水に不溶の有機溶媒との混合溶媒を用いる場合には、相間移動触媒を併用してもよい。相間移動触媒としては、例えばベンジルトリメチルアンモニウムクロリド、ベンジルトリエチルアンモニウムクロリド、テトラn−ブチルアンモニウムブロミド、硫酸水素テトラn−ブチルアンモニウム等の第四級アンモニウム塩、例えばテトラフェニルホスホニウムブロミド等の第四級ホスホニウム塩、例えば12−クラウン−4、18−クラウン−6等のクラウンエーテル化合物等が挙げられ、第四級アンモニウム塩が好ましい。かかる相間移動触媒はそれぞれ単独で用いてもよいし、二種以上を混合して用いてもよい。かかる相間移動触媒の使用量は、化合物(1)に対して、通常0.001モル倍以上、好ましくは0.005モル倍以上であり、その上限は特にないが、あまり多いと経済的に不利になるため、実用的には、化合物(1)に対して、0.5モル倍以下である。
【0018】
また、反応で副生する水等の反応中に存在する水を、例えば共沸等により系外に除去しながら反応を実施してもよい。
【0019】
化合物(1)と水酸化カリウムを反応させることにより、式(2)
(式中、R1、R2およびR3は上記と同一の意味を表わす。)
で示されるカリウム塩(以下、カリウム塩(2)と略記する。)が得られ、該カリウム塩(2)を水抽出することにより、カリウム塩(2)を含む水層が得られる。
【0020】
カリウム塩(2)としては、例えば2−[(1E)−3−(2−ベンゾイルピロール−1−イル)プロペン−1−イル]安息香酸カリウム、2−[(1E)−3−[2−(4−メチルベンゾイル)ピロール−1−イル]プロペン−1−イル]安息香酸カリウム、2−[(1E)−3−[2−(4−メトキシベンゾイル)−4−メチルピロール−1−イル]プロペン−1−イル]安息香酸カリウム、5−クロロ−2−[(1E)−3−[2−(4−メチルベンゾイル)ピロール−1−イル]プロペン−1−イル]安息香酸カリウム、5−クロロ−2−[(1E)−3−[2−(4−メトキシベンゾイル)ピロール−1−イル]プロペン−1−イル]安息香酸カリウム、5−クロロ−2−[(1E)−3−[2−(4−メトキシベンゾイル)−4−メチルピロール−1−イル]安息香酸カリウム、5−クロロ−2−[(1E)−3−[2−(4−モルホリニル)エトキシベンゾイル]−4−メチルピロール−1−イル]プロペン−1−イル]安息香酸カリウム等が挙げられる。
【0021】
化合物(1)と水酸化カリウムとの反応を、水と水に不溶の有機溶媒との混合溶媒中で実施した場合には、反応液をそのままもしくは必要に応じて水を加えた後、分液処理することにより、カリウム塩(2)を水抽出することができる。化合物(1)と水酸化カリウムとの反応を、有機溶媒中で実施した場合には、反応液に、水および必要に応じて水に不溶の有機溶媒を加えた後、抽出処理することにより、カリウム塩(2)を水抽出することができる。化合物(1)と水酸化カリウムとの反応を、水と水に可溶の有機溶媒との混合溶媒中で実施した場合には、反応液に、水に不溶の有機溶媒および必要に応じて水を加えた後、抽出処理することにより、カリウム塩(2)を水抽出することができる。
【0022】
水の使用量は、カリウム塩(2)を溶解し得る量であればよい。
【0023】
カリウム塩(2)を水抽出する温度は、通常0〜100℃、好ましくは20〜80℃である。
【0024】
前記で得られたカリウム塩(2)を含む水層を酸性化処理することにより、式(3)
(式中、R1、R2およびR3は上記と同一の意味を表わす。)
で示されるカルボン酸化合物(以下、カルボン酸化合物(3)と略記する。)が得られる。
【0025】
酸性化処理は、前記で得られたカリウム塩(2)を含む水層と酸を混合し、酸性化処理液のpHを酸性とすることにより実施され、その混合順序は制限されない。酸としては、例えば塩酸、硫酸、硝酸、リン酸等の無機酸、例えばメタンスルホン酸、エタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸等の有機酸等の単独または混合物が挙げられ、無機酸が好ましく、中でも塩酸が好ましい。かかる酸の使用量は、前記工程で用いた水酸化カリウムの使用量により異なり、酸性化処理液のpHが酸性を呈する量であればよい。かかる酸は、そのまま用いてもよいし、例えば水溶液、後述の溶媒に溶解もしくは懸濁させて、溶液もしくは懸濁液として用いてもよい。
【0026】
酸性化処理温度は、通常−10〜100℃、好ましくは0〜80℃である。
【0027】
酸性化処理は、前記のとおりカリウム塩(2)を含む水層と酸を混合することにより行われ、その混合順序は特に制限されない。また、必要に応じて有機溶媒を共存させて実施してもよい。有機溶媒としては、例えば前記脂肪族炭化水素系溶媒、前記芳香族炭化水素系溶媒、前記ハロゲン化炭化水素系溶媒、前記エーテル系溶媒、前記ケトン系溶媒、例えば酢酸エチル等のエステル系溶媒、例えばメタノール、エタノール、イソプロパノール等のアルコール系溶媒等が挙げられ、中でも芳香族炭化水素系溶媒、エーテル系溶媒、エステル系溶媒が好ましい。かかる有機溶媒を用いる場合のその使用量は、カリウム塩(2)に対して、通常0.5重量倍以上、好ましくは2重量倍以上であり、その上限は特にないが、あまり多すぎると、容積効率が悪くなるため、実用的には30重量倍以下である。
【0028】
酸性化処理後、例えば酸性化処理液に、必要に応じて水に不溶の有機溶媒を加えた後、分液処理することにより、カルボン酸化合物(3)を含む有機層を得、該有機層を濃縮処理することにより、カルボン酸化合物(3)を取り出すことができる。また、前記有機層を、そのままもしくは一部濃縮した後、冷却処理することにより、カルボン酸化合物(3)を結晶化させて取り出すこともできる。この場合、カルボン酸化合物(3)が結晶化しやすい溶媒に置換した後、結晶化させてもよい。取り出したカルボン酸化合物(3)は、例えば再結晶、カラムクロマトグラフィ等通常の精製手段によりさらに精製してもよい。
【0029】
かくして得られるカルボン酸化合物(3)としては、例えば2−[(1E)−3−(2−ベンゾイルピロール−1−イル)プロペン−1−イル]安息香酸、2−[(1E)−3−[2−(4−メチルベンゾイル)ピロール−1−イル]プロペン−1−イル]安息香酸、2−[(1E)−3−[2−(4−メトキシベンゾイル)−4−メチルピロール−1−イル]プロペン−1−イル]安息香酸、5−クロロ−2−[(1E)−3−[2−(4−メチルベンゾイル)ピロール−1−イル]プロペン−1−イル]安息香酸、5−クロロ−2−[(1E)−3−[2−(4−メトキシベンゾイル)ピロール−1−イル]プロペン−1−イル]安息香酸、5−クロロ−2−[(1E)−3−[2−(4−メトキシベンゾイル)−4−メチルピロール−1−イル]プロペン−1−イル]安息香酸、5−クロロ−2−[(1E)−3−[[2−(4−モルホリニル)エトキシベンゾイル]−4−メチルピロール−1−イル]プロペン−1−イル]安息香酸等が挙げられる。
【0030】
【実施例】
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されない。なお、分析には、高速液体クロマトグラフィ(LC)絶対検量線法を用いた。
【0031】
実施例1
5−クロロ−2−[(1E)−3−[2−(4−メトキシベンゾイル)−4−メチルピロール−1−イル]プロペン−1−イル]安息香酸メチル134gを含むトルエン溶液600gに、テトラヒドロフラン669gおよびメタノール134gを加えて内温60℃に加熱し、同温度で20重量%水酸化カリウム水溶液121gを50分間かけて滴下した。同温度で2.3時間保温した後、水1820gを加え、内温60℃で30分間攪拌、静置後、分液処理した。得られた水層をトルエン335gで洗浄処理し、5−クロロ−2−[(1E)−3−[2−(4−メトキシベンゾイル)−4−メチルピロール−1−イル]プロペン−1−イル]安息香酸カリウム塩を含む水層2395gを得た。
【0032】
得られたカリウム塩を含む水層に、酢酸エチル1258gおよび36重量%塩酸42.8gを加え、内温60℃に加熱して分液処理した。得られた有機層を水268gで洗浄処理した後、濃縮処理して、5−クロロ−2−[(1E)−3−[2−(4−メトキシベンゾイル)−4−メチルピロール−1−イル]プロペン−1−イル]安息香酸126gを含む固体を得た。収率:97%。
【0033】
実施例2
5−クロロ−2−[(1E)−3−[2−(4−メトキシベンゾイル)−4−メチルピロール−1−イル]プロペン−1−イル]安息香酸メチル50mgに、トルエン1.5g、5重量%水酸化カリウム水溶液151mgおよび塩化ベンジルトリエチルアンモニウム3.5mgを加えて内温60℃に加熱し、還流冷却器で凝縮する水分を系外に除去しながら、同温度で9時間攪拌、反応させ、5−クロロ−2−[(1E)−3−[2−(4−メトキシベンゾイル)−4−メチルピロール−1−イル]プロペン−1−イル]安息香酸カリウム塩を含む反応液を得た。該反応液中の5−クロロ−2−[(1E)−3−[2−(4−メトキシベンゾイル)−4−メチルピロール−1−イル]プロペン−1−イル]安息香酸カリウム塩のLC面積百分率は91.5%であった。
【0034】
該反応液に、水を加え、分液処理することにより、5−クロロ−2−[(1E)−3−[2−(4−メトキシベンゾイル)−4−メチルピロール−1−イル]プロペン−1−イル]安息香酸カリウム塩を含む水層が得られ、前記実施例1と同様に、前記水層を酸性化処理することにより、5−クロロ−2−[(1E)−3−[2−(4−メトキシベンゾイル)−4−メチルピロール−1−イル]プロペン−1−イル]安息香酸を得ることができる。
【0035】
参考例1
水100gに溶解する5−クロロ−2−[(1E)−3−[2−(4−メトキシベンゾイル)−4−メチルピロール−1−イル]プロペン−1−イル]安息香酸カリウム塩の重量を測定した結果、20℃で1.40g、60℃で8.22gであった(図1参照。)。
【0036】
比較参考例1
水100gに溶解する5−クロロ−2−[(1E)−3−[2−(4−メトキシベンゾイル)−4−メチルピロール−1−イル]プロペン−1−イル]安息香酸ナトリウムの重量を測定した結果、20℃で0.54g、60℃で1.05gであった(図1参照。)。
【0037】
【発明の効果】
本発明によれば、医薬等の中間体として有用なカルボン酸化合物を、容積効率よく製造することができるため、工業的により有利である。
【図面の簡単な説明】
【図1】参考例1および比較参考例1で取得した5−クロロ−2−[(1E)−3−[2−(4−メトキシベンゾイル)−4−メチルピロール−1−イル]プロペン−1−イル]安息香酸カリウム塩と5−クロロ−2−[(1E)−3−[2−(4−メトキシベンゾイル)−4−メチルピロール−1−イル]プロペン−1−イル]安息香酸ナトリウム塩の水100gに対する溶解度をプロットした図である。
【発明の属する技術分野】
本発明は、カルボン酸化合物の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
式(3)
(式中、R1およびR2はそれぞれ同一または相異なって、水素原子、ハロゲン原子、置換されていてもよい低級アルキル基または置換されていてもよい低級アルコキシ基を表わす。R3は水素原子または低級アルキル基を表わす。)
で示されるカルボン酸化合物は、例えば医薬品活性成分、医薬中間体等として有用な化合物である(例えば特許文献1参照。)。
【0003】
かかる式(3)で示されるカルボン酸化合物の製造方法としては、式(1)
(式中、R1およびR2はそれぞれ同一または相異なって、水素原子、ハロゲン原子、置換されていてもよい低級アルキル基または置換されていてもよい低級アルコキシ基を表わす。R3は水素原子または低級アルキル基を表わす。R4は低級アルキル基を表わす。)
で示される化合物と水酸化ナトリウムを反応させ、式(4)
(式中、R1、R2およびR3は上記と同一の意味を表わす。)
で示されるナトリウム塩を得、該ナトリウム塩を酸性化処理する方法が知られていた(例えば特許文献1参照。)。しかしながら、式(4)で示されるナトリウム塩の水に対する溶解度が低いため、式(4)で示されるナトリウム塩を溶解させる水が大量に必要となり、容積効率の面で改善が望まれていた。
【0004】
【特許文献1】
国際公開第02/10131号パンフレット
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
このような状況のもと、本発明者らは、容積効率が改善された式(3)で示されるカルボン酸化合物の製造方法を開発すべく検討したところ、式(1)で示される化合物と水酸化カリウムとを反応させて得られる式(2)
(式中、R1、R2およびR3は上記と同一の意味を表わす。)
で示されるカリウム塩の水に対する溶解度が、式(4)で示されるナトリウム塩の水に対する溶解度よりも大きく、より少ない水の量で式(2)で示されるカリウム塩を水抽出することができ、容積効率を向上させることができることを見出し、本発明に至った。
【0006】
【課題を解決するための手段】
すなわち本発明は、溶媒中で、式(1)
(式中、R1およびR2はそれぞれ同一または相異なって、水素原子、ハロゲン原子、置換されていてもよい低級アルキル基または置換されていてもよい低級アルコキシ基を表わす。R3は水素原子または低級アルキル基を表わす。R4は低級アルキル基を表わす。)
で示される化合物と水酸化カリウムを反応させて、式(2)
(式中、R1、R2およびR3は上記と同一の意味を表わす。)
で示されるカリウム塩を得、該カリウム塩を水抽出し、得られるカリウム塩を含む水層を酸性化処理することを特徴とする式(3)
(式中、R1、R2およびR3は上記と同一の意味を表わす。)
で示されるカルボン酸化合物の製造方法を提供するものである。
【0007】
【発明の実施の形態】
まず、式(1)
で示される化合物(以下、化合物(1)と略記する。)について説明する。化合物(1)の式中、R1およびR2はそれぞれ同一または相異なって、水素原子、ハロゲン原子、置換されていてもよい低級アルキル基または置換されていてもよい低級アルコキシ基を表わす。R3は水素原子または低級アルキル基を表わす。R4は低級アルキル基を表わす。
【0008】
ハロゲン原子としては、例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられる。
【0009】
低級アルキル基としては、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基等の炭素数1〜4のアルキル基が挙げられる。かかる低級アルキル基は、例えばフッ素原子、低級アルコキシ基、ジアルキルアミノ基、環状アミノ基等の置換基で置換されていてもよい。低級アルコキシ基としては、例えばメトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、イソブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基等の炭素数1〜4のアルコキシ基が挙げられる。ジアルキルアミノ基としては、例えばジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基等の二つの前記低級アルキル基で置換されたアミノ基が挙げられ、環状アミノ基としては、例えば1−ピロリジニル基、1−ピペリジル基、4−モルホリニル基等の酸素原子を環の構成原子として含んでいてもよい五〜七員環のアミノ基が挙げられる。かかる置換基で置換された低級アルキル基としては、例えばトリフルオロメチル基、メトキシメチル基、エトキシメチル基、ジメチルアミノメチル基、(1−ピロリジニル)メチル基、2−(4−モルホリニル)エチル基等が挙げられる。
【0010】
置換されていてもよい低級アルコキシ基としては、前記低級アルコキシ基および前記置換基で置換された低級アルコキシ基が挙げられ、例えばトリフルオロメトキシ基、メトキシメトキシ基、エトキシメトキシ基、ジメチルアミノメトキシ基、(1−ピロリジニル)メトキシ基、2−(4−モルホリニル)エトキシ基等が挙げられる。
【0011】
かかる化合物(1)としては、例えば2−[(1E)−3−(2−ベンゾイルピロール−1−イル)プロペン−1−イル]安息香酸エチル、2−[(1E)−3−[2−(4−メチルベンゾイル)ピロール−1−イル]プロペン−1−イル]安息香酸メチル、2−[(1E)−3−[2−(4−メトキシベンゾイル)−4−メチルピロール−1−イル]プロペン−1−イル]安息香酸メチル、5−クロロ−2−[(1E)−3−[2−(4−メチルベンゾイル)ピロール−1−イル]プロペン−1−イル]安息香酸エチル、5−クロロ−2−[(1E)−3−[2−(4−メトキシベンゾイル)ピロール−1−イル]プロペン−1−イル]安息香酸メチル、5−クロロ−2−[(1E)−3−[2−(4−メトキシベンゾイル)−4−メチルピロール−1−イル]安息香酸メチル、5−クロロ−2−[(1E)−3−[2−(4−モルホリニル)エトキシベンゾイル]−4−メチルピロール−1−イル]プロペン−1−イル]安息香酸メチル等が挙げられる。
【0012】
かかる化合物(1)は、例えば国際公開第02/10131号パンフレットに記載の方法等に準じて製造することができる。
【0013】
溶媒としては、例えばn−ヘキサン、n−ヘプタン、シクロヘキサン等の脂肪族炭化水素系溶媒、例えばトルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶媒、例えばクロロベンゼン、ジクロロベンゼン、ジクロロメタン、クロロホルム等のハロゲン化炭化水素系溶媒、例えばメタノール、エタノール、イソプロパノール、エチレングリコール、ポリエチレングリコール等のアルコール系溶媒、例えばジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,2−ジメトキシエタン等のエーテル系溶媒、例えばアセトン、メチルイソブチルケトン等のケトン系溶媒、例えばN,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等のアミド系溶媒等の単独もしくは混合溶媒、前記溶媒と水の混合溶媒等が挙げられる。かかる溶媒の使用量は、化合物(1)に対して、通常0.5重量倍以上、好ましくは2重量倍以上であり、その上限は特にないが、多すぎると容積効率が悪くなるため、実用的には30重量倍以下である。
【0014】
水酸化カリウムの使用量は、化合物(1)に対して、通常0.7モル倍以上、好ましくは0.9モル倍以上であり、その上限は特にないが、多すぎると、後述する酸性化処理の際に必要な酸の使用量が多くなるため、実用的には20モル倍以下、好ましくは10モル倍以下である。
【0015】
水酸化カリウムは、そのまま用いてもよいし、水溶液として用いてもよい。また前記溶媒の溶液もしくは懸濁液として用いてもよい。
【0016】
化合物(1)と水酸化カリウムの反応は、通常化合物(1)と溶媒の混合液中に、水酸化カリウムを加えることにより実施される。反応温度は、通常0〜150℃、好ましくは20〜100℃である。
【0017】
溶媒として、水と水に不溶の有機溶媒との混合溶媒を用いる場合には、相間移動触媒を併用してもよい。相間移動触媒としては、例えばベンジルトリメチルアンモニウムクロリド、ベンジルトリエチルアンモニウムクロリド、テトラn−ブチルアンモニウムブロミド、硫酸水素テトラn−ブチルアンモニウム等の第四級アンモニウム塩、例えばテトラフェニルホスホニウムブロミド等の第四級ホスホニウム塩、例えば12−クラウン−4、18−クラウン−6等のクラウンエーテル化合物等が挙げられ、第四級アンモニウム塩が好ましい。かかる相間移動触媒はそれぞれ単独で用いてもよいし、二種以上を混合して用いてもよい。かかる相間移動触媒の使用量は、化合物(1)に対して、通常0.001モル倍以上、好ましくは0.005モル倍以上であり、その上限は特にないが、あまり多いと経済的に不利になるため、実用的には、化合物(1)に対して、0.5モル倍以下である。
【0018】
また、反応で副生する水等の反応中に存在する水を、例えば共沸等により系外に除去しながら反応を実施してもよい。
【0019】
化合物(1)と水酸化カリウムを反応させることにより、式(2)
(式中、R1、R2およびR3は上記と同一の意味を表わす。)
で示されるカリウム塩(以下、カリウム塩(2)と略記する。)が得られ、該カリウム塩(2)を水抽出することにより、カリウム塩(2)を含む水層が得られる。
【0020】
カリウム塩(2)としては、例えば2−[(1E)−3−(2−ベンゾイルピロール−1−イル)プロペン−1−イル]安息香酸カリウム、2−[(1E)−3−[2−(4−メチルベンゾイル)ピロール−1−イル]プロペン−1−イル]安息香酸カリウム、2−[(1E)−3−[2−(4−メトキシベンゾイル)−4−メチルピロール−1−イル]プロペン−1−イル]安息香酸カリウム、5−クロロ−2−[(1E)−3−[2−(4−メチルベンゾイル)ピロール−1−イル]プロペン−1−イル]安息香酸カリウム、5−クロロ−2−[(1E)−3−[2−(4−メトキシベンゾイル)ピロール−1−イル]プロペン−1−イル]安息香酸カリウム、5−クロロ−2−[(1E)−3−[2−(4−メトキシベンゾイル)−4−メチルピロール−1−イル]安息香酸カリウム、5−クロロ−2−[(1E)−3−[2−(4−モルホリニル)エトキシベンゾイル]−4−メチルピロール−1−イル]プロペン−1−イル]安息香酸カリウム等が挙げられる。
【0021】
化合物(1)と水酸化カリウムとの反応を、水と水に不溶の有機溶媒との混合溶媒中で実施した場合には、反応液をそのままもしくは必要に応じて水を加えた後、分液処理することにより、カリウム塩(2)を水抽出することができる。化合物(1)と水酸化カリウムとの反応を、有機溶媒中で実施した場合には、反応液に、水および必要に応じて水に不溶の有機溶媒を加えた後、抽出処理することにより、カリウム塩(2)を水抽出することができる。化合物(1)と水酸化カリウムとの反応を、水と水に可溶の有機溶媒との混合溶媒中で実施した場合には、反応液に、水に不溶の有機溶媒および必要に応じて水を加えた後、抽出処理することにより、カリウム塩(2)を水抽出することができる。
【0022】
水の使用量は、カリウム塩(2)を溶解し得る量であればよい。
【0023】
カリウム塩(2)を水抽出する温度は、通常0〜100℃、好ましくは20〜80℃である。
【0024】
前記で得られたカリウム塩(2)を含む水層を酸性化処理することにより、式(3)
(式中、R1、R2およびR3は上記と同一の意味を表わす。)
で示されるカルボン酸化合物(以下、カルボン酸化合物(3)と略記する。)が得られる。
【0025】
酸性化処理は、前記で得られたカリウム塩(2)を含む水層と酸を混合し、酸性化処理液のpHを酸性とすることにより実施され、その混合順序は制限されない。酸としては、例えば塩酸、硫酸、硝酸、リン酸等の無機酸、例えばメタンスルホン酸、エタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸等の有機酸等の単独または混合物が挙げられ、無機酸が好ましく、中でも塩酸が好ましい。かかる酸の使用量は、前記工程で用いた水酸化カリウムの使用量により異なり、酸性化処理液のpHが酸性を呈する量であればよい。かかる酸は、そのまま用いてもよいし、例えば水溶液、後述の溶媒に溶解もしくは懸濁させて、溶液もしくは懸濁液として用いてもよい。
【0026】
酸性化処理温度は、通常−10〜100℃、好ましくは0〜80℃である。
【0027】
酸性化処理は、前記のとおりカリウム塩(2)を含む水層と酸を混合することにより行われ、その混合順序は特に制限されない。また、必要に応じて有機溶媒を共存させて実施してもよい。有機溶媒としては、例えば前記脂肪族炭化水素系溶媒、前記芳香族炭化水素系溶媒、前記ハロゲン化炭化水素系溶媒、前記エーテル系溶媒、前記ケトン系溶媒、例えば酢酸エチル等のエステル系溶媒、例えばメタノール、エタノール、イソプロパノール等のアルコール系溶媒等が挙げられ、中でも芳香族炭化水素系溶媒、エーテル系溶媒、エステル系溶媒が好ましい。かかる有機溶媒を用いる場合のその使用量は、カリウム塩(2)に対して、通常0.5重量倍以上、好ましくは2重量倍以上であり、その上限は特にないが、あまり多すぎると、容積効率が悪くなるため、実用的には30重量倍以下である。
【0028】
酸性化処理後、例えば酸性化処理液に、必要に応じて水に不溶の有機溶媒を加えた後、分液処理することにより、カルボン酸化合物(3)を含む有機層を得、該有機層を濃縮処理することにより、カルボン酸化合物(3)を取り出すことができる。また、前記有機層を、そのままもしくは一部濃縮した後、冷却処理することにより、カルボン酸化合物(3)を結晶化させて取り出すこともできる。この場合、カルボン酸化合物(3)が結晶化しやすい溶媒に置換した後、結晶化させてもよい。取り出したカルボン酸化合物(3)は、例えば再結晶、カラムクロマトグラフィ等通常の精製手段によりさらに精製してもよい。
【0029】
かくして得られるカルボン酸化合物(3)としては、例えば2−[(1E)−3−(2−ベンゾイルピロール−1−イル)プロペン−1−イル]安息香酸、2−[(1E)−3−[2−(4−メチルベンゾイル)ピロール−1−イル]プロペン−1−イル]安息香酸、2−[(1E)−3−[2−(4−メトキシベンゾイル)−4−メチルピロール−1−イル]プロペン−1−イル]安息香酸、5−クロロ−2−[(1E)−3−[2−(4−メチルベンゾイル)ピロール−1−イル]プロペン−1−イル]安息香酸、5−クロロ−2−[(1E)−3−[2−(4−メトキシベンゾイル)ピロール−1−イル]プロペン−1−イル]安息香酸、5−クロロ−2−[(1E)−3−[2−(4−メトキシベンゾイル)−4−メチルピロール−1−イル]プロペン−1−イル]安息香酸、5−クロロ−2−[(1E)−3−[[2−(4−モルホリニル)エトキシベンゾイル]−4−メチルピロール−1−イル]プロペン−1−イル]安息香酸等が挙げられる。
【0030】
【実施例】
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されない。なお、分析には、高速液体クロマトグラフィ(LC)絶対検量線法を用いた。
【0031】
実施例1
5−クロロ−2−[(1E)−3−[2−(4−メトキシベンゾイル)−4−メチルピロール−1−イル]プロペン−1−イル]安息香酸メチル134gを含むトルエン溶液600gに、テトラヒドロフラン669gおよびメタノール134gを加えて内温60℃に加熱し、同温度で20重量%水酸化カリウム水溶液121gを50分間かけて滴下した。同温度で2.3時間保温した後、水1820gを加え、内温60℃で30分間攪拌、静置後、分液処理した。得られた水層をトルエン335gで洗浄処理し、5−クロロ−2−[(1E)−3−[2−(4−メトキシベンゾイル)−4−メチルピロール−1−イル]プロペン−1−イル]安息香酸カリウム塩を含む水層2395gを得た。
【0032】
得られたカリウム塩を含む水層に、酢酸エチル1258gおよび36重量%塩酸42.8gを加え、内温60℃に加熱して分液処理した。得られた有機層を水268gで洗浄処理した後、濃縮処理して、5−クロロ−2−[(1E)−3−[2−(4−メトキシベンゾイル)−4−メチルピロール−1−イル]プロペン−1−イル]安息香酸126gを含む固体を得た。収率:97%。
【0033】
実施例2
5−クロロ−2−[(1E)−3−[2−(4−メトキシベンゾイル)−4−メチルピロール−1−イル]プロペン−1−イル]安息香酸メチル50mgに、トルエン1.5g、5重量%水酸化カリウム水溶液151mgおよび塩化ベンジルトリエチルアンモニウム3.5mgを加えて内温60℃に加熱し、還流冷却器で凝縮する水分を系外に除去しながら、同温度で9時間攪拌、反応させ、5−クロロ−2−[(1E)−3−[2−(4−メトキシベンゾイル)−4−メチルピロール−1−イル]プロペン−1−イル]安息香酸カリウム塩を含む反応液を得た。該反応液中の5−クロロ−2−[(1E)−3−[2−(4−メトキシベンゾイル)−4−メチルピロール−1−イル]プロペン−1−イル]安息香酸カリウム塩のLC面積百分率は91.5%であった。
【0034】
該反応液に、水を加え、分液処理することにより、5−クロロ−2−[(1E)−3−[2−(4−メトキシベンゾイル)−4−メチルピロール−1−イル]プロペン−1−イル]安息香酸カリウム塩を含む水層が得られ、前記実施例1と同様に、前記水層を酸性化処理することにより、5−クロロ−2−[(1E)−3−[2−(4−メトキシベンゾイル)−4−メチルピロール−1−イル]プロペン−1−イル]安息香酸を得ることができる。
【0035】
参考例1
水100gに溶解する5−クロロ−2−[(1E)−3−[2−(4−メトキシベンゾイル)−4−メチルピロール−1−イル]プロペン−1−イル]安息香酸カリウム塩の重量を測定した結果、20℃で1.40g、60℃で8.22gであった(図1参照。)。
【0036】
比較参考例1
水100gに溶解する5−クロロ−2−[(1E)−3−[2−(4−メトキシベンゾイル)−4−メチルピロール−1−イル]プロペン−1−イル]安息香酸ナトリウムの重量を測定した結果、20℃で0.54g、60℃で1.05gであった(図1参照。)。
【0037】
【発明の効果】
本発明によれば、医薬等の中間体として有用なカルボン酸化合物を、容積効率よく製造することができるため、工業的により有利である。
【図面の簡単な説明】
【図1】参考例1および比較参考例1で取得した5−クロロ−2−[(1E)−3−[2−(4−メトキシベンゾイル)−4−メチルピロール−1−イル]プロペン−1−イル]安息香酸カリウム塩と5−クロロ−2−[(1E)−3−[2−(4−メトキシベンゾイル)−4−メチルピロール−1−イル]プロペン−1−イル]安息香酸ナトリウム塩の水100gに対する溶解度をプロットした図である。
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