JP2005047744A - シリカガラス膜の除去用水溶液及びこの水溶液を用いたシリカガラス膜の除去方法 - Google Patents

シリカガラス膜の除去用水溶液及びこの水溶液を用いたシリカガラス膜の除去方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 本発明は、廉価で、しかもシリカガラス膜の除去能力が極めて高い上、安全性及び取扱性にも配慮したシリカガラス膜除去用水溶液及びこれを用いたシリカガラス膜の除去方法を提供することを目的とする。
【解決手段】 少なくともアルカリ金属水酸化物が配合されているシリカガラス膜の除去用水溶液を用いて、基材にコーティングされたシリカガラス膜を除去する。
【選択図】 なし

Description

本発明は、二輪車、自動車(ボディやホイール等)、電車又は列車などの車両、飛行機、各種機械器具、合成樹脂基板、船舶、各種建材、感光性ガラス基板、鏡、石材、家具、楽器、仏具、住宅水まわり又はアルミ材等の基材にコーティングされたシリカガラス膜を除去するための除去用水溶液及びこれを用いたシリカガラス膜の除去方法に関する。
二輪車、自動車、電車又は列車などの車両、飛行機、各種機械器具、合成樹脂基板、船舶、各種建材、石材、家具、楽器、仏具、住宅水まわり又はアルミ材等の基材には、その基材表面に艶やかさや平滑性を付与したり、又、基材がさびたり腐食したりすることを防止するために、塗装を施すのが一般的である。
しかしながら、塗装膜は風雨にさらされて汚損したり、紫外線に暴露されたりすることにより劣化し、次第に艶やかさや柔軟性がなくなり、最終的には白くぼろぼろの状態となって、衝撃等を加えられると簡単にひび割れを生じる状態となる。
このため、最近では、塗装膜の上から更に保護膜をコーティングして、塗装面を保護する手段が開発されており、例えば、シリコーン系、無機系、セラミック系、ゾルゲル系などの俗称でSi−O結合を含むコーティング剤(以下、「シリカガラス膜」という。)が市販、実施されている。
特に、ポリシラザンはケイ素(Si)、窒素(N)、水素(H)から構成される化合物であり、ポリシラザンを用いたシリカガラス膜にあっては、保護膜中に有機成分がほとんど含まれないため、紫外線や水による劣化が生じないうえ、表面硬度、平滑性、親水性に優れた保護膜となることから、現在、種々の分野で、研究、開発が進められている(例えば、特許文献1〜2)。
特開平09−157544号公報 特開平09−183949号公報
しかしながら、シリカガラス膜の表面硬度の高さ及び平滑性は、保護膜としての最大の長所であり、しかも防汚・保護性や耐熱性更にハードコート性に著しく優れる一方、当該膜上への更なる塗装(上塗り)を困難にするという欠点となる。
即ち、例えば二輪車や自動車において接触事故等により傷が発生した場合、通常、浅い傷については当該部分及びその周辺について塗料を上塗りし、深い傷についてはパテ埋めした上から塗装し、傷を目立たなくするといった修理手段が採用されている。
ところが、自動車ボディ等にシリカガラス膜がコーティングされた自動車において同様の傷が発生した場合にあっては、シリカガラス膜の平滑性により傷周辺部の塗装ののりが悪く、傷を目立たなくすることが困難となり、又、パテ埋めする場合にあってもパテの固着が不十分となり、その後、エンジン等からの振動を与えられることにより、パテが剥がれ落ちるといった問題が発生するのである。
したがって、現在、シリカガラス膜が自動車ボディ等に形成された自動車における傷を修理する場合にあっては、当該部分及びその周辺をサンダ等の工具を使って研磨し、シリカガラス膜を削り落とした上から塗装するといった修理手段がとられており、その修理に相当の日数と手間がかかる上、熟練を要するものであった。
しかしながら、上述のようにシリカガラス膜の表面硬度は高く、その結果、当該膜を削り落とすことは重労働であるうえ、削り落としたシリカガラス粉を作業者が吸い込むことにより健康を害するといった問題も生ずるのである。
本発明者は、このような問題を解決すべく鋭意・検討を重ねた結果、アルカリ金属水酸化物及び/又はアルカリ金属の酸化物が配合されてなる水溶液を用いれば、サンダ等の工具を使用することなく、基材にコーティングされたシリカガラス膜を極めて簡単に取り除くことができるとの知見を得た。
即ち、この種、シリカガラス膜は、比較的アルカリに弱く、アルカリ金属水酸化物及び/又はアルカリ金属の酸化物が配合されてなる水溶液で処理すれば簡単に溶解し、その後、ふき取ったり、水で洗い流したりするだけで簡単に当該シリカガラス膜を基材表面から取り除くことができるとの知見を得たのである。
そこで、本発明者は、単に、水に溶解されるアルカリ金属水酸化物及び/又はアルカリ金属の酸化物の配合量を増やすと、シリカガラス膜の除去能力は増大することを認識していたが、更に安全性や取扱性に配慮し、アルカリ金属水酸化物及び/又はアルカリ金属の酸化物の配合量を極力少なくすべく、鋭意検討を重ねた結果、この水溶液に対して除膜補助剤を配合することにより、水に溶解されるアルカリ金属水酸化物及び/又はアルカリ金属の酸化物の配合量を少なくしても、シリカガラス膜の除去能力を維持することができるといった知見も得たのである。
本発明は、上記知見に基づき完成されたものであり、廉価で、しかもシリカガラス膜の除去能力が極めて高い上、安全性及び取扱性にも配慮したシリカガラス膜除去用水溶液及びこれを用いたシリカガラス膜の除去方法を提供することを目的とする。
以上の課題を解決する手段である本発明のシリカガラス膜除去用水溶液においては、基材にコーティングされたシリカガラス膜を除去するための水溶液であって、該水溶液には少なくともアルカリ金属水酸化物及び/又はアルカリ金属の酸化物が配合されていることを特徴とするものである。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明のシリカガラス膜除去用水溶液が適用されるシリカガラス膜としては、例えば、シリコーン系、無機系、セラミック系、ゾルゲル系などの俗称で取り扱われているSi−O結合を含むコーティング膜のことをいい、特に、ポリシラザンを用いたシリカガラス膜にあっては、有機成分がほとんど含まれておらず、本発明のシリカガラス膜除去用水溶液の除去能力を十分に発揮できることから一層好適に適用される。
又、このようなシリカガラス膜が形成される基材としては、シリカガラス膜を形成できる材料であれば特に限定されるものではないが、具体的には、例えば金属材料、高分子材料等の公知の材料で形成された二輪車、自動車(ボディやホイール等)、電車又は列車などの車両、飛行機、各種機械器具、合成樹脂基板、船舶、各種建材、感光性ガラス基板、鏡、石材、家具、楽器、仏具、住宅水まわり又はアルミ材等の基材をその代表例として挙げることができる。
そして、本発明は、このような基材にコーティングされたシリカガラス膜を除去するための水溶液であって、この水溶液には少なくともアルカリ金属水酸化物及び/又はアルカリ金属の酸化物が配合されている点に最も大きな特徴を有する。
ここで、「アルカリ金属」とはナトリウムやカリウム等の周期律表におけるアルカリ金属のことをいい、「アルカリ金属水酸化物」とは水酸化リチウムや水酸化ナトリウム更に水酸化カリウム等のアルカリ金属の水酸化物のことをいい、又、「アルカリ金属の酸化物」とは酸化リチウムや酸化ナトリウム更に酸化カリウム等のアルカリ金属の酸化物をいい、いずれも水溶液中において、アルカリ金属イオンと水酸化物イオンが存在している状態になり、その水溶液はアルカリ性を呈する。
そして、本発明に係るシリカガラス膜の除去用水溶液は、当該水溶液中にアルカリ金属水酸化物及び/又はアルカリ金属の酸化物が配合されてなるから、この水溶液にはアルカリ金属イオンと水酸化物イオンが存在している状態になり、このアルカリ性によってシリカガラス膜を溶解除去することができるのである。
本発明において、「アルカリ金属水酸化物及び/又はアルカリ金属の酸化物」とはアルカリ金属水酸化物又はアルカリ金属の酸化物から選ばれた少なくとも1種以上であれば良く、従って、アルカリ金属水酸化物とアルカリ金属の酸化物との組み合わせでも良く、要するに、水溶液中において、アルカリ金属イオンと水酸化物イオンが存在している状態になる。
本発明において、アルカリ金属水酸化物及び/又はアルカリ金属の酸化物の配合割合としては、特に限定されるものではなく、配合割合が低くても、数回にわたって処理すればシリカガラス膜を溶解除去できる一方、配合割合が高くなれば、それに応じてシリカガラス膜の除去能力が高くなり、シリカガラス膜を1回の処理で、しかも短時間(5分以内)で溶解、除去することが認められた。
しかしながら、本発明において、水溶液中のアルカリ金属水酸化物及び/又はアルカリ金属の酸化物の配合割合が高くなれば、当該水溶液の製造時、運搬時、使用時及び保管時のいずれの場合においても、相当の注意を要する上、法律(劇毒物取扱法)上の取扱規制の問題も有るので好ましくない。
このため、本発明においては、アルカリ金属水酸化物及び/又はアルカリ金属の酸化物(A)の配合割合を、水溶液全体に対して0.1〜5重量%とすることが好ましく、この(A)の配合割合が水溶液全体に対して0.1重量%未満と少な過ぎると、シリカガラス膜を除去するためには、長時間にわたって繰り返し処理する必要が生ずるため好ましくなく、一方、前記(A)の配合割合を、水溶液全体に対して5重量%を超えると濃度が高くなり過ぎて、当該水溶液の製造時、運搬時、使用時及び保管時のいずれの場合においても、相当の注意を要する上、法律(劇毒物取扱法)上の取扱規制が生じるので好ましくない。従って、前記(A)の配合割合を、水溶液全体に対して1.5〜4.5重量%とすることが一層好ましく、特に、2.0〜4.0重量%とすることが最も好ましい。
ところで、安全性や取扱性に配慮し、アルカリ金属水酸化物及び/又はアルカリ金属の酸化物の配合割合をできるだけ少なくすることは好ましいことであるが、それに関連してシリカガラス膜の除去能力が低くなることは好ましいことではない。
そこで、本発明者は、この二つの相反する要求を満足すべく、鋭意検討を重ねた結果、更に揮発性溶剤からなる除膜補助剤を水溶液に配合することにより、アルカリ金属水酸化物及び/又はアルカリ金属の酸化物の配合量が少ない場合においてもシリカガラス膜の除去能力を維持することができるとの知見を得たのである。
即ち、本発明者は、本発明に係るシリカガラス膜の除去用水溶液に対して、更に揮発性溶剤からなる除膜補助剤を配合すると、例えば、自動車ボディーにコーティングされたシリカガラス膜の除去作業において、当該自動車ボディー塗布された当該水溶液中の除膜補助剤が速やかに揮散するため、この水溶液における実際のアルカリ金属水酸化物及び/又はアルカリ金属の酸化物の配合割合(アルカリ金属イオンと水酸化物イオンの濃度)が少ない場合にあっても、当該自動車ボディー上に塗布した水溶液中のアルカリ金属水酸化物の事実上の濃度(実際のアルカリ金属イオンと水酸化物イオンの濃度)は高くなり、シリカガラス膜の除去能力を維持することができるのである。
この結果、揮発性溶剤からなる除膜補助剤を更に配合することにより、本発明のシリカガラス膜の除去用水溶液の製造時、運搬時及び保管時においては、アルカリ金属水酸化物及び/又はアルカリ金属の酸化物の濃度を低くして安全性を高めることができる上、この水溶液を基材に塗布後においては、除膜補助剤が速やかに揮散することから、当該水溶液中の事実上のアルカリ金属水酸化物及び/又はアルカリ金属の酸化物の濃度(実際のアルカリ金属イオンと水酸化物イオンの濃度)が高くなり、シリカガラス膜の除去能力を高めることができるのである。
なお、この除膜補助剤としては、シリカガラスの除去作業中に速やかに揮散する揮発性溶剤であれば特に限定されるものではなく、親油性であっても親水性であっても良いが、本発明のシリカガラス膜の除去用水溶液に混和し得る親水性のものが好ましく、具体的には、例えばメチルアルコール、エチルアルコール又はプロピルアルコール等の低級アルコールやアセトン及びメチルエチルケトン等の低級ケトン等を挙げることができるが、特に、安全性や取扱性等の観点から、エチルアルコール、n−プロピルアルコール又はイソプロピルアルコール等から選ばれた少なくとも1種が好ましい。
又、この除膜補助剤(B)の配合割合としては、用いられるアルカリ金属水酸化物及び/又はアルカリ金属の酸化物の種類や配合割合更に求められるシリカガラス膜の除去能力に応じて適宜決定されるものであって、特に限定されるものではないが、一般的には水溶液全体に対して、前記(B)が5〜60重量%となるように配合することが好ましい。
前記(B)の配合割合が水溶液全体に対して5重量%未満と少な過ぎると、所望のシリカガラス膜の除去能力が得られるようにするためにはアルカリ金属水酸化物の配合割合を比較的高くする必要が生ずるため好ましくなく、一方、この(B)の配合割合が水溶液全体に対して60重量%を超えると、火気に対する配慮が必要となって、安全性や取扱性が低下するうえ、コスト高にもなるので好ましくない。従って、前記(B)の配合割合としては、水溶液全体に対して、15〜45重量%となるように配合することが好ましく、特に、20〜40重量%となるように配合することが好ましい。
本発明に係るシリカガラス膜の除去方法においては、前記本発明のシリカガラス膜の除去用溶剤を用いて、基材にコーティングされたシリカガラス膜を除去することを特徴とするものであり、即ち、本発明のシリカガラス膜の除去用溶剤でシリカガラス膜を処理して溶解させ、その後、ふき取ったり、水で洗い流したりすることにより、当該シリカガラス膜を基材表面から取り除くものである。
本発明に係るシリカガラス膜の除去用水溶液においては、前記構成を有し、即ち、基材にコーティングされたシリカガラス膜を除去するための水溶液であって、該水溶液には少なくともアルカリ金属水酸化物が配合されてなるものであり、この種、シリカガラス膜は比較的アルカリに弱く、この水溶液を用いて処理すると、サンダ等の工具を使用することなく、簡単に溶解し、その後、ふき取ったり、水で洗い流したりするだけで簡単に当該シリカガラス膜を基材表面から取り除くことができるなどの効果を有するのである。
又、本発明に係るシリカガラス膜の除去用水溶液においては、水溶液に対して除膜補助剤を配合することにより、水溶液におけるアルカリ金属水酸化物及び/又はアルカリ金属の酸化物の配合割合を少なくしても、シリカガラス膜の除去能力を維持することができる結果、本発明のシリカガラス膜の除去用水溶液の製造時、運搬時及び保管時においては、アルカリ金属水酸化物の濃度を低くして安全性や取扱性を高めることができるのであり、又、基材に塗工後においては、除膜補助剤が速やかに揮散するので、前記水溶液中の実質上のアルカリ金属水酸化物(実際のアルカリ金属イオンと水酸化物イオンの濃度)の濃度が高くなり、シリカガラス膜の除去能力を高めることができるなどの効果を奏するのである。
更に、本発明のシリカガラス膜の除去方法においては、前記本発明のシリカガラス膜の除去用溶剤を用いて、基材にコーティングされたシリカガラス膜を除去することを特徴とするものであり、従って、本発明のシリカガラス膜の除去用溶剤でシリカガラス膜を処理、溶解させ、その後、ふき取ったり、水で洗い流したりすることにより、当該シリカガラス膜を基材表面から簡単に取り除くことができるのである。
以下、本発明のシリカガラス膜の除去用水溶液及びシリカガラス膜の除去方法の実施例を説明するが、本発明はこの実施例に限定されるものではない。
アルカリ金属水酸化物として水酸化ナトリウムを選択し、これを水に溶かし、溶液全体に対して水酸化ナトリウムの濃度が5.0重量%となるように調整することにより、本発明のシリカガラス膜の除去用水溶液を得た。
アルカリ金属水酸化物として水酸化ナトリウムを選択し、これを水に溶かし、溶液全体に対して水酸化ナトリウムの濃度が1.5重量%となるように調整することにより、本発明のシリカガラス膜の除去用水溶液を得た。
アルカリ金属水酸化物として水酸化ナトリウム及び除膜補助剤としてエチルアルコールを選択し、これらを水に溶かし、溶液全体に対して水酸化ナトリウムの濃度が3.5重量%、エチルアルコールの濃度が25重量%となるように調整することにより、本発明のシリカガラス膜の除去用水溶液を得た。
アルカリ金属水酸化物として水酸化ナトリウム及び除膜補助剤としてイソプロピルアルコールを選択し、これらを水に溶かし、溶液全体に対して水酸化ナトリウムの濃度が1.5重量%、イソプロピルアルコールの濃度が25重量%となるように調整することにより、本発明のシリカガラス膜の除去用水溶液を得た。
アルカリ金属水酸化物として水酸化ナトリウム及び除膜補助剤としてイソプロピルアルコールを選択し、これらを水に溶かし、溶液全体に対して水酸化ナトリウムの濃度が0.5重量%、イソプロピルアルコールの濃度が45重量%となるように調整することにより、本発明のシリカガラス膜の除去用水溶液を得た。
実施例1〜5で得られたシリカガラス膜の除去用水溶液を、自動車ボディーにコーティングされたシリカガラス膜の除去に供した。
なお、除去方法については、自動車ボディー上にコーティングされたシリカガラス膜上に、実施例1〜5で得られたシリカガラス膜の除去用水溶液を10ml滴下し、次いで、速やかにへらを用いて約10cm四方の略正方形になるように展延し、2.5分経過後に水洗いすることにより行った。
その結果、実施例1で得られたシリカガラス膜の除去用水溶液を用いた場合にあっては、一回の除去作業によってシリカガラス膜が全て除去されていることが確認された。
又、実施例2で得られたシリカガラス膜の除去用水溶液を用いた場合にあっては、一回の除去作業だけでは、シリカガラス膜が充分に除去されず僅かに残存していることが確認されたが、直ちに軽く拭き取って再度水洗いすることにより、シリカガラス膜が全て除去されることが確認された。
更に、実施例3で得られたシリカガラス膜の除去用水溶液を用いた場合にあっては、一回の除去作業によってシリカガラス膜が全て除去されていることが確認された。
実施例4で得られたシリカガラス膜の除去用水溶液を用いた場合にあっては、一回の除去作業によってシリカガラス膜が全て除去されていることが確認された。
又、実施例5で得られたシリカガラス膜の除去用水溶液を用いた場合にあっては、一回の除去作業だけでは、シリカガラス膜が充分に除去されず僅かに残存していることが確認されたが、直ちに軽く拭き取って再度水洗いすることにより、シリカガラス膜が全て除去されることが確認された。
実施例1及び2の結果より、本発明のシリカガラス膜の除去用水溶液におけるアルカリ金属水酸化物の配合割合が高いほど、シリカガラス膜の除去能力が高くなることが確認された。
又、実施例2及び実施例4の結果より、除膜補助剤を配合することにより、アルカリ金属水酸化物の配合割合が低くても、十分なシリカガラス膜の除去能力が得られることが確認された。

Claims (6)

  1. 基材にコーティングされたシリカガラス膜を除去するための水溶液であって、該水溶液には少なくともアルカリ金属水酸化物及び/又はアルカリ金属の酸化物が配合されていることを特徴とするシリカガラス膜の除去用水溶液。
  2. 基材が、二輪車、自動車、電車又は列車などの車両、飛行機、各種機械器具、合成樹脂基板、船舶、各種建材、感光性ガラス基板、鏡、石材、家具、楽器、仏具、住宅水まわり又はアルミ材である請求項1に記載のシリカガラス膜の除去用水溶液。
  3. アルカリ金属水酸化物及び/又はアルカリ金属の酸化物の配合割合が水溶液全体に対して0.1〜5重量%である請求項1又は2に記載のシリカガラス膜の除去用水溶液。
  4. 除膜補助剤が、更に配合されてなる請求項1ないし3のいずれか1項に記載のシリカガラス膜の除去用水溶液。
  5. 除膜補助剤が、水溶液全体に対して5〜60重量%配合されてなる請求項4に記載のシリカガラス膜の除去用水溶液。
  6. 請求項1ないし5のいずれか1項に記載のシリカガラス膜の除去用水溶液を用いて、基材にコーティングされたシリカガラス膜を除去することを特徴とするシリカガラス膜の除去方法。
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