JP2005047214A - ポリイミドラミネート金属板及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 有機溶媒を含有する接着層を設けることなくポリイミドフィルムを金属板に強固に接着してなるポリイミドラミネート金属板及び金属複合板を提供する。
【解決手段】 金属板の少なくとも一面とポリイミドフィルムとの間にポリアリーレンスルフィドフィルムからなる融着層が介在しているポリイミドラミネート金属板、並びにポリイミドフィルム及びその両面に設けられたポリアリーレンスルフィドフィルムの融着層を介して一対の金属板が一体的に接合されている金属複合板。
【選択図】 なし

Description

本発明は、溶剤型の接着層や熱硬化型の液状接着剤を使用することなく金属板とポリイミドフィルムが強固に接着してなるポリイミドラミネート金属板及びその製造方法に関する。
ポリイミドフィルムは耐熱性、機械的強度、電気的特性等が優れているため、ポリイミドフィルムを用いたフレキシブルプリント板(FPC)は、カメラ、パソコン、液晶ディスプレイ等の電子機器類に広く使用されている。従来ポリイミドフィルムを用いたフレキシブルプリント板(FPC)は、例えばエポキシ樹脂等の液状熱硬化型接着剤を用いて銅箔とポリイミドフィルムを張り合わせることにより製造される。しかしエポキシ樹脂は耐熱性が劣るため、本来のポリイミドの特性を損なうという問題がある。
これに対して、米国特許第4543295号(特許文献1)は、熱融着性ポリイミドを介してポリイミドフィルムと金属箔を加熱加圧することにより融着する方法を提案している。
米国特許第4543295号明細書
しかし特許文献1の方法では、ポリイミドフィルムにポリイミド接着剤(酸無水物及びジアミンを有機溶媒に溶解したもの)を塗布した後で加熱乾燥して熱融着性ポリイミド層を形成するか、ポリイミド接着剤をキャストしてフィルム化した熱融着性ポリイミドフィルムを作製する必要があるため、(1) 有機溶媒の使用により環境汚染の問題があるとともに、(2) 製造工程数が多く、高コストであったという問題もあった。
従って、本発明の第一の目的は、有機溶媒を含有する接着層を設けることなくポリイミドフィルムを金属板に強固に接着してなるポリイミドラミネート金属板及び金属複合板を提供することである。
本発明の第二の目的は、かかるポリイミドラミネート金属板及び金属複合板を製造する方法を提供することである。
上記目的に鑑み鋭意研究の結果、本発明者は、(a) ポリアリーレンスルフィドフィルムが金属板及びポリイミドフィルムのいずれにも強固に融着する性質を有すること、及び(2) ポリアリーレンスルフィドフィルムを単に金属板及びポリイミドフィルムに融着するのではなく、予備熱圧着した後で融着及び急冷を行うと、熱収縮に伴う皺等の欠陥のない高品質なポリイミドラミネート金属板が得られることを発見し、本発明に想到した。
すなわち、本発明のポリイミドラミネート金属板は、金属板の少なくとも一面とポリイミドフィルムとの間にポリアリーレンスルフィドフィルムからなる融着層が介在していることを特徴とする。
本発明のポリイミドラミネート金属板の製造方法は、(1) 金属板の少なくとも一面に順にポリアリーレンスルフィドフィルム及びポリイミドフィルムを重ねて、前記ポリアリーレンスルフィドの融点−60℃〜融点−5℃の温度で予備熱圧着し、(2) 得られた仮圧着体を前記ポリアリーレンスルフィドの融点以上の温度に加熱することにより、前記ポリアリーレンスルフィドフィルムを前記金属板及び前記ポリイミドフィルムの両方に融着させ、次いで(3) 急冷することを特徴とする。
本発明の金属複合板は、ポリイミドフィルム及びその両面に設けられたポリアリーレンスルフィドフィルムの融着層を介して一対の金属板が一体的に接合されていることを特徴とする。
本発明の金属複合板の製造方法は、(1) 一対の金属板の間にポリアリーレンスルフィドフィルム、ポリイミドフィルム及びポリアリーレンスルフィドフィルムを介在させ、(2) 得られた積層体を前記ポリアリーレンスルフィドの融点−60℃〜融点−5℃の温度で予備熱圧着し、(3) 得られた仮圧着体を前記ポリアリーレンスルフィドの融点以上の温度に加熱することにより、前記ポリアリーレンスルフィドの各々を前記ポリイミドフィルム及び前記金属板に融着させ、次いで(4) 急冷することを特徴とする。
前記ポリアリーレンスルフィドフィルムはポリフェニレンスルフィドフィルムであるのが好ましい。ポリアリーレンスルフィドフィルムには多数の微細な貫通孔を設けても良い。
前記ポリアリーレンスルフィドフィルムは実質的に非晶質であるのが好ましい。融着されたポリアリーレンスルフィドフィルムの熱変形率は通常2%以下であるのが好ましい。
前記融着温度はポリアリーレンスルフィドの融点〜融点+100℃の範囲内とするのが好ましく、融点+20℃〜融点+80℃がより好ましく、融点+40℃〜融点+70℃が特に好ましい。
急冷工程はポリアリーレンスルフィドのガラス転移温度未満の温度まで行うのが好ましい。前記融着温度からポリアリーレンスルフィドのガラス転移温度未満の温度までの急冷は3秒以内に行うのが好ましい。融着により得られたポリイミドラミネート金属板及び金属複合板は水中に投入することにより急冷するのが好ましい。
予備熱圧着の前に金属板を140〜280℃に予熱するのが好ましい。予備熱圧着は、(a) ポリイミドラミネート金属板の場合には、金属板、ポリアリーレンスルフィドフィルム及びポリイミドフィルムを、また(b) 金属複合板の場合には、金属板、ポリアリーレンスルフィドフィルム、ポリイミドフィルム、ポリアリーレンスルフィドフィルム及び金属板を一対の加熱加圧ロールの間に通すことにより、各界面に空気が巻き込まれるのを防止しつつ行うのが好ましい。
本発明のポリイミドラミネート金属板は、有機溶媒を含有する接着剤や液状の熱硬化型接着剤等を使用せずにポリイミドフィルムが金属板に強固に接着しているので、有機溶媒を使用せずに環境汚染の問題がないのみならず、製造工程数が少なく低コストである。また予備熱圧着を行うことにより、ポリアリーレンスルフィドフィルムの融着に伴う熱収縮(熱変形)が実質的にないので、皺等の欠陥がなく、金属板に接着したポリイミドフィルムの状態(透明度、表面平滑性等)は極めて良好である。
予備熱圧着と融着との組合せにより、例えば6μmと薄いポリアリーレンスルフィドフィルムでも、熱変形なしに金属板及びポリイミドフィルムに融着することができる。そのため、非常に薄いポリイミドフィルムを金属板に接着する必要がある場合に好適である。
ポリアリーレンスルフィドフィルム自身も良好な耐熱性及び機械的強度を有するので、ポリイミドラミネート金属板又は金属複合板の耐熱性及び機械的強度はポリイミドフィルムに近い。このため本発明のポリイミドラミネート金属板は、フレキシブルプリント板(FPC)等の用途に好適である。
また融着後急冷されたポリアリーレンスルフィドフィルムは、再溶融した後放置すると、結晶化により金属板との接着力を失う。この性質を利用し、ポリイミドラミネート金属板及び金属複合板からポリイミドフィルム及びポリアリーレンスルフィドフィルムを容易に剥離することができ、リサイクルが容易になる。
[1] ポリイミドラミネート金属板
本発明のポリイミドラミネート金属板は、金属板の少なくとも一面とポリイミドフィルムとの間にポリアリーレンスルフィドフィルムの融着層が介在したものである。
(A) フィルム
(1) ポリイミドフィルム
ポリイミド(PI)フィルムは、基本的に芳香族テトラカルボン酸二無水物と芳香族ジアミンとの脱水縮合反応物である。
芳香族テトラカルボン酸二無水物成分としては、例えば、ピロメリット酸二無水物、ブタンテトラカルボン酸二無水物、シクロペンタンテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4-ベンゼンテトラカルボン酸二無水物、2,3,6,7-ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、1,4,5,8-ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、1,2,5,6-ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、3,4,9,10-ペリレンテトラカルボン酸二無水物、2,3,6,7-アントラセンテトラカルボン酸二無水物、1,2,7,8-フェナントレンテトラカルボン酸二無水物、3,3',4,4'-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,2',3,3'-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、3,3',4,4'-ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、2,2',3,3'-ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、2,2-ビス(3,4-ジカルボキシフェニル)プロパン二無水物、2,2-ビス(2,3-ジカルボキシフェニル)プロパン二無水物、ビス(3,4-ジカルボキシフェニル)エーテル二無水物、ビス(2,3-ジカルボキシフェニル)エーテル二無水物、ビス(3,4-ジカルボキシフェニル)スルホン二無水物、ビス(2,3-ジカルボキシフェニル)スルホン二無水物、2,2-ビス(3,4-ジカルボキシフェニル)1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロプロパン二無水物、2,2-ビス(3,4-ジカルボキシフェニル)1,1,1,3,3,3-ヘキサクロロプロパン二無水物、1,1-ビス(2,3-ジカルボキシフェニル)エタン二無水物、ビス(2,3-ジカルボキシフェニル)メタン二無水物、ビス(3,4-ジカルボキシフェニル)メタン二無水物、4,4'-(p-フェニレンジオキシ)ジフタル酸二無水物、4,4'-(m-フェニレンジオキシ)ジフタル酸二無水物、4,4'-ジフェニルスルフィドジオキシビス(4-フタル酸)二無水物、4,4'-ジフェニルスルホンジオキシビス(4-フタル酸)二無水物、メチレンビス-(4-フェニレンオキシ-4-フタル酸)二酸無水物、エチリデンビス-(4-フェニレンオキシ-4-フタル酸)二酸無水物、イソプロピリデンビス-(4-フェニレンオキシ-4-フタル酸)二酸無水物、ヘキサフルオロイソプロピリデンビス-(4-フェニレンオキシ-4-フタル酸)二酸無水物等が挙げられる。
芳香族ジアミン成分としては、例えば、4,4'-ジアミノジフェニルエーテル、ビス[4-(3-アミノフェノキシ)フェニル]スルフィド、ビス[4-(3-アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、ビス[4-(3-アミノフェノキシ)フェニル]ケトン、4,4'-ビス(3-アミノフェノキシ)ビフェニル、2,2-ビス[4-(3-アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、2,2-ビス[4-(3-アミノフェノキシ)フェニル]-1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロプロパン、4,4'-ジアミノジフェニルスルフィド、4,4'-ジアミノジフェニルスルホン、4,4'-ジアミノジフェニルメタン、1,1-ジ(p-アミノフェニル)エタン、2,2-ジ(p-アミノフェニル)プロパン、2,2-ジ(p-アミノフェニル)-1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロプロパン等が挙げられる。
上記芳香族テトラカルボン酸二無水物成分及び芳香族ジアミン成分はそれぞれ一種のみを含んでもよいし、2種以上を含んでもよい。PIフィルムは、例えば東レ・デュボン(株)の「カプトン」や、鐘渕化学工業(株)の「アピカル」や、宇部興産(株)の「ユーピレックス」や、三菱樹脂(株)の「ダイアラミー」等を挙げることができる。
PIフィルムとしては、下記一般式(1):
Figure 2005047214
(但しnは重合度を示す。)により表されるような、ピロメリット酸二無水物と4,4'-ジアミノジフェニルエーテルとの脱水縮合反応物を主成分とするものが好ましい。かかる脱水縮合反応物は、その熱膨張係数が銅の熱膨張係数とほぼ同じであるので、得られるポリイミドラミネート金属板のカールを防止することができる。さらにかかる脱水縮合反応物は、ポリアリーレンスルフィドフィルムによる熱融着性が比較的良好であり、耐ハンダ耐熱性、可撓性等にも優れている。
(2) ポリアリーレンスルフィドフィルム
ポリアリーレンスルフィド(PAS)フィルムは、下記一般式(2):

−(Ar−S)m − ・・・(2)

[ただし、−Ar−は下記一般式(a)〜(l):
Figure 2005047214
(ただし式中のR1,R2は、水素、アルキル基、アルコキシ基及びハロゲン基からなる群から選ばれた置換基であり、R1とR2は同一であっても異なっていてもよい)のいずれかにより表される二価の芳香族基を示し、mは重合度を示す。]により表される繰り返し単位を主要構成単位とするホモポリマー又はコポリマーからなる。
PASフィルムのうち、下記一般式(3):
Figure 2005047214
(但しmは上記式(2)と同じである)により表される繰り返し単位を有するポリフェニレンスルフィド(PPS)フィルムが好ましい。
PPSフィルムは、上記一般式(3)により表されるp-フェニレン単位以外に上記一般式(a)〜(l)のいずれかにより表される二価の芳香族基を共重合成分として含むことができる。PPSフィルムは上記一般式(3)により表されるp-フェニレン単位を70モルパーセント以上含むのが好ましく、90モルパーセント以上含むのがより好ましい。
PPSフィルムの市販品としては、例えば東レ(株)製「トレリナ」(商品名)、大日本インキ化学工業(株)製「DIC・PPS」(商品名)、旭硝子(株)製「ASAHI PPS」(商品名) 、東ソー・サスティール(株)製「サスティール」(商品名)等が挙げられる。PPSフィルムとしては、2層のPPSフィルム間にポリエステルフィルムを挟んだ積層構成としたものも使用可能である。そのような積層フィルムとして東レ(株)製「トレリナ"TLT"」(商品名)が挙げられる。
PPSフィルムは、一般に約285℃の融点及び約88〜90℃のガラス転移温度を有する。なお融点はASTM D4591により測定することができ、ガラス転移温度はJIS K7121により測定することができる(以下同じ)。
(3) その他の添加成分
PIフィルム及びPASフィルムは、単一樹脂成分からなるものに限定されず、複数の樹脂成分からなるものでもよい。樹脂成分の組合せとしては、複数のポリイミド樹脂や、複数のポリアリーレンスルフィド樹脂の組合せの他に、一種又は二種以上のポリイミド樹脂や、一種又は二種以上のポリアリーレンスルフィド樹脂に本発明の効果を阻害しない範囲で他の熱可塑性樹脂を添加したものが挙げられる。他の熱可塑性樹脂としては、PAS(PI樹脂に添加することができる);PI(PAS樹脂に添加することができる);ポリアミド(PA);ポリアミドイミド(PAI);ポリエーテルサルフォン(PES);ポリエーテルエーテルケトン(PEEK);ポリカーボネート;ポリウレタン;フッ素樹脂;ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン;ポリ塩化ビニル;熱可塑性エラストマー等を挙げることができる。
他の熱可塑性樹脂を含有する場合、その割合はPIフィルム全体又はPASフィルム全体を100質量%として、5〜20 質量%であるのが好ましく、5〜15 質量%であるのがより好ましく、5〜10 質量%であるのが特に好ましい。従って特に断りがない限り、本明細書において使用する用語「PIフィルム」及び「PASフィルム」はそれぞれ、PI又はPASの単体のみならず、PI又はPAS+他の熱可塑性樹脂からなる組成物を含むものと理解すべきである。
PIフィルム及びPASフィルムは、ポリイミドラミネート金属板の用途に応じて、可塑剤、酸化肪止剤や紫外線吸収剤等の安定剤、帯電防止剤、界面活性剤、染料や顔料等の着色剤、流動性の改善のための潤滑剤、無機充填剤、導電性改良剤等の添加剤を適宜含有しても良い。
(4) フィルムの厚さ
PIフィルム及びPASフィルムの厚さに特に制限はないが、実用的には約5〜50μmとするのが好適である。PIフィルム及びPASフィルムの厚さを約5μm未満とするのは技術的に困難であり、コスト高になる。またPIフィルム又はPASフィルムの厚さを約50μm超にすると、フィルム価格が高騰するため、得られるポリイミドラミネート金属板の用途が限られる。
(5) 印刷
PIフィルムには、必要に応じて文字及び/又は図柄を印刷してもよい。PIフィルムに印刷層を設ける場合、予めグラビア印刷、インクジェット印刷等により文字及び/又は図柄を設けておく。印刷層はPIフィルムの片面及び両面のいずれに設けてもよいが、耐擦性の観点から印刷層を金属板と接する側に設けるのが好ましい。
印刷インキとしては、アクリル樹脂系、ポリエステル樹脂系、ポリウレタン樹脂系等のベース熱可塑性樹脂に顔料や種々の添加剤を配合したものを用いることができる。二液型ポリウレタン樹脂系の印刷インキは耐水性に優れている。金属板への融着時にPASフィルムと近い時点で溶融するように、PAS樹脂と極力近い融点を有するベース熱可塑性樹脂を含むインキが好ましい。
(B) 金属板
PIフィルムを融着する金属板は特に限定されず、用途に応じて種々選択することができる。例えばフレキシブルプリント板(FPC)を作製する場合、金属板として銅箔、アルミニウム箔を使用するのが好ましい。銅箔としては公知の圧延銅箔又は特殊電解銅箔が好ましい。またOA機器や家電製品等の電気製品を作製する場合、銅板、鋼板又はアルミニウム板等を使用するのが好ましい。さらに電車や乗用車等の車両用のプラスチックラミネート金属板を作製する場合には、鋼板、ステンレススチール板、アルミニウム板等を使用するのが好ましい。さらに食料又は飲料用の缶を作製する場合、鋼板又はアルミニウム板を使用するのが好ましい。金属板(箔)の厚さは用途に応じて適宜選択することができる。
鋼板として、例えば亜鉛めっき鋼板、クロムめっき鋼板等のめっき鋼板を使用しても良い。また鋼板(又はめっき鋼板)の表面に公知の化成皮膜を形成しても良い。
[2] ポリイミドラミネート金属板の製造方法
図1は、本発明のポリイミドラミネート金属板を製造するための装置の一例を示す概略側面図である。但し、本発明はこの製造方法に限定されるものではない。
まずリール10から巻き戻した金属板1をヒーター40,40’により180〜240℃に予熱する。予熱した金属板1と、リール20から巻き戻したPPSフィルム2と、リール30から巻き戻したPIフィルム3とを、上からPIフィルム3/PPSフィルム2/金属板1の順に重なるように、加熱加圧ロール41,42の間に通し、予備熱圧着する。図1の例では、加熱加圧ロール41,42の後段にもう一対の加熱加圧ロール43,44を設けている。加熱加圧ロール43,44の追加により、予備熱圧着を確実に行うことができるが、これは必須ではない。加熱加圧ロール41〜44はいずれも鏡面仕上げしたものが好ましい。例えば、加熱ロール41〜44を240〜275℃とするのが好ましい。一般的に金属板1はPIフィルム3よりも熱伝導度が高いので、PPSフィルム2が均一に加熱されるよう、必要に応じて加熱加圧ロール41,43の温度と、加熱加圧ロール42,44の温度とが異なるように設定してもよい。
得られた仮圧着体11をヒーター45,45’によりPPSの融点〜融点+100℃の温度に加熱し、PPSフィルム2を金属板1及びPIフィルム3に融着させる。融着した積層体12は、加熱ガイドロール46を経て水浴47中を通過させる。水浴47中を通過中に、PPSフィルム2は急冷される。急冷工程はガラス転移温度超の温度で終了しても、PPSフィルム2の結晶化が非常に少ないので構わないが、実用的にはガラス転移温度未満の温度(通常水温)まで行うのが好ましい。得られたポリイミドラミネート金属板は、ガイドロール48を経て乾燥器49で乾燥し、室温でリール13に巻き取る。以下、図1の装置に限定されず、本発明の方法の各工程について詳述する。
(A) フィルムの予備処理又は加工
(1) コロナ放電処理
PIフィルム3及びPASフィルム2にコロナ放電処理を施しておけば、金属板への熱圧着強度、融着強度及びフィルム間の融着強度が向上するので好ましい。
(2) 微細孔加工
PIフィルム3及びPASフィルム2を金属板に予備熱圧着する際に、各層の間に空気が巻き込まれても排出できるように、予めPASフィルム2の全面に微細な貫通孔を形成してもよい。PIフィルム3にも微細な貫通孔を形成して良いが、PIフィルム3の表面性が重要な場合、微細な貫通孔を形成しない。微細孔は0.5〜100μmの平均開口径を有し、かつ分布密度は約500個/cm2以上であるのが好ましい。微細孔の分布密度が約500個/cm2未満であると、空気溜まりの発生防止が不十分である。
PIフィルム3やPASフィルム2に微細孔を形成するには、例えば特許第2071842号や特開2002-059487号に開示の方法を採用することができる。例えば特許第2071842号に開示の方法を利用すると、鋭い角部を有する多数のモース硬度5以上の粒子が表面に付着した第一ロールと、表面が平滑な第二ロールとの間にPIフィルム又はPASフィルムを通過させるとともに、各ロール間を通過するPIフィルム又はPASフィルムへの押圧力を各ロールと接触するフィルム面全体に亘って均一となるように調節することにより、第一ロール表面の多数の粒子の鋭い角部でPIフィルム又はPASフィルムに上記微細孔を多数形成することができる。第二ロールとしては、例えば鉄系ロール、表面にNiメッキ、Crメッキ等を施した鉄系ロール、ステンレス系ロール、特殊鋼ロール等を用いることができる。
(B) 金属板の予熱
PIフィルム3/PASフィルム2/金属板1の予備熱圧着が容易になるように、金属板1を所定の温度に予熱するのが好ましい。金属板1の予熱温度は、PASフィルムの融点に応じて調整するが、一般に140〜280℃であれば良い。例えばPPSフィルムを使用する場合、金属板1の予熱温度は180〜240℃が好ましい。
(C) 予備熱圧着
予備熱圧着温度は、PASフィルムの融点に応じて設定する。具体的には、予備熱圧着温度は、PPSフィルムの場合、融点−60℃〜融点−5℃が好ましく、融点−30℃〜融点−10℃がより好ましい。予備熱圧着温度に保持する時間は通常2〜10分間でよい。
PASフィルムを上記予備熱圧着温度に加熱すると、PAS樹脂に粘着性が発現し、熱圧着が可能となる。なお上記予備熱圧着温度の上限を超える温度までPASフィルムを加熱すると、PASフィルムは加熱加圧ロール41,42を通過中に切断され易くなる。
予備熱圧着工程における圧力は、2MPa以上であるのが好ましく、2.0〜20 MPaであるのがより好ましい。2MPa未満の圧力では、実質的に予備熱圧着することができず、後の融着工程でPASフィルムに熱変形が生じる恐れがある。また20 MPa超の圧力にしても、熱圧着効果は飽和する。
予備熱圧着工程により、金属板とPASフィルムの間、及びPASフィルムとPIフィルムの間に空気が巻き込まれることなく、金属板/PASフィルム/PIフィルムが融着工程で変位しない程度に熱圧着された仮圧着体が得られる。空気を巻き込まないので、PIフィルム面にブリスターがないきれいなフィルム面が得られるのみならず、PASフィルムと金属板及びPIフィルムとの接着強度が大きい。
また仮圧着体のPASフィルムには溶融・急冷による熱収縮が実質的になく、従って熱変形も実質的にない。これは、熱収縮力より圧着力の方が大きいためであると考えられる。従って、後続の融着工程で仮圧着体を加圧しなくても、PASフィルムは変位なしに金属板及びPIフィルムに強固に融着する。このためPASフィルムに印刷層を設けた場合には、印刷層が歪むことはない。
(D) 融着工程
融着工程では、仮圧着体をPASフィルムの融点以上に加熱する。融着温度はPAS樹脂の融点〜融点+100℃が好ましく、融点+20℃〜融点+80℃がより好ましく、融点+40℃〜融点+70℃が特に好ましい。融着温度でPASフィルムは溶融状態になり、金属板及びPIフィルムに融着する。融着時間は通常30秒間〜10分間でよい。なお融着工程中加圧は必要ないが、1〜10 MPa 程度に加圧しても構わない。
(E) 急冷工程
融着した積層体を急冷することにより、PASフィルムの非晶質化を達成する。非晶質化を確実にするために、急冷工程をほぼ融着温度からPAS樹脂のガラス転移温度未満の温度まで3秒以内に行うのが好ましく、1秒以内に行うのがより好ましい。PASフィルムは融着温度から急冷しないと結晶化し、金属板及びPIフィルムに対する接着性を失う。急冷は種々の手段で行うことができるが、水等の冷媒中に投入するのが、簡便で好ましい。その他に、十分に低温の冷気を吹き当てたり、冷却ロールに接触させたりしても良い。例えば図1に示す水浴47の場合、水の温度を20℃以下とするのが好ましく、氷水浴とするのがより好ましい。
以上長尺の金属板を用いて、ポリイミドラミネート金属板を連続生産する方法について説明したが、所定サイズの金属板を用いてバッチ式に製造することもできる。バッチ式の場合、予備熱圧着工程ではプレス機を用い、融着工程では加熱炉を用いることができる。
本発明の方法により得られたポリイミドラミネート金属板において、PASフィルムは実質的に熱収縮(熱変形)することなく金属板に強固に融着しており、PASフィルムの熱変形率は2%以下、特に1%以下と小さい。そのため、ポリイミドラミネート金属板のフィルム表面性状は非常に良好である。
[3] 金属複合板及びその製造方法
本発明の金属複合板は、PIフィルム及びその両面に設けられたPASフィルムを介して一対の金属板が一体的に融着された構造を有するが、金属板/PASフィルム/PIフィルムの融着状態はポリイミドラミネート金属板と同じである。従って、ポリイミドラミネート金属板と異なる事項についてのみ、以下詳述する。特に説明のないものについては、ポリイミドラミネート金属板と同じ良い。なお本発明の金属複合板は一対の金属板を有するが、金属複合板を積層することにより三枚以上の金属板を有する金属複合板にしても良い。
一対の金属板は同種であっても、異種であってもよく、用途に応じて適宜選択することができる。例えばアルミニウム板と銅板をろう付けの代わりにPASフィルム/PIフィルム/PASフィルムにより接着することができる。
本発明の金属複合板は、強度、軽量性及び耐熱性を備えているので、例えばエレベータのかご室パネルや扉、建築用パネル、車両用パネル、船舶用パネル、航空機用パネル等に有用である。また本発明の金属複合板はフレキシブルプリント配線板(FPC)にも使用することができる。
本発明を以下の実施例によってさらに詳細に説明するが、本発明はそれらに限定されるものではない。
アルミニウム板:0.3 mm×20 mm×180 mm。
ポリフェニレンスルフィドフィルム:二軸延伸PPSフィルム[厚さ:25μm、融点:285℃、ガラス転移温度:90℃、商品名:「トレリナ」(東レ(株)製)]。
ポリイミドフィルム:二軸延伸PIフィルム[厚さ:12μm、融点:なし、ガラス転移温度:280℃以上、商品名:「カプトンH」(東レ・デュボン(株)製)]。
一面に1cm間隔の直線からなる格子模様を印刷した上記PPSフィルムの上に上記PIフィルムを重ねた。これらをPPSフィルムを下にして、200℃に予熱したアルミニウム板の上に載置し、プレス機を用いて270℃の温度及び5MPaの圧力で5分間予備熱圧着した。
得られた仮圧着体において、PPSフィルムはアルミニウム板及びPIフィルムの両方に密着しており、それらの界面に空気の巻き込みは全く認められなかった。この仮圧着体を電気オーブンに入れ、350℃(設定温度)に8分間保持し、PPSフィルムを溶融させて、それぞれアルミニウム板及びPIフィルムに融着させた。得られた積層体を電気オーブンから取り出し、直ちに20℃の水に投入し、3秒以内に積層体の温度をPPSのガラス転移温度未満とした。
得られたポリイミドラミネートアルミニウム板のフィルム層は優れた透明性及び表面平滑性を有していた。また表面のPIフィルムのために、高い硬度を有していた。融着したPPSフィルム上の格子模様を構成する線の変形率を測定したところ、0.5%未満であった。なお変形率は、格子模様を構成する線の任意の2点を結ぶ直線とその線との最大距離を前記直線の長さで割った値の最大値により求めた。
PPSフィルム/アルミニウム板の界面及びPPSフィルム/PIフィルムの界面に空気の巻き込みは全く認められなかった。またポリイミドラミネートアルミニウム板を繰り返し折り曲げたところ、アルミニウム板は破壊したが、PPSフィルムのアルミニウム板及びPIフィルムからの剥離は全くなかった。
以上の実験結果から、以下のことが分かった。
(1) PPSフィルムは融着後の急冷により非晶質化すると透明となり、かつアルミニウム板及びPIフィルムに強固に接着する。
(2) PPSフィルムをアルミニウム板及びPIフィルムに対して予備熱圧着した後に融着するので、PPSフィルムは融着・急冷によりほとんど熱収縮(熱変形)しない。
(3) PPSフィルムをアルミニウム板及びPIフィルムに対して予備熱圧着した後に融着するので、これらの界面への空気の巻き込みがない。
厚さが0.1 mmのアルミニウム板を用い、電気オーブン中での保持時間を5分間とした以外は実施例1と同様にして、ポリイミドラミネートアルミニウム板を作製した。
得られたポリイミドラミネートアルミニウム板のフィルム層は優れた透明性及び表面平滑性を有していた。また表面のPIフィルムのために、高い硬度を有していた。融着したPPSフィルム上の格子模様を構成する線の変形率を測定したところ、0.5%未満であった。
PPSフィルム/アルミニウム板の界面及びPPSフィルム/PIフィルムの界面に空気の巻き込みは全く認められなかった。またポリイミドラミネートアルミニウム板を繰り返し折り曲げたところ、アルミニウム板は破壊したが、PPSフィルムのアルミニウム板及びPIフィルムからの剥離は全くなかった。
20μm×20 mm×180 mmのアルミニウム箔を用い、電気オーブン中での保持時間を3.5分間とした以外は実施例1と同様にして、ポリイミドラミネートアルミニウム板を作製した。
得られたポリイミドラミネートアルミニウム板のフィルム層は優れた透明性及び表面平滑性を有していた。また表面のPIフィルムのために、高い硬度を有していた。融着したPPSフィルム上の格子模様を構成する線の変形率を測定したところ、0.5%未満であった。
PPSフィルム/アルミニウム板の界面及びPPSフィルム/PIフィルムの界面に空気の巻き込みは全く認められなかった。またポリイミドラミネートアルミニウム板を繰り返し折り曲げたところ、アルミニウム板は破壊したが、PPSフィルムのアルミニウム板及びPIフィルムからの剥離は全くなかった。
比較例1
融着した積層体をほぼ融着温度のまま電気オーブンから取り出した後に室温まで放冷した以外は実施例1と同様にして、ポリイミドラミネートアルミニウム板を作製した。PPSフィルムは若干白濁しており、非晶質化していないことが分かる。また実施例1と同じポリイミドラミネートアルミニウム板の破壊試験をしたところ、破壊部においてPPSフィルム層のアルミニウム板からの剥離が生じた。これから、融着後に急冷しないと、PPSフィルムがアルミニウム板に強固に接着しないことが分かる。
比較例2
融着した積層体をほぼ融着温度のまま電気オーブンから取り出した後、100℃の熱水に浸漬した以外は実施例1と同様にして、ポリイミドラミネートアルミニウム板を作製した。得られたポリイミドラミネートアルミニウム板を実施例1と同様にして破壊したところ、破壊部においてPPSフィルム層のアルミニウム板からの剥離が生じた。これから、融着後の冷却速度も遅いと、PPSフィルムが十分にアルミニウム板に融着しないことが分かる。
比較例3
電気オーブンの設定温度を250℃とした以外は実施例1と同様にして、ポリイミドラミネートアルミニウム板を作製した。得られたポリイミドラミネートアルミニウム板を実施例1と同様にして破壊したところ、破壊部においてPPSフィルム層のアルミニウム板からの剥離が生じた。これから、PPSフィルムの融点以上に加熱しないと、PPSフィルムはアルミニウム板に融着しないことが分かる。
比較例4
予備熱圧着をせずに、PPSフィルム及びPIフィルムを直接アルミニウム板上に載置した状態で融着処理を行った以外は実施例1と同様にして、ポリイミドラミネートアルミニウム板を作製した。得られたポリイミドラミネートアルミニウム板のPPSフィルム層は著しく熱収縮しており、PPSフィルム上の格子模様も著しく変形していた。その上、PPSフィルムは部分的にアルミニウム板に融着していなかった。これから、融着工程前に予備熱圧着を行わないと、熱変形なく均一にPPSフィルムをアルミニウム板に融着させることはできないことが分かる。
ポリイミドラミネート金属板を製造するための装置の一例を示す概略側面図である。
符号の説明
1・・・金属板
11・・・仮圧着体
12・・・融着された積層体
13・・・ポリイミドラミネート金属板を巻いたリール
2・・・PAS(PPS)フィルム
20・・・PAS(PPS)フィルムを巻いたリール
3・・・PIフィルム
30・・・PIフィルムを巻いたリール
40, 40', 45, 45'・・・ヒーター
41, 42, 43, 44・・・加熱ロール
46, 48・・・ガイドロール
47・・・水浴
49・・・乾燥器

Claims (24)

  1. 金属板の少なくとも一面とポリイミドフィルムとの間にポリアリーレンスルフィドフィルムからなる融着層が介在していることを特徴とするポリイミドラミネート金属板。
  2. 請求項1に記載のポリイミドラミネート金属板において、前記ポリアリーレンスルフィドフィルムがポリフェニレンスルフィドフィルムであることを特徴とするポリイミドラミネート金属板。
  3. 請求項1又は2に記載のポリイミドラミネート金属板において、前記ポリアリーレンスルフィドフィルムが実質的に非晶質であることを特徴とするポリイミドラミネート金属板。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載のポリイミドラミネート金属板において、融着された前記ポリアリーレンスルフィドフィルムの熱変形率が2%以下であることを特徴とするポリイミドラミネート金属板。
  5. ポリイミドラミネート金属板を製造する方法であって、(1) 金属板の少なくとも一面に順にポリアリーレンスルフィドフィルム及びポリイミドフィルムを重ねて、前記ポリアリーレンスルフィドの融点−60℃〜融点−5℃の温度で予備熱圧着し、(2) 得られた仮圧着体を前記ポリアリーレンスルフィドの融点以上の温度に加熱することにより、前記ポリアリーレンスルフィドフィルムを前記金属板及び前記ポリイミドフィルムの両方に融着させ、次いで(3) 急冷することを特徴とする方法。
  6. 請求項5に記載のポリイミドラミネート金属板の製造方法において、前記急冷工程を前記ポリアリーレンスルフィドのガラス転移温度未満の温度まで行うことを特徴とする方法。
  7. 請求項5又は6に記載のポリイミドラミネート金属板の製造方法において、前記ポリアリーレンスルフィドフィルムとしてポリフェニレンスルフィドフィルムを使用することを特徴とする方法。
  8. 請求項5〜7のいずれかに記載のポリイミドラミネート金属板の製造方法において、前記融着温度を前記ポリアリーレンスルフィドの融点〜融点+100℃の範囲内とすることを特徴とする方法。
  9. 請求項5〜8のいずれかに記載のポリイミドラミネート金属板の製造方法において、前記融着温度から前記ポリアリーレンスルフィドのガラス転移温度未満の温度まで3秒以内に急冷することを特徴とする方法。
  10. 請求項9に記載のポリイミドラミネート金属板の製造方法において、融着により得られたポリイミドラミネート金属板を水中に投入することにより急冷することを特徴とする方法。
  11. 請求項5〜10のいずれかに記載のポリイミドラミネート金属板の製造方法において、前記予備熱圧着工程の前に前記金属板を140〜280℃に予熱することを特徴とする方法。
  12. 請求項5〜11のいずれかに記載のポリイミドラミネート金属板の製造方法において、前記金属板と前記ポリアリーレンスルフィドフィルムと前記ポリイミドフィルムとを一対の加熱加圧ロールの間に通すことにより、各界面に空気が巻き込まれるのを防止しつつ予備熱圧着を行うことを特徴とする方法。
  13. 請求項5〜12のいずれかに記載のポリイミドラミネート金属板の製造方法において、前記ポリアリーレンスルフィドフィルムとして多数の微細な貫通孔を有するポリアリーレンスルフィドフィルムを使用することを特徴とする方法。
  14. ポリイミドフィルム及びその両面に設けられたポリアリーレンスルフィドフィルムの融着層を介して一対の金属板が一体的に接合されていることを特徴とする金属複合板。
  15. 請求項14に記載の金属複合板において、前記ポリアリーレンスルフィドフィルムがポリフェニレンスルフィドフィルムであることを特徴とする金属複合板。
  16. 請求項14又は15に記載の金属複合板において、前記ポリアリーレンスルフィドフィルムが実質的に非晶質であることを特徴とする金属複合板。
  17. 請求項14〜16のいずれかに記載の金属複合板において、融着した前記ポリアリーレンスルフィドフィルムの熱変形率が2%以下であることを特徴とする金属複合板。
  18. 請求項14〜17のいずれかに記載の金属複合板を製造する方法において、(1) 一対の金属板の間にポリアリーレンスルフィドフィルム、ポリイミドフィルム及びポリアリーレンスルフィドフィルムを介在させ、(2) 得られた積層体を前記ポリアリーレンスルフィドの融点−60℃〜融点−5℃の温度で予備熱圧着し、(3) 得られた仮圧着体を前記ポリアリーレンスルフィドの融点以上の温度に加熱することにより、前記ポリアリーレンスルフィドの各々を前記ポリイミドフィルム及び前記金属板に融着させ、次いで(4) 急冷することを特徴とする方法。
  19. 請求項18に記載の金属複合板の製造方法において、前記急冷工程を前記ポリアリーレンスルフィドのガラス転移温度未満の温度まで行うことを特徴とする方法。
  20. 請求項18又は19に記載の金属複合板の製造方法において、前記融着温度を前記ポリアリーレンスルフィドの融点〜融点+100℃の範囲内とすることを特徴とする方法。
  21. 請求項18〜20のいずれかに記載の金属複合板の製造方法において、前記融着温度から前記ポリアリーレンスルフィドのガラス転移温度未満の温度まで3秒以内に急冷することを特徴とする方法。
  22. 請求項21に記載の金属複合板の製造方法において、融着により得られた複合板を水中に投入することにより急冷することを特徴とする方法。
  23. 請求項18〜22のいずれかに記載の金属複合板の製造方法において、前記予備熱圧着工程の前に前記金属板を140〜280℃に予熱することを特徴とする方法。
  24. 請求項18〜23のいずれかに記載の金属複合板の製造方法において、金属板、ポリアリーレンスルフィドフィルム、ポリイミドフィルム、ポリアリーレンスルフィドフィルム及び金属板を一対の加熱加圧ロールの間に通すことにより、各界面に空気が巻き込まれるのを防止しつつ予備熱圧着を行うことを特徴とする方法。
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WO2023145135A1 (ja) * 2022-01-28 2023-08-03 信越ポリマー株式会社 積層体、及び該積層体を有する金属張積層板

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