JP2005047105A - 内面ライニング鋼管及びその製造方法 - Google Patents

内面ライニング鋼管及びその製造方法 Download PDF

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JP2005047105A
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Keiji Sugawara
啓司 菅原
Masahito Kaneko
雅仁 金子
Akihiko Furuta
彰彦 古田
Nozomi Mitsusaka
望 三坂
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Abstract

【課題】給水、給湯、空調、排水等に用いられる配管において、耐塩素水性、耐冷熱水サイクル性、耐ウォーターハンマー性、溶出性、低温衝撃性に優れた内面ライニング鋼管及びその製造方法を提供する。
【解決手段】鋼管の内面にライニング層を有する内面ライニング鋼管において、前記ライニング層は、ポリスチレン系樹脂と、エラストマー及びゴム成分のうちの少なくとも一方の添加材と、金属酸化物とを含み、前記ポリスチレン系樹脂100質量部に対して、前記エラストマー及びゴム成分のうちの少なくとも一方の添加剤を合計で3質量部以上50質量部以下含有し、且つ前記金属酸化物を0.1質量部以上5質量部以下含有する樹脂組成物からなる内面ライニング鋼管。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、給水、給湯、空調、排水等の配管等に使用される、内側に水が流れる内面樹脂ライニング鋼管に関し、特に、効率的な方法で製造され、かつ、長期性能の優れた内面樹脂ライニング鋼管およびその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、給水、給湯、排水等に使われる配管は、耐食性等の改善のために、ポリエチレン樹脂粉体等を化成処理、プライマー処理等の表面処理が施された鋼管の内面に加熱した状態で粉体塗装することで内面ライニング層を形成するといった方法が用いられているが、この粉体塗装法は、生産効率の面で優れるものではなく、また、防食性能の低下につながるピンホール等が発生しやすい、また厚膜化が困難であるなどの問題があった。
【0003】
また、形状復元性を有することが知られている塩ビ樹脂を用い、形状復元性を付与した、鋼管の内径より小さなパイプを作製、鋼管内で加熱復元させることにより拡径し、鋼管内面に貼り付ける方法が知られており、この方法は非常に生産性も高く、塩ビ樹脂の価格も安価であるため、従来より給水用内面樹脂ライニング鋼管の主流になっている。しかし塩化ビニル樹脂は、耐衝撃性、特に低温での耐衝撃性が低く、給水・給湯管として寒冷地で使用する際、及び施工時の屋外放置の際などにライニング層にダメージを受ける場合があるなどの問題があり、さらに、近年は、塩化ビニル樹脂の廃却の際の有害物の発生、塩化ビニル樹脂処理ルートにのせるための鋼管と塩化ビニル樹脂の分離など処理の負荷が大きく、環境負荷の大きい材料との認識のもとに、その使用は制限されてきている。
【0004】
また、架橋ポリエチレン管に形状復元性を付与し、鋼管内で加熱復元することにより拡径しライニングする方法も知られているが、架橋剤からの溶出成分があるため水道水の衛生性を確保できないなどの問題があった(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
また、上記問題のないものとして、ポリエチレン管に形状復元性を付与し鋼管の内面ライニングをする方法も開示されているが(例えば、特許文献2参照)、本発明者らの検討によれば、給水、給湯用として長期耐久性の点で信頼性の劣るものであった。
【0006】
また、防食性能の高いものとして、ガス管などに用いられる外面被覆鋼管のための外面被覆材料として様々なものが知られているが、いずれも本目的には充分な性能を有さない。たとえば、フッ素樹脂(例えば、特許文献3参照)、ポリエーテルエーテルケトン樹脂(例えば、特許文献4参照)が知られているが、これらはいずれも樹脂価格が高く、さらに効率の低い粉体塗装や高温での焼付け工程が必要などかなり使用に制限が加わるものである。また、ポリフェニレンスルフィド樹脂(例えば、特許文献5参照)、及びナイロンなどポリアミド樹脂(例えば、特許文献6参照)などは給水用、特に給湯用の内面ライニング鋼管とした場合、性能に問題がある。
【0007】
【特許文献1】
特開2001−9912号公報(第2〜3頁)
【0008】
【特許文献2】
特開2002−257265号公報(第2〜4頁、図1)
【0009】
【特許文献3】
特開平8−300554号公報(第2〜3頁)
【0010】
【特許文献4】
特開平4−50585号公報(第2〜3頁)
【0011】
【特許文献5】
特開平7−329240号公報(第2〜5頁、表1、図1〜図4)
【0012】
【特許文献6】
特開平8−294994号公報(第2〜4頁、図1)
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
給水、給湯用に使用される配管の内面ライニング層に求められる性能は、通常の被覆材料に求められる性能とは全く異なり、耐塩素水性、耐冷熱水サイクル性、耐ウォーターハンマー性、溶出性、低温衝撃性などが求められる。
【0014】
例えば、耐塩素水性が低いと水道水中に添加されている塩素により内面ライニング層が劣化し、剥離やツマリなどの原因となる。また、耐冷熱水サイクル性が低いと、水とお湯の切替や、常温に冷えている配管内にお湯が流れ込む回数が長年使用で多くなった時点で、内面ライニング層が変形したり、クラックが入ったりする結果、水と直接触れた鋼管内面部分が錆びて赤水が蛇口より供給されることになってしまう。
【0015】
耐ウォーターハンマー性が低いと、蛇口を止めた瞬間に管内に生じる負圧により、ライニング層の剥離、ツマリなどが起きる。また、通常、過マンガン酸カリウム消費量で定量される溶出性が高いと、水道水中に溶け出す有機物の量が多いことを意味し、衛生性に悪い。
【0016】
また、低温衝撃性が悪いと、寒冷地での施工、及び使用において、内面ライニング層がダメージを受けツマリ、赤水発生などの原因となる。
【0017】
さらに、内面ライニングは、鋼板の被覆や、鋼管の外面被覆に比べ行いにくく、効率的な内面ライニング方法に適用可能な事も重要である。
【0018】
上述したように従来はこれら全てを満足する手段はなく、それらを解決できる手法が望まれていた。
【0019】
本発明は上記の課題を解決するためになされたものであって、給水、給湯、空調、排水等に用いられる配管において、耐塩素水性、耐冷熱水サイクル性、耐ウォーターハンマー性、溶出性、低温衝撃性に優れた内面ライニング鋼管及びその製造方法を提供することを目的とする。
【0020】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、給水・給湯等に用いられる配管の内面ライニングに要求される上記諸特性に関して鋭意研究した結果、以下の方法により上記課題を解決でき、給水、給湯用として充分な性能を有する内面樹脂ライニング鋼管を提供できることが判明した。
【0021】
本発明に係る内面ライニング鋼管は、鋼管の内面にライニング層を有する内面ライニング鋼管において、前記ライニング層は、ポリスチレン系樹脂と、エラストマー及びゴム成分のうちの少なくとも一方の添加材と、金属酸化物とを含み、前記ポリスチレン系樹脂100質量部に対して、前記エラストマー及びゴム成分のうちの少なくとも一方の添加剤を合計で3質量部以上50質量部以下、且つ前記金属酸化物をポリスチレン系樹脂100質量部に対して0.1質量部以上5質量部以下含有する樹脂組成物からなることを特徴とする。
【0022】
エラストマー及びゴム成分の合計含有量が3質量部未満だと耐衝撃性が低下し、50質量部超だと耐冷熱水サイクル性と耐ウォーターハンマー性とが不十分になる。
【0023】
金属酸化物の含有量は、ポリスチレン系樹脂100質量部に対して0.1質量部以上5質量部以下の割合とすることが好ましい。理由は定かではないが、金属酸化物がポリスチレン系樹脂100質量部に対して0.1質量部より少なくなっても5質量部より多くなっても、実使用環境をシミュレートした冷熱水サイクル特性が不十分になることが判明している。金属酸化物として、酸化チタンを使用すると、耐塩素水性が一層向上する。
【0024】
さらに、ライニング層は、前記ポリスチレン系樹脂100質量部に対して、100質量部以下のポリスチレングラフト共重合体からなる添加材を含有することが好ましい。ポリスチレングラフト共重合体を添加すると、樹脂組成物からなるライニング層の低温衝撃特性が向上する。しかし、100質量部を超えて添加すると、耐冷熱水サイクル性及びウォーターハンマー特性が不充分なものになる。
【0025】
本発明に係る内面ライニング鋼管の製造方法は、ポリスチレン系樹脂100質量部と、3質量部以上50質量部以下のエラストマー及びゴム成分のうちの少なくとも一方の添加材と、前記ポリスチレン系樹脂100質量部に対して、0.1質量部以上5質量部以下の金属酸化物とを含有する樹脂管を加熱下で縮径させ、鋼管内に挿入し、再度加熱して拡径させ、該樹脂管を鋼管の内面にライニングすることを特徴とする。
【0026】
さらに、ライニング層と鋼管との間に接着層を設けるようにしてもよい。この場合、前記樹脂管は外面に接着層を形成した樹脂管を用いてもよい。接着層として、無水マレイン酸変性ポリスチレン又はホットメルト系接着剤を用いることが望ましく、接着層を設けることにより樹脂管を鋼管の内面に強固に接着することができる。
【0027】
(作用)
本発明の樹脂組成によれば、給水、給湯用配管の内面ライニング層に求められる耐塩素水性、耐冷熱水ヒートサイクル性、耐ウォーターハンマー性、溶出性、低温衝撃性などを充分に満足する結果、長期間の使用によってもライニング層の変形やクラック発生などに起因する赤水が発生しなくなる。
【0028】
さらに、本発明の樹脂組成物は形状復元性に優れているため、ライニング鋼管の製造方法として、管状に成形した樹脂組成物を加熱下で縮径させて形状復元性を付与し、これを鋼管内に挿入して再度加熱することにより、樹脂管が膨張して拡径し、鋼管の内面にライニングすることができる。
【0029】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の実施の形態に係る内面ライニング鋼管の一部を模式的に示す拡大断面図である。図1は鋼管内面とライニング層との間に接着層を有する例で、1は内面ライニング鋼管、2は鋼管、3は接着層、4はライニング層(樹脂組成物)である。
【0030】
以下に本発明の種々の好ましい実施の形態について説明する。
【0031】
(鋼管)
本発明で用いられる鋼管は、鋼管外面にブラスト処理、酸洗処理、化成処理、メッキ処理、プライマー処理もしくはプラスチックライニングを行なっても良い。また、鋼管内面には、ブラスト処理、酸洗処理、化成処理、メッキ処理などをしてもよく、さらにその内側に通常行なわれているような熱硬化性エポキシ樹脂、熱硬化性ウレタン樹脂、熱硬化性フェノール樹脂、フェノキシ樹脂、ポリエステル樹脂によるプライマー処理をしても良く、後述するように必要に応じてそれらとライニング層との間に接着層を介在させても良い。鋼管の大きさは外径が10〜2000mm程度、通常20〜170mm程度のものを、長さは3〜10m程度、通常4〜6m程度、肉厚は2.0〜5.3mm程度のものを用いる。
【0032】
(ポリスチレン系樹脂)
ライニング層に用いられるポリスチレン系樹脂は、既知の汎用樹脂であり、最も代表的なスチレンをはじめとして下記一般式に示したようなビニル芳香族化合物もしくはその誘導体の繰り返し単位を有する単独重合体または共重合体である。
【0033】
【化1】
Figure 2005047105
【0034】
上記の式中、Rは水素、またはアルキル基等を、R’はアルキル基、ビニル基、ハロゲン、またはアミノ基等を、そしてmは0または1〜5の整数を表す。
【0035】
代表例としては、ポリスチレン、ポリα−メチルスチレン等があり、さらにこれらの共重合体を用いてもよい。また、ポリスチレンやポリα−メチルスチレンには立体異性体であるアタクチック型、シンジオタクチック型、アイソタクチック型があるが、それらを適宜使うことができる。例えば通常のアタクチックポリスチレンの他にもシンジオタクチックポリスチレン、アイソタクチックポリスチレンを用いることができ、さらに適宜これらの混合物を用いることができる。また、このような芳香族ビニル化合物と非芳香族化合物との共重合体であっても良い。代表例としては、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、スチレン−メチルメタクリレート共重合体等が挙げられる。
【0036】
(エラストマー・ゴム)
エラストマー成分としては公知の熱可塑性エラストマーでであれば何でもよい。具体例としては例えば、ポリテトラメチレングリコールのような脂肪族ポリエーテルとポリブチレンテレフタレートのような芳香族ポリエステルとが結合したようなポリエステル系エラストマーや、ポリアミド6、66、11、12等の結晶性ポリアミドとポリオキシエチレン、ポリオキシプロピレン、ポリテトラメチレングリコール等のポリエーテルとが結合したようなポリアミド系エラストマーや、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン樹脂とエチレンプロピレンゴム、イソブチレンイソプレンゴムのようなオレフィン系ゴムからなる熱可塑性ポリオレフィン系エラストマーや、イソシアネートとポリテトラメチレングリコールなどのポリエーテルもしくはポリエステルを共重合したウレタン系エラストマーや、スチレンとブタジエン、イソプレンなどのジエン成分とを共重合したスチレン系エラストマーや、上記エラストマーの水添物等を挙げることができる。また、ゴム成分としては、公知のゴムであれば何でもよい。具体例としては例えば、スチレン系、ブタジエン系、イソプレン系、アクリル系、もしくはエチレンプロピレン系ゴムや、それらの水添物等を挙げることができる。
【0037】
また、ゴムもしくはエラストマー成分を有するポリスチレンとして、HIPS(ハイインパクトポリスチレン)と称されるような耐衝撃性を改善したポリスチレンを用いてもよい。
【0038】
本発明の樹脂組成物は、前記エラストマー成分のグループ及び前記ゴム成分のグループのうちから選ばれるエラストマー成分及び/又はゴム成分の1種又は2種以上を含有する。
【0039】
(金属酸化物)
本発明の金属酸化物としては、酸化チタン、シリカ、酸化ジルコニウム、酸化鉄、酸化アルミニウムなどであり、粒径も特に制限されるものではないが、樹脂への均一分散などを考慮すると30μ以下が好ましい。また樹脂組成物中への分散性向上等の目的で粒子表面にカップリング処理等の表面処理を施したものでも良い。金属酸化物種は1種でもよいし、2種以上でもよい。
【0040】
耐塩素水性を向上させるためには金属酸化物として酸化チタンを使用することがより好ましい。酸化チタンは、公知のものでよくルチル型でもアナターゼ型でもよく、粒径も特に制限されるものではないが、樹脂組成物中への均一分散などを考慮すると30μm以下の粒径が好ましい。
【0041】
(組成比)
前述の樹脂組成物において、エラストマー及びゴム成分は、ポリスチレン系樹脂100質量部に対して、合計で3重量部以上50質量部以下にする必要がある。3質量部未満だと耐衝撃性が低下し、30質量部超だと実使用環境をシミュレートした冷水熱水サイクル性能とと耐ウォーターハンマー性とが悪くなる。エラストマーおよびゴム成分の合計含有量は、3質量部以上30質量部以下がより好ましい。
【0042】
金属酸化物は、ポリスチレン系樹脂100質量部に対して、0.1質量部以上5質量部以下であることが必要である。理由は定かではないが、金属酸化物が0.1質量部より少なくなっても5質量部より多くなっても、実使用環境をシミュレートした冷熱水サイクル特性が不十分になる。
【0043】
前記樹脂組成物からなるライニング層を鋼管内面に有する内面ライニング鋼管は、耐塩素水性、耐冷熱水サイクル性、耐ウォーターハンマー性、溶出性、低温衝撃性に優れる。また、該内面ライニング鋼管は、樹脂組成物の加熱復元性を利用した効率的方法で製造することができる。
【0044】
(ポリスチレングラフト共重合体)
本発明の樹脂組成物には、また、低温衝撃特性を向上させるためにポリスチレングラフト共重合体を添加しても良い。
【0045】
ポリスチレングラフト共重合体は、オレフィン系化合物の単独もしくは共重合体に、ポリスチレン重合体がグラフトされた重合体であり、オレフィン系化合物の単独もしくは共重合体の具体例としては、ポリエチレン、エチレンエチルアクリレート共重合体、エチレン酢酸ビニル共重合体、エチレングリシジルメタクリレート共重合体、エチレンエチルアクリレート無水マレイン酸共重合体が挙げられ、特にこれら共重合体中のエステル系モノマー含有率が10〜25質量%、無水マレイン酸モノマー含有率が10質量%以下のものが望ましい。また、ポリスチレン重合体には性能を損なわない範囲で若干の共重合モノマーが混在しても良い。ポリスチレングラフト共重合体は、1種を添加してもよく、2種以上添加してもよい。
【0046】
ポリスチレングラフト共重合体の添加量は、ポリスチレン系樹脂100質量部に対して、100質量部以下とすることが好ましい。それらを超えて過剰に添加すると耐冷熱水サイクル性能及びウォーターハンマー特性が不充分なものになる。さらに50質量部以下とすることで樹脂管のライニング特性が向上する。
【0047】
(樹脂組成物の混合)
これら樹脂組成物の混合は、従来より樹脂混練の方法として公知の一般的方法を用いて行うことができ、高温下でニーダーや押出し機により混練することにより可能であり、特に、エラストマーやゴム成分は場合によりポリスチレン樹脂重合時に添加、もしくはポリスチレン重合と同時に重合しても良い。
【0048】
また、着色等の目的で、アゾ系、フタロシアニン系、アンスラキノン系、インジゴ系、チタニア系、ベンガラ系、カーボンブラック、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、タルク、シリカ、クレー等の顔料、およびそれらを複合した顔料を添加しても良い。
【0049】
また、上記樹脂組成物には本発明の性能を損なわない範囲で、上記樹脂組成物を主成分として他の樹脂を混ぜ合わせても良く、必要に応じて酸化防止剤、紫外線吸収剤、耐光安定化剤、難燃剤、充填剤、滑剤、帯電防止剤、粘着付与剤等の添加剤を加えることができる。
【0050】
(接着層)
また、鋼管1とライニング層4の間に接着層3を設けること(図1参照)により、ライニング層4と鋼管2との密着力が向上し、配管施工工事現場での作業性向上や、使用時の信頼性確保になる。そのような接着層の材料としては、無水マレイン酸変性ポリスチレンや、ホットメルト接着剤を用いることができる。ホットメルト接着剤としては、例えば、エチレン−無水マレイン酸共重合樹脂、エチレン−無水マレイン酸−アクリル酸エステル共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−アクリル酸エステル共重合樹脂、エチレン−メタクリル酸エステル共重合樹脂、アイオノマー樹脂、もしくはエチレン−酢酸ビニル共重合体等の1種又は2種以上をベースとしたポリオレフィン系ホットメルト接着剤、もしくは、ポリエステル系ホットメルト接着剤、ポリアミド系ホットメルト接着剤、ポリウレタン系ホットメルト接着剤などが挙げられるがこれらに限定されるものではない。
【0051】
また、上記接着剤には本発明の性能をそこなわない範囲で、上記接着剤同士もしくは他の樹脂を混ぜ合わせても良く、必要に応じて酸化防止剤、紫外線吸収剤、耐光安定化剤、可塑材、難燃剤、顔料、着色剤、充填剤、滑剤、帯電防止剤、粘着付与剤等の添加剤を加えることができる。
【0052】
(内面ライニング鋼管の製造方法)
ライニング方法としては、上記樹脂組成物を公知の方法で混練混合した後、破砕、粉状にしたものを、加熱した鋼管内面に吹付ける粉体塗装法、もしくは粉体流動槽の中に加熱した鋼管を浸漬する流動浸漬法などが適用可能である。
【0053】
また、本発明の樹脂組成物は形状復元性を有するため生産効率のよい方法として形状復元法にも適用可能である。ここで、形状復元性とは、樹脂管を加熱下で縮径させた後冷却したものを再度加熱すると、その樹脂組成物が本来有する線膨張係数以上の割合で拡径する特性である。また、形状復元法とは、ライニングしようとする鋼管の内径よりも大きな外径を有する樹脂管を加熱下で鋼管内径より小さい径まで縮径させ、冷却して得られた樹脂管を鋼管内に挿入し、再度加熱して拡径させ、該樹脂管を鋼管の内面にライニングする方法である。
【0054】
具体的には、まず、本発明の樹脂組成物を通常の方法で金型よりパイプ状に押出しし、サイジングダイ、水冷シャワー等を用いて樹脂を固化温度以下まで冷却しながら外径を固定して、鋼管内径よりも大きな外径を有する樹脂管にする。その後、形状復元性を付与するために、該樹脂管を、赤外線加熱炉、マイクロ波加熱炉、高周波加熱炉、熱風炉等を利用して該樹脂組成物のガラス転移温度以上まで昇温しながら、もしくはガラス転移温度以上の温度域で、鋼管内径よりも小さな外径になるまで縮径し、冷却することで形状復元性を付与することが好ましい。
【0055】
この縮径は、2台の引取機の間に、加熱炉と冷却槽を配置させたラインを採用し、2台の引取機の速度差を利用して管の長手方向に延伸して縮径する方法、もしくは出側の径が鋼管内径より細いテーパーのついた金型内を通過させて縮径する方法、もしくはロール等で径方向に絞り込み縮径する等の方法が適用できる。また、これらの工程において形状を安定させるため、パイプの内側にエアを送り込むなどの方法でパイプ内側を加圧したり、金型への成形物の追随を良くするためパイプの外側を減圧にし金型に吸い付けるようにするなどの方法を適用することも可能である。
【0056】
また、樹脂組成物を金型よりパイプ状に押出しする際に、樹脂温度がガラス転移温度以上になる様にし、それを冷却しながら上記方法で縮径を行っても良い。
【0057】
縮径後の樹脂管のサイズは、ライニングしようとする管のサイズ、作業性、経済性等を考慮して、通常、外径12〜158mm、肉厚0.4〜4.5mmになるようにするが、特にこれに制限されるものではない。
【0058】
また、樹脂組成物のガラス転移温度は示差走査熱量分析等、通常行われる方法で得ることができる。
【0059】
縮径するときの樹脂管温度は、ガラス転移温度より低いとネッキングなどが発生し安定的に縮径が行えなくなり、さらに形状復元するときも不均一なものになりきれいに鋼管内面をライニングできなくなる。
【0060】
ライニング層と鋼管の間に接着層を設けるときは、加熱した鋼管の内側に、無水マレイン酸変性ポリスチレン又はホットメルト系接着剤の粉体を吹き込んで鋼管内面に融着させてもよいし、樹脂管の外面に接着剤を被覆してもよい。樹脂管の外面に接着剤を被覆する時は、形状復元性を付与する前もしくは後にクロスヘッド丸ダイやTダイで接着剤を樹脂管表面に被覆する方法、もしくはあらかじめフィルム状に成形した接着剤を樹脂管の表面に巻きつける方法、もしくは多層金型でライニング層4となる樹脂と接着剤を共押出しする方法などが適用できる。通常、接着層3の厚みは0.05〜0.8mmであるが特にこれに限定されるものではない。
【0061】
このようにして作製したライニング用樹脂管を鋼管内に挿入し、高周波加熱炉、熱風炉等で加熱し、好ましくは樹脂管を該樹脂組成物の[ガラス転移温度−10℃]より高い温度、さらに好ましくはガラス転移温度以上の温度に加熱することにより、樹脂管が膨張して鋼管内面にライニングされる。
【0062】
この形状復元プロセスでは、単に加熱するだけではなく、該樹脂管の内部に圧縮空気などを吹込むことにより加熱膨張をさらに促進させる方法や、該樹脂管の両端部を密封することにより温度上昇に伴う該樹脂管内の空気の体積増加により加熱膨張をさらに促進させる方法もある。
【0063】
樹脂管の加熱温度を前記のようにするのは、加熱時の樹脂管温度が[ガラス転移温度−10℃]より低い場合に、樹脂管の拡径が不足して鋼管とライニング層との間に隙間が存在する部分が発生してしまう可能性のあることが判明し、ガラス転移温度以上に加熱することにより安定的に樹脂管を拡径することができるという知見を得たことに基づく。
【0064】
また、鋼管と樹脂管の間の空気を抜けやすくするために、管中央部より両端部へ、もしくは一方の管端より他端へ、加熱していくのが好ましい。さらに、鋼管端部付近は、熱が樹脂管へと伝わりにくいので、ライニング後に熱処理を行なってもかまわない。該樹脂管が鋼管内面に密着した後は、冷却し、鋼管端部よりはみ出している樹脂管部分を切断することにより内面樹脂ライニング鋼管を得ることができる。
【0065】
【実施例】
以下に、本発明の内面樹脂ライニング鋼管について、樹脂管を形状復元法で鋼管内面にラインニングして製造した場合を実施例に基いて説明するが、本発明は以下の実施例のみに限定されるものではない。
【0066】
(実施例1〜29、比較例1〜11、13、15〜21)
あらかじめ、各種原料を、単軸もしくは2軸押出し機、もしくはニーダーなどで混練し、表1〜6に示した組成の樹脂ペレットを得た。但し、数値部は質量比を示す。なお、表1〜6中のポリスチレングラフトエチレンエチルアクリレート共重合体、ポリスチレングラフトエチレン酢酸ビニル共重合体において、ポリスチレン重合体がグラフトされた共重合体の組成は下記に示すとおりである。
1)エチレンエチルアクリレート共重合体:エチルアクリレート含有量20質量%
2)エチレン酢酸ビニル共重合体:酢酸ビニル含有量15質量%
【0067】
【表1】
Figure 2005047105
【0068】
【表2】
Figure 2005047105
【0069】
【表3】
Figure 2005047105
【0070】
【表4】
Figure 2005047105
【0071】
【表5】
Figure 2005047105
【0072】
【表6】
Figure 2005047105
【0073】
ライニング用樹脂管は、概略、押出し機、金型、冷却槽、引取り機、加熱炉、冷却槽、引取り機、パイプ切断機の順に並んだ成形ラインにおいて、連続的に製造した。
【0074】
先ず、表1〜6に示す組成の樹脂を所定温度で丸ダイスより外径29.0〜30.0mmのパイプ形状に押出した直後に、パイプ表面が40℃以下になるまで冷却し、次にパイプ外面が表1〜6に示した温度に到達するように加熱炉で加熱しながら、加熱炉の前後に配した2台の引取り機の速度差でパイプの外径が25.8mmになるようにパイプを延伸縮径し、冷却水槽にて冷却し、外径が25.8mm、肉厚が0.8〜1.2mmのライニング用樹脂管を作製した。
【0075】
作製した樹脂管を長さ4m50cmにし、酸洗処理した呼び径25Aの鋼管(内径27.6mmφ、外径34mmφ×4m)の内にさし込み、その後、樹脂管が表1〜6に示した温度になるように高周波加熱装置により鋼管を加熱し、樹脂管を加熱膨張させ鋼管内面にライニングした。さらに、鋼管端部よりはみ出した樹脂部分を切断しライニング鋼管を得た。
【0076】
(比較例12)
実施例1と同様の方法で作製したが、表6記載の樹脂2種を、2層の厚み比が内層:外層=7:3になるように、外径30.0mmのパイプ形状に共押出しし、それを冷却後、パイプ外面が105℃に到達するように加熱炉で加熱しながら、加熱炉の前後に配した2台の引取り機の速度差でパイプの外径が26.0mmになるようにパイプを延伸縮径し、冷却水槽にて冷却し、外径が26.0mm、肉厚約1.4mmのライニング用樹脂管を作製した。
【0077】
作製した樹脂管を長さ4m50cmにし、酸洗処理した呼び径25Aの鋼管(内径27.6mmφ、外径34mmφ×4m)の内にさし込み、その後、樹脂管が105℃になるように、高周波加熱装置により鋼管を加熱し(この時の鋼管の温度は128℃であった)、樹脂管を加熱膨張させ鋼管内面にライニングした。さらに、鋼管端部よりはみ出した樹脂部分を切断しライニング鋼管を得た。
【0078】
(比較例14)
実施例1と同様の方法で作製したが、表6記載の樹脂を、外径30.0mmのパイプ形状に押出しし、それを冷却して樹脂パイプを得た。樹脂パイプを80℃の温水槽に24hr浸漬し架橋処理を行った。処理後の樹脂パイプのJIS K6769によるゲル分率は32%であった。このパイプをパイプ外面が140℃に到達するように加熱炉で加熱しながら、加熱炉の前後に配した2台の引取り機の速度差でパイプの外径が26.0mmになるように延伸縮径し、冷却水槽にて冷却し、外径が26.0mm、肉厚約1.4mmのライニング用樹脂管を作製した。
【0079】
作製した樹脂管を長さ4m50cmにし、酸洗処理した呼び径25Aの鋼管(内径27.6mmφ、外径34mmφ×4m)の内にさし込み、その後、樹脂管が140℃になるように、高周波加熱装置により鋼管を加熱し(この時の鋼管の温度は170℃であった)、樹脂管を加熱膨張させ鋼管内面にライニングした。さらに、鋼管端部よりはみ出した樹脂部分を切断しライニング鋼管を得た。
【0080】
評価は、縮径特性、ライニング特性、冷熱水サイクル特性、低温衝撃特性、溶出性、ウォーターハンマー特性、耐塩素水性について行った。ライニング特性の評価が×のものは、冷熱水サイクル特性のみ評価し、低温衝撃特性、溶出性、ウォーターハンマー特性、耐塩素水性の評価を行わなかった。
【0081】
<縮径特性>
延伸縮径時に、樹脂管がちぎれたり、極度に変形し断面形状がつぶれてしまうなど、縮径が良好にできなかったものを縮径特性「×」、縮径後のパイプ外径を10cmピッチで10点測定し、バラツキが目標外径の±5%未満であったものを「○」、パイプの縮径は良好にできたもののバラツキが目標外径の±5%以上であったものを「△」とした。
【0082】
<ライニング特性>
ライニング後、ライニング鋼管を10cmピッチで10ヶ所切断、断面観察し、ライニング層が鋼管内面より0.5mm以上離れている部分が1ヵ所でもあった場合ライニング特性「△」、目視ではライニング層と鋼管との間にスキマが認められなかったもの及びスキマが0.5mm未満であった場合「○」、またライニング前の樹脂管外径に対しほとんど変化が見られなかった部分があった場合「×」とした。
【0083】
<冷熱水サイクル特性>
ライニング鋼管を50cm長さに切断し、内面に85℃の熱水を10分、室温水を10分流すというサイクルを10000回行い、その後のライニング層の変化を観察、ライニング層が収縮、膨張、剥離などの変形もしくは内表面にクラックが発生し、赤水が発生したものを「×」、赤水が発生しなかったものを「○」、ライニング層に変形もしくはクラック発生などの変化のなかったものを「◎」とした。
【0084】
<低温衝撃特性>
先端がR20mmの半球になっており重さが6.3kgの錘を、水平に固定したライニング鋼管の真中外表面に−8℃で、高さ0.8mより落として鋼管が露出しなかったものを「◎」、高さ0.8mでは鋼管内面が露出したものの高さ0.5mより落としたときには鋼管が露出しなかったものを「○」、高さ0.5mでも鋼管が露出したものを「×」とした。
【0085】
<溶出性>
水道水へのライニング材料からの溶出性を過マンガン酸カリウム消費量にて評価した。方法はJIS K6769に準じ、消費量が2mg/L以下を「○」、それより大きい時を「×」、とした。
【0086】
<ウォーターハンマー特性>
JWWA(水道協会)規格に準じ、ウォーターハンマー特性を評価した。ライニング鋼管内面に流す水の流速を2.64m/secとし、バルブ開閉時の圧力が1.9kgf/cm以上になる状態で、300回バルブ開閉を行い、その後のライニング層が変形していたものを「×」、変形していなかったものを「○」とした。
【0087】
<耐塩素水性>
JIS K6762の方法にて樹脂組成物の耐塩素水性を評価した。1000時間経過後もライニング層に水泡発生のなかったものを「◎◎」、1000時間経過後水泡発生があったがJISと同じ168時間経過後には水泡発生がなかったものを「○」、それ以下で水泡発生など異常の見られたものを「×」とした。
【0088】
上記評価結果を表7および8に示した。
【0089】
【表7】
Figure 2005047105
【0090】
【表8】
Figure 2005047105
【0091】
縮径特性およびライニング特性については、実施例23、27および比較例5〜9、19、20が△もしくは×評価であったのを除いて、その他の実施例、比較例ではすべて○評価であった。
【0092】
冷熱水サイクル特性については、すべての実施例1〜29で○評価以上であったのに対して、比較例1〜21はすべて×評価であった。
【0093】
比較例19、20は、樹脂管を形状復元法によって鋼管内面にライニングする際に、縮径時および拡径時の温度条件が好ましい温度範囲を外れるため、縮径特性が△評価、又はライニング特性が×評価であり、これらは内面ライニング層の性状が悪くなり、冷熱水サイクル特性が劣る。
【0094】
低温衝撃特性については、実施例1〜20、26〜29で○評価、実施例21〜25で◎評価であったのに対して、比較例3、13、18では×評価であった。
【0095】
溶出性については、すべての実施例1〜29で○評価であったのに対して、比較例14では×評価であった。
【0096】
ウォーターハンマー特性については、すべての実施例1〜29で○評価であったのに対して、比較例5〜9、11、12では×評価であった。
【0097】
耐塩素水性については、実施例で○もしくは◎◎評価であったのに対して、比較例13では×評価であった。
【0098】
以上の結果より、本発明による内面ライニング鋼管は冷熱水サイクル性能をはじめ給水、給湯用の管として十分な性能を有していることが確認された。
【0099】
(実施例30〜47)
また、実施例1と同様の方法で、表9に示した条件でライニング用樹脂管を作製した後、その外表面に、表9に示した接着剤をクロスヘッドダイスより溶融押出しし厚み0.1mmになるように被覆した、被覆後直後に冷却し、接着層つきのライニング用樹脂管を作成した。
【0100】
作製した樹脂管を長さ4m50cmにし、酸洗処理した呼び径25Aの鋼管(内径27.6mmφ、外径34mmφ×4m)の内にさし込み、その後、表9に示した条件で鋼管内面にライニングした。さらに、鋼管端部よりはみ出した樹脂部分を切断しライニング鋼管を得た。
【0101】
評価は、ライニング鋼管を2cm長さに切断し、外側の鋼管部分をおさえ、内側のライニング樹脂層のみを軸方向に押していったときの、押し抜き剪断接着力を測定し、100N/cm以上の場合「○」、100N/cm未満の場合「△」とした。評価結果を表9に記載した。
【0102】
【表9】
Figure 2005047105
【0103】
接着剤を用いない実施例30、36、42では初期接着力がいずれも100N/cmを下回る結果となった。
【0104】
これにより無水マレイン酸変性ポリスチレン、もしくはホットメルト接着剤からなる接着層を設けることで、鋼管とライニング層の密着力を向上できることが確認された。
【0105】
【発明の効果】
本発明の内面樹脂ライニング鋼管は、耐塩素水性、耐冷熱水サイクル性、耐ウォーターハンマー性、溶出性、低温衝撃性に優れ、ライニング層と鋼管との接着力も高く、さらに加熱復元性を利用した効率的方法で製造できる。
【0106】
本発明の内面ライニング鋼管は、給水管、給湯管、空調もしくは排水等に用いられる配管に必要な充分な性能を有しており、これらの用途への使用に適する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の内面ライニング鋼管の一部を模式的に示す拡大断面図である。
【符号の説明】
1…内面ライニング鋼管
2…鋼管
3…接着層
4…ライニング層(樹脂組成物)

Claims (12)

  1. 鋼管の内面にライニング層を有する内面ライニング鋼管において、前記ライニング層は、ポリスチレン系樹脂と、エラストマー及びゴム成分のうちの少なくとも一方の添加材と、金属酸化物とを含み、前記ポリスチレン系樹脂100質量部に対して、前記エラストマー及びゴム成分のうちの少なくとも一方の添加剤を合計で3質量部以上50質量部以下含有し、且つ前記金属酸化物を0.1質量部以上5質量部以下含有する樹脂組成物からなることを特徴とする内面ライニング鋼管。
  2. さらに、前記ライニング層は、前記ポリスチレン系樹脂100質量部に対して、100質量部以下のポリスチレングラフト共重合体からなる添加材を含有することを特徴とする請求項1記載の内面ライニング鋼管。
  3. 前記金属酸化物は、酸化チタンであることを特徴とする請求項1または2のいずれか1記載の内面ライニング鋼管。
  4. さらに、前記ライニング層と鋼管との間に接着層を有することを特徴とする請求項1乃至3のうちのいずれか1記載の内面ライニング鋼管。
  5. 前記接着層として、無水マレイン酸変性ポリスチレンを用いることを特徴とする請求項4記載の内面ライニング鋼管。
  6. 前記接着層として、ホットメルト系接着剤を用いることを特徴とする請求項4記載の内面ライニング鋼管。
  7. ポリスチレン系樹脂と、エラストマー及びゴム成分のうちの少なくとも一方の添加材と、金属酸化物とを含み、前記ポリスチレン系樹脂100質量部に対して、前記エラストマー及びゴム成分のうちの少なくとも一方の添加剤を合計で3質量部以上50質量部以下含有し、且つ前記金属酸化物を0.1質量部以上5質量部以下含有する樹脂管を加熱下で縮径させ、鋼管内に挿入し、再度加熱して拡径させ、該樹脂管を鋼管の内面にライニングすることを特徴とする内面ライニング鋼管の製造方法。
  8. 前記樹脂管は、前記ポリスチレン系樹脂100質量部に対して、100質量部以下のポリスチレングラフト共重合体からなる添加材をさらに含有することを特徴とする請求項7記載の内面ライニング鋼管の製造方法。
  9. 前記金属酸化物は、酸化チタンであることを特徴とする請求項7又は8の何れか1記載の内面ライニング鋼管の製造方法。
  10. さらに、前記ライニング層と鋼管との間に接着層を設けることを特徴とする請求項7乃至9のうちのいずれか1記載の内面ライニング鋼管の製造方法。
  11. 前記接着層として、無水マレイン酸変性ポリスチレンを用いることを特徴とする請求項10記載の内面ライニング鋼管の製造方法。
  12. 前記接着層として、ホットメルト系接着剤を用いることを特徴とする請求項10記載の内面ライニング鋼管の製造方法。
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