JP2005046666A - カドミウム含有土壌からのカドミウム回収方法 - Google Patents

カドミウム含有土壌からのカドミウム回収方法 Download PDF

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良雄 相川
Mitsuo Honna
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Abstract

【課題】土壌中のカドミウムを、低コストで容易に、しかも効率よく回収できる方法を提供する。
【解決手段】カドミウム吸収能を有する植物をカドミウム含有土壌で栽培した後、この植物を、亜鉛製錬に用いられる焙焼炉内に供給し、焙焼炉で得られた焼鉱から亜鉛を浸出させ、亜鉛含有浸出液からカドミウムを析出させることによってカドミウムを回収する。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、カドミウムを含む土壌からカドミウムを回収する方法に関し、詳しくはカドミウム吸収能を有する植物を用いて前記土壌からカドミウムを回収する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、重金属吸収能を有する植物を用いて、重金属汚染土壌を浄化する方法が知られている。
この種の土壌浄化方法としては、Thlaspi caerulescens植物を、重金属を含む土壌で栽培することによって、この植物に重金属を吸収させた後、この植物を回収する方法がある(特許文献1を参照)。特許文献1には、上記植物を金属精錬方法で処理することが記載されている。
また、ケナフなどのアオイ科フヨウ属の植物を対象土壌で栽培することによって、この植物に重金属を吸収させた後、この植物を収穫する方法がある(特許文献2を参照)。特許文献2には、収穫した植物から重金属を精製、単離することができることが記載されている。重金属を精製する方法としては、植物を焼却などにより分解処理して重金属を濃縮した後、溶解等の方法により重金属を抽出する方法が挙げられている。
また、ナトリウム塩等を施用した対象土壌に、ソルガムなどの植物を植栽し、この植物に重金属を吸収させる方法(特許文献3を参照)、生育特性が異なる2種以上の植物を重金属含有土壌に植栽し、これらに重金属を吸収させる方法も知られている(特許文献4を参照)。
【0003】
【特許文献1】
特表2002−530533号公報
【特許文献2】
特開2002−331281号公報
【特許文献3】
特開2002−355665号公報
【特許文献4】
特開2001−276801号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来技術では、収穫した植物から重金属を精製するのに手間がかかり、コスト面で不利となる問題があった。特に、カドミウムを対象とする場合には、精製の際に回収率が低くなりやすい問題があった。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、土壌中のカドミウムを、低コストで容易に、しかも効率よく回収できる方法を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、カドミウム吸収能を有する植物を前記土壌で栽培した後、この植物を、金属製錬に用いられる製錬炉内に供給し、この金属製錬の過程でカドミウムを回収するカドミウム回収方法を提供する。
本発明のカドミウム回収方法では、金属製錬の過程でカドミウムを回収するので、既存の製錬方法をそのまま利用してカドミウムを回収することができる。
従って、低コストで、かつ容易に植物からカドミウムを回収することができる。
また、金属製錬では、製錬炉を用いて上記植物を効率よく加熱し有機物等を酸化分解させるため、不純物量を低減することができる。従って、カドミウム回収率を高めることができる。
【0006】
本発明では、前記金属製錬が、亜鉛製錬であることが好ましい。
この場合には、前記製錬炉として、亜鉛原料を焙焼する焙焼炉を使用し、カドミウムを回収するにあたって、焙焼炉で得られた焼鉱から亜鉛を浸出させ、得られた亜鉛含有浸出液からカドミウムを析出させる方法をとることができる。
亜鉛製錬では、他の金属の製錬に比べ、原料由来のカドミウムのうち多くの部分が焼鉱、中性液を経て浄液渣に移行する。
本発明のカドミウム回収方法では、上記植物を亜鉛製錬工程に供給することによって、植物中のカドミウムを、亜鉛原料由来のカドミウムとともに回収することができる。
このように、簡単な操作で植物由来のCdを回収することができるため、カドミウム回収コストを抑えることができる。またカドミウム回収率を高めることができる。
【0007】
本発明では、前記植物をあらかじめ高カドミウム濃度部分と、これよりカドミウム濃度が低い低カドミウム濃度部分とに分離しておき、前記植物を製錬炉内に供給するに際して、高カドミウム濃度部分を製錬炉内の金属原料に供給し、低カドミウム濃度部分を製錬炉の燃焼部に供給する方法も可能である。
この方法によれば、低カドミウム濃度部分の燃焼によって製錬炉の熱効率を高めることができる。従って、加熱コスト削減が可能である。
【0008】
本発明では、前記植物を製錬炉内に供給するに際して、該植物を、製錬炉内の金属原料表面の少なくとも一部を覆うように供給する方法も可能である。
この方法によれば、金属原料を保温し、製錬炉の加熱効率を高めることができる。従って、加熱コスト削減が可能である。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明のカドミウム(Cd)回収方法は、Cd吸収能を有する植物をCd含有土壌で栽培した後、この植物を、金属製錬に用いられる製錬炉内に供給し、この金属製錬の過程でCdを回収する。
本発明の対象となるCd含有土壌としては、工場跡地、農用地などにおいてCdを含む土壌を挙げることができる。
【0010】
以下、本発明のCd回収方法の一例を示す。
(1)植物栽培工程
Cd吸収能を有する植物を、Cd含有土壌で栽培する。
Cd吸収能を有する植物としては、例えばアオイ科、アオギリ科、アカザ科、アカテツ科、アカネ科、アカバナ科、アケビ科、アブラナ科、アヤメ科、アリノトウグサ科、アルストロメリア科、イグサ科、イソマツ科、イチイ科、イチヤクソウ科、イチョウ科、イヌガヤ科、イネ科、イラクサ科、イワウメ科、イワタバコ科、イワヒバ科、ウキクサ科、ウキゴケ科、ウコギ科、ウツボカズラ科、ウマノスズクサ科、ウラジロ科、ウラボシ科、ウリ科、ウリノキ科、ウルシ科、エゴノキ科、オオギリ科、オオバコ科、オシダ科、オシロイバナ科、オトギリソウ科、オミナエシ科、オモダカ科、カエデ科、ガガイモ科、カキノキ科、カタバミ科、カツラ科、カバノキ科、ガマ科、カヤツリグサ科、カンナ科、キキョウ科、キク科、キジノオシダ科、キツネノマゴ科、キブシ科、キョウチクトウ科、ギョリュウ科、キントラノオ科、キンバイザサ科、キンポウゲ科、クズウコン科、クスノキ科、クマツヅラ科、グミ科、クルミ科、クロウメモドキ科、クワ科、ケシ科、コショウ科、ゴマ科、ゴマノハグサ科、サクラソウ科、ザクロ科、ザクロソウ科、サトイモ科、サボテン科、サラセニア科、サルノコシカケミ科、シキミ科、シシガシラ科、シソ科、シナノキ科、シノブ科、シュウカイドウ科、ショウガ科、ジンチョウゲ科、シラネアオイ科、スイカズラ科、スイレン科、スギ科、スギナモ科、スジゴケ科、スズカケノキ科、スッポンタケ科、スベリヒユ科、スミレ科、セリ科、センダン科、ゼンマイ科、センリョウ科、ソテツ科、タコノキ科、タデ科、タヌキモ科、チャセンシダ科、ツゲ科、ツチグリ科、ツチトリモチ科、ツツジ科、ツヅラフジ科、ツバキ科、ツユクサ科、ツリフネソウ科、ツルナ科、ツルムラサキ科、トウダイグサ科、ドクウツギ科、トクサ科、ドクダミ科、トケイソウ科、トチカガミ科、トチノキ科、トチュウ科、トベラ科、ナス科、ナデシコ科、ナンヨウスギ科、ニガキ科、ニシキギ科、ニレ科、ノウゼンカズラ科、ノウゼンハレン科、ノボタン科、パイナップル科、ハイノキ科、ハエドクソウ科、ハエモドラル科、バショウ科、ハス科、ハゼリソウ科、ハナシノブ科、ハナヤスリ科、パパイア科、ハマウツボ科、ハマジンチョウ科、バラ科、バンレイシ科、ヒカゲノカズラ科、ヒガンバナ科、ヒシ科、ヒナノシャクジョウ科、ヒノキ科、ヒメツチグリ科、ビャクダン科、ビャクブ科、ヒユ科、ヒルガオ科、ヒルギ科、ヒルムシロ科、フウチョウソウ科、フウロソウ科、フサザクラ科、フジウツギ科、ブドウ科、フトモモ科、ブナ科、ヘゴ科、ベンケイソウ科、ホコリタケ科、ホシクサ科、ボタン科、ホルトノキ科、マオウ科、マキ科、マタタビ科、マチン科、マツ科、マツムシソウ科、マメ科、マルクグラビア科、マンサク科、ミカン科、ミクリ科、ミズアオイ科、ミズキ科、ミズゴケ科、ミソハギ科、ミツガシワ科、ミツバウツギ科、ムクロジ科、ムラサキ科、メギ科、モウセンゴケ科、モクセイ科、モクマオウ科、モクレン科、モチノキ科、ヤシ科、ヤナギ科、ヤブコウジ科、ヤマゴボウ科、ヤマノイモ科、ヤマモガシ科、ヤマモモ科、ユキノシタ科、ユリ科、ラン科、リュウゼツラン科、リョウブ科、リンドウ科、ロウバイ科に属するものが挙げられる。
【0011】
なかでも特に、水稲(飼料用イネ、穂重型系イネ、晩生系イネなど)、アワ系植物(白ビエ、ミレットなど)、ヒエ(ケイヌビエ、イヌビエ、タイヌビエなど)、トウモロコシ(スノーデント系、パイオニア系など)、イタリアンライグラス、ライ麦、えん麦、メヒシバ、イノコログサ、ソルガム(ソルゴーなど)などのイネ科植物が好ましい。
また、キク科(アメリカセンダングサ、コスモス、ヒメジョオン、ハルジオン、ヒメムカシヨモギ、オオアレチノギク、アニノゲンなど)、タデ科(イヌタデ、サナイタデ、オオイヌタデなど)、アブラナ科(カラシナなど)、ツユクサ科(ツユクサなど)、アカザ科(ホウレンソウ、アカザ、シロザなど)、シソ科(シソなど)、マメ科(クロタラリアなど)、ハゼリソウ科(ファセリアなど)、ヒユ科(ホソアオゲトウなど)、ドクダミ科(ドクダミなど)、オオバコ科(オオバコなど)に属するものも好適である。
【0012】
上記植物の栽培にあたっては、気温、湿度、土壌状態(含水率、pH、土性など)に対する適応性、病害虫に対する抵抗性などを考慮して植物種を選択する必要がある。
なかでも特に、土壌の含水率に対する適応性は重要である。例えば、土壌が、含水率が高い過湿環境(水田の休耕田や転作田など)にあるか、含水率が低い低湿環境(畑地など)にあるかに応じて、栽培する植物を選択するのが好ましい。
また、栽培時の季節に応じて、生育しやすい植物を選択することも重要である。例えば、季節に応じて春夏播き植物と秋冬播き植物のうちいずれかを選択するのが好ましい。
土壌の含水率、および栽培時の季節ごとに、特に適した植物を表1および表2に示す。表1には土壌含水率が高い過湿環境(水田の休耕田や転作田など)に適した植物を示し、表2には土壌含水率が低い低湿環境(畑地など)に適した植物を示す。
【0013】
【表1】
Figure 2005046666
【0014】
【表2】
Figure 2005046666
【0015】
また、Cdは土壌pHが酸性側にあるときに土壌から溶出されやすいため、環境を汚染しない範囲で、塩化鉄塩、硫酸塩などを用いて土壌pHを酸性側に調整することによって、Cdを植物に吸収されやすくし、Cd回収効率を高めることができる。
【0016】
本発明において、植物の栽培は、播種、移植などの方法で行うことができる。栽培した植物は、根部を土壌から引き抜く方法によって採取してもよいし、地上部のみを刈り取る方法によって採取してもよい。
また、必要に応じて除草剤などを用いて植物を枯死させ、乾燥させてから採取する方法をとることもできる。
【0017】
(2)焙焼工程
図1は、亜鉛の製錬方法の一例を示す系統図である。
ここに示す製錬方法では、亜鉛原料である亜鉛精鉱(金属原料)を、製錬炉である焙焼炉で焙焼し、焼鉱を得る。
焙焼炉としては、ウェッジ焙焼炉、フラッシュ焙焼炉、流体焙焼炉が使用可能である。亜鉛精鉱中の硫化亜鉛の一部は、焙焼により酸化され酸化亜鉛となる。焼鉱のS濃度は1〜2質量%が好ましい。焼鉱のうち粒径が大きいものは、破砕して再び焙焼炉に供給するのが好ましい。
【0018】
この工程では、上記植物を焙焼炉内に供給する。上記植物は、あらかじめ乾燥させておくのが好ましい。この工程では、焙焼炉内に供給された植物に含まれる有機物等が熱分解され、植物由来のCdを含有する焼鉱が得られる。
焙焼炉内の温度は、880〜930℃とするのが好ましい。
【0019】
上記植物を焙焼炉に供給するにあたっては、植物体全体を焙焼炉に供給する方法をとることもできるし、あらかじめ植物をCd濃度が比較的高い部分(高Cd濃度部分)と、これよりCd濃度が低い部分(低Cd濃度部分)とに分離してから供給する方法をとることもできる。
この場合には、高Cd濃度部分を焙焼炉内の亜鉛精鉱(金属原料)に供給し、低Cd濃度部分を焙焼炉の燃焼部に供給する方法をとることができる。
【0020】
例えば、地上部と根部とを分離し、これらのうちCd濃度が高い方を高Cd濃度部分とし、Cd濃度が低い方を低Cd濃度部分とすることができる。また、地上部は茎部、葉部、花部などに分類することができるため、これらのうちCd濃度が高いものを高Cd濃度部分とし、これよりCd濃度が低いものを低Cd濃度部分とすることもできる。
高Cd濃度部分と低Cd濃度部分との分離に際しては、例えばCd濃度が20mg/kg乾体以上(好ましくは30mg/kg乾体以上)である部分を高Cd濃度部分とし、Cd濃度が上記の値未満となる部分を低Cd濃度部分とすることができる。
また、高Cd濃度部分(例えば根部)と低Cd濃度部分(例えば地上部)とのCd濃度比率が所定値(例えば2倍)以上となったときに、これらを分離することもできる。
【0021】
亜鉛精鉱に供給された高Cd濃度部分は分解され、高Cd濃度部分由来のCdを含む焼鉱が得られる。
一方、燃焼部に供給された低Cd濃度部分は燃焼し、焙焼炉が加熱される。
なお、燃焼部とは、焙焼炉を加熱するために、プロパンなどの燃料ガスを燃焼させる部分をいう。
【0022】
上記植物を焙焼炉内に供給する際には、上記植物を焙焼炉内の亜鉛精鉱表面(上面)の少なくとも一部(好ましくはほぼ全面)を覆うように供給するのが好ましい。これによって、亜鉛精鉱を保温し、焙焼炉の加熱効率を高めることができる。
【0023】
(3)浸出工程
上記焼鉱は、中性浸出槽において、電解尾液(後述)を用いて浸出処理され、亜鉛を含む浸出液である中性液が得られる。処理方法としては、単式浸出法、複式浸出法、逆浸出法がある。
この工程では、MnOを用いてFeを酸化しFe(OH)として沈殿させるとともに、As、Sbも共沈させ、これらを溶解残渣とともにろ過により除去することができる。
【0024】
(4)浄液工程
浸出工程で得られた中性液(亜鉛含有浸出液)は、第一浄液槽に供給される。第一浄液槽では、亜鉛末、亜ヒ酸などが添加され、中性液中のCu、Ni、Coなどの不純物が除去される。
第一浄液槽を経た中性液は、第二浄液槽に供給される。第二浄液槽では、亜鉛末が添加され、Cdが置換析出する。
なお、ここでは2段階の工程(第一および第二浄液槽)を有する浄液工程を例示したが、浄液工程は3段階以上としてもよい。
【0025】
析出したCdを含む第二浄液渣は、Cd製錬工程に送られ、第二浄液渣からCdが回収される。Cdの製錬には、従来公知の方法を用いることができる。
一方、第二浄液槽を経た浄液は、電解槽に供給され、亜鉛が電解採取され、得られた電解亜鉛は低周波電気炉で溶融され、回収される。電解槽で用いられた電解尾液(硫酸など)は前記浸出工程に供給される。
【0026】
上記Cd回収方法は、次に示す効果を奏する。
(i)上記植物を焙焼炉に供給し、製錬の過程(焙焼、浸出、浄液、Cd製錬)でCdを回収するので、既存の製錬方法をそのまま利用してCdを回収することができる。
従って、低コストで、かつ容易に植物からCdを回収することができる。
また、上記製錬では、純度の高い金属(亜鉛)を得ることを目的として、該金属以外の成分(Cdなど)を除去するための処理(焙焼、浸出、浄液など)がなされる。特に、焙焼工程では、焙焼炉を用いて上記植物を効率よく加熱し有機物等を酸化分解させるため、不純物量を低減することができる。従って、Cd回収率を高めることができる。
【0027】
(ii)亜鉛製錬では、他の金属の製錬に比べ、原料(亜鉛精鉱)由来のCdのうち多くの部分が焼鉱、中性液を経て浄液渣に移行する。
上記Cd回収方法では、上記植物を亜鉛製錬工程に供給するので、植物中のCdを、原料(亜鉛精鉱)由来のCdとともに回収することができる。
このように、簡単な操作で植物由来のCdを回収することができるため、Cd回収コストを抑えることができる。またCd回収率を高めることができる。
【0028】
(iii)上記植物を高Cd濃度部分と低Cd濃度部分とに分離しておき、高Cd濃度部分を焙焼炉内の亜鉛精鉱に供給し、低Cd濃度部分を焙焼炉の燃焼部に供給する方法によれば、低Cd濃度部分の燃焼によって焙焼炉の熱効率を高めることができる。従って、加熱コスト削減が可能である。
【0029】
(iv)上記植物を、焙焼炉内の亜鉛精鉱表面の少なくとも一部を覆うように供給することによって、亜鉛精鉱を保温し、焙焼炉の加熱効率を高めることができる。従って、加熱コスト削減が可能である。
【0030】
なお、本発明で用いられる製錬炉は、亜鉛製錬用のものに限定されない。例えば、銅製錬用、鉛製錬用、または錫製錬用の製錬炉を用いることもできる。
この場合には、Cd含有土壌で栽培した植物を上記製錬炉内に供給し、植物中のCdを、銅、鉛、または錫を含む製錬物に移行させ、電解工程で製錬物から銅、鉛、または錫を分離する際に、Cdを回収する方法をとることができる。
また、上記銅、鉛、または錫の製錬過程では、Cdを排ガス中に移行させ、排ガスをスクラバーで処理する際にCdを回収する方法をとることができる。
製錬炉で分離されたスラグ中に移行したCdは、塩素または塩化物とともにロータリーキルンに供給し、ここで塩化揮発法を利用して分離することもできる。
【0031】
【実施例】
表3に示す植物を、Cd含有土壌(Cd濃度:50mg/kg)で栽培した。これらの植物を採取し、風乾した後、地上部と根部とを分離し、それぞれのCd濃度を測定した。
【0032】
【表3】
Figure 2005046666
【0033】
表3より、植物の種類によってCdが濃縮される部位が異なることがわかる。
【0034】
(実施例1)
ミレットを上記Cd含有土壌(Cd濃度:50mg/kg)で栽培し、青刈りにより採取した。なお、青刈りとは植物を実が熟す前に採取することをいう。
天日または乾燥室で十分に乾燥させたミレット100kgを、442.9tの亜鉛精鉱(Cd濃度0.16質量%)とともにウェッジ焙焼炉に供給し、温度880〜930℃で焙焼し、焼鉱を得た。
次いで、中性浸出槽において、焼鉱を電解尾液(硫酸182g/L)を用いて浸出処理し、中性液を得た。この際、MnOを33g加えて中性液を攪拌し、沈澱物を溶解残渣とともにバートろ過器で分離した。
中性液を、亜鉛末24.94kg、亜ヒ酸1.17kgとともに第一浄液槽に供給し、沈澱物を除去した。
第一浄液槽を経た中性液を、亜鉛末24.94kg、亜ヒ酸1.17kgとともに第二浄液槽に供給し、沈澱物を除去した。第二浄液槽を経た中性液を、亜鉛末6.62kgとともに第三浄液槽に供給し、析出したCdを含む第三浄液渣を得た。この第三浄液渣をCd製錬により精製し、Cd1.612kgを得た。
なお、上記各薬剤等の使用量や回収量は、1日あたりの重量で示した。
【0035】
(実施例2)
上記Cd含有土壌で栽培したドクダミの根部を地上部から分離し、天日または乾燥室で十分に乾燥させた。このドクダミの根部100kgを、442.9tの亜鉛精鉱(Cd濃度0.16質量%)とともにウェッジ焙焼炉に供給し、温度880〜930℃で焙焼し、焼鉱を得た。
地上部は焙焼炉の燃焼部に供給した。
次いで、中性浸出槽において、焼鉱を電解尾液(硫酸182g/L)を用いて浸出処理し、中性液を得た。この際、MnOを33g加えて中性液を攪拌し、沈澱物を溶解残渣とともにバートろ過器で分離した。
中性液を、亜鉛末24.94kg、亜ヒ酸1.17kgとともに第一浄液槽に供給し、沈澱物を除去した。
第一浄液槽を経た中性液を、亜鉛末24.94kg、亜ヒ酸1.17kgとともに第二浄液槽に供給し、沈澱物を除去した。第二浄液槽を経た中性液を、亜鉛末6.62kgとともに第三浄液槽に供給し、析出したCdを含む第三浄液渣を得た。この第三浄液渣をCd製錬により精製し、Cd1.605kgを得た。
なお、上記各薬剤等の使用量や回収量は、1日あたりの重量で示した。
【0036】
【発明の効果】
本発明のCd回収方法は、次に示す効果を奏する。
(i)Cd含有土壌で栽培した植物を製錬炉に供給し、金属製錬の過程でCdを回収するので、既存の製錬方法をそのまま利用してCdを回収することができる。
従って、低コストで、かつ容易に植物からCdを回収することができる。
また、金属製錬では、製錬炉を用いて上記植物を効率よく加熱し有機物等を酸化分解させるため、不純物量を低減することができる。従って、Cd回収率を高めることができる。
(ii)亜鉛製錬では、他の金属の製錬に比べ、原料由来のCdのうち多くの部分が焼鉱、中性液を経て浄液渣に移行する。
本発明のCd回収方法では、上記植物を亜鉛製錬工程に供給することによって、植物中のCdを、亜鉛原料由来のCdとともに回収することができる。
従って、Cd回収コストを抑えることができる。またCd回収率を高めることができる。
(iii)上記植物を高Cd濃度部分と低Cd濃度部分とに分離しておき、高Cd濃度部分を製錬炉内の金属原料に供給し、低Cd濃度部分を製錬炉の燃焼部に供給する方法によれば、低Cd濃度部分の燃焼によって製錬炉の熱効率を高めることができる。従って、加熱コスト削減が可能である。
(iv)上記植物を、製錬炉内の金属原料表面の少なくとも一部を覆うように供給することによって、金属原料を保温し、製錬炉の加熱効率を高めることができる。従って、加熱コスト削減が可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のCd回収方法に使用可能な亜鉛製錬方法の一例の工程図である。

Claims (5)

  1. カドミウム含有土壌からカドミウムを回収する方法であって、カドミウム吸収能を有する植物を前記土壌で栽培した後、この植物を、金属製錬に用いられる製錬炉内に供給し、この金属製錬の過程でカドミウムを回収することを特徴とするカドミウム含有土壌からのカドミウム回収方法。
  2. 前記金属製錬が、亜鉛製錬であることを特徴とする請求項1に記載のカドミウム含有土壌からのカドミウム回収方法。
  3. 前記製錬炉が、亜鉛原料を焙焼する焙焼炉であり、
    カドミウムを回収するにあたって、焙焼炉で得られた焼鉱から亜鉛を浸出させ、得られた亜鉛含有浸出液からカドミウムを析出させることを特徴とする請求項2に記載のカドミウム含有土壌からのカドミウム回収方法。
  4. 前記植物をあらかじめ高カドミウム濃度部分と、これよりカドミウム濃度が低い低カドミウム濃度部分とに分離しておき、前記植物を製錬炉内に供給するに際して、高カドミウム濃度部分を製錬炉内の金属原料に供給し、低カドミウム濃度部分を製錬炉の燃焼部に供給することを特徴とする請求項1〜3のうちいずれか1項に記載のカドミウム含有土壌からのカドミウム回収方法。
  5. 前記植物を製錬炉内に供給するに際して、該植物を、製錬炉内の金属原料表面の少なくとも一部を覆うように供給することを特徴とする請求項1〜4のうちいずれか1項に記載のカドミウム含有土壌からのカドミウム回収方法。
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