JP2005045454A - 色変換パラメータ生成方法および色変換装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】墨生成部2は、墨生成パラメータを用いてL*a*b*からKを生成し、色変換部4でL*a*b*KをCMYに変換する。算出部5、6で、粒状度、色域の評価値を算出し、算出部7で評価値を総合評価し、総合評価値が最大になるように墨生成パラメータを決定する。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、色変換パラメータ生成方法および色変換装置に関し、例えばインクジェット記録方式や電子写真方式等のカラー画像形成装置に好適な技術である。
【0002】
【従来の技術】
電子写真方式、インクジェット記録方式等でカラー画像を印刷する際には、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、ブラック(K)の4色の色材が用いられることが多い。一方、一般的な色信号は、デバイスに依存しないL*a*b*、L*u*v*色空間や、モニタ信号等で用いられているRGB色空間など、3次元色空間上の色信号である。したがって、カラー画像をカラー印刷する場合には、3次元色空間上の色信号を4次元色空間へ変換する必要がある。しかし、この変換は異なる次元間の変換であるため1対1には対応せず、3次元色空間上の色信号と、その色信号を再現する4色色信号の組み合わせは複数存在する。
【0003】
複数の4色色信号から実際に使用するものを決定するには、条件が必要となる。例えば、Kの量すなわち墨量が最大となるような4色を選択すると、色材の量が少なくて済むという利点はあるが、ハイライトではKの粒状感が目立つこともあり、その場合には、Kをなるべく少なくする方が画質には良いことが多い。
【0004】
このような場合に墨量を適切に決定する方法として、CMYK信号から粒状性やモアレの予測値としてウィナースペクトルを算出し、その値に基づき、複数のCMYK信号のうちから、ウィナースペクトルの値が最も小さいものを採用する方法がある(例えば、特許文献1を参照)。また、入力色空間上で墨制御ラインを設定し、そのライン上での墨開始点を、粒状感を考慮して決める方法もある(例えば、特許文献2を参照)。
【0005】
【特許文献1】
特開2000−78418号公報
【特許文献2】
特開2002−33928号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、特許文献1の方法では、3次元の個々の入力色信号に対して最適なCMYK信号の算出が可能であるが、例えば、色空間での墨量の連続性等を保証しようとすると、必ずしも個々の色信号に対して最適な値を設定することができず、その際の方法は明示されていない。また、ウィナースペクトルのみを見てCMYKを決定しているが、複数の画像品質を考慮したい場合、特にそれらが墨量との関係において相反することがある場合は想定されていない。また、この方法では、CMYK信号によって表現可能な色域(ガマット)を最大限使用するように墨量の設定範囲に制限をつけているが、それにより、ガマットの最外郭付近にどうしても粒状度が悪くなってしまう色が存在することがある。そういった粒状度の悪い色、例えば最高濃度のイエローにわずかに黒が混じった色等は、ガマットが多少狭くなるとしても、あえて使用しないほうがいい場合もある。
【0007】
また、特許文献2においても、墨開始点1点での粒状感のみを考慮している。この方法では、任意の点での墨量は墨制御ラインを用いた補間演算によって求められるため、墨制御ラインでの墨開始点によって周囲の点での墨量も変わってくる。よって、墨開始点のみの粒状感を考慮しただけでは、周囲の点での粒状感はどうなるか分からず、全体として最適な墨量が設定されるとは限らない。また、墨開始点の変化によりガマットが損失することがあるが、そのことが全く考慮されていない。
【0008】
本発明は上記した問題点に鑑みてなされたもので、
本発明の目的は、画質を考慮しながら、色空間全体として、最適な墨量を設定することが可能な色変換パラメータ生成方法および色変換装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は、入力色信号を、墨を含む複数色の出力色信号に色変換する際の、色変換パラメータを求める方法であって、複数組の入力色信号を色変換する色変換ステップと、前記色変換された複数組の出力色信号に基づいて、出力画像の品質に関する評価値を複数算出する算出ステップと、前記複数の評価値に基づいて前記色変換パラメータを決定する決定ステップとを有する。
【0010】
本発明は、入力色信号を、墨を含む複数色の出力色信号に色変換する際の、色変換パラメータを求める方法であって、複数組の入力色信号を色変換する色変換ステップと、前記色変換された複数組の出力色信号に基づいて、色域を評価する評価値を算出する算出ステップと、前記色域の評価値に基づいて前記色変換パラメータを決定する決定ステップとを有する。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施例を図面を用いて具体的に説明する。
(実施例1)
本実施例では、入力色信号がL*a*b*均等色空間の信号であり、入力色信号をCMYK4色の色材色信号に変換するパラメータを作成する方法を説明する。ただし、入力信号は、例えばRGB信号、L*u*v*信号等でもよい。
【0012】
まず、L*a*b*からCMYKへの変換は3対4の変換であり、原理的に一意には決まらず、複数のCMYKの中から一つを選択するには、何らかの条件が必要となる。逆に言うと、この変換には自由度があるため、その自由度を利用して、画質を考慮することが可能となる。本実施例では、L*a*b*からKを求めるステップとL*a*b*KからCMYを求めるステップとに分ける。後者のステップは、プリンタ特性により一意に決まり、前者のステップでのL*a*b*とKとの関係を、画質を考慮する事により決定することになる。ここでは、L*a*b*とKとの関係は、墨生成関数によって決まり、墨生成関数は、入力色信号とともに、墨生成パラメータを変数とする。すなわち、墨生成パラメータを変更することにより、L*a*b*とK、ひいてはCMYKとの関係を変更することができる。
【0013】
図1は、本発明の実施例の構成を示す。図において、1は評価点抽出部、2は墨生成部、3はパラメータ設定部、4は色変換部、5は粒状度算出部、6は色再現域評価値算出部、7は総合評価値算出部、8は評価部である。
【0014】
概略的には、墨生成パラメータを入力とする関数「総合評価値」があり、この値が最大となるような墨生成パラメータを決定する。すなわち、あるパラメータをパラメータ設定部3に設定して、総合評価値算出部7で総合評価値を算出し、評価部8で評価する。評価により最適でないとされた場合は、パラメータを変更して、再度総合評価値を算出し、評価する。この繰り返しによって最適な墨生成パラメータを決定することが出来る。これは、一般的には最適化問題と言われ、ここではパウエル法という最適化手法を想定しているが、他にも、焼きなまし法、GA(遺伝的アルゴリズム)法等の種々の最適化手法があり、それらのどれを用いても良い。
【0015】
まず、墨生成パラメータについて説明する。墨生成パラメータは、本実施例では、W−K、C−K、M−K、Y−K、R−K、G−K、B−Kの7つのライン上での墨開始点、墨飽和点となる。ここで、Wはガマット内の最高明度点、Kはガマット内の最低明度点である。W、Kは、厳密には無彩色軸上に位置しないが、無彩軸上近傍には位置しており、便宜上、a*、b*の値を0にする等の方法で、無彩色軸上に設定することが望ましい。また、C、M、Y、R、G、Bは、1次色、2次色を表す点であり、例えばRは、M=Y=max(最大値)で定義される。
【0016】
図2は、L*a*b*空間をレッド(R)の色相面で見たものであり、CMYK4色で再現しうる色域(ガマット)が曲線で示してある。W−Kラインを例にとると、図3のように、ライン上の墨量が線形に設定されることになる。R−Kライン等でも同様である。
【0017】
前記の墨生成パラメータを用いて、任意の点L*a*b*に対する墨量の求め方について説明する。墨生成パラメータを設定したライン上の点については、直接求めることができるが、ライン間のL*a*b*に対して墨量を求める際には、補間演算により求める。墨量を求めたい点Pが図2のようにR色相面内の点であれば、まず、点PとKとを結ぶラインを設定し、そのライン上での墨開始点、墨飽和点を、R−Kライン、W−Kラインでの両点を結ぶ直線との交点により求める。これにより、点Pの墨量を求めることができる。墨量を求めたい点Pが1、2次色の色相面内にない場合は、まず、点Pを挟む2つの1、2次色の色相を求める。例えば、R色相とY色相の間に点Pがあったとすると、図4のように、点Pの位置する色相面と、R−Kライン、Y−Kラインでの墨開始点を結ぶ直線との交点を求める。また同様に墨飽和点についても求める。これらの墨開始点、墨飽和点を結ぶ直線は点Kを通り、結果として、1、2次色の色相での外側のラインと同様のラインが設定される。後は、図2で説明したように、この外側ラインとW−Kラインを用いて補間演算を行うことにより、墨量を求める。
【0018】
パラメータの設定に関しては、6色相に限る必要はなく、例えばさらに細かく色相を区切り、12色相でパラメータを設定しても良いし、もしくは図5のように、色相面内でもう1ライン増やすことも効果的である。その際は、パラメータ数が増加するが、より細かい墨生成が可能になる。
【0019】
色変換部4におけるL*a*b*KからCMYへの変換は、ここではニューラルネットワークにより構築するが、4対3の変換が可能な構成ならどのようなものであっても良い。
【0020】
次に、ある墨生成パラメータが入力されたときに、総合評価値を算出する手順を示す。まず、前準備として、図1の評価点抽出部1において、評価値を算出するための複数のL*a*b*空間上の点を抽出しておく。これらは、どのような評価値を算出するかによって異なるため、本実施例のように複数の評価値を算出する場合は、評価値ごとに複数点の組を用意する必要がある。ただし、評価値によっては、同じ複数点の組を用いて評価値を算出することが可能な場合もある。具体的な点の抽出方法については、後述する評価値算出方法の説明の際に述べる。本実施例では、評価値として色域、粒状度の2つを算出し、それらに基づいて最終的に総合評価値を算出する。
【0021】
墨生成パラメータは、墨生成部2に入力され、前記の方法によって、色域、粒状度のそれぞれに対応した評価値算出用の複数点からKを求める。すなわち、複数組のL*a*b*Kが、評価値ごとに作成され、評価値算出用に用いられる。以下に、評価値ごとに算出方法を説明する。
【0022】
色域(色再現域)評価値算出部6は、再現可能な色域がどれだけ大きいかを評価する。L*a*b*から算出されるKの設定方法によっては、本来CMYKによって再現可能な色であっても、再現できなくなる事があり、結果として、色域が狭くなってしまう。例えば、ハイライトのかなり明度の高い色に対して、その明度より低くなるような大きなKの値が設定されていると、その色は正しい色で表現されないことになる。よって、墨生成パラメータの値によって、色域の大きさが異なってくる。理想的には、CMYKによるガマット内の全ての点について、算出されるKがその点(L*a*b*)を再現することの可能な値であるかどうかを判定することにより、色域の大きさを求めるのが良い。色再現可能かどうかの判定方法は、例えば、任意のL*a*b*に対して、その色を再現可能なKの範囲を求め、その範囲内であるかを判定する方法が考えられる。すなわち、例えば、特開平11−225279号公報に記載の方法で、最大墨および最小墨を求める。色域評価の際にはそれらを用いて、任意のL*a*b*に対して設定されたKの値が、そのL*a*b*での最大墨と最小墨の間にあるかどうかを判定し、その間の値であれば色域内であるとする。
【0023】
しかし、全ての点について判定することは非常に時間がかかる。よって例えば、評価点抽出部1では、6色相に対して、ガマット最外郭上でL*=10おきの点を抽出する。ある色相においての評価点の概略図を図6に示す。ただし、これらの点を抽出するためには、ガマットの最外郭曲面の座標を求める必要がある。方法としては、CMYKからL*a*b*への変換系を用意しておき、CMYKのとりうる範囲全てに対してL*a*b*を求め、そのデータ群に対して、最外郭、すなわち各色相、明度に対して彩度が最大となるものを抽出することにより、求めることができる。なお、ここでのCMYKからL*a*b*への変換は、前記のL*a*b*KからCMYへの変換と同様に、ニューラルネットワークによって構築することができる。
【0024】
抽出されたガマット最外郭上の点は、墨生成部2によってL*a*b*Kに変換され、色域評価値算出部6に入力される。色域評価値算出部6は、これらの点でのL*a*b*とKの組み合わせが、色再現可能かどうかを判定する。色再現可能でないと判定された点に対しては、例えば、彩度方向へ1だけ入った点で評価し、色再現可能な点に行き着くまで彩度を下げていく。これにより、各色相の、大まかなガマット最外郭を求めることができる。この大まかなガマット最外郭より、色域の体積に相当する量を算出し、色域の評価値とする。具体的には、求まった最外郭点の彩度の2乗を合計した値が考えられる。
【0025】
粒状度は、同じ入力色であっても、CMYKの組み合わせによって大きく異なることがある。例えばハイライトのグレーをK一色で再現するのとCMYで再現するのとでは、ざらつきが大きく違うことがあり、一般的にはKを入れない方が、粒状度としては良い場合が多い。評価点抽出部1では、ガマット領域からまんべんなく抽出することが望ましい。例えば、30°ごとの12色相において、図7のようにL*は所定の間隔で区切り、chroma(彩度)はガマット最外郭の彩度を4等分した点を抽出する。ただし、墨生成パラメータによってはガマットが狭くなるので、実質のガマット外となりやすい最外郭上の点は除く。これらの点について、墨生成および色変換を行うことでCMYKを求め、粒状度算出部5に、評価用の複数点におけるCMYKが入力される。
【0026】
粒状度算出部5は、個々のCMYKから粒状度を求め、平均値を粒状度評価値とする。他にも、最悪値や分散を用いることも可能である。CMYKから粒状度を求める方法は、理想的には、CMYKすべての組み合わせに対してパッチを出力し、実際に測定し、CMYKから粒状度を求める4次元ルックアップテーブルを作成しておくのが良いが、現実的ではない。そこで、例えば、一部の組み合わせに対しては4次元ルックアップテーブルを作成しておき、それ以外の組み合わせが入力された場合には、線形補間演算を行って求める方法を用いる。
【0027】
色域評価値と粒状度評価値に基づいて、総合評価値を算出する。まず、色域評価値、粒状度評価値とも、規格化する。例えば、色域はCMYKによって再現しうる最大ガマットの評価値を1として、0〜1の間の数値を取るようにする。また、粒状度の場合は、特に規格化に適切な値が見つからないため、適当に決めることになるが、そもそも厳密である必要はなく、墨生成パラメータを適当に振って粒状度評価値の値の分布を見ることにより、0〜1程度の範囲で値をとるように規格化してやれば良い。
【0028】
このようにして複数の評価値の尺度を概略一致させてやることで、総合評価値を扱いやすくなる。ここで、色域評価値、粒状度評価値とも大きい方が良い値だとすると、総合評価値は、例えば、以下のように正の係数α、βを付けて線形和により作ることが出来る。
(総合評価値)=α(色域評価値)+β(粒状度評価値)
この値が最大となるように、最適化手法により墨生成パラメータを決定すればよい。ただし、α、βは、色域損失しないことを重視するか、粒状度を良くすることを重視するかを制御するパラメータとなり、それはどのような色補正パラメータを作りたいかによって決まってくる。例えば、粒状度の悪さが非常に目に付くプリンタがあるとすれば、多少色域損失しても、粒状度が良くなるような色補正パラメータを作成する必要があり、このときには、αよりもβの値を大きくして、最適化を行う。これらにより、色域と粒状度を考慮して、最適な色補正パラメータを決定することができる。
【0029】
(実施例2)
実施例2は、条件付き最適化に係る実施例である。実施例1では、複数の評価値に基づいて総合評価値を算出していたが、ある評価値について明確な目標がある場合には、調整が難しい。例えば、粒状度評価値を所定の値以下にしたい場合には、そのように条件付けた中で、色域を出来る限り大きくする方法が良い。例えば、基本的には総合評価値は色域評価値を用いるが、粒状度評価値が所定の値以下であるかどうかを判定し、そうでない場合は、総合評価値にマイナスの大きな値を加えるという方法により、実現可能である。
【0030】
(実施例3)
実施例3は、グレー安定性、色材量、モアレ、テクスチャを考慮した実施例である。実施例1では色域と粒状度を考慮したが、他にも考慮することにより画像品質が向上するものがある。例として、グレー安定性、色材消費量、モアレ、テクスチャについて説明する。
【0031】
グレー安定性は、無彩色に色付きがなく、安定して出力できるかどうかを評価する。評価する点は無彩色軸上の点であることが望ましく、例えば、L*=5おきの無彩色軸上の点を評価点抽出部1で抽出しておけば良い。各点のL*a*b*は墨生成および色変換により、CMYKに変換されてグレー安定性評価部に入力される。グレー安定性評価部は、各点に対してCMYの値をそれぞれ所定の幅で振ったときに、L*a*b*の値が無彩色軸からずれる彩度量の最大値を求め、それらの平均値、もしくは最悪値を評価値とする。所定の幅は、出力装置の経時変動により生ずると予想される変動幅に設定するのが望ましい。すなわち、出力装置の経時変動によりグレー再現がどれだけずれるかを評価することができる。
【0032】
色材消費量は、出力する際に必要な色材の量を評価する。この値を評価することで、色材消費量を節約し、画像出力の際のコストを下げることができる。評価点抽出部1では、ガマット領域からまんべんなく抽出することが望ましく、例えば、粒状度の場合と同様に抽出すれば良い。各点は墨生成および色変換により、CMYKに変換されて色材消費量評価部に入力される。色材消費量評価部は、各点のCMYKを合計して色材消費量の評価値とする。
【0033】
モアレ、もしくはテクスチャについては、粒状度と同様にCMYKから算出するために、例えば4次元ルックアップテーブルを作成する必要があり、パッチを実際にプリンタで出力し、実測により求める必要がある。評価の方法も、粒状度と同様な方法で良い。
【0034】
(実施例4)
実施例4は、色域評価の改良に係る実施例である。実施例1では色域評価をガマットの体積に相当する値で評価していたが、他の評価も考えられる。例えば、色域全体の体積ではなく、6色相の色相面で色空間を分割し、領域ごとの体積を評価することも考えられる。これらの評価値は、領域ごとに色域90%以上となるように条件付けに用いても良いし、領域ごとの評価値のばらつきが小さくなると値が良くなるような評価値を分散等から作り、総合評価値に加えることも考えられる。あるいは、例えばある領域の色域を重視したい場合には、領域ごとに重み付けをし、総合評価値を構成することもできる。もちろん、このように領域ごとに評価値を算出することは、色域評価だけでなく、他の評価値においても同様に効果的である。
【0035】
また、色域評価については、ガマット最外郭の形状を評価することも考えられる。すなわち、図8の点線のように、ガマットが急にえぐれるような色域損失を防ぐために、例えば、最外郭曲面での傾きに相当する値を算出し、それらの最外郭曲面上での変化を評価するような評価値をつくることで、傾きが急激に変化しないように最適化することも出来る。実施例1でいうと、評価用の点ごとに求めた最外郭点について、隣り合う点の差を算出することで、傾きに相当する値が得られる。
【0036】
(実施例5)
実施例1では色域と粒状度を考慮していたが、本実施例は色域のみを考慮して墨生成パラメータを決めることも有効である。実施例4のように、ガマットの形状を評価することで、例えば、最大色域でのガマット最外郭の形状が少しいびつな形をしており、もう少し滑らかなガマットで色変換を行いたい場合に、最適な色変換パラメータを算出することができる。
【0037】
(実施例6)
実施例6は、評価値の切り換えに係る実施例である。実施例1、3において総合評価値を用いる場合、画像種に応じた最適な色変換パラメータを作成することも可能である。例えば、網点画像を想定した場合は、画像の網点とCMYK版の干渉によるモアレを評価するモアレ評価値を総合評価値に加えることが重要である。また、文字画像と中間調画像を区別すると、例えば文字画像については粒状度を考慮する必要はあまりないため、色域評価値の係数αを大きくし、中間調画像では逆に粒状度を重視してβを大きくした総合評価値を用いればよい。また、画像種でなくとも、トナー節約モード、無彩色重視モード等の様々なモードに対応して総合評価値をつくることが出来る。トナー節約モードでは、色材消費量に重みをつければ良いし、無彩色重視モードであれば、グレー安定性に重みをつければ良い。いずれの場合も、必ずしも一つの画像品質を考慮するのではなく、複数の画像品質を考慮しつつ、重み付けを変えることで、バランスのとれた画像出力の可能な色補正パラメータを作成することができる。
【0038】
(実施例7)
前記実施例では、色変換ステップを入力色信号からKを求めるステップと入力色信号とKからCMYを求めるステップに分けていたが、必ずしもそうする必要はなく、入力色信号を表現しうる複数のCMYKの中から、一つを決定するようなパラメータがあれば良く、例えばRGB信号からの変換においてよく用いられるUCRパラメータを決定する方法として用いることも可能であるし、また、L*a*b*からYを求め、L*a*b*YからCMKを求めるというステップに分け、L*a*b*からYを求めるパラメータを決定しても良い。また、例えばインクジェット記録装置では、シアン、マゼンタインクについて濃度の異なる2種類のインクを用いてプリンタ出力するものがあり、そのような装置用の色変換パラメータ作成であった場合は、L*a*b*からCMYKを求めた後に、C、Mそれぞれについて濃淡インクの割合を設定する必要があり、その割合を最適な値に決定する方法としても用いることができる。
【0039】
(実施例8)
実施例8は、色補正LUTの作成に係る実施例である。前記実施例において、最適な色変換パラメータを求めたとしても、実際にプリンタ等で色変換を実施する形態としては、色変換ルックアップテーブルを用いた線形補間演算によって行うことが多い。よって、例えば実施例1で詳しく説明したような墨生成パラメータを介して色変換を行っているような場合には、このパラメータから、色変換ルックアップテーブルを作成することが出来る。具体的には、格子点パラメータを前記色変換パラメータにより求めれば良い。
【0040】
【発明の効果】
以上、説明したように、本発明によれば、色域と粒状度を考慮して、最適な色変換パラメータを決定することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例の構成を示す。
【図2】点Pの墨量の求め方を説明する図である。
【図3】W−Kライン上の墨量が線形に設定される例を示す。
【図4】点Pの墨量の求め方を説明する図である。
【図5】墨量の他の求め方を示す。
【図6】ある色相における色域評価用の評価点の例を示す。
【図7】粒状度評価用の評価点の例を示す。
【図8】ガマット最外郭の形状を評価する際に、点線のような色域の損失を防ぐ例を示す。
【符号の説明】
1 評価点抽出部
2 墨生成部
3 パラメータ設定部
4 色変換部
5 粒状度算出部
6 色再現域評価値算出部
7 総合評価値算出部
8 評価部
Claims (20)
- 入力色信号を、墨を含む複数色の出力色信号に色変換する際の、色変換パラメータを求める方法であって、複数組の入力色信号を色変換する色変換ステップと、前記色変換された複数組の出力色信号に基づいて、出力画像の品質に関する評価値を複数算出する算出ステップと、前記複数の評価値に基づいて前記色変換パラメータを決定する決定ステップとを有することを特徴とする色変換パラメータ生成方法。
- 入力色信号を、墨を含む複数色の出力色信号に色変換する際の、色変換パラメータを求める方法であって、複数組の入力色信号を色変換する色変換ステップと、前記色変換された複数組の出力色信号に基づいて、色域を評価する評価値を算出する算出ステップと、前記色域の評価値に基づいて前記色変換パラメータを決定する決定ステップとを有することを特徴とする色変換パラメータ生成方法。
- 前記複数の評価値は、少なくとも色域を評価する値を含むことを特徴とする請求項1記載の色変換パラメータ生成方法。
- 前記決定ステップによって決定される色変換パラメータは、墨信号の生成を制御するパラメータであることを特徴とする請求項1または2記載の色変換パラメータ生成方法。
- 前記色変換ステップは、入力色信号から墨信号を生成する墨生成ステップと、前記入力色信号と墨信号から墨信号以外の色信号を算出するステップとから成ることを特徴とする請求項1または2記載の色変換パラメータ生成方法。
- 前記墨生成ステップにおいて、墨生成量は、入力色信号、および前記墨信号の生成を制御するパラメータを変数とする連続関数によって決定されることを特徴とする請求項5記載の色変換パラメータ生成方法。
- 前記入力色信号は、均等色空間で定義された色信号であることを特徴とする請求項1または2記載の色変換パラメータ生成方法。
- 前記色域を評価する評価値とは、色域の大きさを表す値であることを特徴とする請求項2または3記載の色変換パラメータ生成方法。
- 前記色域を評価する評価値とは、色空間を複数に分割した領域ごとの色域の大きさを算出し、領域に応じて重み付けして合計した値であることを特徴とする請求項2または3記載の色変換パラメータ生成方法。
- 前記領域とは、色空間を色相面で分割した領域であることを特徴とする請求項9記載の色変換パラメータ生成方法。
- 前記色域を評価する評価値は、色域の最外郭曲面の形状を評価する値であることを特徴とする請求項2または3記載の色変換パラメータ生成方法。
- 前記複数の評価値は、色域の大きさ、色域の最外郭曲面の形状、グレー安定性、色材消費量、粒状度、テクスチャ、モアレのいずれかを評価する値を1つもしくは複数含むことを特徴とする請求項1または3記載の色変換パラメータ生成方法。
- 前記評価値は、色空間を複数に分割した領域ごとに画像品質を評価する値を算出し、領域に応じて重み付けして合計した値であることを特徴とする請求項1、2、3、8、9、11、12のいずれか一つに記載の色変換パラメータ生成方法。
- 前記複数の評価値に基づいて総合評価値を算出し、前記総合評価値が最良の値となるように色変換パラメータを設定することを特徴とする請求項1、3または12記載の色変換パラメータ生成方法。
- 前記複数の評価値のうち、1つもしくは複数の値に対して条件を付け、各評価値が条件を満たす範囲にあるように色変換パラメータを設定することを特徴とする請求項1、3または12記載の色変換パラメータ生成方法。
- 前記評価値は、画像種に応じて異ならしめることを特徴とする1〜3、8、9、11〜15のいずれか一つに記載の色変換パラメータ生成方法。
- 前記画像種は、印画紙画像、網点画像、文字線画画像を含むことを特徴とする請求項16記載の色変換パラメータ生成方法。
- 前記評価値は、ユーザの好みに応じて異ならしめることを特徴とする1〜3、8、9、11〜15のいずれか一つに記載の色変換パラメータ生成方法。
- 入力色信号を、墨を含む複数色の色信号に色変換する色変換装置であって、請求項1乃至18のいずれか一つに記載の方法を用いて作成した色変換パラメータを用いて色変換することを特徴とする色変換装置。
- 入力色信号を、墨を含む複数色の色信号に色変換する色変換装置であって、請求項1乃至18のいずれか一つに記載の方法を用いて作成した色変換パラメータに基づいて作成された色変換ルックアップテーブルを用いて色変換することを特徴とする色変換装置。
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JP2003201910A JP2005045454A (ja) | 2003-07-25 | 2003-07-25 | 色変換パラメータ生成方法および色変換装置 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2003201910A JP2005045454A (ja) | 2003-07-25 | 2003-07-25 | 色変換パラメータ生成方法および色変換装置 |
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-
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JP2008124888A (ja) * | 2006-11-14 | 2008-05-29 | Fuji Xerox Co Ltd | 色処理装置、色処理方法およびプログラム |
US8131070B2 (en) | 2006-11-14 | 2012-03-06 | Fuji Xerox Co., Ltd. | Color processing apparatus, color processing method, computer readable medium and computer data signal |
JP2009284143A (ja) * | 2008-05-21 | 2009-12-03 | Fuji Xerox Co Ltd | 色処理装置および色処理プログラム |
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