以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
本発明に係るデータ記録媒体は、例えば図1に示すように、基本記述子記録領域PVD、ディスク目録情報記録領域DTOC、複数のプログラム目録情報記録領域PTOC1,PTOC2,PTOC3・・・PTOCNと複数のプログラム情報記録領域PRG1,PRG2,PRG3・・・PRGNからなる。
上記基本記述子記録領域PVDには、ISO9660に準拠して図2に示すように定義された基本記述子(Primary Volume Descriptor )の内容が記録される。
また、ディスク目録情報記録領域DTOCには、このデータ記録媒体の記録内容を示すディスク目録情報(Disc TOC)が図3のシンタックスに示すようにDisc_toc()に各種定義されて記録される。この実施例のデータ記録媒体では、上記ディスク目録記録領域DTOCに記録されるディスク目録情報(Disc_toc())におけるディスクトラックス(disc_tracks() )として、図4のシンタックスに示すように、トラック数(number_of_tracks)やプログラム番号(program_number)、トラック番号(track_number)、トラックの開始の論理セクタアドレス(start_lsa)、トラックの最終セクタの論理セクタアドレス(last_lsa )、トラックにおける最終エントリセクタの論理セクタアドレス(start_es_lsa)などが定義されて記録される。さらに、ディスク目録情報(Disc_toc())におけるレイティングディフィニション(rating_definition )としてレイティングタイプナンバー等が記述される。
また、プログラム目録情報記録領域PTOC1,PTOC2,PTOC3・・・PTOCNには、プログラム情報記録領域PRG1,PRG2,PRG3・・・PRGN毎の記録内容を示すプログラム目録情報(Program TOC 1,Program TOC 2,Program TOC 3・・・Program TOC N)が図5のシンタックスに示すようにProgram_toc()に各種定義されて記録される。この実施例のデータ記録媒体では、上記プログラム目録情報Program_toc()として、Path_rating_assinments()やProgram_tracks()、Path_table() などが定義されている。
上記Program_tracks()は、図6のシンタックスに示すように、再生順序を定義する各パスで使用されている総トラック数(number_of_path_tracks )やトラック番号(track_number)、トラックの開始の相対セクタアドレス(start_rsa)、トラックの最終セクタの相対セクタアドレス(last_rsa)、トラックにおける最終エントリセクタの相対セクタアドレス(start_es_rsa)などが定義されて記録される。ここで、相対セクタアドレス(relative secter address ,rsa)は、プログラムの先頭を0とした相対セクタアドレスとする。
また、上記Path_table()は、図7のシンタックスに示すように、このパスにおけるセクション数(number_of_sections)やこのセクションの最初のエントリセクタの相対セクタアドレス(start_rsa )、このセクションの最終セクタの相対セクタアドレス(last_rsa)、このセクションにおける最終エントリセクタの相対セクタアドレス(last_es_rsa)などが、定義されて記録される。
そして、プログラム情報記録領域PRG1,PRG2,PRG3・・・PRGNには、プログラム情報(Program 1,Program 2,Program 3・・・Program N)が記録される。
上記プログラム情報記録領域PRG1,PRG2,PRG3・・・PRGNに記録される各プログラム情報(Program 1,Program 2,Program 3・・・ProgramN)は、1つの番組を構成するプログラム情報がパケット単位に分割されて順次記録されるものであるが、上述の図5のシンタックスにおけるProgram_toc() 内にpath_rating_assignments() やProgram_tracks()、entry_points()、Path_table()を設定して各エントリポイントを選択的に指定することにより、上記1つの番組を構成するプログラム情報が複数種類の順序で再生できるようになっている。すなわち、例えば図8に示すように、1つの番組を構成するプログラム情報を記録する場合、第1のパスPath0では、1つのセクションの始点を示す1つのエントリポイント及び終点の位置を指定しておくことにより、上記プログラム情報を1セクションで構成される番組のプログラム情報として再生し、また、第2のパスPath1では、2つのセクションの始点を示す2つのエントリポイント及び終点の位置を指定しておくことにより、上記プログラム情報を2セクションで構成される番組のプログラム情報として再生し、また、第3のパスPath2では、3つのセクションの始点を示す3つのエントリポイント及び終点の位置を指定しておくことにより、上記プログラム情報を3セクションで構成される番組のプログラム情報として再生し、さらに、第4のパスPath3では、5つのセクションの始点を示す5つのエントリポイント及び終点の位置を指定しておくことにより、上記プログラム情報を5セクションで構成される番組のプログラム情報として再生することができる。
ここで、各セクションのジャンプポイントの直前及び直後に置かれる各エレメンタリストリームのアクセスユニットを完結したアクセスユニットとしておくことにより、簡単な構成の再生系においても、ジャンプが発生しても画像と音声の両方又は少なくとも一方を連続再生することが可能になる。
さらに、少なくとも1つの再生順序は1つのセクションのみとして、ジャンプが発生しないパスを確保しておけば、ジャンプ処理に対応しない再生系においても少なくとも1つのパスを再生することができるようになる。
なお、上記エントリポイントとは、本出願人による特許出願(特願平4−277956号)において提案されたものである。簡単に説明すると、MPEGビデオでは、グループオブピクチャ(以下、GOPと呼ぶ)単位で動画像を扱う。すなわちイントラピクチャ(画像内符号化画像、通称Iピクチャと呼ぶ)と、インターピクチャ(画像間符号化画像、通称Pピクチャ又はBピクチャと呼ぶ)との複数枚を1つのグループとするものである。このGOPでは、始まりのピクチャは必ずIピクチャであるため、例えば高速サーチをするためIピクチャのみを復号して再生する。
しかし、MPEG2ではGOPに含まれるピクチャ数の変更が可能であること、またGOPに含まれるピクチャ数を固定にしても、可変レートで記録媒体に記録した場合はGOPの始まりがランダムになること等から、Iピクチャの位置を特定することが難しい。そこで先願ではエントリポイントを導入し、GOPの最初のIピクチャが存在するパケットの直前に、エントリパケットを設け、このパケットにエントリポイントとしてフラグを付与するようにした。さらにそのエントリポイントに、例えば、近傍の前後3か所のエントリポイントとの距離又は位置を書き込むようにした。
従って例えばサーチする場合は、現在のエントリポイントから次のエントリポイントへアクセスすることで、簡単にIピクチャのみを復号して連続再生できる。さらに高速サーチするためには、距離の離れたエントリポイントへアクセスする。この先願では、エントリポイントをエントリパケットにて実施している。しかしエントリポイントは、通常のデータパケットに識別コードを付加することで、エントリポイントとして定義が可能である。
また、本出願においては、エントリパケットとしてMPEG System(ISO13818-1)で定義されるプログラムストリームディレクトリ(PDS: Program Stream Directory)及びプログラムストリームマップ(PSM: Program Stream Map)を用い、両PSD、PSMを記録したセクタ(=エントリポイント)をエントリセクタと呼んでいる。
従って、ここでは、ISO/IEC JTC1/SC29/WG11(1994 年11月13日) 提案の国際規格であるMPEG−system(ISO13818-1)のビットストリームのパケットを利用して実施する場合について説明する。
ISO/IEC JTC1/SC29/WG11で提案されたMPEG−systemでは、ビデオデータとオーディオデータとは、それぞれパケット化されてビデオパケットストリーム(Video Packetized Elementary Stream)及びオーディオパケットストリーム(Audio Packetized Elementary Stream)が形成され、これらが時分割多重化されてプログラムストリーム(Program/Transport Stream)とされ、所定の変調が施されて光ディスク等の記録媒体に蓄積される。
MPEGのプログラムストリームは、システムレイヤ(system layer)とコンプレツションレイヤ(compression layer )とで構成される。システムレイヤはパック(pack layer)とPES(Packetized Elementary Stream)パケットレイヤとで構成される。図9はプログラムストリームのレイアウトを示す。従ってMPEGのプログラムストリームは、1つのシステムヘッダ(system header )と少なくとも1のPESパケットを含む。
PESパケットは、図10のレイアウト及び図11〜図14のシンタックスに示すように、PESパケットヘッダとそのヘッダに続くデータとよりなる。プログラムストリームのエレメンタリストリーム(elementary stream)に関しては、PSMにより定義される。図15及び図16にプログラムストリームマップのレイアウト及びシンタックスを示す。PESのデータ種別(MPEG-video、MPEG-audio、他)については、図17に示すようにプログラムストリームマップのストリームタイプにて定義される。これらの詳細については、上述したMPEG規格書において説明されているので、ここでは実施する上で必要な部分の説明に止める。
上述したPESパケットについては、上述したMPEG規格書より抜粋して説明すると、図11〜図14はPESパケットのシンタックスを示し、PESパケットを識別するためのパケットスタートコードプリフィックス(packet start code prefix(24ビット))以下、各種定義が記述される。これは図10のPESパケットをテーブルとして示したものである。ここでは、2つのパケットを使用してエントリポイントを記述するものとする。すなわちPSDで、上述のPESパケットで定義される現ディレクトリオフセット(prev directory offset )及び現ディレクトリオフセットにより現パケットから前後3つのエントリポイントまでの距離を記述する。またPSMで各種情報を記録する。
すなわち、上述の図9に示したようにMPEG-system の多重化方式では、1つの多重化ビットストリームは、1つ以上のパック(pack)で構成される。パックはさらに少なくとも1つのPESパケット又はプログラムストリームマップを含む。
1つのパックは、pack-start-code 、システムクロックリファレンス(SCR: System Clock Reference)、program-mux rate 等よりなるヘッダと、1つ以上のPESパケットで構成される。ヘッダのpack-start-code は、32ビットの符号で、16進で表すと、0x000001b4である。上述の図10に示したように、1つのPESパケットは、packet-start-code-prefix、stream-id 、PES-packet-length 及びoptional-PES-HEADER (内部には、プレゼンテーションタイムスタンプ(PTS: Presentation Time Stamp)、デコーディングタイムスタンンプ(DTS: Decoding Time Stamp))等が定義されるよりなるヘッダと、PESパケットデータとで構成される。packet-start-code-prefixは、24ビットの符号で0x000001である。stream-id は、8ビットの符号で図18に示すように、PESパケットの種類を表す。packet-length (16ビット)は、それ以降のパケットの長さを示す。パケットの長さは、可変長として定義されているが、最大2048バイトとされる。これは、セクタの境界で必ずパックもしくはパケットを分割することにより、再生装置でどのセクタから再生しても正常にデマルチプレクスが開始でき、エラー及びランダムアクセス後の復帰が高速に正確に行うようにするためである。
各パケットのcode data には、ビデオデータ(ビデオストリーム(video stream)の場合)又はオーディオデータ(オーディオストリーム(audio stream)の場合)が記録される。またオーディオストリームは32種類、ビデオストリームは16種類の異なつたstream-id を持つため、この数までの複数のオーディオ信号とビデオ信号を多重化することができる。なお、プライベートストリーム1(private-stream-1)及びプライベートストリーム2(private-stream-2)のcodedata の内容は規格として用途は定められていない。したがって、ユーザが自由に定義して使用することができる。パディングストリーム(padding-stream)はデータ量を増やすために使用される。以上のフォーマットに従って制御装置30は、ヘッダ付加やコード読み込みの処理を行う。DSM10においては内蔵するディスクにこれらの入力データが記録される。
上記プログラムストリームマップ(Program Stream map())は、図16のシンタックスで示すように、プログラムストリームの内容が記述されもので、図16中のシンタックスにおける記述子descrptor() としては、図19に示すようなpath_descriptor()やprogram_descriptor()などの各種記述子descriptor() が定義されている。
ここで、上記path_descriptor() は、各パスを定義するものであって、図20にシンタックスを示すように、パス番号(path_number)やトラック番号(track_number)、セクタ番号(pX_sectors_to_read,pX_sectors_from_start)、セクタオフセット(pX_offset_next_section・・・pX_offset_start_track) 、トラックタイムコード(pX_track_tc_hours_1・・・pX_track_tc_frames_2) 、パスタイムコード(pX_path_tc_hours_1・・・pX_path_tc_frames_2) などが記述される。
上記パス番号(path_number) は記述子が参照するパス番号を与える3ビットの数値である。
上記トラック番号(track_number)は、現トラック番号に等しい16ビットの数値である。プログラムの開始位置への相対的なトラック番号をエンコードした値とされる。セグメント(segments)のトラック番号は、1パスあるいは複数のパスで共用される。トラック番号は、パスを通して増加される。ディスク上の絶対トラック番号はdisc_toc() 中のprogram_linkageで与えられるトラック番号オフセットを加算することによってこの相対トラック番号から知ることができる。
上記セクタ番号(pX_sectors_to_read)は、パス番号Xのプログラムのセクションを読み終わるまでに必要な残りのセクタ数を与える符号無し整数である。この値が0であれば、現セクタは、パス番号Xのパスの1部を構成していない。この値がNであれば、このパスのこのセクションの終了まで読むのに、現セクタを含んでNセクタが残っている。
また、セクタ番号(pX_sectors_from_start) は、パス番号Xの現セクタから現セクションの開始位置までのセクタ数を与える符号無し整数である。この値が0であれば、現セクタは、このセクションの最初のセクタである。この値がNであれば、現セクションの開始位置から現セクタまでに、現セクタを含まずNセクタある。
上記オフセット(pX_offset_next_section)は、パス番号Xのパスの現エントリセクタから次のセクションの開始位置のエントリセクタまでのセクタオフセットである。このオフセットは、正又は負で2の補数にエンコードされている。この値が0であれば、現セクタの属するセクションの次に再生されるべきセクションがない、すなわち、プログラムの終了である。
また、オフセット(pX_offset_previous_section)は、パス番号Xのパスの現エントリセクタから前のセクションの最終エントリセクタまでのセクタオフセットである。このオフセットは、正又は負で2の補数にエンコードされている。この値が0であれば、現セクタの属するセクションの前に再生されるべきセクションがない、すなわち、プログラムの最初である。
もし、上記セクタ番号(pX_sectors_to_read,pX_sectors_from_start) 及び上記オフセット(pX_offset_next_section,pX_offset_previous_section)が全てゼロであれば、パス番号Xのパスは使用されないか、又は、そのエントリセクタはパス番号Xのパスの1部を構成していない。
また、オフセット(pX_offset_next_track)はパス番号Xのパスの現セクタから次のトラックの開始位置のエントリセクタまでのセクタオフセットである。このオフセットは、正又は負で2の補数にエンコードされている。この値が0であれば、このパス上に次のトラックはない。
また、オフセット(pX_offset_start_track) は、パス番号Xのパスの現セクタから現トラックの開始位置のエントリセクタまでのセクタオフセットである。このオフセットは、正又は負で2の補数にエンコードされている。現エントリセクタがトラックの先頭セクタであれば、このオフセット(pX_offset_start_track) は、前のトラックの開始位置へのオフセットとなる。この値が0であれば、このパス上に前のトラックはない。
ここで、上記各オフセットにより指定されるパスのメカニズムを図21に示してある。
上記トラックタイムコード(pX_track_tc_hours_1・・・pX_track_tc_frames_2) は、パス番号Xのパスのトラックの開始位置を0時0分0秒としたトラック先頭に相対的な時間を時・分・秒・フレームで示すタイムコードである。
上記パスタイムコード(pX_path_tc_hours_1・・・pX_path_tc_frames_2)は、パス番号Xのパスの開始位置を0時0分0秒としたプログラム(パス)先頭に相対的な時間を時・分・秒・フレームで示すタイムコードである。
ここで、上記パスディスクリプタ(path_descriptor() )は、例えば図22に示すように、エントリセクタのプログラムストリームマップ(PSM: Program Stream map) 中で各パス毎に置かれるので、各パス毎にタイムコードを与える。このように、各パス毎にタイムコードを与えておくことにより、1つのパスの再生中において、タイムコードを連続して増加させることができ、タイムコードで再生してからの経過時間を表す場合に、不自然でなく都合がよい。
また、例えば図23に示すように、エントリセクタのプログラムストリームマップ(PSM: Program Stream map) 中で各パスを定義する際に、ビットストリーム中にどの再生順序においても再生順に増加する共通のタイムコードをタイムコードディスクリプタ(time_code_descriptor())で1つだけ与えるようにしても良い。この場合、タイムコードは、必ずしも連続に増加させる必要はないが、減少したり同じタイムコードが2度用いられることなく、同じシーンには同じタイムコードを用いるようにする。このようにすれば、各再生順序において共通のタイムコードを用いるので、上記タイムコードをシーンのインデックス情報及び識別情報として用いてサーチに用いるのに都合がよく、また、タイムコードとしての情報量を少なくすることができる。
さらに、エントリセクタのPSM(Program Stream map)中で各パスを定義する際に、各パス毎にトラック番号を与えるようにする。これにより、1つのパス中において、トラック番号を連続して増加させることができ、再生時にトラック番号を表示する場合にトラック番号が不連続になるような不自然な表示状態を無くすことができる。
また、エントリセクタのPSM中で各パスを定義する際に、ビットストリーム中にどの再生順序においても再生順に増加する共通のトラック番号をtrack_numberでタイムコードディスクリプタ(timecode_descriptor )中に1つだけ与えるようにしても良い。この場合、トラック番号は、必ずしも連続に増加させる必要はないが、どのパスから再生しても同じシーンには同じトラック番号を用いるようにする。このようにすれば、各再生順序において共通のトラック番号を用いるので、上記トラック番号をシーンのインデックス情報及び識別情報として用いてサーチに用いるのに都合がよく、また、トラック番号としての情報量を少なくすることができる。
すなわち、上述の図20に示したパスディスクリプタ(path_descriptor() )におけるトラック番号(track_number)、トラックタイムコード(pX_track_tc_hours_1・・・pX_track_tc_frames_2 )及びパスタイムコード(pX_path_tc_hours_1・・・pX_path_tc_frames_2)は、必ずしも上記path_descriptor()内に記述する必要はなく、例えばタイムコードディスクリプタ(time_code_descriptor())として記述して、各パスに共通に定義することができる。
また、上述の図3にシンタックスを示したディスク目録情報(Disc_toc())におけるレイティングディフィニション(rating_definition )には、図24のシンタックスに示すように、レイティングを定義した国数(num_of_countries)、IS03166で規定されている2バイトのカントリーコード(iso_country_code)、レイティングを定義した数(num_of_definition )、レイティングのタイプを数値で示す番号(rating_type_number)、レイティングのタイプを示すISO646で規定されている文字列(rating_type_string)などが記述される。
また、上述の図5にシンタックスを示したProgram_toc()におけるpath_rating_assignmentsには、図25のシンタックスに示すように、レイティングを定義した国数(num_of_countries)、IS03166で規定されている2バイトのカントリーコード(iso_county_code) 、パスの名称を示すISO646で規定されている文字列(path_name)などが記述される。
次に、本発明に係るデータ記録装置について説明する。
本発明に係るデータ記録装置は、例えば図26に示すように構成される。この図26に示したデータ記録装置は、画像データと音声データをそれぞれパケット化して時分割多重化して、カッティングマシン54によりディスク60に記録するデータ記録装置に本発明を適用したものである。
このデータ記録装置において、外部から入力されたビデオ信号はビデオエンコーダ1に入力される。また同様に外部から入力されたオーディオ信号はオーディオエンコーダ2に入力される。ビデオエンコーダ1及びオーディオエンコーダ2の出力は多重化装置13に入力される。多重化装置13の出力端子は、デジタルストレージメディア(DSM)10に接続されており、多重化の結果は一度記憶される。
DSM10の出力は、目録情報(TOC:Table of Content)付加回路50に入力され、先頭部にTOCデータが付加される。TOC付加回路50の出力はセクタヘッダ付加回路51の入力端子に接続されている。セクタヘッダ付加回路51の出力は、ECCエンコーダ52に入力される。ECCエンコーダ52の出力は、変調回路53を経てカッティングマシン54に入力され、光ディスク60がカッティングされる。上記TOC付加回路50には、図27に示すような構成の多重化装置13に設けられたエントリポイント記憶装置35の出力に基づいてTOCデータ発生回路56からTOCデータが供給される。
上記多重化装置13は、図27に示すように、ビデオ信号がビデオエンコーダ1により圧縮されると共に符号化されて、ビデオエントリポイント検出回路23を通じて、コードバッファ24に入力される。また、オーディオ信号は、オーディオエンコーダ2により圧縮されると共に符号化されてコードバッファ26に入力される。
コードバッファ24、26の出力端子は、それぞれスイッチング回路27の入力端子E1、E2に接続されている。スイッチング回路27の出力端子Fは、ヘッダ付加回路28の入力端子に接続されている。ヘッダ付加回路28の出力は、例えば光磁気ディスク、磁気ディスク等でなるデジタルストレージメディア(DSM)10に供給される。
制御装置30は、多重化システムクロック発生回路31の出力するシステムクロックの入力を受けて、所定の周期でスイッチング回路27の入力端子E1、E2を出力端子Fと順次接続して、コードバッファ24又は26からのデータを順次取り出して、時分割多重し、ヘッダ付加回路28に出力する。制御装置30は、MPEGのビットストリームが生成されるように、スイッチング回路27とヘッダ付加回路28を制御する。
この時、制御装置30は、ジャンプポイントではアクセスユニットが完結するようにスイッチング回路27を制御する。完結したアクセスユニットの例を図28の(a)に示し、完結していないアクセスユニットの例を図28(b)に示す。また、さらに、ジャンプポイントを挟んでアクセスユニット間の予測又は参照を行わないビデオエンコーダ1を用いても良い。ジャンプポイントを挟んで予測又は参照を行わない例を図29の(a)に示し、予測を行う例を図29の(b)に示す。
エントリポイント発生回路32は、制御装置30の制御入力を受け、その出力をスイッチング回路27の入力端子E3に供給する。
また制御装置30はヘッダ付加回路28を制御して、コードバッファ24から読み出したビデオデータには、ビデオパケットヘッダを付加させる。またコードバッファ26から読み出したオーディオデータにはオーディオパケットヘッダを付加させる。さらに制御装置30は、ビデオエンコーダ1又はビデオエントリポイント検出回路23から、Iピクチャの発生タイミングで発生されるエントリポイント発生信号の入力を受け、エントリポイント発生回路32を制御して、ビットストリームの所定の位置にPSD及びPSMを挿入させる。ビデオエンコーダ1がエントリポイント発生信号を出力することができるように構成されている場合、ビデオエンコーダ1がIピクチャの発生タイミングでエントリポイント発生信号を出力する。
レイティング付加回路33は、そのときのエントリポイントのパスディスクリプタ(Path-descriptor)を記述する。
各再生順序(パス)におけるセクションの境界については、コンテンツ制作者がレイティング回路33に対してプログラミングを行う。
すなわち、この多重化装置13において、制御装置30は、ビデオエンコーダ1又はビデオエントリポイント検出回路23からのエントリポイント発生信号を受け取り、ビデオエントリポイントの直前にPSD及びPSMを挿入させる。すなわちエントリポイント発生信号の入力を受けたとき、エントリポイント発生回路32にPSD及びPSMを発生させると共に、スイッチング回路27を入力端子E3側に切り換えて、ヘッダ付加回路28に供給させ、コードバッファ24、26からのビデオデータ及びオーディオデータと多重化する。
各エントリポイントのPSDには、そのエントリポイントから3つ手前、2つ手前、1つ手前、1つ先、2つ先及び3つ先のエントリポイントの位置が、3つのprev-directory-offset 及び3つのnext-directory-offset に、それぞれ記録される。手前(過去)のエントリポイントの位置(3つ手前、2つ手前及び1つ手前の位置)はエントリポイント記憶装置35に記憶しておくことで、現在のエントリポイントを記録する時点でこれを知ることができる。従つて必要に応じてこのタイミングにおいて、これをDSM10に供給し、ディスクに記録することができる。しかしながら、先の(将来の)エントリポイントの位置は現時点においてこれを知ることができない。このため制御装置30はエントリポイントの位置をエントリポイント記憶装置35にすべて記憶させておき、すべての多重化が終了した後、すなわちビデオデータとオーディオデータのビットストリームのディスクへの記録が完了した後に、エントリポイント記憶装置35から、各エントリポイントの3つ手前、2つ手前、1つ手前、1つ先、2つ先及び3つ先のエントリポイントの位置を読み出し、これをDSM10に供給してディスク上の各エントリポイントに記録(追記)させる。
ビデオエンコーダ1とオーディオエンコーダ2への入力が無くなった時点で、既にディスクに記録されているエントリポイントに位置データが書き込まれる。すなわち制御装置30は、エントリポイント記憶装置35からエントリポイントを含むパックの位置を読み出し、DSM10のディスクの各エントリポイントに、前後3つずつのエントリポイントを含むパックの位置を書き込ませる。
上記TOCデータ発生回路56では、上記多重化装置13のエントリポイント記憶装置35から供給されるエントリポイントのデータをTOCデータとして体裁を整える。ここでのTOCはN個のエントリポイントの位置のデータを持っている。各エントリポイントは、例えば4バイトのセクタアドレスで表されている。
そして、TOCデータ発生回路56で構成されたTOCデータは、TOC付加回路50に渡され、DSM10に記憶されている多重化データに先立ってセクタヘッダ付加回路51に出力される。多重化データは、TOCデータに続いて、DSM10からTOC付加回路50を通過して、セクタヘッダ付加回路51に供給される。
ここで、1セクタ内の有効データは2048バイト、セクタヘッダは16バイトとする。セクタヘッダにはそのセクタのセクタ番号の情報が含まれている。セクタヘッダ付加回路51は、入力されたデータを2048バイト毎に分割し、16バイトのセクタヘッダを付加する。この際セクタ番号の情報がセクタヘッダ部に書き込まれる。セクタヘッダ付加回路51の出力はECCエンコーダ52に入力される。
ECCエンコーダ52は、入力されたデータに対して規定の量のエラー訂正符号(パリティ)を付加し、変調回路53に出力する。変調回路53で変調されたデータは、カッティングマシン54に出力され、光ディスク60に書き込まれる。
ここで、ISO11172(MPEG)の多重化方式では、図30に示すように、1つの多重化ビットストリームは、1つ以上のパック(PACK)と、1つのISO_11172_end_codeで構成される。ISO_11172_end_codeは、32ビットの符号で、16進で表すと0x000001b9である。ここで、先頭の0xは、16進数であることを表す(C言語)。
1つのパックは、Pack_Start_Code、SCR(System Clock Referece) 、MUX_Rate よりなるヘッダと、1つ以上のパケット(Packet)で構成される。ヘッダのPack_Start_Code は、32ビットの符号で、16進数で表すと、0x000001b4である。
1つのパケットは、Packet_Start_Code_Prefix、Stream_ID、Packet_length、PTS(Presentation Time Stamp)、DTS(Decoding Time Stamp)よりなるヘッダと、パケットデータ(Code Data)とで構成される。Packet_Start_Code_Prefix は、24ビットの符号で0x000001である。Stream_ID は、8ビットの符号で、パケットの種類を表す。Packet_length (16ビット)は、それ以降のパケットの長さを示す。
各パケットのCode Data には、オーディオデータ(audio streamの場合)、または、ビデオデータ(video streamの場合)が記録される。また、audio streamは32種類、video streamは16種類の異なったstream id を持つため、この数までの複数のオーディオ信号とビデオ信号を多重化することが出来る。
reserved stream は、例えば字幕等のデータを持つ。private_stream_1及びprivate_stream_2は用途が定められていない。padding_streamはデータ量を増やすために使用される。
そして、この実施例では、エントリポイントを含む多重化ビットストリームは、図31に示すようなフォーマットで構成される。すなわち、最初に、pack-start-code 、SCR等よりなるpack-header (ヘッダ)が配置され、次にvideo-packet-header が、さらにその次にIピクチャを含まないビデオデータがパケット構造で配置されている。ビデオデータの次にはエントリポイントが、その次には、video-packet-header が、さらにその次には、Iピクチャを含むビデオデータがパケット構造で配置されている。すなわちIピクチャを含むビデオデータの直前(video-packet-header の直前)、すなわちエントリポイントには、プログラムストリームディレクトリ及びマップが配置される。そしてこの実施例の場合、ビデオデータの次にaudio-packet-header が、その次にパケット構造のオーディオデータが、順次配置される。
次に、本発明に係るデータ再生装置について説明する。
本発明に係るデータ再生装置は、例えば図32に示すように構成される。この図32に示したデータ再生装置は、光ディスク60が挿入されると、コントローラ67はドライブ制御装置69に先頭セクタ読み出しのコマンドを与える。ドライブ制御装置69は、トラッキングサーボ回路70によりピックアップ61を駆動し、ディスク60上の先頭セクタの位置からの再生を開始する。
ピックアップ61は、光ディスク60にレーザ光線を照射し、その反射光から光ディスク60に記録されているデータを再生する。ピックアップ61から出力された再生信号は復調回路62に入力され、復調が行われる。復調が済んだデータ列はECC回路63に入力され、データの誤り検出・訂正が行われる。誤り訂正の済んだデータはデマルチプレクサ回路64に入力される。
先頭セクタにはTOC情報が記録されており、この情報はデマルチプレクサ回路64により分離され、コントローラ67に入力される。コントローラ67はTOC情報をTOC記憶装置68に記憶させると共に、図示せぬディスプレイ装置を介してユーザにこれを表示する。
ユーザから指示を受けたコントローラ67は、ドライブ制御装置69にコマンドを与えて動作を開始する。ドライブ制御装置69はトラッキングサーボ回路70によりピックアップ61を駆動し、ディスク60上のユーザの望む位置からの再生を開始する。また同時に、ビデオデコーダ65およびオーディオデコーダ66にコマンドを与え、入力データのデコードを準備させる。
TOC読み出し時と同様に、ピックアップ61は、光ディスク60にレーザ光線を照射し、その反射光から光ディスク60に記録されているデータを再生する。ピックアップ61から出力された再生信号は、復調回路62に入力され、復調が行われる。復調が済んだデータ列はECC回路63に入力され、データの誤り検出・訂正が行われる。誤り訂正の済んだデータはデマルチプレクサ回路64に入力される。
上記デマルチプレクサ回路64は、ECC回路63を介して供給されるデータから、ヘッダ分離回路64Aにより、パックヘッダ、パケットヘッダ及びPSD及びPSMを分離してコントローラ67に供給すると共に、時分割多重されたデータをスイッチング回路64Bの入力端子Gに供給する様になっている。スイッチング回路64Bの出力端子H1、H2は、それぞれビデオデコーダ65、オーディオデコーダ66の入力端子に接続されている。
またコントローラ67は、デマルチプレクサ回路64より入力されたデータから、エントリポイントに関する情報(エントリポイントの情報)を読み出し、エントリポイント記憶装置71に供給して記憶させる。コントローラ67にはドライブ制御装置69から現在の読出位置の情報が供給されるので、コントローラ67はエントリポイントの位置とその内容を、対応付けて記憶できる。デマルチプレクサ回路64のコントローラ67は、デマルチプレクサ回路64から供給されたパケットヘッダのstream-id に従い、スイッチング回路64Bの入力端子Gと出力端子H1、H2を順次接続して、時分割多重されたデータを正しく分離させ、ビデオデータをビデオデコーダ65に、オーディオデータをオーディオデコーダ66に、それぞれ供給させる。
次に、このデータ再生装置でのレイティング動作を説明する。レイティング動作が指令されたとき、図示せぬ主制御装置は、コントローラ67に対してレイティングモードへの遷移を命令する。コントローラ67は、デマルチプレクサ回路64から入力されたデータを監視し、プログラムストリートマップ(PSM: Program-stream-map )が発見されたときには、その中にパスディスクリプタ(Path-descriptor)が記述されているか否かを常に調べている。パスディスクリプタが発見できない場合には、通常と同様に動作する。
ここで、図32に示す再生装置における、通常再生及び特殊再生の手順について説明する。
例えば図33のように記録された記録媒体を再生する場合について説明する。
この記録媒体には、複数の再生順序、すなわちパスが設定されているものとするが、図33は、そのうち1つのパスに着目してその構造を示したものである。この記録媒体中のビットストリームは、そのパスにおいて、3つのセクションS1〜S3から構成されており、先ず、最初の再生されるべき第1セクションS1が記録され、次に、このパスでは使用されない部分が記録され、次に、最後に再生されるべき第3セクションS3が記録され、次に、このパスでは使用されない部分が記録され、そして、2番目に再生されるべき第2セクションS2が記録されている。また、このパスの中では、4つのトラックTrack1〜Track4が定義され、図33に示すように、その領域が定義されている。
まず、通常再生における動作を説明する。
図32に示す再生装置において、通常再生が指示されたとき、コントローラ67は、先ず、ビットストリームの先頭に記録されているとされる第1セクションの先頭から再生を開始する。第1セクションS1の先頭から再生を開始した後、コントローラ67は、第1セクションS1に記録されているエントリポイントから、プログラムストリートマップ(PSM: Program Stream Map )を検出し、PSM内のパスごとに複数存在するパスディスクリプタ(path_descriptor )から、その再生しようとしているパスに対応するパスディスクリプタ(path_descriptor )を検出し、その内容をエントリポイント記憶装置71に記憶する。
path_descriptorは、図20のシンタックスを用いて既に述べたように、また、図34に示すように、矢印291 に対応するpX_sectors_to_read、矢印292に対応するpX_sectors_from_first、矢印293 に対応するpX_offset_next_section 、矢印294 に対応するpX_offset_previous_section、矢印295 に対応するpX_offset_next_track、矢印296 に対応するpX_offset_previous_trackの情報を含んでいる。
コントローラ67は、パスディスクリプタ(path_descriptor )の内容を記憶した後は、ドライブ制御回路69から得られる現在再生しているセクタアドレスと、エントリポイント記憶装置71に記憶された図34(a)の矢印291 で示されるセクタアドレスとを比較し、第1セクションS1の終了点、すなわち図34(a)の矢印291 の地点まで到達すると、コントローラ67は、ドライブ制御回路69に次のセクションの開始位置、すなわち図34の(a)の矢印293の位置へアクセスを指令し、第2セクションS2の先頭から再生を開始させる。第2セクションS2の先頭から再生を開始した後、コントローラ67は、第2セクションS2に記録されるエントリポイントのPSMから、同様にその時再生しようとしているパスに対応するパスディスクリプタ(path_descriptor )を検出し、その内容をエントリポイント記憶装置71に記憶する。
コントローラ67は、第2セクションS2でのパスディスクリプタ(path_descriptor )の内容を記憶した後は、同様にドライブ制御回路69から得られる現在再生しているセクタアドレスと、エントリポイント記憶装置71に記憶された図34の(b)の矢印291 で示されるセクタアドレスとを比較し、第2セクションS2の終了点、すなわち図34の(b)の矢印291の地点まで再生を行う。第2セクションS2の再生が終了、すなわち図34の(b)の矢印291 の地点まで到達すると、コントローラ67は、ドライブ制御回路69に第3セクションS3の開始位置、すなわち図34の(b)の矢印293 の位置へのアクセスを指令し、第3セクションS3の先頭から再生を開始させる。第3セクションS3の先頭から再生を開始した後、コントローラ67は、第3セクションS3に記録されるエントリポイントのPSMから、同様にその時再生しようとしているパスに対応するパスディスクリプタ(path_descriptor )を検出し、その内容をエントリポイント記憶装置71に記憶する。
第3セクションS3においては、pX_offset_next_sectionに次にセクションは存在しないことを示すゼロが記録されているので、第3セクションS3においては、図34(c)の矢印291 の位置まで再生を行った後、再生動作を終了させる。
上述のようにして、複数のセクションにおける再生がパスディスクリプタ(path_descriptor )に記述された情報に従って行われる。
つぎに、順方向高速再生(FF:Fast Forward)における動作を説明する。
図32における再生装置において、第1セクションS1を再生中に順方向高速再生が指示されたとき、そのときまで再生していた第1セクションS1に記録されているパスディスクリプタ(path_descriptor )の内容がエントリポイント記憶装置71に記憶されていない場合、第1セクションS1中の任意のエントリポイントのPSMから、その時再生しようとしているパスに対応するパスディスクリプタ(path_descriptor )を検出し、その内容をエントリポイント記憶装置71に記憶する。その後、順方向高速再生を開始する。順方向高速再生においては、例えば、PSDに記憶されている前後のエントリポイントまでの距離情報に従ってエントリポイントを順次アクセスしながらアクセスエントリポイントの直後に配置されたIピクチャを再生していく。順次エントリポイントをアクセスする際には、アクセスするエントリポイントのセクタアドレスとエントリポイント記憶装置71に記憶された図34の(a)の矢印291 で示されるセクタアドレスを比較し、第1セクションS1の終了点を越えるまでの範囲で順方向高速再生を継続する。第1セクションS1の再生が終了点を越えると、コントローラ67は、ドライブ制御回路69に次のセクションの開始位置、すなわち図34の(a)の矢印293 の位置へのアクセスを指令し、第2セクションS2の先頭から順方向高速再生を開始させる。以降、同様にして第3セクションS3の終了点まで高速再生を行う。
上述のようにして、複数のセクションにおける順方向高速再生がパスディスクリプタ(path_descriptor )に記述された情報に従って行われる。
つぎに、逆方向高速再生(FR: Fast Rrveerse )における動作を説明する。
図32に示す再生装置において、第3セクションS3を再生中に逆方向高速再生が指示されたとき、そのときまで再生していた第3セクションS3に記録されているパスディスクリプタ(path_descriptor )の内容がエントリポイント記憶装置71に記憶されていない場合、第3セクションS3中の任意のエントリポイントのPSMから、その時再生しようとしているパスに対応するパスディスクリプタ(path_descriptor )を検出し、その内容をエントリポイント記憶装置71に記憶する。その後、逆方向高速再生を開始する。逆方向高速再生においては、例えば、PSDに記録されている前後のエントリポイントまでの距離情報に従ってエントリポイントを順次アクセスしながら、アクセスエントリポイントの直後に配置されたIピクチャを再生していく。順次エントリポイントをアクセスする際には、アクセスするエントリポイントのセクタアドレスとエントリポイント記憶装置71に記憶された図34(c)の矢印292 で示されるセクタアドレスを比較し、第3セクションS3の再生の開始点を越えるまでの範囲で逆方向高速再生を継続する。第3セクションS3の逆方向高速再生が開始点を越えると、コントローラ67は、ドライブ制御回路69に前のセクションの最後のエントリポイントの位置、すなわち図34(c)の矢印294 の位置へのアクセスを指令し、第2セクションS2の最後のエントリポイントからの逆方向高速再生を開始させる。
第2セクションS2の最後のエントリポイントから逆方向高速再生を開始した後、コントローラ67は、第2セクションS2に記録されるエントリポイントのPSMから、同様に、その時逆方向高速再生をしようとしているパスに対応するパスディスクリプタ(path_descriptor )を検出し、その内容をエントリポイント記憶装置71に記憶する。
コントローラ67は、第2セクションS2でのパスディスクリプタ(path_descriptor )の内容を記憶した後は、同様に、順次エントリポイントをアクセスする際に、アクセスするエントリポイントのセクタアドレスと、エントリポイント記憶装置71に記憶された図34(b)の矢印292 で示されるセクタアドレスとを比較し、第2セクションS2の再生の開始点を越えるまでの範囲で、逆方向高速再生を継続する。第2セクションS2の逆方向高速再生が開始点を越えると、コントローラ67は、ドライブ制御回路69に、前のセクションの最後のエントリポイントの位置、すなわち図34(c)の矢印294 の位置へのアクセスを指令し、第1セクションS1の最後のエントリポイントからの逆方向高速再生を開始させる。第1セクションS1の最後のエントリポイントから逆方向高速再生を開始した後、コントローラ67は、第1セクションS1に記録されるエントリポイントのPSMから、同様に、その時再生しようとしているパスに対応するパスディスクリプタ(path_descriptor )を検出し、その内容をエントリポイント記憶装置71に記憶する。
第1セクションS1においては、pX_offset_previous_sectionに次にセクションは存在しないことを示すゼロが記録されているため、第1セクションS1においては、図34の(a)の矢印292 まで逆方向高速再生を行った後、逆方向高速再生動作を終了させる。
上述のようにして、複数のセクションにおける逆方向高速再生がパスディスクリプタ(path_descriptor )に記述された情報に従って行われる。
つぎに、トラックサーチにおける動作について説明する。
図32に示す再生装置において、直前又は直後のトラック開始点へのサーチが指示されたとき、直前に読みだしたパスディスクリプタ(path_descriptor )の内容がエントリポイント記憶装置71に記憶されていない場合は、コントローラ67は、先ず、現在地付近のエントリポイントから、プログラムストリームマップ(PSM: Program Stream Map)を検出し、PSM内のパスごとに複数存在するパスディスクリプタ(path_descriptor )から、その時再生しようとしているパスに対応するパスディスクリプタ(path_descriptor )を検出し、その内容をエントリポイント記憶装置71に記憶する。その後、コントローラ67は、ドライブ制御回路69に指示してパスディスクリプタ(path_descriptor )中の図35の矢印306 に対応するpX_offset_next_trackの示す位置に各々アクセスするように指示する。トラック先頭のエントリポイントのパスディスクリプタ(path_descriptor )中のpX_offset_previous_track、pX_offset_next_trackには、さらにそのトラックの直前及び直後のトラックの先頭位置を知ることができる情報が記録されているため、アクセスを繰り返すことにより、任意の数だけ前又は後ろのトラック先頭にアクセスすることができる。
図35は、各セクションに配置されたエントリポイントの例と、そのエントリポイントに記録されている矢印306 に対応するpX_offset_previous_track、矢印305 に対応するpX_offset_previous_track及びpX_offset_next_trackの示す位置を示した図である。この図35に示すように、pX_offset_previous_track及びpX_offset_next_trackは、セクションの境界を越えて、各々直前又は直後のトラックの開始点の位置を示すことができるため、複数のセクションからなるビットストリームにおいても、高速に且つ正確に各トラックの先頭にアクセスすることができる。
さらに、タイムコードサーチについても、パスディスクリプタ(path_descriptor )により実現することができる。
図32に示す再生装置において、特定のタイムコードへのサーチが指示されたとき、コントローラ67は、上述した順方向及び逆方向高速再生の動作と同様に、セクションを越えてエントリポイントをアクセスすることにより、特定のタイムコードを持つエントリポイントへサーチすることができる。または、最初に順次各プログラムの先頭、又は終了点、又はその両方のエントリポイントのタイムコードを検出して、その大小関係により、目的のタイムコードがどのセクションにあるかを判定し、次に、そのセクションの中で上述した順方向及び逆方向高速再生の動作と同様に、エントリポイントをアクセスすることにより、特定のタイムコードを持つエントリポイントへのサーチを行うようにしてもよい。
上述した再生装置の動作の説明において、トラック番号及びタイムコードの表示については、各エントリポイントのパスディスクリプタ(path_descriptor )又はタイムコードディスクリプタ(timecode_descriptor )に記録されるトラック番号、及びタイムコードをユーザに表示しつつ上述したような動作を行うこともできる。
本発明では、さらに、特定のパスを1つのセクションで構成している。
より安価な再生装置を実現するために、より限られた機能しかもてないコントローラ67を使用することが要求される場合がある。したがって、再生中及び特殊再生中にパスディスクリプタ(path_descriptor )中の各ポインタの検出が十分な頻度又は速度で行えない場合がある。このような再生装置においても、先ず、再生前に目録情報(TOC: Table of Contens )などから、そのパスの先頭及び終了点を読みだして記憶した後に再生することにより、1つのセクションから構成される上記特定のパスについては、再生及び順方向、逆方向の高速再生が行える。このようなより安価な再生装置では、タイムコードやトラック番号の表示も必要がないとすれば、パスディスクリプタ(path_descriptor )を再生中に読み出す必要がなくなり、より低機能で安価なコントローラ67を使用することができる。したがって、さらに安価な再生装置を提供することができる。
上述した実施例においては、データの再生順序を表す情報をデータ中に置かれるプログラムストリームマップ(PSM: Program Stream Map )中にパスディスクリプタ(path_descriptor )を置き記録した。これにより、メモリを多量に持たない再生装置が再生中にその時点で必要な情報のみを読みだして保持するだけで、再生順序を制御して編集再生処理を行うことができる。このデータ再生順序を表す情報は、上述のようにしてデータ中に埋め込んで記録するほかに、データ外にまとめて一括して記録するようにしてもよい。この場合、例えば、全エントリポイントのパスディスクリプタ(path_descriptor )のコピーをそのエントリポイントのセクタアドレスと組にして、TOC(Table of Contents )領域など1ヶ所にまとめて記録する。又は、各パスごとに再生するセクションの順に、セクションの開始アドレス及び最後のエントリポイントアドレスを順次配列して、TOC領域など1ヶ所にまとめて記録する。これにより、コンピュータシステム等の大容量の記憶手段を有する再生装置においては、一括して再生前に再生順序の情報を知ることができるため、パスを構成する任意のセクションをアクセスすることができる。又は、データの内容を参照せずに、TOCのみを参照することにより、セクションの特定のパスの再生順序に並べ替えて他の記録媒体に転送することができる。
つぎに、この再生装置での、再生順序(パス)の選択を行う動作を説明する。
最初に記録媒体の再生を開始する際、コントローラ67は、TOC記憶装置68より、Disc_toc()に記憶されている、図24に定義されているレイティングディフィニション(rating_definition())を読み出す。
まず、レイティングディフィニション(rating_definition() )に記録されているカントリーコードにしたがって、図示せぬ文字列表示装置に、レイティング(rating)が定義されている国の一覧を表示し、ユーザにその記録媒体が再生される国を選択させる。選択結果は、図示せぬユーザインターフェースによってコントローラ67に伝えられる。ここでユーザインターフェースとは、例えば再生装置に装備されている操作ボタンやリモートコマンダーをいう。
つぎに、再生される国が指定されると、その国のカントリーコードに対応して定義されたrating_type_numberとrating_type_stringの組み合わせが選択され、文字列配列装置にその一覧が表示され、ユーザに、各rating_type_numberについて再生を許可するか否かを入力させる。入力結果は、ユーザインターフェースによってコントローラ68に伝えられる。
つぎに、各rating_type_numberについて再生を許可するか否かの情報が入力されると、コントローラ67は、TOC記憶装置68より、Program_toc() に記憶されている、図25で定義されるpath_rating_assignments() を読み出す。
つぎに、path_rating_assignments() に記録されているカントリーコードのうち、既に入力された記録媒体から再生される国に対応したカントリーコードに対応して定義されたrating_type_numberとpath_name の組み合わせがまず選択され、次に、その中から既に入力された各rating_type_numberについて再生を許可するか否かの情報に基づき、許可されたrating_type_numberと組み合わせたpath_name が選択される。
この時点で、再生可能とされるパスが1つになっている場合は、そのパスの実際の再生を開始する。
しかしながら、上述したように、rating_type_numberについて再生を許可するか否かの情報に基づいて再生可能なパスを選択しても、まだ、複数のパスが依然として再生可能と判別され、選択肢として残っている場合がある。
この場合、コントローラ67は、文字列再生装置にrating_type_numberに対応するrating_type_string及びpath_name を表示し、ユーザにその再生すべきパスを1つ選択させる。選択された結果は、ユーザインターフェースによってコントローラ67に伝えられる。このようにして、ユーザに、レイティングの種類を示す文字列及びパスの名前を基づいて再生するパス1つを選択させることにより、最終的に1つのパスを選択させる。
以上のように、rating_definition()及びpath_rating_assignments()の情報をユーザに選択させる手段を持つことにより、この再生装置は、この記録媒体に複数のパスが記録されている場合でも、内容とユーザの意図に応じた適正なパスを選択し、そのパスを再生することができる。
なお、パスの選択は、上述した再生装置では、ユーザが表示された情報に基づいて行っていたが、ユーザの負担を考慮して、再生装置が行えるようにしてもよい。
また、各rating_type_numberについて再生を許可するか否かの情報を、ユーザが選択する代わりに、スイッチ等の入力手段でコントローラ67が認識できるようにすることもできる。その結果、ユーザは、一度各rating_type_numberについて再生を許可するか否かの情報をスイッチで設定しておけば、各記録媒体を再生する度に、各rating_type_numberについて再生を許可するか否かの入力操作の手間を省くことができる。
上述の各rating_type_numberについて再生を許可するか否かの情報をコントローラ67が認識できることは、特に視聴年齢に制限のある番組が記録された記録媒体の再生を禁止する場合に有効である。すなわち、スイッチ等の存在、位置、操作方法を容易に知られないようにすることによって、例えばスイッチを操作できない児童が、視聴年齢に制限のある番組を見ることができなくなる。
また、パスを選択した結果、複数のパスが依然として再生可能と判別された場合に、ユーザがさらにパスネームによってパスを選択する代わりに、例えばその中の最小のパス番号を持つパスを再生装置が再生すれば、ユーザは、上述した選択操作を行う必要がなくなり、操作の手間が省ける。
ユーザがrating_type_string及びpath_name によってパスを選択する代わりに、path_rating_assignments() にユーザが特に指定しない限り再生するパス、すなわち、デフォルトのパスとコントローラ67が識別できる識別情報を記録しておき、再生装置はこの識別情報によりパスを選択して再生するようにすれば、ユーザは、パスの選択操作の手間を省くことができる。また、デフォルトのパス番号を記録媒体によらず、再生装置で一定にすることもできる。
また、複数段階の選択操作をユーザに行わせる代わりに、上述したrating_definition()及びpath_rating_assignments()の情報に基づいて全てのパスの属性、すなわち、rating_type_string及び path_nameを最初に表示し、ユーザにパスを選択させる方法も可能である。この場合、視聴制限の目的には必ずしも向かないが、1回の操作でパスが選択でき、全てのパスの情報を一覧できて任意のパスを選択できるので、記録媒体に設定操作されているパスを一通りみたいというようなユーザに対して好適な操作性を与えることができる。
1 ビデオエンコーダ、2 オーディオエンコーダ、10 DSM、13 多重化装置、23 ビデオエントリポイント検出回路、24 コードバッファ、28 ヘッダ付加回路、29 DSM、31 多重化システムクロック発生回路、32 エントリポイント発生回路、33 レイティング付加回路、34 レイティングスイッチ、35,71 エントリポイント記憶装置、36 ローカルデコーダ、64 デマルチプレクサ回路