JP2005044048A - シミュレータ及びプログラム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明によるシミュレータは、既存のオペレーション装置O1及びO2から出力される、投入されたコマンドの履歴を示すコマンド投入履歴データを受け取り、このコマンド投入履歴データを変換して得られるシミュレーションデータを不揮発性メモリ13に書き込む。また、試験対象のオペレーション装置O3からコマンドを受信すると、このコマンドに対応したシミュレーションデータが不揮発性メモリ13に記憶されているか否かを判定し、記憶されている場合には、当該コマンドに対応付けて不揮発性メモリ13に書き込まれた応答を試験対象のオペレーション装置O1へ返信する。
【選択図】 図4
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、通信網を管理するためのオペレーション装置または当該オペレーション装置に搭載されるソフトウェアの試験に用いるシミュレータに関する。
【0002】
【従来の技術】
通信網のオペレーション装置用のソフトウェアの開発工程では、登録されたデータに基づいて通信網の振る舞いをシミュレートするシミュレータを用いて、開発中のソフトウェアを試験する必要がある。この試験の精度は、シミュレータによるシミュレーションの精度に依存する。したがって、シミュレータには、通信網の振る舞いを忠実に再現することが要求される。
【0003】
シミュレータは登録されたシミュレーションデータを用いて通信網の振る舞いを再現する。例えば、通信網を構成する通信装置からの警報の発生時刻や内容を示すデータを含むシミュレーションデータに基づいて、適切な時刻に適切な内容の警報を発生させる、といったことを行う。よって、通信網の振る舞いを忠実に再現させるためには、シミュレータに多数のシミュレーションデータを登録する必要がある。
【0004】
この登録は、データを手入力することで行われており、効率が悪かった。特に、電話網等の広域の通信網のオペレーション装置を構成するソフトウェアの開発に用いられるシミュレータには、網を構成する通信装置の数が膨大であることから、膨大な量のシミュレーションデータを手入力せねばならない。これには、莫大な時間と労力がかかる。
【0005】
ところで、オンラインシステムの開発工程において、シミュレーションデータの登録にかかる時間や労力を削減することができる技術が特許文献1に記載されている。特許文献1に記載の方式では、稼動中のオンラインシステムにより採取された履歴情報が自動的に加工されてシミュレーション用の疑似データとなり、こうして得られた擬似データがシミュレーション用に登録される。登録された擬似データは、端末シミュレータから、オンラインシステムに追加されるプログラム等の試験対象へ供給される。
【0006】
【特許文献1】
特開平14−186464号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
一方、オペレーション装置に求められる機能は通信装置からの警報の管理機能のみに限らない。ある種のオペレーション装置には、オペレータによりコマンドが投入されると、このコマンドを交換機へ送信し、これに応じて当該交換機から返信される、当該交換機の内部状態を記述した応答を受信し、受信した応答の内容をオペレータに提示する、という対話機能が求められる。また、対話機能により取得した応答の内容を分析し、分析結果に応じて通信網を操作するようなオペレーション装置も存在し得る。
【0008】
しかし、特許文献1に記載の端末シミュレータは、端末のシミュレータであり、登録された擬似データを試験対象へ一方的に供給するだけであるから、この端末シミュレータを、上記の対話機能を有するオペレーション装置の試験に用いることはできない。もちろん、通信装置の挙動を厳密にシミュレートするプログラムを通信装置毎に有するシミュレータを用いれば、対話機能を有するオペレーション装置の試験を行うことができる。しかし、そのようなシミュレータの構築および維持には莫大な時間と労力がかかる。
【0009】
本発明は、上述した背景の下になされたものであり、コマンドを受信した時点の通信装置の内部状態を記述した応答を返信することができるシミュレータを容易に構築するための技術を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明は、メモリと、通信網を構成する通信装置へ前記通信装置の内部状態を記述した応答を要求するコマンドを送信し、前記コマンドに応じて前記通信装置から返信された前記応答を受信する既存のオペレーション装置から、前記コマンドと該コマンドに応じて前記通信装置から返信された前記応答とを受け取り、該コマンド及び該応答を対応付けて前記メモリに書き込む書き込み手段と、試験対象のオペレーション装置から送信された前記コマンドを受信する受信手段と、前記受信手段が受信した前記コマンドが前記メモリに記憶されているか否かを判定し、記憶されていると判定した場合には、前記受信手段が受信した前記コマンドに対応付けて前記メモリに記憶されている前記応答を前記試験対象のオペレーション装置へ返信する、送信手段と、を有するシミュレータを提供する。
【0011】
また、本発明は、コンピュータを、通信網を構成する通信装置へ前記通信装置の内部状態を記述した応答を要求するコマンドを送信し、前記コマンドに応じて前記通信装置から返信された前記応答を受信する既存のオペレーション装置から、前記コマンドと該コマンドに応じて前記通信装置から返信された前記応答とを受け取り、該コマンド及び該応答を対応付けて前記メモリに書き込む書き込み手段と、試験対象のオペレーション装置から送信された前記コマンドを受信する受信手段と、前記受信手段が受信した前記コマンドが前記メモリに記憶されているか否かを判定し、記憶されていると判定した場合には、前記受信手段が受信した前記コマンドに対応付けて前記メモリに記憶されている前記応答を前記試験対象のオペレーション装置へ返信する、送信手段、として機能させるためのプログラムを提供する。
【0012】
上記シミュレータまたは上記プログラムを実行したコンピュータ装置では、書き込み手段が、通信装置の内部状態を記述した応答を要求するコマンドと、このコマンドに応じて当該通信装置から返信された応答とを、既存のオペレーション装置から受け取り、対応付けてメモリに書き込む。また、受信手段が、試験対象のオペレーション装置から送信されたコマンドを受信すると、送信手段が、受信したコマンドがメモリに記憶されているか否かを判定し、記憶されていると判定した場合には、受信したコマンドに対応付けてメモリに記憶されている応答を試験対象のオペレーション装置へ返信する。
【0013】
また、本発明は、メモリと、通信網を構成する通信装置へ前記通信装置の内部状態を記述した応答を要求するコマンドを送信し、前記コマンドに応じて前記通信装置から返信された前記応答を受信する既存のオペレーション装置から、前記コマンド、該コマンドに応じて前記通信装置から返信された前記応答、該コマンドの送信時刻、及び該応答の受信時刻とを受け取り、該コマンド、該応答、及び該送信時刻と該受信時刻との差の時間を表す時間情報、を対応付けて前記メモリに書き込む書き込み手段と、試験対象のオペレーション装置から送信された前記コマンドを受信する受信手段と、前記受信手段が受信した前記コマンドが前記メモリに記憶されているか否かを判定する判定手段と、前記判定手段により前記メモリに記憶されていると判定された前記コマンドが前記受信手段により受信された時または前記判定手段により前記メモリに記憶されていると判定された時からの経過時間を計測するタイマと、前記判定手段により前記メモリに記憶されていると判定された前記コマンドについて前記タイマにより計測されている経過時間が、該コマンドに対応付けて前記メモリに記憶されている前記時間情報で表される時間に達すると、該コマンドに対応付けて前記メモリに記憶されている前記応答を前記試験対象のオペレーション装置へ返信する、送信手段と、を有するシミュレータを提供する。
【0014】
このシミュレータでは、書き込み手段が、通信装置の内部状態を記述した応答を要求するコマンドと、このコマンドに応じて当該通信装置から返信された応答とを、既存のオペレーション装置から受け取り、当該コマンド、当該応答、及び当該コマンドの送信時刻と当該応答の受信時刻との差の時間を表す時間情報を、対応付けてメモリに書き込む。また、受信手段が、試験対象のオペレーション装置から送信されたコマンドを受信すると、判定手段が、受信したコマンドがメモリに記憶されているか否かを判定し、タイマが、判定手段によりメモリに記憶されていると判定されたコマンドが受信手段により受信された時または判定手段によりメモリに記憶されていると判定された時からの経過時間を計測し、送信手段が、判定手段によりメモリに記憶されていると判定されたコマンドについてタイマにより計測されている経過時間が、当該コマンドに対応付けてメモリに記憶されている時間情報で表される時間に達すると、当該コマンドに対応付けてメモリに記憶されている応答を試験対象のオペレーション装置へ返信する。
【0015】
【発明の実施の形態】
本発明の一実施形態について、図面を参照して説明する。
[構成]
図1は、本実施形態に係るシミュレータS1を用いたシミュレーションシステムSSの構成を示すブロック図である。シミュレーションシステムSSは、稼動中の通信網NWを管理するオペレーション装置O1及びO2と、オペレーション装置O1及びO2に接続されたシミュレータS1と、入力されたコマンドをシミュレータS1へ送信する操作端末OT1と、シミュレータS1に接続されたオペレーション装置O3と、オペレーション装置O3を操作するための操作端末OT2とを有する。
【0016】
通信網NWは移動通信網であり、通信装置N1〜N4と、通信装置N1〜N4の各々に接続された通信装置T1〜T4とを有する。通信装置N1〜N4はそれぞれ交換機であり、通信装置T1〜T4はそれぞれ無線装置である。オペレーション装置O1は通信装置N1〜N4を管理するための既存の装置であり、投入されたコマンドの履歴を示すコマンド投入履歴データを、予め定められたタイミングで出力する。オペレーション装置O2は通信装置T1〜T4を管理するための既存の装置であり、コマンド投入履歴データを予め定められたタイミングで出力する。
【0017】
図2は、オペレーション装置O1から出力されるコマンド投入履歴データの内容例を示す図である。このコマンド投入履歴データは、投入されたコマンド、このコマンドの投入時刻、このコマンドに対する応答(後述のコマンド応答データ)を受信した時刻であるコマンド応答時刻、この応答の送信元の装置であるコマンド応答元装置の名称、及び当該応答の内容を示すデータを有する。コマンド応答元装置名、投入コマンド及び応答内容を示すデータは、通信装置T1〜T4に特化されたデータとなる。
【0018】
図3は、オペレーション装置O2から出力されるコマンド投入履歴データの内容例を示す図である。このコマンド投入履歴データがオペレーション装置O1から出力されるコマンド投入履歴データと本質的に異なる点は、コマンド応答元装置名、投入コマンド及び応答内容を示すデータが通信装置T1〜T4に特化されたデータとなる点のみである。なお、コマンド投入履歴データの応答内容は、通信網NWの状態に応じて変化し得るものであるから、複数のコマンド投入履歴データにおいて投入コマンドとコマンド応答元装置名が一致していても、応答内容が一致するとは限らない。
【0019】
オペレーション装置O3は通信網NWを管理していない新規な装置であり、シミュレータS1を用いて行われるデバッグ試験の対象である。オペレーション装置O3は、操作端末OT2から送信された指示を受信し、この指示に従ってコマンドを投入し、投入したコマンドに対するコマンド応答データの内容に基づいて状態を確認すべき通信装置を特定し、この通信装置へ状態を問い合わせるコマンドを投入し、このコマンドに対するコマンド応答データの内容に基づいて採るべき措置を決定し、この措置に応じたコマンドを投入する、という新規な機能を実現するよう設計されている。
【0020】
図4は、シミュレータS1の構成を示すブロック図である。この図に示すように、シミュレータS1は、一般的なコンピュータと同様に、CPU(中央処理装置)11、RAM(Random Access Memory)12、不揮発性メモリ13及び発振器14を有する。発振器14は一定周期のパルス(以後、クロック信号)を出力する。装置各部の同期は、このクロック信号により確保されている。また、シミュレータS1は、オペレーション装置O1及びO2に接続された既存通信I/F(インタフェース)15、オペレーション装置O3に接続された新規通信I/F16、及び操作端末OT1に接続された操作通信I/F17を有する。
【0021】
不揮発性メモリ13には、図5の変換テーブル1311及び図6の変換テーブル1312を含む装置情報DB131が書き込まれている。各テーブルは、装置名と装置IDとを1対1で対応付ける対応データを有する。ただし、変換テーブル1311は、オペレーション装置O1により管理される通信装置N1〜N4の各々について対応データを有し、変換テーブル1312は、オペレーション装置O2により管理される通信装置T1〜T4の各々について対応データを有する。
【0022】
また、不揮発性メモリ13には、プログラム132が書き込まれている。CPU11は、図示しない電源が投入されると、不揮発性メモリ13に記憶されているプログラム132を読み出し、RAM12をワークエリアとして実行する。プログラム132はCPU11に複数の処理(図7および図8参照)を並列実行させるためのものである。CPU11がこのプログラム132を実行することにより、シミュレータS1には、図9に示すモジュール群が仮想的に形成される。
【0023】
図9のコマンド投入履歴データ入力部D11は、トリガが与えられると、オペレーション装置O1及びO2から出力されたコマンド投入履歴データを受信する。外部入力部D12は、操作端末OT1から送信された所定のコマンドを受信すると、上記トリガをコマンド投入履歴データ入力部D11に与える。コマンド投入履歴データ変換部D13は、コマンド投入履歴データ入力部D11によりコマンド投入履歴データが受信されると、このコマンド投入履歴データ内のコマンド応答元装置名を示すデータを、装置情報検索部D14へ渡し、これに応じて装置情報検索部D14から送り返されたデータで置換することにより、図10に例示されたシミュレーションデータを生成する。装置情報検索部D14は、コマンド応答元装置名を示すデータが渡されると、このデータに対応付けられた装置IDを示すデータを装置情報DB131から検索し、ヒットしたデータを送り返す。シミュレーションデータ保存部D15は、コマンド投入履歴データ変換部D13により生成されたシミュレーションデータをシミュレーションデータDB133に書き込む。シミュレーションデータDB133は不揮発性メモリ13に確保された記憶領域であり、初期状態は空である。
【0024】
外部入力部D16は、オペレーション装置O3から送信されたコマンドを受信する。シミュレーションデータ読込部D17は、外部入力部D16がコマンドを受信すると、当該コマンドを示すデータを有するシミュレーションデータをシミュレーションデータDB133から読み出す。コマンド応答生成部D18は、シミュレーションデータ読込部D17がシミュレーションデータを読み出すと、これを加工して図11に例示されたコマンド応答データを生成する一方、発振器14から出力されるクロック信号を用いて経過時間の計測を開始する。このコマンド応答データの形式は通信装置N1〜N4や通信装置T1〜T4から送信される既存のコマンド応答データの形式と同一である。また、コマンド応答生成部D18は、経過時間が、当該シミュレーションデータのコマンド投入時刻とコマンド応答時刻との差の時間に達すると、当該コマンド応答データを、コマンド応答出力部D19を用いて、オペレーション装置O3へ送信する。
【0025】
[動作]
上述した構成のシミュレータS1の動作について、主に図7及び図8を参照して説明する。ただし、また、シミュレータS1はハードウェアがソフトウェアを用いることにより動作する物であるから、以降の説明では、動作の主体を、仮想的に形成されるモジュールではなく、ハードウェアとする。また、シミュレータS1において、プログラム132は、既に実行されているものとする。すなわち、シミュレータS1のCPU11は、操作端末OT1からの所定のコマンドと試験対象のオペレーション装置O3からのコマンドとを待っている状態にある。
【0026】
この状態において、操作端末OT1が所定のコマンドをシミュレータS1へ送信すると、シミュレータS1のCPU11は、これを、操作通信I/F17を用いて受信する。所定のコマンドを受信すると(ステップA1:YES)、CPU11は、シミュレーションデータの蓄積を開始する。この蓄積の様子について詳細に説明する。ただし、この蓄積の過程において、オペレータは、コマンド「DSP TRF」をオペレーション装置O1に投入し、このコマンドに対するコマンド応答データを分析して内部状態を確認すべき通信装置を特定し、この通信装置へ内部状態を記述した応答を要求するコマンド「WUP」をオペレーション装置O1に投入し、このコマンドに対するコマンド応答データを分析して採るべき措置を決定し、この措置に応じたコマンド「DSP TRF」をオペレーション装置O1に投入するものとする。
【0027】
まず、CPU11は、投入コマンド「DSP TRF」に対応したコマンド投入履歴データを、既存通信I/F15を用いて受信することになる(ステップA2)。CPU11は、このデータを、装置情報DB131を用いて変換することにより、シミュレーションデータを生成する。具体的には以下の通りである。
【0028】
CPU11は、受信したコマンド投入履歴データにより示されるコマンド応答元装置名「N1」を示す対応データを、装置情報DB131から検索する。この検索により、応答元装置名「N1」と装置ID「101」とを対応付ける対応データがヒットする(図5参照)。CPU11は、ヒットした対応データから、装置IDを示すデータを抽出し、当該データで、受信したコマンド投入履歴データ内のコマンド応答元装置名を示すデータを置換することにより、シミュレーションデータを生成する(ステップA3)。次に、CPU11は、生成したシミュレーションデータ、すなわち投入コマンド「DSP TRF」に対応したシミュレーションデータを、シミュレーションデータDB133に書き込む(ステップA4)。
【0029】
次に、CPU11は、投入コマンド「WUP」に対応したコマンド投入履歴データを、既存通信I/F15を用いて受信することになる(ステップA2)。この場合、CPU11は、上述の投入コマンド「DSP TRF」に対応したコマンド投入履歴データを受信した場合と同様に動作する。ただし、ヒットする対応データは、応答元装置名「N2」と装置ID「102」とを対応付けるデータとなる。こうして、投入コマンド「WUP」に対応したシミュレーションデータが、シミュレーションデータDB133に書き込まれる。
【0030】
次に、CPU11は、投入コマンド「RESET」に対応したコマンド投入履歴データを、既存通信I/F15を用いて受信することになる(ステップA2)。この場合、CPU11は、上述の投入コマンド「DSP TRF」に対応したコマンド投入履歴データを受信した場合と同様に動作する。ただし、ヒットする対応データは、応答元装置名「T1」と装置ID「201」とを対応付けるデータとなる。こうして、投入コマンド「WUP」に対応したシミュレーションデータが、シミュレーションデータDB133に書き込まれる。
【0031】
このようにしてシミュレーションデータが蓄積され、シミュレーションデータDB133の内容は図10に示す通りとなる。このような状況下で、操作端末OT2が、装置IDが101の通信装置における通信状況を問い合わせるコマンド「DSP TRF」の投入を命ずる指示をオペレーション装置O3へ送信し、オペレーション装置O3が、当該コマンドをシミュレータS1へ送信すると、シミュレータS1のCPU11は、これを、新規通信I/F16を用いて受信する(ステップB1)。
【0032】
CPU11は、当該コマンドを受信すると、このコマンドに対応したシミュレーションデータがシミュレーションデータDB133に書き込まれているか否かを判定し、書き込まれていない場合には(ステップB2:NO)、オペレーション装置O3からのコマンドを待つ状態に遷移する。実際には、コマンド「DSPTRF」に対応したシミュレーションデータはシミュレーションデータDB133に書き込まれているから、上記判定結果は肯定的となる(ステップB2:YES)。
【0033】
上記判定結果が肯定的となると、CPU11は、受信したコマンド「DSP TRF」に対応するシミュレーションデータをシミュレーションデータDB133から読み出し(ステップB3)、これを加工し、既存の通信装置T1が送信するコマンド応答データと同じ形式のコマンド応答データを生成する(ステップB4)。この結果、図11に示すコマンド応答データのうち、コマンド「DSP TRF」に対応したコマンド応答データが生成される。
【0034】
また、CPU11は、上記判定結果が肯定的となると、発振器14から出力されるクロック信号を用いて、その時点からの経過時間の計測を開始する。つまり、CPU11はタイマとして作動する。そして、CPU11は、計測した経過時間が、当該コマンド応答データを生成する際に用いたシミュレーションデータが示すコマンド投入時刻「10:00:00」とコマンド応答時刻「10:00:15」との差の時間(すなわち15秒)に達すると、当該コマンド応答データを、新規通信I/F16を用いてオペレーション装置O3へ送信する(ステップB5)。
【0035】
オペレーション装置O3は、コマンド「DSP TRF」に対するコマンド応答データを受信すると、このデータの内容「TRAFFIC 150,120」に基づいて状態を確認すべき通信装置を特定する。これにより、装置IDが102の通信装置が特定される。そして、オペレーション装置O3は、特定した通信装置へ内部状態を記述した応答を要求するコマンド「WUP」をシミュレータS1へ送信する。このコマンドは、シミュレータS1のCPU11により受信される。以後、CPU11は、コマンド「DSP TRF」を受信した場合と同様に動作する。この結果、図11に示すコマンド応答データのうち、コマンド「WUP」に対応したコマンド応答データが生成され、このデータが、計測された経過時間が5秒に達したときに、オペレーション装置O3へ送信される。
【0036】
オペレーション装置O3は、コマンド「WUP」に対するコマンド応答データを受信すると、このデータの内容「NG」に基づいて採るべき措置を決定し、この措置に応じたコマンドを投入する。この結果、オペレーション装置O3からシミュレータS1へ、装置IDが201の通信装置にリセットを指示するコマンド「RESET」が送信される。このコマンドは、シミュレータS1のCPU11により受信される。以後、CPU11は、コマンド「DSP TRF」を受信した場合と同様に動作する。この結果、図11に示すコマンド応答データのうち、コマンド「RESET」に対応したコマンド応答データが生成され、このデータが、計測された経過時間が30秒に達したときに、オペレーション装置O3へ送信される。
【0037】
以上、説明したように、本実施形態によれば、シミュレーションデータを手入力することなく、時々刻々と変わるコマンド応答データの内容を分析してコマンドを投入するオペレーション装置O3のデバッグ試験を行うことができる。また、シミュレータS1が送信するコマンド応答データの形式および内容や、オペレーション装置O3がシミュレータS1へコマンドを送信してから当該コマンドに対するコマンド応答データを受信するまでの時間は、稼動中の通信網NWにて実際に使用されている通信装置に対して当該コマンドを投入したときの形式、内容、及び時間と同様となるから、厳密なシミュレーションを行うことができる。これは、特に、固定網に比較してトラヒック等の通信状況が大きく変化し易い移動通信網のオペレーション装置の開発時に有益である。
【0038】
[変形]
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明はその主要な特徴から逸脱することなく他の様々な形態で実施可能である。例えば、上述の実施形態を以下のように変形して本発明を実施してもよい。
【0039】
(1)シミュレータS1に接続される既存のオペレーション装置は1つだけであってもよいし、3つ以上であってもよい。
(2)シミュレータS1を、経過時間を計測せずに、コマンドを受信したら即座にコマンド応答データを送信するように変形してもよい。
【0040】
(3)交換機や無線装置以外の通信装置を管理する既存のオペレーション装置をシミュレータS1に接続するようにしてもよい。
(4)シミュレータS1を、コマンドの受信をトリガとしない警報送信をも行うことができるようにしてもよい。このように変形すれば、警報を受信し、この警報の内容を分析して投入するコマンドを決定するようなオペレーション装置のデバック試験を行うことも可能となる。
(5)操作端末OT1とシミュレータS1とを一体化してもよい。また、シミュレータS1を構成する一部の部品を別体化し、複数の装置が通信することによりシミュレータS1と実質的に同一の機能を実現するようにしてもよい。
【0041】
(6)シミュレータ装置S1に現在時刻を計時するリアルタイムクロックを設け、CPU11がリアルタイムクロックにより計時された時刻を用いて経過時間を計時するようにしてもよい。
(7)コマンドの送信時刻と応答の受信時刻との差の時間については、シミュレーションデータを不揮発性メモリ13に書き込む際に求めておき、送信時刻および受信時刻に代えて、差の時間を示す情報を不揮発性メモリ13に書き込むようにしてもよい。
(8)受信したコマンドに対応したシミュレーションデータがシミュレーションデータDB133に書き込まれていると判定した場合に、その判定時点から経過時間の計測を開始するようにしたが、コマンドを受信した時点から経過時間の計測を開始するようにしてもよい。後者の場合には、受信したコマンドに対応したシミュレーションデータがシミュレーションデータDB133に書き込まれていると判定されると、経過時間の計測が中断される。
【0042】
(9)通信装置N1〜N4に対する対応データと、通信装置T1〜T4に対する対応データとを、1つの変換テーブルに収めるようにしてもよい。
(10)対応データの形式はテーブル形式に限らない。装置名と装置IDとを対応付けることが可能であれば、任意の形式を採用可能である。
【0043】
(11)シミュレータS1と既存のオペレーション装置とを接続せずに、既存のオペレーション装置に、コマンド投入履歴データをCD−R(CompactDisc−Recordable)等の可搬型の記録媒体に記録する装置を取り付け、シミュレータS1に、当該記録媒体から記録データを読み取る手段を設け、シミュレータS1がコマンド投入履歴データをオフラインで取得できるようにしてもよい。
【0044】
(12)コマンド投入履歴データとシミュレーションデータとが同一の形式であれば、コマンド投入履歴データをシミュレーションデータに変換する処理を行わないようにシミュレータ装置S1を変形してもよい。また、シミュレーションデータとコマンド応答データとが同一の形式であれば、シミュレーションデータを加工してコマンド応答データを生成する処理を行わないようにシミュレータ装置S1を変形してもよい。
【0045】
(13)プログラム132を蓄積処理を行うプログラムと応答処理を行うプログラムとに分離し、これらのプログラムを並列実行するようにシミュレータ装置S1を変形してもよい。
(14)シミュレータS1を、プログラム132をダウンロードし、不揮発性メモリ13に書き込むように変形してもよい。
【0046】
【発明の効果】
本発明によれば、試験対象のオペレーション装置から通信装置の内部状態を記述した応答を要求するコマンドが送信されると、これを受信し、当該コマンドに応じた応答を返信する、シミュレータ及びコンピュータ装置を提供することができる。また、コマンドや応答は、既存のオペレーション装置から得られるから、これらを手作業で登録したり、通信装置の挙動を厳密にシミュレートするプログラムを用意したりする必要がない。よって、本発明によれば、コマンドを受信した時点の通信装置の内部状態を記述した応答を返信することができるシミュレータを容易に構築することができる。
【0047】
さらに、コマンドを送信してから応答を受信するまでの時間をも既存のオペレーション装置から得るようにし、この時間に基づいて、試験対象のオペレーション装置へ応答を返信するタイミングを定めるようにすれば、通信網の挙動をより忠実に再現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係るシミュレータS1を用いたシミュレーションシステムSSの構成を示すブロック図である。
【図2】同シミュレータS1に接続された既存のオペレーション装置O1から出力されるコマンド投入履歴データの内容例を示す図である。
【図3】同シミュレータS1に接続された既存のオペレーション装置O2から出力されるコマンド投入履歴データの内容例を示す図である。
【図4】同シミュレータS1の構成を示すブロック図である。
【図5】同シミュレータS1を構成する不揮発性メモリ13に書き込まれている変換テーブル1311の内容を示す図である。
【図6】同不揮発性メモリ13に書き込まれている変換テーブル1312の内容を示す図である。
【図7】同不揮発性メモリ13に書き込まれているプログラム132を用いて行われる蓄積処理の流れを示すフローチャートである。
【図8】同不揮発性メモリ13に書き込まれているプログラム132を用いて行われる応答処理の流れを示すフローチャートである。
【図9】同シミュレータS1のCPU11がプログラム132を実行することにより仮想的に形成されるモジュール群を示す図である。
【図10】同不揮発性メモリ13に書き込まれるシミュレーションデータの内容例を示す図である。
【図11】同シミュレータS1が生成するコマンド応答データの内容例を示す図である。
【符号の説明】
S1…シミュレータ、11…CPU、12…RAM、13…不揮発性メモリ、14…発振器、15…既存通信I/F、16…新規通信I/F、17…操作通信I/F、131…装置情報DB、132…プログラム、133…シミュレーションデータDB。
Claims (3)
- メモリと、
通信網を構成する通信装置へ前記通信装置の内部状態を記述した応答を要求するコマンドを送信し、前記コマンドに応じて前記通信装置から返信された前記応答を受信する既存のオペレーション装置から、前記コマンドと該コマンドに応じて前記通信装置から返信された前記応答とを受け取り、該コマンド及び該応答を対応付けて前記メモリに書き込む書き込み手段と、
試験対象のオペレーション装置から送信された前記コマンドを受信する受信手段と、
前記受信手段が受信した前記コマンドが前記メモリに記憶されているか否かを判定し、記憶されていると判定した場合には、前記受信手段が受信した前記コマンドに対応付けて前記メモリに記憶されている前記応答を前記試験対象のオペレーション装置へ返信する、送信手段と
を有するシミュレータ。 - メモリと、
通信網を構成する通信装置へ前記通信装置の内部状態を記述した応答を要求するコマンドを送信し、前記コマンドに応じて前記通信装置から返信された前記応答を受信する既存のオペレーション装置から、前記コマンド、該コマンドに応じて前記通信装置から返信された前記応答、該コマンドの送信時刻、及び該応答の受信時刻とを受け取り、該コマンド、該応答、及び該送信時刻と該受信時刻との差の時間を表す時間情報、を対応付けて前記メモリに書き込む書き込み手段と、
試験対象のオペレーション装置から送信された前記コマンドを受信する受信手段と、
前記受信手段が受信した前記コマンドが前記メモリに記憶されているか否かを判定する判定手段と、
前記判定手段により前記メモリに記憶されていると判定された前記コマンドが前記受信手段により受信された時または前記判定手段により前記メモリに記憶されていると判定された時からの経過時間を計測するタイマと、
前記判定手段により前記メモリに記憶されていると判定された前記コマンドについて前記タイマにより計測されている経過時間が、該コマンドに対応付けて前記メモリに記憶されている前記時間情報で表される時間に達すると、該コマンドに対応付けて前記メモリに記憶されている前記応答を前記試験対象のオペレーション装置へ返信する、送信手段と
を有するシミュレータ。 - コンピュータを、
通信網を構成する通信装置へ前記通信装置の内部状態を記述した応答を要求するコマンドを送信し、前記コマンドに応じて前記通信装置から返信された前記応答を受信する既存のオペレーション装置から、前記コマンドと該コマンドに応じて前記通信装置から返信された前記応答とを受け取り、該コマンド及び該応答を対応付けて前記メモリに書き込む書き込み手段と、
試験対象のオペレーション装置から送信された前記コマンドを受信する受信手段と、
前記受信手段が受信した前記コマンドが前記メモリに記憶されているか否かを判定し、記憶されていると判定した場合には、前記受信手段が受信した前記コマンドに対応付けて前記メモリに記憶されている前記応答を前記試験対象のオペレーション装置へ返信する、送信手段
として機能させるためのプログラム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003201413A JP2005044048A (ja) | 2003-07-24 | 2003-07-24 | シミュレータ及びプログラム |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003201413A JP2005044048A (ja) | 2003-07-24 | 2003-07-24 | シミュレータ及びプログラム |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2005044048A true JP2005044048A (ja) | 2005-02-17 |
Family
ID=34261483
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2003201413A Pending JP2005044048A (ja) | 2003-07-24 | 2003-07-24 | シミュレータ及びプログラム |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2005044048A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2013073531A (ja) * | 2011-09-28 | 2013-04-22 | Fujitsu Ltd | 試験支援プログラム、試験支援方法および試験支援装置 |
-
2003
- 2003-07-24 JP JP2003201413A patent/JP2005044048A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2013073531A (ja) * | 2011-09-28 | 2013-04-22 | Fujitsu Ltd | 試験支援プログラム、試験支援方法および試験支援装置 |
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