JP2005043100A - 赤外円偏光二色性分光光度計 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】赤外光を発する赤外光源12と、該赤外光を干渉させ、干渉光を発生させる干渉計14と、該干渉光の偏光状態を周期的に変調するための偏光変調手段(24、26)と、を備え、試料28に前記偏光状態が変調した干渉光を照射し、該試料28を透過した透過光から赤外吸収および円二色性スペクトルを求める赤外円偏光二色性分光光度計において、
前記透過光を集光するための集光レンズ18と、該集光レンズ18で集められた光を検出するための検出器20と、をユニット16として構成し、測定する波長領域に応じて該ユニット16が交換可能であることを特徴とする赤外円偏光二色性分光光度計。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は赤外円偏光二色性分光光度計、特にその光検出機構の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
多くの化学物質において、その絶対構造、立体構造に関する知見は極めて基本的、かつ重要な情報となっている。例えば薬物、毒物、生体物質などの生理活性物質のキラリティを解析する手段としては、X線構造解析、円二色性スペクトル解析等が挙げられる。特に円二色性スペクトル解析は、他の方法に比べ取り扱いが比較的容易であることから、これらの研究には重要不可欠な手段として広く用いられている。
鏡像非対象な分子構造をもつ分子等は、右回り円偏光と左回り円偏光に対する吸収の大きさが異なるという性質を持つ。この性質は円二色性と呼ばれ、円二色性を測定することにより分子の立体構造に関する情報が得られる。
【0003】
円二色性の測定は、光弾性変調子(PEM)を用いて偏光状態を変調、つまり光を周期的に左右の円偏光に連続的に変化させ、該偏光変調光を物質に照射し、その透過光を測定することによって行われる。この測定を分光器等で波長毎に行なうことで、円二色性のスペクトルが得られる。
赤外域での円二色性(VCD)の測定では、分光のための手段としてフーリエ変換型の分光法を用い、また偏光変調のための手段として光弾性変調子(PEM)を用いた二重変調分光法が行なわれている。この二重変調分光法では、分散型の分光器を用いた測定とは異なり、所定範囲の波長域の測定を一度に行なう。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
一般に、偏光を利用した測定の場合、偏光子、試料セル、集光レンズ、検出器を入れる金属デュアーの窓等、の様々な光学部材の光学的な偏光特性からくる測定結果のひずみ、つまり、ベースラインの浮き、擬似ピーク等が問題となる。
これらの偏光特性に起因した測定結果のひずみは、装置内の光学配置を調整することで行なわれている。この調整は、経験と勘に頼る熟練した技能が必要なものであり、また、測定に使用する光の波長毎に異なるものである。そのため、固定された光学配置では測定波数域が広くなると全ての波数域で上記の偏光特性を抑制することは不可能に近い。
【0005】
また、赤外域での測定では、検出器としてMCTやInSb等を使用するが、これらの検出器の感度は低波数側の測定カットオフ付近で最大となり、そこから高波数へ行くほど低下する。したがって、測定波数域が拡大されると高波数側の感度は低くなってしまう。更に、測定波数域が拡大されると入射光強度の増加に伴う検出器の出力飽和も発生するため、高感度な測定を行なうことは不可能となる。
【0006】
また、PEMの円偏光への変換効率が最大となる中心波数、測定信号から変調成分を検出するためのロックインアンプの時定数及び位相、等のパラメータの最適値は測定波数毎に異なる。そのため、多波数の赤外光を同時に扱うフーリエ変換型の分光光度計では、測定波数域内である程度満足できる精度が保てるように、上記パラメータ値を固定している。つまり、測定波数域を拡張すると、PEMの変調効率やロックインアンプの時定数といった原理的な効果でも測定感度が低下する。
本発明は、上記課題に鑑みなされたものであり、その目的は広い測定波数域に対応でき、かつ高い測定精度を持った赤外円偏光二色性分光光度計を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らが鋭意検討した結果、上記の光学部材の偏光特性に起因したベースラインの浮きや擬似ピークの発生は、検出器直前の集光レンズと検出器自身の相対的な配置の調整により抑えられることが判明した。この知見を利用して、検出器と、検出器直前の集光レンズとをユニット化し、該ユニットを交換可能に装置を構成することで、幅広い波長域に対応した円偏光二色性分光光度計を提供することが可能となった。
【0008】
つまり、本発明の赤外円偏光二色性分光光度計は、赤外光を発する赤外光源と、該赤外光を干渉させ、干渉光を発生させる干渉計と、該干渉光の偏光状態を周期的に変調するための偏光変調手段と、を備え、試料に前記偏光状態が変調した干渉光を照射し、該試料を透過した透過光から赤外吸収および円二色性スペクトルを求める赤外円偏光二色性分光光度計において、前記透過光を集光するための集光レンズと、該集光レンズで集められた光を検出するための検出器と、をユニットとして構成し、測定する波長領域に応じて該ユニットが交換可能であることを特徴とする。
【0009】
上記の赤外円偏光二色性分光光度計において、検出器の種別を識別するための識別手段を前記ユニットに設け、該識別手段からの信号により検出器の種別及び/または検出器の接続の有無を認識するための認識手段を本体側に設けることが好適である。
さらに、上記の赤外円偏光二色性分光光度計において、前記認識手段により認識された検出器の種別に応じて、前記偏光変調手段の設定を変更することがより好適である。
【0010】
また、上記の赤外円偏光二色性分光光度計において、前記認識手段により認識された検出器の種別に応じて、前記干渉計の設定を変更することが好適である。
上記の赤外円偏光二色性分光光度計において、前記検出器からの信号から左右円偏光の不等吸収による変調成分を抽出するロックインアンプを備え、前記認識手段により認識された検出器の種別に応じて、前記ロックインアンプの時定数および位相を変更することが好適である。
上記の赤外円偏光二色性分光光度計において、測定波数域の赤外光のみを透過する光学フィルタを前記偏光変調手段の前段に備え、測定波数域に応じて該フィルタが切換可能であることが好適である。
【0011】
【発明の実施の形態】
上述したように、偏光測定では、測定データに装置内の光学部材が有する偏光特性に起因したひずみが現れる。このひずみを抑えるため、装置の光学部材の配置を調整することが行なわれているが、この調整は熟練を必要とするものである。また、測定波数域を変更すると装置全体の調整を初めからやり直す必要がある。つまり、異なった波数域で測定を行なうため検出器を変えるということは、このような理由から現実的ではなかった。
しかしながら、本発明者らが検討した結果、上記の光学部材の調整は必ずしも装置全体の光学部材を考慮する必要はなく、検出器の前段に配置される集光レンズと、検出器との相対的な配置関係を調整することのみで十分なことが判明した。
【0012】
図5は検出器と集光レンズとの配置関係を変えた場合の円二色性スペクトル(ΔA)を示した図である。図5の上図に示した円二色性スペクトルでは、特に高波数側をみればよく分かるように、ベースラインの浮きが目立つ。図5下図が光学配置を調整することで光学部材の偏光特性を抑えたものである。配置の調節とは、例えば、集光レンズを光軸を中心に回転したり、集光レンズを光軸に対して傾けたり、それに応じて検出器の配置をずらす等の操作をいう。図5上図と下図を比較すればよく分かるように、図5上図の円二色性スペクトルでは、ベースラインが平坦になっている。
【0013】
上記の結果から、検出器と集光レンズをユニットとして一体化して構成し、あらかじめ集光レンズと検出器との配置を調整しておけば、検出器を取り替える際に、装置全体の光学配置の調整を行なうことなく、該ユニットの交換だけで測定領域に応じて検出器を選択できることが分かる。
【0014】
そこで、本発明の赤外円偏光二色性分光光度計を図1を参照して詳述する。図1の赤外円偏光二色性分光光度計10は、赤外光源12と、該赤外光源12から発せられた赤外光を干渉光とするためのマイケルソン干渉計(干渉計14)と、該干渉光の変調状態を変調するための偏光変調手段(偏光子24、光弾性変調子26(PEM:Piezo Electric Modulator))と、を備える。そして、本発明の特徴部分は、検出器20と、該検出器の前段に設置された集光レンズ18と、をユニット化したことにある。つまり、検出器と集光レンズからなる光学系を一つのユニット16として構成し、あらかじめ集光レンズと検出器との配置を調整しておく。その結果、ユニット16部分を交換するのみで、他の光学系の配置の調整が必要なく、測定波長域に合った検出器を用いることが可能となる。
また、検出器からの信号の処理や、装置の制御を行なうためのデータ処理系44も備えている。
【0015】
以上が本発明の赤外円偏光二色性分光光度計の概略構成である。次のその作用を説明する。
赤外光源12から発せられた赤外光は、マイケルソン干渉計14にて干渉光とされる。干渉光の光路上には、測定波数域の光のみを透過する光学フィルター22、偏光変調手段としての偏光子24及びPEM26、さらに試料28及び検出器20が設置されている。干渉光は偏光子24を透過することにより直線偏光となり、該直線偏光はPEM26により所定の変調周波数で偏光状態が変調される。PEM26の変調周波数は、PEMコントローラ36により制御されている。変調された赤外光は試料28を透過した後、検出器20で検出される。検出器としては、測定する波数域に応じて、PC型MCT検出器、PV型MCT検出器、InSb検出器等などが使用される。また、これらの検出器の受光面は小さいため、検出器20の前段には集光レンズ18が設けられている。
【0016】
PEMコントローラ36により所定の変調周波数(例えば、50kHz)で左右円偏光を発生させた場合、光学活性物質である試料は左円偏光と右円偏光に対する吸収の大きさが異なるので、試料28通過後に検出された信号はPEM26の変調周波数で変調された交流成分をもつことになる。そして、この交流成分が干渉計14による変調(例えば、3kHz程度)成分に重畳した、二重に変調された信号が検出されることになる。
【0017】
検出器20で検出された信号は、プリアンプ30で増幅後、電気フィルター32、ロックインアンプ34、データ処理回路38を通過し、左右の各円偏光の不等吸収の情報を持つインターフェログラムが抽出される。すなわち、電気フィルタ32でPEM28の変調周波数を含んだ所定周波数帯域の信号を通過させ、ロックインアンプ34では、PEMコントローラ36から送られる同期信号を参照信号としてPEM28の変調周波数をもつ成分をロックイン検出する。ただし、干渉計14による変調成分をもった信号として取り出す必要があるため、ロックインアンプ34の時定数(ある測定信号をロックインアンプが出力してから次の測定信号をロックインアンプが出力するのに要する時間)を十分短くしておく必要がある。このようにして、干渉計14による変調周波数で強度変化する交流信号(ACインターフェログラム)が得られる。
【0018】
また、検出器20で検出された信号の一部は、プリアンプ30で増幅後、データ処理回路38でローパスフィルタに通す等を行い、干渉計による変調成分を取り出し、赤外吸収の情報を持つインターフェログラム(DCインターフェログラム)が抽出される。
このようにして抽出された左右円偏光の不等吸収によるインターフェログラムと赤外吸収によるインターフェログラムに基づき、コンピュータ(コントロールPC42)ではフーリエ変換を行い左右の各円偏光の吸収スペクトルの差スペクトル(ΔA)である円二色性スペクトル、及び赤外吸収スペクトルを算出する。
【0019】
本発明の特徴部分は検出器20と集光レンズ18とを含む光学系をユニット化し、測定波数域に応じて検出器の種別を変更可能にした点にある。つまり、集光レンズと検出器との相対位置をあらかじめ調整しておくことにより、ベースラインの平坦性や、偽ピークの抑制を抑えることができる。その結果、ユニットを装置に取り付けるのみで、他の光学部材の調整をすることなく検出器の種別を変更できる。また、測定波数域に応じて、最大の感度をもつ検出器を選択することができるため、広い波数域にわたって高感度な測定をすることが可能となる。
検出器の種別に応じておおよその測定波数帯域が決まる。例えば、次の(1)〜(5)に示すように検出器を使い分けることが好適である。
【0020】
(1) 4000〜3000cm−1 InSb
(2) 3000〜2000cm−1 InSb
(3) 2000〜1000cm−1 PV型MCT(10.5μmカットオフ)
(4) 1000〜800cm−1 PC型MCT(13μmカットオフ)
(5) 800〜600cm−1 PC型MCT(18μmカットオフ)
さらに、偏光変調手段の前段に、測定波数域のみを透過する光学フィルター22を設けることが好適である。該光学フィルター22は切換え可能に構成されており、測定に用いる検出器の種別に応じて切換えを行なう。
【0021】
光学フィルターによって試料28へと照射する干渉光の波数幅を制限したことによって、検出器20で検出されるインターフェログラムのセンターバースト付近と端の部分との強度比が緩和される。その結果、雑音混入比の低減や、検出信号をAD変換したときの量子化誤差の抑制が期待できる。
【0022】
上記のように検出器によって測定に用いる赤外光の波数域が異なるため、装置のパラメータの最適値は用いる検出器の種別毎に異なる。例えば、ロックインアンプ30の時定数は干渉計14による変調成分も通すように十分短く定めなければならないが、低い測定波数域ではそれに合わせて変調周波数も低くなるため、高波数域に比べ低波数域ではロックインアンプの時定数を大きくとることができる。そのため、上記時定数の設定や、参照信号の位相の制御に関する設定等は、測定波数域に応じて行なう必要がある。
【0023】
また、PEMコントローラー30はPEM28への電圧を制御することで、PEMを透過した光に与える位相差の変調周波数及び変調振幅をコントロールしている。この変調振幅等の最適値はやはり測定波数により異なり、円偏光の変換効率が最大となるPEMの中心波数が、測定波数域に合うよう設定する必要がある。
さらに、干渉計の設定(可動鏡48の速度等)や、アパーチャー46の開口径の設定(例えば、高波数側では小さく絞る必要があること等)等も測定波数に依存する。
【0024】
赤外円偏光二色性の測定は、非常に微弱な信号を取り扱うこととなるため、上記のパラメータ(ロックインアンプの時定数及び位相、PEMの中心波数等)の設定を適切に行なう必要がある。そのため、検出器の種別等の情報を送るための認識手段をユニット部分に設けることが好適である。そして、識別手段からの信号を受け取る識別手段を本体側に設ける。図1の実施形態では、認識手段としてパーソナルコンピュータ等からなるコントロールPC42が用いられており、ユニット16に設けられた識別手段(図示せず)と接続されている。
識別手段としては、例えば以下のような形態を用いればよい。
【0025】
ユニットは検出器に設けられたコネクタを介してコントロールPCに接続される。このコネクタのピンを検出器の種別毎に異なったパターンで短絡すること等の方法で、コネクタからの信号が検出器毎に異なったパターンの識別信号になるようにすればよい。そして、該コネクタを認識手段としてのコントロールPC42と接続し、識別信号をコントロールPC42が読み取ることにより検出器の種別が認識される。このように識別手段を構成すると、非常に簡単な構成で検出器の種別の認識を行なうことができる。
【0026】
もしくは、ユニット16にメモリを設け、該メモリには検出器の種別の情報、測定波数域の情報等を記憶させておく。そして、該メモリの情報を識別信号として本体側の認識手段へと送るようにしてもよい。このような構成にすると、使用する検出器に関連した詳しい情報(例えば、その測定波数域での装置の最適パラメータ値等)をユニット側に記憶させておくこともできる。
【0027】
本体側の認識手段であるコントロールPC42では、前記識別手段からの信号によって、検出器が接続されているか否かを認識したり、接続された検出器の種別の認識を行なう。そして、コントロールPC42は、認識した検出器の種別に応じて、ロックインアンプ34、PEMコントローラ36、及び制御用I/O40を通じて干渉計14、等のパラメーターを制御する。
【0028】
このようにユニットとして取り付けた検出器の種別を認識手段(コントロールPC42)によって認識することができるため、装置のパラメータの設定を手動で行なう手間が省ける。上記の設定はまた、検出器が接続されているか否かを認識し、コントロールPC42上のディスプレイ等に表示することで測定時のミスを防ぐことができる。
【0029】
また、光学フィルターの切換えについても、認識手段によって認識した検出器の種別に応じて、コントロールPCのディスプレイに表示される画面に使用すべき光学フィルターの種類を表示することが好適である。もしくは、コントロールPC42からの制御信号によって、自動的に光学フィルターを切換えるための機構を設けてもよい。
【0030】
上述したように、ユニット部分では、集光レンズと検出器との配置関係をあらかじめ設定しておき、ユニットを交換するだけで他の光学部材の調整を行なうことなく検出器の交換を行なうことができる。しかし、ユニット自体の取り付け時に、ユニットの姿勢を正しく保つ必要がある。そこで、本実施形態でのユニットの取り付けのための機構を次に説明する。図2は本発明の赤外円偏光二色性分光光度計のユニット周辺部を真上から見た平面図、図3はユニット部分の側面図である。図2、3のユニット16は、集光レンズ18と、検出器を内部に設置した真空デュワー58とを備えている。MCT等の赤外検出器は液体窒素によって冷却して使用することから、真空デュワー58内に配置されるようになっている。
【0031】
そして、姿勢保持のために、ユニット16はベースに垂直にたったネジ52と、側面にある水平な2本のネジ54、56の合計3本のネジを備える。そして、ネジ52は本体のベース面に、ネジ54、56は本体の側面に、それぞれ差し込まれて、ユニット16が固定される。
このように垂直方向のネジ52と水平方向のネジ54、56の合計3本のネジによってユニット部分の姿勢、位置が正確に保持されている。
【0032】
【実施例】
図4は本発明の円偏光二色性分光光度計を用いた測定例である。試料としてセル厚が50μmのα−pineneを用い、積算時間20分間の測定を行なった。図4の上図が吸光度スペクトル(Abs)、図4の下図が円二色性スペクトル(ΔAbs)を示している。
この測定では、波数950cm−1以下では、検出器としてPC型MCTを用い、波数950cm−1以上ではPV型MCTを用いて、波数域800〜1350cm−1の測定を行なった。
結果は、図4のグラフを見れば明らかなように、擬似ピークのない良好なデータが得られた。
【0033】
【発明の効果】
本発明の赤外円偏光二色性分光光度計では、検出器と、該検出器の前段に設置される集光レンズをユニット化し、該ユニットごと交換可能な構成としたため、広い測定波数域に対応でき、かつ高感度な測定を行なうことができる。
さらに、接続したユニット内の検出器の種別を認識するための認識手段を設けたため、簡便に装置の設定ができ、高い精度で測定をすることが可能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の赤外円偏光二色性分光光度計の概略構成図
【図2】ユニットの周辺部を真上から見た平面図
【図3】ユニットの側面図
【図4】本発明の赤外円偏光分光光度計を用いた測定結果
【図5】集光レンズと検出器との位置関係を変えたときの測定結果
【符号の説明】
10 赤外円偏光二色性分光光度計
12 赤外光源
14 干渉計
16 ユニット
18 集光レンズ
20 検出器
24 偏光子(偏光変調手段)
26 PEM(偏光変調手段)
28 試料
Claims (6)
- 赤外光を発する赤外光源と、
該赤外光を干渉させ、干渉光を発生させる干渉計と、
該干渉光の偏光状態を周期的に変調するための偏光変調手段と、を備え、試料に前記偏光状態が変調した干渉光を照射し、該試料を透過した透過光から赤外吸収および円二色性スペクトルを求める赤外円偏光二色性分光光度計において、
前記透過光を集光するための集光レンズと、該集光レンズで集められた光を検出するための検出器と、をユニットとして構成し、測定する波長領域に応じて該ユニットが交換可能であることを特徴とする赤外円偏光二色性分光光度計。 - 請求項1記載の赤外円偏光二色性分光光度計において、
検出器の種別を識別するための識別手段を前記ユニットに設け、該識別手段からの信号により検出器の種別及び/または検出器の接続の有無を認識するための認識手段を本体側に設けたことを特徴とする赤外円偏光二色性分光光度計。 - 請求項2に記載の赤外円偏光二色性分光光度計において、
前記認識手段により認識された検出器の種別に応じて、前記偏光変調手段の設定を変更することを特徴とする赤外円偏光二色性分光光度計。 - 請求項2または3に記載の赤外円偏光二色性分光光度計において、
前記認識手段により認識された検出器の種別に応じて、前記干渉計の設定を変更することを特徴とする赤外円偏光二色性分光光度計。 - 請求項2〜4に記載の赤外円偏光二色性分光光度計において、
前記検出器からの信号から左右円偏光の不等吸収による変調成分を抽出するロックインアンプを備え、前記認識手段により認識された検出器の種別に応じて、前記ロックインアンプの時定数および位相を変更することを特徴とする赤外円偏光二色性分光光度計。 - 請求項1〜5に記載の赤外円偏光二色性分光光度計において、
測定波数域の赤外光のみを透過する光学フィルタを前記偏光変調手段の前段に備え、測定波数域に応じて該フィルタが切換可能であることを特徴とする赤外円偏光二色性分光光度計。
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