JP2005042941A - 伝熱管並びにこの伝熱管を組み付けた熱交換器 - Google Patents

伝熱管並びにこの伝熱管を組み付けた熱交換器 Download PDF

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Abstract

【課題】熱伝導性に優れるとともに、振動や流体の流動圧等への耐久性にも優れる伝熱管を、煩雑な寸法合わせ等を必要とする事なく、簡易な製造方法で廉価に得る事を目的とする。
【解決手段】金属材製の素管2内に、折曲部5を介して一方片6と他方片7とを各々交差方向に配置した一方フィン3と他方フィン4とを挿入配設して伝熱管1を得る。この一方フィン3と他方フィン4の一方片6と他方片7との先端側を、素管2の内周面に当接させるとともに、一方フィン3と他方フィン4とを折曲部5方向の少なくとも一部で接触させる。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、EGRガス冷却装置等の多管式熱交換器、ラジエーター組込式オイルクーラー等の熱交換器にて、冷却水、冷却風、カーエアコン用冷媒、その他の冷媒液等の冷却媒体と、EGRガス、煤を含有する燃焼排気ガス等の被冷却高温熱媒体流体との熱交換を行うために用いるもの等、種々の用途の伝熱管並びにこの伝熱管を組み付けた熱交換器に係るものである。
【0002】
【従来の技術】
【特許文献1】特開平11−108578号公報
【特許文献2】特開2000−179410号公報
【特許文献3】特開2001−227413号公報
【特許文献4】特開2002−295987号公報
【0003】
従来、自動車のエンジン等では、排気ガスの一部を排気ガス系から取り出して、再びエンジンの吸気系に戻し、混合気や吸入空気に加えるEGRシステムが、ガソリンエンジン、ディーゼルエンジンに用いられていた。EGRシステム、特にディーゼルエンジンの高EGR率のクールドEGRシステムでは、排気ガス中のNOxを低減し、燃費の悪化を防止するとともに、過剰な温度上昇によるEGRバルブの機能低下や耐久性の低下を防止するため、高温化したEGRガスを冷却水、冷却風、カーエアコン用冷媒、その他の冷媒液等の冷却媒体で冷却するEGRガス冷却装置を設けている。
【0004】
そして、このEGRガス冷却装置として、上記特許文献1〜特許文献4の従来発明等に示す如く、内部をEGRガスが流通可能な複数の細径の伝熱管を配置し、この伝熱管の外側に冷却水や冷却風、冷媒液等の冷却媒体を流通させる事により、伝熱管を介してEGRガスと冷却媒体との熱交換を行うものが存在した。
【0005】
上述の如きEGRガス冷却装置で使用する伝熱管は、内周面が平滑な金属管が多く用いられているが、このような伝熱管ではEGRガスの殆どが伝熱管の軸中心部付近を高速に流動し、伝熱管の内周面側を通過するEGRガスから熱が伝導されるのみで、冷却媒体との熱交換が良好には行われにくかった。この熱交換性能の向上のため、前記特許文献1、2の従来発明では、内方に螺旋状又は環状に突出する突起を設けた金属製の素管内に、平板を螺旋状に捻って形成したフィン部材を挿入配設して伝熱管を形成している。また、特許文献3では、素管内に平板状のフィン部材を一体に突出して伝熱管を形成している。また、特許文献4では、素管の内径と略同一寸法の外径とする螺旋状フィン部材を素管内に挿入配設した後、素管に内方に螺旋状に突出する突起を設けて伝熱管を形成している。
【0006】
このように、素管内に螺旋状に捻ったフィン部材を配設したり平板状のフィン部材を一体に突設する事で、伝熱管の伝熱面積を増大させ、伝熱管の内表面を流動するEGRガスだけでなく、軸中心部付近を流動するEGRガスの熱をフィン部材に伝達させ、EGRガスからの伝熱管への熱伝導効率を高めようとしていた。更に、フィン部材によって伝熱管内のEGRガスの流れを乱流化して、EGRガスの伝熱管内の流動距離を長くし、伝熱管とEGRガスとの接触時間を長くするとともに、境界層を剥離して、伝熱管を介したEGRガスと冷却媒体との熱交換効率を高めようとするものであった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記特許文献1、2の従来技術では、フィン部材と素管との接触は、フィン部材の両側縁と素管の内周面の突起部分との断続した点接触である。そのため、フィン部材と素管との接触面積が少なく、フィン部材がEGRガスの熱を受熱しても、このフィン部材から素管への熱伝達が十分に行われず、EGRガスと伝熱管の外周を流動する冷却媒体との熱交換効率を高めるには限界があった。また、螺旋のピッチを小さくしてフィン部材の分量を多くすれば、伝熱面積が多くなるが、伝熱管内を流動する流体への圧力抵抗が大きくなり、所定量の流体の流動ができなくなって、結果的に伝熱管の熱交換性能が向上しない可能性がある。
【0008】
これに対して、特許文献3では、素管と平板状フィン部材とを一体に設けているので、素管と板状フィンとは板状フィンの板厚分の面接触となっている。また、特許文献4でも、螺旋状フィン部材の外径を素管の内径と略同一寸法で形成する事で、素管とフィン部材とはフィン部材の板厚分の面接触が可能となっている。そのため、特許文献3、4では、特許文献1、2の点接触に比べて素管とフィン部材との熱伝導性は高くなる。
【0009】
しかしながら、特許文献1〜4の何れの場合でも、フィン部材を素管に面接触や断続した点接触で接続しただけなので、フィン部材の固定性が悪く、伝熱管の振動や流体の流動圧等により、フィン部材のブレや変形、更には歪みによる亀裂を生じる虞があり、伝熱管の熱交換機能や耐久性を損なう可能性もあった。
【0010】
本発明は上述の如き課題を解決しようとするものであって、伝熱管の素管内に挿入配設するフィン部材と素管との熱伝導性を高め、伝熱管の内外を流動する流体間の熱交換を効率的に行って、伝熱管や伝熱管を組み付けた熱交換器の熱交換性能を向上させるものである。また、素管内でのフィン部材の固定性を高め、フィン部材のブレや変形、更には歪みによる亀裂等を抑制可能とし、伝熱管及び熱交換器の耐久性を向上させ、優れた熱交換性能を維持する事を可能とするものである。また、この熱交換性能及び耐久性に優れる伝熱管を、容易に形成するものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明は上述の如き課題を解決するため、第1の発明は、金属材製の素管内に、折曲部を介して一方片と他方片とを各々交差方向に配置した一方フィンと他方フィンとを挿入配設し、この一方フィンと他方フィンの一方片と他方片との先端側を素管の内周面に当接させるとともに、一方フィンと他方フィンとを折曲部方向の少なくとも一部で接触させて成る伝熱管である。
【0012】
また、第2の発明は、金属材製の素管内に、折曲部を介して一方片と他方片とを各々交差方向に配置した一方フィンと他方フィンとを挿入配設し、この一方フィンと他方フィンの一方片と他方片との先端側を素管の内周面に当接させるとともに、一方フィンと他方フィンとを折曲部方向の少なくとも一部で接触させた伝熱管を組み付けて成る熱交換器である。
【0013】
また、一方フィン及び他方フィンは、一方片の形成長さを素管の内径の50%よりも長尺で75%よりも短尺とし、この一方フィンの一方片と他方フィンの一方片とを互いに面接触させるとともに、他方片の形成長さを素管の内径の50%よりも短尺で25%よりも長尺とし、素管内を管軸方向に4分割しても良い。
【0014】
また、一方フィン及び他方フィンは、一部を互いに面接触させ、この接触片の両端を折曲し、この一対の折曲部を介して接触片の両側に一方片と他方片とを設けて形成し、一方フィンの接触片と他方フィンの接触片とを互いに面接触させる事により、素管内を管軸方向に4分割しても良い。
【0015】
また、一方フィン及び他方フィンは、一方片と他方片の外面の少なくとも一部にストッパーを突設し、このストッパーに相手フィンの他方片又は一方片を当接させても良い。
【0016】
また、一方片及び/又は他方片は、先端側を素管の内周面の一部に対応させて折曲する事により密着面を形成し、この密着面を、素管の内周面に面接触により密着可能としても良い。
【0017】
また、一方片及び/又は他方片は、管軸方向に長尺で素管の円周方向の断面形状がV字形又はU字形の突条を設けても良い。
【0018】
また、素管は、内部に一方フィンと他方フィンとを配設した状態で、素管の内方に突出する螺旋溝を少なくとも一本設けても良い。
【0019】
また、一方片及び/又は他方片に設けた密着面は、素管の円周方向の形成幅を、素管の内周面の円周長の5%以上で20%以下としても良い。
【0020】
また、一方片及び他方片は、管軸を中心として円周方向に捻り形成しても良い。
【0021】
また、一方片及び/又は他方片は、一定長さのエンボス状の突起を複数個、突設しても良い。
【0022】
【作用】
本発明は上述の如く構成したものであり、第1の発明の伝熱管は熱伝導性に優れる金属製の素管内に、金属材製の一方フィンと他方フィンとを配設しているので、伝熱管の伝熱面積を増大させる事ができる。また、一方フィンと他方フィンとは、各々の一方片と他方片との先端側の4箇所で、素管の内周面と少なくとも板厚分の面積で面接触しているので、従来の2箇所での接触に比較して素管と一方フィン及び他方フィンとの接触面積が多くなり、熱伝導性を向上させる事ができる。また、従来の螺旋状のフィン部材に比べて、流体への圧力抵抗が過度に大きくならず、所定の流量の流体を円滑に流動させる事ができる。従って、伝熱管の吸熱特性や放熱特性が向上し、伝熱管を介した内外流体の熱交換を効率的に行う事が可能となり、熱交換性能に優れた伝熱管を得る事ができる。
【0023】
また、本発明の伝熱管の製作工程は、素管内に一方フィンと他方フィンとを挿入配設した後、ろう付けや溶接等により素管と一方フィン及び他方フィンとを接続固定するものである。本発明では、一方フィンと他方フィンとを、素管への挿入時に一方片と他方片との先端側が素管の内周面に当接し、一方フィンと他方フィンとを折曲部方向の少なくとも一部で接触するような寸法合わせで形成しているので、素管内に挿入するだけで一方フィンと他方フィンとの位置合わせが完了するとともに、挿入過程で一方フィンと他方フィンとがバラバラに分離したり、位置ズレ等を生じる事がなく、安定した挿入作業が可能となる。
【0024】
そして、素管への挿入完了後に於いても、素管内での一方フィンと他方フィンの安定性が良好で、位置ズレや素管からの脱落を生じる事がない。従って、次工程の素管と一方フィン及び他方フィンとのろう付けや溶接作業も効率的に行う事が可能となる。また、このろう付けや溶接により、フィレットの幅分、一方フィン及び他方フィンと素管との接触面積が多くなるとともに冶金的に接触するものとなり、一方フィンと他方フィンの素管内での固定性だけでなく、双方の熱伝導性をも更に向上させる事ができる。
【0025】
また、伝熱管の固定性が良好であるから、伝熱管の使用時に、一方フィンと他方フィンに流体の流動圧や伝熱管の振動等が作用しても、一方フィンと他方フィン同士が接触部を介して互いに突き当たったり、一方片、他方片の先端が素管の内周面に突き当たる事により支持される。従って、一方フィン及び他方フィンのブレや変形が抑制され、伝熱管の耐久性が向上して、前記優れた熱交換性能を長期に持続させる事が可能となる。
【0026】
また、上述の如き伝熱管を組み付けた第2の発明の熱交換器は、自動車のエンジン、その他内燃機関、冷暖房等、熱交換を行う何れの熱交換器にも用いる事ができる。例えば、エンジンのEGRガス冷却装置、その他の多管式熱交換器を形成する事で、EGRガスの冷却を効率的に行う事ができる。従って、EGRシステム、特にディーゼルエンジンの高EGR率のクールドEGRシステムに於いて、排気ガス中のNOxを低減できるとともに、燃費の悪化も防止する事ができる。また、過剰な温度上昇を防止して、EGRバルブの劣化や機能低下も確実に防止する事ができる。
【0027】
また、高温オイルを内部に流通させて、エンジン冷却水で冷却するラジエーターへの組込式オイルクーラー等に伝熱管を組付けても良く、優れた熱交換を行って、伝熱特性及び耐久性の高いオイルクーラーを得る事ができる。
【0028】
【実施例】
以下、本発明の伝熱管を、自動車のクールドEGRシステムのEGRガス冷却装置に組み込んだ実施例を図面に基づいて詳細に説明する。図1は第1実施例の伝熱管の斜視図で、一方片と他方片とを設けた端面L字形の一方フィンと他方フィンとを、略十文字形に素管内に挿入配設している。また、一方片と他方片に、円形の貫通孔を設けている。図2は図1の端面図である。また、図3は第2実施例の一方片の拡大斜視図で、一方片にコ字形の隆起部を設けて、貫通孔及び凹凸を形成している。
【0029】
また、図4は第3実施例の一方片の拡大斜視図で、一方片にルーバー部を設けて、貫通孔及び凹凸を形成している。図5は第4実施例の一方片の拡大斜視図で、一方片に矩形状の貫通孔を設けている。また、図6は第5実施例の伝熱管の斜視図で、一方フィンと他方フィンとを挿入配設した状態で、素管の外周に内方に突出する螺旋溝を設けている。図7は図6の伝熱管のA−A線断面図である。
【0030】
また、図8は第6実施例の伝熱管の端面図で、一方片と他方片の先端側に、素管の内周面に面接触させる密着面を設け、更に一方片と他方片に、素管の円周方向の断面形状がU字形の突条を設けている。図9は第7実施例の伝熱管の端面図で、第6実施例と同様に一方片と他方片に密着面と突条を設けているが、突条の形成幅を第6実施例よりも広幅としている。図10は第8実施例の伝熱管の端面図で、一方片と他方片との密着面と突条を、互いに対向するよう形成している。図11は第9実施例の伝熱管の端面図で、第8実施例と同様に一方片と他方片に密着面と突条を設けているが、突条の形成幅を第8実施例よりも広幅としている。
【0031】
また、図12は10実施例の伝熱管の端面図で、接触片の両端に一方片と他方片とを設けた一方フィンと他方フィンとを素管内に挿入配設し、互いの接触片を面接触させている。図13は第11実施例の伝熱管の端面図で、第10実施例と同様に、接触片の両側に一方片と他方片とを設けているが、接触片を第10実施例よりも狭幅に形成している。図14は第12実施例の伝熱管の円周方向の断面図で、一方フィンと他方フィンの一方片の外面にストッパーを突設し、このストッパーに相手フィンの他方片を当接させている。図15は図14の一方フィンと他方フィンのストッパーとの係合状態を示す斜視図である。また、図16は第13実施例の一方フィンと他方フィンとの斜視図で、一方フィンと他方フィンとを円周方向に捻り形成している。図17は、第14実施例の一方フィンと他方フィンとの斜視図で、一方片と他方片に、管軸に対して傾斜方向に一定長さのエンボス状の複数の突起を、互いに同一方向に突設している。図18は第15実施例の一方フィンと他方フィンとの斜視図で、一方片と他方片のエンボス状の突起を、互いに異なる方向に突設している。図19は本発明の伝熱管を用いたEGRガス冷却装置の概略図である。
【0032】
まず、本発明の第1実施例を図1、図2、図19に基づいて詳細に説明すれば、(1)は伝熱管で、内部をEGRガスが流通可能な細径の金属製の素管(2)内に、管軸方向に長尺で端面形状を略L字形とする金属材製の一方フィン(3)と他方フィン(4)とを、端面形状が略十字形となるよう点対称に挿入配設している。
【0033】
また、上記素管(2)並びに一方フィン(3)及び他方フィン(4)は、銅、アルミニウム、黄銅、又はステンレス等を用いる事により、熱伝導性に優れる伝熱管(1)を得る事ができる。また、ステンレス等では、熱伝導性だけでなくEGRガス等に対する耐食性にも優れるものとなる。また、素管(2)並びに一方フィン(3)及び他方フィン(4)とを、使用目的やコスト等を考慮して、同一の金属で形成しても良いし、互いに異なる金属で形成しても良い。また、耐食性の信頼性を更に高めるため、前述の如き金属材に、亜鉛、銅、錫、錫−亜鉛合金、ニッケル、亜鉛−ニッケル合金等から成る1層のメッキ処理を行い、必要に応じクロメート被膜等を施しても良いし、金属材の外表面にニッケルをメッキし、このニッケルの外周面に更に亜鉛−ニッケル合金をメッキする等、2層以上のメッキ処理を行っても良い。
【0034】
また、一方フィン(3)及び他方フィン(4)並びに素管(2)との熱伝導性、素管(2)内での一方フィン(3)及び他方フィン(4)の固定性を考慮して、一方フィン(3)と他方フィン(4)とを形成する板部材の板厚を、素管(2)の内径の1%以上で15%以下で形成するのが好ましい。この板厚が、素管(2)の内径の1%よりも薄いと、一方フィン(3)と他方フィン(4)と、素管(2)との熱伝導性や固定性が低下する虞がある。また、板厚を素管(2)内径の15%よりも厚くすると、素管(2)内での一方フィン(3)と他方フィン(4)の占有容積が多くなり、EGRガスの流動空間が狭くなるので、所定量のEGRガスを流動させる事ができず、伝熱管(1)の熱交換性能が低下する虞がある。
【0035】
本実施例では、板部材の板厚を素管(2)の内径の3%で形成し、具体的には、図2に示す素管(2)の内径dを10mm、一方フィン(3)と他方フィン(4)の板厚tを0.3mmで形成している。このような板厚の板部材を略90°に折曲し、折曲部(5)を介して一方片(6)と他方片(7)とを設け、端面形状をL字形とする一方フィン(3)と他方フィン(4)とを各々形成している。
【0036】
また、この一方フィン(3)と他方フィン(4)とは同一形状、同一寸法で形成する事により、生産性の向上を図っている。そして、各々の一方片(6)の形成長さを素管(2)の内径の50%よりも長尺で75%よりも短尺とする事で、一方フィン(3)の一方片(6)と他方フィン(4)の一方片(6)とを、素管(2)内で互いに面接触可能としている。また、他方片(7)は、形成長さを素管(2)の内径の50%よりも短尺で25%よりも長尺としている。具体的には、図2に示す如く、一方片(6)の形成長さaを6.0mmとして素管(2)の内径の60%とし、他方片(7)の形成長さbを4.9mmとして素管(2)の内径の49%としている。このような寸法とする事で、素管(2)への挿入配設時には、一方フィン(3)の一方片(6)と他方フィン(4)の一方片(6)とが軸中心部(8)を介して面接触した状態で、一方フィン(3)と他方フィン(4)の各々の一方片(6)と他方片(7)の先端が素管(2)の内周面に当接可能となる。
【0037】
また、このような一方フィン(3)と他方フィン(4)の配設により、素管(2)内が管軸方向に4分割され、図2に示す如く、時計回り方向に、一方フィン(3)の一方片(6)と他方片(7)間の第1内部空間(10)と、一方フィン(3)の一方片(6)と他方フィン(4)の他方片(7)間の第2内部空間(11)と、他方フィン(4)の他方片(7)と一方片(6)間の第3内部空間(12)と、他方フィン(4)の一方片(6)と一方フィン(3)の他方片(7)間の第4内部空間(13)とが形成される。また、一方フィン(3)と他方フィン(4)は、一方片(6)と他方片(7)の複数箇所に円形の貫通孔(14)を開口する事により、隣接する第1〜第4内部空間(10)(11)(12)(13)間を連通し、EGRガスの出入りを可能としている。
【0038】
そして、上述の如き一方フィン(3)と他方フィン(4)とを素管(2)内に挿入配設して伝熱管(1)を形成するには、一方フィン(3)の一方片(6)と他方フィン(4)の一方片(6)の折曲部(5)側を互いに面接触させながら、一方フィン(3)と他方フィン(4)とを素管(2)内に挿入する。この、一方フィン(3)と他方フィン(4)とを前述の如き寸法で形成しているから、一方フィン(3)と他方フィン(4)の各一方片(6)と他方片(7)の先端が素管(2)の内周面に当接し、この先端方向への一方フィン(3)又は他方フィン(4)の移動が阻止されるとともに、互いの一方片(6)が面接触して、素管(2)内部方向への移動も阻止される。そのため、一方フィン(3)と他方フィン(4)の位置合わせが確実となり、素管(2)への挿入工程にて一方フィン(3)と他方フィン(4)とがバラバラに分離したり、位置ズレ等を生じる事がなく、挿入完了位置まで安定した挿入作業が可能となる。従って、作業効率が向上するとともに挿入作業を行うだけで、一方フィン(3)と他方フィン(4)の位置合わせも完了するものとなる。
【0039】
上記挿入配設が完了すると、図1に示す如く、L字形の一方フィン(3)と他方フィン(4)とが、互いの一方片(6)を面接触した状態で素管(2)内に端面形状を略十字形に配設される。また、一方片(6)と他方片(7)の先端側が、素管(2)の内周面に面接触し、素管(2)内での一方フィン(3)と他方フィン(4)との安定した固定性が得られるとともに、素管(2)と一方フィン(3)及び他方フィン(4)との熱伝導が、板厚の4倍分の接触面積を介して、良好に行われるものとなる。
【0040】
次に、一方フィン(3)と他方フィン(4)の、各々一方片(6)と他方片(7)の先端縁と素管(2)の内周面とをろう付けする。このろう付けにより、一方片(6)及び他方片(7)と素管(2)の内周面とが、ろう材のフィレット(9)により確実に密着し、且つ図2に示す如く、ろう材のフィレット(9)の幅分、これらが広幅に面接触するとともに冶金的に接触するものとなり、一方フィン(3)及び他方フィン(4)と素管(2)との熱伝導性と固定性を更に高める事ができる。また、一方フィン(3)の一方片(6)と他方フィン(4)の一方片(6)との接触部を、ろう付けしても良く、一方フィン(3)と他方フィン(4)との固定性が更に向上するとともに、フレッティングを防止する事ができる。尚、熱膨張による歪みを逃がすために、一方フィン(3)の一方片(6)と他方フィン(4)の一方片(6)との接触部のろう付けを行わなくても良い。
【0041】
また、上記ろう付けの際は、素管(2)への挿入前に、予め一方フィン(3)と他方フィン(4)の少なくとも先端縁にろう材をメッキしておく。また、一方片(6)の接触面をろう付けする場合は、折曲部(5)の外面等にろう材をメッキしておく。このろう材のメッキは、好ましくは作業が容易な事から一方フィン(3)と他方フィン(4)の全表面に施しても良いし、素管(2)の内周面にろう材をメッキしても良い。また、一方フィン(3)と他方フィン(4)の形成素材である板部材にろう材をクラッドし、このクラッド材を加工して一方フィン(3)と他方フィン(4)とを形成しても良い。
【0042】
また、一方フィン(3)と他方フィン(4)の先端縁や折曲部(5)の外面にろう材付着用のバインダーを塗布した一方フィン(3)と他方フィン(4)とを素管(2)に挿入後、該素管(2)内にパウダー状のろう材を供給しても良い。他の方法として、一方片(6)と他方片(7)の先端縁にろう材ペーストを供給した一方フィン(3)と他方フィン(4)とを素管(2)へ挿入しても良いし、素管(2)内に一方フィン(3)と他方フィン(4)とを挿入後、該素管(2)内にろう材ペーストを供給しても良い。そして、伝熱管(1)の製作時にろう付けを行っても良いし、或いは伝熱管(1)を後述のEGRガス冷却装置(20)に組付け後に、ろう付けを行っても良い。
【0043】
そして、上述の如き伝熱管(1)を組付けたEGRガス冷却装置(20)は、図19に示す如く、円筒状の胴管(21)の両端にチューブシート(22)を一対接続し、内部を密閉可能としている。そして、一対のチューブシート(22)間に、本実施例の伝熱管(1)を複数本、チューブシート(22)を貫通して接続配置している。また、胴管(21)の両端には、EGRガスの導入口(24)と導出口(25)とを設けたボンネット(26)を接続している。
【0044】
更に、胴管(21)の外周には、エンジン冷却水や冷却風等の冷却媒体の流入口(27)と流出口(28)を設ける事により、一対のチューブシート(22)で仕切られた気密空間内を、冷却媒体が流通可能な冷却部(23)としている。また、この冷却部(23)内に、複数の支持板(30)を接合配置し、この支持板(30)に設けた挿通孔(29)に、伝熱管(1)を挿通する事により、バッフルプレートとして伝熱管(1)を安定的に支持するとともに、冷却部(23)内を流動する冷却媒体の流れを蛇行化している。
【0045】
上記EGRガス冷却装置(20)に於いて、導入口(24)から胴管(21)内に高温化したEGRガスを導入すると、このEGRガスは胴管(21)内に複数配置した伝熱管(1)内に流入する。この伝熱管(1)を配置した冷却部(23)では、予め伝熱管(1)の外部にエンジン冷却水等の冷却媒体を流通しているので、伝熱管(1)の外表面を介してEGRガスと冷却媒体とで熱交換が行われる。
【0046】
本発明の伝熱管(1)は、一方フィン(3)と他方フィン(4)の配設により、伝熱面積を増大させて、EGRガスとの接触頻度を高めている。更に、一方片(6)と他方片(7)の先端縁と素管(2)の内周面とを面接触させる事により、従来に比べて一方フィン(3)及び他方フィン(4)と、素管(2)との接触面積が多くなり、互いの熱伝導性が向上する。
【0047】
また、一方フィン(3)と他方フィン(4)とにより分割された4つの内部空間(10)(11)(12)(13)内を、EGRガスが一方フィン(3)と他方フィン(4)の内外表面と接触しながら分散して流動するので、流れの偏りを防ぐとともに、素管(2)の内周面側のEGRガスの熱だけでなく、中央付近を流動するEGRガスの熱も一方フィン(3)と他方フィン(4)に効率的に伝熱させる事ができる。
【0048】
更に本実施例では、一方片(6)と他方片(7)に貫通孔(14)を設けている。そのため、この貫通孔(14)を介してEGRガスが第1〜第4内部空間(10)(11)(12)(13)内を移動しながら流動先に流動するものとなり、EGRガスの乱流化を生じる。この乱流化により、伝熱管(1)内でのEGRガスの流動距離が長くなり、素管(2)の内周面や一方フィン(3)及び他方フィン(4)の表面との接触時間が長くなるとともに、EGRガスが撹拌されて、EGRガスの一部のみではなく全体が素管(2)並びに一方フィン(3)及び他方フィン(4)と繰り返し接触し、EGRガスから一方フィン(3)と他方フィン(4)への伝熱が更に促進されるものとなる。
【0049】
そして、一方フィン(3)と他方フィン(4)とで受熱したEGRガスの熱は、優れた熱伝導性により素管(2)の内表面に効率的に伝達された後、素管(2)の外表面を介して外周を流動する冷却媒体に放熱されるものとなる。従って、EGRガスの全体がムラ無く均一に冷却され、EGRガスへの優れた冷却効果が得られるものとなる。
【0050】
このように良好に冷却されたEGRガスは、導出口(25)を介してEGRガス冷却装置(20)から流出し、インテークマニホールド側に戻される。従って、EGRバルブの高温化を防止して、EGRバルブの優れた機能性と耐久性を得る事ができるとともに、吸入空気の温度を低下するのでNOxの低減と良好な燃費が可能となる。また、伝熱管(1)内でのEGRガスの乱流化により、EGRガスに混入する煤の剥離が促進されて、大きな塊となるのを防ぐ事ができ、目詰まり等に起因する冷却性能の劣化やエンジントラブルを防ぐ事も可能となる。
【0051】
次に、伝熱管(1)の振動や、伝熱管(1)内のEGRガスの流動圧に対する、伝熱管(1)の耐久性を説明する。まず、一方フィン(3)や他方フィン(4)に、素管(2)の外方向への移動力が作用した場合、一方フィン(3)と他方フィン(4)の、各々の一方片(6)及び/又は他方片(7)の先端が、素管(2)の内周面に突き当たる事により、外方向への移動が阻止される。
【0052】
また、一方フィン(3)と他方フィン(4)とに、素管(2)の内方向への移動力が作用した場合を説明すれば、一方フィン(3)と他方フィン(4)に、軸中心部(8)方向への移動力が作用した場合は、一方フィン(3)の一方片(6)と他方フィン(4)の一方片(6)とが互いに面接触により突き当たる事により、軸中心部(8)方向への移動が阻止される。次に、一方片(6)と略平行方向、即ち一方フィン(3)の一方片(6)と他方フィン(4)の一方片(6)との、互いのスライド方向への移動力が作用した場合、一方フィン(3)、他方フィン(4)の移動先の第4内部空間(13)、第2内部空間(11)は、相手方の一方片(6)と素管(2)の円弧状の内周面とに囲まれ、他方片(7)の形成高さよりも狭幅な空間となっている。そのため、一方片(6)の折曲部(5)側が相手方の一方片(6)に支持された状態で、他方片(7)の先端縁が素管(2)の内周面にテーパー状に突き当たる事により、一方フィン(3)と他方フィン(4)は、互いのスライド方向への移動が阻止される。
【0053】
上述の如く、伝熱管(1)の振動やEGRガスの流動圧等が作用した際に各方向への移動が阻止される事により、一方フィン(3)と他方フィン(4)との固定性が向上し、ブレや変形等を良好に防止する事が可能となる。従って、伝熱管(1)並びにこの伝熱管(1)を組み付けたEGRガス冷却装置(20)の耐久性を向上させる事ができる。
【0054】
また、上記第1実施例では、一方片(6)と他方片(7)とに、円形の貫通孔(14)を開口しているが、第2実施例では図3に示す如く、一方片(6)及び他方片(7)に、EGRガスの流入側にコ字形に開口する隆起部(15)を設ける事で、一方片(6)と他方片(7)の表面に凹凸(16)を設けるとともに、この隆起部(15)の開口部を貫通孔(14)としている。この、隆起部(15)を設けた一方片(6)の拡大斜視図を図3に示している。尚、この図3並びに以降に記載する第3、第4実施例を示した図4、図5では、一方片(6)の拡大斜視図のみを表示しているが、他方片(7)も一方片(6)と同様の構成とするものである。
【0055】
また、他の異なる第3実施例では、図4に示す如く、一方片(6)と他方片(7)に、管軸方向にテーパー状に傾斜するルーバー部(17)を設けて、一方片(6)と他方片(7)の表面に凹凸(16)を設けるとともに貫通孔(14)を開口している。また、更に異なる第4実施例では、図5に示す如く、一方片(6)と他方片(7)に矩形状の貫通孔(14)を開口している。また、他の異なる実施例として、楕円形、長円形、三角形、五角形、その他の多角形等の形状で貫通孔(14)を開口しても良い。
【0056】
上記第2〜第4実施例の如き一方フィン(3)と他方フィン(4)を挿入配設した伝熱管(1)に於いても、優れた熱伝導性が得られるとともに、EGRガスが貫通孔(14)を通過したり凹凸(16)にガイドされながら流動し、且つエッヂ部が多くなるから、EGRガスの乱流化や撹拌作用が更に促進される。その結果、境界層の剥離によりEGRガスと伝熱管(1)との熱伝導効率を向上させる事ができ、熱交換性能に優れた伝熱管(1)を得る事ができる。また、これら貫通孔(14)、隆起部(15)、凹凸(16)、ルーバー部(17)等は、プレス加工等により容易に行う事ができ、伝熱管(1)の製造コストや生産性に影響を与える事がない。
【0057】
また、図6、図7に示す第5実施例では、第1実施例と同一形状の略L字形の一方フィン(3)と他方フィン(4)とを、互いの一方片(6)を面接触させて素管(2)内に挿入配設している。そして、第1実施例では、素管(2)の内外表面は何等凹凸のない平滑なものであるが、第5実施例では、前記一方フィン(3)と他方フィン(4)の挿入状態で、外側から素管(2)の壁面を螺旋状に押圧加工する事により、図6、図7に示す如く、素管(2)の外周に、該素管(2)の外側から内方に突出する螺旋溝(18)を一本、設けている。尚、第5実施例では、螺旋溝(18)を一本のみ設けているが、他の異なる実施例として、2本以上の螺旋溝(18)を素管(2)の外周に設けても良い。
【0058】
このような螺旋溝(18)を設ける事により、図7に示す如く、内方に突出した螺旋溝(18)の内周面が、一方片(6)や他方片(7)の先端を押圧変形しながら一方フィン(3)と他方フィン(4)を挟持固定するので、一方フィン(3)と他方フィン(4)の素管(2)内での固定性が更に向上し、伝熱管(1)の耐久性が高まるものとなる。更に、この螺旋溝(18)の形成位置で、素管(2)の内周面と、一方片(6)及び他方片(7)の表面とが部分的に面接触するものとなり、一方フィン(3)及び他方フィン(4)と、素管(2)との熱伝導性を更に高める事ができる。
【0059】
また、図8に示す第6実施例では、上記各実施例と同様に端面形状を略L字形とする一方フィン(3)と他方フィン(4)とを、互いの一方片(6)を面接触させて十字形に素管(2)内に挿入配設している。そして、反時計回り方向に、一方フィン(3)の一方片(6)と他方片(7)間を第1内部空間(10)とし、一方フィン(3)の一方片(6)と他方フィン(4)の他方片(7)間を第2内部空間(11)とし、他方フィン(4)の他方片(7)と一方片(6)間を第3内部空間(12)とし、他方フィン(4)の一方片(6)と一方フィン(3)の他方片(7)間を第4内部空間(13)としている。
【0060】
また、上記各実施例では、一方片(6)と他方片(7)の先端縁を素管(2)の内周面に密着させているが、第6実施例では、一方片(6)と他方片(7)の先端側を素管(2)の内周面の一部に対応させて反時計回り方向に折曲する事により、密着面(31)を形成している。そして、一方フィン(3)と他方フィン(4)との素管(2)内への挿入配設時に、この密着面(31)を素管(2)の内周面に面接触により密着させている。
【0061】
この密着面(31)の、素管(2)の内周面への密着により、一方フィン(3)及び他方フィン(4)と、素管(2)との熱伝達性を更に向上させる事ができるとともに、素管(2)内での一方フィン(3)と他方フィン(4)との固定性も向上し、伝熱管(1)の耐久性も高まるものとなる。
【0062】
尚、上記密着面(31)は、素管(2)の円周方向の形成幅を、素管(2)の内周面の円周長の5%以上で20%以下とするのが好ましい。この密着面(31)の形成幅を素管(2)の円周長の5%より少なくしても、密着面(31)を設けずに一方片(6)と他方片(7)の先端縁の板厚分のみの接触面積で密着固定させた場合と、さほど熱伝導性や固定性は変わるものではない。また、密着面(31)の形成幅を素管(2)の円周長の20%よりも多くしても、伝熱効果に差を生じない。更に、密着面(31)が隣接する一方片(6)又は他方片(7)に突き当たって湾曲し、素管(2)の内周面に対応させて密着できなくなったり、金属材の無駄を生じる虞がある。
【0063】
また、伝熱管(1)がEGRガスの高熱に常にさらされる事により、一方フィン(3)と他方フィン(4)とは熱膨張を生じ易いが、一方片(6)と他方片(7)とが多少湾曲する事などにより、多少の熱膨張を吸収する事が可能となる。しかしながら、一方片(6)と他方片(7)の先端をろう付けにより素管(2)の内周面に固定しているため、熱膨張が過大となった場合、一方片(6)と他方片(7)との歪みを逃す事ができなくなり、一方片(6)と他方片(7)とに亀裂を生じ、この亀裂がきっかけとなって素管(2)の亀裂をも生じる虞がある。
【0064】
上記過大な熱膨張による不具合を解消するため、第6実施例では、図8に示す如く、一方フィン(3)と他方フィン(4)とは、一方片(6)と他方片(7)の各々に、一面側から他面方向に突設する突条(32)を管軸方向に長尺に設けている。この突条(32)は、素管(2)の円周方向の断面形状をU字形とするとともに、図8に示す如く、素管(2)への配設時に全て反時計回り方向に突出するよう形成している。このように突条(32)を設ける事により、一方片(6)と他方片(7)とに熱膨張を生じても、突条(32)が内方に収縮して熱膨張を吸収する事により、一方片(6)と他方片(7)との歪みが抑えられ、亀裂の発生を防止する事ができる。
【0065】
また、上記突条(32)は、形成高さを一方フィン(3)及び他方フィン(4)の板厚以上で、素管(2)の内径の25%以下とするのが好ましい。突条(32)の形成高さが板厚よりも小さいと、突条(32)による一方片(6)と他方片(7)の熱膨張の吸収が効果的には行われないものとなる。逆に、素管(2)の内径の25%よりも大きくても、熱膨張の吸収性がそれ以上向上せず、材料の無駄を生じる。
【0066】
また、一方片(6)と他方片(7)に、素管(2)の内周面への密着面(31)と、熱膨張を吸収するための突条(32)とを設けた他の異なる第7〜第9実施例を、図9〜図11に示す。まず、図9に示す第7実施例では、第6実施例と同様に、一方片(6)と他方片(7)の先端に、反時計回り方向に密着面(31)を設けるとともに、端面U字形の突条(32)も反時計回り方向に突設しているが、この突条(32)の形成幅を、第6実施例よりも幅広に形成して、熱膨張の吸収力を高めている。
【0067】
また、図10に示す第8実施例では、一方片(6)の密着面(31)と突条(32)とを、時計回り方向に突設し、他方片(7)の密着面(31)と突条(32)とを、反時計回り方向に突設する事により、密着面(31)と突条(32)とを、一方片(6)と他方片(7)との内側に対向配置している。このように密着面(31)と突条(32)とを一方フィン(3)と他方フィン(4)の内側に配設する事により、密着面(31)が嵩張らず、素管(2)への配設前の一方フィン(3)と他方フィン(4)の保管や運搬等が容易となる。
【0068】
また、図11に示す第9実施例は、第8実施例と同様に一方片(6)の密着面(31)と突条(32)とを時計回り方向に突設し、他方片(7)の密着面(31)と突条(32)とを反時計回り方向に突設しているが、突条(32)の形成幅を、第8実施例よりも幅広に形成し、熱膨張の吸収力を高めている。
【0069】
また、上記第1〜第9実施例では、素管(2)の内径の50%より長尺で75%より短尺とした一方フィン(3)の一方片(6)と他方フィン(4)の一方片(6)とを、素管(2)内で互いに面接触させているが、図12、図13に示す第10、第11実施例では、一方片(6)と他方片(7)との間に設けた接触片(33)を素管(2)内で互いに面接触させている。まず、図12に示す第10実施例では、一方フィン(3)と他方フィン(4)の素材である板部材の中央の3.0mm分を接触片(33)とし、この接触片(33)の両端を折曲する事で、この一対の折曲部(5)を介して接触片(33)の両側に一方片(6)と他方片(7)とを設けている。また、一方フィン(3)と他方フィン(4)の一方片(6)と他方片(7)には、先端側を折曲して互いに対向する密着面(31)を設け、この密着面(31)を素管(2)の内周面に密着固定する事で、一方フィン(3)及び他方フィン(4)と素管(2)との熱伝導性を高めている。更に、一方片(6)と他方片(7)の、端面形状U字形の突条(32)を、互いに対向する方向に突設する事で、熱膨張を吸収可能としている。
【0070】
また、図13に示す第11実施例では、第10実施例と同様に、一方フィン(3)と他方フィン(4)とを、接触片(33)を介して面接触させ、更に一方片(6)と他方片(7)に、互いに対向する密着面(31)とU字形の突条(32)とを設けている。しかし、第11実施例では、接触片(33)の形成長さを1.0mmとして、第10実施例に比べて短尺に形成したものである。
【0071】
そして、第10、第11実施例の何れも、一方フィン(3)と他方フィン(4)とを同一形状で形成する事により、図12に示す如く、軸中心部(8)を介して、一方フィン(3)の接触片(33)と他方フィン(4)の接触片(33)とを、一方片(6)と他方片(7)に対してテーパー状に面接触させている。尚、接触片(33)が互いに面接触するのであれば、一方フィン(3)と他方フィン(4)とを必ずしも同一形状で形成しなくても良いが、同一形状とするほうが、一方フィン(3)と他方フィン(4)の製作や、素管(2)への挿入配設作業が容易である。
【0072】
また、一方フィン(3)と他方フィン(4)との挿入配設により、素管(2)の内部空間が4分割され、一方フィン(3)の一方片(6)と他方片(7)間に第1内部空間(10)が、一方フィン(3)の一方片(6)と他方フィン(4)の他方片(7)間に第2内部空間(11)が、他方フィン(4)の他方片(7)と一方片(6)間に第3内部空間(12)が、他方フィン(4)の一方片(6)と一方フィン(3)の他方片(7)間に第4内部空間(13)が各々形成される。
【0073】
上記第10、第11実施例の如く、一方フィン(3)と他方フィン(4)の、一方片(6)及び他方片(7)に対して接触片(33)が互いにテーパー状に面接触する事により、伝熱管(1)の振動やEGRガスの流動圧により、一方フィン(3)と他方フィン(4)の何れの方向への移動力が作用しても、接触片(33)の互いに突き当たるとともに、一方片(6)や他方片(7)の先端縁が素管(2)の内周面に突き当たる事により、移動が阻止され、多方向への移動力の吸収効果が高まるものとなる。また、接触片(33)と略平行、即ち互いの接触片(33)のスライド方向への移動力が生じた場合は、一方片(6)又は他方片(7)の先端縁が素管(2)の内周面にテーパー状に突き当たる事により、移動が良好に阻止されるものである。
【0074】
また、前記第1〜第9実施例では、一方フィン(3)の一方片(6)と他方フィン(4)の一方片(6)とを面接触させる事によって、また第10、第11実施例では、一方フィン(3)の接触片(33)と他方フィン(4)の接触片(33)とを面接触させる事によって、一方フィン(3)と他方フィン(4)との固定性を高め、一方フィン(3)と他方フィン(4)とのブレや変形等を防止可能としている。これに対して、他の異なる第12実施例では、第1〜第9実施例と同様に、一方フィン(3)の一方片(6)と他方フィン(4)の一方片(6)とを面接触させるだけでなく、更に一方フィン(3)の一方片(6)と他方フィン(4)の一方片(6)との外面に、相手方の他方片(7)を係合可能なストッパー(34)を複数個突設している。このストッパー(34)は、図15に示す如く、一方片(6)の一部を膨出させる事により形成し、このストッパー(34)に相手方の他方片(7)を係合する事により、一方フィン(3)と他方フィン(4)の、互いの一方片(6)のスライド方向への移動を防止する事が可能となる。
【0075】
また、上記第12実施例では、ストッパー(34)を設けるだけでなく、一方フィン(3)の一方片(6)と他方フィン(4)の一方片(6)とを面接触させているが、他の異なる実施例として、第10、第11実施例の如く、一方フィン(3)と他方フィン(4)の各々に設けた接触片(33)を面接触させるとともに、一方片(6)や他方片(7)にストッパー(34)を設けて、相手方の他方片(7)又は一方片(6)を係合しても良い。また、更に異なる実施例として、一方フィン(3)と他方フィン(4)とを面接触する事なく形成し、ストッパー(34)のみで互いの移動を阻止するものであっても良い。
【0076】
また、図16に示す他の異なる第13実施例では、第1実施例と同様の形状で形成した一方フィン(3)と他方フィン(4)とを、更に管軸を中心として円周方向に捻り形成している。この捻り形成により、第1〜第4内部空間(10)(11)(12)(13)が蛇行化し、EGRガスの乱流化や撹拌作用が促進され、境界層の剥離によりEGRガスと伝熱管(1)との熱伝導効率を向上させる事ができるとともに、煤の堆積等も抑制する事が可能となる。
【0077】
また、図17に示す第14実施例及び図18に示す第15実施例では、一方フィン(3)と他方フィン(4)の、各一方片(6)と他方片(7)とに、管軸に対して傾斜方向に一定長さのエンボス状の突起(35)を複数個突設している。この突起(35)の突設により、一方片(6)と他方片(7)の両表面に複数の突部(36)と凹部(37)が形成される。また、これら突起(35)は、EGRガスの流入側の端部が中心軸方向に位置し、流出側の端部が外方に位置するような傾斜方向で配設するとともに、一方片(6)と他方片(7)とで互いに同一円周上に配置されないように、管軸方向に互い違いに突設している。
【0078】
一方、第14実施例では、図17に示す如く、一方片(6)の突起(35)と他方片(7)の突起(35)とを、各々反時計回り方向に突設している。他方、第15実施例では、図18に示す如く、一方片(6)の突起(35)を反時計回り方向に突設しているが、他方片(7)の突起(35)は時計回り方向に突設し、互いの突部(36)と凹部(37)とが対向するよう形成している。また、エンボス状の突起(35)は、必ずしも一方片(6)と他方片(7)の双方に設けなくても良いし、一定長さでエンボス状に形成すれば良く、図17、図18に示すような形状に限定されるものではない。尚、エンボス状の突起(35)は、必ずしも管軸に対して傾斜して設けなくても良く、管軸に対して平行に設けても良いし、他の角度で設けても良い。
【0079】
上記第14、第15実施例の如く一方フィン(3)と他方フィン(4)の、一方片(6)と他方片(7)とに突起(35)を突設した伝熱管(1)では、伝熱面積を増大させる事が可能となるとともに、一方フィン(3)及び他方フィン(4)の一方片(6)と他方片(7)の両表面に形成される一定長さの突部(36)と凹部(37)に沿ってEGRガスが流動するので、EGRガスの乱流化や撹拌作用を促進する効果が高い。その結果、境界層の剥離によりEGRガスと伝熱管(1)との熱伝導効率を向上させる事ができるとともに、煤の堆積等も抑制する事が可能となる。
【0080】
また、前記第5〜第12実施例に於いても、第1〜第4実施例、第13実施例の如く、一方フィン(3)と他方フィン(4)の、各一方片(6)と他方片(7)に、貫通孔(14)、隆起部(15)、凹凸(16)、ルーバー部(17)等を設けても良い。また、これらを一種類のみ設けても良いし、複数種を適宜組み合わせて、一方片(6)と他方片(7)に貫通孔(14)や凹凸(16)を設けても良い。また、第14、第15実施例の如く、一方片(6)及び/又は他方片(7)に、管軸に対して平行又は傾斜方向又は他の角度で、一定長さのエンボス状の突起(35)を複数個設けても良い。
【0081】
また、第1〜第11実施例、第13〜第15実施例に於いて、第12実施例の如く、一方フィン(3)と他方フィン(4)の一方片(6)や他方片(7)に、ストッパー(34)を設けても良い。また、第1〜第5実施例、第13〜第15実施例に於いて、第6〜第12実施例の如く、一方片(6)や他方片(7)にU字形又はV字形の突条(32)を形成しても良い。更に、第1〜第5実施例、第13〜第15実施例に於いて、第6〜第12実施例の如く、一方片(6)と他方片(7)の先端側を素管(2)の内周面の一部に対応させて折曲して密着面(31)を形成し、この密着面(31)を、素管(2)の内周面に面接触させても良い。
【0082】
また、第1〜第12実施例、第14、第15実施例に於いて、第13実施例の如く、一方フィン(3)と他方フィン(4)とを、管軸を中心として円周方向に捻り形成しても良い。また、第1〜第4実施例、第6〜第15実施例に於いて、第5実施例の如く素管(2)の外周面に螺旋溝(18)を少なくとも一本設けても良い。
【0083】
また、上記各実施例では、一方フィン(3)と他方フィン(4)とを、同一形状で形成し、軸中心部(8)で互いに面接触するようにしているが、必ずしも同一形状で形成する必要はなく、一方フィン(3)と他方フィン(4)とを異なる形状や大きさで形成し、素管(2)内に於いて軸中心部(8)とは異なる位置で、互いに面接触させても良い。
【0084】
また、上記各実施例では、EGRガス冷却装置(20)に本発明の伝熱管(1)を組付けたものとして説明しているが、他の異なる多管式熱交換器に本発明の伝熱管(1)を用いても良く、優れた熱交換性能を得る事ができる。また、エンジンオイル、ミッションオイル、ATF、パワステオイル等の高温オイルを内部に流通させて、この高温オイルをエンジン冷却水で冷却するラジエーターへの組込式オイルクーラーに、本発明の伝熱管(1)を組付ける事もできる。そして、本発明の伝熱面積が広く且つ熱伝導性の高い伝熱管(1)を介して、伝熱管(1)内を流通するエンジン冷却水と伝熱管(1)外部を流通する被冷却オイルとの熱交換が促進され、被冷却オイルの冷却を均一且つ効率的に行えるものである。
【0085】
【発明の効果】
本発明は上述の如く構成したもので、熱伝導性に優れる金属製の素管内に、一方片と他方片とを交差方向に設けた一方フィンと他方フィンとを挿入配設しているので、伝熱管の伝熱面積を増大させる事ができ、更には一方フィン及び他方フィンと、素管との熱伝導性を高める事ができる。また、一方フィンと他方フィンの配設により、伝熱管の内部空間が複数に分割され、流体の流れの偏りを防ぐとともに、一方フィンと他方フィンとを介して伝熱管の中央付近を流動する流体との熱交換も促進される。従って、伝熱管の内外を流動する流体相互の熱交換を効率的に行う事ができ、熱交換性能の高い伝熱管を得る事ができる。
【0086】
更に、一方片と他方片の先端を素管の内周面に当接し、一方フィンと他方フィンとを少なくとも一部で接触させているから、一方フィンと他方フィンとの素管での固定性が向上し、伝熱管の振動や流体の流動圧等による一方フィンと他方フィンのブレや変形を防ぐとともに、一方フィンと他方フィンや、これらが接触している素管の壁面のフレッティング等を防いで、熱交換を円滑に行う事ができ、伝熱管の耐久性も向上する。
【0087】
また、上述の如き熱交換性能に優れた伝熱管を、煩雑な位置合わせや寸法合わせ等を必要とする事なく、一方フィンと他方フィンとを互いに接触させながら、素管内に挿入するだけで、位置合わせが完了するとともに位置ズレや素管からの脱落等も防止し、伝熱管を容易に形成する事ができる。そして、この熱交換性能に優れる伝熱管を、多管式熱交換器や、ラジエーター組込式オイルクーラー等に使用する事により、伝熱特性及び耐久性の高い製品を得る事ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例の伝熱管を示す斜視図。
【図2】図1の端面図。
【図3】第2実施例の一方片の拡大斜視図。
【図4】第3実施例の一方片の拡大斜視図。
【図5】第4実施例の一方片の拡大斜視図。
【図6】第5実施例の伝熱管を示す斜視図。
【図7】図6の伝熱管のA−A線断面図。
【図8】第6実施例の伝熱管を示す端面図。
【図9】第7実施例の伝熱管を示す端面図。
【図10】第8実施例の伝熱管を示す端面図。
【図11】第9実施例の伝熱管を示す端面図。
【図12】第10実施例の伝熱管を示す端面図。
【図13】第11実施例の伝熱管を示す端面図。
【図14】第12実施例の伝熱管を示す円周方向の断面図。
【図15】第12実施例の一方フィンと他方フィンのみの拡大斜視図。
【図16】第13実施例の一方フィンと他方フィンのみの斜視図。
【図17】第14実施例の一方フィンと他方フィンのみの斜視図。
【図18】第15実施例の一方フィンと他方フィンのみの斜視図。
【図19】本発明の伝熱管を組み付けたEGRガス冷却装置の一部切り欠き平面図。
【符号の説明】
2 素管
3 一方フィン
4 他方フィン
5 折曲部
6 一方片
7 他方片
14 貫通孔
16 凹凸
18 螺旋溝
31 密着面
32 突条
33 接触片
34 ストッパー
35 突起

Claims (11)

  1. 金属材製の素管内に、折曲部を介して一方片と他方片とを各々交差方向に配置した一方フィンと他方フィンとを挿入配設し、この一方フィンと他方フィンの一方片と他方片との先端側を素管の内周面に当接させるとともに、一方フィンと他方フィンとを折曲部方向の少なくとも一部で接触させた事を特徴とする伝熱管。
  2. 金属材製の素管内に、折曲部を介して一方片と他方片とを各々交差方向に配置した一方フィンと他方フィンとを挿入配設し、この一方フィンと他方フィンの一方片と他方片との先端側を素管の内周面に当接させるとともに、一方フィンと他方フィンとを折曲部方向の少なくとも一部で接触させた伝熱管を組み付けた事を特徴とする伝熱管を組み付けた熱交換器。
  3. 一方フィン及び他方フィンは、一方片の形成長さを素管の内径の50%よりも長尺で75%よりも短尺とし、この一方フィンの一方片と他方フィンの一方片とを互いに面接触させるとともに、他方片の形成長さを素管の内径の50%よりも短尺で25%よりも長尺とし、素管内を管軸方向に4分割した事を特徴とする請求項1の伝熱管。
  4. 一方フィン及び他方フィンは、一部を互いに面接触させ、この接触片の両端を折曲し、この一対の折曲部を介して接触片の両側に一方片と他方片とを設けて形成し、一方フィンの接触片と他方フィンの接触片とを互いに面接触させる事により、素管内を管軸方向に4分割した事を特徴とする請求項1の伝熱管。
  5. 一方フィン及び他方フィンは、一方片と他方片の外面の少なくとも一部にストッパーを突設し、このストッパーに相手フィンの他方片又は一方片を当接させた事を特徴とする請求項1の伝熱管。
  6. 一方片及び/又は他方片は、先端側を素管の内周面の一部に対応させて折曲する事により密着面を形成し、この密着面を、素管の内周面に面接触により密着可能とした事を特徴とする請求項1、3、4又は5の伝熱管。
  7. 一方片及び/又は他方片は、管軸方向に長尺で素管の円周方向の断面形状がV字形又はU字形の突条を設けた事を特徴とする請求項1、3、4、5又は6の伝熱管。
  8. 素管は、内部に一方フィンと他方フィンとを配設した状態で、素管の内方に突出する螺旋溝を少なくとも一本設けた事を特徴とする請求項1、3、4、5、6又は7の伝熱管。
  9. 一方片及び/又は他方片に設けた密着面は、素管の円周方向の形成幅を、素管の内周面の円周長の5%以上で20%以下とした事を特徴とする請求項6の伝熱管。
  10. 一方片及び他方片は、管軸を中心として円周方向に捻り形成した事を特徴とする請求項1、3、4、5、6、7、8又は9の伝熱管。
  11. 一方片及び/又は他方片は、一定長さのエンボス状の突起を複数個、突設した事を特徴とする請求項1、3、4、5、6、7、8、9又は10の伝熱管。
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